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矢木 沢 ダ ム ・ 奈 良 俣 ダ ム 冬 期見学 会

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矢木 沢 ダ ム ・ 奈 良 俣 ダ ム 冬 期見学 会
2016
March
3
水資源機構
特
集
水のひろば
矢木沢ダム・奈良俣ダム冬期見学会
感謝∼信頼関係が作り出す武蔵水路∼
水がささえる豊かな社会
C O N T E N T S
3
2016 March
表紙写真
うろこ模様を描く放流
撮影場所:徳山ダム
(岐阜県揖斐郡揖斐川町)
撮 影 者:徳山ダム管理所
3
すい滴
国際的な水リスク解決のために日本の水使いの知恵の流布を
日本地域開発センター 総括研究理事 西川 智
4
特集
10
ささえる力 Power
矢木沢ダム・奈良俣ダム冬期見学会
感謝∼信頼関係が作り出す武蔵水路∼
利根導水総合事業所 武蔵水路改築建設所 第一工事課 古田 学
12
連 載
5
房総半島を潤す利根川の水
∼両総用水と共に歩む房総導水路∼[第4回]
両総土地改良区技術顧問 池田 寿夫
18
水のひろば
水と緑と歴史の要衝を目指して
11
∼岐阜県ひがし美濃(中津川市・恵那市)∼
阿木川ダム水源地域ビジョン事務局
中津川・恵那広域行政推進協議会 事務局長 太田 敦之
20
水機構ニュース
22
第37回全日本中学生水の作文コンクール
19
国土交通大臣賞(優秀賞)
かけがえのない水
福島県 福島市立北信中学校 三年 遠藤 亮佑
23
環 あらうんど
特定外来生物
ナガエツルノゲイトウ駆除
安全で良質な水を安定して安くお届けすること、
それが私たちの仕事です。
20
国際的な水リスク解決のために
日本の水使いの知恵の流布を
日本地域開発センター 総括研究理事 西川 智
2015 年は、地球規模の重要な政府間国際合意
部では水と人口の偏在があり、気候変動に伴う毎
がなされた年となった。3月に仙台での第3回国
年の降水量変化に追いつけないおそれがあり、こ
連防災世界会議において「仙台防災枠組」、9月
のままでは大きな社会問題が発生しかねないこと
に国連持続可能な開発サミットにおいて「持続可
が指摘されている。このように世界各国が様々な
能な開発のための 2030 アジェンダ」、そして 12
水危機に直面している中で、日本の「水使いの知
月には気候変動に関する COP21 会議において「パ
恵」例えば、郡上八幡での水舟による家庭での多
リ協定」が、国際的に合意された。いずれの政府
段階水利用や東京での下水再生水の多面的利用な
間国際合意でも「水」が深く関わっている。
どの応用が世界の水リスク解決策のヒントとなる
政府のみならず国際経済界でも、「水のリスク」
と指摘している。
が大きな注目を集めている。例年1月下旬にスイ
大陸河川に比べてはるかに水量変動の激しい河
スで開催されるダボス会議の主催者である世界経
川を抱えながらも、四季の降水をうまく活用し、
済フォーラムは、2006 年から毎年公表している
みずほの国として流域の利害関係者が長年の経験
「Global Risk Report」の中で、世界の政財界リー
をもとに水を上手に使ってきた日本。乳幼児死亡
ダーが注目しているリスクの上位 10 番までを例
率が極めて低く、かつ長寿という公衆衛生の模範
示しているが、その 2016 年版では、世界的にイ
ともいえる日本。水資源機構が NARBO を通じて
ンパクトの大きいリスクの3番として水危機を取
アジアから世界に発信している IWRM(統合的水
り上げている。そして 2016 年は、特別編として
資源管理)のような大きなガバナンスの枠組みか
「Resilience Insights」というレポートを公表し、
ら、水道の漏水探知や逆浸透膜といった個別技術
「水危機に対するレジリエンス」
「大規模難民流出
まで、さまざまなレベルで水利用の品質管理が行
への対処」
「サイバー攻撃への対処」の3テーマ
き届いている国として、世界の水危機解決のため
を国際社会が特に注目すべきリスクとして取り上
に、これまで以上に日本流の「高品質な水利用」
げている。
を流布していくのはいかがでしょうか。
その「水危機に対するレジリエンス」を見ると、
シリアでは、2006 年から 2011 年にかけての干
ばつと政府の農業補助政策の失敗により、農民が
穀物不作に陥り、遊牧民が大多数の家畜を失い、
そのことが社会的不安定をもたらし現在の内戦の
一因となっていることを指摘している。新興国と
世界経済フォーラム Global Risk Report はこちら
http://www3.weforum.org/docs/Media/TheGlobal
RisksReport2016.pdf
Resilience Insights はこちら
http://www3.weforum.org/docs/GRR/WEF_GAC16_
Risk_Resilience_Insights.pdf
しての発展が著しいブラジルでは、水が豊富なア
マゾン流域と人口が急増している大西洋岸の都市
すい滴
3
特集
矢木沢ダム・奈良俣ダム冬期見学会
矢木沢ダム
利根川最上流部に位置し、原生林に囲まれた矢木沢ダム・奈良俣ダムには、春から初夏は新緑、
夏は水辺の涼、秋は紅葉と季節毎に移り変わる自然の姿を求めて、多くの方が訪れます。ところが、
冬の間は管理用道路をはじめとする一般利用施設は閉鎖され、一般の方々は、ダムやダム湖を訪れ
ることはできません。普段は訪れることのできない厳冬期のダムの状況を一般の方にも知っていた
だこうと、沼田総合管理所が前年に引き続き開催した冬期見学会に同行しましたので、その様子を
読者の方々にもご紹介します。
今回の見学会は、矢木沢ダム・奈良俣ダムを
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者の募集を行いました。平日の開催にもかかわ
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管理する沼田総合管理所のホームページで参加
らず、74名の方々からご応募いただき、当選さ
れた19名の方にご参加いただきました。
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ら機構のバスに乗車し、現地に向かいました。
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途中、
藤原ダム(国土交通省)や須田貝ダム(東
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京電力㈱)にも立ち寄りながら、まずは矢木沢
ダムを目指します。
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当日は、沼田総合管理所やJR水上駅などか
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矢木沢ダムでは平成17年度まで、冬期はダ
ム下流にあった合宿所に職員が1週間交代で泊
