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CEATEC JAPAN 2015 - 自動走行システム SIP
SIP(戦略的イノベーション創造プログラム) 「自動走行システム」の取組について 内閣府 大臣官房審議官(科学技術・イノベーション担当) 松本 英三 SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)とは (SIP = Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program) 1 ◎第107回総合科学技術会議 総理発言(H25 3/1) 私たちは再び世界一を目指します。世界一を目指すため には、何と言ってもイノベーションであります。安倍政 権として、新しい方針として、イノベーションを重視し ていく。そのことをはっきりと示していきたい。 ◎第114回総合科学技術会議 総理発言(H25 9/13) 今回創設する戦略的イノベーション創造プログラム「S IP」及び革新的研究開発推進プログラム「ImPAC T]は我が国の未来を開拓していく上で鍵となる「国家 重点プログラム」であり、この2大事業を強力に推進し てまいります。 ○科学技術イノベーション総合戦略(平成25年6月7日閣議決定) ○日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定) 総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能強化 2 1.機能 内閣総理大臣及び内閣を補佐する「知恵の場」。我が国全体の科学技術を俯瞰し、各省より一段高い立場から、総合的・基 本的な科学技術政策の企画立案及び総合調整を行う。平成13年1月、内閣府設置法に基づき、「重要政策に関する会議」の 一つとして内閣府に設置(平成26年5月18日までは総合科学技術会議)。 2.役割 ① 内閣総理大臣等の諮問に応じ、次の事項について調査審議。 ア.科学技術の総合的かつ計画的な振興を図るための基本的な政策 イ.科学技術に関する予算、人材等の資源の配分の方針、その他の科学技術の振興に関する重要事項 ウ.研究開発の成果の実用化によるイノベーションの創出の促進を図るための環境の総合的な整備に関する重要事項 ② 科学技術に関する大規模な研究開発その他の国家的に重要な研究開発を評価。 ③ ①のア.イ.及びウ.に関し、必要な場合には、諮問を待たず内閣総理大臣等に対し意見具申。 3.構成 内閣総理大臣を議長とし、議員は、①内閣官房長官、②科学技術政策担当大臣、③総理が指定する関係閣僚(総務大臣、 財務大臣、文部科学大臣、経済産業大臣)、④総理が指定する関係行政機関の長(日本学術会議会長)、⑤有識者(7名)(任 期3年(平成26年5月18日までに任命された者は2年)、再任可)の14名で構成。 総合科学技術・イノベーション会議有識者議員(議員は、両議院の同意を経て内閣総理大臣によって任命される。) [関係行政機関の長] 久間和生議員 (常勤) 原山優子議員 (常勤) 元三菱電機 (株)常任顧問 元東北大学教授 (H27.3.1~H30.2.28) (H27.3.1~H30.2.28) (初任:H25.3.1) (初任:H25.3.1) 内山田竹志議員 (非常勤) 橋本和仁議員 (非常勤) トヨタ自動車(株) 東京大学教授 代表取締役会長 (H27.3.1~H30.2.28) (初任:H25.3.1) (H27.3.1~H30.2.28) (初任:H25.3.1) 小谷元子議員 (非常勤) 中西宏明議員 (非常勤) 平野俊夫議員 (非常勤) 大西隆議員 (非常勤) 東北大学教授兼原 子分子材料科学高 等研究機構長 (株)日立製作所 代表執行役会長 兼CEO 大阪大学 名誉教授 日本学術会議 会長 (H26.3.6~H28.3.5) (初任:H26.3.6) (H26.3.6~H28.3.5) (初任:H25.11.27) (H26.3.6~H28.3.5) (初任:H24.3.6) 3 総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能強化の3本の矢 1.政府全体の科学技術関係予算の戦略的策定 進化した「科学技術重要施策アクションプラン」等により、各府省の概算要求の検討段階から総合科 学技術・イノベーション会議が主導。政府全体の予算の重点配分等をリードしていく新たなメカニズムを 導入。(大臣が主催し、関係府省局長級で構成する「科学技術イノベーション予算戦略会議」を開催) エスアイピー 2.戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 内閣府設置法の一部を改正する 法律案(予算関連法案) 総合科学技術・イノベーション会議が府省・分野の枠を超えて自ら予算配分して、基礎研究から出口 (実用化・事業化)までを見据えた取組を推進。 イ ン パ ク ト 3.