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参考資料① (成長志向の法人税改革)
参考資料① (成長志向の法人税改革) 成長志向の法人税改革: 法人実効税率「20%台」の実現 (与党税制改正大綱(27年12月16日))(抄) 「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という考え方の下、平成27年度に着手した成長志向の法人 税改革を、更に大胆に推進する。法人課税をより広く負担を分かち合う構造へと改革し、「稼ぐ力」のある企業 等の税負担を軽減することにより、企業に対して、収益力拡大に向けた前向きな投資や、継続的・積極的な 賃上げが可能な体質への転換を促す。 ・・・ 国・地方を通じた法人実効税率は平成28年度に29.97%となり、目標としていた「20%台」を改革2年 目にして実現する。さらに平成30年度には、29.74%となる。なお、企業部門に対していわゆる先行減税を含む 「財源なき減税」を重ねることは、現下の厳しい財政事情や企業部門の内部留保(手元資金)の状況等に鑑み て、国民の理解を得られない。このため、税率引下げに当たっては、制度改正を通じた課税ベースの拡大等 により財源をしっかりと確保することとした。 経済界には、法人実効税率「20%台」の実現を受けて、改革の趣旨を踏まえ、経済の「好循環」の定着に 向けて一層貢献するよう、強く求める。現在、企業の内部留保は350兆円を超え、手元資金も増えている一方 で、大企業の設備投資は伸び悩んでいる。足下では賃上げに向けた動きも見えてきているものの、労働分配 率は低下している。企業経営者がマインドを変え、内部留保(手元資金)を活用して、投資拡大や賃上げ、さら には取引先企業への支払単価の改善などに積極的に取り組むことが、何よりも重要な局面となっている。今後、 こうした経済界の取組状況等を見極めつつ、企業の意識や行動を変革していくための方策等についても検討 を行う。 1 28改正案 法人実効税率の引下げ ○ 制度改正を通じた課税ベースの拡大等により財源をしっかりと確保して、税率を引き下げる。 ⇒ 国・地方の法人実効税率は、28年度において「20%台」となる。 法人税率 大法人向け法人事業税所得割 * 28年度までは、地方法人特別税を含む * 年800万円超所得分の標準税率 国・地方の法人実効税率 26年度 27年度 (改革前) (27年度改正) 28年度 30年度 (28年度改正案) 25.5% 23.9% 23.4% 23.2% 7.2% 6.0% 3.6% 3.6% 34.62% 32.11% 29.97% 29.74% 2 (参考)法人実効税率の国際比較 28改正案 (2015年12月現在) ㉔・㉕ 28改正案 ㉖ ㉗ ㉘・㉙ →㉚ 40.75% 37.00% 34.62% 33.33% 32.11% 29.72% 29.97% →29.74% 25.00% 24.20% 20.00% 17.00% 日本 アメリカ フランス ドイツ 中国 韓国 イギリス シンガポール (注) 法人所得に対する税率(国税・地方税)。地方税は、日本は標準税率、アメリカはカリフォルニア州、ドイツは全国平均、韓国はソウル市。 なお、法人所得に対する税負担の一部が損金算入される場合は、その調整後の税率を表示。 (出典)OECD、各国政府資料等 3 (参考)法人実効税率引下げのイメージ 税率 低 29.74% 法人税 →23.2% 29.97% 30% 法人税 →23.4% 事業税 所得割 →3.6% 31% ・欠損金繰越控除 ⇒60% ・生産性向上税制 ⇒廃止 * 28 改正案 法人実効税率 28改正案 ・外形標準課税 ⇒5/8 ・租税特別措置 ・減価償却 ⇒一部見直し *「生産性向上税制」 = 生産性向上設備 投資促進税制 31.33% 事業税 所得割 6.0% →4.8% ・外形標準課税 (3/8→4/8) 32.11% ・外形標準課税 (2/8→3/8) 27 改正 事業税 所得割 7.2% →6.0% ・生産性向上税制 ⇒廃止 * 法人税 25.5% →23.9% [先行減税] ・欠損金繰越控除 (控除限度65%→50%) ⇒55% 〔・欠損金繰越控除(50%)〕 ㉙ ㉚ 〔・欠損金繰越控除(65%)〕 ・欠損金繰越控除 ⇒60% (控除限度80%→65%) [再掲] ・受取配当等益金不算入 ・租税特別措置 27改正前 (34.62%) ㉗ ㉘ 4 課税ベースの拡大等 28改正案 ○ 租税特別措置の見直し ≪生産性向上設備投資促進税制の見直し≫ (26年度改正で創設:租税特別措置) - 28年度: 期限どおり縮減(即時償却→50%特別償却など) - 29年度: 期限どおり廃止 [=28年度改正法で明確化] ほか ○ 減価償却の見直し (現行:建物は「定額法」のみ、他は「定額法」と「定率法」の選択制) ⇒ 建物附属設備・構築物の償却方法を「定額法」に一本化 ○ 法人事業税の外形標準課税の更なる拡大(大法人) (27年度改正後: 2/8→㉗3/8→㉘4/8) ⇒ 28年度改正後: →㉘5/8 * 中堅企業への影響に十分配慮(激変緩和) ○ 欠損金繰越控除の更なる見直し(大法人) (27年度改正後: 控除限度額 所得の80%→ ㉗65%→ ㉘65%→ ㉙50%→ ㉚50%) ⇒ 28年度改正後: ㉘60%→ ㉙55%→ ㉚50% * 改革の加速化に伴う企業経営への影響を平準化する観点からの対応 5 28改正案 租税特別措置の見直し① ○ 「生産性向上設備投資促進税制」の見直し (参考) 現行制度 ~27年度末 先端設備 生産ラインやオペレーション の改善に資する設備 ~28年度末 機械装置 など 即時償却 50%特別償却 or 5%税額控除 or 4%税額控除 建物、 構築物 即時償却 25%特別償却 or 3%税額控除 or 2%税額控除 ⇒ 期限どおり縮減・廃止する (28年度税制改正法で明確化) ○ その他 (「環境関連投資促進税制」「雇用促進税制」の見直しなど) 6 租税特別措置の見直し ② 28改正案 ○ 期限切れの減収措置(17項目)のうち、3項目は「廃止」、残る14項目は「縮減を伴う見直し」 ① 生産性向上設備投資促進税制<一部> ② 環境関連投資促進税制 廃止 ⑨ 公害防止用設備の特別償却 (28年度末限りで制度を廃止。27年度 末限りで特別償却率・税額控除率の上 乗せ分(即時償却等)を廃止) ⑩ 障害者を雇用する場合における機械等の 割増償却 縮減+一部拡充 ⑪ サービス付き高齢者向け賃貸住宅の割増 償却 (対象資産の見直し(売電用の太陽光発 電設備の除外等)、風力発電設備の即 時償却の廃止、電気自動車等の税額控 除の廃止) ③ 海外投資等損失準備金 縮減 (無税積立率の引下げ) ④ (海外)探鉱準備金 +(海外)新鉱床探鉱費の特別控除 縮減+一部拡充 ⑤ 金属鉱業等鉱害防止準備金 縮減 (無税積立率の導入) ⑥ 中小企業者等の少額減価償却資産の 損金算入の特例 縮減 (従業員数要件の導入) ⑦ 保険会社等の異常危険準備金<一部> 縮減 〔単純延長〕 〔縮減〕(無税残高積立率の引下げ) 縮減 (地域を限定、正社員に限定) 火災保険等の無税積立率の上乗せ 火災共済の無税積立率の上乗せ ⑧ 雇用促進税制<本体部分> (要件の見直し等) 縮減 (対象資産の限定) 縮減 (対象資産の限定) 縮減 (割増償却率の引下げ) 廃止 ⑬ 特定信頼性向上設備等の特別償却 縮減 東京圏以外に立地し、専ら東京圏のデータ 〔単純延長(法改正前提)〕 センターのバックアップを行う設備 自然災害懸念地域に立地するラジオ送信 〔廃止〕 設備の予備等として取得する設備 縮減 (任意の先行積立分の損金不算 ⑭ 特定災害防止準備金 ⑫ 特定農産加工品生産設備の特別償却 入の明確化) ⑮ 国家戦略特区における機械等の特別償却・ 縮減 (即時償却の廃止等) 税額控除 ⑯ 国際戦略総合特区における機械等の特別 縮減 (特別償却率・税額控除率の引下げ等) 償却・税額控除 ⑰ 国際戦略総合特区における所得控除 廃止 (参考) 与党税制改正大綱(27年12月16日) (抄) 租税特別措置については、特定の政策目的を実現するために有効な政策手法となりうる一方で、税負担の歪みを 生じさせる面があることから、真に必要なものに限定していくことが重要である。