まり込み、ダムサイトの脇にある管理所での勤
4
水とともに 水がささえる豊かな社会
矢木沢ダム・奈良俣ダム冬期見学会
天端を一列になって歩く参加者の皆さん
防災資料館からも撮影
アーチダムをカメラに収める参加者
雪に覆われた洪水吐水路
監査廊の階段を進む
道中の藤原ダムでも撮影会
無線設備。管理所には大きな氷柱が下がる
務を行っていました。現在は、週に2回、管理
展示資料などの説明があり、いよいよダムの天
所に赴き、その他は沼田総合管理所から管理を
端に向かいます。
行っています。冬期は通常、この旧合宿所から
屋外に出ると、陽の光が白銀の世界に照らさ
先は積雪のため車で行くことができないので、
れ、慣れるまでは目を開けるのが辛いほどの光
そこからトンネルを通り抜けてダムの監査廊に
景が広がっていました。この日は、氷点下3度
入り、30分ほど歩いて管理所に向かいます。見
とこの時期としては暖かかったこともあり、参
学会の際も、管理所職員の説明を聞きながらこ
加者の方々は早速、ダムの天端に飛び出し、曲
の道を進みました。
線美のアーチダムや雪に覆われた洪水吐水路、
監査廊からダム管理所にある防災資料館に入
雪山が映り込む奥利根湖などを撮影したり、職
ると、雪の矢木沢ダムが目に飛び込んできます。
員に熱心に質問をされたりして、思い思いに冬
参加者の方々は感嘆の声を上げると同時に、早
の矢木沢ダムを堪能しておられました。
速、写真撮影を行っておられました。その後、
特集
5
特集
奈良俣ダム
午後は、奈良俣ダムの見学です。ダム直下か
ら奈良俣ダムの姿を見学した後は、管理所で矢
木沢ダム建設当時の記録映像を見ながら昼食を
撮影に挑まれている方もおられました。
参加者の方々からは、「貴重な経験が出来た」
「2度と見ることが出来ない光景を見られて良
とり、管理所職員から矢木沢ダム・奈良俣ダム
かった」などの感想をいただきました。皆さん、
の構造や役割、日常の管理業務などについて説
雪焼けされた笑顔で帰路につかれました。
明を聞きました。
当日の様子は、沼田総合管理所のホームペー
管理所からダムの天端に向かう前に、表層取
ジや水資源機構のFacebookページなどでもご
水設備のゲート操作室を見学しました。この場
紹介しているほか、参加者の方々もSNSなどで
所は、夏場でも通常は見学できない場所とあっ
紹介して下さっていますので、是非、こちらも
て、職員の説明を熱心に聞かれるとともに、巻
ご覧下さい。
き上げ機などの機械設備や操作盤を興味深く見
学されていました。見学の最後には、防災資料
※水資源機構の Facebook は
こちら
館「ヒルトップならまた」からエレベーターで
約130m下った場所にあるバルブ室の見学も行
いましたが、こちらも通常は見ることが出来な
い場所とあって、皆さん、様々な施設や設備を
見学されていました。
利根川水系では最も高い158mの天端からの
見学では、矢木沢ダムの曲線美とは違う雄大な
堤体やまっすぐに伸びる洪水吐、非常用放流設
備であるローラーゲートなどを見学されていま
した。膝付近まで雪に埋もれながら撮影されて
いる方やカメラにロープを巻き付けてゲートの
6
水とともに 水がささえる豊かな社会
参加者の皆さんと管理所職員
矢木沢ダム・奈良俣ダム冬期見学会
雪に覆われたダムの天端を激写
ダム管理所での説明の様子
普段は入ることの出来ないバルブ室での説明
ダム湖越しに管理所を望む
ローラーゲート上にも雪が積もる
「立入禁止」の先には何が…
見学会でしか入れない冬の奈良俣ダムへ
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河川名
所在地
ダムの型式
堤高
堤長
堤体積
ダム 湖 の 名 称
集水面積
湛水面積
常時満水位
最低水位
総貯水容量
竣工
矢 木 沢 ダム
利根川水系利根川
群馬県利根郡みなかみ町
藤原字矢木沢
非越流型ドームアーチ式コンクリートダム
131.0m
352.0m
571,000m3
奥利根湖
167.4km2
5.1km2
E L .850.00m
E L .796.50m
204,300,000m3
昭 和 42年
奈 良 俣 ダム
利根川水系 俣川
群馬県利根郡みなかみ町
藤原字洗の沢
中央土質遮水壁型ロックフィルダム
158.0m
520.0m
13,100,000m3
な らまた 湖
95.4km2
2.0km2
E L .888.00m
E L .800.00m
90,000,000m3
平 成 3年
特集
7
特集
流れ込み、ダム湖を満たします。ダム湖に貯め
雪も大切な水資源
られた水は、田植えや夏の暑い時期など沢山の
首都圏の水がめとして、必要なときに必要
水を必要とする時期を中心に、雨が降らず川の
な分だけ水を使えるように蓄えている矢木沢ダ
水が少ない時に川への補給のため放流します。
ム・奈良俣ダムは、新潟県との県境に近い利根
このように、矢木沢ダムや奈良俣ダムの周辺に
川の最上流部にあります。この2つのダムの集
降った雪が、首都圏の水の安定利用を支えてい
2
水域は、合わせて260km (山手線の内側が4
つ以上収まります)に及び、その標高は900m
∼2,100mに位置します。
るのです。
ところで、矢木沢ダム・奈良俣ダムの地点
では、見学会が行われた2月中旬には平年で
この地域の年間降水量は、おおよそ1,700∼
170cm、多い年には300cmを超える積雪があ
2,000mmで、日本各地の年間平均降水量(約
りますが、今年の見学会当日には70∼80cmほ
1,700mm)と大きな違いはありません。しかし、
どしか雪がありませんでした。これは、見学会
首都圏をはじめ、太平洋側の各地では梅雨や台
直前に関東地方では春一番を観測し、ダムの周
風の時期を中心に雨が降り、冬場は比較的降水
辺でも平年の気温を7∼8度上回る日があり積
量が少なくなるのに対し、矢木沢ダム・奈良俣
雪の一部が溶融け出した影響もありますが、今
ダムの周辺では、冬期に年間降水量の半分以上
シーズンは、これまでのところ平年よりも積雪
となる約1,000mmに相当する 雪 が降ります。
の少ない状況が続いています。現時点では、矢
冬期に降り積もった雪は、毎年4月から6月
木沢ダム・奈良俣ダムともに平年よりも貯水量
にかけて融け出して矢木沢ダムや奈良俣ダムに
が多い状況にあり、直ちに水不足が生じる状況
昨年度(H27. 2.17)と今年度の(H28. 2.16)の積雪状況の比較
8
水とともに 水がささえる豊かな社会
昨年度の矢木沢ダム
今年度の矢木沢ダム
昨年度の奈良俣ダム
今年度の奈良俣ダム
矢木沢ダム・奈良俣ダム冬期見学会
ではありませんが、今後も積雪が増えない場合
できなくなり、渇水時の水の補給に支障が生じ
には、春以降のダムの貯水量が平年のようには
るようなことが増えるかも知れません。
回復せず、春∼夏にかけて水不足が生じる可能
田植えや夏の暑い時期などにダムの貯水率が
性もあることから、今後の水管理には平年以上
注目されますが、これからは、冬の積雪状況に
に注意が必要な状況です。
も注目していただければと思います。夏に蛇口
また、長期的には地球温暖化の影響により、
から出てくる命の水は、今、白い結晶となって
降雪量の減少や雪解け時期が早まる可能性もあ