革新的研究開発推進プログラム(ImPACT) 独立行政法人科学技術振興機 構法の一部を改正する法律案 実現すれば産業や社会のあり方に大きな変革をもたらす革新的な科学技術イノベーションの創出を目 指し、ハイリスク・ハイインパクトな挑戦的研究開発を推進。 4 SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の対象課題、PD、26~27年度配分額 革新的燃焼技術 (配分額 20 ⇒19億円) 杉山雅則 トヨタ自動車 エンジン技術領域 領域長 若手エンジン研究者が激減する中、研究を再興し、最大 熱効率50%の革新的燃焼技術(現在は40%程度)を実現 し、省エネ、CO2削減に寄与。日本の自動車産業の競争力 を維持・強化。 次世代パワーエレクトロニクス (配分額 22⇒21.9億円) 大森達夫 三菱電機 開発本部 役員技監 現状比で損失1/2、体積1/4の画期的なパワーエレクト ロニクスを実現し、省エネ、再生可能エネルギーの導入 拡大に寄与。併せて、大規模市場を創出、世界シェアを 拡大。 革新的構造材料 (配分額 36.08 ⇒ 35億円) 岸 輝雄 東京大学名誉教授、物質・材料研究機構顧問 軽量で耐熱・耐環境性等に優れた画期的な材料の開発 及び航空機等への実機適用を加速し、省エネ、CO2削減に 寄与。併せて、日本の部素材産業の競争力を維持・強化。 エネルギーキャリア (配分額 33.06⇒30.4億円) 村木 茂 東京ガス取締役副会長 再生可能エネルギー等を起源とする電気・水素等により、 クリーンかつ経済的でセキュリティーレベルも高い社会を構 築し、世界に向けて発信。 次世代海洋資源調査技術 (配分額 61.6 ⇒ 57億円) 自動走行システム 浦辺徹郎 東京大学名誉教授、国際資源開発研修センター顧問 レアメタル等を含む海底熱水鉱床やコバルトリッチクラスト など海洋資源を高効率に調査する技術を世界に先駆けて 実現し、資源制約の克服に寄与。海洋資源調査産業を創 出。 インフラ維持管理・更新・マネジメント技術 (配分額36⇒32.7億円) 藤野陽三 横浜国立大学 先端科学高等研究院 上席特別教授 インフラ高齢化による重大事故リスクの顕在化・維持費用 の不足が懸念される中、予防保全による維持管理水準の 向上を低コストで実現。併せて、継続的な維持管理市場の 創造、海外展開を推進。 次世代農林水産業創造技術 (配分額 36.2⇒33.2億円) 西尾 健 法政大学生命科学部教授 農政改革と一体的に、革新的生産システム、新たな育 種・植物保護、新機能開拓を実現し、新規就農者、農業・ 農村の所得の増大に寄与。併せて、生活の質の向上、関 連産業の拡大、世界的食料問題に貢献。 (配分額 25.35⇒23.2億円) 渡邉浩之 トヨタ自動車顧問 自動走行(自動運転)も含む新たな交通システムを実現。 事故や渋滞を抜本的に削減、移動の利便性を飛躍的に 向上。 レジリエントな防災・減災機能の強化(配分額25.7⇒24.5 億円) 中島正愛 京都大学防災研究所 教授 大地震・津波、豪雨・竜巻等の自然災害に備え、官民挙 げて災害情報をリアルタイムで共有する仕組みを構築、予 防力の向上と対応力の強化を実現。 革新的設計生産技術 (配分額 25.5⇒25.5億円) 佐々木直哉 日立製作所 研究開発グループ 技師長 地域の企業や個人のアイデアやノウハウを活かし、時間 的・地理的制約を打破するような新たなものづくりを確立。 地域の競争力を強化。 5 SIPシンポジウム2015の開催 SIP(戦略的イノベーション創造プログラム) シンポジウム2015 日 時 : 平成27年10月15日(木) 13:00~18:30 (開場:12:00) 会 場 : EVENT SPACE EBiS303 イベントホール (エビス スバルビル、 東京都渋谷区恵比寿1-20-8) プログラム等 :http://sip-cao.jp/ 参照 6 「自動走行システム」について 7 ① 目標・出口戦略 1.交通事故低減等 国家目標の達成 : 国家目標達成の為の国家基盤構築 2.自動走行システムの実現と普及 : 一気通貫の研究開発と国際連携 同時進行による実用化推進 3.次世代公共交通システムの実用化 :東京オリンピック・パラリンピック を一里塚として、東京都と連携し開発 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 ◆実証実験 2030 ◆交通事故死者国家目標 2500人以下 ◆プレ東京オリンピック・パラリンピック ◆東京オリンピック・パラリンピック ◆準自動走行システム(レベル3)実用化(東京) ◆準自動走行システム ◆レベル3市場化 (レベル2)市場化 ◆次世代交通システムの普及 自動走行システムの開発・実証 ・サグ部交通円滑化 ・トラック隊列走行 ・ITSスポット 準自動走行システム(レベル2) 準自動走行システム(レベル3) 自動車専用道高度運転支援 ASV・ACC 完全自動 走行システム 実証実験 ASV・オートブレーキ 普及 一般道高度運転支援 ・DSSS 運転支援システム(ITS+オートブレーキ) 8 自動運転レベルの定義と市場化目標時期 実用化 レベル4 加速・操舵・制動全てをドライバー以外が行い ドライバーが全く関与しない状態 レベル3 加速・操舵・制動全てをシステムが 行う状態。