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平成 25年7月22日 三重大学企画総務部総務チーム広報室 報道各社 御中 情報提供について(お知らせ) 下記のとおり記者会見を開催しますので、是非とも取材いただきますよう よろしくお願い致します。 記 点鼻ワクチンでアトピー治療の可能性 1.記者会見の実施 (1)日 時:平成25年7月26日(金) 10:30~12:00 (2)場 所:総合研究棟Ⅱ 2階 第2・3会議室 (3)出席者:水谷 仁 教授(医学系研究科 皮膚科学) 河野 光雄 講師(感染症制御医学・分子遺伝学) 堀内 孝 副学長(研究担当) 児玉 克哉 副学長(広報担当) 2.概要 このたび、三重大学医学系研究科皮膚科学(水谷 仁教授)、同研究科感染症 制御医学・分子遺伝学(河野 光雄講師)らの共同研究により、パラインフルエ ンザウイルス(PIV2)ベクターを用いた効率的かつ低侵襲的な新たなアレルギ ー治療方法を見出すことに成功しました。 この内容は、2013 年7月7日に科学雑誌『PLOS ONE』に掲載されました。 現在、アレルギー疾患治療研究における薬物の投与方法は腹腔内投与が主です が、この PIV2 ベクターを用いた点鼻ワクチンにより、投与時の大幅なストレス 軽減、高い安全性、副作用の低下が可能となり、アレルギー性疾患等の効率的な 免疫療法の一つとして確認できました。 また、将来的に遺伝子免疫療法のツールとして、さまざまな感染症などのワク チンとしての利用など高い汎用性も期待されます。 ※詳細は、別紙のとおり <問い合わせ先> 部局名: 三重大学医学系研究科 臨床医学系講座 皮膚科学 担当者: 教授 水谷 仁(みずたに ひとし) (TEL)059-231-5025 (別紙) 点鼻ワクチンでアトピー治療の可能性 (アトピー性皮膚炎に対する新規の治療法 〜非増殖型パラインフルエンザ 2 型ウイルス(PIV2)ベクターを用いた Ag85B ワク チン〜) 河野光雄 2) 水谷 仁 1) 三重大学 皮膚科学 1) 微生物学 2) 我々はこれまでに抗酸菌菌体成分 Ag85B-DNA ワクチンがアトピー性皮膚炎 等のアレルギー動物モデルを改善することを報告してきたが、投与方法が腹腔内投与 など侵襲的な方法であった。今回、効率的且つ低侵襲的な投与方法として PIV2 ベク ターを開発した。この PIV2 ベクターは自己複製せず病原性が少なく、外来遺伝子の 発現量が高くベクターとして有用である。我々はこの PIV2 ベクターに Ag85B 遺 伝子を挿入した PIV2/Ag85B を作製し、遺伝子免疫療法の効果を検討した。 実験的に作成したアトピー性皮膚炎様モデルマウスに対して PIV2/Ag85B を 経鼻的に投与した。 結果、経鼻的ワクチン治療群は、耳介厚の減少、血清 IgE の産生抑制、アレル ギーに関わるサイトカインの産生抑制等を認め、免疫是正によるアレルギー抑制効果 が確認できた。PIV2 ベクターを用いた Ag85B の経鼻的投与は低侵襲的かつ効果的 であり、アトピー性皮膚炎を含めたアレルギー性疾患の効率的な免疫療法の 1 つと 示唆された。