出番を待っています。
ります。雪解け水だけではダムを満たすことが
※最新の水源情報は水資源機構ホームページで公開中
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特集
9
ささえる
Power
力
「ささえる力 Power」は、情熱と誇りをもって働く「人」に
スポットをあて水資源機構の仕事を紹介するコーナーです。
感謝
∼信頼関係が作り出す武蔵水路∼
昭和30年代の急激な水需要増大に対応するため
建設された、利根川と荒川を結ぶ“武蔵水路”も完
成から約50年が経過した。この間、約450億㎥
もの水を東京都や埼玉県の都市用水等として導水し、
経済発展に貢献してきた。一方、水路の老朽化等に
よる通水能力の低下や水路周辺の都市化に伴う浸水
Profile
利根導水総合事業所 武蔵水路改築建設所 第一工事課
古田 学
Manabu Furuta
前職の(独)森林総合研究所森林農地整備センターを退職後、平成 21 年 4
月に水資源機構に入社。最初の配属先である大山ダム建設所(大分県)では、
ダム建設工事に伴う付替道路工事の設計や試験湛水業務等に携わる。前任の利
根川下流総合管理所( 城県)では、
東日本大震災に伴う災害復旧工事を担当し、
平成 25 年 10 月より現職。
被害の軽減、首都直下地震への備えなど、様々な課
題も生じていた。このため、武蔵水路では平成22年
から改築工事を実施、本年3月に竣功を迎える。
この武蔵水路改築事業で、工事部門を担当した古
田に話を聞いた。
信頼関係の構築
水路の建設を行ったおよそ50年前は、周辺はほとん
どが農地であったが、
その後、
周辺の宅地化が進み工場
等の立地も増えるなど、都市化が進んだ中での改築工
事となった。
事業の実施にあたっては、地域住民の方々のご理解
とご協力が不可欠であるため、工事前には説明会を開
催することも多いが、
このような場ではすでに決まった
武
蔵
水
路
ことを一方的に説明するという形になりがちだ。
ところ
が、武蔵水路改築事業の計画策定段階では少し違った
方法で進められたという。
「武蔵水路では、
地域の方々の
声を工事の施工計画や周辺整備などに反映できるよう、
住民参加型の会議をワークショップ形式で行い、地域
の皆さんとの意見交換の場を設け、その声を計画に反
映させていく方法により進めました。
」と古田。元々、地
域住民の武蔵水路に対するイメージの中には、地域を
分断する 地域に恩恵のない施設 とのイメージもあっ
10
水とともに 水がささえる豊かな社会
たというが、
次第に、
武蔵水路の重要性
や内水排除の効果
などを認識していた
だく一助となり、信
頼関係の構築が進
んでいったという。
説明会の様子
調査と説明の繰り返し
すべてにおいて対応策まで含めた説明が出来たという。
古田が実際に担当した 中宿橋 の改築工事を例に、
地域の方々の懸念やご意見を踏まえた施工計画を作り
地域との関係を聞いた。駅にも近い県道に架かる橋梁
上げた成果だろう。地域の方々から
「そこまで考えても
であるため、その周辺には多くの方が居住しており、工
らっていれば大丈夫だ。
」
「
、わざわざ説明に来てもらい
事の実施による振動や騒音だけでなく、通行規制や交
申し訳ない。
」
とのお言葉までいただき、
逆に恐縮したこ
通渋滞の発生など地域に大きな影響を及ぼす工事だ。
ともあったと振り返ってくれた。
古田は
「品質の確かなものを安全に作り上げることは当
然として、一人でも多くの地域の方々に
「我慢したから
何気ない一瞬
良いものが出来た」
と感じていただけるよう工事を進め
ていくことを第一に考えました。
」
と思いを教えてくれた。
これだけの事前準備を行っても、
地域の方々からのご
指摘で初めて判明した課題もあり、
反省は尽きないとい
う。
「結果的に大きなトラブルや苦情もなく、
一連の対応
が一定の成果を上げたものと考えられます。ただ、本当
にトラブルや苦情の種が無かったのかは分かりません。
地域の方々が我慢を重ねて下さった結果だとも言えま
す。
」
そんな古田が工事現場を歩いていると、
地域の方々
とたわいもない会話を交わすことがあるという。
「この
何気ない一瞬に、地域の方々に信頼され心を許してい
ただいているのかな、
と感じることがあります。
」
と頬を
緩ませる。
達成感から来るものだろう。
中宿橋周辺の交通規制
ついに竣功を迎える武蔵水路改築事業。平成22年か
らの工事期間中、
どれだけの方々に
「我慢したから良い
日頃からの地元の方々とのやり取りの中で、
工事の影
ものが出来た」
と
響の大きさに比例して注目度も高い工事と判断し、
毎年
思っていただけ
行っていた通常の工事説明会とは別に中宿橋の改築工
ただろうか?事
事に特化した説明会が行われた。説明会では、
「さらに
業に関わられた
我慢を強いるのか?」
という厳しい意見も出たが、ご意
全ての方に感謝!
水路内見学会でいただいたメッセージ
見やご質問を整理すると、個々の方々の道路利用状況
が工事によってどの様に変化し、
それに対し機構はどの
様に対応するのか?ということを懸念されているのだ
と言うことが分かったという。
説明会前から現地の調査は行われていたが、説明会
での懸念を踏まえ
「地域の方々から指摘される前に課
題を把握し対応策を提案できるよう、
自分がこの地域に
住んでいるつもりで現地確認を行いました。
」
と、再度、
丁寧な現地調査が行われた。
これが功を奏し、
この後行
われた20箇所を超える地域の方々への個別説明では、
家庭では一児の
父である古田。何
をしているときが
一番楽しいかとの
質問には、
「子供の
寝顔を隣で見てい
るとき」
と、即答で
した。
皆さんが感じているそれぞれの懸念について、
ほとんど
ささえる力 Powe
r
11
連 載
房総半島を潤す利根川の水
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∼両総用水と共に歩む房総導水路∼
両総土地改良区技術顧問・池田 寿夫
写真:公平水路橋(千葉県東金市)
このように地域に多大な貢献を果たしてきた
7.第二期両総用水事業の始動
両総用水も、事業の完了から40年以上を経過し、
7−1)新たな両総用水事業の実施に向けた機運
国営両総用水(前歴)事業によって九十九里平
施設の老朽化が進み維持管理に多大な労力と費用
を費やすようになります。
野の水不足は解消され、香取地域においても河川
常時の保守・点検に非常な努力を払っているも
改修によって洪水被害が著しく改善されたこと
のの、水路・サイホン・トンネル壁面の老朽化に
で、水稲作が安定し畑作の振興が図られるなど、
よる亀裂が進み、揚排水機なども機器の機能低下
両総地域は県内有数の農業地帯へと大きく変貌を
が著しく、その規模の大きさから、かかる経費や
遂げます。
労力も膨大で、維持管理費は年々増加の一途を
特に、受益地の大宗を占める九十九里平野地区
っています。
の東金市、成東町・松尾町・蓮沼村(現山武市)、
更に、千葉県東方沖地震(S62年)や同中部沖
九十九里町、大網白里町(現大網白里市)、白子町、
地震(H2年)、台風等の災害によってしばしば
長生村及び横芝町(現横芝光町)の1市6町2村に