但し、システムが要請し た時はドライバーが対応する。 レベル2 加速・操舵・制動の 2017年以降 うち複数の操作を同時 にシステムが行う状態 準自動走行 システム 安全運転支援 システム 2020年代後半 2020年代前半 レベル1 運転支援なし 自動運転レベルは道路環境に応じて変化 完全自動走行 システム 計画 静的情報 動的情報 (高度化) 管制 いずれのレベルにおいても、ドライバーはいつでもシステムの制御に介入することができることが前提 9 交通事故死者低減国家目標の達成に向けて 人口10万人当たりの交通事故死者数 日本の国家目標; 2018年を目途に交通事故死者を2,500人以下 人 14 達成困難な状況 12.7 12.2 11.9 11.3 2014年 4,113人 12 10 9.7 9.0 9.2 9.2 9.3 9.3 7.7 7.2 7.4 7.5 8 13.8 13.1 14.9 14.2 10.0 10.1 8.3 6.0 6 4.3 5.2 5.2 5.2 4.9 5.0 5.1 4 2.3 2 0 ニ ュ ジ チ ェ コ ハ ン ガ リ 韓 国 ス ロ ベ ニ ア ポ ラ ン ド ) ) ) 2 0 0 6 ギ リ シ ャ 2 0 0 6 ) 2 0 0 6 ( 2 0 0 6 ) 2 0 0 2 ア メ リ カ 合 衆 国 ( ス ロ バ キ ア ( ラ ン ド ベ ル ギ ー 2 0 0 6 ) 2 0 0 5 イ タ リ ア ( ア イ ル ラ ン ド ー 2 0 0 6 ) ) ) 2 0 0 6 ス ペ イ ン ( 2 0 0 6 ポ ル ト ガ ル ー ス ト リ ア カ ナ ダ ー ス ト ラ リ ア ル ク セ ン ブ ル ク ( オ ( オ ( ク フ ラ ン ス ー デ ン マ ( デ ン フ ィ ン ラ ン ド ) 2 0 0 6 ス ド ウ イ ェ ツ ( ノ ル ウ ェ ー 日 本 ー ス イ ス ー イ ギ リ ス ー ( ) 2 0 1 8 ン ダ ア イ ス ラ ン ド ー ( 日 オ 本 ラ ) 出展:内閣府資料より (2009) 10 ② 省庁連携 研究開発体制 司令塔 連携 内閣官房 IT総合戦略室 一部 直執行 警察庁 総務省 内閣府 PD 移し 替え 推進委員会 座長:PD(渡邉浩之) 事務局:内閣府 委員:サブPD(葛巻清吾)、内閣官房、警察庁、 総務省、経済産業省、国土交通省 経済産業省 公募等 公募等 委託 委託 大学 国土交通省 公募等 委託 独法 研究機関 公募等 委託 企業 推進委員会の調整により、国際オープン型研究所等の活用を進め、研究参加者間の連携を図る 11 「自動走行システム」に関する SIPでの取組み 12 自動走行システムに必要な技術 クルマ HMI 人との協調 センサー 制御・人工知能 アクチュエーター HMI : Human Machine Interface GPS カメラ レーダー 高精細なデジタル地図 レーダー ITS先読み情報 基盤技術 自律(車載)センサー 安全・円滑を確保する インターフェース セキュリティ、シミュレーション、データベース etc. 13 研究開発対象 ①グローバルダイナ ミックマップ 協調領域 :SIPで官民協調して 取り組む協調領域 14 産学官連携 研究開発体制 大所高所からの意見を集約する場 自動走行システム推進委員会 東京都 府省・官民連携による議論の場 システム実用化WG 次世代都市交通WG 国際連携WG 日米欧 標準化機構 専門家による技術ディスカッションの場 地図構造化TF ITS世界会議 交通制約者・歩行支援TF 民から官へ提案 (ミラー組織) 民間を主体とした自由なディスカッションの場 自動走行に関する民間意見交換会 個別テーマ毎に議論のたたき台づくり ダイナミックマップ 検討サブWG HMI サブWG 国内開催の 国際会議 メディアミーティング ART詳細化サブWG (市民・メディア) 15 ① ダイナミックマップの構築 「自動走行システムの自己位置推定、走行経路特定のための高精度地図」のみでなく 「すべての車両のための高度道路交通情報データベース(デジタルインフラ)」として活用 【ダイナミックマップ構造イメージ】 紐付け 動的情報(<1sec) ITS先読み情報(周辺車両、 歩行者情報 信号情報など) 准動的情報(<1min) 細道データ、 プローブ情報など活用に よる渋滞予測、気象情報など 競争領域 事故情報、渋滞情報、 狭域気象情報など 協調領域 准静的情報(<1hour) 交通規制情報、道路工事情報、 広域気象情報 静的情報(<1month) 基盤 路面情報、車線情報 3次元構造物など 主要道データ 公的交通情報 3次元位置情報基盤など データ構造化;標準フォーマット • データ形式の変換と一元化 • 網羅性、鮮度の確保 16 (参考) 従来の地図との違い 【紙の地図】 ・・・ ドライバー/ナビゲーター向け ・道路地図と現地から現在位置と走行経路を判断 出展:ゼンリン 【カーナビ用のデジタル地図】 ・・・ ドライバー向けの現在位置・目的地誘導用 ・GPSやマップマッチングにより現在位置把握と、 目的地への誘導をカーナビが実施 ・マップマッチングの関係から道路線形データは 道路形状に近いリンクデータを用意。 ・上下線の車線を、1リンクで表現するなどデータを圧縮。 【ダイナミックマップ】 ・・・ 自動走行車両向けの地図 ・自動走行に向けた3次元の地形情報がベース ・車線レベルのリンクデータ、従来より精度の高いデータ ・車両はこの情報をベースに基本とする走行ルートを生成 出展:ゼンリン (各種センサ情報により実際の走行ルートを微調整) ・自動走行に必要な動的情報の紐づけ (周辺車両挙動や交通情報・規制情報、周囲の人の動き等) 17 H26年度成果;静的高精度地図の試作 地図の構造化/基盤データの整備 静的高精度地図の試作検証 ・お台場地区のレーンレベル地図の試作 動的データ 紐付け 准動的共用データ 紐付け 准静的共用データ 紐付け MMS*搭載車 位置参照基盤 デジタル道路地図 H26年度 車線レベル道路地図 点群データ、画像データ *Mobile Mapping System 自動走行対応の 車線レベル詳細データ 基盤的地図情報の生成 18 MMS (Mobile Mapping System) とは (参考) MMS : 高精度GPS移動計測装置 ・GPSアンテナ、IMU、カメラ、レーザースキャナーを一体化したユニットを天板上に装備。 ・道路面と道路周辺の 3次元空間を高精度で計測。 GPSアンテナ 天井部 【MMS TYPE S】 【天井板に設置された3つのGPSアンテナ】 【レーザースキャナの画像】 衛星測位の基礎評価実験では、MMS車両に衛星測位の受信機を複数台搭載し、MMS により測定された自車の走行軌跡をレファレンスとして、様々な実走行環境における各種衛 星利用による測位精度、準天頂衛星による効果を測定、評価した。 19 走行検証コース例 首都高コース全体 S1:福住IC S9:門前仲町: オープンスカイ S2:木場: 防音壁 S8:京橋: 遮蔽物 S3:辰巳: 高架下 S6:海浜公園: オープンスカ イ S5:有明: 高架下 福住IC→木場→辰巳→東雲→有明→ 海浜公園→京橋→門前仲町→木場 S4:東雲: オープンスカイ 20 MMS地図生成と高精度位置測位検証(動画) MMS地図生成と 高精度位置測位検証 (動画) アイサンテクノロジー殿提供 21 H27年度;ダイナミックマップの試作・検証 地図の構造化/基盤データの整備 付加データを加えた ダイナミックマップの整備 動的データ 紐付け 准動的共用データ 紐付け 准静的共用データ H27年度 付加データ 共用(基盤)データ 紐付け 位置参照基盤 デジタル道路地図 車線レベル道路地図 点群データ、画像データ プローブ情報の活用 H27年度 【H27年度実施項目】 ダイナミックマップの試作検証(お台場) ・基盤的地図のデータ構造 ・動的データの紐付けの仕組み ・基盤的地図の更新手法 プローブ情報データ ・自動走行システム ・運転支援システム 【体制】 コンソーシアムを結成し オールジャパンで取り組む体制を整備 ・三菱電機(とりまとめ)、三菱総研 ゼンリン、TMI、インクリメントP、 アイサンテクノロジー、パスコ、 官民連携体制を整備し、ビジネスモデルの構築と世界標準化イニシアティブを実現する 22 ダイナミックマップによる産業構造の変革 自動走行 パーソナル ナビゲーション 防災・減災 社会インフラ 維持管理 活用拡大 動的情報 動的情報 動的情報 変状情報 ・・・ 准動的情報 店舗情報 気象情報 設備・構造 ・・・ 准静的情報 ランドマーク ランドマーク 地形・ランドマーク ・・・ ビル等 道路形状 3次元構造物など 自動運転のための 構造化データ 歩道・屋内 道路形状 非常口等 地形 3次元位置情報基盤(道路形状) 標識等 地形 ・・・ 基盤となる 地図データ データの活用拡大による負担コスト削減・事業採算性の確保に向け連携を強化する ①PD間の定期的な情報交換 ②ダイナミックマップの開示 ③関係各省への説明 23 ② “HMI”を検討するためのフレームワーク HMI : Human Machine Interface SIPにおける活動のフレームワーク 責任区分と権限移譲の考え方 構築 国際的な 協調と標準化 システム定義 ヒューマン ファクタ分析 シナリオ定義 HMI検証 事故分析 シミュレーション/被験者テスト設計 社会における 受容性の醸成 安全性の証明 ドライバー受容性の検証 事故削減効果の推定 社会受容性の検証 ※ ※ 制度、法律上の整合を含む 3つの観点に基づいたアプローチ • システムとドライバーのインターフェース • システムと他の交通参加者とのインターフェース • システムと社会とのインターフェース 24 HMI 課題解決のためのアプローチ 運転に関する役割と権限 • 運転支援モード 運転権限の委譲が 発生するイベント Human-in-the-loop シナリオ(事前条件+シーン+イベント)の分析・評価 • 準自動走行モード Human-in-the-loop / out-of-the-loop (混在する可能性がある) 突然の割り込み 集中 リラックス 運転に関する役割と権限 システム機能 条件・状態 安全かつ円滑な 制御権の委譲 出口での渋滞 システムによる 権限移譲の要請 ! 