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第81回埼玉県環境影響評価技術審議会議事録(PDF:543KB)

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第81回埼玉県環境影響評価技術審議会議事録(PDF:543KB)
第81回 埼玉県環境影響評価技術審議会
平成24年3月27日(火)
午後1時00分開会
○司会(竹原) それでは、定刻になりましたので、第81回埼玉県環境影響評価技術審議会を開催
いたします。
開催に当たりまして、一言ごあいさつ申し上げます。私は、環境政策課の竹原と申します。本日は
お忙しいところ、第81回埼玉県環境影響評価技術審議会に御出席いただき、まことにありがとうご
ざいます。また、委員の皆様方におかれましては、日ごろから埼玉県の環境行政の推進に御指導、御
鞭撻いただきまして、まことにありがとうございます。
さて、昨年の3月11日の大震災以来、県庁では全庁を挙げて震災対策に取り組んでまいりました。
環境部におきましても、シンチレーションサーベイメーターを用いまして、県内各地の測定を行って
まいりました。また、文部科学省から委託を受けまして、モニタリングポスト5台とゲルマニウム半
導体検出器1台を現在設置をしております。4月から運用できるように現在準備を進めているところ
でございます。
また、環境影響評価法も昨年改正をされまして、この4月に一部施行、来年には全面施行というこ
とになります。県におきましても、条例を改正すべく準備を始めたところでございます。震災の影響
によりまして、復興対策ということで、環境影響評価が一部簡略化される、あるいは省略されるよう
なことも起こっておりますけれども、環境影響評価の重要性に変わりはないというふうに考えており
ます。
委員の皆様方には、きょう3件の準備書の審査をいただきます。年度末の忙しいところですが、よ
ろしくお願いいたしたいと思います。委員の皆様方には、専門分野だけでなく、大所高所から活発な
御議論をいただくようにお願いしまして、あいさつとさせていただきます。
続きまして、米林会長からごあいさつをいただきます。
〇会長(米林) 本日は、年度末のお忙しい中、お集まりいただきまして、どうもありがとうござい
ます。座らせて失礼いたします。
埼玉県の環境行政に関しましては、この間出ました岩波新書の中で、戦略アセスに関して、ノーア
クションのオプションがないということを除けば日本で最も進んでいる戦略アセスだというふうにお
褒めをいただいておりますので、我々としてもその一翼を担う者としてその期待にこたえていければ
というふうに思っています。
一方で、生物多様性条約の締約国会議で示された愛知ターゲットの中では、生物多様性の実質的に
低下しないようにするための取り組みが求められております。その流れの中で、地域行動計画という
ようなものがいろいろなところで策定されているわけですが、それに関してはちょっと埼玉県は出お
くれているかなというふうに思いますので、そちらのほうもぜひ期待にこたえるような形で進んでい
ただければというふうに思います。
それで、本日の審議会は平成23年1月に圏央鶴ヶ島IC周辺整備基本構想に係る戦略アセスの報
-1-
告書を審議して以来ですので、1年と少したったということになります。平成23年度になりまして、
平成21年度及び22年度に当審議会で調査計画書を審議しました3事業について調査、予測評価が
行われて、3事業とも準備書が提出されました。
このため、3事業で特に必要と思われる環境項目の委員さんで小委員会を構成して、昨年12月末
からことしの3月初めにかけて小委員会で検討していただき、小委員会意見をまとめていただいたと
ころでございます。いずれも工業団地の造成ですので、事業内容は同じですが、幸手市の事業は田園
風景との調和を、それから東松山市の事業は化石産地の保全を、それから吉見町の事業は埋蔵文化財
や地下水位に対する配慮を特に盛り込んでおります。
本日は、条例アセスの手続の中で重要な段階である準備書について審査いただきますので、委員の
皆様には環境保全の見地から活発に御議論いただくようによろしくお願いいたします。
○司会(竹原) それではここで、資料の確認をお願いいたします。
まず、次第がございます。その下に出席者名簿、座席表、委員名簿、資料一覧がございます。
資料一覧の下の資料1から資料3は、圏央道幸手IC東側地域の整備計画に係る資料でございます。
資料1は整備計画のあらまし、資料2は手続の概要、資料3は小委員会意見でございます。
続きまして、資料4から5は葛袋土地区画整理事業に係る資料でございます。資料4は手続の概要、
資料5は小委員会意見でございます。
続きまして、資料6から8は西吉見南部土地区画整理事業に係る資料でございます。資料6はA3
両面で準備書のあらまし、資料7は手続の概要、資料8は小委員会意見でございます。
また、参考資料1は、葛袋土地区画整理事業に係る準備書に対する住民意見への見解書、参考資料
2、3は両面で審議会規則、要領でございます。その他、3事業の準備書概要及び本編を皆様の机の
上に御用意させていただいております。
以上でございますが、不足がございましたらお手をお挙げください。
(発言の声なし)
○司会(竹原) それでは、議事に移らせていただきます。
ここからは、審議会規則により、米林会長に議長として進行をお願いいたします。
米林会長、よろしくお願いいたします。
〇議長(米林) それでは、ここから私が議長を務めさせていただきますので、委員の皆様には議事
の円滑な進行に御協力をお願いいたします。
議事に先立ちまして、本日の会議の出席者数について、事務局から報告をお願いいたします。
〇事務局(落合) 本日の会議は、委員総数18名のうち12名の御出席をいただいておりますので、
審議会規則により本会議が成立していることを御報告いたします。
〇議長(米林) 続きまして、会議の公開について、事務局から引き続き御説明をお願いします。
〇事務局(落合) 本日の審議会に1名の傍聴希望者が来ております。審議会規則第8条では、審議
会は公開することとしていますが、出席委員の3分の2以上の議決で非公開とすることができます。
〇議長(米林) 審議会は原則公開ということですが、公開することでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
-2-
〇議長(米林) 御異議ないようですので、公開といたします。
それでは、傍聴希望者を会場に入れてください。
(傍聴者入場)
〇議長(米林) 傍聴の方に注意事項を申し上げます。
審議会の傍聴に当たりましては、静粛に傍聴して、議事の妨害をしないようにお願いいたします。
また、傍聴の方は意見を述べたり質問したり印刷物を配付したりすることはできませんので、あらか
じめお断り申し上げます。さらに、この審議会の秩序を乱したり不穏当な言動をされたりした方には
退出していただきます。
なお、会場内での飲食、喫煙、写真撮影、録画、録音等は御遠慮ください。写真を撮影される場合
は、議事の冒頭のみ許可しますので、そのときにお願いいたします。
それでは、本日の会議の議事録署名についてですが、荒井委員と、それから小口委員にお願いした
いと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
〇議長(米林) ありがとうございます。
それでは、次第に従いまして、議事に入らせていただきます。
まず、議事の1番でございます。最初の議事は、圏央道幸手IC(仮称)東側地域の整備計画に係
る環境影響評価準備書についてですが、本日は事業者にこの会議に出席してもらうこととなっており
ます。
それでは、この事業につきましては、小委員会において審議されて、意見がまとめられております。
本日は、全体の審議会として知事に答申する意見をまとめることとなりますが、構成された小委員会
以外の委員の皆様に改めて事業概要等について御説明します。
では、事業者である県企業局地域整備課から説明をお願いします。
〇県企業局(大嶋) 埼玉県企業局地域整備課主幹の大嶋と申します。よろしくお願いします。時間
の都合もございますので、手短に概要説明をさせていただきます。
圏央道幸手IC東側地区の産業団地整備計画につきましては、平成23年度より埼玉県企業局が事
業主体となり、幸手市と共同で事業を進めていくこととなりました。埼玉県企業局では、この環境ア
セスメントの手続を進め、周辺の田園空間と調和した開発を進めていきたいと考えております。よろ
しくお願いいたします。
事業概要につきましては、事前に配付いたしました準備書概要版を使って説明させていただきます。
2ページを御覧ください。事業者は、埼玉県企業局になります。事業の目的ですが、産業団地の造成
を目的とする開発事業になります。
なお、本事業は田園都市産業ゾーンの先導モデル地区に指定されていることから、本方針にのっと
り、事業を進めてまいります。
3ページ及び4ページを御覧ください。計画地は、現在整備中の圏央道幸手IC(仮称)の東側地
区にあります。住所は、幸手市大字平須賀、大字神扇ほかであります。
5ページを御覧ください。実施期間につきましては、平成27年度までに造成工事を完了させ、進
-3-
出企業による建築工事は平成28年度以降となるよう計画しております。現在農林調整を進めており、
都市計画変更後、工事を進める計画です。都市計画の決定権者は幸手市になります。
土地利用計画につきましては、6ページの計画図もあわせて御覧ください。開発面積は47.32
ヘクタールとなります。そのうち約79%の37.28ヘクタールを産業等用地として分譲する計画
です。進出企業は、製造業、流通業、研究施設等を想定しております。
7ページを御覧ください。産業団地操業時の車両の発生状況想定と産業団地造成工事の工程表を記
載しておりますので、御確認ください。事業概要の説明は以上になります。
続きまして、調査計画書についての知事の意見に対して、事業者の意見をまとめましたので、御説
明いたします。配付資料1番、2ページ及び3ページを御覧ください。事業者の見解を一覧表にまと
め、記載しております。調査計画書から準備書において大きく変わった代表的な項目を説明します。
資料1の3ページ目、(3)景観、ア、イにつきまして、計画地周辺の田園風景や計画地近傍から眺
望できる筑波山等の遠景を景観資源ととらえ、景観に関する評価項目を新たに追加いたしました。事
業実施後の計画が計画地周辺の田園風景等と調和したものとなるよう、立地施設の高さを極力低く抑
えるよう配慮するとともに、屋敷林をイメージした緩衝緑地帯や公園の修景に配慮し、計画を進めて
まいります。
私からの説明は以上になります。準備書概要版8ページ以降の環境影響評価の各項目につきまして
は、コンサルタントから詳細を説明いたします。
〇事業者(土肥) それでは引き続き、私、株式会社プレック研究所の土肥から8ページ以降につき
まして説明をさせていただきます。
8ページに記載しておりますのが本環境影響評価の選定した項目ということで、一覧にまとめてご
ざいます。先ほどの知事意見に対する見解の説明にもありましたように、調査計画書の段階から景観
資源につきましては追加をしてございます。9ページにつきましては、それぞれの現地調査を行った
ポイントですとか範囲を示した図でございます。
10ページに示しておりますのがそれらの現地調査を行いました期間ですとか頻度、また日程につ
いて記載をさせていただいております。追加をしました景観資源につきましては、昨年の4月の春の
段階で景観資源の調査を追加しております。また、調査計画書を公告縦覧している段階で既にある程
度現地調査が終了しておりましたので、その後変更がないかどうかといったことも含めて、現地の確
認をあわせて4月の段階でさせていただいております。
11ページから各項目の予測評価の概要になります。時間の都合もございますので、ポイントだけ
絞り込んで説明をさせていただきます。まず、11ページ、大気質でございますけれども、建設機械
の稼働による大気質への影響ということで予測評価を行っております。特に建設機械の稼働による大
気質への影響につきましては、問題になるような予測値は予測されませんでした。下の段に示してお
りますような排ガス対策型の建設機械を使用するですとか、アイドリングストップを徹底する、また
不要な空ぶかしを行わない、また効率的な工事計画を検討して建設機械の集中稼働を避ける、またき
ちんと建設機械の整備、点検をするといった、このような通常行われるような環境配慮を行うことで
大気質については特に大きな問題は発生しないというふうに評価してございます。
-4-
次のページに移らせていただきます。12ページは、資材運搬車両の走行に伴う大気質への影響と
いうことですが、こちらにつきましても特に問題になるような値は予測されませんでした。下の段に
同じように環境保全措置として示してございます。排ガス規制に適合した車を使うですとか、また建
設機械と同じように、資材運搬車両がいっときに1カ所に集中するようなことがないようにといった
こと、またアイドリングストップをちゃんと徹底してやるといった通常の対策をとることとしてござ
います。
13ページは、造成工事に伴う粉じんについて予測を行っております。こちらにつきましても、特
に問題になるような予測値は予測されませんでした。環境保全措置としましては、ほこりが立たない
ようにきちんと掃除をするですとか、またダンプ、トラックのタイヤを洗浄するとか、そういった通
常行われる粉じん対策を行うこととしております。
14ページにつきましては、施設の稼働に伴う大気質への影響ということで予測をしております。
こちらにつきましても特に問題になるような値は予測されませんでした。立地企業につきましては、
具体的な業種についてはまだ確定していないということもございますので、大気質につきましては、
環境負荷が大きくなるであろうと考えられる石油製品、石炭製品製造業といった、排ガスが最も多く
出るであろうと考えられる業種について想定して予測を行ってございます。
次の15ページにつきましては、供用時におけます自動車交通に伴う大気質への影響ということで
予測をしております。こちらにつきましても、供用時の交通量の増加に伴う影響も特に問題になるよ
うな値は予測されませんでした。
次は、16ページ、騒音、低周波音ということで記載しております。まず、16ページの建設機械
の稼働による騒音ですけれども、こちらにつきましては、特に敷地境界でLA5を予測しております
けれども、工事中につきましては、特に問題になるような値は予測されませんでした。
次のページの17ページにつきましても同様でございます。工事中の資材運搬車両の走行に伴う騒
音の影響も特に問題になるような値は予測されませんでした。
次の18ページですけれども、施設の稼働に伴う騒音を示してございます。こちらにつきましては、
予測を行いました結果、地点1と地点3である特定の時間帯において整合を図るべき基準を超える可
能性があるというふうに予測されました。なお、地点1につきましては、真ん中の表の一番上の部分
になりますけれども、予測値が64デシベル、また整合を図るべき基準というのが60デシベルとい
うことで、4デシベルほどオーバーするといった予測値になります。ただし、暗騒音のところに示し
ておりますように、既にバックグラウンドとなります暗騒音が64デシベルということで、既に超え
ているという状況でございます。
この地点1というのが18ページの下の図に示しておりますけれども、一番下の地点になります。
ちょうど道路沿いにここの地点はなりますので、朝の時間帯、通勤に車を使われる方がここをよく使
用されるということで、朝方の自動車の交通量が結構あるということ、それから信号がない真っすぐ
な道なものですから、速度もある程度出しておられるといったことで、現状で車の騒音がある程度高
いといった現状がございます。それが原因で予測値としてはオーバーしておりますけれども、施設の
稼働による付加分としましては特に大きく寄与するものではないというふうに予測されます。
-5-
また、地点3につきましては、夜間の時間帯において、こちらについても整合を図るべき基準を1
デシベルほどオーバーするといった予測値になってございます。こちらも下の図に示しておりますよ
うに一番上の部分の地点になります。こちらにつきましては、下の注釈の2のところに示しておりま
