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日本国政府の年金純債務 - 日本経済研究センター
日本国政府の年金純債務 八田達夫 小口霊長 専修大学 1 . はしがき 公的年金とは、国が年金加入者に対して、{呆険料と引き換えにこれだけの額の年 金の絵付を将来持うという約東手形をふり出す制度である c すなわち、この制度の 義務を祭っている。一方、 下で罷辻年金加入者一人一人に対して年金に慢する支払f 年金基金の銭高は、民間への資材額に{也ならない。従って、支払農務から年金基金 いたものが、年金 i こ撰する閣の民間への純債務である。以下では、 の議高を差しヲ i これを単;こ「純債務」と呼ぶ。 もし、年金制震が積立方式であったならば、年金基金の残高辻支払積務の総額 i こ ちょうど等しい。すなわち、純{責務は常に Oである。 しかし 1 9 9 0 年時点で日本国政時は、後で訴すように GNPを謡える額の純議務を 撮えている。すなわち支払債務の総額は、現実 i こ事在している年金基金戎高よりは るかに大きい。この差辻、次の 2つのグループによって年金基金が取り麗された分 と考えることができる o 同支払った謀議料よりはるか立多い額の受給を受;すてきた通去及び現在の退職者。 ( 初 段は支払った保険料に対して保験料の額より多額の約束手形を司王に入れている 現在の勤労者。 つまり、純告義務は、過去において致,滑によってなされた o v e rc o m m i t m e n tによっ て発生しているわけで、ある。 純債務が拡大し統けると、長期的には年金基金は破粧する。一方、基金への財政 的捕助を続けること立よって純債務の拡大を防げるのであれば、その過程において 日本経淡研究 N o . 2 5, 1 音 寺3 . 8 101 年金基金の残高がたとえ一時的に赤字になったとしても、公的年金の財政は長期的 は、(昌)純議議の無制限な拡大を防止 には護金である。従って評来の年金改革の自 することと訟そのための貴謹を各世代に公平に分配することの 2つで、なけれ誌なら ない。 そのような年金改革を検討するために辻、財政再計算の藷蔀挫の下で現行年金制 どる続犠務の増減のブロセスを分析しな;すればなら まず 1 9 9 0 年時点でどれだけの純積務が事在するかを誠意 \,~。 このため本稿では、 その後の絡告義務の変動 の予瀦を行う。ぞれによって次の点を明らか;こする。 1) 1 9 8 6年の車生省の年金黙款再計算で想定された経済環境の下で、 1 9 9 0年時点 6 5兆円 (GNPの釣 110%) である。 での純債務は 4 2) 英才故蒋計算で涼された給イ寸と保険料スケジュール(簿生年金支給開始年齢の 0 6 0 年から純債務は 引きょげと保険料率の段階鵠引き上げ) が実擁されれば、 2 減少に転じ、 2 1 0 0 年には Oになる。 3) ( 盟 4a参照) 市場技会主率に基づいた保設料負担を越えての財政負担 減らすための賞祖 l 立 、 は負である 昨 GNPの 2 % 程度l こまで達する。 2 1世紀になると高くなり、 2 0 2 0 ( 図 5bの「超通財政笈強」参掻) ち、現悲の日本の年金制度の ずな すなわち繍積務を 長期的な年金財政の不健全散にある t麗の負祖の備りにある。 この犠りを是正するためには、現荘の謀 のではなく、殺i 草食粗を増やし、 そのかわりに 2 険料と国 E 1 世紀における保険料引き上げさ?予定より 抑える必饗があるというのが小犠の政策的合意である。 2 . 純穣務の政策的重要 性 4 公的年金制度が、最初から積立方式として していた場合に、与えられた時点 ろう仮想的な年金基金を、 その時の r 完全碁金」と呼ぽう。完全基金は、 にある 支払債務の総額に常に等しい。能って純傭務は、完全基金の残高から現実の年金基 金の幾高 ( 1 ) し引いたもの しい。 なわち 絡穣務=完全蕃金一現実器金痩高 が成り こ巨額である国で、 もし純債務が増加し続 l 現荘の日本のように純漬務が既 i すると すれば、年金事基金はやがて議となり、しかもその後二度と喜びまに畏ること;まない くることであろう。反対に、純債務が減少し続ければ、年金基金はやがて完 102 読本経済研究 N . o 2 5, 1 9 9 3 .8 全基金に等しくなる。従って純債務が増加しつつあるか減少しつつあるかが、長期 的な財政の健全性の観点からは決定的に重要である。 ここで純債務の政策的重要性を明確にするために、 3つの年金改革を考えよう。 第 1は、これから支払う保険料とそれに対応する給付との関係が市場収益率に基 づいたものになるように、これから支払う保険料を改訂する改革である。このよ うに改革された年金制度を「市場収益率方式」という。 もし現実の日本の年金制度を市場収益率年金に変えるならば、積立方式の場合と 同じ額の保険料が基金に流入することになる。基金のもう 1つの収入は、基金自体 が生む利子である。しかし現実の年金基金の残高は完全年金のそれより低いから、 完全基金が生み出したであろう利子の一部しか年金基金の収入として流入しない。 このため年金改革を単に市場収益率方式に改めるだけでは、純債務は増大し続ける。 すなわち、年金基金を長期的には先細りさせることになる。 ただし一般財源から年金基金に毎年十分なだけ補填すれば、純債務を膨らまきせ ずにすむ。純債務から発生したであろう利子を「車屯債務利子」と呼ぽう。すなわち 純債務利子=完全基金が生む利子一現実の年金基金が生む利子 が成り立つ。もし、ちょうど「純債務利子」に相当する額を、一般会計から年金基 金に対して国庫負担として毎年補填してやれば、純債務の残高を一定に保つことが できる。すなわち、完全基金の残高と現実の年金基金の残高を正確に平行に変動さ せることができる。