...

人材育成にかかる公的支援制度の活用

by user

on
Category: Documents
34

views

Report

Comments

Transcript

人材育成にかかる公的支援制度の活用
2004.10.13
信用金庫取引先における海外進出と人材育成
−人材育成にかかる公的支援制度の活用−
(平成 16 年度版)
アジア業務相談室情報
Vol.31(No.16-4)
総合研究所アジア業務相談室
〒104-0031 東京都中央区京橋 3-8-1
TEL.03-3563-7547 FAX.03-3563-7551
はじめに
最近の日系企業の海外展開は、中国を中心として目をみはるものがありますが、この海外展開を行う
各企業の人材育成は十分とは言えない状況にあります。特に中小企業においては、製品納入先の相次ぐ
海外進出に伴い、自社も海外進出の必要性に迫られているものの、人材不足に泣く企業が多いのではな
いでしょうか。当アジア業務相談室が実施いたしました信用金庫取引先の海外進出状況調査においても、
進出企業の問題点として最も多くの回答がありましたのは「現地社員の教育」です。このほか、「現地
工場の生産性」、「派遣社員の選定」が上位の回答となっています。
また、現地子会社の社長を経験した人の話を聞くと、よく「日本の本社は現地の状況を全く解ってい
ない。もっと現地に権限を委譲しないと仕事が進まない。」という言葉を耳にします。これは、本社社
員の国際感覚が欠如していることに起因していると思われます。
このように、海外展開に伴う人材の育成は、現地社員だけでなく現地で経営にあたる派遣社員、日本
側で海外事業や社全体の経営を司る社員の育成をも含んでいることを忘れてはなりません。さらに、一
口に人材育成と言っても短期間に育成することは難しく、長い期間をかけて段階的に行う必要がありま
す。しかしながら、海外進出が近々の課題となっている中小企業の多くは、時間的余裕がないのが現状
と思われます。
一方、中小企業の国際化に伴う人材育成の公的支援制度が意外と多いことに驚かされますが、公的支
援制度は多数の機関で類似した制度が取り扱われていることから、それぞれの特徴を理解して使い分け
ている企業は少ないと思われます。
今、空前の中国投資ブームの中にあって、中小企業の中にも中国進出が喫緊の課題となっている企業
が増加しています。こうした企業こそ、公的支援制度を有効に活用すべきであると言えます。
本レポートは各支援機関が有する支援制度を中小企業(利用者)の視点から取りまとめ、個別企業に
おける国際化への早期対応を目指したものです。本編は第1章「国際化と人材育成」、第2章「外国人
研修生」、第3章「企業の発展段階に応じた公的支援制度の活用」から構成しています。本レポートが
多少なりとも、中小企業の国際化にお役に立つことができれば幸いです。
末筆ながら改訂版を発行するにあたり、昨年に引き続き多大なるご協力をいただきました関係機関の
皆様に衷心より御礼申し上げます。
信金中央金庫総合研究所
アジア業務相談室
目次
第1章
国際化と人材育成
第2章
外国人研修生
1.ビザ(査証)と在留資格
2.外国人研修・技能実習制度の概要
3.外国人研修生の要件等
(1)研修生の要件
(2)受入れ側の要件
(3)研修生受入れ人数枠と研修期間
4.外国人研修生の処遇等について
(1)研修手当
(2)研修生向け処遇通知書の交付
(3)研修生のその他の処遇
第3章
企業の発展段階に応じた公的支援制度の利用
1.外国人研修生の受入れ等による社内の国際化適応力の醸成
(1)独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO)の貿易実務オンライン講座
(2)JETRO の国際インターンシッププログラム
(3)財団法人 国際研修協力機構(JITCO)の支援・助言事業
(4)財団法人 海外貿易開発協会(JODC)の海外インターンシップ派遣事業
2.現地に派遣する技術指導者の育成
(1)財団法人 海外職業訓練協会(OVTA)の海外訓練派遣援助
(2)OVTA のシルバーコンサルタント事業
3.現地従業員の技術レベル等の向上
(1)JODC の専門家派遣事業
(2)財団法人 海外技術者研修協会(AOTS)の受入研修
(3)JITCO の外国人研修制度
(4)AOTS の海外研修
4.現地管理者の養成
(1)JODC の専門家派遣事業
(2)AOTS の海外研修
第1章
国際化と人材育成
企業が海外に進出する場合、貿易、委託加工、合弁、独資、現地での販売網構築等の事業拡張といっ
た段階を踏むことが理想とされます。今やそのような時間的余裕がないのが現状ですが、基本的な理解
を得るために、ここではまず段階的に人材育成を考えてみることにしたいと思います。
企業の各発展段階における人材育成
は図表1のとおり現状への対応(現状迫
られているもの)と将来への対応(将来
図表1:国際化に対応するための人材育成のポイント
発展段階
現状への対応のポイント
①国内
求められてくるもの)とに分けられます。 ②貿易
将来への対応のポイント
国内における諸問題
社内の国際化への雰囲気作り
社内の国際化への雰囲気作り
技術移転
もし、合弁企業の段階にある企業がこ
③委託加工
技術移転
現地工場の生産管理、経営
れまで全く人材育成をしてこなかった
④合弁企業
現地工場の生産管理、経営
現地工場の独自経営
らどのようなことになるのでしょうか。
⑤独資企業
現地工場の独自経営
事業拡張
1
日本の本社内には海外工場に対する理解がなく、派遣社員は孤立無援、本社に判断を求めてもなかなか
回答がなく、現地での生産管理もおぼつかない。こんな状況が目に浮かんでくるのは、大企業だけでな
く、中小企業においても同じと言えます。
また、段階的に人材育成を行ってこなかった企業は、このギャップを埋めるため、外部招聘や過ぎて
しまった各発展段階で行
うべき人材育成を一気に
実施する必要に迫られる
こととなり、その付けは大
図表2:人材育成のポイント別施策
人材育成のポイント
具体的な施策
1.社内の国際化への雰囲気
①海外視察(市場調査、技術水準等)、②外国人研修生の受入れに
作り
よる社内の国際化適応力の醸成
きいと言えます。では、企
業は発展段階に応じてど
のような人材を育成して
①提携先からの研修生受入れによる技術移転、②現地企業へ短期派
2.技術移転
遣する技術指導者の養成
3.海外現地企業
①現地企業からの社内留学による技術移転、②現地企業へ短期派遣
いくべきなのでしょうか。
生産型企業を例にとって
対応策を考えてみること
(1)合弁企業における
する技術指導者の養成、③現地企業へ長期派遣する生産管理者およ
生産管理、経営
び経営者の養成(生産管理と自社権利の確保を中心とした管理)④
現地人管理者の養成
として、人材育成のポイン
ト別施策を整理してみま
①現地企業からの社内留学による技術移転、②現地企業への技術指
(2)独資企業の経営
導者の短期派遣、③現地企業へ長期派遣する経営者等の養成(経営
すと図表2のとおりとな
ります。
に関する全ての事項)、④現地人管理者の育成
(3)事業拡張
①販売網の構築できる人材の育成、②現地人経営者の育成
第一段階にある会社に
は、まず社内の国際化への雰囲気作りが必要であり、外国人研修生を受け入れることが良いと思われま
す。日本の国際化が進んだとは言え、外国人を雇用する中小製造企業はそれ程多くありません。将来の
海外展開を考えれば、社内に外国人研修生を受け入れることの意義は大きいと言えます。また、外国人
とのコミュニケーション能力を向上させるための語学研修も有効です。
第二段階は技術移転の段階であり、この段階では貿易および委託加工により技術移転が行われること
により、人的ネットワークも広がり将来の海外展開の足掛かりを築く時期にあります。
第三段階は、現地法人の設立であり、この場合、現地工場が合弁企業と独資企業では日本側企業の果
す役割は大きく変わってきます。合弁企業では、現地パートナーが①投資認可申請、②雇用および労務
管理、③銀行取引等を担当するとともに、現地政府当局との折衝も行ってくれます。独資企業では、現