通水に支障をきたすようになります。
あっては、米生産の安定化とともに、昭和40年
代からは野菜生産も大きく伸び県内有数の一大産
地に成長しています。
関係市町村における農業粗生産額の推移
(資料:千葉農業水産統計年報)
〈地震などによる被害の状況〉
(百万円)
50,000
40,000
その他 野菜 米
また、前歴事業で造成された開水路主体の用水
旧国営事業
(S18∼S40)
系統では、揚水機場でくみ上げた水が末端に到達
するのに時間を要し、各分水工からの取水量調整
30,000
が困難で広大な九十九里平野の隅々まで用水を行
20,000
き渡らせることが大きな課題として浮かび上がっ
てきます。
10,000
上流の取水状況によっては末端まで補給水が届
0
かない上流優先の用水慣行が定着するなど、下流
S35 40
12
水とともに 水がささえる豊かな社会
45
49
55
60
H2
(海岸沿い)地域を中心に用水配分のみならず、
賦課徴収の面においても不公平感が蔓延するよう
徹底した合理化を図るものとしています。
になります。
第二の柱は、東部幹線用水路の新設です。
昭和59年から行われた農林水産省の地区調査、
従来、九十九里平野の山沿いに設置した南部幹
更には昭和62年に発生した千葉県東方沖地震や
線用水路分水工から海岸地域まで概ね10km自然
千葉県中部沖地震、度重なる台風被害を経て、施
流下で送水していましたが、公平かつ効率的な送
設の機能復旧を含む更新事業の着工を望む気運が
水を可能とするため東部幹線用水路を新設し旧南
一気に高まります。
部幹線を2路線化する計画とします。
それと併せ、新たな国営両総農業水利事業には
第三の柱は、利根川下流地域における抜本的な
農業経営の変化に対応した新しいシステムの構築
排水改良です。
を求める声が大きくなります。
香取地域における流況の変化や畑作導入等営農
このため、平成5年に着工する第二期国営両総
環境の変化に対応すべく、一級河川大須賀川・八
農業水利事業は、老朽化した施設の機能維持・回
間川の改修と併せ排水機場の機能を大幅に強化す
復を図ることはもとより、農業者の減少や高齢
ることとしています。
化、米価の低迷等、水田農業を巡る厳しい状況に
大須賀川排水路
鑑み、用水管理に係る労力・経費の軽減など、水
管理の効率化と維持管理の合理化に主眼を置く計
画になります。
計画における柱の一つとして「パイプライン化」
があげられます。
用水到達時間の短縮、送水効率の向上を図るた
〈改修前〉
〈改修後〉
め、開水路であった幹線水路をパイプライン化す
るものです。
第四の柱として、水管理システムの導入です。
パイプライン化により、従来、第2揚水機場か
用水管理に係る労力・経費の軽減、維持管理の
ら末端の一宮町まで24時間要していた用水到達
合理化を図るため、最新の電子通信技術を取り入
時間は概ね3時間と著しく短縮し、漏水に伴う用
れた合理的な水管理施設を導入することとしてお
水のムダの削減や転落事故の防止、更には水路の
り、総合的かつ集中的に施設の監視や操作を可能
清掃・草刈りなど多大な維持管理業務の軽減など
とする計画としています。
第1排水機場
利根川両総水門
国営両総農業水利事業概要図
神崎町
○パイプライン化の状況(南部幹線)
第 1 導水路
成田市
北
部
幹
線
第1揚水機場
香取市
多古町
〈施工前〉
〈施工中〉
〈施工後〉
第3揚水機場
東金市
松潟堰
一宮町
一
宮
川
南
白
亀
川
凡 例
栗山川統合機場
第2揚水機場
中央管理所
山武東部支線機場
横芝光町
真
亀
川
用 ・ 排 水 受 益
排 水 受 益
揚 水 機 場
排 水 機 場
用 水 路
匝瑳市
排 水 路
九十九里町
長生村
川
用 水 受 益
山武市
大網白里市
白子町
山
南部幹線
南部幹線
茂原市
栗
利
根
川
作
田
川
東部幹線
木
戸
川
栗
山
川
九十九里浜
太 平 洋
総農業水利事業
用水路既設利用
排水機場既設利用
頭 首 工 等
概
連載
13
近隣の国営事業等実施地区(北総中央、北総東
部、東総用水、成田用水等)で既に地元負担金額
の市町村負担が導入されていることなどを前例と
して、国営両総農業水利事業にも同様の措置をと
働きかけを重ねます。
しかしながら、市町村間には温度差があり、関
係14(当時は19)市町村の足並みが
うまでに
は多大な時間を要すことになります。
こうした中、平成2年「地方交付税法」が改正
〈水管理システム〉
され、一般公共事業等に係る市町村返還金等の経
費に対し地方債の認可と地方交付税の還元が法制
営農の面では、水稲の品質向上と生産の安定、
化されます。
水田の畑利用による野菜の導入、畑地における輪
これが追い風となり、平成5年には、ほぼ全市
作体系の確立などにより農業経営の安定を目指す
町村で首長間の意見が整い、平成9年10月20日、
ものとしています。
ようやくにして「国営両総土地改良事業の地元負
これら第二期国営両総農業水利事業の関係市町
村は、香取市、匝瑳市、東金市、茂原市、山武
担金に係る関係市町村の負担に関する覚書」の締
結に至ります。
市、成田市、大網白里市他6町1村で総受益面積
こうして、平成10年、国営事業は全区間に於
約17,400ha、事業の概要としては約17,400haの
いて全面着工となり、国を挙げての執行体制構築
用水改良、約1,600haの排水改良になります。
と県・市町村の全面的な協力の下、1千億を超え
国営事業の実施に係る総事業費は、幹線用水路
る巨大な事業を22年という驚異的な速度で進
のパイプライン化や旧南部幹線の2路線化なども
を果たし、平成27年3月、事業完了を迎えるこ
あって、約1,089億円(共同事業費含みで約1,214
とになります。
億円)と1千億を超える規模となります。
第二期国営両総農業水利事業よって更新された施設
(負担割合:国2/3、県1/4、地元1/12)
7−2)国営事業地元負担金に係る市町村負担の
背景
事業化を進める中で最大の課題は、農家負担を
いかに軽減するかにありました。
〈公平水路橋(表題写真内部)
〉
〈第2揚水機場(中央管理所)
〉
平成9年10月20日「国営両総土地改良事業の
地元負担金に係る関係市町村の負担に関する覚
書」が締結され、国営事業の地元負担を関係市町
村が肩代わりすることとなります。
地元負担金に係る市町村負担の合意に至る道筋
〈松潟堰〉
は、当然のことながら平坦なものではなく、関係
市町村と県・土地改良区との協議・調整に多大な
労力と8年余りの歳月を要すことになります。
経済的に極めて厳しい環境にあった市町村への
アプロ−チは、千葉県が主体となって平成元年
に国営事業に係る県負担(当時の負担比率:国
60% 県20% 地元20%)を10%引き上げたこと、
14
水とともに 水がささえる豊かな社会
〈吐水槽〉
〈ポンプ室〉
8.両総用水及び房総導水の現状と課題
8−1)両総土地改良区の現状と進むべき方向に
ついて
また、過去例のない維持管理費の増大に伴う土
地改良区運営の危機も、機構改革を考える好機と
国営事業の完了によって基幹水利施設の基盤が
とらえ、総合的かつ徹底した無駄の削減のみなら
整い、後は、支線水路施設や末端基盤の整備を残