すけれども、建屋、工場の壁を少し吸音効果の高い壁を設けることで十分に基準値を下回らせること
ができるというふうに考えてございます。また、今回工場の配置ですとか大きさにつきましてはまだ
明確になっていないものですから、建てられる最大限の規模で想定してございます。したがって、敷
地のぎりぎりまで建物が来ているという状態で、そういった想定で予測をしておりますので、もう少
し規模が小さくなって、敷地境界から工場がもう少し離れるような状態であれば、基準値もクリアで
きるというふうに考えられます。
19ページにつきましては、敷地境界ではなくて、周辺の民家があるようなところで予測を行った
ものでございます。透過騒音レベルを予測しておりますが、19ページの上の段の表に示しておりま
すのが施設の稼働に伴う騒音の予測値ということで、こちらにつきましては整合を図るべき基準値、
環境基準をすべて下回っているという状態でございます。
19ページの下の段の表につきましては、すぐ隣接して圏央道が計画されておりますので、そちら
での圏央道が供用されたときに想定される騒音を加味した場合にどうなるかというものを予測してご
ざいます。こちらにつきましては、地点2と地点3のところで夜間の時間帯で3デシベルほどオーバ
ーする可能性があるといったことが予測されます。保全措置としましては、進出企業に対しましては
騒音規制法ですとか、また県の生活環境保全条例に定める規制基準を遵守させるとともに、必要に応
じて防音対策の徹底等による未然の公害防止に努めるように指導していくこととしております。
次に、20ページでございます。供用時におけます交通量の増加に伴う騒音ということで予測して
おります。こちらにつきましては、図に示しておりますように、今回の計画地の真ん中を横断するよ
うな形で走っております県道、将来的には都市計画道路ということで拡幅される予定ですけれども、
将来的な交通量の増加も見込んだ予測を行っておりますけれども、こちらにつきましても特に問題に
なるような値は予測されておりません。
21ページは低周波音になります。施設の稼働に伴う低周波音ですが、低周波音につきましても、
地点3のところで整合を図るべき基準として挙げている基準値を上回るというふうに予測をされまし
た。先ほど申しましたように、最大限の工場の規模で予測をしておりますので、その工場の中心に当
たる部分に発生源を設定して予測をしております。したがいまして、保全措置のところにも記載して
おりますけれども、もちろんそういった低周波音を発生させるような機器、これをきちんと固定させ
るといったこともございますけれども、屋外に設置するそういった機器につきましては、住宅等の分
布に配慮した配置計画を検討するように指導していくということで、できるだけ保全対象から離した
形で設置することで基準値も満足させることができるというふうに考えてございます。
22ページ、振動になります。振動につきましては、工事中、供用時ともに特に問題になるような
値は予測されませんでした。
24ページに悪臭を記載してございます。悪臭につきましても、特に問題になる値は予測されてお
りません。
-6-
25ページにつきましては水質、こちらにつきましては工事中の濁水が外に出ていくことに対して
の保全措置ということで検討しております。工事中につきましては、調整池を予定している場所に仮
設の沈砂池を設けまして、工事中に降った雨水についてはそこに一たんためて、それを外に出してい
くと。必要に応じてpHの調整なんかも行っていくということで影響の低減に努めることとしてござ
います。
26ページに土壌と地盤ということで記載しております。土壌につきましては、土壌汚染物質に係
る項目の現地調査を行いましたけれども、特に土壌汚染に係る環境基準を上回るようなものは検出さ
れておりません。したがいまして、予測評価の項目からは除外という形で、現地調査の結果を記載す
るのみとさせていただいております。地盤につきましても、特に問題となるようなことは予測されま
せんでした。
次に、27ページ、動物について示しておりますが、動物、植物、生態系に共通する保全措置とし
まして29ページに図で示してございます。まず、今回の事業、工業団地の造成ということで、基本
的に事業の特性上、全面的に造成せざるを得ないというところがございます。ただし、中には公園用
地として緑地を設けている部分もございますので、現在ある田園風景がなくなる部分を少しでも代償
するという形で、公園用地として予定しているところに湿地性のビオトープを設置することとしてご
ざいます。
また、そのように創出しました湿地性のビオトープの部分につきまして、重要な種と考えられる植
物につきましては移植先というふうに位置づけてございます。水田が広がっているようなところでご
ざいますので、水田の周りですとか、またあぜのようなところに生える湿地性の貴重種が非常に多い
ものですから、こういった湿地性のビオトープを創出したところで植物の貴重種については移植を行
うこととしております。
また、緑の創出ということで、緑地部分につきましては、屋敷林をイメージして、自然植生ですと
か、また地元にある植物種を中心に植えていくといったことで環境にも配慮していこうというふうに
考えてございます。
また、動物への配慮としまして、先ほど申しました、ちょうど計画地の中央部分を横断しておりま
す現在の県道、将来的に都市計画道路になる部分、これを水路が横断する部分がございますので、そ
この部分につきましてはアンダーパスを設けまして、中型の哺乳類ですとか、そういったものが道路
の上を通らなくても横断できるような形のものを設置することとしてございます。このような形で動
物、植物、生態系につきましては環境保全措置として検討することとしております。
33ページに景観について示してございます。先ほど追加したと申しました景観資源につきまして
は、遠くに見える筑波山ですとか、また今現在計画地にもなっております水田地帯、それ自体も景観
資源というふうに位置づけまして、景観資源につきましてはできるだけ改変を少なくするような形で
計画段階で計画地を最小限にとどめているということがございます。また、遠景に視認されます筑波
山のような景観資源につきましては、確かに今回の事業を行うことでそれらが遮られてしまうといっ
た地点もございますけれども、周りにはまだまだ筑波山のような遠景の眺望対象を望むことができる
地点というのは十分残されているというふうに評価してございます。
-7-
眺望景観につきましては、34ページに代表的な3地点について将来的なフォトモンタージュとい
うものを記載してございます。
35ページの下にそれぞれの地点について示してございます。ちょうど図で示してございますよう
に、図の上の部分、下の部分、それからちょっと右下になりますけれども、その3地点について予測
評価を行いました。この位置図の左側につきましては、圏央道が近接して設置されるということ、そ
れからそこの部分というのが高架にしますので、それとまたさらに眺望を主体としたような、そうい
った地点もないということで、こちらの3地点で予測評価を行いました。
36ページ、廃棄物でございます。こちらにつきましては、工事中につきましては、既存の構造物
の撤去がございますけれども、コンクリートですとかパイプライン、また既設の舗装したところのも
の、そういったものは基本的には100%再利用するということで考えております。また、供用時に
つきましては、進出される企業のほうに、できるだけ廃棄物の排出量を抑えるようにすること、また
出たものにつきましてはリサイクル、再利用にできるだけ回していくといったことを指導していくこ
ととしております。
38ページにつきましては、温室効果ガスについて記載をしております。工事中につきましても、
また供用時につきましても発生量をできるだけ減らすという形で対策をとることとしてございます。
41ページは、事後調査の計画ということで記載をしております。基本的に大気、騒音、振動、悪
臭、水質につきましては、供用時において事後調査を行うこととしております。なお、水質につきま
しては、工事中の濁水が懸念されますので、予測結果の検証ということで、工事中の事後調査を実施
することとしてございます。
また、自然環境等につきましても、基本的には供用時について予測をすることとしておりますけれ
ども、植物につきましては貴重種の移植をすることとしております。工事を着手する前に採取をする
必要があります。また、先ほど申しましたように、創出する湿地性のビオトープのところを移植先と
考えておりますので、そこの場所が整備されるまでの間は仮移植という形をとらなければなりません
ので、その間の仮移植中の維持管理ということもありますので、植物につきましては工事中について
も事後調査を行うこととしてございます。
基本的には、42ページに示しておりますように、予測評価の結果や保全措置の効果の確認ができ
るように、現地調査を行った地点、また保全措置を講じる場所で行うこととしております。43ペー
ジが事後調査のスケジュールということで、記載をさせていただいております。
以上で準備書の概要につきまして説明を終わらせていただきます。
〇議長(米林) それでは続きまして、アセスメント手続の状況について事務局から説明をお願いし
ます。
〇事務局(落合) 事務局です。お手元の資料2を御覧ください。圏央道幸手IC整備計画に係る手
続の概要ということで、表面が戦略アセスの手続、裏面が条例アセスの手続となってございます。
まず、戦略アセスにおいては、事業者が幸手市さんということで記載されています。計画規模49
ヘクタールから65.5ヘクタールというアバウトな計画でございます。関係市町村は、幸手市、久
喜市、杉戸町、茨城県五霞町となってございます。21年の1月26日に計画書を受理いたしまして、
-8-
報告書の知事意見回答が平成22年6月16日となってございます。
裏面にいっていただきまして、条例アセス手続ですが、事業者が今回は埼玉県企業局と幸手市から
移管されてございます。それから、事業規模についても47.32ヘクタールと明確にされてござい
ます。計画書の受理が平成22年12月3日、そしてきょう、平成24年3月27日に技術審議会全
体会を開いているという状況でございます。
以上でございます。
〇議長(米林) 引き続きまして、小委員会意見につきまして、小委員会の宗方委員長が御欠席のた
め、委員長から委任されております星野委員から御説明をお願いいたします。
〇星野委員 資料3でございます。本小委員会の委員は、私のほか宗方委員長、佐々木委員、冨岡委
員の4名により構成されております。本小委員会では、12月22日に計画地の現地調査や事業者に
対する質疑を行い、現地調査及び質疑応答を踏まえた審議を2月20日に行いました。その後、調整
を踏まえ、本小委員会の意見を取りまとめましたので、資料3に基づき説明させていただきます。
まず、全般事項といたしまして、この事業は産業団地の造成でありますので、具体的な企業の進出
に当たっては、工場の建設、稼働に伴う公害の発生防止に留意するよう指導することとし、また施工
後も、周辺が農地に囲まれることから、進出企業は周辺の農業環境に調和した環境整備に努めること
とした意見です。
次に、2番目、騒音でございますが、現況の調査で計画地内を走る道路沿線で既に環境基準を超え
ており、将来の圏央道開通や進出企業の稼働により、さらなる悪化が予想されます。このため、特定
の道路へ走行を集中させない交通計画等により、周辺民家への影響をできるだけ抑えるように配慮す
ることとした意見です。
3番目の水質、土壌及び水象でございますが、計画地内に地下水の水道水源があることから、搬入
される盛土材や進出企業による土壌、地下水汚染防止に十分注意することとし、また進出企業は雨水
の利用や透水舗装など地下水の涵養に努めることとした意見でございます。
4番目の動植物及び生態系でございますが、動植物及び生態系におけるミティゲーションでは、移
植、仮置き、事後調査を含め、管理のあり方を担保するため、専門家の指導助言を求め、モニタリン
グを含めた順応的な管理をすることとした意見です。
5番目の景観ですが、この事業はインターチェンジ東側地域に周辺の田園環境と調和した工業団地
の整備を図ることをコンセプトとしておりますから、(1)として、郷土種を用いて外周緑地を創出
すること、(2)としまして、建築物の色彩の制限や光害の防止について進出企業を指導すること、
また(3)として、景観の予測地点に近景を加え、開通される圏央道も含めた予測をすることを意見
としました。
以上で小委員会意見書の内容の説明を終了します。
〇議長(米林) ありがとうございます。
そうしましたら、本日御出席のほかの小委員会委員の皆様にもコメントをいただきたいと思います。
冨岡委員、どうぞお願いできますでしょうか。
〇冨岡委員 今の意見にも出ていたのですけれども、地下水の水源があるということでしたので、そ
-9-
の部分に汚濁などが入らないようにということで、十分注意していただきたいということをお願いい
たしました。
〇議長(米林) ありがとうございます。
そうしましたら、これまでの事業者及び事務局からの説明、それから小委員会からの意見につきま
して、そのほかの委員の皆様から御質問、御意見がございましたらお願いしたいと思います。
〇鈴木委員 小委員会意見でちょっとお伺いしたいのですが、3番の水質、土壌及び水象のところで
計画地内に地下水の水道水源があるというのは、井戸そのものがあるのですか。それは、廃止にはな
らずに存続すると。
それから、2点ばかりあるのですが、よろしいでしょうか。
〇議長(米林) はい。
〇鈴木委員 準備書のほうになるんですが、これは1つは文言だけです。18ページ、処理施設計画
の(1)汚水排水のところで、産業汚水は各立地企業において排水規制値以下に個別処理したものを
と書いておられますけれども、排水規制というのは公共用水域に出すのを念頭に置いた言葉だと思い
ますので、ここは公共下水道に接続されるということから、公共下水道に受け入れ可能な水質まで個
別処理したものをというふうに変えたほうがいいと思います。言葉の変更だけです。
〇議長(米林) 事業者のほうから何かコメントはございますでしょうか、ただいまの御指摘に対し
まして。
〇県企業局(大嶋) 修正したいと思います。
〇議長(米林) では、もう一点。
〇鈴木委員 321ページの水質の工事における濁水とかの予測なんですが、その予測の前提として
データをいろいろとっておられるんですが、予測自体が定性的に行われておりまして、ここはどのく
らい仮設沈砂池に受け入れられる容量があるか、あるいはなければ、どのくらいの滞留時間があるか
とか、そのあたりを計算していただく必要があると思います。
〇議長(米林) ただいまの御指摘に対してはいかがでしょうか。
〇県企業局(大嶋) 現在詳細設計を進めておりますので、その中で検討してまいりたいと思います。
〇鈴木委員 それは、評価書の中に書かれるんですか。
〇事業者(土肥) 工事中の仮設沈砂池の規模等につきましては、今おっしゃられたように現在検討
されているということで、どの段階で確定できるかといったところがちょっと不明な部分がございま
すので、どういった形で今いただいた御指摘に対応できるかということは、工事計画の検討の中で県
と調整をしながら、こちらのほうでもちょっと検討させていただきたいなというふうに思っておりま
す。
〇鈴木委員 ちょっとほかの例を出して申しわけないんですが、ほかの評価書ではちゃんと計算され
ています。ある程度の過程を見つつ、やはりここは大体オーケーかどうかは評価していただかないと、
これで委員会で認めたということになると、何を根拠に認めたのかということになります。
〇議長(米林) 評価書のほうに反映させるという方向はできませんかね。
〇県企業局(大嶋) それでは、詳細設計の中で、こちらの今検討している中で調整をしまして想定
-10-
したいと思います。
〇議長(米林) そのほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
〇佐藤委員 温室効果ガス等に関してなんですが、概要版の38ページの評価のほう、予測係数を設
定して、一般的な事業計画に基づくベースライン、それから定量的な環境保全措置を反映した場合、
これを比較しているわけなんですが、既存で存在している企業等に対しての比較ならわかりやすいん
ですが、今後この新しい開発されたところに進出する企業ですから、事業計画に基づくベースライン