地の法律に明るい弁護士や公認会計士を使って適切に対応する必要があるとともに、現地政府当局とも
良好な関係を構築していくことができる人材が必要となります。さらに、合弁企業では、日本側の経営
者は生産管理を中心に経営全般において自社の権利を確保することが主眼となりますが、独資企業では
労務、財務を含む経営の全てにおいて関与していくことが必要となります。このため設立当初において
は、合弁企業に比べて独資企業の方がより多くの日本人の派遣が求められることから、独資企業設立ま
でに幅広い人材育成を行っていく必要があります。
生産が安定し事業が拡張期に入って来ますと、現地市場で新規顧客を獲得したり、さらなるコストダ
ウンのための現地化を進めたりする必要に迫られることとなります。この時期は、現地化を進める第一
歩であり、日本から派遣される人材には、現地における幅広い人脈の形成、マーケティング、現地人経
営者の育成といった新たな資質も求められることとなります。
このように、企業の発展段階に応じて迅速かつ効率的に人材育成を行っていくことが重要となってい
ますが、中小企業にとって的確に人材を育成していくことは、簡単なことではありません。人材育成は、
経営者が先頭に立ち全社的に取り組んでいくことが大切と言えます。
また、最近では研修生で受け入れた中国人を採用し、中国進出の推進役として活用している企業が増
2
えています。その一方で、中国へ進出したいが、社内に任せられる人材がいないという企業が多いのも
現状です。このような企業では、社長だけが日本の事業の合間をぬって現地を走り回り、なかなか進出
の可否を判断できず進出の検討を始めてから2年以上を経過しているところもあります。もし、このよ
うな企業が早くから事業の海外展開を念頭に置いた人材育成を行っていたならば結果は違っていたので
はないでしょうか。
グローバル化は進行することはあっても、逆戻りすることはありません。国際社会、日本において勝
ち残っていくためには、中小企業と言えども国際化感覚を持った社員は必要不可欠と言えます。これま
で国際化に向けた人材育成に取り組んでこなかった企業は、できる限り早く人材育成プログラムを策定
し実行することが大切であり、これまで人材育成を行ってきた企業においても継続していくことが必要
です。
当アジア業務相談室では、こうした人材育成についてもご相談に応じておりますので、貴金庫取引先
からご相談がありましたらお気軽にお取り次ぎ下さい。
第2章
外国人研修生
本章では、現地従業員の技術レベル向上策の中心となる外国人研修生の受入れについて、企業が外国
人研修生を受け入れるにあたり理解しておくべき在留資格、査証取得手続き等の基本的事項について解
説します。
1.ビザ(査証)と在留資格
「出入国管理及び難民認定
図表3:研修生の上陸手続きフロー
法」(以下「入管法」)第6条
受入れ企業や諸団体(代理人)によ
る地方入国管理局への在留資格認定
証明書交付申請
では、『本邦に上陸しようとす
る外国人は、有効な旅券で日本
国領事館等の査証を受けたもの
を所持しなければならない。』
と定められており、 日本に上陸
地方入国管理局による在留資格認定証
明書交付
しようとする外国人は、入国審
証明書を代理人が受領
査官から上陸許可を受けること
となります。
上陸許可には、わが国に入国
証明書を代理人から申請人に送付
し、在留しようとする外国人に
対し、わが国で行ってよい活動、
または認められた身分・地位等
申請人から在外公館への査証申請
を定めた法的資格である「在留
資格」が記載されます。査証は、
在外公館による査証発給
入国目的に応じ、査証区分が7
区分(外交、公用、就業、一般、
申請人による出入国港での上陸申請
短期滞在、通過、 特定査証)、
在留資格が 27 種類あり、在留資
格により在留期間や受入れ範囲
出入国港での上陸許可
在留資格認定証明書交付申請時の提
出書類
1.研修の内容、必要性、実施場所、
期間及び待遇を明らかにする研修
計画書
2.帰国後本邦において修得した技
術、技能及び知識を要する業務に
従事することを証する文書
3.卒業証明書及び職歴を証する文書
4.研修を指導する者の当該研修に係
る職歴を証する文書
5.派遣期間の概要を明らかにする資
料
6.受入機関の商業・法人登記簿謄本、
損益計算書の写し、常勤の職員の
数を明らかにする文書及び研修生
名簿
等
図表4:外国人在留総合インフォメーションセンター
仙 台
022-298-9014
東 京
03-5796-7112
横 浜
045-651-2851∼2
名古屋
052-973-0441∼2
大 阪
06-6774-3409∼10
神 戸
078-326-5141
広 島
082-502-6060
福 岡
092-626-5100
が異なっています。(巻末資料参照)
外国人が研修生として入国するためには、在外日本公館で在留資格が「研修」である査証を取得し
たうえで来日することとなります。この査証を取得するためには、受入れ企業や諸団体が日本国内で
3
あらかじめ地方入国管理局から「在留資格認定証明書」の交付を受け、当該証明書等を在外日本公館
に提示して査証の発給を受けます。
また、「研修」の在留資格で行うことのできる活動は、技術、技能または知識の修得をする活動で
す。研修生の行う活動はあくまでも技術、技能等を修得するためのものであって、そのために、一時
的に生産活動に携わっても、収入を得るために働く「就労」とは、区別されるものです。
2.外国人研修・技能実習制度の概要
研修とは、出入国管理及び難民認定法で『本邦の公私の機関により受け入れられて行う技術、技能
または知識の修得をする活動』と定められており、研修は①非実務研修と②実務研修に大別されます。
研修終了後、研修成果・在留状況等の評価を受けて技能実習に移行することができます。
非実務研修は「座学」ともいわれ、実務研修以外の研修をいいます。具体的には、研修の初期に行
われる日本語研修、実務研修に必要な技術の基本原理・基礎知識等の研修、安全衛生教育、または実
務の現場以外で行う試作品の作製、模擬販売等の研修をいいます。
一方、実務研修は実地において行う研修とされており、生産現場で実際に生産に従事しながら、あ
るいは実際に販売やサービス業務に携わりながら技術、技能、知識を修得する研修をいいます。
技能実習は、研修成果が一定水準以上に達し、在留状況が良好と認められるなど、研修成果・在留
状況・技能実習計画の評価を受けて研修終了後に在留資格「特定活動」の変更許可を受け、研修を受
けた同一企業において雇用関係の下で、研修で修得した技能の習熟度を高めるためにさらに実習する
ものです。
3.外国人研修生の要件等
(1)研修生の要件
研修生は次のような条件を満たすことが必要です
単純作業の研修ではないこと。
18 歳以上であり、研修終了後母国に帰り、日本で修得した技術・技能を生かせる業務に就く
予定があること。
母国での習得が困難で、現在の技術・技能のレベルを向上させるために、日本で研修を受け
ることが必要であること。
企業単独型の研修生受入れで実務研修を行う場合には、現地法人、合弁企業、取引先の常勤
職員であること。
団体監理型の研修生受入れの場合には、研修生が現地国の国もしくは地方公共団体の機関又
はそれに準ずる機関から推薦を受けていること。
原則として、日本で受ける研修と同種の業務に従事した経験を有すること。
(2)受入れ側の要件
受入れは、その形態によって要件が異なります。
イ.受入れの形態に係る要件
図表5:外国人研修生受入れの形態に係る要件
受入れ形態
要件
1.海外関連企業から受け入 ①海外の現地法人・合弁企業(出資比率 20%以上)
②海外の取引先企業(取引実績:引き続き1年以上、又は取引額:過去1年間に 10 億
れる場合
円以上)
(企業単独型受入れ)
海外に上記1.のような関連企業がない場合は、以下の団体を通じてのみ受入れが可
2.海外に関連企業がない場
能です。
合
①中小企業3団体(商工会議所・商工会・中小企業団体)②職業訓練法人、③農業協同
(団体監理型受入れ)
組合、④公益法人
4
ロ.受入れ体制の整備に係る要件
受入れ団体・企業等は、受入れのため次の条件を満たすことが必要です。
研修指導員をおくこと(5年以上の経験を有する常勤職員であること。)。
