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株式会社大林組 現場の風景と 3D-CG をリアルタイム に合成。完成形

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株式会社大林組 現場の風景と 3D-CG をリアルタイム に合成。完成形
キヤノンユーザーリポート
No.394
株式会社大林組
お客様プロファイル
現場の風景と 3D-CG をリアルタイム
に合成。完成形イメージの共有で、発
注者との合意形成を促進
発注者や関係者が、竣工後の建築物の姿をより正確に理解し、完成
形イメージをしっかりと共有することで、合意形成を促進したい。
そのために株式会社大林組ではバーチャルリアリティ技術の調査・
研究を本格的に取り組むチームを組成した。
しかし、既存の技術やシステムは、見る者の動きや視線に映像が追
法 人 名:株式会社大林組
U
住
R
L:www. obayashi.co.jp/
所:東京都港区港南 2 丁目
15 番 2 号
創
業:1892 年 1 月
設
立:1936 年 12 月
従しないなど、 十分な臨場感を表現できない。 大林組が求めたの
職 員 数:8,471 名
は、現実の映像の中に CG を融合し、実寸大の世界に身をおいて自
事業内容:国内外建設工事、地域開発・
由な視点で体感できる、バーチャルリアリティのさらなる進化形。
それこそが MREAL(エムリアル)が生み出す複合現実感(Mixed
Reality: MR)だった。設計イメージの正確な理解と共有を実現し
た MREAL は、 施工そのものを大きく変える可能性をも示唆して
(平成 26 年 9 月現在)
都市開発・海洋開発・環境
整備・その他建設に関する
事業、及びこれらに関するエ
ンジニアリング・マネージメン
ト・コンサルティング業務の
受託、不動産事業ほか
大林組は工事の事業主はもちろん、建設
いる。
物の利用者や周辺地域、社会までを含め
て、広く「お客様」として捉え、技術と
経験に基づいた総合力を駆使して、「お
客様」に心から満足していただくことを基
本方針としています。その企業精神は
「地
お客様が実現できたこと
現場の風景と、3D-CG をリアルタイムに合成する
ことで、設計やデザインを直感的に確認できた。
完成物のより明確なイメージを発注者と共有できる
ことで合意形成が容易になった。
仮想・複合現実技術を駆使する未来の設計・施工を
考える足掛かりを獲得した。
球に笑顔を」「時をつくる こころで創る」
の 2 つのコーポレートメッセージにもつな
がっています。
お客様の声
お客様のご要望
ディスプレイやプロジェクターでは得られない臨場感を獲
得して、発注者との合意形成をより確実にしたい
建築現場のリアルなランドスケープの中で、建築物の姿
を確認したい
3D 設計技術を、施工現場でよりダイナミックに活用
するための道筋を探りたい
設計本部
設 計 ソリューション 部
課長
一居 康夫 様
「心 強 い サ ポ ー ト に 助 け
られました」
「プレゼンテーション前日に急 遽
依頼したにもかかわらず、
キヤノン
はデータ作 成に協力してくれまし
導入前の課題と背景
発注者と設計イメージを正確に共有したい
かなり早くから仮想現実技術に取り組まれたのはなぜですか。
「建築という仕事は、発注者様に建築物をより正確にイメージいただき、設
計プランに合意いただくことが必要なのですが、図面やパースという2次元
情報から建築物の完成形を具体的にイメージいただくのは極めて困難です。
た。MREALを活 用する上で、
こう
また、たとえば病院を建設する場合、ドクターが効率的に動作できる十分な
した手 厚いサポートがあることは
スペースがあるかなど、利用者の視点で問題点を事前に発見してもらう必要
とても重要です」
がありますが、そのために原寸大の試作品を作ることは事実上不可能です。
こうしたニーズから、当社は仮想現実技術に早くから注目し、バーチャル
リアリティの研究チームを立ち上げたのです。しかしディスプレイやプロ
ジェクターに投影されるだけの仮想現実では、私たちの求める効果を実現で
きませんでした」
導入の必然性
単なるバーチャルCGでは力不足
従来のバーチャルリアリティでは目的を達しないのですか。
「バーチャルリアリティコンテンツは、ディスプレイやプロジェクターで見
るかぎり2次元の絵に過ぎません。見る人は映像を脳内で3次元に変換する
わけですが、変換後のイメージは人によって異なるだけでなく、変換ミスも
発生します。そのため、苦労して3D-CGを作成しても、完成した建築物のイ
メージを発注者様と共有できないのです。
誰もが正確に竣工後のイメージを共有するためには、映像を見る人の立ち
位置や視線の動きに映像が追従し、さらには周囲の実写風景にCG生成され
た建築物をリアルタイムに合成するという MR(Mixed Reality)が必要で
した。それを可能にしてくれたのがMREALでした」
運用の工夫
「思った通りだ」と言われたい
また、 MREALには、お客様の重要な意思決定を迅速
化する効果もありますね。インテリアのイメージを発注
者様に決定していただく際、MREALを使って複数のカ