ず、土地改良区本来の果たすべき役割と危機意識
すだけとなります。
を末端職員に至るまで徹底して浸透させること
農業を取り巻く環境は依然として厳しい中にあ
で、職員個々の意識改革と併せ改良区自体の体質
り、少子高齢化は一段と進み、担い手不足に拍車
強化や、組織の活性化・効率化に繋げるチャンス
がかかり、米価をはじめとする農産物価格の低迷
と考えればいいのです。
に歯止めの兆しも見えない状況にあります。
次に、TPP交渉によって農家経営が危機に陥る
我が国農業を取り巻く国際環境も、アメリカと
といった被害者意識に関してですが、農業者自
のTPP交渉問題を筆頭に農家の経営意欲を削ぐよ
体、行政や農業者団体が考えるほど危機感を持っ
うな事案が押しよせる波の如しです。
ているのか不明なものがあります。
更に、2011.3.11に発生した東日本大震災にお
農業は、我が国の長い歴史において、いつの時
ける東京電力原発事故に伴う電気代の異常な高騰
代も幾多の苦難を乗り越え国を支え続けてきた国
によって、施設管理費が増大し土地改良区の運営
の根幹を為す産業です。
そのものを圧迫、賦課金の値上げを検討せざるを
得ない状況に置かれております。
こうした中、逆にこのピンチをチャンスに転換
そこには農家自身の絶え間のない創意工夫と技
術革新そして何よりも苦難を乗り越える忍耐力が
あったからに他なりません。
する好機であると発想そのものを転換すること
近年、行政や企業はIT技術の普及で何事も効率
が、行政のみならず農業者の利益を代表する土地
を優先するあまり、我慢を嫌い即効性のある結果
改良区に求められていることを認識すべきと考え
を求めすぎることで、時間の経過や水面下の地道
ています。
な取り組みが大きな変化をもたらすことがあるこ
まずは電気代の高騰問題ですが、近年は当たり
前の如く農水を利用することで、過去の苦難を忘
とを知らず軽々に諦める傾向にあるように思えて
なりません。
れつつある受益農家のみならず、土地改良施設の
我が国経済を支え続けてきた基幹産業である農
管理を担う土地改良区職員一人一人に、節水を通
業の底力は、苦難に合えば会うほど創意工夫と忍
じ水の大切さ・有難さを再認識してもらえる絶好
耐力で存続し続けてきたように、日本という国が
の機会であると考えています。
存続する限り、我が国農業は崩壊することなく存
続するであろうことは歴史が物語っています。
基幹水利施設電気料金の推移
また、国・県なども推奨する輸出可能な農業生
産物の商品開発は植木や生鮮野菜に加え落花生、
果物など畑作物は云うまでもなく、水田が大宗を
成す両総地区にあっては、生産者米価の低迷を嘆
くよりも対外的な競争力強化の一環としてとらえ
るべきです。
土地改良区としても、TPP交渉を機に米のブラ
ンド化や農産加工品など、両総の農産物を海外に
売り込むための新たな商品開発や販売戦略、更に
は宅配などを取り入れた配送システムの構築など
企業との連携を深め、産業として農業の自立を手
連載
15
助けすることが肝要であると考えます。
付くとしても、農民の多くが「農地解放」の苦い
経験を引きずる中、集積作業は困難を伴うものと
考えています。
もし「農地中間管理機構」の中核に、関係の管
理団体等を通じ強い信頼関係にある昭和期の農業
〈転作後の営農状況〉
協同組合(農協)であったり、個々の農業者や所
有する農地を熟知する一定規模以上の土地改良区
があるなら集積・集約化の可能性は、より高いも
のとなるのではないかと考えています。
土地改良区は、これまでも現行制度の範囲内で
基盤整備や土地利用調整に貢献してきました。
これからは、集積によって規模を拡大した担い
手が産業を担う経営者に育つよう最大限支援する
責務があります。
要は、担い手をどう生み出すかが目的ではなく、
生み出した担い手をどう育てるかが重要で、賦課
団体である土地改良区の財政基盤にも大きな影響
を及ぼすはずです。
また、国100%補助でソフト・ハ−ド事業が実
施可能な「農業水利施設保全合理化事業」などは、
投資意欲を失いつつある農家が多い中、老朽化が
進む施設の保全対策やパイプライン化による施設
〈海外からの視察風景〉
管理の合理化や効率化などに極めて有効な制度と
考えています。
行政が農業者に政策を通じて足腰の強い経営体
国には今後も引き続き、農業経営の基礎となる
へと誘導・育成するには中々難しいものがあると
生産基盤が再生され安定的な農業生産を可能にす
は云え、リアルタイムに行政が示す有利な施策・
る制度の創設を検討し提案頂きたいと願って止み
制度を活用しないのは勿体ない限りです。
ません。
土地改良区は常にアンテナをめぐらし有効な情
いずれにしても、両総地域の農業が収入の面に
報をキャッチし農業者に伝える責務があります。
おいても地場産業の中核として更なる飛躍を遂げ
その一つに、農水省が平成26年度に制度化し
るには、行政の支援はもとより、農家自身が足腰
た「多面的機能支払制度」があります。地域農業
を強め、外圧に耐え、対外競争力を高める創意工
の足腰を強化するあるいは、活用の手法次第では
夫を粘り強く重ねていくことが肝要であり、土地
土地改良区運営の下支えになり得るものとして極
改良区は、今後ともその手助けが出来る組織へと
めて有効な制度であり是非活用すべきであると考
力強く改革・前進する必要があります。
えています。
もう一つは、平成25年度創設の「農地中間管
理事業」制度です。
県知事より指定を受けた「農地中間管理機構」
房総導水路は、暫定通水から現在までの長い時
間が経過する中、①施設の老朽化、②大規模地震
が中心となり農地利用の集積・集約化を加速さ
への備え、③水質保全が大きな課題となりまし
せ、農地の有効利用や農業経営の効率化を進める
た。
としていますが、行政の政策であって種々助成が
16
8−2)房総導水路の現状と将来に向けて
水とともに 水がささえる豊かな社会
このうち、課題の①、②については、房総導水
路施設緊急改築事業として、平成26年度から32
という経営理念の実現に向け、継続して取り組ん
年度までの工期で、以下の事業内容で対策を実施
でほしいと願っております。
しているところです。
9.おわりに
〈房総導水路施設緊急改築事業の事業内容〉
●老朽化対策:従前の機能を回復させるため、揚
この4回にわたるシリーズで、「房総半島を潤
水機場ではポンプ設備や電気設備の改築、トンネ
す利根川の水 ∼両総用水と共に歩む房総導水路
ルではコンクリートのひび割れ補修や背面空洞部
∼」を利根川から栗山川の間を房総導水路と共用
の充填等を実施
する立場からの視点で書かせていただきました。
両事業共に、稀有な歴史を重ねた大規模用水事
●耐震補強:大規模地震が発生した場合に大きな
業であることから、生い立ちから将来まで全てを
影響が想定される箇所の耐震対策を行うため、ト
書き尽くすことはできませんが、潤いを次世代に
ンネル、サイホン、水管橋の耐震補強、非常用発
継承するのに、是非、覚えておいて欲しいことを
電設備の新設等を実施
中心に紹介したつもりです。
太平洋と東京湾、利根川に囲まれた房総半島は、
時代の要請に応え、先人、先輩諸氏の人知と労苦
の集約で構築された用水施設をはじめとするイン
フラ整備によって、発展を遂げてきました。そし