研修生用宿舎を準備すること。
研修施設を確保すること。
生活指導員をおくこと。
研修生の研修中の死亡、負傷、または疾病等に備え、保険に加入すること。
安全衛生上必要な処置を講じていること。
なお、団体監理型による受入れの場合には、さらに次の要件も満たす必要があります。
国または地方公共団体から資金その他の援助を受け、かつ、指導を受けること。
受入れ団体は、会員または組合である受入れ企業に対し監理(指導監督)を行い、3か
月に一回(新規受入れの場合、最初の6か月は毎月)研修実施状況を監査し、管轄する地
方入国管理局に報告すること。
(3)研修生受入れ人数枠と研修期間
図表6:外国人研修生受入れに係る制限
項目
制限内容
受入れ可能な研修生数
原則として、受入れ企業の常勤職員 20 名につき研修生1名の割合で受け入れることができます
が、①中小企業3団体を通じての受入れ、②社団の職業訓練法人を通じての受入れ、③農業協同
組合を通じての受入れの場合は特例があります。
研修期間
原則として1年以内
非実務研修
実務研修を行う場合には、原則として研修総時間の3分の1以上の時間を「非実務研修」に当て
ることが必要です。
図表7:研修生受入れの主要なタイプと要件
受入れのタイプ
実務研修型を含む場合
受入れの要件
非実務研修型のみの場合
企業
団体
単独型
監理型
共通要件
付加的要件
①研修の技術・技能水準の要件
○
○
○
②技術・技能等の現地修得困難の要件
○
○
○
③技術・技能等の現地活用の要件
○
○
○
④年齢の要件
○
○
○
⑤研修指導員の要件
○
○
○
⑥受入れ機関等の「公正」の要件
○
○
○
⑦宿泊施設の要件
―
○
○
⑧研修施設の要件
―
○
○
⑨傷害等保障対策の要件
―
○
○
⑩生活指導員の要件
―
○
○
⑪非実務・実務研修比率の要件
―
○
○
⑫外国の派遣機関の要件
―
○
―
⑬研修生人数枠の要件
―
○
―
⑭受入れ団体と企業の要件
―
―
○
⑮研修生人数枠の緩和された要件(注)
―
―
○
⑯研修生の推薦機関の要件
―
―
○
⑰研修生の業務経験の要件
―
―
○
⑱政府等の公的援助の要件
―
―
○
⑲団体監理の要件
―
―
○
⑳定期監査の要件
―
―
○
(注)財団法人、社団法人(ただし、農業技術協力を行う公益法人と職業訓練法人(社団法人)を除く。)の場合には、人
数枠の緩和は適用されず、「常勤職員 20 人に1人」の規定が研修生受入れの要件になります。
5
4.外国人研修生の処遇等について
(1)研修手当
研修手当は、研修生がわが国滞在中の生活に要する実費(受入機関が負担する住宅・水道光熱費、
医療のための民間保険料、研修テキスト教材費等を除く生活実費)として支給されるものです。労
働の対価として支払われる賃金ではありません。この研修手当は、研修生本人に直接、全額、毎月
一定期日に支給することが必要です。
口座払いをする場合には、本人の同意が必要です。通帳・印鑑は本人に保管させてください。
なお、研修手当のほか、本人の往復渡航費、住居費、研修実施費用、保険料等は原則として受入
企業等が負担することになっています。
また、送出し機関から管理費を要求されることがありますが、研修手当とは性質の異なるものな
ので、明確に分離するようにしてください。
(2)研修生向け処遇通知書の交付
トラブルを未然に防止するために研修生に対し研修時間、研修の内容、研修手当等に関する処遇
について文書で通知することが重要です。なお、研修生は、労働者ではないので、残業や公休出勤
をさせることはできません。
(3)研修生のその他の処遇
研修生は労働関係法令が適用されず、研修中に人身事故が発生した場合、労災補償は受けられま
せん。このため、外国人研修生総合保険に加入するなどの保険措置を講ずるほか、研修に係る安全
衛生対策を講じることが受入れの条件となっています。
また、日本に 90 日以上滞在する研修生は、居住地の市町村に外国人登録を申請し、交付された
外国人登録証明書を常時携帯しなければなりません。
6
第3章
企業の発展段階に応じた公的支援制度の利用
企業は、自己の発展段階に応じて①外国人研修生の受入れ等による社内の国際化適応力の醸成、②現
地に派遣する技術指導者の育成、③現地従業員の技術レベル等の向上、④現地管理者の養成等の人材育
成方針に基づき人材育成を図っていくこととなります。中小企業において、人材育成を個別企業単独で
行うことは容易ではないことから、公的支援制度を上手に利用していくことが良いと思います。ここで
は、企業の発展段階に応じた人材育成方針に応じて利用できる公的支援制度を紹介したいと思います。
図表8:企業の国際化に資する人材育成に係わる公的支援制度
企業の発展段階に応じた人材育成方針
機
関
名
制
度
名
①
②
③
④
社内の国
際化適応
力の醸成
現地に派
遣する技
術指導者
の育成
現地従業
員の技術
レベル等
の向上
現地管理
者の養成
準備期間
(注1)
補助金
の有無
貿易実務オンライン講座
○
開講日の1か月
前に締切り
無
国際インターンシップ
プログラム
○
1年
無
(財)国際研修協力機構
(JITCO)
支援・助言事業
○
−
無
(財)海外職業訓練協会
海外訓練派遣援助制度
○
3か月
有
(OVTA)
シルバーコンサルタント
事業
○
4週間
有
4か月
有
○
3か月
有
有
有
(独)日本貿易振興機構
(JETRO)
(財)海外貿易開発協会
(JODC)
(財)海外技術者研修協会
(AOTS)
海外インターンシップ
派遣事業
○
○
専門家派遣事業
○
受入研修
○
○
受理登録から
4か月(注2)
海外研修
○
○
受理登録から
3か月(注2)
(注1) 準備期間は、原則として応募枠が残余のある場合に要する期間で、制度によっては前年度に申し込み締め切り審査を行うもの
があるので注意してください。
(注2)申込状況等により開始までの期間が4ないし3か月以内でも可能な場合があります。また、AOTS が独自に計画し参加者を募集
する海外研修プログラムについては、原則として、研修開始2週間前まで参加申込みを受け付けます。
1.外国人研修生の受入れ等による社内の国際化適応力の醸成
この種の公的支援制度は、①社内の活性化(a.社員の国際感覚の醸成、b.英語等によるコミュニケ
ーション能力の向上、c.外国人の物の考え方に対する理解向上等)、②海外ネットワークの構築(人
的ネットワークの広がり、将来の海外拠点の基盤構築等)、③社会貢献への参加等を目的としていま
す。
(1)独立行政法人 日本貿易振興機構(以下「JETRO」という。)の貿易実務オンライン講座
本講座は、インターネットを利用して貿易実務について学習するシステムです。インターネッ
トを利用するため、海外現地社員が受講することも可能です。基礎編と応用編があり、受講者の
レベルに合わせて学習することができます。基礎編は、貿易基礎用語から実務に必要な知識・ノ
ウハウ、書類の書き方などを学習し、応用編では、実践で求められる専門知識・判断力・トラブ
ル対応力を身につけることができます。学習期間は開講日から 11 週間で、この期間内であれば、
受講者のペースで受講でき、また何度でも受講(復習)が可能です。
7
図表9:受講要件
基礎編
応用編
受講対象者
貿易実務・貿易相談を担当している
方(これから担当する方)、初心者
(貿易実務検定C級取得レベル)
実務経験1∼3年程度の担当者お
よび営業・財務など関連部署の担当
者レベル(基礎編修了レベル、貿易
実務検定B級取得レベル)
受講料
1名:31,500 円(税込)
※企業内研修の場合は団体割引あり
システム要件
インターネットが接続できる環境(システム導入、インストール不要)
※推奨ブラウザーソフト Internet Explorer5.0 以上
※現在 Mac OS には対応していません。
図表 10:申込みから講座修了までの流れ
受 講 結 果 レ ポ ー ト 、修了
証発行
確認テスト
人材開発支援課
受講スタート
I D ・ パ ス ワ ー ド 発行・
関係資料送付
請求書発行・入金確認
動作確認のご連絡
お申込み
︵FAX/ホームページ
(担当部門)
図表 11:2004 年度開講日
eラーニング事務局