このような財政補填を伴う市場収益率方式を「狭義の市場収益 率方式」と呼ぶ。この方式の下では、年金基金が長期的に先細りし続けることはな い。(以下で、単に「市場収益率方式」という場合には、保険料は市場収益率に基 づいているが、この補填は必ずしも行われていないことを意味する。) 「純債務利子」以上の補填を年金基金に対して一般会計から行えば、最終的には 純債務を Oにし、積立方式に移ることも可能である。長期的に年金財政を健全に維 持するためには、純債務利子の水準を知ることが役立つ。純債務の算定は、この純 債務利子の水準を知るために不可欠である。 第 2の年金改革は、増税によって一挙に積立方式に移る改革である。このために はまず、年金制度を市場収益率方式に改める。すなわち、現在の勤労者が今後支払 う保険料を積み立てて、彼ら自身が将来受け取る年金の原資に充てることにする。 しかし、そうすると現在既に受給している年金第一世代の老人の年金給付の原資が なくなってしまう。従って、年金第一世代の年金給付をファイナンスするために は、現在の勤労者に対する増税によって一挙に完全基金を作り上げる必要がある。 日本国政府の年金純債務 103 市場収益率方式への移行と、この増税とを組み合わせるのがこの改革である。 純債務は、この増税に必要な金額と等しい。実;まこの金額は、第 4裁で示すよう に 、 1 9 9 0年時点で4 6 5兆円である。この改革を行おうと思えば、現在の勤労者は畠 分遠のための保険料に加えてこれだけの税を年金のために結高払わね誌ならない。 つまり設らは主投伐分の年金を支払うことになる。 r 一度重ま課方式を始めてしまっ たら、もう積立方式に引き返すことはできない」といわれるが、総債務の実醸の金 ;J:ど増税によって一挙に積立方式に震ることは不可能だというこ を知ると、なる i とが分かる。 第 3辻、増税によってではなく、圏構の発行によって一挙に積立方式に移る改革 1 である。市場校益率方式に移行した後 i 二、純{糞務 i こ等しい翻の赤字国債を発特し、 しい年金基金を持とうというものである。この を 「ご車 4 跨 算閣僚 J という 改革の後、この国債の管理を、年金制度から窃り離し、一般合計の税収を見守i 原に 償還していくとしよう。その議選過穏において「清算関寵」の残高は純償務の残高 に常に等しい。雷い換えれ江主主{責務の変遷 i 立、清算関漬の残高の変動を示している。 きて、この第 3の改革では、…方で悶震を発行るが、龍方で大きな年金表基金の がで、きている。読者は民間からの借り入れであり、後者は民間への黄しつ けである。従って、設革の結果、ネットの悶積発行は実辻何も語きていない。 第 1の改革と第 3の改革は、会言軒? f 構苦り入れの観点から l は立、このように、全く部ーの改革である。さらに第 1の改革に おける「純情務利子」に等しい額の財政捕填を第 3の改革で行うならば、題債利子 分だ I tを一般会計から補填することになり、国壌の残高が回定する。これがちょう ど装義の市場収益率年金の場合と民鑑になる G すなわち、長期的な年金財政を鍵全イヒし、世代関の東挫の公平な分配を英語すため i こは年金制度議体を積立方式にしたり、広義の市場収益率年金にすること自 要なのではない。会許的な制農はどうであれ、市場校主主率に基づいた様験料以外の 黙諜からどれだけの税収を薄れば年金財政を嬢全化できるかを知る必要がある。い かなる会計制度を採用 Lょうとふ純僕務とそれ立伴う総農務利子こそが、長期的 な年金対政龍全化のためには決定的に重要な指標なのである。 104 伝家経済研究否。2 5, 1 9 9 3 . 8 3 . 純債務の算定方法 与えられた時点における純欝務の額を るためには、その時の完全基金の額 を知らねばならない。このためには各世代への支払横務を知らねばならない。既に . 4節で述べることにして、以下3 . 3節まで 年金を受給している世代については、 3 は、現在保険料を支払っている若年世代への支払債務を求めるための手続きを述べ ょう。 3 . 1 生法保険料 まず生i 護保険料を定義する。これ辻年金加入者が一殺を遜:ニ う保験料の現 在価値である。退職需の勤労者の過去の糞金フ。ロファイルは分かっているから、退 去の保険料支払プロファイル辻分かる。この現主主領後の和を長銀験科J という。 また、設の将来の賃金フcロファイル誌予譲J Iできるから、務タ長の穣険料支払のフ窃 o ファイルも予;製することができる。これに基づいて予減した持来保険料支払の現在 農を「予窓{斜食料」という。これらを足し合わせれ話、 檎f じての f 呆険 料の現主主{師連の総額がおかる。これを「生涯保険料J という。 ( 2 ) なわち 生涯部険料=退去楳E 食料÷予定保験料 が 成 り つ 。 右 辺 の 各 項i ま一義的に計算できる。 3 . 2 年金資鹿と生涯受給額 次に年金資産を定義する。現在の年金制度の下で、ある人がこれから受ける予想 給付の現校側備を「年金資産」という。 ファイルを予測できるから、彼が将来どれだけの給付 るかを予測することができる。この生謹受給額が設の年金資産に等しい。臨 1の左 りである。 るならば、生譲受給額辻、上で求めた生i 童保険料と等しい。 しかし、 いならば、それら 2つは等しくない。 3 . 3 支払僕務 さら i 二年金資建設を、過去探検料に対応した蔀分一一これを「既決受給額 J という ーーと、予定保険料ぷ対応、した部分一一これを「新規受結額 j という に次のよ うに分割しよう。 日本国政府の年金純債務 105 閤 1 生涯受給額・年金資援・支払債務 河 gx ⋮額 給 支払債務 (=絞決受給額〉 年齢 o ~歳 輔さた渡受給綴 ( 3 ) 一止法 支払債務 (=塁走決受給額) 一 iiiv' 輔&ゑ ⋮遜 叩 J • 噌 + Z 緩 ι& ﹁ 不 ll宙守 一議 +紘 一足 47 4 司新 + 慾潅受給綴 • ・ ・ ・ ・年金霊安濃 支払後務(=~支決受給額〉 年金資窓口既決受給額十新規受結額 (支払積務) この式による年金資産の分離の仕方に辻様々なやり方があり得る。