このため、毎年度、期限が到来するも のを中心に、各措置の利用状況等を踏まえつつ、必要性や政策効果をよく見極めた上で、廃止を含めてゼロベース で見直しを行う。また、租税特別措置の創設・拡充を行う場合は、財源の確保や、全体の項目数をいたずらに増加さ せないことに配意する。 7 28改正案 減価償却の見直し ○ 建物と一体的に整備される「建物附属設備」や、建物同様に長期安定的に使用される「構築 物」について、償却方法を「定額法」に一本化する。 * 「鉱業用減価償却資産」のうち、「建物」「建物附属設備」「構築物」に該当するものは、「定額法」または「生産高 比例法」の選択制とする。 (参考) 現行の減価償却方法 未償却残高 ① 「建物」 「定額法」 ② 「建物附属設備」、「構築物」、 「船舶」、「航空機」、 「車両運搬具」、「機械装置」 「工具」、「器具備品」 「定額法」or「定率法」 ③ 「鉱業用減価償却資産」 「定額法」or「定率法」 or「生産高比例法」 ④ 「無形固定資産」、「生物」 「定額法」 ⑤ 「鉱業権」 「定額法」or「生産高比例法」 定額法 定率法 経過年数 8 法人事業税の外形標準課税の更なる拡大(大法人) 28改正案 ○ 27年度改正において、28年度に4/8まで拡大することを決定。 ⇒ 地域で雇用を支える中堅企業への影響には十分配慮して、28年度に5/8へと拡大。 3/8 所得割 0.3% 付加価値割 資本割 6.0% 3/8 1.2% 0.96% 0.72% 資本割 28年度改正案 所得割 所得割 付加価値割 付加価値割 [28年度] 27年度改正 [27年度] 4.8% 資本割 0.4% 0.5% 4/8 5/8 3.6% ○ 中堅企業の負担増の軽減措置 所得割 × 28年度の 27年度の税率 資本割 付加価値割 = (所得割6.0%、資本割0.3%、付加価値割0.72%) 負担増分× 負担増分 × 負担増分× ㉘3/4 ㉙2/4 ㉚1/4 を軽減 所得割 資本割 付加価値割 課税標準 × 28年度の税率 = (所得割3.6%、資本割0.5%、付加価値割1.2%) *付加価値額30億円以下の場合 (付加価値額30~40億円の場合は、上記の軽減率を縮小) 9 欠損金繰越控除の更なる見直し(大法人) 28改正案 ○ 27年度改正において、企業の「稼ぐ力」を高めるインセンティブとするための改革の一環として、 欠損金繰越控除の見直し(控除限度の段階的引下げ等)を決定。 ○ 今回、法人事業税の外形標準課税の更なる拡大(28年度5/8)など、法人税改革を加速化。 ⇒ こうした状況を踏まえ、改革に伴う企業経営への影響を平準化する観点からの見直しを行う。 (*改革自体は後退させることなく、激変緩和のための対応として措置する。) 100 100 100 100 80 繰欠 所得 27年度改正 100 65 65 50 100 100 100 100 80 繰欠 所得 28年度改正 100 50 65 55 60 50 (更なる見直し) ㉖ ㉗ ㉘ ㉙ * 繰越期間の延長(9年→10年)等の適用年度の変更 27年度改正:29年度の欠損金より適用 → 28年度改正(更なる見直し):30年度の欠損金より適用 ㉚ 10 法人税制をめぐる諸課題 (中小法人課税、協同組合等課税、公益法人等課税) (与党税制改正大綱(27年12月16日))(抄) <中小法人課税> 実態を丁寧に検証しつつ、資本金1億円以下の法人に対して一律に同一の制度を適用していることの妥当 性について、検討を行う。資本金以外の指標を組み合わせること等により、法人の規模や活動実態等を的確 に表す基準に見直すことについて検討する。 