4月期
4月 19 日開講
東京都港区虎ノ門2−2−5
7月期
7月 20 日開講
TEL:03-3582-5163
10 月期
10 月 12 日開講
1月期
1月 17 日開講
FAX:03-3582-0504
E-mail:[email protected]
URL:http://www.jetro.go.jp/elearning/
(注)申込み締切は各開講日の1か月前までです。
(2)JETROの国際インターンシッププログラム
本プログラムは、米国、カナダ、英国、および中国の一流大学から推薦を受けた学生をインタ
ーン生として、日本の企業にJETROが紹介するプログラムです。本プログラムに参加してい
るほとんどの大学では日本語の授業があり、インターン生も原則として日本語を勉強した学生に
絞るよう条件がついています。したがって、ほとんどのインターン生は日本語ができますが、そ
のレベルには差があるため、あらかじめ受入企業は日本語についてどの程度の能力を求めるか、
条件をつけることが可能です。
最初に受入れを希望する企業からインターン生に与える研修テーマや受入条件等を提示し、そ
のテーマに興味がある学生が応募するシステムとなっています。
受入期間は3か月から最長1年までとなっており、受入企業が研修テーマとして与えるプロジ
ェクトの達成予定期間、インターン生の大学での履修スケジュール等を踏まえ、受入企業とイン
ターン生相互の合意により決定されます。
(担当部門)
貿易投資相談センター
人材開発支援課
東京都港区虎ノ門2−2−5
TEL:03-3582-5187
FAX:03-3582-0504
E-mail:[email protected]
URL:http://www.jetro.go.jp/it/j/internship
8
図表 12:インキューブ・ジャパン・プログラム参加校
国
米国
(13 大学)
英国
(6大学)
中国
(2大学)
参加校名
ワシントン大学
日米センター ユタ(ユタ大学)
ニューメキシコ日米センター
テキサスA&M大学
テキサス大学オースティン校
ライス大学
ミシガン大学
ウィッテンバーグ大学
ピッツバーグ大学/カーネギーメロン大学
ジョージア工科大学
ノースキャロライナ州立大学
コロンビア大学
ボストン大学
アバティ・ダンディ大学
ニューカッスル・アポン・タイン大学
シェフィールド大学
バーミンガム大学
ケンブリッジ大学
インペリアルカレッジ
上海交通大学
同済大学
国
カナダ
(21 大学)
参加校名
ビクトリア大学
サイモンフレイザー大学
ブリティッシュ・コロンビア大学
カルガリー大学
アルバータ大学
サスカチュワン大学
レジャイナ大学
マニトバ大学
ウォータールー大学
マクマスター大学
トロント大学
オタワ大学
クイーンズ大学
マギル大学
ポリテクニーク大学
シャーブルック大学
テクノロギー・スペリエール大学
ダルハウジー大学
セント・メアリーズ大学
アカディア大学
メモリアル大学
図表 13:インターン生受入れまでの年間スケジュール
時期
実施事項
7月
インターンシップ申込み受付開始
(JETRO インターンシップのホームページ上の申込書を利用)
8月後半
インターンシップ申込み受付締切
9月
インターン生募集締切
(JETRO が集約したオファーリストにもとづき各大学でのインターン生募集、大学の
プログラムマネージャーによる応募者選別作業)
10 月
大学でのインターン生募集締切
応募各企業での応募者受入れ可否の検討
11 月
各企業からの JETRO への受入れ可否の連絡
マッチング作業(JETRO)
マッチング結果の連絡・確認(JETRO→大学、企業)
※マッチング成立企業
条件交渉、協定書締結、ビザ取得等の受入れ準備の開始
翌年1月、2月
2次マッチング募集開始
2次マッチング募集者受入れ可否の検討
翌年6月以降
インターン生受入れ開始
(3)財団法人 国際研修協力機構(以下「JITCO」という。)の支援・助言事業
支援・助言事業の柱となっているのは、外国人研修生の受入れに伴う入国・在留関係諸手続きの
支援および技能実習への移行に関する受付・評価・支援です。入国・在留関係諸手続きの支援は、
外国人が日本で研修を受ける際に研修生が入国管理局から在留資格認定証明書を受けるにあたり、
JITCOは受入企業が入国管理局に提出する書類の点検等を行うサービスです。(地方入国管理
局に対する申請の取次ぎについては賛助会員のみのサービスとなっています。)
また、62 職種 113 作業(2004 年5月1日現在)については、研修成果が一定水準以上に達し、
在留状況が良好と認められるなど、研修成果・在留状況・技能実習計画の評価を受けて研修終了後
に在留資格「特定活動」の変更許可を受け、研修を受けた同一企業において雇用関係の下で、研修
で修得した技能の習熟度を高めるために最長2年間の技能実習に移行することができます。
技能実習への移行に関する受付・評価・支援は、研修から技能実習に移行するにあたり、JIT
COは技能実習への移行申請を受理し移行評価を行うとともに在留手続きを支援するものです。
9
イ.外国人研修制度の基本的な仕組み
図表 14:例1/入国・在留関係諸手続きの支援および助言(研修期間:1年の場合)
入国事前準備
[在外公館へ]
査証(ビザ)申請
[地方入国管理局へ]在留資格認定証明書交付申請
[出入国港]上陸許可
研修︵1年︶
[地方入国管理局へ]在留期間更新許可申請(研修5か月目)
[地方入国管理局より]在留期間更新許可(研修6か月目)
[出入国港]出国
ロ.技能実習制度の基本的な仕組み
(イ)対象者
a.研修を受けた同一企業において同一の技能で適正と評価された計画に基づいて技能実習
を行おうとする者で、研修成果・在留状況・技能実習計画の評価を受け、一定水準以上の
技能を修得するとともに在留状況が良好と認められた者が対象となります。
b.技能実習2年コースを希望する場合、技能実習における職種が技能検定3級相当の評価
制度が整備されている職種に該当し、かつ、技能実習1年経過時に改めてなされる在留状
況の評価が良好と認められた者が対象となります。
(ロ)対象者研修から技能実習への移行評価
JITCO は、国の委託を受け、次の評価を行い、その結果を地方入管局長へ通知します。
図表 15:JITCO 評価項目
評価項目
評価内容
研修成果
研修成果の評価は、JITCO が研修生の修得した技能等を「技能検定」または「JITCO 認定」評価制
度にて評価します。
在留状況
受入れ機関が行う研修、生活状況報告や事故者の有無、法務省の依頼を受けて、JITCO の調査相
談員が行う現地調査結果等を総合的に判断し、各地方入管局が行うことになっています。
技能実習計画
研修生受入れ企業等から提出された技能実習計画を JITCO が評価します。
(ハ)在留資格の変更
在留資格は、「研修」から「特定活動」に変更されますので、地方入国管理局長の資格変
更許可が必要です。
(ニ)滞在期間
a.研修期間が短い場合(6か月未満)は、技能実習が認められません。
b.技能実習期間は、研修期間のおおむね 1.5 倍以内で認められます。ただし、技能実習2
年コースにあっては、研修期間が9か月を超えていることが必要で、1.5 倍以内の要件は
除外されます。
c.研修と技能実習の期間の合計は、最長3年となっています。
(ホ)労働法令の遵守
a.技能実習は、雇用関係の下で行われるので、受入れ企業と技能実習生との間に、一般の
労働者と同様に適正な雇用契約の締結と労働条件の明示が必要です。特に、①労働契約期
10
間、②就業の場所および従事すべき業務、③始業・就業の時刻、所定外労働時間の有無、
休憩時間、休日、休暇等に関する事項、④賃金の決定、計算および支払いの方法等賃金に
関する事項、⑤退職に関する事項については書面により労働条件を明示しなければなりま
せん。
b.技能実習生は、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、労働者災害補償保険法、雇
用保険法、健康保険法、厚生年金保険法等の労働・社会保険関係法令が適用されますので、
受入企業は必ず遵守してください。