といいますのも、各進出する企業としては最大限の省エネルギー、省資源を考慮した計画で対応して
くるのではないかというふうに思うわけです。ですから、この一般的な事業計画に基づくベースライ
ンを比較対象にする比較の仕方について、妥当性がもう一つよく理解できないという点がありますの
で、これについてちょっと御回答をお願いしたい。
それから、同じく40ページ、施設の稼働に際して環境保全のための措置としまして、進出予定企
業に対し、埼玉県地球温暖化対策推進条例に基づき、地球温暖化対策計画及び地球温暖化対策実施状
況報告書を作成し、知事に提出するように指導するというふうな措置がありますけれども、この指導
を実際に行い、その結果をモニタリングするのは、事業者である企業局さんが引き続き行うという理
解でよろしいんでしょうか。
以上、お願いします。
〇議長(米林) 2点ございましたが、いかがでしょうか。
〇事業者(土肥) 1つ目の一般的な事業計画に基づくベースラインの部分なのですが、過去の事例
に基づいて公表されているエネルギー消費の統計資料のようなものをベースにしてございます。御指
摘いただいたような、これから建つであろう、これから入ってくる新しい企業さんの最大限削減した
ものというのが、どういった形でその数値的なものが入手できるのか探してみたいと思います。その
ベースになるものの情報というのがどういう形で入手できるのか、今現在私のほうでわからない部分
がございますので、確認させていただきたいというふうに思います。
〇佐藤委員 この件につきましては、埼玉県でアセスを審査する立場として、県のお考えがあれば、
あわせてお聞きしたいんですが。今後の対応になると思いますが。
〇事務局(落合) 県のほうで、地球温暖化対策課で計画を練ってございますが、削減計画といった
もの、1995年でしょうか、その値に比べてこれだけ減らしなさいよという目標は立っているんで
すが、その根拠となっている数値についてはまだ示されていない状況でございます。コンサルタント
さんのほうも県の指導によってここまで減らせればというようなことから、このベースラインに対し
てこのぐらいというのを出して、入れているという例が多く見受けられます。
〇佐藤委員 今後のことになると思いますが、よろしく御検討をお願いします。
もう一点のほうをお願いします。
〇議長(米林) もう一点の後半の部分ですかね。
〇県企業局(大嶋) この件に関しての指導という部分では、分譲案内、あるいは分譲の説明の段階
で入居を希望する企業さんにお願いするというような形をとろうかと思っております。その後の調査
とか指導監督というものは、企業局のほうではとりあえず考えておりません。
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〇佐藤委員 この表現としては、このままでよろしいんでしょうか。指導という言葉に非常に強制力
を感じたものですから、質問させてもらっているんですけれども。
〇県企業局(大嶋) 企業局として、指導という言葉はちょっと過激かなとは思うんですけれども、
要はお願いという部分でしかないのかなと。
〇議長(米林) この条例の中には、指導するというようなことが書かれているわけですか。
〇県企業局(大嶋) 環境に対して、うちは行政としての立場ではないものですから、監督官庁とし
ては環境部さんになりますので、詳しいコメントは私のほうではちょっとできないと。
〇事務局(落合) 企業の方には努力していただいて、条例もありますので、それを遵守してほしい
ということでございます。
〇議長(米林) よろしいですか。
〇佐藤委員 はい。
〇議長(米林) 関連して私のほうから、つくった後までの管理を担保するということで、星野委員
のほうからもミティゲーションに当たっての事後の管理の担保という重要性が指摘されたかと思うん
ですけれども、特にこの湿地性のものとかいうのは、植えた後の管理が非常に重要になります。多分
ほうっておけばヨシ原になっていったりとか、そういうことになってしまいますので、その管理をど
のように担保するかということに関しては、つまりだれが責任を持って続けていくのかということを
どういうふうに想定しておられるでしょうか。
〇県企業局(大嶋) つくりました公共施設、道路、公園、公共施設はすべて地元の幸手市さんに埼
玉県企業局から引き渡しをいたします。引き渡し後につきましての管理は、すべて幸手市さんが行い
ます。
〇議長(米林) そのほかの委員の先生方、小委員会では専門も限られますので、そのほかの専門の
先生方の御意見もいただければありがたいと思うんですが、いかがでしょうか。
〇小松委員 概要版の8ページに調査項目があるんですけれども、地下水は初期調査も事後調査もな
い。これは、どうしてなのかなというふうにちょっと疑問に思っています。工業団地ですから、いろ
いろな企業が入って、もちろん原則的には一切そういうものが流れ出ないのがあれですけど、万一事
故とかで流れ出た場合に初期値がないというのは致命的だと思います。なぜその初期値を把握されな
いのか。小委員会の意見の中にも、3番で土壌、地下水汚染の防止に十分留意することというふうに
書いてありますけど、一応土壌のほうは、初期調査というか、工事のときの調査があって、事後はな
いんですけど、地下水がないのはどういう理由なのか、ちょっと御説明をお願いします。
〇事業者(土肥) 土壌汚染につきましては、基本的にあそこは、今回の事業につきましては盛土が
中心になるんですけれども、一部調整池のところについては掘削も入るということで、土砂を動かす
というものがございますので、掘削したものも盛土材の一部として使うといったことがございますの
で、現状の汚染物質があるかないかといったことの確認をするというか、調査を実施いたしました。
地下水につきましては、先ほども御指摘いただきましたように、基本的には企業さんのほうで漏えい
することがないようにきちんと管理していただくといったところが基本であるというふうな考えに基
づきまして、特に評価項目とはしていないという状況でございます。
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〇小松委員 もちろんそういう努力をしていただくのですけれども、事故が起こらない、例えば地震
が起こるとか、起こらないという保証はないわけです。そのときに初期値がないというのはやっぱり
相当致命的で、初期値に比べて何か汚れたとか汚れていないとか言えるわけなんですよ。だから、専
門家の立場から言えば、ちゃんと初期値を把握しておくべきだというふうに思いますけれども、御検
討いただければと思います。
〇県企業局(大嶋) 現地に幸手市さんの地下水源がございますので、そういう意味ではそのデータ
はとってあります。
〇小松委員 ちょっと場所もよくわかりませんけど、それが初期値として使えるということであれば
それで何とかなるのかなと思いますけれども、その辺はどういうふうにその値がここに入ってくるの
かというのが私にはわかりません。
〇事業者(土肥) 幸手市さんのほうでその情報について確認していただきまして、入手したものは
評価書の資料編のほうに、現状こういう水質になっていますといったこと、採取した場所ももちろん
含めて、そういったデータについては評価書に記載するようにしたいと思います。
〇議長(米林) 貴重なアドバイスありがとうございました。
そのほかございますでしょうか。
〇荒井委員 事後調査の件で、概要版の43ページになります。田園風景を非常に重視された計画と
いうことで記述されていると思いますが、事後調査の計画のところでは2年後の夏季に1回実施とい
うことになっていらっしゃいますが、景観資源として筑波山が挙げられているということで、冬期に
も1回行って、2回行われるほうが、重視されているということですので、よろしいのではないかと
思いますけれども、御意見をお聞かせ願えればと思います。
〇県企業局(大嶋) 御指摘のとおり、夏だけではなく適宜調査を組みたいと思います。
〇議長(米林) そのほかいかがでしょうか。
(発言の声なし)
〇議長(米林) そうしましたら、ほかに御意見、御質問等がないようですので、今後の進め方につ
いて事務局から御説明をお願いします。
〇事務局(落合) 事務局です。今後本日の技術審議会の議事録を作成いたしまして、出席委員の皆
様に御確認をいただいた上、それに基づきまして技術審議会の御意見として取りまとめていただきた
いと存じます。
〇議長(米林) ただいま説明がありましたけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
〇議長(米林) ありがとうございます。特段御異議ないようですので、そのような形で進めさせて
いただきます。
それでは、答申の取りまとめ方については、きょう御紹介いただきました小委員会意見をもとに、
本日委員の先生方からいただいた意見を十分に配慮して知事に答申したいと思います。
なお、取りまとめに関しましては、宗方委員長と山﨑副会長並びに私に御一任いただけますでしょ
うか。
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(「異議なし」の声あり)
〇議長(米林) ありがとうございます。
それでは、ここで事業者の皆さんには退出していただいて、次の議事の事業者に入室してもらいま
すので、しばらくお待ちください。
(事業者入室・退室)
〇議長(米林) そうしましたら、議事次第の2番目、東松山都市計画事業(仮称)葛袋土地区画整
理事業に係る環境影響評価準備書についてです。
この事業につきましては、小委員会において審議された意見がまとめられております。本日は、審
議会として知事に答申する意見をまとめることになりますけれども、小委員会以外の委員の皆様に改
めて事業概要等について御説明いたします。
それでは、都市計画決定権者である東松山市のほうから説明をお願いします。
〇東松山市(田中) 皆様、こんにちは。事業者であります東松山市の都市計画課長の田中と申しま
す。よろしくお願いします。
概要説明につきましては、本業務の調査委託を請け負っております株式会社環境管理センターのほ
うから御説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
〇事業者(井上) 御紹介いただきました株式会社環境管理センター、井上と申します。それでは、
私のほうから本事業の準備書のほうの概要を御説明したいと思います。申しわけございません。座っ
て御説明させていただきます。
御説明のほうは、お手元のこちらの黄色い冊子になります。この黄色い冊子の概要版という薄い冊
子があろうかと思いますので、こちらの概要版のほうで本事業の概要と環境影響評価を御説明いたし
ます。こちらの黄色いほうの概要版でお願いいたします。
まず、概要版をめくっていただきまして、右側に1ページ目というところがございます。本事業に
つきましては、1番に書いてございますとおり、都市計画決定権者が東松山市、1―2にございます
とおり、事業者の名称が東松山葛袋開発株式会社ということになっております。
続きまして、ページの2ページ目、3ページ目、見開きでお願いいたします。まず、本事業の位置
になりますが、2ページ左側をお願いいたします。ちょうど関越自動車道の西側、東松山インターチ
ェンジの南約1キロのところに本計画地は位置しております。北側には都幾川が流れ、南側はゴルフ
場が隣接するというのが計画地の位置でございます。
続きまして、右側の3ページの写真のほうを御覧いただきたいのですが、計画地はセメント原料の
採掘跡地になっております。航空写真にございますとおり、地区の中心部は、セメント原料を採掘し
ましたので、人工改変地になっております。その人工改変地に、時間もたっておりますので、さまざ
まな動植物等々が見られるという状況です。地区の南から東側にかけて、こちらの写真にございます
とおり、樹林地が広がっております。それから、民家は、住宅等については地区の北側、こちらの敷
地境界線沿いに民家が分布しているというような土地利用といいますか、周辺の現況になっておりま
す。
続きまして、4ページ目をお願いいたします。本事業の工程になりますが、表の2―1を御覧くだ
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さい。現在の予定ですと、平成24年の夏ぐらいに区画整理の工事に着工しまして、区画整理はおお
むね1年7カ月、同時に各企業の進出工事が入ってきまして、おおむね2年間程度で工事は終了する
だろうという計画でございます。
続きまして、土地利用計画になります。表の2―2をお願いいたします。今回は、工業流通施設用
地ということになりますので、全体の約60%、58.8%を工業流通施設用地等として使っていき
ます。その次に、緑地が約26.4%、それから調整池、公園等々になります。
右側の5ページ、図面のほうをお願いいたします。こちらが本事業の土地利用計画になります。先
ほど申しましたように、セメント原料の採掘跡地の平場の部分を主にこの黄色い用地、工業流通用地
として利用していくと。南側から東にかけては、現存の樹林地を残していきます。北側には、公園及
び調整池を配置していくような土地利用計画でございます。
続きまして、6ページ目をお願いいたします。進出企業の計画になります。本事業につきましては、
面整備事業になりますので、供用後の各進出企業は想定業種になります。今回流通以外に工業用地を
設ける予定でございます。工業用地につきましては、現段階では表2―3に示す22業種について進
出可能性のある業種ということにしております。
次に、7ページ目をちょっと御覧いただきたいのですが、今回面整備事業になりますので、一応今
後本地区におきましては、地区計画において、例えば高さ制限であるとか用途地域、それから日影規
制等々かかりますので、これは想定で大きくブロックを5つ分けまして、そこで先ほどの規制等を考
慮して建物を配置しております。現段階では、1番、2番、3番あたりに流通施設と、4番、5番に
ついては工業を誘致する計画でございます。
本アセスにつきましては、ここからは想定業種になりますので、このような形で例えば大気である
とか騒音、振動、それから景観等につきましても、先ほどの22業種から最も環境負荷が大きいもの
を選びまして、それぞれ予測項目ごとにこの中の企業を切り分けていくことによって最大影響を予測
すると、そういった形のストーリー展開で予測のほうは展開しております。
次に、8ページ目をお願いいたします。一番上の3番、造成計画になりますが、2行目に書いてご
ざいますが、一応切り盛りとして約30万立米ぐらいの土量が動くと。基本的には、これは地区内で
バランスをとります。したがって、外には出しません。
なお書き以降にありますが、1番の西側ののり面等々については、軟弱地盤も見られますから、土
壌改良をしていくと、そのような形になっております。
5番の供給処理です。まず、(1)汚水、こちらにつきましては、各企業がそれぞれ個別処理を行
いまして、下水道放流をいたします。
(2)雨水排水、こちらにつきましては、右側に図面がございますとおり、北側に雨水調整池を設
置しまして、矢印がございますとおり、既設水路、それから一部都幾川へ雨水は放流すると、そのよ
うな事業計画でございます。
続きまして、10ページ目をお願いいたします。交通計画になります。本事業の7番になりますが、
交通計画としまして、真ん中の表にございますとおり、発生集中交通量で、通勤等々の小型車が約3,
500台と、それから大型車が約1,400台という計画でございます。交通ルートにつきましては、
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右側の図面にございますとおり、今回計画地のアプローチがそこの主要地方道東松山越生線というと
ころが主となります。ですから、ここを東西方向からアプローチをして地区に至るというのが今回の
主要な交通計画でございます。
続きまして、10ページの真ん中、表2のほう、公園緑化計画をお願いいたします。本事業におき
ましては、残存緑地、非改変部の部分を21.7%とかなり大きな面積をとっておりまして、将来的
には地区内の緑は26.4%を確保していくというような計画でございます。
その図面が12ページのほう、ちょっと図面をお願いいたします。こちらが今回の公園緑化計画に