その上で、中小法人のうち7割が赤字法人であって一部の黒字法人に税負担が偏っていることや、大法人と 中小法人の制度格差が拡大しており、中小法人が大法人へと成長していく意欲を損ないかねないことを踏まえ、 中小法人向けの制度の全般にわたり、各制度の趣旨や経緯も勘案しながら、引き続き、幅広い観点から検討 を行う。 <協同組合等課税> 組合によって事業規模や事業内容が区々であるが、同一の制度が適用されている。そうした実態を丁寧に 検証しつつ、組合制度の趣旨も踏まえながら、検討を行う。 その上で、特に軽減税率のあり方について、事業分量配当の損金算入制度が適用される中で過剰な支援と なっていないかといった点も勘案しつつ、平成27年度税制改正における受取配当等益金不算入の見直しの影 響も考慮しながら、今般の法人税改革の趣旨に沿って、引き続き検討を行う。 <公益法人等課税> 非収益事業について民間競合が生じているのではないかとの指摘がある一方で、関連制度の見直しの動き も見られており、実効的な対応となるかどうか、動向をよく注視する。 あわせて、収益事業への課税において、軽減税率とみなし寄附金制度がともに適用されることが過剰な支援 となっていないかといった点について実態を丁寧に検証しつつ、課税のあり方について引き続き検討を行う。 11 参考資料 (成長志向の法人税改革) 12 これまでの法人税制における対応 ○ 設備投資や賃金引上げを促進するための思い切った政策税制 25年度 改正 ― 「生産等設備投資促進税制」の創設 (→㉗廃止) ― 「研究開発税制(総額型)」の拡充 (→㉗重点化) ― 「所得拡大促進税制」の創設 (→㉖・㉗拡充) など ○ 復興特別法人税の1年前倒し廃止 26年度 改正 <法人実効税率> 従前37.00%→㉖34.62% ○ 設備投資や賃金引上げを促進するための思い切った政策税制 ― 「生産性向上設備投資促進税制」の創設(→㉘縮減・㉙廃止(㉘改正)) ― 「研究開発税制(増加型)」の拡充 など ― 「所得拡大促進税制」の拡充 (→㉗拡充) ○ 成長志向の法人税改革 <法人実効税率> ㉖34.62%→㉗32.11%(→㉘31.33%) 27年度 改正 <課税ベースの拡大等> ― 欠損金繰越控除の見直し(大法人) ― 受取配当等益金不算入の見直し ― 法人事業税の外形標準課税の拡大(大法人) ― 租税特別措置の見直し (「研究開発税制(総額型)」の重点化、「生産等設備投資促進税制」の廃止など) <賃金引上げへの配慮> ― ㉗・㉘の2年間の先行減税 ― 「所得拡大促進税制」の拡充 ― 地方版「所得拡大促進税制」の創設(法人事業税) 13 27年10月16日 経済財政諮問会議 麻生大臣提出資料 企業収益等の動向について ■ 経営陣には、過去最高水準の企業収益を、更なる収益力の向上に向けた投資や従業員の給与などに振り向けることが求めら れているのではないか。 (年度) 経常利益 設備投資 従業員給与・賞与 内部留保 現金・預金等 2012 48.5兆円 34.4兆円 147.9兆円 304.5兆円 190.1兆円 2014 64.6兆円 39.5兆円 148.2兆円 354.4兆円 210.2兆円 差額 +16.1兆円 +5.1兆円 +0.3兆円 +49.9兆円 +20.2兆円 民間設備投資額と経常利益の推移 50.0 (兆円) (兆円) 64.6 現金・預金等と内部留保の推移 労働分配率の推移 65.0 76.0 (%) 360.0 (兆円) (兆円) 240.0 354.4 75.3 328.0 59.6 43.8 73.8 44.3 73.3 304.5 54.4 40.1 51.7 53.5 279.8 39.5 71.2 45.3 43.7 44.7 45.0 70.5 70.0 190.1 186.8 69.7 185.5 240.0 33.3 34.4 33.1 200.8 268.9 252.4 71.0 36.7 