知覚 状況理解 行動選択 行動 ⇒ H27年度:ドライビングシミュレータによる実験 𝒕𝒕 25 ③ ITSの自動走行システムへの活用 ITS : Intelligent Transport Systems 競争領域 自律型システム 車載センサーによる 衝突回避性能の向上 横断自転車 歩行者(夜間) 路外逸脱警報 協調型自動走行システム 自動走行システム ITS(車車間、路車間、歩車間 通信)による先読み情報の活用 協調領域 自律型と協調型システムが補完 協調型システム 出会い頭事故防止 歩行者・出会い頭事故防止 交通事故低減に向け、自律型と協調型システムが補完する自動走行システムを目指す 26 H26年度成果; ITS先読み情報の活用 車車間通信・路車間通信 車車間通信・路車間通信の通信プロトコルの策定等 歩車間通信 専用端末を利用した直接通信型及び携帯電話 ネットワーク利用型システムの開発等 インフラレーダーシステム 10 sec 1 sec 0 sec ・位置精度 ・通信信頼性 ・低コスト化 今後重点的に 取り組んでいく 広域通信 (VICS、携帯電話、M2Mデバイス) 危険検知&注意喚起 狭域通信 (車車間、路車間、歩車間通信 ETC2.0、 WiFi、など) 警報&衝突回避制御 自律型センサーとのフュージョン (補完) 位置精度 人や車などを検知可能な79GHz 帯高分解能 レーダーの開発等 サービス機能 衝突までの時間 Time to 情報収集、情報提供 Collision 今秋から実用化 ITS先読み情報を自動運転に活用するためには、位置精度向上が重要 27 ITS先読み情報の位置精度向上 誤差: 約1m 軌道誤差 時計誤差 対流圏 マルチパス 信号遮断 妨害波 位置精度向上 誤差: 約100m 電離層 誤差: 約10m 1.測位衛星の誤差の改善(マルチGNSS) × ○ × ○ ○ 2.BLE,WiFiなどの活用 × (GNSS : Global Navigation Satellite System) BLE ビーコン (BLE : Bluetooth Low Energy) 3.地図(ダイナミックマップ)の活用 現状 ±10m程度の誤差 ⇒目標 ±0.5m程度の精度 位置精度向上に向け、個々の技術開発に加え組み合わせによる向上策を検討していく 28 ④ 情報セキュリティ 2.Telematics データサーバ Internet データサーバ Cellular network 3.V2X V2G/H Road signal 700MHz /5.9GHz 1.InVehicle H27年度 情報セキュリティシナリオ構築SWG ・IT業界の知見の織り込み ・人命を乗せる移動体としての 安全に対する考え方の整理 車両に関する情報セキュリティの包括的な検討を推進 1.脅威分析、セキュリティ要件の検討 2.対策技術の収集・評価手法・認証の調査・検討 3. V2Xインフラ運用の技術課題 4.情報共有のしくみの構築 SIP‘セキュリティ’(*)との協働を進める (*)‘重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保’ V2X : Vehicle to X V2G/H : Vehicle to Grid / Home 29 ⑤ 次世代都市交通への展開 社会実装まで一気通貫、現場の東京都と連携して推進 ① 世界標準のアクセシビリティ (交通制約者への対応) ② 統合的速達性 (PTPS等) PSPS:次ページ参照 H27年度 ・正着制御、スムーズ加減速 ・渋滞・混雑予測と交差点 における安全制御 車両開発については民間で作業部会をつくり推進 次世代都市交通 歩行者事故低減 ① 歩車間通信などを用いた事故低減技術開発 ② 次世代PICSの開発 ③市民の自律行動を喚起する方策 ④事故低減シミュレーションなど基盤技術開発 モデル地区で地域実証実験を計画検討中 PICS(警察庁) (Pedestrian Information Communication System) ‘17年からの地域実証実験実現に向けて企画・立案していく 30 事例紹介 (次世代公共道路交通システム実現に向けた基本設計) 【目標】 ○ オリンピック・パラリンピック関係者及び観客の安全・円滑な交通の確保 ○ 継続的な次世代公共道路交通システムの運用 ・ その他地域への普及 【 PTPS(公共車両優先システム) 】 【 次世代公共道路交通システムの開発 】 PTPS = Public Transportation