なりますが、冒頭の航空写真にございましたとおり、地区の南側、それから東側に関しては、周辺に
樹林地がございますので、そことの絡みを考慮して既存の樹林をそのまま残存させます。また、西側
及び北側については、より緑地の連続性を保つために造成緑地等々を配置しまして、周辺とのバッフ
ァー、緑のつながりというものを十分確保していくと、そのような計画でございます。
最後に、13ページ目、工事計画になります。表2―6です。全体で約2年間の工事を予定してお
りまして、準備工に始まりまして調整池工事、治水工事の対策を万全にしてから土工事等々に移って
いくというような形でございます。以上が事業計画になります。
次に、右側のページになりますが、15ページをお願いいたします。本件につきましては、調査計
画書段階で住民の意見が3通ほど来ております。その内容なのですが、15ページにある表3―1の
(1)、こちらにつきましてはセメント跡地の利用ということで、それに関する御質問等々、それか
ら市さんに対する上下水道整備等の費用面であるとか、そういった御指摘の意見が調査計画書の段階
で出ております。
次に、16ページ、左側になりますが、こちらが2つ目の御意見、住民意見のほうになります。こ
ちらは、後ほど御説明しますが、地区から化石が出ているということで、その化石は重要なものなの
で、利活用できないかというような住民の意見でございます。これに対しての事業者の見解は、16
ページの右側にございますとおり、地区内の化石につきましては、2行目ぐらいにございますが、東
松山市葛袋地区化石検討委員会という、市が発足して、第三者の学識者の方であるとか地元の方を入
れた第三者機関をつくっております。その中で、平成22年からかけて試掘をやったり化石の保存方
法の検討等をしております。事業者としては、調整池の部分に当たりますので、その調整池の整備の
際にその段階の採取などを行いまして、その検討委員会に協力していくというような形で化石の保存
といいますか、保全には寄与するような考えでございます。
続きまして、17ページの右側をお願いいたします。こちらが知事意見の概要です。簡単に触れさ
せていただきます。まず、表3―2の(1)全般事項、左側の知事の御意見になります。こちらにつ
きましては、想定業種でありますので、平均的な原単位ではなく最大負荷を見ることというような知
事意見でございます。ここにつきましては、先ほど申しましたように、項目ごとに業種を変え、最大
影響をとらえる予測を行っております。
次に、大気です。大気につきましては、供用後、炭化水素と粉じんを追加してくださいという知事
意見でございます。これについては、炭化水素については予測項目等に追加いたしました。粉じんに
つきましては、基本的には粉じんについては発生防止対策が十分とられるという判断のもと、予測項
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目にはしないという見解にさせていただいています。
次に、悪臭です。悪臭につきましては、特定悪臭物質も加えてくださいということです。調査計画
書段階では、臭気指数のほう、官能試験しか計画がございませんでしたので、これに22物質を加え
てくださいという御指摘が知事意見で出ていますので、これは評価項目に加えております。
続きまして、18ページ目をお願いいたします。水質になります。水質の知事意見につきましては、
計画地内に既存の調整池がございますので、セメント採掘のときの調整池になるのですが、そういっ
たものもあるので、そこの水質をちゃんと把握しておくようにという御意見でございます。
次に、水象でございます。計画地周辺の一部に湧水等による湿性植物が生育しています。そこにつ
いて、その環境を保全するために水象、水の涵養について予測評価項目に加えてくださいという知事
意見でございます。こちらにつきましては、水象を加える形で準備書のほうは作成しております。
地象につきましては、2点ございまして、まず最初が、一部脆弱な場所があるので、ボーリング等
により確認することと。これにつきましては、先ほど申しましたように、西側ののり面に一部脆弱な
地盤がございますので、そこについては正しくボーリング等を行い、対策及び予測評価等を行ってご
ざいます。
地象の2個目、先ほど申しましたように、計画地内一部において化石を産する地質があるため、重
要な地形、地質等々に加えてくださいという御意見でございます。これにつきましては、先ほど申し
ましたように、検討会の過程等を踏まえて予測評価、それから予測項目に取り入れる形としておりま
す。
最後に、動植物です。計画地及び周辺に豊かな環境を有するため、より詳細な調査を行うことと。
土取りの跡地にはなっておりますが、その作業を放棄してからもう15年とかたっていますので、新
たな環境が成立していると。そういった特性もございますので、そういったことをより留意するよう
な形の調査を行いますという見解です。
次に、19ページ以降につきましては、予測評価等々の細かい内容の抜粋版になっております。本
日時間の関係もございますので、割愛させていただきまして、ちょっとページが飛びますが、50ペ
ージまで飛ばしてください。50ページをお願いいたします。50ページから本事業に係る環境保全
措置の基本的な考え方を御説明いたします。
まず、50ページの左側、周辺生活環境への低減ということで(1)にございますとおり、基本的
には航空写真にありましたように北側にしか民家がないということがありますので、北側につきまし
ては公園もしくは緑地を入れて、十分な緩衝機能を設けるような土地利用を配置しております。
それから、(2)企業への管理体制、それから指導ということで、これは下に簡単なフローがござ
いますが、企業誘致段階は事業者である葛袋開発がおのおのの例えばアセスの方針であったり環境保
全措置等を説明していきます。工事中及び供用後につきましては、東松山市のほうが主体となってい
くという形になっております。
次に、51ページをお願いいたします。図面が上にございますが、自然環境保全のコンセプトとし
まして、まず東及び南側につきましては、このゾーンに囲ってありますが、まずここを残存のまま樹
林を残すと。ここには、一部トウキョウサンショウウオの生息も確認しておりますので、そこは現状
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のまま保存していきます。それから、東及び南のほうには一部周辺でオオタカの営巣等が確認されて
いますので、十分なバッファーをとっていくということで、このような緑地の配置です。
52ページをお願いいたします。52ページの真ん中のあたりに図面が2枚ございますが、こちら
がコンセプトになっています。基本的には、現況における緑、二分できまして、南側に見られるよう
な樹林環境、それから地区北側というのはどちらかというと水田等の耕作地が多いと。この辺を考慮
しまして、真ん中の図面にあるとおり、南側に樹林地、北側には草地、それから調整池などを配置す
るような土地利用計画でございます。
次に、53ページ、調整池です。調整池につきましては、さまざまな動植物、例えば鳥類の飛来で
あったりとか、そういった環境を整えたり、一部移植個体の移植先として整備を行っていきます。下
に断面図、簡単なものがございますが、ここも小委員会の御意見で、さまざまな水分環境を設けられ
るようにということで、今A、B断面それぞれ調整池、平らになっておりますが、ここも少し凹凸を
つけたり変化をつけるようなことによって、さまざまな水分条件が出せるような変更といいますか検
討を、御指摘を受けて同時にやらせていただいております。
次に、54ページをお願いいたします。54ページの上の3です。1行目、2行目ぐらいに書いて
あります。基本的には、土地区画整理事業になりますので、大きな場所を保全地として確保すること
はなかなか難しいと。したがって、代償的な措置をとらざるを得ないようなことがございます。基本
的に、6―2にありますとおり、地区内で出ている水生植物、それから一部ランなどが出ていますけ
れども、こちらについてはやむを得ず移植を行います。ただ、ここにつきましても小委員会の御意見
をいただいておりまして、例えば工事中の仮置きであったり、移植のタイミングであったり、また移
植の方法論、種子を散布するのかどうかとか、または事後調査でもう少し生育が確認されるまでは細
かく追うとか、その辺の維持管理を含めた体制のほうも見直させていただいております。そこは、よ
り具体的に今後評価書においては表現していきたいなと思っております。
最後に、55ページになりますが、表6―3のほうに管理体制を書かせていただきました。基本的
には、区画整理工事中は事業者、それから東松山市ということで、さまざまな環境保全に関する管理
をしていくというのが今回の計画です。
55ページの4番の重要な地形、地質ということで、先ほどの化石の取り扱いにつきましては別途
検討委員会のほうで行われますので、それに対して事業者としては極力粗造成時にそこのサンプリン
グに協力をしたりということで、その保全を図っていくという形になります。
最後の56ページは、事後調査の計画ということで、大気から温室効果ガスまでということで一覧
表のほうをまとめさせていただいております。
以上、簡単ですけれども、説明を終わります。ありがとうございました。
〇議長(米林) どうもありがとうございます。
続きまして、アセスメントの手続の状況について事務局から説明をお願いします。
〇事務局(落合) 事務局です。お手元の資料4を御覧ください。東松山の葛袋土地区画整理事業に
係る手続の概要でございます。都市計画決定権者として東松山市となってございます。それから、事
業規模28.2ヘクタール、関係市町村、東松山市、鳩山町、滑川町、そして嵐山町となっておりま
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す。計画書の受理が平成21年5月22日となってございます。それから、現在に至りまして、技術
審議会が平成24年3月27日に開かれているという状況でございます。
以上でございます。
〇議長(米林) ありがとうございます。
続きまして、小委員会の意見についてですが、委員長である私のほうから御説明いたします。資料
5を御覧ください。本小委員会の委員は、私のほかに小口委員、松本委員、横内委員、渡辺委員の5
名により構成されています。本小委員会では、12月26日と27日の2日に分けて調査地の現地調
査や事業者に対する質疑を行って、現地調査及び質疑応答を踏まえた審議を3月1日に行いました。
その後、小委員会内での調整を踏まえ、本小委員会の意見を取りまとめました。
それでは、資料の5に従いまして説明させていただきます。まず、全般的事項として、この事業は
産業団地の造成でありますので、具体的な企業の進出に当たっては、工場の建設、稼働に伴う公害の
発生防止に留意するよう指導することとした意見でございます。
次に、騒音でございますけれども、進出企業による自動車交通の発生に伴う騒音の悪化が予想され
ていることから、道路舗装の適切な管理や交通量の抑制などにより騒音の低減化に努めることとした
意見でございます。
次に、大気、水質及び地盤でございますけれども、計画地周辺は豊かな環境を有するため、造成工
事に伴う建設機械の稼働等による周辺環境への影響を最小限にとどめるよう配慮することとしました。
それから、先ほど来何度か出ていますが、現地地層からメガロドンと呼ばれているサメの10センチ
程度の国内最大クラスの歯が産出されていることから、工事中に化石が産出した場合には適切に保全
することとしたものでございます。
最後に、動植物及び生態系でございますけれども、計画地内では希少種としてカンアオイ、タコノ
アシ、ミゾコウジュ、カワジシャが確認されたことから、ミティゲーションでは、希少種の現地での
保全に配慮した生態系の回復を行うこととして、それから希少種の移植、仮置き、事後調査を含め、
管理のあり方を担保するために専門家の指導助言を求め、モニタリングを含めた順応的な管理をする
こととした意見です。以上が小委員会意見書の内容と御説明でございます。
それでは、事業者及び小委員会意見、あるいは手続等について御説明いたしましたので、本日御出
席のほかの小委員会委員の皆様にもコメントをいただきたいと思いますが、小口委員、小委員会メン
バーとして補足等がございましたらお願いします。
〇小口委員 小口でございます。本小委員会にて幾つかの全般的事項、騒音、それから動植物及び生
態系、もちろん幾つか意見がございますけれども、日本でも特有の化石がここでしか産出しないと。
化石が出てくるということから、それについての意見を盛り込んだ形になっております。これは、先
ほどの事業者さんからの御説明にもありましたとおり、専門の検討委員会のほうで別途検討はされて
いる事項でございますけれども、その発掘の作業、それから検討の作業と並行してやっていく、そう
いう性格もありますことから、特に工事中に化石が出てきたときには保全するようにという、そのよ
うなことを盛り込んでございます。
〇議長(米林) ありがとうございます。
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そうしましたら、渡辺委員のほうからコメントをお願いします。
〇渡辺委員 渡辺です。私は、動物保護のほうから幾つか小委員会のほうで出しましたけれども、そ
のときコメントしたのが大きく3つ、1つはこの地域でオオタカがよく見られるということ、あとサ
ンショウウオ等が生息しているということで、それに関して十分な現状の緑地を残す、プラス緑地環
境を広くとるということで、これは非常に評価できるということをコメントいたしました。ただ、既
にもうある程度セメントの採掘地として開発された後でして、草地環境がかなりでき上がっていまし
て、草地で見られる動物もかなり一般の森林等に比べますと多いので、草地環境についてどれぐらい
残すかということについて質問いたしました。
それから、現存地の中で調整池がありまして、その中にクサガメ等、湿地、池に生息する動物がい
まして、それを移植するということについて、新しく池をつくって移植するということでしたので、
その具体的な移植方法、それからその後の生態系がどういうふうに落ちついていくかをしっかり管理
して、その対象の動物だけではなくて、周辺環境ごときちんと残すような形での移植方法を検討する
ようにということをコメントいたしました。
それからあと、先ほど小口委員のほうからも御説明ありましたけれども、動物学的な観点からいっ
ても化石というのは非常に貴重なものですので、単に地質、地盤に関係する項目にとどまらず、生物
学的にも貴重だということで、化石についての保全、それから活用についての配慮というのを十分な
されるようにお願いいたしました。
〇議長(米林) ありがとうございます。
少し補足しておきますと、先ほどの事業者のほうからの説明はこの概要版をもとにされましたが、
小委員会とのやりとりの中で、先ほどもちょっと説明がありましたけれども、意見を取り入れて改善
されていると申しますかね、そういうような扱いになっていることもございまして、例えばその関心
の高い化石の扱いについてでありますとか、それから調整池の図なんかもこれとは違う形になるとい
うことをちょっと補足させていただきたいというふうに思います。
そうしましたら、先生方のほうからそのほか御質問や御意見ございますでしょうか。
〇冨岡委員 住民意見で下水道について意見があったのですけれども、本編の41ページを見ますと
下水の放流先が市野川及び九十九川になると考えられますが、かなり距離があります。実際の下水の
整備についてどのようになっているのか、間に合うのかとか、その辺につきましてわかりましたら教
えていただけますでしょうか。
〇東松山市(田中) 東松山市の田中ですが、この件につきましては、下水の関係が、1つは汚水関
係の関係がございまして、これは場所的に高坂地区のほうの浄化センターのほうに圧送した形で、汚
水管については公共下水の形をとらせていただきますし、工程的にも、この事業と全体スケジュール
の中で工程管理を常にしていまして、定例の工程調整等も行いながら、進出企業を踏まえた形のライ
フラインの整備に努めていくところでございます。
〇議長(米林) そのほかございますでしょうか。
〇小林委員 小林と申します。概要版の56ページですが、この事後調査の計画を拝見しますと、動