281.7 269.4 70.9 71.2 48.5 38.6 35.0 210.2 293.9 180.0 178.0 69.3 31.6 33.3 203.9 162.8 68.3 29.7 188.9 35.5 36.2 152.7 153.9 154.5 146.6 32.1 労働分配率 設備投資(左軸) 経常利益(右軸) 20.0 202.2 66.6 27.9 31.0 185.3 167.5 25.0 2002200320042005200620072008200920102011201220132014 (年度) (出典)財務省「法人企業統計調査」 (注)現金・預金等は、現金・預金と有価証券(流動資産)の和。 65.9 65.7 140.5 内部留保(左軸) 現金・預金等(右軸) 64.0 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 2012 2013 2014 Ⅳ Ⅰ Ⅱ 2015 (年度) 120.0 120.0 (年度) 14 成長志向の法人税改革について 27年11月11日 経済財政諮問会議 麻生大臣提出資料 ■ 改革初年度の27年度から、「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」との方針の下、しっかりと対応 ■ 所要の財源を確保しつつ、28年度の税率引下げ幅を上乗せし、早期に「20%台」の道筋を付ける ■ 課税ベースの拡大による財源確保を行わず、単に税率を引き下げることは、以下の理由から不適当 ① 企業の内部留保350兆円超(手元資金も増加)。 この上さらに「財源なき減税」をしても、手元資金が積み上がるだけではないか ② PB黒字化に向けて「計画」をつくり、歳出・歳入両面の改革に取り組もうとしているのに、そうした努力に逆行するのではないか ③ 消費税率引上げを行う一方、企業にばかり「財源なき減税」を行うことが、国民の理解を得られるか 2012 2014 経常 利益 48.5 64.6 設備 投資 34.4 (兆円) 設備投資と経常利益の推移 (兆円) (+16.1) 現金・預金等と内部留保の推移 これまでの法人税制の対応 設備投資や賃金引上げを促進するための 思い切った政策税制 ・ 生産性向上設備投資促進税制(㉖改正で創設) ・ 所得拡大促進税制 (㉕改正で創設→㉖・㉗改正で拡充) 等 39.5 復興特別法人税の1年前倒し廃止(㉖改正) (+5.1) ・ 法人実効税率 37.00% → ㉖34.62% 内部 留保 304.5 現金・ 預金等 190.1 成長志向の法人税改革(㉗改正~) 354.4 ・ 課税ベースを拡大しつつ税率を引下げ → 「稼ぐ力」のある企業の税負担を軽減 収益力改善に向けた前向きな投資等を促す (+49.9) 210.2 (+20.2) (年度) (出典)財務省「法人企業統計調査」 (注)現金・預金等は、現金・預金と有価証券(流動資産)の和。 ・ 改革初年度(㉗改正)から踏み込んで対応 法人実効税率 34.62%→㉗32.11% →㉘31.33% ・ 今後も改革を継続し、法人実効税率「20%台」へ 15 投資拡大・賃金引上げに向けた榊原経団連会長の説明 27年11月26日 未来投資に向けた 官民対話 <投資拡大> <賃金引上げ> この資料の左側だが、政府には①~⑨の環境整備を是 非進めていただきたいと考えている。こうした政府による 環境整備の後押しと企業自身の積極的な取組を合わ せることで、2018年度にはリーマンショック前を上回る 設備投資80兆円の実現が可能と見通している。 来年春の交渉に当たっては、・・・昨年の政労使会議の 取りまとめに則り、10ページのとおり、経団連としては名 目3%成長への道筋も視野に置きながら、収益が拡大 した企業に対して今年を上回る賃金引上げを期待して、 前向きな検討を呼びかけてまいる。 幾つかの環境整備を申し上げた。これを是非やっていただきたい。