ここでは印式 の右辺の 2つの項の比率によって、年金資産を ( 3 )式の宥辺の各項に比慎重己分するこ とにする C もし年金制更が積立方式であったならば、既決受給額は、過去保険料にちょうど こ等しい穣み立てがあるはずで、ある。 しい c 各人の年金口座には既決受給額 i しかし積立方式でないなら誌、既決受給額は退去保険料と必ずしも等しくない。 伊i えl ま現主主の厚生年金で辻、 5 0 歳以上の人々にとっては、既決受給襲は渦去保険料 より多い。 従って、彼らは、既に払った保険料立対して移転所得を国から得ている。 …方現在 3 0 議以下の人々にとっては、過去探検科の方が国の後らに対する既決受蛤 額より大きい c すなわち彼らが今まで、支払った保険料は、それに対}近、して将来得 られる給付を市場収益率で評擁した額を超過していることになる。 表 1の第 2行 i ま( 3 ) 式の、最後の行は ( 2 )式の分舗を罰示している。 ( 2 )式と ( 3 )式の右 辺の各第 l壌のさをは、この人が過去に支払った諜険料に対車、して政府から縛る 所揮である c これは箱①で恭されている。これら 2つの式の右辺の各第 2項の還は、 将来支払う保険料に対応して予定されている政静からの移毅所得に他ならない。こ れ誌箱②で示されている。もし予定保験料の方が新規受給額より大きいならば舎の 106 日本経済研究 N o . 2 5, 1 9 9 3, 8 表 1 勤労世代の年金資産の分割 年金資産{将米給付の現在櫛犠) 既決受給額出支払債務 新規受給額 {過去保険料に対する給付の (予定保険料に対する給付の 現主主儲{夜) 過去保険料 ①過去保険料に 現在鏑儀) ③予定保険料に 予定保険料 対応した移転 対応、した移転 所得 所得 {産は設であり、 その絶対鐘は「脇通探検料」 と呼ばれる。 既決受給額;立、年金資産のうちこれまで払ってきた保隣料に対車、する部分である l Uからみると から、既に政暗によって約束されている給付だと考えられる。龍のf 立、年金「支払横務」 と 決受結額 i 決受給額 J ,ま全て「支払積務」 と ことができる。謎ってよの文章における「既 き換えても成立する c 3 . 4 退職枇代への支払穣務 どの世f tにとっても、政詩による支払義務 よって既決受給額に等しい。 一方、退職者にとっては、新譲受給額が Oだから ( 3 ) 式が示すように年金資蹴そのも のが既決受給額 しい。す わち退覇者にとって辻、政府による は、年 こ等しい。 金資産 i 年金資産と辻、ある人がこれから ける予想年金給付の現表構鑑である o 退職設 代にとって、各人の年間受給額辻確定しているので、 その額とこれから先の予想、受 給年数の壌を現在価f おこ翠りヲ l くとこの量投の年金資産が鐸られる。 これが政府の この世代への支払償務で、ある。 をお、ある人の年金資産と生還受給額の聞にはー殻的に次の関様が成り立つ。 主主涯受給額忠義宏受給額十年金資産 ここで過去受給額とは本年までに械が既に受給した額である。勤労世代の場合に辻、 退去受給額が Oだから年金資産設と生霊受給額は等しいが、 i 艶職世f tの場合には年金 資産誌生謹受給額より小さい。図 1の右半分は、上式の各嘆及び?支払憤務の関係を この世代立ついて示している〉 3 . 5 純積務 支払覆務を金加入者について総計したものが、完全碁金の残高 しい o 日本留ま文絞め年金純債務 完全 107 ら年金基金残高を差し引いたものが純嶺務になる。 十 時9 0年末における純債務の算定 本章では、 1 9 9 0 年末における純憐務の算定を、前章で述べた方法で行う O 4 . 1 措定の前提 察しての経済環境や人口予割については、基本的に厚生省の 1 9 8 6年の年金 措計に i 財政再計算と関じ想定を行った。ただし次の 2つについては独告の推計を持った。 まず年金加入者や年金受給者については各年における各コホートの笹が財政再計算 の中には鴎表的に示されていないので、これを以下に述べる手続きで推計した。ま た震金プロファイルも揚難的には示されていないので独自に推計した。 経済環境について以降生省の 1 9 8 6年の年金財政再計算で想、窓されたものと閉じと して、判子率5.5%、賃金上昇率4.1%、基礎消費上昇率3.9%、インフレ率 2.0%と した。人口予測も需諜に厚生省人口鶴題研究所の 1 9 8 6 年の「日本の将来人口推計j を用いた。 9 8 5 年の年齢階!喜別加入芸容を用いて 1 9 8 5年について辻 男子の庫生年金の加入率は 1 J 9 部年の加入率を時欝の経 各年齢階震の人口に加入率を掛けて求めた。そ札以後辻 1 識とともに上の年齢階選へ持ち上げた。 9 8 5 年の各年齢階層の加入 については 1 率がそのまま続くものとした。国民年金 1号勢女加入者は 1 9 8 5年はデータの年齢階 膚別加入率をそのまま用い、ぞれ以後はそれぞれの年齢階 r警の加入率がそのまま持 ち上がるとした。 1 9 8 5 年では年齢が高くなるほど却入率が高くなっている。これ:立 高齢者階}警はど農業詫事者が多いためである。者い世代は農業従事者はだんだん減 るので、新規拳入者については 2 0 3 5歳まではデータの加入率で加入率が増加する 5 議以上誌 35-40 識の加入率のままで、年齢が上がってもきお入率は一定とした。 が 、 3 9 8 6 年の財政再計算に 1 9 8 8年の年齢階層別受給者数があ 年金受給者数については 1 るのでこれを率 ι直して 1 9 9 0年の年齢階書別受給者を計算した。