図表 16:例2/技能実習への移行に関する受付・評価・支援(研修期間:1年、技能実習2年の場合)
入国事前準備
[在外公館へ]
査証(ビザ)申請
地元入国管理局:JITCO への相談
[地方入国管理局へ]在留資格認定証明書交付申請
[出入国港]上陸許可
研修︵1年︶
[JITCO の支援・評価・指導]
○移行手続支援
○受入れ機関に対する調査・指導
○評価
・研修成果(基礎2級相当)
・技能実習計画
技能実習︵2年︶
[JITCO の調査・指導]
○技能実習実施企業の巡回指導
[JITCO の調査・指導]
○受入れ機関に対する調査・指導
○在留状況評価
研修6か月までは上記イ.入国在留関係諸手続きの支援および助言
(研修期間:1年)に準じる。
[JITCO へ]技能実習移行希望申請書(研修9か月目までに)
[地方入国管理局へ]在留資格変更許可申請(研修 11 か月目)
[地方入国管理局より]在留資格変更許可・特定活動(研修 12 か月)
[JITCO へ]技能実習状況・期間延長予定者報告(実習9か月目まで
に)
[地方入国管理局へ]在留期間更新許可申請(実習 11 か月目)
[地方入国管理局より]在留期間更新許可(実習 12 か月目)
[都道府県]技能検定(3級)合格証書(実習 24 か月目目)
[JITCO の支援]
○技能実習修了認定証の交付
[出入国港]出国
ハ.その他の支援・助言事業
また、JITCOは次のような支援・助言事業を行っています。
図表 17:その他のJITCO支援・助言事業
項
目
内
容
総合相談サービス
①受入れについての相談・援助(セミナーの開催、定例説明会、出張説明会・相談会、講師派遣)
②研修生・技能実習生向け相談・支援(母国語による相談ホットライン、健康・医療相談、メン
タルヘルス相談、現地(地方)相談会、「研修生の友」の発行、母国語パンフレットの提供、実
習生手帳、安全衛生パンフレット)
入国・在留関係諸申請の
取次ぎ
賛助会員に対する入管への送付・証明書の受領の代行サービス(有料)(原則:申請書は受入企
業が作成し、企業自身が入国管理局へ持参)
技能実習を予定する研
修生の紹介
受入れ希望企業等の申込みにもとづき、海外送出し機関との連携により当該研修生を紹介する
制度
11
「研修」・「技能実習」 ①研修・技能実習成果向上支援(研修計画・技能実習計画作成の相談、日本語教育についての支
に関する助言・援助
援、公共職業能力開発施設の斡旋、研修指導員セミナー等の開催、各種教材の開発・監修)、②
適正な研修・技能実習の促進(研修生・技能実習生事業における研修手当、賃金、および管理費
等ガイドラインの普及、技能実習ガイドライン等の普及、受入れ企業等との連絡会開催、調査・
巡回指導、講習会の開催およびパンフレットの提供)、③研修生・技能実習生の安全衛生の確保
(安全衛生・メンタルヘルスセミナーの開催や相談、労災保険給付へのアドバイス、安全衛生・
労災保険の情報提供)
海外情報の提供
①研修希望分野や送出し機関等についての情報提供、②外国政府機関等との定期協議・意見交換
(研修・技能実習についての情報交換窓口[協議機関]、在京大使館との意見・情報交換、各国
との協議・情報交換、送出し機関セミナー)
外国人研修生・技能実習
生総合保険
①外国人研修生総合保険(労災保険等が適用とならない外国人研修生の研修期間中の傷害・疾
病・賠償責任・救援者費用を対象とした保険、2タイプ)、②技能実習生総合保険(労働保険、
社会保険の補完として、傷害・疾病・賠償責任・救援者費用を対象とした保険、4タイプ)
図表 18:JITCO 担当部門
代表住所:東京都千代田区神田駿河台3−11
三井住友海上駿河台別館ビル1階
担当事項
担当部門
電話番号
入国・在留関係諸手続きの支援および助言
出入国部
03-3233-0767
入国・在留関係諸申請の取次ぎ
出入国部
03-3233-0767
技能実習を予定する研修生の紹介
能力開発部
03-3233-0677
技能実習への移行に関する受付・評価・支援
能力開発部
03-3233-0677
「技能実習」に関する助言・援助
能力開発部
03-3233-0677
総合相談サービス
企業部
03-3233-1345
賛助会員に関する事項
企業部
03-3233-1344
海外情報の提供
国際部
03-3233-0998
外国人研修生・技能実習生総合保険
(株)国際研修サービス
03-5256-0455
書籍・教材販売
教材販売センター
03-3233-0717
(注1) 札幌、仙台、水戸、宇都宮、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、富山、長野、静岡、名古屋、大阪、
神戸、広島、高松、福岡には駐在事務所があります。
(注2) 大阪・出入国担当(06-6945-6303)、名古屋・出入国担当(052-934-3950)では、研修生受入れ手続き
の相談をお受けしています。
(4)財団法人 海外貿易開発協会(以下「JODC」という。)の海外インターンシップ派遣事業
JODCでは、平成 16 年度より、日本の中小企業の海外現地法人に日本の大学・大学院から推
薦を受けた学生を派遣し、学生に就業体験の場を提供する海外インターンシップ派遣事業を実施し
ています。
本事業は、日本の中小企業の国際展開に貢献する新たな人材の育成・支援を目的として開始され
ました。インターンシップを通じて、中小企業の海外での事業展開等の内容を理解させることによ
り、学生の中小企業への就業意欲を高めると共に、日本の中小企業に将来の人事採用への参考とな
る機会を提供するほか、大学教育に産業界のニーズを反映させ、産学連携活動の促進を支援するね
らいもあります。
派遣費用については、旅費や宿泊費などの全経費の3分の2をJODCが補助し、3分の1を学
生が負担します。また、事務経費に充当する運営分担金として、インターンシップの場を提供する
企業が、全経費の3%を負担することになります。
12
図表 19:学生派遣までの流れ
①企業調査票提出
企業
(日本)
⑤学生選考
④学生調査票
(学内選考済)提出
JODC
審査委員会
大学
⑥契約
③学生調査票提出
⑥契約
⑥契約
②学生募集情報提供
・検索
企業
(海外)
学生
⑦派遣
2.現地に派遣する技術指導者の育成
この種の公的支援制度は、現地での技術指導を円滑に進めるため、派遣対象者のコミュニケーショ
ン能力および指導力を育成することを目的としています。
(1)財団法人 海外職業訓練協会(以下「OVTA」という。)の海外訓練派遣援助
従業員を海外に派遣し、実地に外国人を
指導することにより、外国人に対する指導
能力の開発・向上を図るもので、派遣費用
の一部をOVTAが援助します。
また、派遣は所定要件を満たし、定期的
に開催される審査委員会の承認を得て決
定されます。派遣予定者は3週間の派遣
図表 20:OVTA 海外派遣援助制度の経費援助(派遣1名につき)
渡航費
実費(エコノミークラス往復航空運賃とする。)
予防接種料
1種類1回につき一律 20,600 円を上限
現地滞在費
当協会規定日額(地域別、企業規模別に6段階)
8,600 円 ∼ 17,800 円
援助期間
原則として6か月
図表 21:OVTA 海外派遣援助制度の手続きフロー
派遣訓練申込書(事前相談用)
来所、FAX、E-mail で申込み
前研修を受講することとなっており、申
相談・支援
請から派遣まで、一般的には約3か月が
必要です。
申請書提出
(担当部門)
国際交流部
来所、FAX、E-mail で相談・支援
交流第二課
審査
(海外派遣援助制度担当窓口)
千葉県千葉市美浜区ひび野1−1
派遣前研修受講
TEL:043-276-7249、7250
FAX:043-276-7280
3週間
(国際能力開発支援センター)
実施契約書の締結
E-mail:icx@ovta.or.jp
URL:http://www.ovta.or.jp
(2)OVTAのシルバーコンサルタント事
業
派
遣
帰
国
海外へ出発
中間報告の提出、中間評価調査実施、
支給申請
総合報告書を帰国 30 日以内に提出、
支給申請
海外に派遣され、現地従業員の指導にあたっている日本人従業員が派遣先で指導上の困難に遭遇
