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狩猟解禁 - 新潟県
狩 猟 解 禁 狩猟解禁が間もなくと言うことですが、狩猟について詳しくお聞きしたいと思います。 新潟県では、毎年11月15日から翌年2月15日までが、狩猟期間と定められており、11月1 5日が狩猟解禁の日となっています。 ご承知のとおり、狩猟の歴史は古く人間社会の最も初期の段階から存在しています。 それは、食用であったり、衣類であったりと人間の生活に欠かせないものでした しかし、現在の狩猟には、 ・田畑を荒らす鳥獣を捕獲して、農業などへの被害を防止すること。 ・増えすぎた鳥獣を間引いて、生態系のバランスを保ち、希少な動植物を守ること。 ・伝統的な捕獲技術や文化を継承すること。 …など幅広い目的があります。これら、住民の生活環境の保全や農林水産業の健全な発 展に資することも狩猟の役割となっているのです。 狩猟解禁になれば誰でも狩猟できるのでしょうか。 原則的には、狩猟免許や狩猟者登録などの手続きをした人しか狩猟はできません。 しかし、例外規定もありますので、順番にご説明します。 まず通常の狩猟については、狩猟免許が必要です。狩猟免許は、猟具を使用して狩猟を することが出来る資格があるという証明です。狩猟に関して必要とされている適性、知識、 技能についての試験に合格することにより狩猟免許を取得することができます。 新潟県では、狩猟免許試験を毎年実施しており、満20歳以上になれば試験を受けること が出来ます。今年度は試験を2回実施済みで、あと1回実施する予定です。 狩猟免許の種類には、網猟免許、わな猟免許、第1種銃猟免許及び第2種銃猟免許の4 種類があります。 ① 網猟免許は、網を使用するもの ② わな猟免許は、わなを使用するもの ③ 第1種銃猟免許は、散弾銃、ライフル銃を使用するもの。 ④ 第2種銃猟免許は、空気銃、圧縮ガス銃を使用するものです しかし、これらの狩猟免許をもっているだけでは、狩猟はできません。狩猟免許の他に、 狩猟を行う場所の都道府県知事へ事前に狩猟者登録をして、狩猟税を納める必要がありま 1 す。更に、銃による狩猟を行う場合には、所轄警察署から銃の所持許可を受けることも必 要です。 ここまでは通常の狩猟の説明でしたが、次からは例外規定についてご説明します。 例外規定は、本格的な狩猟ではなく、冬を越すために自宅に侵入したハクビシンやタヌ キなどを、免許も手続きも無しで自分で捕獲する場合の話になります。 それは、これから説明する要件をすべて満たす場合のみ適用されます。 ①まず、期間は11月15日から翌年2月15日までの間に限ります。 ②次に、狩猟をしてよい場所は、柵や壁で他の鳥獣が入って来られないように囲まれた住 宅の敷地内だけです。柵や壁が無い場合は、家の建物の中だけとなります。 ③そして、使ってよい猟具は網やわなだけです。当然猟銃は使えませんし、トラバサミな どの鳥獣に大ケガを負わせる猟具も使うことはできません。 ④最後に、捕獲してよい鳥獣は鳥獣保護法で定められた狩猟鳥獣だけです。 以上4つの要件を守っていただければよいのですが、実際に自分で捕獲をしようとする と、誤って法令違反をしてしまう恐れもありますので、まずは市役所にご相談いただくよ うお願いします。 なお、2月15日以降、狩猟期間以外の時に捕獲をしたい場合は、市役所の許可が必要とな りますのでご注意ください。 狩猟をするにあたっての決まり事にはどのようなものがありますか。 狩猟の制度は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」、いわゆる鳥獣保護法によ り、様々な規定が定められていますが、その主なものについて簡単に説明をします。 まず、狩猟で獲ってもよい鳥獣として、鳥類はマガモ、キジなど28種類、獣類はタヌキ、 イノシシなど20種類が定められています。