物の場合、鳥と哺乳類のみの記載になっており、かつ年に2回ということになっています。この報告
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書を拝見しますと、例えばサンショウウオなり、色々と貴重な動物がいるにもかかわらず、なぜこの
2つだけの記載になっているのかということと、年に2回の調査ということになっていますが、例え
ばこのサンショウウオですと繁殖期の問題等もありますので、なぜこのように2回の計画になってい
るのかということについて質問させてください。
〇事業者(井上) ちょっと言葉足らずの部分もございまして、先ほどの環境保全措置の御説明のと
ころで、例えばサンショウウオであるとか移植を行った個体等々につきましては、この事後調査とは
別に、工事中はもとよりですけど、工事が終わって例えば1年ぐらい安定状態を見るとか、そこはそ
ういう形で調査といいますか、管理といいますか、そういう点は今考えております。当時この準備書
の段では一般的な事後調査的な部分のことを考えていましたので、やはりこれだけの面整備事業で面
を改変する関係もございましたので、例えば定点的に改変されてしまう種というのは基本的にはもう
地区にはすめないとは思うんですけど、例えば調整池であったり植栽によって鳥とか再度戻ってくる
ような予測評価を立てておりますので、そういった形で哺乳類も地区内外で戻ってくるみたいな予測
を当時といいますか、準備書でさせていただいていますので、そういった指標となるような種をとら
えようと思いまして、このときはそういう表現をさせていただきました。ですから、おっしゃってい
ただいたように、例えばサンショウウオであるとか、繰り返しになりますけど、そういった移植個体
等につきましては別途、工事中、さらに1年ぐらいは頻度を上げてみようというような計画で見直し
をしております。
〇小林委員 そうしますと、回数は年に2回というより、例えば繁殖期等のことも考慮してより適切
な回数で考えるのがよいと思いますが。また、手をつけない地域もありますね。そういうところでの
影響とか調査についてはどのようにお考えでしょうか。
〇事業者(井上) あくまでもこれは事業者側の案ということで、どちらかというと、めりはりでは
ないですけど、改変を受け、さらに移動してくると予測した不確定の強いものに関して指標値として
当時は上げておりました。ただ、今の御意見もございますので、当然非改変部に生息、生育する動物
種もいっぱいおりますので、それに対するケア的なものはその中であわせて見ていくような考えも今
はありますので、時期もしくは頻度等については少し検討させていただければと思います。
〇佐藤委員 この資料編の14ページに計画予定地と、それから周辺のレベルが出ておりまして、こ
れを見ますと、大体一番高いところで41メートルから44メートルぐらいのレベルで、周辺の水面
のところが27.7メートルと、その辺の高低差があると思います。
〇議長(米林) 概要版の14ページですね。
〇佐藤委員 ごめんなさい。概要版の14ページです。計画レベルを38メートルから40メートル、
それを計画地盤として造成を行うという計画なんですが、だいぶ切土、それから場所によっては盛土
がありますので、まず大気汚染の観点からいけば、工事期間中の粉じん対策については、環境を低減
する対策として、その辺は防じんネットを設けるとか、もう少し具体的な表現を追加したほうがいい
のではないかというところがまず1点でございます。
それから、騒音、低周波について見ますと、将来にわたって周辺の民家との高低差が10メートル
以上存在する高台に開発する形になりますので、騒音レベルは低いんですが、夜間に稼働するような
-21-
ルーフファンとかクーリングタワー等があると、それがかなり遠方まで伝播しまして、低周波公害を
起こす懸念があるという心配をしております。その場合は、事前に騒音コンターマップ等の検討をさ
れているんじゃないかなと思うんですが、そういう事前の検討があれば、将来的に発生源に対する対
策も打ちやすいと思いますので、その点は御検討いただければと思います。
〇議長(米林) 2点ございましたけれども、いかがでしょうか。
〇事業者(井上) まず、工事中の粉じんといいますか、降下ばいじんといいますか、そこの御指摘
につきましては、当然本事業においても、例えば適宜散水であったり、造成部分の早期緑化であった
り、転圧であったりという対策はやっていきますが、おっしゃっていただいたように、民家側には例
えば防じんネットみたいなものを置くとか、そこはより今後の工事の計画に際して地区に応じたそう
いった対策は検討していきたいと思います。
それからあと、騒音及び低周波につきましても、おっしゃっていただいたように高台にございます
ので、遠いほうまで例えば低周波が出てしまうというようなことも十分留意しなさいという御指摘だ
と思います。そこにつきましても、今後企業さんが立地してきますので、例えばその中で極力民家側
より南側になるべくそういう機器のものを向けるような努力といいますか、配慮といいますか、指導
をしていくという対策もあろうかと思います。そこについては、これから企業が立地する段階になり
ますので、それは企業誘致の際にいろいろアセスメントで決めた環境保全措置というのはその企業さ
んのほうにも徹底していただくように説明していきますので、その中で十分その機器の配置なんかも
注意してくださいということはぜひ事業者からも強く言っていただこうと思います。
それから、今おっしゃっていただいたように、正直言いますと、低周波について今コンター図は実
は書いておりません。騒音のほうは、コンター図は書いておりまして、低周波のほうは書いておりま
せんので、それは必要に応じてコンター図等を作成して、大体どれぐらいにどういうレベルが出るの
かというのは事前に把握して適切に対応していきたいというふうに考えます。
〇議長(米林) 環境影響評価なので、ただいまのような御指摘のようにすれば、このような評価に
なるというようなことを具体的に言えたほうがよりよいのではないかという御指摘だと思います。で
きましたらば、それを評価書の段階で文章で反映していただければと思います。
〇事業者(井上) はい、わかりました。
〇議長(米林) そのほか、先生方のほうから。
〇星野委員 事業地の北東側に水路があって、現地を見せてもらったのですが、湧水起源の水が流れ
ているんですが、工事敷地と近接しているので、そこの生物に影響を与えるかどうかということに関
して御検討されたのかというのがまず第1点です。
もう一つは、哺乳類の調査を見ますと、特定外来生物のアライグマが入っていますね。これが小動
物に与える影響というのを評価しないと十分な生態系の評価にならないんじゃないかなと思って、こ
の本編の443ページ、444ページ、445ページのところに生態系の模式図、食物連鎖の模式図
があるんですが、そこにはアライグマが入っていないんですよね。なので、その辺の管理をどうする
のかをここで考えなくていいのかということと、あとこの図をよく見ると、タヌキ、イノシシが両生
爬虫類を食べているようなラインが強調されているというように、脚注では概念図で必ずしも直接と
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は限らないと言いながらも、余りにも食性を考えていないような模式図になっていて、この図をオー
ケーとするのは審議会としてはまずいのではないかと思うので、その辺について御回答をお願いしま
す。
〇議長(米林) 事業者のほうからいかがでしょうか。
〇東松山市(田中) 御質問いただきました2点目のほうのアライグマの関係ですが、私どものほう
は県内でもアライグマの駆除に対する取り組みを進めておりまして、所管は違いますが、埼玉県さん
といろいろと協議をさせていただく協議会の中にも加わらせていただいて、アライグマの駆除に積極
的に取り組んでいまして、免許資格者であるその辺の臨時の職員を採用いたしまして、年間の頭数自
体の記憶が今はないんですが、かなりの頭数で捕獲している状況がございます。ただ、一方でアライ
グマ自体がすぐ親になって、そこから4頭、5頭ということで子を産んでいくような状況が現実ござ
いますので、かなりアライグマの駆除については積極的に取り組んでいるとは言いながらも、やはり
後を絶たないという実態があるかと思いますので、さらに同じような形で継続してアライグマの駆除
に対しては取り組んでいきたいと思っております。
〇議長(米林) 多分次のお答えにも関係してくると思うんですけれども、そういう努力をされてい
るということは多分直接この委員会の話題ではなくて、大変敬意を表するところなんですけれども、
星野委員が御指摘の点は、影響評価であるからには、そのアライグマならアライグマというものが実
際にいたという現実を認めて、ではそれがこの事業によってどのように変わるかという評価、それを
組み込むべきであろうという御指摘です。
〇事業者(井上) わかりました。今のアライグマの件に関して、例えばこういう生態系の食物連鎖
図をかくとか、ここの地区の生態系の食物連鎖を解析するときに当然アライグマがいてしかりだろう
という御指摘だと思います。市さんがお話ししたように、本来はそこに定常的にいてはいけない種だ
と思うんです。でも、現実はいるという今の御指摘がございました。ただ、市さんのほうもそういう
駆除に走っていて、現実はいるものの、将来的にはそれは少なくなるといいますか、駆除をしていた
だくという名のもと、定常的な代表種としてこういう模式図に入れていいのかという悩みといいます
か、疑問というか、あって、正直この準備書作成の段では、御指摘のアライグマ自体というのは確か
に上のほうに位置しまして、さまざまなものを捕食するので、その影響力もあるということはありま
すが、一方ではそういう駆除対象の生物であるということで、いずれは市さんの努力もあって、ちょ
っと不安定な部分もございましたので、現状ではアライグマの解析は入れていないという考えでござ
います。ですから、そうは言いつつも、現状計画地でも確認されているし、ある意味君臨しているの
だったら生態系上位者として入れなさいという御意見もあろうかと思いますので、そこはそういった
解析を少しするような方向で考えたいと思います。
それからあと、生態系模式図の443ページの御指摘で、確かにイノシシ等が、要は雑食であった
り小動物とか、そちらが主になりますので、ここはいかにも両生爬虫類等々を捕食しているような線
が入っていますので、これについては改めたいと思います。申しわけございません。
それからあと、もう一点出た湿性植物のお話のところだと思います。これがページでいきますと、
本編の厚いほうの426ページというところをちょっとお願いいたします。本編の厚いほうの左側に
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なります。426ページをお願いいたします。こちらの図9―3という図面があるところでございま
す。星野委員から今御指摘がありました図9―3で、ちょうど一番西側の敷地境界、凡例でいきます
と、4番、4番、2番、2番という形でカワヂシャであったりタコノアシというものが生息していま
す。ここは、ちょっと冒頭申し上げたように、実はここから東側地区を見るとのり面になっておりま
して、本来の地山ではなくて張りつけの盛土みたいになっています。工業団地を今から造成するとき
に、どうしてもここは幅10メートルぐらいで地盤改良しないと強度が保てないと。それで、実際こ
の2番、2番、4番という湿性植物が生息しているところ自体は法尻(のりじり)になってしまって、
地盤改良しないと、事業自体の安全性といいますか、のり面自体の安全性が保てないという結果がご
ざいまして、やむを得ずここの一連につきましては改変を受けるというような過程でございます。こ
れらの種については、地区内でもほかにも出ておりますし、これから保全する湿地のほうであったり、
また周辺地域にもございますので、やむを得ずここは事業の安全上、改変を行わざるを得なかったと
いうのが検討の過程になります。
以上になります。
〇星野委員 そうしますと、386ページの魚類でメダカとか入っていますが、この水路も完全につ
ぶれてしまうというふうに理解していいでしょうか。
それと、もう一つついでというか、関連するんですが、ここは排水が入ってきますよね、この水路
に。そうしますと、この排水の影響というのがこういう水路の生態系に与える影響というのはどの程
度考えていますか。
〇事業者(井上) 御指摘の386ページなんですが、済みません、図面のスケールの問題がござい
まして、このメダカが出ているのは、実はのり面があって、道があったと思うんですけど、道の反対
側の水田側の水路なんです。ですから、ここは本事業の例えば排水とかというのは一切入りませんの
で、ここは非改変部としてそのまま残存いたします。
〇議長(米林) 排水も入らないと。
〇事業者(井上) 入りません。この部分には入りません。
〇議長(米林) 調整池からの水は、もう少し下流側でその水路に入るということですよね。その水
路にも入るんですよね。
〇事業者(井上) 先ほどの概要版の9ページ目に大きな図面がございますけれども、こちらの青い
ラインが今回の雨水排水の放流先になりますので、この調整池から上が下流になるんですけど、こち
ら側に入っていくという形になっています。メダカが確認されているのは、この道の反対側の改変は
全然行わない外側の水田側の水路になります。
〇議長(米林) 小委員会との議論でも出たことですけども、動植物の影響評価という場合には、努
力します、頑張りますみたいなことではなくて、何でもかんでもそこの現地で存続させろと言ってい
るわけではないので、科学的な予測というものにもう少し近づけていってもらいたいなという趣旨で
あろうと思います。
そのほかございますでしょうか。
〇鈴木委員 2点お願いします。まず、概要版8ページ、これは文言でございますけれども、5番の
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処理施設計画、(1)汚水排水、これでも結構かと思うのですが、ほかとの並びから、1行目の最後、
必要に応じて進出企業ごとにというところ、必要に応じての後に「公共下水道に受け入れ可能な水質
まで」というのを入れていただければと思います。
それから、もう一点ございますが、こちらは準備書のほうの596ページの(2)評価結果の②、
目標との整合の観点の上から4行目からアルカリ排水については必要に応じpH調整、中和を行うこ
と等から云々とありますけれども、ここにはアルカリ排水を中和するというのがあるんですが、その
上の①、回避、低減の観点では、直接的にはこういう文言がなくて、同じように2ページ前の294
ページの下のほう、②、水質、水温、濃度のアの防止対策等のところにも排水に対する記述はないん
ですが、これはアルカリ排水の必要に応じてpH調整を行うというのを書かれたほうがいいと思うん
ですけれども。
〇議長(米林) 概要版の文言の問題と、ただいまの本編のほうの文言の問題ですが、いかがでしょ
うか。
〇事業者(井上) 御指摘の文言、趣旨等に訂正をいたします。
〇議長(米林) そのほかの先生方、いかがでしょうか。
〇小松委員 2点あります。この概要版の19ページの調査項目で、私自身は地下水、土壌の専門な
ので、その初期の調査の値がないというのが非常に気になります。何か起こったときに最初の値がな
いので、それが本当に大丈夫なのか、汚れたのかというのがわからないので、初期値というのは絶対
に後でとれないものなので、要らないだろうなんて言わないで、ちゃんと測っておくべきではないか
と思います。というのが1つ意見です。
もう一つは、特に地下水の場合は、ここではトウキョウサンショウウオとかいろいろ湿地にすむも
のもいるみたいで、地下水の流れがどういうふうになっているのか詳しく見ていないんですけど、例
えば概要の8ページの3の造成計画のところで、西側のり面で地盤改良をされますよね。セメント注
入をするので、地下水のpHなんかはかなり変わる可能性があると思います、アルカリとかに。だか
ら、事後も、そんなにたくさんの項目やらなくてもいいので、pHとECぐらいはちょっと測ってい
ただければと思うんですけれども、どこかにボーリングをしたって書いてあるんですが、そのボーリ