て、その主要な施設の中の両総用水と房総導水路
〈ポンプ羽根車の壊食状況(白線箇所)〉 〈電気設備(遮断機)の焼損状況〉
も、将来にわたって、その機能を維持し、諸課題
の解決を図りながら、さらに地域に貢献していく
ことが責務であると考えています。
本地域だけでなく、国内・国外を問わず、水は
人の命を支え、生活や産業の血液ともいえる大切
な資源です。
〈
トンネルの内部状況(送水停止時)
継ぎ目から地下水が吹き出ている。
〉
〈老朽化した横芝揚水機場〉
用水の供給に関わる者として、水の恵みを享受
する方々には、末永く水を愛し、時には、あたり
また、課題の③については、長柄ダム、東金ダ
ム、坂田調整池で栄養塩類が多く、アオコの発生
まえにある水の背景を感じてもらえれば幸いに思
います。
が恒常化していたため、水質保全対策として間欠
最後に、執筆に当たり多大な協力をいただいた
式や散気式の曝気設備の設置などを行い、モニタ
関係する皆さまとりわけ、各回の編集や構成に全
リングの継続により、効果検証と最適な運用方法
面的に協力頂いた両総土地改良区 板倉章浩 主事
の検討を実施しています。
に感謝申し上げ、結びといたします。
以上の課題の他にも、ポンプの電力料金の縮減、
施設用地の長期的な保全などは、継続的な取組み
参考文献
が必要です。また、緊急改築事業で改築の対象と
『両総土地改良区史』 両総土地改良区発行
なる施設も含め、将来にわたって機能保全を行う
『国営かんがい排水事業「両総地区」事業誌
ストックマネジメントや大規模地震に対するソフ
ト対策の構築が求められます。
水資源機構においては、これらへの対応、そし
∼上総と下総を結ぶ水のみち∼』
農林水産省関東農政局両総農業水利事業所発行
『国営両総農業水利事業完工記念誌両総用水のあゆみ』
農林水産省関東農政局両総農業水利事業所発行
て、両総用水の関係者や地域の方々と連携しなが
ら、「安全で良質な水を安定して安くお届けする」
連載
17
水と緑と歴史の要衝を目指して ∼岐阜県ひがし美濃
(中津川市・恵那市)
∼
阿木川ダム水源地域ビジョン事務局
太田 敦之
中津川・恵那広域行政推進協議会 事務局長 【緑】 秀峰「恵那山」の麓にひろがる自然豊かな街
岐阜県ひがし美濃は、日本列島のほぼ中央の岐阜県
東南端に位置し、東に長野県木曽地域、南信地域、南
に愛知県豊田市、北は下呂市に接しており、名古屋市
からは50 ∼80㎞圏と比較的近くに位置しています。
日本百名山と木曽三川のひとつ恵那山や木曽川をは
じめとする、幾多の山々や清流に囲まれた、起伏に富
んだ地形でみどり豊かな地域です。
昔の風情を残す中山道(中津川宿)
リニア中央新幹線(計画)
【歴史】
歴史を大切にした地域づくり
この地は文豪・島崎藤村の生誕地であり、美濃国岩
村藩出身の著名な儒学者・佐藤一斎などの偉人たちも
ྡྂᒇ
多く輩出しています。
また、伊勢神宮の式年遷宮にも使用されている『東
濃檜』の産地で、日本で初めて『シクラメン栽培』を
開始した地域でもあります。
本地域は、古くは東 山道(近江∼陸奥)や中山道
農村景観日本一の風景『岩村町富田地区』や日本棚
(江戸∼京都)が、現在では JR中央本線や中央自動車
田百選の『坂折棚田』などの景観財産も点在し、さら
道、国道19号線などの基幹交通網が通る交通の要衝
には、日本三大山城の一つ、また女城主の城として有
となっており、日本の西と東、北と南が交わるこの地で
名な『岩村城跡』
、江戸時代の風情を今なおとどめる
は、古くから海と山の産物の流通も盛んに行われてき
『岩村の城下町』
、当時の「中山道」の面影を残した宿
ました。中山道の当時宿場町があったところには、その
場町『馬籠宿』
『落合宿』
『中津川宿』
『大井宿』
、壮大
後市街地が形成され、現在でも豊かな自然と人との調
な石垣が戦国時代の山城の面影を伝える『苗木城跡』
、
和のとれた街並みが、昔と変わらずに残っています。
大正浪漫の街並み『日本大正村』
、日本一の木製水車
がある『おばあちゃん市・山岡』など、様々な歴史的
18
水とともに 水がささえる豊かな社会
水と緑と歴史の要衝を目指して
文化遺産の宝庫です。
ダムに対する理解と親しみの向上を目指すこととした
この地域は、平成16 年10月に、旧恵那市、恵那郡
水源地域ビジョンの基本方針を掲げ、平成16 年3月に
岩村町、山岡町、明智町、串原村、上矢作町の1市4
「ココロうるおす水と緑と歴史のパティオ(スペイン語:
町1村が合併し「恵那市」となり、平成17 年2月に旧
中庭)推進協議会」を水源地域の自治体や住民、ダム
中津川市、恵那郡坂下町、川上村、加子母村、付知町、
管理者で結成し、地元地域の方々と広域的な活動を展
福岡町、蛭川村と、長野県木曽郡山口村の1市3町4
開しています。
村が合併して「中津川市」となりました。
この2市における広域行政を推進するため、平成17
年2月に「中津川・恵那広域行政推進協議会」が設立
され、広域観光の振興のほか介護認定や障害認定の審
査事務などの福祉業務を行っています。
広域観光の振興においては、豊かな自然と歴史的文
化遺産に恵まれ、山紫水明のこの地域の豊富で貴重な
資源を活用し、地域の活性化に向けた広域観光に力を
注いでおります。
雄大な渓谷美をなす恵那峡
【要衝】
さらなる地域発展をめざして 阿木川ダム湖では、地元の県立恵那農業高校生徒
や地域住民の方々と『空芯菜』をダム貯水池で栽培し、
水質改善を図る取り組みを行っており、地域活性化や
水質保全の啓発に取り組まれています。
また、毎年8月に開催の『阿木川サマーフェスティ
日本三大山城の一つ「岩村城跡」
【水】
水が人々を繋げる
バル』をはじめ、
ダム完成前から始まった11月のウォー
キングイベント『メモリアルマーチ』など、さまざま
な活動を展開するなかで多くの方々に訪れていただき、
この地の豊かな森の源流から始まる幾筋もの谷川の
今では地域のイベントとして定着してきています。
水は木曽川へと注がれ、電力王「福沢桃介」が建設し
近い将来、この地にはリニア中央新幹線駅ができる
たダムによってできた湖で雄大な渓谷美をなす『恵那
ことから、更なる地域の活性化が期待されており、豊
峡』
、森林浴の森日本百選で御嶽山系からの雪解け水
富な観光資源と四季折々の顔を見せてくれるダム湖を
が清流となる『付知峡』などが、素晴らしい渓谷美を
有効に活用し、
「水と緑と歴史の要衝」として、ひがし
つくりだしながら、やがて豊かな命の水として、遥か下
美濃(中津川市・恵那市)の奥深さと良さを多くの人
流に生活する多くの人々に届けられています。
に知っていただくことにより、より元気で魅力溢れる地
木曽川の支流阿木川には、恵那市街地のほど近くに
域として更に発展していくことを願っています。
阿 木 川 ダ ム が あり、
このダム湖を水源地
域活性化に広く活用
してもらうため、美し
い自然環境との共生
と既存地域資源を活
恵那の街に寄り添う阿木川ダム
かす取り組みの中で、
サマーフェスティバルでのカヌーや巡視の体験
水のひろば
19
Japan Water Agency
NEWS
Japan Water Agency
水機構ニュース
利根川水系・荒川水系
●荒川ダム総合管理所(埼玉県)
ツイッターによる情報配信をスタート!