これらの鳥獣は、その生息数を調査し、減少し ているものは狩猟の対象から除外したり、狩猟を自粛したりするなどして生態系の保全に 努めています。 また、狩猟をしてもよい時間や場所にも決まりがあります。特に銃による危険性を防止 するために、銃による狩猟だけを禁止した区域があるなど、狩猟できる場所は厳しく制限 がされています。 狩猟が安全に行われるために、どのような制度になっているのでしょうか。 2 先ほどご説明した狩猟免許は、3年ごとに更新講習会を受けることが義務付けられてい ます。講習会では猟具の正しい使い方や鳥獣の見分け方、鳥獣保護法の復習などを行いま す。 また、狩猟免許とは別に、銃の所持許可の更新でも、公安委員会が実施する技能講習を 受けることが義務付けられております。 これらの様々な講習を受けることで、ハンターの皆さんは安全に狩猟をする技術を向上 させております。 狩猟に関して、新潟県が抱える問題や課題などはありますか。 一番の問題は、狩猟者、ハンターの減少です。新発田市、阿賀野市、胎内市、聖籠町の 狩猟免許所持者の人数は年々減少してしまっています。これは高齢化によりハンターを辞 めてしまう人が多い反面、新しく狩猟免許を取る人が少ないということが一番の原因です。 ハンターには、カラス・ハクビシンなど田畑を荒らす鳥獣や、クマ・イノシシなどの危 険な鳥獣の駆除もお願いしていますから、このままでは有害な鳥獣の駆除ができなくなっ たり、生態系のバランスが崩れて希少な野生生物に悪影響を及ぼしたりといった深刻な問 題に発展してしまいます。 新潟県では、どのような対策をしていますか。 新潟県や新発田市では、ハンターを増やすために次のような取り組みを行っております。 1つ目は、狩猟免許や銃の所持許可などの費用を補助する制度です。詳しい制度内容に ついては、市役所にお問い合わせください。 2つ目は、狩猟を知ってもらうための体験研修会です。実際の鳥獣捕獲の現地見学や射 じゅうにく 撃訓練の見学、野生 獣 肉 つまりジビエ料理の試食などを行っています。 3つ目は、狩猟免許試験の受験希望者に対しての講習会です。希望者が試験に合格でき るよう、過去の試験問題や猟具の取扱いについて説明します。 これらの研修会や講習会は来年度以降も開催される予定です。詳しい日程は、春頃に県 庁のホームページに公開されます。 少しでも狩猟に興味のある方は、ホームページをご覧いただくか、環境センターにお問 い合わせください。 3 狩猟に関しての問い合わせがある場合は、どちらに連絡をすればいいのでしょか。 狩猟に関するお問い合わせは、新潟県庁環境企画課もしくは新潟県新発田地域振興局健 康福祉環境部環境センターにご連絡ください。環境センターの担当電話番号は、0254 -26-9139です。 なお、銃の所持許可については、最寄りの警察署にお尋ねください。 最後に、自然保護や生態系維持への関心が高まる中、人と野生鳥獣の共存を図るために は、どのようにしたら良いのでしょうか。 ようにしたら良いのでしょうか。 現代は、人間が便利さを追求し、人間の活動範囲が広がっています。 このことにより、多くの場所で、自然の生態系が分断され、生態系を構成するバランス が崩れてきています。自然環境の破壊をこれ以上進めないこと、あらゆる種類の野生生物 が豊かな自然環境の中で適正な数を保って生息できるよう、十分留意していかなければな りません。 しかし一方で、カラスやイノシシなど、野生鳥獣による農作物被害や人的被害を防止す る必要もあります。そのために実施する有害鳥獣の捕獲等は、人の活動と自然との調和に 一定の役割を果たしています。 近年は、自然保護思想が浸透し、狩猟に対して、批判的な意見を耳にすることもありま すが、適正な狩猟行為を通じ、県民の皆様の理解を得て、単なる野生鳥獣の捕獲者ではな く、自然環境の保全やみんなの安全・安心に貢献するといった、現代の狩猟文化を未来に 伝えていくことも必要であると思います。 4