ぞれ以後;まこの受 給者惑が年齢とともに持ち上がるものとした。新規受給者は年齢暗躍 l ilJ加入率の最 大観とし 賃金プロファイルは F黄金センサス J から推議した。 r 賃金センサス J では年齢 階態別のクロスセクションのデータが裡られるので、これを時系列に並べて l i i lーコ ホートの年齢階署を進うことによりプロファイルを推計したむ 108 B本 総 済 研 究 ぬ2 5,1 9 9 3 .8 将来の保険料や支給額については 1 9 8 6 年の くものとした。 受給開始年齢は段階的にヲ│き上げられて、 までに 6 5 歳需始となるものとし 4 . 2 推定結柴 おける詮f¥:;Z u 支払債務額 4 . 2 . 1 9 9 0 年末における各世代毎の支払農務額の推定結果が閤 2 上の想、定の下での 1 千億円 関 2 1990年末における世代別支払債務 1 .2 1 .1 l 0 . 9 0 . 8 0 . 7 0 . 6 0 . 5 04 0 . 3 ‘ 0 . 2 0 . 1 0 1 9 0 0 1 9 1 0 1 9 2 0 1 9 3 0 1 9 4 0 1 9 5 0 1 9 6 0 .1 9 7 0 生年 1 9 0 5 1 9 1 5 1 9 2 5 1 9 3 5 1 9 4 5 1 9 5 5 号6 5 ~箆長年金 詔淳生年金 語 3 i き 90~終末における世代郡年金資産、生涯係験料と過去保険料 千億円 。 . 9 0 . 8 ' ¥ ' ¥ 0‘7 G2 0 . 1 ‘ 5 1 9 4 0 1 9 5 0 1 9 6 0 1 9 7 0定 年 1 9 3 5 1 9 4 5 1 9 5 5 1 9 6 5 一年金資滋 …さと灘保険料 E ・・過去保険料 日本信号正文般の年三量級主義務 109 されている。梼グラフのよの部分が臨設年金で下の部分が車生年金である。 ' t Jせにみると、これから年金の受給が強まる 1 9 3 5年生まれの世代についての支 世{ 払積務がいちばん多額である c この世代について辻生議受給総議かで支払債務となる からである。これより年上の世代は、残りの受給年数が少なくなるので支払積務も 小さくなる。 1 9 3 5 年生まれより若年の世代の支払債務は、第 3章で述べたように、年金資産に 退去謀険料/生涯保論料の比率を掛け合わせて待られる。関 3には、この註代につ いて年金資産・議宏保険料・生涯保険料の数きを図示している。 2 で支払策務額が若い世代 ~l ど低いのに詰 2 つ理由がある。築工は、若年世代 i こなれ;まなるほど、これまでの保険料支払期間が粗いため過宏保険料/生護保険料 t の比率は小さくなっているからである。第 2!之、図 3からも明らかなように、設f が下がるに従ってさ主濯受給額も下がっているからであるのこの根本諜思は、世代が 下がるに従って生涯平均諜建設報醗月額に対する年金支給額の比率{支絵比率と呼 f 比 { 現j 部分が生涯平均壊 ぶ)が{まくなるからである。草生年金の満額支給額は、報欝l 準報酬月額の 30%、扶議委配偶者分を含めた基礎年金蔀分が39%になるとされている。 9先である。しかし基礎年金は基礎鴻饗(上昇率1.9%) にスラ 従って支給比率は 6 イドし、報調i 比例部分辻賃金(上昇率2 . 1克〉にスライドするので、基礎年金の対 意i 豊平均標準報鍛f:J額比率は徐々に f まくなり、支給比率も低下する。 4 . 2 . 2 1 9 9 0 年末における総長著務 厚生年金と忠良年金のそれぞれについて、 1 9 9 0 年末における全歌代の支払憐務の 総計が表 2の第 l郊に示されている。これはその時点で完全基金の残高記等しい。 この表の 3列習がそれぞれの年金の純情務を訴している o この薮によれば、 1 9 9 0年末における完全基金の笹は母性年金で4 1 8兆円、国民年 金が1 2 7兆円で、合計5 4 5兆円である o 1 9 9 0 年末で基金残高辻厚生年金が7 7 兆円、 1 9 9 0年末における完会基金と親債務 現有基金 合計 110 日 本 経 済 研 究 ぬ2 5 . 1 9宮3 .8 5 4 5 司υnυ 1 2 7 。 。 4 1 8 ヴ 4 ワa 厚生年金 〈兆河) 純護者務 341 1 2 4 4 6 5 民年金が 3兆円ある。 6 5兆円で、ある。 従って、経済全体の純{責務は 4 5 . 純債務の解消過程 5 . 1 純債務残高の将来予濡 ここでは、 1 9 9 0 年以静の純量務の変還を分析しよう。ま 持来の各年について 完全基金の残高と現実の年金基金の残高とを関 4aの 2本の点線のように推定し 間 4 a 純債務、発会基金、及び現実基金の環高 百花丹 7 0 6 0 5 0 4 0寸 2 0 1 0; 01・ ・・ 4 恥 圃 鞘 柏 一 T ー 一 . ψ …1 0 1 9 9 0 2 0 0 0 2 0 1 0 2 子 0 2 0 2 0 3 0 2 0 4 0 2 0 5 0 2 0 6 0 2 0 7 0 2 0 8 0 2 0 9 0 2 1 0 0 王 一線債務 比率 1 .4 1 .3 1 .2 …完全暴金 一現笑基金 盟 4b 純債務、完全基金、及び現実暴金の銭高 (J)対 GNP比 1“1 1 99 0 . 8 0 . 7 0 . 6 0 . 5 0. 4 0 . 31 1 0 . 21 0 . 11 ‘ 。 ¥¥、一-• ~ -・・指... ・ 切・- ヘー ー 命 一 ーふ 1 1 9 9 0 2 0 0 0 2 0 1 0 2 0 2 0 2 0 3 0 2 0 4 0 2 0 5 0 2 0 6 0 2 0 7 0 2 0 8 0 2 0 9 0 2 1 0 0 年 一純債務 一完会基金 e 側勝現3 築基金 日本国政府の年金総後務 111 た。そのきをとして各年の純構務を求めた結巣を示したのが罰 4aの実線である。 