Comments
Transcript
中 小 企 業 支 援 セ ン タ ー に よ る 支 援 金型のリユースと六価クローム・フリー
京都府 中小企業支援センターによる支援 金型のリユースと六価クローム・フリーにより環境にやさしい循環社会に貢献する ャーが出席したことで、従来の協力会社はもと より新規顧客に対しても計り知れない信頼を得 ! ここがポイント ○ ることができ、新製品の評価が一層強まった。 事業可能性評価委員会による高評価を契機に知名度がアップし、 販路が大きく拡大 コーティング 鏡面研磨加工 ⑤精密部品の微細バリの除去 「オスカー認定」企業に対する支援策のフォロ 業種 ーアップ支援として、ビジネスプラン達成のた 本社所在地:京都市南区 め、戦略の検討や増産体制に伴う新規協力会社 資本金 :1,000万円 の斡旋・紹介など的確な経営アドバイスを行う 創業 :平成元年11月 ことで、当該企業の事業展開の構想の具体化に 売上高 :150,000千円 従業員数 : 5名 弾みがついた。 時計用ギアー、放電電極 ⑥摺動抵抗の軽減 ツー・ナイン・ジャパン 金型のスライドピン、エジェクターピンのかじり のリサイクルシステム 防止 ⑦酸化皮膜の除去 各種鋼材の熱処理の酸化皮膜除去、放電電極の酸 TNJ TOP 処理 R ○ 下地処理 化皮膜除去 ⑧処理条件 ■表面処理の課題に着目し「TOP処理」の技 大きさ:400×500×300 mm 術を確立 材 質:金属 すべてOK 表面処理の受託加工及び販売を営むツー・ナ 特 徴:常温処理 歪みなし 京都市中小企業支援センター︵財団法人 京都市中小企業支援センター︶ イン・ジャパンは、二九規長(ふたく・のりな これらの特徴をもつ「TOP処理」により、 が)社長の兄が営む二九精密機械工業(ステンレ 従来不可能とされてきた金型・機械部品のリサ スの難加工・精密加工)から独立し、堀場グルー イクルが可能となった。また短納期(1泊2日体 プのエステックが製作するコーティング装置等 制)で型の再製作のタイムラグが解消され、イニシ の販売代理店として設立された企業である。 ャルコストの軽減が可能となった。 株式会社ツー・ナイン・ジャパン :表面処理受託販売 きね 代表取締役 ■錠剤成型の 杵 と半導体金型への取組み ふたく 二九 「TOP処理」の開発に成功した当社は、マ ーケティングにより、TOP処理とコーティン グの技術を錠剤成型の杵と半導体金型の離型性 にターゲットを絞ることが事業展開を確実なも のにすると判断した。その結果、有害物質のな かの1つ、六価クロームを使わない表面処理の 代替・コーティングが離型性により優れた効果 をもたらすことがわかった。 現在、製薬の打錠成型および半導体の金型分 野に大手企業との契約も取り交わしたところで ■オスカー認定を受けたことで会社と技術の認知 メディア(微粒子の粉体)開発に成功して、他 度が一気に増す 社にはみられない「TOP処理」の技術を確立 「TOP処理」という画期的な処理方法を開発した した。これは、金型の表面にメッキ、コーティ 二九社長は、マネジメント体制の確立という次なる ングなどの表面処理をする前に「TOP処理」 ステージアップの方法を模索していた。そんな折、 という特殊な下地処理をすることで「滑り性」 旧知である京都市中小企業支援センターのプロジ が格段に向上するものである。また、表面処理 ェクトマネージャーにある会合で偶然に再会した。 (コーティング)後に「TOP処理」をするこ その際、京都市中小企業支援センターが実施・推進 とにより、 「離型性」が大きく向上する。 し、ビジネスプランの実現可能性を評価する「企業 <TOP処理の特徴> 価値創出(バリュークリエーション)支援制度」へ ①コーティング皮膜の剥離 の応募を勧められた。応募したところ、平成 15 年 TiN、CrN、TiCN、DCL皮膜、各セ 3月に実現可能性が極めて高い企業として「オスカ ラミック・コーティングの剥離、複合メッキ ー認定」を受けることとなった。この認定を受けた の剥離 ことが新聞等のメディアに紹介され、また京都市中 ②表面の不純物の除去 小企業支援センターが発行する情報紙「インフォメ 放電加工表面の白層除去、研磨加工トレース ーションからすま」でも当社の技術を紹介され、全 内のカエリ除去、金型デポジット除去 国各社からの問い合わせが殺到するなど、当社の販 ③表面状態の改良 マイクロクラック閉塞、金属表面の緻密化 ④金型の品質向上 売戦略に大きく貢献することとなった。 ある。今後、この「TOP処理」の技術を他の 分野にも応用活用していくことが期待されてい る。 製薬錠剤成型用打錠機 打錠成型用杵 3 ヵ 年 販 売 計 画 600百万 伸長率 500百万 400百万 400% 300百万 300% 200百万 200% 100百万 100% さらに平成 15 年4月、当社主催の「新技術・新 製品発表会」並びに「オスカー賞受賞記念発表会」 ゴム・プラスチック金型の離型性、流動性向 に、支援機関である京都市中小企業支援センターの 上。冷間鍛造用パンチ、ダイの破損防止 総務経営支援部長をはじめ、経営・技術各マネージ 1 4 期 ∼15年9月 TOPシリーズ (新規事業) 1 5 期 ∼16年9月 表面処理受託販売 (従来事業) 規長 当社が開発したTOP処理技術により、離型という極 めて難しい技術的な問題を克服することができました。 またリユースの際に、低コストや有害物質の六価クロー ムの排除による省資源化など、他社にない特徴をつける ことで、環境保全も含め地域社会の活性化に寄与できる ものと確信しております。 平成 15 年3月に受けた「オスカー認定」が新規事業 に強い追い風となっており、さらに支援センターの方々 からの経営面・技術面の的確なアドバイスを受け、事業 が順調に展開しています。心から感謝申し上げます。 二九社長は表面処理の重要課題は下地処理に あることに着目し、マイクロ・ブラスト装置の のりなが 1 6 期 ∼17年9月 粗利予測 1 7 期 ∼18年9月 15期に対する TOPシリーズ伸長率