開設早々から沢山の方
にフォローいただきあり
がとうございます!浦山
ダム & 滝沢ダムの情報を
中心に、様々な情報を配
信予定ですので、応援を
よろしくお願いします。
電光掲示板の空きを利用してのお知らせ
雪はと
とても大切な水資源
雪の多い地方にあるダムは、春に雪解け水を貯めて渇水
に備える役割を持っています。
関東を例にすると矢木沢ダム、奈良俣ダムが代表的です。
ところが今年の冬は暖かい日が多く、例年に比べて積雪がと
ても少なくなっています。雪の少ない年は渇水の発生に注意
する必要があります。雪が少なく4月の降雨が少なかった平
成 19 年の春、矢木沢ダムの貯水量は例年にない減少傾向と
なり、渇水の発生が懸念されました(幸い、この年はその後
の降雨等で貯水量は回復しました)。
大切な水資源を蓄えている源流地域についてぜひ関心を
持っていただければと思っております。
渇水は夏だけではありません。一年を通
じて水を大切に使いましょう。
※雪の多い地方にあるダムの積雪状況について、
ホームページ新着情報に掲載しています。
NEWS
筑後川水系
●筑後川局(福岡県)
命のトンネル 福岡導水管の管内調査
福岡都市圏及び佐賀県基山町のライフラインとして水道
用原水を供給している福岡導水の導水管は、昭和 58 年の通
水開始以来 32 年が経過しています。この導水管の劣化状況
等 の 確 認 を 行 う た め に、
1 月 19 日 よ り 10 日 間、
筑後川からの取水を止め
て導水管を空にして行う
本格的な管内調査を実施
しました。また、1月 22
日には、利水・報道関係
者の方々に調査の様子を
見学いただききました。
本社の受付がレストランに !?
ダムをお腹で感じることが出来る ・・・ それがダムカレー。
3月 10 日までの期間限定で、当機構の総合受付にダムカ
レーのサンプルが並びました。
各ダムの特徴が表現された
美味しそうなカレーがズラリ!
これらは3月 12 日に開催す
る武蔵水路改築事業竣功記念イ
ベントでも展示します。
ホームページで「立ち寄りグルメ」をご紹介!
水資源機構施設の散策にピッタリのグルメを紹介する「立ち
寄りグルメ」情報をホームページに掲載しました。ダムカレーは
もちろん、和菓子や蕎麦など ・・・ おいしそうなグルメが盛りだく
さん♪
施設見学の際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
平成28年度
読者モニター募集
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読者の皆様の声を誌面づくりの参考とさせていただくために、読者モニターを募集します。
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【募 集 要 件】「水とともに」をご覧いただき、アンケートにお答えいただける方
【モニター期間】平成 28 年4月∼平成 29 年3月(1年間)
【募 集 人 数】30 人程度(応募多数の場合には抽選とさせていただきます)
【応募方法及びお問い合わせ先】①氏名(ふりがな)②性別 ③住所 ④年齢 ⑤職業 ⑥電話番号を記載の上、
ハガキ又はメールのいずれかにより下記あてお申し込みください。
〒 330 − 6008 埼玉県さいたま市中央区新都心11番地2 独立行政法人水資源機構 広報課 読者モニター募集係
電話:048 − 600 − 6513 メール:[email protected]
【応募締切】平成 28 年3月 31 日(日)必着 【発表】
「水とともに」の発送をもって発表にかえさせていただきます。
※謝礼はございません。モニターの皆様には、
「水とともに」を1年間送らせていただきます。
※モニターの方のうち、希望される方には近隣の当機構施設をご案内させていただきます。
※ご本人の許可なしに個人情報の開示や提供はいたしません。
20
水とともに 水がささえる豊かな社会
Japan Water Agency
NEWS
思川西部土地改良区から感謝状を受領 ∼浸水被害復旧に協力∼
1月 26 日、思川西部土地改良区理事長から感謝状をいただきました。これは、平成 27 年9月関東・東北豪雨の
影響により、栃木県小山市において市内各地で浸水被害が発生した際に、同市からの要請を受けた機構が、浸水被
害からの復旧を支援するため、ポンプ車等の機材及び人員を派遣し、
思川西部土地改良区の管内でも排水作業を行ったこと及び同改良区
が管理する排水ポンプの故障に対し技術支援を行ったことによるも
のです。
思川西部土地改良区の椎名理事長から「機構の支援に感謝いたし
ます。ポンプ車による排水作業だけでなく、ポンプ故障についての
原因調査や仮復旧などにもご協力いただき早期復旧が図れました。」
とのお言葉をいただきました。
機構では、突発的な事故や災害が発生した場合に応急措置や早期
の復旧が出来るよう、各エリアの拠点となる事務所にポンプ車や備
蓄資材を配備し、危機管理に努めています。
与良川排水機場における排水作業
ኹౝ࠳ࡓߢࡄ࠻ࠞ࡯㧩ࠍ⊒⷗㧋㧋㨭㨭㨭੐ઙߢߔ߆㧩
みなちゃん
フフフ、赤く光るライトのついている車をみか
けたのね。それは警察の車ではなく、水資源機
構の車で「警報車」と呼んでいるわ。
防災操作時(ダムから水を放流をする際)など
に、赤いライトを光らせながら、川で遊んでい
る人の避難誘導をしたり、ダムの下流に住んで
いる人等に放流することを知らせたりするのよ。
普段は定期的に施設周辺のパトロールをして、不法投棄や不審物などが
ないか確認もしているわ。車内も普通の車とは違うの。無線が搭載され
ていて、各警報車やダムの管理所と無線で連絡をとることができるよう
にもなっているわ。
あとね、パトカーと同じように赤いライトを光らせて走っていたら防
災操作時など緊急時の証拠なの。見かけたときは川の増水などに気をつ
けてね!