0 6 0年までは増加するが、ぞれi 刀創立減少に転ずる a これによると純寵務残高は 2 そして 2 1 0 0 年には政府辻、債務を全額払い務えることができる。過去5 0年揮に年金 制震が積み重ねてきた純債務を、こ札から先 1 1 0年かけて解消することになる。そ の時点からは、完全基金を持った横立方式に移行できる。 臨 4bに辻、国 4aの各議の対 GNP比率を示した。この場合 GNPは利子率 と関じ 3.5%で成長するものとしている。関 3で訴された純積務残高の成長率は当 初から 3.5%より低いので、その残高の対 GNP上ヒ率誌継続的に減少していく。 G N P比率にしてみると、純農務の存在は必ずしも恐れるべきもので誌なく、時間を かけれ球解消し薄るものだということが分かる。ただし、それは GNPの成長率と 利子喜容をどう想定するかに決定的に故存していることはいうまでもない。 5 . 2 純積務の変化 上の現象をブローで提えてみよう。続義務は完全碁金と現実の年金基金残高の差 であるから、それぞれの l年当たりの増加を比べてみよう。 まず、印式の各墳の 1年当たりの増加は次の関穏を満たす。 ( 4 ) ム純議務芸ム完全基金 ム現実の年金基金 この式の右辺の 2つの壌は、それぞれ次のように表すことができる。 ム完全基金 I~ìl' 二完全基金が生な利子÷市場~又主主率保険料一給付 ム現実の年金基金残高 エ現実の年金基金が生む利子÷国康食握十現実の保険料…給付 積立方式でない摂り、必ずしも謀総料だけで年金を避営できるわ I tではないから、 一般財糠からの悶産主主担が収入の 1つの噴として加わっている O これら 2式を悼式に代入すると、 ム絡積務(完全基金が生む科子一現実の年金基金が生む利子) {現実の f 呆続料一市場収益率謀険料+調庫負訟) を得る。この式の右辺の鹸初のかっこの中は、第 2章で2 主義した「純横務利子 J で ある。 2番目のかっこの中は、この年に年金財政のために霞民が行った財政業担の うち市場収益率様険料を結える部分を示すのであるから、これを「超過財政負担j と呼ぶ。すなわち ( 5 ) 紹過慰政負担 r 現実の部険料…市場収益率保険料÷国禁事業担 112 B本経済研究 N . o 2 5,1 9 9 3 .8 である。従って、次の器本式が得ら札る。 ム絡債務=総積務理子一越過財政集担 すなわち純債務の増加は、純機務利子と越過財政主主誌の差のみによって決定する 。 縄f 実務が減少するのは、年金基金に対して涜入する慈護財政章担が純費務利子よ り大きい待のみであることを、この式は示している。従って、佼に 1 9 9 0年以降の基 本保検科を市場収益率に基づいたものに改定したとしても、間!事責担が Oなら 地財政震強は Oだから、純f 糞務は増加し続けるであろう。をお、関 4aから鴫ら 題 5a 純債務手立子と鞠過財政負接 百兆円 1 0 . 9 0 . 8 0 . 7 圃 。6 0 . 5 0. 4 0 . 3 0 . 2 0 . 1 。 -0.1 -0.2 1 鈴 o2 0 0 0 2 0 1 0 2 合2 0 2 0 3 0 2 0 4 0 2 0 5 0 2 0 6 0 2 0 7 0 2 0 8 0 2 0 9 0 2 1 0 0 年 一 純債務利子 …超過財政主主銭 ・ー超過保険料 悶 5b 線債務利子と超過財政負担の対 GNP比率 比ぶ 陶 。0 4 0 . 0 3 。 容0 2 0 . 0 1 。 -0.01 ぬき o 2000 2 0 1 0 2 0 2 0 2 0 3 0 2 0 4 0 2 0 5 0 2 0 6 0 2 0 7 0 2 0 お ーキ屯イ際務利子 …超過Jl*,主主負担 2 0 9 0 2 1 0 0 年 …-超過保険料 日本国政府rl)若手念純債務 113 かなように、純債務は 2 0 6 0 年立捧誠少するが、このことは 2 0 6 0 年立降は超過期政実 濯が純繍務利子より高くなることを訴している G 密 5aの実織と細かい点綿はこ 0 6 0年に脇通財政主主識で純憤務朝子を賄 のことを亘接示している。言い換えれば、 2 えるようになるから、これより先辻、純債務の元本が{賞還されていくことになる o 悶 5aで純債務利子がこの年以後減少しているのは、この純憤務の減少による。 この時点からは、現在の財政再計算が予定レごしミるレベルより探検科を下げても狭 義の市場収益翠方式に移行で、きるわけである。 5 . 3 超過財政負強 このように、純憐務の変仕を分析するための鍵は、超過対政主主招の動きにある。 I~I 5 ) 式を書き蕊そう。このため、現実の探 超過財政貴認め動きを分析するために、 ( 険料のうち市場収益率を越える部分を、 「経過保険料」と呼培、う。すなわち、 超過様換料コニ現実のも系険料一市場収益率探検料 ると、 「超過財政業主呈」は次のように書き換えることができる。 題違財政負担=鵠通探検事1 ・十国庫負強 で辻、超過財政議担を慌険料関連部分と国庫負担とは要素分解するこの式の右辺の 各棋盤の散さ辻現実にどうなっているだろうか。 まず鵡過保険料からみてみよう。この動きは顕 5aの粗い点嬢が京している。 1 9 9 0年に藷過保険料は約一 3 . 5兆円で、あった。その後上昇し続け 2 0 0 0 年前後 i こ正に 9 8 9 年の財政再計算で、は厚生年金については 1 9 9 5 年から 5年毎に 転じる。厚生省の 1 探険料率を 2.2%ずつ引き上げて 2 0 2 0 年立後2 6.1%水準にする予定になっている。 5aで端逸保険料線が右上がりなのはこのことを反映している。 産にわたっての鍵金フ。ロファイル 市場収益率年金に必要な保険料率は、彊人の生i 1 4 :つまり若い 0 2 0 年以後は約 1 9 . 