した場合、日本人が赴任している海外の子会社、関連企業および取引先企業等の支援要請にもとづ
き、派遣元企業がOVTAの推薦するシルバーコンサルタントの中から人選し派遣するもので、派
13
遣費用(経費)の一部をOVTAが援助します。
主な要件としては、①派遣元企業が雇用保険適用事務所であること、②派遣先企業に、現地従業
員指導にあたっている日本人が勤務し、
当該勤務者の残存任期が6か月以上あ
り、原則として現地従業員が 10 名以上
で日本人従業員数が現地従業員数を下
回っていること、③派遣期間は 45 日以
図表 22:OVTA シルバーコンサルタント事業の経費援助(シルバーコンサ
ルタントの派遣1名につき)
渡航費
実費(エコノミークラス往復航空運賃とする。)
予防接種料
1種類1回につき一律 20,600 円を上限
旅行傷害保険料 実費(50,000 円を限度とする。)
現地滞在費
日額 12,900 円、14,400 円、17,800 円
(地域別に3段階)
内であることが挙げられます。
イ.シルバーコンサルタントの登録要件等
図表 23:OVTA シルバーコンサルタント事業の手続きフロー
年齢 45 歳以上∼69 歳以下の個人(企業の
派遣先企業から派遣元企業への支援要請
在籍の有無を問わない。)
技術・技能等の指導可能な専門分野におけ
派遣元企業からOVTAへの申請
る5年以上の知識を有すること
OVTAへの登録(所定様式あり)
OVTAからのコンサルタントの推薦
派遣元企業が(自社社員を除く。)派遣を
希望する人を登録後派遣可能
①OVTAと派遣企業との契約締結
②コンサルタントと派遣元企業間での契約(覚書)
締結
(担当部門)
国際交流部
交流第二課
(シルバーコンサルタント事業担当窓口)
コンサルタントの派遣
千葉県千葉市美浜区ひび野1−1
TEL:043-276-7248
コンサルタントの帰国
FAX:043-276-7280
E-mail:[email protected]
派遣費用の援助
URL:http://www.ovta.or.jp
3.現地従業員の技術レベル等の向上
この種の公的支援制度は、現地従業員を日本国内もしくは現地(第三国を含む。)にて指導・研修
し技術レベルの向上により生産効率および品質の向上を図ることを目的としています。
(1)JODCの専門家派遣事業
アジア諸国を中心とした開発途上国の現地日系企業・ローカル企業(以下「受入企業」という。)
からの製造技術や経営管理技術の改善向上等に関する要望に対し、出資・商取引の関係にある日本
企業・工業会(以下「協力企業」という。)の協力を得て、専門能力を有する協力企業の従業員また
は JODC 登録専門家を受入企業へ派遣する事業です。協力企業の事業規模に応じて、専門家派遣に
係る費用の3分の2あるいは4分の3が補助されます。同事業には、開発途上国の現地企業等(日
系企業も含む。)を支援することを目的とする産業技術等向上支援専門家派遣事業(以下「技術向
上型」という。)と日本の中小企業の国際化を推進することを目的とする中小企業専門家派遣事業
(以下「中小企業型」という。)の2つの制度があります。
14
図表 24:専門家派遣事業の手続きフロー
②協力企業の従業員、または JODC 登録専門家を派遣
受入企業
JODC
出資・商取引関係
①派遣申請
協力企業
図表 25:専門家派遣事業の制度別特徴
技術向上型
申請要件
中小企業型
協力企業が日本企業・工業会であること
協力企業が中小企業(注1)であること
アジアを中心とする開発途上国
アジアを中心とする開発途上国(ただし、シンガポー
ル、韓国、香港、台湾等の開発途上国卒業国も対象)
対象業種
自動車、電気・電子部品、金型、治工具、機械類等
の裾野産業および関連産業を優先
制限なし(製造業中心)
派遣期間
短期(1 年未満)と長期(1 年以上 2 年以下)
原則1か月∼6か月程度
雇用関係あり(協力企業の従業員を JODC 専門家と
して派遣可能)
過去・現在を通じて雇用関係なし(JODC が登録専門
家を協力企業に推薦)
派遣対象国
派遣専門家と協
力企業間の雇用
関係
(注1)製造業の場合、資本金3億円以下または常勤従業員 300 名以下(中小企業基本法に基づく中小企業)
(担当部門)
派遣業務部
東京都中央区銀座5−12−5
TEL:03-3549-3051
白鶴ビル4階
FAX : 03-3549-3055
E-MAIL : [email protected]
URL : http://www.jodc.or.jp
(2)財団法人 海外技術者研修協会(以下「AOTS」という。)の受入研修
受入研修は開発途上国の技術者・管理者を日本に招いて研修を行うもので、研修費用の一部に国
庫補助金が適用されます。受入研修には「技術研修」と「管理研修」があり、いずれも開発途上国
の技術者・管理者を対象としています。技術研修は日本語や日本事情を集団で学ぶ導入教育として
の一般研修と、その後の各受入企業における個別の専門研修(実地研修といいます。)から成りま
す。管理研修は短期間に経営管理、生産管理、環境といった専門分野に関する知識・ノウハウ等を
習得することを目的としています。講義、討論を中心とした集団セミナー形式の研修で実地研修を
省略することができます。
また、中小企業からの申込みの場合、「中小企業国際化支援のための受入研修」プログラムがあ
ります。研修の内容は技術研修に準じています。
(担当部門)
受入業務部
審査課
東京都足立区千住東1−30−1
図表 26:AOTS 受入研修の申込みパターン
要請・推薦・紹介など
受入企業
①研修申込み
TEL:03-3888-8221
FAX:03-3888-8242
海外企業等
E-mail:information@aots.or.jp
URL:http://www.aots.or.jp
15
AOTS
②直接申込み
(管理研修コースのみに参加する場合)
図表 27:AOTS 受入研修の制度別特徴
研修制度
受入企業(注1) 受入対象国
技術研修
大中小企業
開発途上国
管理研修
大中小企業
開発途上国
研修期間(日本での研修期間)
一般研修 13 週間、6週間および3週間
コース(1年以内)、9日間コース(120
日以内)
10 日間∼4週間
費用負担(注2)
運営賛助金
国庫補助金(3/4) (注3)
受入企業 (1/4)
中小企業
開発途上国 一般研修 13 週間、6週間および3週間
中小企業国際化
コース(1年以内)、9日間コース(120
および
支援のための
日以内)
先進国
受入研修
(注1)受入企業となる条件は日本で法人格を有すること
(注2)受入企業が中小企業の場合。受入企業が大企業の場合は別途定めあり
(注3)AOTS所定の補助対象経費以外は、運営賛助金として所定の額を受入企業が負担
図表 29:AOTS 受入研修の手続きフロー
図表 28:受入研修制度説明会開催日
月
国庫補助金(3/4)
受入企業 (1/4)
国庫補助金(2/3)
受入企業 (1/3)
開催日
2004 年 10 月
12 日(火)
26 日(火)
11 月
9日(火)
24 日(水)
12 月
7日(火)
21 日(火)
2005 年1月
なし
18 日(火)
2月
1日(火)
15 日(火)
3月
1日(火)
15 日(火)
受入予約申込み
予約受理の登録・通知
研修申込書類の提出
審査委員会による審査
審査結果(承認)通知
(注)開催場所は AOTS 本部(東京研修センター内)
研修査証申請等
研修査証取得
図表 30:AOTS 研修センター一覧表
住所
センター名
東 京
研修生の来日
〒120-8534 東京都足立区千住東 1-30-1
TEL:03-3888-8231
横 浜
〒236-0004 神奈川県横浜市金沢区福浦 1-5-1
TEL:045-786-1611
関 西
〒558-0021 大阪府大阪市住吉区浅香 1-7-5
TEL:06-6608-8260
中 部
〒470-0348 愛知県豊田市貝津町向畑 37-12
TEL:0565-43-2111
16
(注3)
(注3)
図表 31:2004 年度 AOTS 管理研修コース開設予定
使用言語
英語
研修分野
経営管理
生産管理
研修コース名
研修時期
研修場所
企業経営研修コース