Priority System 優先信号制御で 連続する信号をスムーズに通過 ( 次世代都市交通WG ) ・ 海外事例の研究 ・ ニーズ調査 等 ( 東京都等関係機関 ) ・ 五輪開催計画の策定 ・ 総合的交通政策の検討 連携 ( 警察庁 ) ○ 調査研究委託 光ビーコンを通じ バスの走行を感知 700MHz無線通信等を活用した 新たな公共車両優先システムの検討 31 交通制約者・歩行支援システムのコンセプト 対象者と対応の考え方 交通制約者・歩行支援システム全体像 総 合 的 解 決 策 ITSの 無線通信 とセンサー 活用 高度 運転支援 インフラ 協調車両 自分の 移動の為の 自動走行 車両 自動走行 技術を活用 した公共交通 :ART 介護/支援 ロボット 等 アクセシブル データ 活用 インフラ の整備 教育 および 広報 等 オープンデータに基づき全ての人にスムーズな移動環境を提供 (経路案内・情報提供等を織込んだ歩行支援案内の開発) 対 象 範 囲 ★障害者用駐車場の 位置、空き状況案内 障がい者 妊婦/幼児/ 年少者 高齢者 外国人 障 が い 分 類 等 視覚障がい 肢体不自由 聴覚障がい 知的障がい/認知症 移動に対する 安全性 PICSの高度化との連携 (Pedestrian Information Communication System) 交差点における安全の改善 安全、快適な先進的公共 交通(ART等)との連携 Open / Big Data ★車いすへの スロープの案内 ART : Advanced Rapid Transit ★障がい者用 トイレの案内 ★エレベーター案内 や混雑情報の提供 歩車間通信 支援システム実現に向け必要情報の調査及び方法を検討中 32 国際連携 活動について 33 国際連携の構築 ・国際的に開かれた研究開発環境の整備(国際オープン型研究所) ・自動走行システムの社会受容性の醸成 ・国際パッケージ輸出体制の構築 2015 BORDEAUX 2014 DETROIT 2013 TOKYO 34 世界の自動運転関連の動き 2012 2014 2013 ITS WC Vienna 自動運転中心 ITS WC Tokyo ITS WC Detroit ITS EU Dublin TRA ITS EU Paris Helsinki 2015 ITS WC Bordeaux ① ESV2015 WS#1 City Mobile2 WS#2 WG#1 VRA WS#1 ITS A MA TRB Connected Vehicle Public meeting ITS A TN TRB WS#1 Connected Vehicle Public meeting M-City Open Michigan Automated and Connected Vehicle WG TRB TRB WS#2 Michigan Automated and Connected Vehicle WG TRB TRB WS#3 ITS WC Tokyo Google car YouTube放映 VRA: Vehicle and Road Automation Network TRB: Transportation Research Board AVS2015 TRB WS#4 TRB 東京 モーターショー デモ、セミナー オートパイロットシステム検討会 ③ ITS-A 安倍総理 自動運転車両試乗 Workshop on Connected and Automated Driving Systems 2nd Workshop on Connected and Automated Driving Systems ② 道路交通分科会 戦略的イノベーション創造プログラム 35 ① 第22回ITS世界会議ボルドー2015 テーマ: Towards Intelligent Mobility - Better use of Space 「宇宙技術で広がる未来のITS」 会期: 2015年10月5日(月)- 9日(金) 会場: Congre et Expositions de Bordeaux 主催: ERTICO ITS-Europe、欧州委員会 TOPOS(ナビ、測位衛星システムによるITS技術開発機関) 規模: 参加者 会議登録者 出展者 10,000 人 (前回デトロイト9,500 人) 3,500人 (前回デトロイト2,700 人) 300 社・団体 36 ITS世界会議ボルドー 主要テーマ ■協調システムと自動運転 - 実用化に向けてのシナリオ作りと課題整理 ■ビッグデータ・オープンデータ - 都市交通の改革と新ビジネスの創出 ■地球温暖化対策 - ITSによるCO2排出量削減 ⇒2015年末に国連気候変動枠組条約COP21をパリで開催 ■測位衛星のITS利活用 - 航空宇宙産業の集積地として 37 自動走行関連セッションと日本からの登壇者 ●High Level Technology Summit 本田技術研究所 横山上席研究員 HLTS2 - Connected and