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皮膚真菌症; 治療効果の最大化をめざして

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皮膚真菌症; 治療効果の最大化をめざして
65回
The 65th Annual Meeting of the Central Division of JDA
第
日本皮膚科学会中部支部学術大会
スイーツセミナー 3
日時
2014 年10月25日[土]15:30∼16:30
会場
グランフロント大阪 北館B2F
ナレッジキャピタル
コングレコンベンションセンター
D会場(ルーム3)
〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町3-1
皮膚真菌症;
治療効果の最大化をめざして
座長
望月 隆 先生
金沢医科大学皮膚科学講座 教授
やや稀な白癬の臨床と抗真菌薬の新しい作用
演者
高原 正和 先生
九州大学医学部皮膚科学教室 特任准教授
上田説子クリニック
皮膚真菌症の治療効果を高めるコツ
演者
常深 祐一郎 先生
東京女子医科大学皮膚科 准教授
共催:第65回日本皮膚科学会中部支部学術大会/鳥居薬品株式会社
T h e
6 5 t h
A n n u a l
M e e t i n g
o f
t h e
C e n t r a l
D i v i s i o n
o f
J D A
やや稀な白癬の臨床と抗真菌薬の新しい作用
九州大学医学部皮膚科学教室 特任准教授
上田説子クリニック
高原 正和
先生
白癬の臨床像は、時に多彩で、部位によっても異なる。白癬を誤診してス
テロイド外用すると炎症が抑えられ、非典型的な臨床像、いわゆる異型白
癬を呈することがある。頭部白癬においては Trichophyton tonsurans
の感 染 拡 大に伴い 、乳 児の感 染 例も経 験 する一方 、M i c r o sp or um
canisによる頭部白癬患者もまだまだ多いようである。いわゆる深在性
白癬とされる炎症性白癬には、ケルスス禿瘡の他に、生毛部急性深在
性白癬、白癬性毛瘡、硬毛部急性深在性白癬があるが、時に見逃されや
■ 略歴
平成 8 年
平成 8 年
平成11年
平成14年
平成15年
平成16年
平成19年
平成21年
平成26年
3月
5月
3月
4月
3月
4月
4月
7月
4月
すい。また、宿主側の要因として、担癌患者、ATLL、AIDS、糖尿病など
の基礎疾患そのもの、あるいは基礎疾患に対するステロイドや免疫抑制
薬、抗癌剤などによる治療の多様化に伴い、白癬性肉芽腫のような稀な
九州大学医学部医学科卒業
九州大学医学部附属病院医員(研修医)
(皮膚科)
Case Western Reserve University 皮膚科研究員
広島赤十字・原爆病院(皮膚科)
新日鐵八幡記念病院(皮膚科医長)
九州大学大学院医学研究院(皮膚科学)非常勤助手
九州大学大学院医学研究院(皮膚科学)助教
九州大学大学院医学研究院(皮膚科学)講師
上田説子クリニック勤務
九州大学大学院医学研究院(皮膚科学)特任准教授
■ 所属学会等
日本皮膚科学会、日本研究皮膚科学会、日本医真菌学会、
日本褥瘡学会、日本静脈学会、日本美容皮膚科学会
病型を経験することがある。抗真菌薬には、抗真菌作用に加えて抗炎
症作用などがあることが知られている。抗真菌薬の一部は、芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化し、抗酸化転写因子である
nuclear factor-erythroid 2-related factor-2( Nrf-2)の核内移行を介して抗酸化酵素の産生を産生することがわかった。AhR
依存性にTNFα刺激下での活性酸素および IL-8の産生を抑制した。また、リラナフタートはバリア機能関連分子の発現もAhR
依存性に誘導した。これらの作用が、白癬における臨床症状のすみやかな改善に寄与している可能性がある。
皮膚真菌症の治療効果を高めるコツ
東京女子医科大学皮膚科 准教授
常深 祐一郎
先生
皮膚真菌症の治療効果を高めるためには、診断が正確でなければ成
らず、白癬、カンジダ、マラセチアを明確に区別する。診断 がついた
ら、次に外用抗 真菌薬の刺激性を念頭に置いて病変の状 態を観 察
し 、外 用抗 真 菌 薬の 塗 布が 可能 かどうかを判断 する 。びらんや接
触皮膚炎等を合併しているところに外用抗真菌薬を使用すると刺激
性皮膚炎でかえって悪化するので、合併症があれば先に治療する。そ
して、添 付文書上の適応症に惑わされず、最小発育阻 止濃度や最小
殺真菌濃度を考慮して各菌種に効果の高い薬剤を選択する。さらに
■ 略歴
平成11年
平成11年
平成12年
平成13年
3
5
5
4
月
東京大学医学部医学科卒業
月
東京大学医学部附属病院 皮膚科 研修医
月
国立国際医療センター 皮膚科 研修医
月∼平成17 年 3 月
東京大学大学院医学系研究科 学位取得
平成17年 4 月
東京大学医学部皮膚科 医員、助手、助教
平成22年 4 月
東京女子医科大学 皮膚科 講師
平成26年 3 月
東京女子医科大学 皮膚科 准教授
■ 専門領域
皮膚真菌症、乾癬、アトピー性皮膚炎、角化症、抗酸菌感染症、疥癬
病変の状態や部位、患者の好みを考えて適切な基剤(剤型)を選択す
る。刺激性皮膚炎を起こす可能性のある病変へ軟膏基剤を用いることや、べたつきを嫌う患者には使用感の良い液剤を使
用するなどの工夫が大切である。患者への外用指導も必須であり、具体的に外用方法(外用範囲、外用量、外用期間)を伝え
る。経口抗真菌薬も自信を持って使用し、爪白癬は言うまでもなく、その他の病型にも積極的に活用する。治癒率向上や治
癒期間の短縮に役立つ。これらを実践することで皮膚真菌症に対する最大限の治療効果を引き出すことができる。皮膚真
菌症はありふれた疾患であり、OTC薬も多数存在するが、われわれは皮膚科医にしかできない最大効率の白癬治療を提供
しなければならない。
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