水機構ニュース
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第39回水の週間
第37回全日本中学生水の作文コンクール
国土交通大臣賞(優秀賞)
かけがえのない水
福島県 福島市立北信中学校 三年 遠藤 亮佑
忘れもしない平成二十三年三月十一日。東日本大
震災で私達の住む福島も大きな被害を受けた。恐怖
の約八十パーセントは砂漠でできているということ」
、
に震える中、ライフラインが寸断され、蛇口をひね
「低降水量、高温の砂漠気候とみなせる地域が広く存
れば当たり前に出てくると思っていた水も止まってし
在すること」
。これらが水不足を引き起こす原因で経
まった。飲み水、料理、トイレ、風呂など普段の生
済と生活に深刻な影響を与えているということが分
活になくてはならない水。数日もの間、行列に並ん
かった。その対策として政府が
「未来のための水資源」
で給水車から分けてもらうことでしか手に入らなくな
という取り組みの一つとして給水制限というシステ
り、水のありがたみを身をもって感じた。
ムを行っているのだった。
しかし、あれから四年。復興が進み日常を取り戻
日本だと無限にあると錯覚してしまいそうな位の
した今、時間の経過とともにあのありがたみ、水を
水。けれど、世界で分け合う必要不可欠な資源の一
大事にするという感覚が少し薄れてきたかもしれな
つであると考えさせられた。
い。そんな私に改めて水の大切さを考える出来事が
あった。
またこの四月、修学旅行の班別自主研修先に東京
都水の科学館を選んだ。水についてもっと知りたい
昨年の秋、福島市中学生海外派遣団の一員として
と思ったからだ。科学館では、水の大循環をたどり
オーストラリアで短期留学を経験した時のことだ。
水の旅を体感することができた。自然の恵みを大き
私が訪れたクィーンズランド州のブリスベンでは、
く受けていることを学び、環境に配慮することも大切
数年前に大渇水があり、給水制限があるというのだ。
だと認識した。またこの地球には、十四億立方キロ
ホームステイ先で
メートルの水があると言われているそうだ。そのうち
「シャワーの時間は短めに、五分位でね。
」
の九十五・五パーセントは海の水で陸の水はごくわ
と言われ、正直驚いた。豊かな自然、コアラやカン
ずかだそうだ。しかもそのほとんどは南極や北極の
ガルーが思い浮かぶこの国で、水不足というイメー
水。利用できる水は、
地球上の水のわずか〇・〇一パー
ジがあまりにもかけ離れていたからだ。実際に街並
セントしかないということを学び、改めて水の大切さ
を見ても、高層ビルが立ち並び、緑があふれ、公園
を考え直す機会となった。
も多く川も流れていて自然の多い環境だった。現地
様々な経験をふまえ、自分に何か出来ることはな
で交流したスクールバディ達にもそれぞれの家庭の
いかと考えた。その時、母の行動が目についた。風
水事情を聞いてみた。すると、シャワーの時間制限
呂の残り湯を洗濯に使い、米のとぎ汁を庭木の水や
があったり、浴室にバスタブはあるものの、大量の
りとして使用していた。早速私もオーストラリアで経
お湯を使いたくないとそこに毛布や衣服を入れてい
験した時のようにシャワーの時間を制限することにし
るそうだ。また、
使った食器を洗わず洗剤の泡につけ、
た。だらだらとシャワーを浴びないおかげで時間も
それをふきとるだけだったりと水に対する意識は日
短縮できる。小さなことかもしれないが、私達のよう
本とは全く違い、驚くばかりだった。
な未来を担う次世代が進んで行動を起こし、出来る
自分でも調べてみると、オーストラリアは人間が住
22
む大陸の中で最も乾燥している地域であった。
「本土
水とともに 水がささえる豊かな社会
ことから始めていきたい。
うんど
ら
あ
環
環
このコーナーでは、水資源機構の環境保全の
取り組みを紹介します。
特定外来生物
ナガエツルノゲイトウ
駆除
生態系と治水を脅かす
に駆除作業に取り組みました(計4回参加)
。
また、今回で5回目となる水土里ネット印旛沼
「ナガエツルノゲイトウ 」は、南米原産の水辺
(印旛沼土地改良区)佐倉西部地区主催による「外
に繁殖する植物で、繁殖力の強い特定外来生物
来植物の防除を地域力で!2015」が、昨年10
です。印旛沼でも流入河川を含めて到る所で繁
月3日佐倉市臼井田干拓「通称:かっぱ公園」の
殖が見られ、水辺の生態系を脅かしています。ま
低地排水路にて行われ、千葉用水総合管理所は、
た、洪水時には印旛沼の洪水排水を担う大和田
印旛沼連携プログラム(※2)により参加された
排水機場のスクリーンに群落のまま漂着するた
「NPO 美しい田園21」の皆さんや企業及び行政
め、除塵作業が追いつかず一時的に所定の排水
機関の皆さんと一緒に駆除作業に参加しました。
が出来ない事態が発生し、印旛沼の治水面での
安全性を脅かしている状況です。更に、印旛沼
将来の解決のために
堤内地側にある低地排水路を通じて農地へも侵
入し、強い繁殖力から営農に影響が生じるなど、
ナガエツルノゲイトウの駆除は印旛沼の生態
印旛沼地域全体の問題として年々深刻な状況と
系保全と治水リスク低減など、印旛沼地域全体の
なっています。
課題として今後も継続して取り組んでいく必要が
あります。この課題は一朝一夕に解決するもので
協働しての駆除作業
はありませんが、少しでも多くの方に関心を持っ
ていただき、この取組みに多くの方が参加して頂
このため、昨年7月から11月にかけて、印旛
沼に通じる新川に流れ込む桑納川(八千代市内)
において「ナガエツルノゲイトウ協働駆除作戦」
が行われ、千葉用水総合管理所は、印旛沼流域
水循環健全化会議(※1)
、千葉大学、東邦大学、
各市民団体、千葉県、千葉市、八千代市、土木
研究所、印旛沼土地改良区などの皆さんと一緒
刈り取った群落をボートで運ぶ
ければと考えています。
(※1)
印旛沼流域の再生を目的として、学識者、市民団体、
行政機関、研究機関など印旛沼に関係する者で構成。
(※2)
市民・企業と行政が一緒になって、 印旛沼や周辺河
川・水路の美化・浄化などを進めていくための取り
組みで、沼・川・水路の管理者が市民団体や企業に
よる美化活動等支援している。
様々な方と協働での駆除作業
環あらうんど
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第30回 水とのふれあいフォトコンテスト 入賞作品
「河口湖の春」
浦川 武弘
山梨県河口湖
入選
「竜宮城」
岾谷 知樹
青森県弘前市
https: twitter.com/jwa_pr
https: www.facebook.com/jwaPR
編集・発行 独立行政法人 水資源機構
〒330-6008 さいたま市中央区新都心11番地2
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ISSN 2187-8048
2016 3 March
特選
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