特に法人実効税率については、いろいろな御意 見もあるが、ぜひ来年度20%台の実現を産業界としては特に我々は要望していきたいと思う。象徴的な施策として ぜひ御協力いただきたいと思う。 16 法人税制をめぐる 諸課題 中小法人課税① (概要) <中小法人(資本金1億円以下)向けの税制> 1.軽減税率 所得800万円以下の部分について、税率19%(法人税法)。さらに、時限的に税率15%(租特法) 2.貸倒引当金 貸倒引当金を一定の限度額の範囲内で損金算入可(法人税法) 3.欠損金関係 ① 欠損金繰越控除について、所得金額の100%まで損金算入可(法人税法) ② 欠損金繰戻還付(1年間)が可(法人税法) (注)大法人は停止中(租特法) 4.留保金課税 特定同族会社に対して課される留保金課税の適用除外(法人税法) 5.政策減税 ① 研究開発税制(租特法): 総額型の税額控除率 (注)大法人は、銀行・保険会社等を除き不可 (注)大法人は一定の制限 (注)大法人よりも有利 ② 所得拡大促進税制(租特法): 給与等支給額の増加要件・税額控除の上限 ③ 中小企業投資促進税制(租特法) ⇒ 28改正: 生産性向上設備に係る上乗せ措置を存置 (注)大法人よりも有利 (注)「生産性向上設備投資促進税制」は縮減・廃止 ④ 商業・サービス業を営む中小企業者等の経営改善設備の特別償却・税額控除(租特法) ⑤ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(租特法) ⇒ 28改正: 従業員1,000人超の法人を除外 17 中小法人課税② (会計検査院の意見表示(22年)) 法人税制をめぐる 諸課題 中小企業者に対する法人税率の特例について(抜粋)(22年10月26日 財務大臣・経済産業大臣に対して意見表示) ○ 多額の所得があり担税力が弱いとは必ずしも認められない中小企業者が、中小企業者に対する法人税率の 特例の適用を受けている事態が見受けられたことから、財務省及び経済産業省において、地域経済の柱となり 雇用の大半を担っている財務状況が脆弱で担税力の弱い中小企業者を支援するという中小企業者に対する 法人税率の特例を定めている法人税法の趣旨に照らして有効かつ公平に機能しているかの検証を踏まえて中 小企業者に対する法人税率の特例の適用範囲について検討を行うなどの措置を講ずるよう意見を表示する。 中小企業者に適用される租税特別措置について(抜粋)(22年10月26日 財務大臣・経済産業大臣に対して意見表示) ○ 多額の所得を得ていて財務状況が脆弱とは認められない中小企業者が、中小企業者に適用される特別措 置の適用を受けている事態が見受けられたことから、財務省及び経済産業省において、地域経済の柱となり雇 用の大半を担っている財務状況が脆弱な中小企業者を支援するという当該特別措置の趣旨に照らして有効か つ公平に機能しているかの検証を踏まえ、中小企業者に適用される特別措置の適用範囲について検討するな どの措置を講ずるよう意見を表示する。 18 法人税制をめぐる 諸課題 中小法人課税③ (資本金基準について) <資本金と課税所得の関係> (件) 300,000 250,000 282,177 (39.9%) 中小法人(資本金1億円以下)の課税所得の分布 227,835 (32.2%) 200,000 多額の所得を得ながら中小法人課税の 対象となっている企業が存在。 151,113 (21.4%) 150,000 100,000 50,000 23,204 (3.3%) 19,799 (2.8%) 1億円以下 5億円以下 1,984 (0.3%) 974 (0.1%) 46 (0.0%) 10億円以下 50億円以下 100億円以下 21 (0.0%) (所得) 0 100万円以下 800万円以下 5,000万円以下 100億円超 (出典)租税特別措置の適用実態調査(25年度) <資本金を減資により減少させた事例(新聞報道ベース)> A社 B社 ○ 資本金を125億円から1億円に減資。 ○ 取り崩した分は資本準備金とし、財務体質の改善や新規事業への投資に充当。 ○ 累積損失の解消や税制上の優遇措置による収益回復を図るために、1,218億円の 資本金を1億円とすることを計画。 ○ これに対し、「企業再生としては違和感がある」等の指摘。 ○ 最終的に、減資後の資本金は5億円とされた。 19 協同組合等課税① (概要) 法人税制をめぐる 諸課題 <協同組合等向けの税制> (注)協同組合等: 農業協同組合、中小企業等協同組合、消費生活協同組合、信用金庫など(法人税法別表に列挙) 1.軽減税率 税率19%(法人税法) 。さらに、所得800万円以下の部分について、時限的に税率15%(租特法) なお、特定の協同組合等は、店舗売上高が年1,000億円以上等の場合は、所得10億円超の部分に ついて税率22%(租特法) 2.事業分量配当 事業分量配当(組合員に対する、組合事業の利用分量に応じて分配金)の損金算入可(法人税法) 3.貸倒引当金 中小法人と同様に、貸倒引当金を一定の限度額の範囲内で損金算入可(法人税法) 4.欠損金関係 ① 中小法人と同様に、欠損金繰越控除について、所得金額の100%まで損金算入可(法人税法) ② 中小法人と同様に、欠損金繰戻還付(1年間)が可(法人税法) 5.政策減税 農業協同組合など一定の協同組合等は、中小法人向けの政策減税の対象(租特法) 20 協同組合等課税② (信用金庫の例) 法人税制をめぐる 諸課題 <信用金庫と地域銀行の預金量ランキング(27年3月末)> 信用金庫(267先) 地域銀行(105先) 順位 預金量 順位 預金量 1 4兆2,924億円 1 12兆1,585億円 2 3兆5,053億円 2 10兆7,334億円 3 2兆7,492億円 3 8兆8,318億円 4 2兆5,479億円 5 2兆5,149億円 25 4兆2,937億円 10 2兆2,044億円 55 2兆2,204億円 156 2,217億円 105 2,173億円 267 412億円 上位2割の 地域銀行と 同規模 中規模の 地域銀行と 同規模 [出典]全国信用金庫概況、全国銀行財務諸表分析 信金267先のうち156先(約6割)は、預金量 最下位の地域銀行よりも預金量が大きい。 <有価証券保有額が貸出金額を上回る信用金庫の例(平成27年3月末)> 名称 預金量 貸出金(預貸率) 有価証券(預証率) A信金 2兆5,149億円 1兆144億円(40%) 1兆1,050億円(44%) B信金 6,797億円 623億円(9%) 5,123億円(75%) [出典] 信金ディスクロージャー誌等 21 公益法人等課税① (概要) 法人税制をめぐる 諸課題 <公益法人等向けの税制> (注)公益法人等: 公益社団・財団法人、一般社団・財団法人(非営利型)、学校法人、社会福祉法人など (法人税法別表に列挙。なお、特定非営利活動法人などは、別法で公益法人等とみなされる) 1.課税対象 収益事業のみ 2.税率 ① 公益社団・財団法人、一般社団・財団法人(非営利型)など 所得800万円以下の部分について、税率19%(法人税法) 。さらに、時限的に税率15%(租特法) ② ①以外の公益法人等 税率19%(法人税法) 。さらに、所得800万円以下の部分について、時限的に税率15%(租特法) 3.寄附金 収益事業から生じる利益を非収益事業に支出した場合、寄附金とみなして、一定の限度額の範囲内で 損金算入可(法人税法) (注)一般社団・財団法人(非営利型)を除く。特定非営利活動法人は、認定を受けたものに限る 4.貸倒引当金 中小法人と同様に、貸倒引当金を一定の限度額の範囲内で損金算入可(法人税法) 5.欠損金関係 ① 中小法人と同様に、欠損金繰越控除について、所得金額の100%まで損金算入可(法人税法) ② 中小法人と同様に、欠損金繰戻還付(1年間)が可(法人税法) 22 公益法人等課税② (関連制度見直しの動き) 厚労省作成資料 法人税制をめぐる 諸課題 (継続審議) 23