2004 年
11 月
技術経営研修コース
2004 年
11 月 10 日 ∼ 2004 年 11 月 23 日
アジアトップマネジメントセミナー
2005 年
工場改善実践コース
2004 年
10 月 27 日 ∼ 2004 年 11 月 16 日
大阪
生産管理研修コース
2004 年
11 月 10 日 ∼ 2004 年 12 月
7日
愛知
アジア改善活動実践研修コース
2005 年
横浜
品質管理
品質管理研修コース
2005 年
人と組織
人と組織の問題解決研修コース
2004 年
8 日 ∼ 2004 年 11 月 19 日
2 月 16 日 ∼ 2005 年
2 月 22 日
1 月 19 日 ∼ 2005 年
2月
1日
2 月 16 日 ∼ 2005 年
3月
東京
東京
東京
8日
大阪
10 月 27 日 ∼ 2004 年 11 月 16 日
愛知
12 月
インドネシア語
生産管理
インドネシア小集団活動活性化研修コース 2004 年
1 日 ∼ 2004 年 12 月 14 日
大阪
タイ語
経営管理
タイ企業経営研修コース
2005 年
3 月
2 日 ∼ 2005 年
3 月 15 日
東京
生産管理
タイ改善活動実践研修コース
2005 年
2月
2 日 ∼ 2005 年
2 月 15 日
愛知
タイ生産管理研修コース
2005 年
3月
2 日 ∼ 2005 年
3 月 15 日
大阪
2 日 ∼ 2005 年
3 月 15 日
大阪
8 日 ∼ 2004 年 12 月 21 日
大阪
品質管理
タイ品質経営研修コース
2005 年
3月
人と組織
タイ・リーダーシップ養成研修コース
2004 年
12 月
知的財産権
タイ知的財産権研修コース
2004 年
11 月 24 日 ∼ 2004 年 12 月
7日
東京
べトナム語
生産管理
ベトナム改善活動実践研修コース
2004 年
11 月 17 日 ∼ 2004 年 11 月 30 日
愛知
中国語
経営管理
中国情報技術管理研修コース
2005 年
スペイン語
環境・省エネ
マジャール語 経営管理
1 月 19 日 ∼ 2005 年
2月
1日
東京
2 月 15 日
東京
1 日 ∼ 2004 年 12 月 14 日
横浜
ベルー省エネルギー研修コース
2004 年
2月
ハンガリー企業経営研修コース
2004 年
12 月
2 日 ∼ 2004 年
(注)研修場所の東京、横浜、大阪、愛知は、それぞれ AOTS の各研修センターの所在地を示す。
上表は、2004 年 10 月以降開始のコースを抜粋したもの。この他に、国別・機関別・分野別のコース等、多数開設されている。
(3)JITCOの外国人研修制度
受入企業の現地法人や取引先等の人間を日本で研修する場合において、当該人の在留資格は、
『研修』となります。この場合、前記1.(3)のJITCOの外国人研修制度が利用できます。
(4)AOTSの海外研修
海外研修には、研修実施を希望する企業、団体等から申請を受けて開設するコースとAOTSが
独自に計画し参加者を募集するコースがあります。前者のコースには、基盤人材育成プログラム、
産業人材育成プログラム、専門人材育成プログラムがあります。例年、各プログラムの実施を希望
する企業、団体等からAOTSへの申込みが実施希望年度の前年度 11 月から当該年度6月まで行
われ、その間、12 月末、3月末、6月末の3次に分けて応募を締切り、AOTSの審査が行われる
といったスケジュールとなっていますので、それに合わせて準備を進めていく必要があります。
専門人材育成プログラムは個別企業が実施する集団研修であり、1講座当たり 10 名以上が参加
する必要があります。研修期間は2日以上3か月以内で、研修場所は現地工場での実施が可能です
が、実施期間中は日常業務との兼務は認められていません。したがって、本研修は、工場新設時に
おける稼動が安定しない時期や新製品のライン増設時のように従業員を集中して研修に投入でき
る時期を利用するのも一つの方法です。
また、基盤人材育成プログラムは日本の公益法人等、産業人材育成プログラムは日本または研修
実施国の法人格を有する企業・団体等が実施し、研修生については全部もしくは一部が現地で公募
されますので、自社にあった講座に参加することができます。
また次に、後者のAOTSが自らプログラム内容を策定し実施するコースは、中国、アセア
ン等アジア各国の現地人管理者を対象として短期間のプログラムを実施します。参加者は公募
されます。経費の一部を参加費として参加者が負担することになっています。
17
図表 32:海外研修のプログラム別特徴
研修制度
基盤人材育成
プログラム
産業人材育成
プログラム
専門人材育成
プログラム
協力機関
実施形態
日本の公益法人
等
日本または研修
実施国の法人格
を有する企業・団
体等
通常型
もしくは
第三国型
実施国
研修期間
研修生数
募集方法
対
象
派遣講師
5名まで
2日以上3 20 名以上
①通常型
公募
開発途上国・地域 か月以下
(おおむね 20 名以上 公募および 5名まで
②第三国型
開発途上国・地域 1∼3週間
推薦(半数
程度)
もしくは先進国
以上公募)
10 名以上
推薦
3名まで
経費の
負担率
30%
40%
50%
(担当部門)
特定事業部
海外研修課
東京都足立区千住東1−30−1
TEL:03-3888-8215
FAX:03-3888-8242
E-mail:information@aots.or.jp
URL:http://www.aots.or.jp
4.現地管理者の養成
この種の公的支援制度は、現地において日本人管理者あるいは現地人管理者の管理能力を向上させ、
現地企業の運営を円滑にすることを目的としています。
(1)JODCの専門家派遣事業
現地人管理者の管理能力を向上させたい場合、前記3.(1)のJODCの制度が利用できます。
(2)AOTSの海外研修
現地人管理者の管理能力を向上させたい場合、前記3.(4)のAOTSの海外研修制度が利用
できます。さらに、中小企業からの申込みの場合、平成 15 年度より「中小企業国際化支援のため
の海外研修」プログラムを新規に実施しています。
このプログラムは、日本の中小企業と資本関係・取引関係のある現地法人の現地人管理者や日本
人管理者を対象として、現地の工業団地等で講義、演習を交えた2日間程度のプログラムを実施す
るなど参加者の利便性を考慮しています。
(担当部門)
特定事業部
海外研修課
東京都足立区千住東1−30−1
TEL:03-3888-8215
FAX:03-3888-8242
E-mail:[email protected]
URL:http://www.aots.or.jp
18
<参考資料>
1.「入国管理局」ホームページ
2.独立行政法人 日本貿易振興機構
「国際インターンシップ プログラム」パンフレット
「貿易実務オンライン講座(基礎編、応用編)」
3.財団法人 国際研修協力機構
「財団法人国際研修協力機構 JITCO」パンフレット
4.財団法人 海外職業訓練協会
「海外訓練派遣援助制度利用の手引き」、「海外訓練派遣援助制度」パンフレット、
「シルバーコンサルタント事業」パンフレット
5.財団法人 海外貿易開発協会
「事業のご案内」、「専門家派遣事業のご案内」、「中小企業型専門家派遣事業のご案内」
「海外インターンシップ派遣事業のご案内」
6.財団法人 海外技術者研修協会
「AOTS 受入計画概要 2004 年度」、「受入研修事業ご利用の手引 2004 年度」
「中小企業国際化支援のための受入研修のご案内」
「AOTS 海外研修事業ご利用の手引 2004 年度」
(篠崎
幸弘)
本レポートは、標記時点における情報提供を目的としています。したがって投資等についてはご自身の判断によってください。ま
た、本レポート掲載資料は、当研究所が信頼できると考える各種データに基づき作成していますが、当研究所が正確性および完全性
を保証するものではありません。なお、記述されている予測または執筆者の見解は、予告なしに変更することがありますのでご注意
ください。
19
資料
査証の区分
査証区分
外交査証
公用査証
在留資格
入国を認められる外国人