automated driving ●Executive Session ES01 - Challenges on the Path Towards Automation 自動車局 久保田室長 ES02 - ITS for Social Innovation 内閣官房 市川参事官 ES03 - A Safe and reliable Society through Cooperative ITS 道路局 河南室長 ES05 - Getting the Pay-off from Connectivity 住友電気工業 矢野常務 ES07 - ITS Futures and the case for ICT regulations and Standards to be Globally Harmonised 総務省 中村室長 ES08 - Safe and Sustainable urban Transport 警察庁 加藤参事官 ●Special Interest Session SIS05 - Autonomous driving intelligence for elderly drivers トヨタ自動車 井上主査 SIS13 - C-ITS for traffic accident avoidance 警察庁 來山課長補佐 SIS23 - Tri-lateral working group on automation in road transport 国総研 鹿野島主任研究員 SIS27 - Enabling interaction between traffic management and mobility services 警察庁 加藤参事官 SIS31 - Approaches to road vehicle automation in different regions ITS Japan 天野専務理事 SIS35 - Transformation of road transport through the use of probe data 道路局 手塚専門官 SIS49 - national road authorities’ strategies to support the development towards automation 内閣府 森下企画官 SIS54 - radio communication technologies for automated driving 総務省 増子課長補佐 SIS58 - ITS for reducing co2 emissions and assessment of its impact 東北大学 桑原教授, 東京大学 大口教授 SIS61 - The next generation accessible transportation system/services トヨタ自動車 川本主査 SIS65 - Cooperative systems – stakeholder contribution and cooperation ITS Japan 内村理事 SIS67 - Dynamic map “beyond the local dynamic map” 名古屋大学 高田教授, 日産自動車 白𡈽𡈽主任研究員 38 ② 第2回SIP-adus Workshop 2015 日本発、自動走行システム 国際専門家会議 ⇒ 三極連携と世界標準のイニシアチブの獲得 39 第2回SIP-adus Workshop 2015 概要 1.今年度 開催概要 2nd SIP-adus Workshop on Connected and Automated Driving Systems 2015 SIP-adus : Innovation of Automated Driving for Universal Services ■主催 内閣府 総合科学技術・イノベーション会議 戦略的イノベーション創造プログラム 自動走行システム推進委員会 ■日時 ■会場 2015年10月27日-29日 東京国際交流館 国際交流会議場 (418 席) 東京国際交流館 プラザ平成 http://www.jasso.go.jp/tiec/index_e.html 〒135-8630 東京都江東区青海2-2-1 国際研究交流大学村内 ■参加費 無料(登録・抽選制) ■申込 http://www.sip-adus.jp/ (英語) より ■目的 自動走行システムの実現に向けた諸課題の共有と、 その解決に向けた取り組みを、 欧・米・アジアパシフィック地域 の 政府、学界、企業の専門家で直接議論する国際会議を開催する。 40 第2回SIP-adus Workshop 2015 概要 2.セッション一覧 欧州、米国、アジア太平洋、日本の専門家による自動走行技術に関する各国のプロジェ クトの 進捗状況について発表する一般公開セッションと、テーマ毎に専門家間で技術的な 討議を行う Breakout workshopによる構成で実施する。 ■スケジュール ※10/28(水)午後 6テーマ毎にBreakout Workshop(分科会)を開催 ※10/29(木)は専門家間の関連イベントを開催 ■セッション 1) Dynamic Map 4) Impact Assessment 2)Connected Vehicles 5)Human Factors 3) Security 6) Next generation transport 走行環境のモデル化 通信による走行環境情報の取得 セキュリティ (新規追加テーマ) 自動運転技術による交通事故の抑止 人と走行システムの関係 自動走行による都市交通の革新 41 ③ ミシガン大学 自動運転研究施設: M City トピックス 42 M City の実験設備 歩行者 標識、街灯 信号制御機器 障害物 路側無線機 多様な 道路構造 建物セット 協調型・自動運転 自転車 43 M Cityの様子(開所式デモ) 44 ④ その他国内向け情報発信活動 ●社会受容性の醸成に向け、自動走行システムの正しい情報を提供 《メディアミーティング》 ◆対象 自動車ジャーナリスト、雑誌、新聞等の報道関係者(約40名) ◆日程 第5回目:9月17日に開催。今後Workshop、東京MSなどを活用し開催予定 《WEBの活用》 ◆産学官関係者およびメディア、一般市民の理解促進に向けWEBを拡充 ◆10月末 開設予定(WorkshopのHPを活用予定) 《サイエンスアゴラ 2015シンポジウム》 WEB HP ◆対象 一般市民 ◆日程 11月15日 (日) 10:30~12:00 (開場10:00) ◆場所 日本科学未来館 7階 未来館ホール (東京都江東区青海2-3-6) ◆テーマ 自動走行技術が創る未来社会 ◆主催 SIP自動走行システム推進委員会 45 今後の課題 について 46 実用化の課題 政策立案者の協力 責任のシフト 安全性の確認 サイバーセキュリティ 出典:World Economic Forum 47 自動運転システムの倫理問題 – 自動運転を実現する社会でも安全、モビリティ、合法性の成立が必須 – 様々な環境でどのように自動化を機能させるかが課題。 避けられない際にどちらに衝突するか 合流時に制限速度で走行するか 哲学者と 技術者の 共同検討 が必要 センターラインを越えずに待つか ラウンドアバウトを 脱け出せるか 48 ご清聴頂きまして、ありがとうございました。 49 最近の話題 50 国家戦略特区 (概要) 国家戦略特区 自動走行(レベル4)の実現に向けた 具体的プロジェクト 平成27年10月1日 内閣府大臣政務官小泉進次郎 「『日本再興戦略』改訂2015」 (6月30日 閣議決定) 遠隔診療や小型無人機等の「近未来技術実証」の推進 「完全自動走行を見据えた環境整備の推進」 我が国の経済成⻑を牽引する近未来技術の⾃動 ⾛⾏システムについては、「官⺠ITS※構想・ロード マップ2015」(平成 27年6⽉30⽇IT総合戦略本部決 定)における⾃動⾛⾏システム、いわゆる「レベル4 (完全⾃動⾛⾏)」までの技術開発を目指し、適切に 実証実験を実施し、その効果を検証していくことが必 要である。(※ITS:高度道路交通システム) このため、今後の技術開発の進展に併せた世界初 の社会システムや制度を構築するため、特区等にお いてレベル4を⾒据えた安全性に関するデータ収集 等に必要な公道実証実験を積極的かつ安全に⾏う ための環境を整備するとともに、⾃動⾛⾏に関する 国際的な基準作りに積極的に取り組む。また、東⽇ 本大震災の被災地における災害危険区域において は、公道以外も含めた実証実験を⾏う。 さらに、完全⾃動⾛⾏に係る国際条約改正の議論に 取り組むとともに、道路交通法等を含め、事故時の 責任関係のほか、 運転者の義務等の在り方につい ても、公道実証実験により得られたデータも踏まえつ つ、我が国として引き続き十分な検討を進め、完全 ⾃動⾛⾏の早期の実現を目指す。 51 国家戦略特区 (自動走行に関する今後の取り組み) ① 3つの実証プロジェクト 「日本再興戦略」改訂2015(6月30日閣議決定)を受け、次の3つの具体的な「実証プロジェクト」を実施 ○ 藤沢市など湘南エリアを想定 【来年初を目途に実施】 ・約3kmに渡る幹線道路等において、住⺠の方々(約50名)を ロボットタクシーで移送。 ・大⼿スーパーと連携して、買い物⽀援などを⾏う。 ○ 災害危険区域(荒浜地区) 【本年度内を目途に実施】 ・地区内の道路や⼩学校校庭内で、レベル4の実証 (デモンストレー ション)を実施する。 ・東北大と連携し、復興に向けたまちづくりや災害発⽣時の緊急対応 にも貢献。 ○ 名古屋市 【本年度内を目途に実施】 ・今春⾏った、全国初の『⼀般道路での実証』結果を踏まえ、 3D センサーなどを⽤いた⼀層⾼度な実証を実施する。 ② 国際条約の改正 ジュネーブ条約改正の議論に積極的に参加するため、 国連欧州経済委員会 (WP1(※))への我が国の正式参加を 目指す。(現在は協議国として参加) ※WP1・・・THE WORKING PARTY ON ROAD TRAFFIC SAFETY 52