導入はスムーズでしたか。
ラーバリエーションを確認いただいたことで、その場で
「延べ人数で百人を越える当社メンバーがキヤノンの
色彩プランを即決いただくことができました」
ショールームでMREALを体験した結果、導入が決定さ
れ、当社内に専用ルームが開設されました。ヘッドマウ
ントディスプレイ(以下、HMD)やセンサー等の設置は、
調整や操作方法のレクチャーを含めても1日で完了しま
取り組みの成果
現実を越える体験も実現したい
した。すぐに稼働可能となり、さっそく幾つもの大きな
導入後、新たな活用方法も発見されましたか。
プロジェクトで発注者様に体験いただきました。
「今は、外観や室内など、竣工後に体験することになる
プレゼンテーションは専用ルームだけでなく、実際の
建築空間を見ていただいていますが、コンテンツを工夫
施工現場でも行っています。HMDに実装されたビデオ
することで、現実には身を置くことができない場所や、
カメラが実際の風景を取り込み、これに3D-CGをリア
表からは見えない箇所などを見せることができます。
ルタイムで合成するので、周囲の建物と比較もでき、よ
たとえば、天井を見上げて、その裏にある空調配管な
り高い臨場感で建築物の大きさや姿を確認できるのは、
どを透視したり、コンクリートの下部構造の中まで下り
MREALならではです」
ていって、耐震構造を見学するなど、さまざまな可能性
があります。
従来は言葉や図による観念的な説明しかできなかった
構造的イメージについても、 MREALであれば、より直
感的、体感的に理解できるので、今後はコンテンツを工
夫して、現実を越えるプレゼンテーションにも取り組ん
でいきたいと思っています」
設計や施工にも大きな変化をもたらすでしょうか。
「3次元設計が普通になったのに、その設計情報を2次
元の図面に変換して施工業務を行うのは、いわばワープ
発注者の皆様のご感想はいかがでしたか。
ロで打った文章を、わざわざ印刷して郵送するようなも
「たとえば、建物が周辺に圧迫感を与えるのではない
のです。電子的に作成したテキスト情報はそのままメー
かと心配されていた発注者様は、現場でMREALを体験
ルするほうが便利であるように、3次元設計情報も2次
し、建物が周辺環境とも調和することを納得いただきま
元に変換せず、MREALを使って現場でも3次元のまま
した。本社屋の上部に配置する社名サインの大きさや、
活用できれば、施工も大きく変わります。 近くを走る新幹線からの視認性を気にかけていた発注者
たとえば現場のリアルな映像上に、危険スポット警告
様には、設計プランが最適であることを、実際の景観の
が表示されれば安全管理に役立ちますし、現場内での墨
中でご確認いただきました。
出しにより確認を取っている位置決めも、実際の部材と
我々の仕事では、竣工した建築物を発注者様がご覧に
設計情報を可視的に重ね合わせることで、瞬時に完了で
なって、『イメージしていた通りだ』と言っていただく
きます。ベテラン職人の高齢化、外国人労働者をはじめ
ことが最高の褒め言葉です。構想や企画段階や施工中に
とする現場人員の多様化などを考えれば、経験や専門性
MREALを使って発注者様とイメージを共有し、そのイ
の有無を問わず、誰でも正確かつ効率的に施工業務が可
メージ通りに竣工することは、プロジェクトを成功に導
能になる仕組みが必要となってきます。MREALはそん
く大きな支援となります。
な未来に近づくためのツールです」
将来の展望
ポータビリティが高まってくれると良いですね。
たとえばダム工事予定地など、現地で電源を確保する
さらなる可搬性に期待
ことが困難であったり、機材を積んだ車両が入り難い場
今後の展望についてお聞かせください。
所も珍しくありません。そうした場所にも、簡単に持ち
「建築だけでなく、土木工事も含め、さまざま現場で活
こめて短時間で設営できるように、製品のさらなる進化
用することを考えています。そのためにも、MREALの
に期待したいです」
お客様の業務フロー
実際の施工現場
ヘッドマウントディスプレイでは、実写風景に
CGが合成された映像が、視線の方向や立
ち位置に連動して表示されます
3 次元でレンダリングされた建築物のCG画像
リアルタイム
合成
キヤノンMRシステム「MREAL(エムリアル)」
MR(Mixed Reality)とは現実世界と仮想世界を融合させる映像技術です。コンピュータグラフィックス(CG)
のみで表現されるバーチャルリアリティから一歩進んだ、複合現実の世界。キヤノンの映像技術が、新たな視覚
世界を生み出します。
MR=Mixed Reality(複合現実感)/ E=Extreme(最先端・究極)/ A=Art(技術)/ L=Leader(先導者)
Mixed Reality 分野の先導者として、リアリティあふれるソリューションを創造します。
MR システム「MREAL」ホームページ
www.canon-its.co.jp/mr/
キヤノンITソリューションズ株式会社 MR事業部
TEL 03-6701-3328
〒 140-8526 東京都品川区東品川 2-4-11 野村不動産天王洲ビル
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