ング、もう埋めちゃったんですかね。ボーリング孔を利用して観測井を1つか2つつくれば、簡単に
最近は現場ですぐpHとかECを測れるセンサーがありますので、1カ月に1回でもいいから測れば、
そういうセメント注入の影響があるのかないのかということもよくわかると思うので、それを検討し
ていただけないかなと。2点のお願いです。
〇議長(米林) いかがでしょうか。
〇事業者(井上) 御指摘のとおり、例えば土壌汚染だったり地下水汚染等につきましては、ブラン
クがないことには、例えば将来この事業が活動したときに万が一影響が出た場合に影響の度合いもわ
からないという御指摘だと思います。土壌につきましては、実際これからは改変行為が伴いますので、
例えば土壌汚染対策法に基づいた地歴調査を行い、必要に応じて地歴ですれば、地歴調査ということ
にはなろうかと思います。基本的には、土壌はそのような形で今後何らかの補完をしていこうと考え
ています。
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地下水につきましては、残念ながら、ボーリング孔が残っていれば、御指摘のとおり、観測井的に
使えたのがあったんですが、実際はちょっと今ボーリング孔はあいていません。ただ、周辺に何個か
御協力いただける井戸等もございますので、例えば今の現存の位置関係はまた正式に調べさせていた
だきますが、その現存の井戸をお借りして、例えば特にECと影響を受けそうなpHあたりをしっか
り調べて、まず初期値をとっておくということは非常に大切だと思いますので、既存の井戸等を活用
して、極力その辺は取り入れる形で今後の事後調査を検討いたします。
〇議長(米林) そのほかの先生方、どうぞ。
〇外岡委員 埼玉大の外岡です。小松先生の質問とつながるんですが、本編の35ページに東松山市
では水道水に7,000立米の地下水を採取していると書いてあるんですけども、その採取地域がこ
の計画地より下流であるとまずいなと。上流なら問題ないんでしょうけども、その辺がちょっと気に
なります。
〇東松山市(田中) 東松山市の田中です。図面を見ていただきまして、概要版の2ページを御覧い
ただきたいと思うのですが、御覧になっていただきますと、この中央部が事業地でございまして、こ
このところに曲線で左右に都幾川がございますが、それの都幾川という文字の上を見ていただきます
と、これが地下水、東松山市の市水の水源になりますので、上水道と書いてあるのがおわかりになる
かと思います。
〇外岡委員 浄水場のことですか。
〇東松山市(田中) はい、これは浄水場のことでございます。
〇外岡委員 本編の33ページになります。
〇東松山市(田中) 本編の33ページ、ここに第1、第2と書いてありますが、ここが市水の水源
でございまして、当然のごとく右側のほうが下流になりますので、今の御指摘のように、上流部に水
源が位置してございます。
〇外岡委員 そっちが汚れることはないということですね。ここで出てきた汚れた水は、高坂用水と
いうんですか、ここへ流れ込む可能性が高いわけですね。
〇東松山市(田中) そうでございます。
〇外岡委員 ということは、これは農業用水ですけども、事後調査の計画とか見ると、関係ないから
水は特に変わらないと書いてありましたが、影響があるかないかとすると、この高坂用水の水質とい
うのを先に測っておく必要がありますよね。もしここから汚れるとしたら。それについては、既に何
か水質を測っておられますか。
〇事業者(井上) 本編の285ページをお願いいたします。255ページ、水質の現地調査結果と
いうことで、今御指摘がありましたように、本事業の水が入ります高坂用水、例えばナンバー6であ
るとかナンバー3というあたりで現地調査を今行っています。
〇外岡委員 一応ここで測っているんですね。データはあると。
〇事業者(井上) データはあります。
〇外岡委員 でも、事後調査としてこういうところを測ることにはなっていないんですね。
〇事業者(井上) 今は計画がないです。
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〇外岡委員 本当はあったほうがいいような気もするけれども、とりあえずわかりました。ありがと
うございました。
〇議長(米林) そのほかの先生方、いかがでしょうか。
〇小口委員 小口です。概要版の56ページの事後調査の計画で、今地下水等々の御指摘がございま
したが、私も現地へ行って幾つか聞いたんですけれども、やはり注目されるところは、かなりのとこ
ろはSS(浮遊物質量)のほうがこれまで注目されていて、ほかの事業でも多分そんな感じだったん
じゃないかなと思います。まず、この事業に限らず、そういうこと自体が今後何らかの形で認識が改
善されていくといいなと思います。
それから、この表7―1で、これから検討していただきたいとした小委員会の意見などとの整合性
をちょっと見てみますと、やはり水質、それから地盤がそっくり抜け落ちているんですよね。ここの
場合には、水質は今お二方から御指摘がありましたけれども、地盤についても整合性をとるためには
事後調査が必要なのかなと思います。特に化石に関しては、ちょっと書き方が難しいかもしれません
が、別途の専門委員会の意見も踏まえて、その内容をそのままここに載せる形でも、何らかの形で整
合をとれるような形の事後調査の計画を立てていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。
〇事業者(井上) 今おっしゃった地盤というのは、化石のほうの地盤というんですか。それとも沈
下とか……
〇小口委員 欲を言うなら地盤一式なんですけれども、最低限化石のことについては触れていただき
たいなと思います。
〇事業者(井上) わかりました。先ほどから出ていますように、現況に対しての非悪化という部分
は、当然要因がある、なし、可能性があるものという意味もあろうかと思いますので、例えば水質で
あるとか地盤であるとか、そこについては事後調査の計画を見直しさせていただきます。
〇議長(米林) そのほかございますか。
(発言の声なし)
〇議長(米林) それでは、御意見、御質問等ございませんようですので、今後の進め方について事
務局のほうから御説明をお願いします。
〇事務局(落合) 事務局です。先ほどの議事と同様に、議事録を作成いたしまして、出席者委員の
皆様に御確認をいただいた上、それに基づきまして技術審議会の御意見として取りまとめていただき
たいと存じます。
以上です。
〇議長(米林) ただいまの説明でよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
〇議長(米林) ありがとうございます。
では、答申の取りまとめ方については、小委員会の先ほどの意見をもとに本日ほかの委員の先生方
からいただいた意見を配慮して知事に答申したいと思います。
なお、取りまとめにつきましては、小委員会委員長である私と山﨑副会長に御一任いただけますで
しょうか。
-27-
(「異議なし」の声あり)
〇議長(米林) 御異議ないようですので、そのようにさせていただきます。
それでは、ここで事業者の皆さんには退出していただいて、ここで15分ほど休憩をとりたいと思
います。再開は、25分からということにさせていただきます。
午後3時12分休憩
午後3時25分再開
〇議長(米林) それでは、議事次第の3番目に移らせていただきたいと思います。
次の議事は、(仮称)東松山都市計画事業西吉見南部土地区画整理事業に係る環境影響評価準備書
についてです。
この事業につきましては、小委員会において審議された意見が取りまとめられております。本日は、
審議会として知事に答申する意見をまとめることとなりますが、小委員会以外の委員の皆様に改めて
事業概要等について御説明します。
それでは、都市計画決定権者である吉見町から説明してください。
〇吉見町(小久保) 吉見町役場まち整備課の小久保と申します。本日はよろしくお願いします。
それでは、座って説明をさせていただきます。(仮称)東松山都市計画事業西吉見南部土地区画整
理事業の計画地は、町の南西部に位置しておりまして、周辺は豊かな田園環境に恵まれております。
また、地区の西側につきましては、1級河川市野川を挟みまして東松山市に接しております。当計画
地は、農林水産省の所管事業である県営圃場整備事業西吉見南部地区で工業団地の造成を目的とした
機能用地として生み出された面積約25ヘクタールの土地になります。平成18年9月に当該事業に
より換地処分がなされた後に、平成20年6月、地権者を中心に(仮称)西吉見南部土地区画整理組
合設立準備会が発足いたしております。
以後、町の土地利用方針に基づきまして、関越自動車道東松山インターチェンジや首都圏中央連絡
道路川島インターチェンジへの交通の利便性が生かせる製造業や物流機能を主体とした土地利用を図
るため、関係機関と協議を進めてまいりました。それらの協議をもとに事業計画を作成し、昨年11
月下旬には土地区画整理組合の設立認可申請の提出がなされ、本年1月13日から27日まで事業計
画を縦覧いたしました。事業計画に対する意見は、2月10日までの受け付けでしたが、意見書の提
出はございませんでした。また、本事業に係る環境影響評価準備書につきましては、昨年12月13
日から本年1月13日まで縦覧し、1月27日まで意見書の受け付け期間を設定いたしましたが、意
見書の提出はこれもございませんでした。
以上を踏まえていただきまして、これから西吉見南部地区に係る環境影響評価準備書について、本
事業のコンサルタントであります株式会社プレック研究所、村瀬次長より説明いたします。よろしく
お願いします。
〇事業者(村瀬) プレック研究所の村瀬と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、説明のほうを着席にて失礼いたします。お手元にございます資料の6というA3見開き
の資料がございます。こちらと、それから準備書の概要版という冊子がございます。こちらを使いま
して御説明いたします。まず、概要版の4ページを御覧いただけますでしょうか。この地域の空中写
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真がございます。先ほど地区の概要について説明がございましたが、こちらの写真でさらに確認をい
ただければと思います。赤い逆三角形の形の区画、これが本事業地でございまして、地区の北側と東
側につきましては、圃場整備によって整備された優良農地が広がっているということで、基本的には
水田、もしくは冬期には小麦などの作付がなされているという場所でございます。また、計画地の西
側、市野川を挟んだ反対側が東松山市となっておりまして、ちょうど地区の真西には東松山市側の下
水処理場と、それからコンポスト施設がございます。そのほか、地区のちょうど北西の角に当たると
ころの対岸が住宅地になっておりますし、計画地の東側、東南の角の100メートル程度東側にやは
り集落がございまして、こういった住宅地のある場所とその周辺の農地、さらに市野川というのが周
辺環境というふうになっております。
それでは、資料6のほうにお戻りいただけますでしょうか。こういった土地の中で本事業の土地利
用計画でございますが、資料6の下に土地利用計画図がございます。地区の約8割に当たる用地が工
業用地として分譲される予定でございます。そして、計画地の南側には公園、調整池をまとめて造成
し、この場所を一つの生態系関係の代償措置の場にするという計画でございます。事業自体の実施期
間などにつきましては、説明を割愛させていただきます。
それでは、資料6の右側のページ、2とございます環境影響の予測評価結果についてでございます
が、まずここでは環境影響評価の項目の選定の内容について御覧いただければと思います。ここで事
業特性と、それから環境特性を踏まえて項目の選定を行っておりまして、白丸で書かれておりますも
のが標準的に選定する項目で今回選定した項目、それから黒丸が、標準外ではあるけれども、事業特
性、地域特性から選定した項目、それから白三角は事業特性、地域特性によって選定する項目として
今回選んだもの、さらにバツがございます。標準的な項目ではあるけれども、事業特性などから今回
は選定しなかったものということになります。こういった観点で整理をしました結果、全部で17項
目の環境項目を選定し、調査を行うということをしております。
裏返していただきまして、左側に予測評価の概要という表がございます。17項目につきまして調
査を行いまして、その結果、土壌汚染に関しましては特に問題となる物質が検出されなかったという
ことで、その項目につきましては予測評価からは外してございまして、合計16項目について、具体
的にはさらに細分化された、ここに示しました項目につきまして予測評価を行っております。評価に
つきましては、基準等との整合の観点からは、基本的には水質の工事中の降雨に伴う濁水の発生とい
う項目と、それからその下、水象の流出測定の変化に伴う地下水への影響、これらの項目につきまし
ては、適切な対比すべき基準が見当たらないということで除きまして、それ以外の項目につきまして
は基準等との整合を図れるであろうという、そういう評価をさせていただいております。
また、回避、低減、代償の観点からの評価でございますが、表の中で三角、代償と書きました項目
が4つございます。それらを除けば、基本的に回避、低減は図られるであろうという評価をさせてい
ただいております。
では、三角の項目は何かと申しますと、1つは動物、植物、生態系に係る項目でございます。土地
利用計画でもお話ししましたとおり、この計画地、基本的に大部分の地表面を改変いたします。した
がいまして、現状のまま残るという場所はございません。そうした中で、回避、低減というのが難し
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いということで、先ほど申しましたとおり、調整池と、それからそれに隣接する形で公園を1カ所に
固めて、その中でできるだけ現状の湿地的な環境を復元して、そこに動植物を移してやるというよう
な形での代償措置を講ずるということで、動物、植物、生態系の評価を行う。代償という形で評価さ
せていただいております。
また、史跡、文化財というところも同じく代償となっております。これは、実は先ほど空中写真で
御覧いただきました範囲全体が埋蔵文化財の包蔵地になってございます。そのため、基本的には地下
を改変しますと埋蔵文化財にダメージを与える可能性があるということで、今回工事を行う範囲のう
ち地下に影響を及ぼす行為、具体的には調整池を掘る行為と、それから道路敷に圧密を促進するため
のパイルを打ち込むのですけれども、その際に地下をいじるということで、道路敷と調整池に関して
は埋蔵文化財の発掘調査を行って出土品を厳正に保管するという形で代償的に記録保存するというこ
とで、代償という評価をさせていただいております。
なお、この資料6の下側の表には、主な環境保全措置として、工事中、供用時にどういった観点か
ら環境保全を行うのか、またその右側の表の上には環境保全措置の具体例として、先ほど来申してお
ります調整池における湿地的な環境の整備と、それから分譲します工業予定地の周囲に高木植栽帯を
創出するということで、そのイメージ図を入れさせていただいております。
それから、事業の予測評価の概要につきましては今申し上げたとおりでございますが、もう一度概
要版に戻っていただいてよろしいでしょうか。概要版の一番最後の44ページを御覧いただけますで
しょうか。今回事業の予測評価を行ってはおりますが、実際に進出する企業の内容というのはまだ未
定でございます。そのため、実際に企業を誘致した後、経済活動が始まってからということになりま
すけれども、事業の実施状況に関してヒアリング調査を行い、具体的にどういった施設が入り、どう
いった行為が行われるかを確認した上で一部今回準備書で予測評価した内容について検証するという
作業を行いたいということで、事後調査にかえる部分がございます。
また、実際に現場での調査を行うものとして、動物、植物、生態系などにつきましては四季の調査
などを行うということを計画しております。また、交通量に関しましても、実際に供用後の段階で実
際の交通量を測定し、それらに基づいて予測したときの条件とどう違うのか、こういった検証をして
いく計画にしております。