1先である と年金期金額に基づいて計算すると、 2 世代は、市場収益率年金に必要な探検料率より 7売だけ高い保険料を支払うことに 0 2 0 年以後はおける瀦過保険料率である。 なる。この 7%が2 次に、現主の藷IJ援では碁礎年金支給額の 3分の lは閤蝉負担となっている。これ が現在のところ、一殻票者.~から年金基金に議入する唯…のものである。 1990年時点 で悶庫負担は約 3兆円である。関 5aで、国庫室誌は 2つの点隷の差でまをされる。 態 5aで、示されている超過財政章認辻、超過保険料と贈賄負担分の和である。 超過財政負謹も現荘負であるが、その後増加し続ける。 114 日本来お斉研究 N o . 2 5, 1 9 9 3 .8 5 . 4 超 過 尉 政 負 控 の 対 G N P比 図 5b 関 5a 話を対 G N P比として表したものである。実線で示さ れる純僚務不 IJ子の対 G N P比辻、年を経るごとに下がり続ける。これ辻図 4bで GNP比率が嶺向的に低下していることと対定、している。 組i 邑慰該京担の対 GNP誌は、当初負でおるが高齢化時代の 2 0 2 0年頃をゼークと 0 2 0年までは G N Pの成長率 3.5% して大きな波を描く。つまり超過財政負抱は、 2 より高く伸ぴるが、ぞれ以降はf まく弾じてる。 0 1 0 年頃 i こる この儲から顕著なように、超過財政実謹の対 GNP.tl二率は、四勝2 まで、が、その後の各年と詑べて自立って f まい。これは、そ まで超過財政負担を 増やし、その千去の各年における選通財政負搬をその分減らす若手金改革が必要である ことを示している。具体的には、当初様験料率と所得税率を急速に引きょげ、その かわり最終保険料率を器く抑えることによって、各世代で公平に魚姐を分かち合え ることをこの罰 している。 5 . 5 現実器金残高 なお鵠 6は今後約 3 0 年欝の現実裁金残高の予測を訴している。(これは国 4a の報い点嬢の拡大閣である。〉これによると残高は 1 9 9 0 年時点で約 8 0兆円であるが、 2 0 0 0 年から 2 0 1 0年の関;こまをつき約4 5兆円 l こまで蕃ちる。もちろんこれは財政再計 算の諸蔀設を依定した上でのことであり、その前提が成立しなければ、現実の基金 1 5 ; 残高は枯渇することもあり害る 悶 B 現実基金残高拡大宮 B兆円 1 .3 1 .2 l“l l 0 . 9 0 . 8 0 . 7 0 . 6 。 . 5 0. 4 1 9 鈴 2 0 1 0 初2 0 年 豆本国政府の年金総債務 115 当初のイ呆険料率と斉祷税率を引き上げることはこの可能性を減少させるのにも役 6 . 専業主掛からの探検料の徴収 現在の保険料をヲ i き上げる lつめ手段, ; ; t 現在罷避されている専業主嬢の保険料 き上げることである を ヲi 2 6 . 1 1 9 8 6年 の 年 金 改 正 県生年金加入者の扶獲配告書辻、フルタイム の妻のことである。設女達のことを以下では単に で定義した についていないサラリーマン と呼ぶ。 て~ ~ 辻、年収 1 2 0万円未講のパート収入を帯ている主婦を (自営業者の護きである専業主婦については、 「自堂業者の饗」と時ぶ。)ここで定 した専業主婦は、開設年金の r3号被保験者」とも時 i まれる。 1 9 8 6 年の改革で、専業主掃は独自の保険料を約めることなく基礎年金舎受給でき ることとなった。この蕗果、自営業者の善きや独身者、有識の主婦等に比べて、 1 6 ;ニ 主捕は年金製度から著しく大きい移紙所得を受けることとなった フルタイム就労への労働供給を している。 専業主婦への所得移軽やそれが引き起こしている労働{掲舎の盗みは、 らも基礎年金立対応、する保験料を設~又することによって減らすことができる。 わちこの点に関しては 1 9 8 6年改正弘蔀の型に E 認すのである o こうして詩られる らの環論料収入を、年金会計の新たな封諜として純藷務の削減のため ι龍う ことカまできる。 6.2 純憤務への影響 緋同徴収した場合、純債務が Oになる年は、そうで会い場 3号被保険者から{呆F にJ 比べてお若手早まり、 2 0 8 0年になる。 間様のこと詰フローの数値でもみることができる。 3号被保険者からの保険料収 入のある場合には、詔逼黙政笈担が純{薬務幸I J子 i こ追いつくのがお年早まり 2 0 3 5 年に なる。しかし 3号保険料者徴収しても、なお 2 0 0 0 年まで溜過保検科試負である。 なわち 3号保険料を犠i 試したとしても、現在の保険料藤体が、市場収益率 た保険料率より抵い ο 116 読 本 滋 済 研 究 ぬ2 5,1 9 き3 .8 一方、現仔保険制度の下では厚生年金体験料は、 2 0 2 0年に 26.1%で国定されるま で 5年毎に引き上げられる予主主で、ある。この予定を変更し、 2 0 1 0年まで同議に引き 上げるが、 2 0 1 5 年に現在予窓されている .6%で、はなく 24.2%まで引き上げて以後 冨定するとしよう。このよう も、今から 3号f 呆験 2 じは 2 1 0 0 年に縄債務を解諒することが 料を徴殺するなら誌、 i き上げを財諜にすることによって、 できる。こうすると、 き下げること誌なる。 高齢化以後の主主設をさ i 7 . 結び ため、現行の戴諜方式の年 金制震の下で辻、市場収説家にも満たない f まい保険料しか払っていない。従って高 齢化時代に年金新穂となり縛る議横が今なされていない。これが高齢化時代に年金 財政が遜追する第 1の擦問である。すなわち議追を緩和する 1つの方策詰現在の保 険料をヲ i さ上げることである。特 l ニ専業主婦のf 泉鏡料率を市場収益率の水準まで引 き上げる る 。 2の風間は、年金策…世代が残した純積務の処理を現在の勤労者はパスし、高 しつけていること ιある。