(在留期間)
外交
就労の
可・否
1)外交官及び領事館並びにこれらの者と同一世帯に属する家族
(外交活動を行う期間) 2)条約又は国際慣行により外交使節と同様の特権・免除が規定されている者
公用
外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又は在日外国公館の職員と同一世帯に
(公用活動を行う期間) 属する家族
教授
(3年又は1年)
芸術
(3年又は1年)
宗教
(3年又は1年)
報道
(3年又は1年)
投資・経営
(3年又は1年)
大学若しくは大学に準ずる機関又は高等専門学校において教授、助教授、助手等として
迎えられる外国人
作曲家、作詞家、画家、彫刻家、工芸家、写真家その他の収入を伴う芸術上の活動を行
おうとする芸術家
外国にある宗教団体から日本に派遣されて布教その他の宗教上の活動を行おうとする
宗教家
外国の新聞社、通信社、放送局、ニュース映画会社その他の報道機関との契約に基づい
て日本で取材その他の報道上の活動を行おうとするジャーナリスト
投資・経営を行い、又はその事業の管理業務に従事しようとする外国人で、事業の規模、
待遇面や経歴についての一定の要件を満たすもの
法律・会計
法律・会計関係の職業のうち、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、外国法事務弁護士、
業務
公認会計士、外国公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士又は行政
(3年又は1年)
書士としての日本の法律上の資格を有する外国人
医療関係の職業のうち、医師、歯科医師、薬剤師、保健婦、助産婦、看護婦、准看護婦、
医療
看護士、准看護士、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練
(3年又は1年)
士、臨床工学技士、義肢装具士としての日本の法律上の資格を有する外国人で待遇等に
ついての一定の要件を満たすもの
国または地方公共団体の機関や特殊法人等との契約に基づいて試験、調査、研究等を行
研究
う業務に従事しようとする外国人及びこれら以外の機関との契約に基づいて試験、調
(3年又は1年)
査、研究等を行う業務に従事しようとする外国人で経歴や待遇面についての一定の要件
を満たすもの
就業査証
教育
(3年又は1年)
技術
(3年又は1年)
小・中・高等学校、専修学校及び各種学校において教育をする活動に従事しようとする
外国人
理学、工学等いわゆる自然科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事し
ようとする外国人で、経歴や待遇面についての一定の要件を満たすもの
1)法律学、経済学等いわゆる人文科学の分野に属する知識を必要とする業務に従事し
ようとする外国人で、経歴や待遇面についての一定の要件を満たすもの
人文知識・国際業務
2)外国人特有の文化的知識や感性を生かして活躍する通訳、翻訳、コピーライター、
(3年又は1年)
ファッション・デザイナー、インテリア・デザイナー又は販売業務、海外業務、情報処
理、国際金融、設計若しくは広報・宣伝等の業務に従事しようとする外国人で、経歴や
待遇面についての一定の要件を満たすもの
企業内
転勤
(3年又は1年)
外国にある日本企業の子会社、支店等からその企業の日本国内の本店等に転勤し、又は
外国にある本店から日本国内にある支店等に転勤して、技術の在留資格又は人文知識・
国際業務の在留資格に該当する活動を行おうとする外国人で、経歴や待遇面についての
一定の要件を満たすもの
1)演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏、スポーツ等の興行関係の活動を行おうとする外国
興行
人で、経歴、待遇面及び興業形態についての一定の要件を満たすもの
(1年、6月又は3月) 2)テレビ番組や映画の製作、モデルの写真撮影等の芸能活動を行おうとする外国人で、
待遇面についての一定の要件を満たすもの
技能
(3年又は1年)
我が国の産業上の特殊な分野に属する熟練した技能(外国料理の調理、外国食品の製造、
外国特有の建築又は土木及び宝石・貴金属又は毛皮の加工等に係る技術)を要する業務
に従事しようとする外国人で、経歴や待遇面で一定の要件を満たすもの
20
可
査証区分
在留資格
文化活動
(1年又は6月)
留学
(2年又は1年)
就学
一般査証
入国を認められる外国人
(在留期間)
(1年又は6月)
就労の
可・否
日本国内で収入を得ることなく学術上又は芸術上の活動を行おうとする外国人及び日
本特有の文化又は技芸について専門的な研究を行い、又は専門家の個人指導等を受けて
学ぼうとする外国人
大学等の高等教育機関で教育を受けようとする外国人で、生活費用の支弁能力等につい
て一定の要件を満たすもの
高等学校において教育を受けようとする外国人又は各種学校等において日本語その他
の教育を受けようとする外国人で、生活費用の支弁能力等について一定の要件を満たす
否
もの
技術、技能又は知識の習得をする活動(産業上の技術・技能の研修のみならず、地方自
研修
治体等での行政研修や知識を習得するための事務研修も含まれる)を行おうとする外国
(1年又は6月)
人で、研修実施体制等についての一定の要件を満たす研修受入先において、同一の作業
の反復のみによって修得できるものではない技術等を修得しようとするもの
家族滞在
(3年、2年、1年
6月又は3月)
上記の在留資格のうち「教授」から「文化活動」及び「留学」の在留資格をもって在留
する者の扶養を受ける配偶者又は子
特定活動
外交官・領事館等に私的に雇用される家事使用人として入国しようとする外国人、ワー
(3年、1年、6月
キング・ホリデー制度により入国しようとする外国人、企業等に雇用されてアマチュ
又は1年以内の指定
ア・スポーツの選手として活動しようとする外国人及びその扶養を受ける配偶者又は (注1)
された期間)
一部可
子、国際仲裁代理を行う外国弁護士、インターンシップの活動を行う大学生等
日本人の
配偶者等
特定査証
日本人の配偶者、日本人の子として出生した者及び日本人の特別養子
(3年又は1年)
永住者の配偶者等
(3年又は1年)
永住者の在留資格をもって在留する者若しくは平和条約国籍離脱者等入管特例法に定
める特別永住者の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に
可
(注2)
在留している者
定住者
(3年、1年又は3年
以内に指定された期
いわゆる難民条約に該当する難民、定住インドシナ難民、日系2世、3世等の定住者
間)
日本に短期滞在して、観光、保養、スポーツ、親族・友人・知人の訪問、病気見舞い、
短期滞在
短期滞在
査証
(90 日又は 15 日)
冠婚葬祭出席、競技会やコンテスト等へのアマチュアとしての参加、市場調査、業務連
絡、商談、契約調印、輸入機械のアフターサービス等の商用、工場や見本市等の見学・
視察、講習会や説明会等への参加、学術上の調査や研究発表、宗教的巡礼や参詣、姉妹
都市や姉妹学校等への親善訪問などの活動を行おうとする外国人
通過査証
短期滞在
外国から日本を経由して他の外国に旅行するため短期間(15 日以内)日本に滞在して
(15 日)
出国しようとする外国人(滞在中の活動の範囲は観光、娯楽及び休養の類に限られる。)
(注1)就労が認められるかどうかは個々の許可内容による。
(注2)我が国での活動に制限がない。
21
否
ご意見をお聞かせください。
信金中央金庫 総合研究所
アジア業務相談室 行
今回の「アジア業務相談室情報 Vol.31」について
今後、「アジア業務相談室情報」で取り上げてもらいたいテーマ
信金中央金庫 総合研究所に対するご要望
年
貴金庫(社)名
月
日
ご芳名
ご担当部署・役職名
ご住所
ありがとうございました。信金中央金庫担当者にお渡しいただくか、総合研究所宛ご送付ください。
(〒104-0031 東京都中央区京橋3−8−1)
(E-mail:[email protected])
(FAX:03-3563-7551)
Fly UP