準備書の説明につきましては以上でございます。
〇議長(米林) そうしましたら、続きましてアセスメント手続の状況について事務局から説明して
ください。
〇事務局(落合) 事務局です。お手元の資料7を御覧ください。東松山都市計画事業西吉見南部土
地区画整理事業に係る手続の概要でございます。対象事業として、都市計画決定権者となっているの
が吉見町長でございます。そして、対象事業規模24.92ヘクタール、関係市町村が吉見町、東松
山市、坂戸市、そして川島町ということでございます。計画書の受理が平成21年8月10日でござ
います。そして、準備書の受理が平成23年12月1日、そして現在技術審議会を平成24年3月2
7日開催しているところでございます。
以上でございます。
-30-
〇議長(米林) ありがとうございます。
続きまして、小委員会意見につきまして、星野委員長から御説明をお願いします。
〇星野委員 資料の8を御覧ください。本小委員会の委員は、私のほか小口委員、小泉委員、小林委
員、松本委員の5名により構成されました。本小委員会では、1月5日に計画地の現地調査や事業者
に対する質疑を行い、現地調査及び質疑応答を踏まえた審議を2月14日に行いました。その後、調
整を踏まえて本小委員会の意見を取りまとめたのが資料の8でございます。これに基づいて説明させ
ていただきます。
まず、全般的事項としまして、この事業は産業団地の造成でありますので、具体的な企業の進出に
当たっては、工場の建設、稼働に伴う公害の発生防止に留意するよう指導することとした意見でござ
います。
2番目です。動植物及び生態系につきましては、動植物及び生態系におけるミティゲーションでは、
移植、仮置き、事後調査を含め、管理のあり方を担保するため、専門家の指導助言を求め、モニタリ
ングを含めた順応的な管理をすることとした意見です。
次に、3番目の埋蔵文化財です。計画地での試掘調査により、縄文時代から弥生時代にかけての遺
構として木道跡や木製品が確認されていることから、計画地は地下水位が高く、土中の水分が豊富な
ため、全国的にも発見事例の少ない木道跡等の遺構、遺物が確認されていることから、工事に伴う排
水対策等による埋蔵文化財への影響をできるだけ抑えるよう配慮することとした意見でございます。
最後に、4番目、水象、地盤、地象でございます。計画地は軟弱地盤であり、地下水面も浅いこと
から、工事に伴う排水や地下水の流向が変動することによる地盤沈下が懸念されるため、地下水位の
低下に配慮した工事の施工を行うこととした意見です。
以上が小委員会意見書の内容です。
〇議長(米林) ありがとうございます。
それでは、本日御出席になっておられますほかの小委員会委員の皆様にコメントをいただきたいと
思います。
小口委員、お願いします。
〇小口委員 小口です。水及び地盤、それから若干文化財の観点から意見を小委員会のときには述べ
ました。まず、4番目の水象、地盤、地象のところですけれども、ここの地域はかなり軟弱な地盤で
すし、あとすぐ隣に並行して市野川という川が流れておりまして、地下水源もすごく浅いということ
がわかっております。したがって、その工事に伴って、工事中にその地下水の向きなり、あとは地下
水の水位なり変わる可能性がございますので、それに伴って地盤がちょっと変動するということが、
特に沈下するということが懸念されます。そういうことを盛り込んで、工事に際しては注意してくだ
さいということを盛り込んであります。
文化財に関しても、地下水面が高いというところでは、地下水位よりも低いところでは還元的な環
境だから酸化しないということで、木道、あと木質の遺構、遺物が残っているのですけれども、それ
が工事に伴ってどうなるかわからないということが懸念されます。したがって、そこにつきましては
文化財の保存のほうのコメントももらって工事を進めていくことを伺ってはおりますけれども、その
-31-
ような文化財についての配慮をできるだけ行ってくださいということを申し上げました。
以上です。
〇議長(米林) それでは、小泉委員のほうからコメントをお願いします。
〇小泉委員 史跡、文化財を担当させていただいております小泉と申します。史跡、文化財は、先ほ
どの説明にもありましたように、発掘調査による記録保存によって代償措置をとるということでした
ので、その記録保存がきちんと行われるかどうかということで、吉見町の調査体制でそれがきちんと
なされるかどうかについて確認をさせていただきました。結果、今回確実に改変を受けるのは道路部
分なんですけれども、それでもかなりの調査面積になりますので、外部から人員を増員して調査に当
たるということで、この代償措置は吉見町の指導のもと、きちんとなされるということを確認させて
いただきました。
また、道路部分以外も全体に埋蔵文化財が存在するということで、今小口委員からもお話がありま
したように、有機質の遺物が残る遺跡というのは多くないわけで、そういったものが残る環境がこの
地域には残されています。今回造成に当たって改変されるのは道路部分なので、その工事によってそ
れ以外の部分にどのような影響があるか、現時点ではなかなかわからないところがあります。しかし、
なるべく埋蔵文化財の存在を意識して、どのような地下への影響があるかということを確認しながら
実施していただくことをお願いして、このような埋蔵文化財の項目を載せていただいた次第です。
〇議長(米林) ありがとうございます。
続きまして、小林委員のほうからお願いします。
〇小林委員 小林と申します。動物のほうを担当させていただきました。まず、準備書に記載されて
いる文献的な面と現状について、その差について少し確認させていただきました後、湿地ということ
もあり、動物の繁殖状況の確認ということもあって、両生類の産卵状況等について報告をいただきま
した。また、いろんな動物種の移動経路が改変されることになりますから、移動経路に関する見解等
について事業者の見解をいただきました。
以上です。
〇議長(米林) ありがとうございます。
それでは、ただいまの事業者からの説明、それから小委員会側からの説明に関しまして、ほかの委
員の先生方から御質問等ございますでしょうか。
〇外岡委員 アセスメントと関係ないですが、この航空写真、概要にありますよね。農地整備と同時
にこの工業用地を整備なさったということですね。この近くに、図の上のほう、大沼、天神沼と書い
てあって、これはため池なんですか。
〇吉見町(小久保) こちらの写真のほうに出ている大沼、天神沼は農業用のため池になります。
〇外岡委員 しかし、ここは地下水位が高いということで、乾燥していないのにため池があるという
のは、ため池が必要な地域なんですかね。
〇吉見町(小久保) こちらの大沼と天神沼のほうには、揚水機が備えつけてありまして、ポンプで
すね、それによってパイプラインがこちらの耕地のほうには張りめぐらされております。それで、用
排分離、用水と排水路については全く分離したような形で、排水路はかなり低い形で整備されており
-32-
ます。これは、この圃場整備をやったときにそのような形で整備したということになります。
〇外岡委員 私がちょっと気になったのは、せっかく整備して、かなり農地に対して大きな面積を工
業地にしてしまうのはもったいないというか、優良農地で使ったほうがいいんじゃないのかなという
感想なんです。わざわざ工業用地なのかというのがちょっと気になりました。
〇吉見町(小久保) こちらの耕地につきましては、4ページの工業用地の赤く囲まれたところを見
ていただくと、耕地整備前の姿が見てとれるというふうに思うのですけれども、この周りもこのよう
な不整形な形で、道路も水路もないような状況、そういう田んぼでした。昭和40年代後半にこの今
見ているきれいに整備されている部分を不動産会社が先行取得したという経緯がございます。当時は、
その不動産会社さんのほうはこちらの面積すべてを買収して、工業団地、あと住宅用地にするという
計画であったようです。ただ、農地であるということがございますので、開発のめどが立たなくなっ
たということで、途中でそういう状況になったんですけれども、全部を買い占める前におよそ32.
4ヘクタール買収したところでストップした経緯がございます。そうしますと、ばらばらに買ったわ
けですから、虫食い状にそういう土地ができてしまったというところがございます。圃場整備される
前は、田越しに用水を配っていたと。あと、道がないので、他人の土地を通らないと自分の土地に行
けないというような耕地でありました。ですから、買われてしまったところはどんどん荒れ地になっ
てしまったのです。そうしますと、田越しに配水していた部分が滞りというか、荒れ地になってしま
ったところで営農上かなり支障が出てきたというようなところがございまして、その辺を何とか解消
しようということで、平成の初めに圃場整備を導入してその先行取得された農地を1カ所に集めて、
そのほかの部分については優良農地に整備しようというようなことで始まった事業であります。
〇外岡委員 整備費をこの工業地の中で賄おうとか、そういうことではないんですね。
〇吉見町(小久保) そういうことではございません。
〇議長(米林) そうしましたら、そのほか先生方のほうから御指摘、御質問等ございますでしょう
か。
〇佐藤委員 全般的なところですが、概要版の10ページ、調査の概要で各調査ポイントを記してい
るんですが、本編の調査ポイントと違うところがあります。これに正式な各調査項目で地点名を表現
すると、いろいろ本文中でわかりづらいところがわかりやすくなると思いますので、この調査ポイン
トの整理と名称の整理はぜひやっておかれたほうがいいと思います。
それから、一番最後の事後調査の工程ですが、この工程では、進出企業の建築工事は24年度から
26年度までで完了するというのは、これは現実的な話なんでしょうか。随分早いなという感じがす
るんですが、これが正しいかどうか確認をさせていただいて、もし問題があれば訂正をしていただけ
ればと思います。
それから、本文中の整合がとれないところは事務局のほうにお話ししてあります。
以上です。
〇議長(米林) 2点ございましたけれども、事業者のほう、いかがでしょうか。
〇事業者(村瀬) それでは、まず1点目、概要版と本編との調査地点の整合がとれていないという
点につきましては、私どもの確認漏れだと思われますので、整合がとれる形で再整備させていただい
-33-
て、評価書の中ではその辺をきっちり整備していくことで考えております。
〇吉見町(山木) 44ページの建築工事の件でございますけれども、この区画整理の操業の時期と
いうのは26年の夏ごろを目標にしております。そういうことで、できれば25年の1月ごろには建
物の工事、すべての建物ということではないんですけれども、進出がある程度売れて、めどが立った
ところは25年の1月ごろから建築工事に入っていきたいということで、26年の8月の操業に間に
合わせるということで、このスケジュールはおかしいものではないということです。
〇佐藤委員 現実的に、これは土工事、排水工事、調整池の工事と同時進行で分譲して、各工場が建
設をするという形になるんですか。
〇吉見町(山木) 8月からすぐに造成には入っていきまして、各工場の用地のところに造成工事を
して、ある程度盛土が終われば、いろんな工事に入っていくと。くい工事だとか、そういうのに入っ
ていくということで考えております。
〇佐藤委員 ちなみに、造成して分譲する場合、昨今の地震対策、液状化対策というのは、この辺は
各進出企業にお任せするような格好になるんですか。
〇吉見町(山木) 持ってくる土は、ここは盛土する区間にはなるのですけれども、盛土する区間と
いうのは、砂系だけではなくて、ある程度強度を持った土をいろんな工事現場から持ってくるのです
が、多分単一の砂だけでまとまった土というのではなくて、いろんな土がまざり合った形で造成され
る形になります。ですから、造成されたところはそんなに液状化は心配要らないんですが、あと下の
ほうに若干砂層が少しかんではいるんですけども、そんなに分厚い砂層ではありませんので、地盤は
軟弱なんですけれども、今回の地震、この吉見あたりもかなり揺れがありましたけれども、液状化と
か、そういう状況が生まれているような場所ではないです。
〇佐藤委員 調査済みであれば結構です。
〇議長(米林) 1点目のほうの本編との不一致みたいなところ以外に、凡例でしたかね。
〇佐藤委員 要するに調査地点の呼び名ですよね。数字で1、2、3、4が例えば臭気と騒音、振動
で、1が違う場所を使っていたりとか、そういう全体で読みにくいところがあります。本編と概要版
で各調査地点が全体概要と違っているものがあると、そういう意味です。
〇議長(米林) それは、評価書の段階では直るということですね。
〇佐藤委員 つまらないことですが、誤解を受けてしまいますので。
〇議長(米林) そのほか、先生方、いかがですか。
〇小松委員 すみません、4時に退席させていただきたいので、1点だけ、概要版の9ページの表の
中に土壌にかかわる有害項目にアスタリスク、米印がついていて、下の米印の文章を読むと、調査段
階では、調査したんだけども、有害項目が検出されなかったので、調査項目から除外した項目と書い
てあって、文章がすごくわかりにくくて、例えばこの意味は、概要の27ページ、土壌調査のところ
に、27項目調べたけれども、大丈夫だったみたいに書いてあるんです。だから、例えば最後のとこ
ろを評価項目から除外したとか書けば、ちゃんと測っているんだけど、何も問題なかったから、評価
の対象から外しますと言ったほうがわかりやすいかと思います。せっかく測っているわけですから、
調査項目から除外したというよりは。
-34-
それから、それに関連して、もう一つ、地下水のほうは、地下水の水質に係る有害項目で黒丸がつ
いているんですけど、その後のほうの調査概要のところが全く地下水のことに触れていない。例えば
25ページでしょうか、水質の予測評価の概要のところにも、地下水の調査をしたらどうだったみた
いなことが全く書いていないので、1行か2行でも書いてあれば、調査されているんだと思うので、
よろしいのではないかと思います。
〇議長(米林) 事業者のほうから。
〇事業者(村瀬) まず、1点目、アスタリスクをつけました土壌に関する御指摘ですけれども、こ
れは私どもの確認漏れでございます。調査結果を踏まえて、予測評価のほうから外しましたというこ
とを書きたかったところです。御指摘を踏まえて修正させていただきます。
それから、地下水の水質に関してなんですが、確かに概要版に一切コメントが載っていなかったと
いう御指摘はそのとおりでございまして、これにつきましては調査結果などを踏まえて記述すべきだ
と思われますので、これも評価書の段階で概要版を作成する際には、そういった漏れのないように記
述を入れた形の整理をさせていただきたいと思っております。
〇荒井委員 事前に意見をおくらせていただいて、高木の植栽帯の創出について御回答いただきまし
てありがとうございました。その中で、4ページの2の意見なんですけれども、高木植栽帯は用地も
含めて進出企業さんが管理されるということで、その管理が適切に行われるように保全措置をしてい
ただけるということで、ありがとうございました。
概要版7ページを見てみると、企業さんが複数入るということで、西面とか北面とか東面、ライン
できちんと統一したものをつくっていただくということを保全措置のほうにも明記していただきたい
というか、各企業さんに温度差があって、ある企業さんはこうだけれども、ある企業さんはこんな感
じでみたいな感じになって、ばらつきが出てしまうと、景観の面でも生態系の面でもいろいろ支障が
出ると思いますので、文書の中に西面、東面、北面として、ラインとしてきちんと変えるようにとい
う形で記述していただければなというふうに思います。
〇事業者(村瀬) 高木植栽帯の管理のための考え方というんでしょうか、今御指摘いただいた例え
ばラインごとにというようなこと、その考え方ぐらいは恐らく評価書の中に記述できるかと思います
ので、これは恐らく環境保全措置の中で書くか、もしくは事業計画の中の一部として書くか、いずれ
かの形で盛り込みたいというふうに考えます。
〇吉見町(山木) 植栽の工事自体は区画整理事業側でやりますので、ある程度その考え方というの
は使いながらということで、ある程度同じものが北面、南面でできるということでよろしいかと思い
ます。
〇荒井委員 工事は多分一斉にされると思うんですけど、この管理の面で、管理が重要だと思うんで