仮に現在の勤労者が市場収益率に た保険料を払うにしても、それだけでは不十分で、純債務は増加し続ける o ぐには、市場収議率保険料に加えて、少なくとも純債務利子分に を支払わなければならない。実際には、現在の勤労者は市場収 く保険料すら払っておらず、その後も 2 0 6 0年に至るまで勤労世代は純憤 しかしないから、その閤純債務は増加する。 誌、年金第一世{-cへの純粋な所得移転によって元来発生したものである O て、年金保緯科ではなく、一殻財源から賄うべきものである。しかも、 た幾世代かに分配して公平に実担されるべきものである o つまり純 積務め経理詰戦待盟議の処理と関ーレベルで論ぜられるべきものだといえよう。 年金封諜を 2 つに分裂して考えた。 r 市場~又議室料こ蕃づいた体験料J と「議選財政金紐j でるる。後者が、結震務懇請の 謡選財政負担をいかに重代需に公平に重己分するかが、設率的鑓となる。 建造保険料と冨庫室担の和である O 従つ を配分するためには、現在の保験料や冨草案誌を高め、そ 尽かE 語放j 授 の年金総務務 117 の保険料を引き下げる必要がある。それによって純債務処理のための世代毎の負担 を平準化することができる o 本稿では、具体的には次の点が明らかになった。 1) 1 9 8 6 年の厚生省の年金封政再計算で想定された経靖環境の下で、 1 9 9 0 年時点 での完全基金額は厚生年金が418兆円、躍民年金が127~1s.丹である。この持点で の基金f 呆務高が8 0 北丹なので純債務試合計で4 6 5 兆円である。 財政蒋計算で示された給付と保験料スケジュール(降生年金支給開始年齢の 2} 0 6 0 年から総告義務は 引き上げと謀験料率の設階的引き上げ〉が実施されれ法、 2 減少に献と、 2 1 0 0 年にはヲ宅金基金を埠有するに韮る。 3) 趨逸財政負程の対 Gお P比率辻、 2 0 0 0 年までは 1 %を切っているが高齢化時 代には 2 %と高くなる。この比率が急よ昇するのは、韓過保険料が魂荘の負の 水機から高齢花時代の高い水準へシフトするからである。現在の予定では題庫 食担の対 GNP比率は安定的である。 4) 1 9 8 6 年の改革でサラリ…マンの妻である専業主議は独自の保険料を払うこと 将食斡に等しい保 く基礎年金を受給することになった。妓女達に国民年金の f 険料を払ってもらい、このグループからの様験料収入を純穣務の償還に充てる 0年繰り上がる o あるいはこの専業主揚からの謀険料を封 と、完全基金逮或が2 源にして藤本保険料の悼ぴを抑えることもできる。その場合最高保険料率を 2 %ほど笹くしても現行部援の下でと同じ時期に完全基金の捜み立て安行うこ とができる。 本稿の分析視点を年金殺事に藍接用いるために辻、分析を次の 2点において将来 拡張する必要がある。第 1は、共済年金を分析に合めることであり、第 2は、元々 の財政再計算の藷前提から離れた前提の下で、いくつかの感度分析を行うことである。 9 9 0 年の諮勢調査に基ずいた人口予測を用いることも含まれよう。 その中には、 1 謝辞本萌究には、文部審科学掛究費総合研究(A) 0 4 3 0 1 0 7 9の劫成を受 t tた 。 注釈 1) なお、純粋な賦課方式の下では、支払債務は全額純債務に等しい。この滋出は、年金第一 世代が係倹科会支払うことなく受ける年金給付カミ国から民腐への債務によって熊われたか 118 B本経済研究 N o . 2 5, 1 釣3 .8 らだと考えることができる。 2 ) ただし本稿では、公的年金として襲民年金と)写生年金のみを取り上げ、共済竿金は含めな い。これを含めた分析は将来に譲る。 3) この穫は、村上清氏が大島治(19 81)のぺンネ…ムで概算推読された 1 9 8 1年時点での 4 6 0 兆円という値と驚くほど近い。ただし、村上氏は共済年金会合めておられる。またこの 2 点の関で 1 9 8 6年の年金が改若手が行われたため、それぞれの分析が対象とした年金制度が異な ることも注察、を婆する。 じ このように保険料を改定しても、生涯を通じた保険料と給付の関係は、必ずしも市場収益 率には、護基づいていない。すなわち、この改定は、分配の観点からみると、既に払われてし まった保険料に対応する移転所得は各世代の既得権として認めることを意味?る。八悶 ) 及ぴ小口・木村・入国(19 9 3 ) 参照。 ( 1 狩3 5 ) ただし現災の制度では、他;こ一般会計から簡民年金への補助金が年金基金の収入として液 入している。ここではこれを一時無視 えている。 6) 実;立、現在既に受給している老人の年金原資だけて?なく、現在袋、 5 0 歳代の人達が今まで 支払った保検料に対応して将来受けるそ予定である給付の漆資もなくなる。これまでに彼らが 支払った保険料は、 現代の湾人の年金のために使われてしまっているからである a 以下で i 「年金第一没代の年金」という用務?、 ( a ) 現夜の退職者が受け取る年金及ぴ、 ( b ) 現在の勤労 毅が現在時点までに支払った保険料に対応して受け取る年金の部分の合計の意味に用いる。 すなわちここの用語で「これまでに支払われた保険料に対応する年金給付」を意味することに する 円 U 滑護軍国債については、入間 ( 1 9 8 8 )、入国・小口(19 8百回、狂a t t aandOguchi ( 19 9 2 )そ 参照のこと。 8) ' ' - 自体が会計上の形式であって、突は同額の国債が販に発行"dれてい ることを示そう。 賦課方式の王子金制度の下では、若い,人が払った保険料喜子、閣は積み立てないでそのまま現 在の君主ト人のために使ってしまう。そのかわりに、国は見返りとして将来年金を払うことを約 束する。要するに国は年金加入者に対して保検料と引き換えに約束手形を発行していること になる o 手形の支払日には、もっと若い人達に新たな約束手形をまた発行ずる α このように 約束手形安永遠に発行し緩けるのが賦課方式だといえよう ο 保険料と引き換えに約束手形を発行するというのは、圏が閣僚を発行していることに他な こ収益率が没代毎に大きく変動する らない。賦諜方式というのは、国が自転車操業的 l 債を発行し続けるシステムなのである。従って、積立方式に伴って清算国債を発行するのは、 こさ支は出回っている議後を、表に出すことに協ならない。 今後の新たな謹債発行合止め、続 i ぞれによって初めて設代間に公平な償遼針盤を立てることができるようになる。 さらに、実際には清算国傍受発行しなくても、支払債務 ることによって笑は既に 出限っている約束手形による純負債分を知ることができる。 9 ) 従って、年金資産:既決受給額二コ生涯保険料:過去保険料が成り 自本国政府の年金純俊幸寿 119 1 0 ) 芸 名 L l J他(1約め及び小口・木村・入包 ( 1 9 9 3 ) 参照。 1 1 ) 勤労世代にとって、 主主譲受給額>支払債務 が成り立つ。生漆受給額 i 手、常に年金交産と等しく、しかも表 1でみたように、この世代に とって年金資援は、政府の支払債務より大きいからである。 退職世代の人にとってもこの不等式は成り立つ。主主授受給額は年金資産より大きく、年金 資産は支払後務に常に等しいからである。 結局、返磯待点にある入にとってのみ、生涯受総額と支払僚務は等しい。言い換えれば、 ある人にとって政府による支払債務が縫大になるのは、彼が退殺する時点であり、その最大 しい。これら諸概念の簡の関係は、関 1に示されている巡りである。 1 2 ) 従って、完全基金の幾高を「加入者全体に対する支払章受務」とも呼ぶ。当然ではあるが、 純債務はこの支払僚務と現実の義金の残議の差;こ等しい。 1 3 ) このことを汚いると、 5 . 1節で述べたのとは別の方法で過去僚務が治郎年以降どのように 9 9 0年時点における純債務の残高の現議鏑値が将 変遷していくかをみることができる。まず 1 9 9 0年以降め各年の超滋黙政負扱の現在郷f 畿の 来どのように変化していくかを求める。次に 1 を計算する。最後にそれら 2つの差として、将来会時点での純債務の残高を求めるこ J 十むきる。 とI 1 4 ) 保険加入額照的年、受給期総初年として計算した。綾済全体では平均の加入期間はもっと 短いので、市場校主主主幹年金に必要な保険料率はこれより悠くなると予想、される。 1 5 ) 例えば、野口他 ( 1 9 8 6 )、小椋・山本 ( 1 9 9 3 )、綾田 i i T . (1987) 1 6 ) 高山他(19 9 0 )、入間 ( 1 9 9 3 )、小口・木村・八担任争終)等を 参考文献 H a t t a,T. andN. u忽 g 工1 に c h 吋 i( 1 9 9 2 υ ) Pay丞sYouGo初 t oAct 初 む 昌n畠 剖 Fa 必i r ,"お nT o p う i c α s仇 i ' nt h eEc ω O ω ? 匁 z o ω 手 nt た c s0 . ゲ fAging,母d .by DavidWise,C h i c a g o,U n i v e r s i t yo fC h i c a g o]平氏SS. 八回達夫(19 8 8 ) r 自主接税改革』日本経済新開社 ) r 年金保険料法税か貯蓄喜か 八 回 途 犬 任 務3 r日本綾済研究センター会孝弘 674 号 拘) r 賦諜方式から積立方式への移行 J 小口去を災(198 社会保障研究s笈 小口霊堂良(1宮島ぬ) r 斌諜方式から積立方式への移行と財政J 社会保階研究』秋 八回遠夫、小口登良(19 9 0 ) r 年金改革一市場収益率若手金への移行 J 現代経漆研究グ/レ…ブ編 ず日本の政治経液システム』日本経済新潟社 八回達夫、小口査段 ( 1 9 9 2 ) r 塁手金改革…市場収主主主事方式への移 f i J社 会 保 障 研 究 所 嬬 r1 ) ディングス日本の社会保障 -3 年金3 有斐閣 野口悠紀雄(19 8 2 ) r わが盤公的年金の諸問題 J 120 B本綾済研究 N0 . 25,1 鈴 3.8 季刊現代経済正 A u t u r n n, pp.18-33 野口悠紀雄 ( 1 9 d 7 ) r公約年金の将来と日本経済の対外ノ fブォーマンス:一一シミュレーション フィナンシャルレヒ、ユー" No‘ 百 、 p p.8-19 分析一- J 野口悠紀雄他 ( 1 9 8 6 ) r 公的年金の今後のあり方 J r ソフトノミックス・フォローアップ研究会 第I V 部構造変化と 小口登良、木村陽子、 4 … 1 9 8 6年 1 0月 大蔵省財政金融研究所 ( 1 9 9 3 ) 守本の公的年金の再分配効果J 1 9 9 3年箱根コンブアレ ンス提出議文 ふ椋iEl i、 ( l 錦4 ) r 厚生年金改革の効果にかんするシミュレーション分析J 経済j W i n t e r 小椋正立、山本克也 ( 1 9 9 3 ) r 合的年金保険のコストと負担のシミュレーシ翠ン J r日本経済研 究 NO.25 大島治(19 8 1 ) r 年金崩壊」日本生産性本部 若手金と財政」社会保険法規研究会 社会保険法規研究会礼的。) r 9 2 ) r 年金改革の機懇s 日本経済新聞社 高山慾之(19 高山議之、舟岡史雄、大竹文雄、関口お彦、渋谷時幸、上野大、久保克行 ( 1 9部) r 人的資産の 9 8 4 年一一 J 推計と公的年金の再分配効果一一 2人以上の普透殺帯分、 1 経済分析J 1 1 8号 、 p p .ト 7 2 植自利努、岩弁睦雄、橋本元秀 ( 1 9 8 7 ) ビュ-~ と世代問所得移転 J ブイナンシャルレ : 1 ¥0.6、 pp. 44 5 7 B 2 ド滋語文男すの王f. i 校総後務 121