す。ある程度きちんと管理を皆さん考えていただいて、良好なものが維持できるようにということを
きちんと明記していただければなというふうに思います。
〇議長(米林) どの計画でも申し上げるんですけれども、特に生物を相手にする、今回もそうです
けれども、植栽帯のようなものは、植えたところが始まりであって、そこからどう管理するのかとい
うことのほうがむしろ重要になるんです。例えばこの30ページの図のようなものが出ていますけれ
-35-
ども、やぶが必要なような鳥類が利用できるようにというコンセプトでこういう図がかかれているか
と思うんですけれども、これは管理の仕方によって、安心安全のまちづくりで見通しのよい植栽にし
たいというふうになると、このコンセプトが実現するような管理にならないわけです。そういう意味
で、その管理体制、こういうふうな管理をするということをできる限り明記してほしいという、そう
いう御意見だと思います。
そのほかございますでしょうか。
〇冨岡委員 ちょっとアセスメントとは外れるのですが、本編の2―19と2―20を見てみると、
調整池がほかの2件に比べて面積がかなり小さいように感じられます。排水路は暗渠か何かかと思わ
れますが、あふれる心配はないのでしょうか。どのくらいの降雨を想定しておられるのか、わかりま
したら教えていただけますでしょうか。難しい質問をここでしてしまって申しわけございませんが、
もしわかれば。
〇吉見町(小久保) 調整池の面積は約1ヘクタールぐらいあるんですけれども、2―20の図に出
ている修景池というのはふだんから浅い水深なんですけれども、水がちょっと張ってあるような状況
です。その上の部分に降雨時には水がたまるような形になると。そういう構造になっているというふ
うに御理解いただければいいと思います。それで、どれぐらいの雨を想定しているかというところな
んですけれども、埼玉県の条例で調整池の容量というのは決まっておりまして、こちらの地区になり
ますと、開発面積ヘクタール当たり700トンの容量を確保するということになっております。約2
5ヘクタールに700トンを掛けると大体1万7,631、これよりちょっと少ない数字なんですけ
れども、余裕を見て1万7,631立米の容量を持たせているということになります。
〇冨岡委員 県の条例なので、それでいいと思いますが、もし集中豪雨が降ってあふれた場合にはど
こへ行くような想定ですか。
〇吉見町(小久保) 想定を超える雨が降るということになると、多分ここだけではなくて、そこら
じゅう水浸しになるということなので、それ以上のことは想定はしてございません。
〇渡辺委員 今までの質問とも関連するんですけれども、調整池というのは、この地図を見ますと、
諏訪沼という沼と隣接というか、ほぼ向かい合わせのような形になるんでしょうか。
〇吉見町(小久保) 調整池の南側に、間に市野川用水路という、市野川から用水として引いている
用水路を挟んで諏訪沼があるというような位置関係になります。
〇渡辺委員 今回つくる調整池をビオトープ型にするという計画なんですよね。既存の諏訪沼との環
境的な整合性とか、そういったことは具体的に何か検討しておられるんでしょうか。あと、その後ろ
というか、この地図で見ますと、その真上に公園をつくる予定になっているみたいですけれども、そ
の池から続いて公園にするというふうになっていて、30ページの図だと、池をどういうふうに整備
するとか公園をどういうふうに整備するか、ということの具体的な計画がよくわからなくて、それに
よってどういう動植物をメインに呼ぶというか、メインで生息する動植物のためにどういうふうに管
理していくか、ということも含めた全体の計画とその後の管理のコンセプトがちょっとわかりづらか
ったので、まだこれからの検討事項なのかどうか、教えていただけますでしょうか。
〇事業者(村瀬) それではまず、諏訪沼と調整池の関係ですけれども、排水が諏訪沼に入るという
-36-
ことはなくて、そういう意味で水系としては一応遮断された状態になっております。今後調整池の中
でできるだけ生物の生息環境として良好な状態をつくるという際には、諏訪沼が隣接しているという
ところがございますので、全くそれを度外視しての計画にはしたくないなと思っておりますが、具体
的な中身についてはまだ検討の途上ということもございます。ですので、現在こうだということは直
ちには申し上げられないんですけれども、それが1点と、それから公園も含めた復元するビオトープ
というんでしょうか、環境の姿が不明確ではないかということなのですが、これにつきましても今申
し上げたとおりで、公園の内容も含めて具体的に何か今申し上げられることがあるとすれば……何か
あるでしょうか。
〇吉見町(小久保) とりあえず公園の整備につきましては、具体的にこれというところはないんで
すけども、事業自体では、あまりその公園自体には手をつけないというところがあろうかと思います。
町のほうでこちらの公園については事業終了後に引き継ぐわけなんですけども、それから具体的に整
備するような形になるのかなというふうに考えています。
〇議長(米林) そのほかございますでしょうか。
〇星野委員 小委員会で一応確認した点ですけども、概要書の30ページにあるのですが、30ペー
ジの植栽イメージ、ここで左側のほうにサトザクラ等があって、人目に触れることを意識した紅葉や
美しい樹種というのはこの保全措置としては全く無関係なので、こういうものをここに入れるのは不
適切というふうに指摘しました。これは、修正していただけるんですよね。
それとあと、本編のほうの10―7、植生図があるんですが、事業地全体が高茎二次草原と1つに
くくられていて、事業地の全体の概要を示すに至っていないという評価をしまして、その理由として、
本文のほうの10―6のところに空中写真判断が困難であったため一括したというふうに書いている
のは不適切と指摘しました。これも修正していただけるかどうか。
さらに、10―12ぐらいからの植物に関して、植物の確認地点がないのです。これについては、
保全上、動物の関係もあるというようなことをおっしゃったのですが、これは今後保全するに当たっ
て全個体を保全するという計画になっているのですが、この評価書を見て、事業者が全部認識してい
るなら大丈夫なのかもしれないのですけど、この状態でこの評価書で全個体保全がうまくできている
ということを確認することができるのかということをお伺いしたい。
〇事業者(村瀬) まず、先ほど御指摘いただいた、小委員会の中でいただいた指摘事項に関しまし
ては、修正するということでお伝えしたとおりでございます。
それから、最後にいただきました、要は個体の確認位置の情報がない状態で全個体を移植可能なの
かという御指摘ですけれども、まず位置情報に関しては、調査の結果として残っておりますので、そ
れをもとに現場に入って個体の確認をし、移植対象のものを採取するということを考えておりますの
で、実施上は多分問題ないとは思うのですけれども、ただ資料として図書の中にそういった位置情報
が必要なのかどうかというところに関しては、具体的に評価書でどう対応しようかというところ、県
と御相談がまだできておりませんので、これについては必要であれば掲載いたしますし、それに基づ
いてその場所の個体を保全措置対象とするという形で整理したいと考えております。
〇星野委員 秘匿の理由、根拠とかを御検討ください。
-37-
〇議長(米林) 本当に隠す必要があるのかを十分に検討してくださいという御指摘だと思います。
そのほかございますでしょうか。
〇外岡委員 流通加工業という業種があるんです、この資料の中で。流通加工業というのは、産業分
類にはない業種なんですが、名前としてそういう用語を使うのはどうかと気になるのと、具体的には
どういうものですか。
〇吉見町(山木) 昔は倉庫なら倉庫だけという形だったのですが、単なる倉庫の機能だけではなく
て、そこでいろんな仕分けだとか、例えば名札、値段をいろいろ張りつけてみたりとか、若干の加工
というか、物ですから、仕分けだとか、そういう作業が入ってくると。倉庫の作業プラス、そういう
いろんな仕分けの作業があるというようなイメージのものです。
〇外岡委員 事業所調査で必ず従業員数とか答えなきゃいけないんだけど、そのときどういう業種で
届けている業種なんですかね。標準産業分類というのがあるので、その分類に従った名前をつけてい
ただいたほうが正確というか、資料としては望ましいというのが私の意見ですけれども。
〇吉見町(山木) 従業員のほうは、情報通信業・運輸業、例えば10―16―7、そこの3行目、
道路貨物運送業、このあたりのものです。
〇外岡委員 普通は道路貨物運送業です。事実上、業態がかなり変わっているんです。では、具体的
にわかっているんだったら、こういう業種というのをどこかで注をつけるとか、業態がわかるような
説明があったほうがより親切でしょうね。確かに昔の産業分類が最近の業種と合わなくなっていると
いう、そういう側面はあるんですけどね。
〇議長(米林) 評価書の段階でその辺の対応がわかるような表現をちょっと工夫していただいたほ
うがよろしいというコメントかと思いますけれども。
〇吉見町(山木) そのようにさせていただきます。
〇議長(米林) そのほかございますでしょうか。
(発言の声なし)
〇議長(米林) 低湿地ということで、地盤沈下等々の御指摘が小委員会等からもあったと思うんで
すが、その辺は評価をして、例えば大丈夫なら大丈夫というような記載がされるというふうに考えて
よろしいわけですか。
〇外岡委員 私は専門ではないけれども、液状化は確かに問題になるんですが、この場合、分厚い本
の後ろのほう、55ページを見ると、基礎地盤が20メートル下ですよね。この後ろから見て53ペ
ージ以降のところを見ていただくと、ボーリングの結果がありますけど、これを見ると、大体N値が
50いっているところが20メートル下にあるわけですけど、結局20メートルくいを打った上で建
物を建てるのが普通なので、ですから液状化しても、建物が壊れることはまずないんです。ただ、液
状化しちゃうと、周りがへこんじゃうから、そのへこんだ後でまた舗装し直すとか、土を盛り直すと
かは必要になる可能性があります。
〇議長(米林) 液状化に限らず、環境評価なので、このような事業を行うに当たってどういう影響
があるかという評価はちゃんとなさるんでしょうねという確認なんですけれども。
〇吉見町(山木) 一番心配なのが沈下なんですけれども、私ども道路は道路でしっかりと地盤改良
-38-
をするから、いいんですけれども、建物はいいんですが、建物の周りということで、それについては
盛土をして、プレロードをかけることで残留の沈下量を5センチ以内に抑えるということで、盛土に
よる沈下を促進させるというようなことをこの準備書の中にもうたっております。
〇議長(米林) わかりました。
それと、先ほど小泉委員のほうから御指摘があったような、低湿地性であるからこそ残っているよ
うな埋蔵文化財に関して、記録保存ということが道路部分では主になるというお答えだったかと思う
んですが、それ以外の直接工事を行わない部分に関しても、地下水位の低下とかによるダメージがあ
るかどうかというような根拠というか、評価のようなものも反映させるというふうに受け取ってよろ
しいですか。
〇事業者(村瀬) まず、地下水位がどの程度まで今回の工事によって下がるのかというところにつ
いてはできるだけ検証できるようにというふうに考えております。それが具体的に例えば木製の遺物
に地下水の状況が変わったことでどの程度の影響を与えるのか否かについては、なかなか判断が難し
い問題だと思いますので、そこはちょっと専門家の方に御相談をするような形で意見を伺いながらま
とめていければと考えております。
〇議長(米林) そのほか、先生方のほうからございますでしょうか。
〇冨岡委員 素人なのですが、工場が立地するときにはまたくいが打たれるわけですか。
〇吉見町(山木) 先ほど言った20メートルのところまでくいを打つということです。
〇冨岡委員 その部分にある文化財については、どのような対策をとるのですか。
〇吉見町(山木) 今県の文化財の担当のほうと打ち合わせというか、いろいろさせてもらっている
んですけども、いわゆる狭小工事というんですかね、くいをできるだけ小さくして、くいの間隔を飛
ばす形というんですか、飛ばして、確かにくいは打つんですけども、文化財に与えるダメージを少な
くするというとおかしいんですけど、そういう形で、なるべく盛土をすることで保護層を設けて、実
際当たるのはくいの部分だけで、その部分は狭小の工事で済むということで、建物のくいの部分の調
査はなしというか、そういう形で今詰めさせてもらっているんですけども。
〇冨岡委員 素人なので、余り言えないのですけども、では将来例えばすごく大事なものがあるとい
うことがわかったときには、そのくいのところを外してまた調査するということになるのでしょうか。
〇小泉委員 ちょっと無責任かもしれませんが、今回の評価は区画整理に伴うものだということでし
たので、その事業者が決まって、その中をどうするかということについては確認をしていませんでし
た。それはまた別レベルの問題になるかと思いましたので、特に触れなかったのですが、今伺った話
では、調査をしないということを聞いて驚いています。この点はまた改めてどこかで代償措置につい
て確認する機会があると考えていいのでしょうか。
〇議長(米林) 今のお答えは、盛土をしたりするので、地下にまでは大部分のところは及ばないと
いうお答えですよね。
〇吉見町(山木) 文化財への影響というのは、確かにくいを打つ部分は間違いなく文化財のところ
に刺さるという形になるのですけれども、そのくいの間隔だとか本数をできるだけ少なくして、文化
財の代償措置までいかないような形で対応させてもらいたいということで県とも話しを今詰めさせて
-39-
もらっているところです。
〇外岡委員 工場を建てるので、超高層ビルを建てるわけじゃないですから、建物は非常に軽くて、
たくさんくいは要らないと思うんです。ということは、くいが刺さる確率は非常に低いと。
〇小泉委員 県と実際に協議をされているということですので、きちんとした指導がなされているか
と思いますので、埋蔵文化財の最低限の改変でとどまるのかなということを期待していますが。
〇外岡委員 音波みたいなものを下にやると、下に何があるかってわかりますかね。くいを打つ前に
そういうもので調査できれば、一応くいを打とうかなというところでやってみて、それでここはなさ
そう、そこにくいを入れましょうと、それならありだと思います。
〇吉見町(山木) これは、始める前に50メートルのピッチでずっと試掘していまして、どこに文
化財があるのかなというのは事前に調査をしてあります。先ほどの道路の下だとか池の下は全面的に
やりますので、10―14―4なんですけれども、ここに黒っぽい筋みたいなものがあるんですが、
これ沿いに事前の調査というんですか、トレンチで調査をして、文化財の密度の濃さ、ここのところ
は非常に高い密度で出ますよとか、出ませんよとかもして、この資料もきちんと今ここで出たものを
整理しているということです。
〇議長(米林) 先ほど小泉先生のほうから解説がありましたように、県のほうとも協議をしていた
だいて、通常の余り問題のないような形で行われるというふうに理解してよろしいわけですね。
そのほかございますでしょうか。
(発言の声なし)
〇議長(米林) それでは、御質問、御意見も出尽くしたようですので、今後の進め方について、事
務局のほうから説明をお願いいたします。
〇事務局(落合) 事務局です。事務局のほうから委員会意見とはまた別のことで1点だけ、今回の
この準備書につきまして何人かの委員の先生から誤字、脱字が非常に多いと、読みづらいと、理解し
づらいと、住民の方に本来見せるものですので、見やすいものに心がけていただきたいと、そういう
委員さんからの意見が何人かの先生からあったということを申し添えて、評価書では誤字、脱字をも
う一度チェックしてつくっていただくことをお願いしたいかと思います。
それでは、先ほどの議事と同様に、議事録を作成いたしまして、出席者委員の皆様に御確認をいた
だいた上、それに基づきまして技術審議会の御意見として取りまとめていただきたいと存じます。
以上です。
〇議長(米林) ただいまの説明でよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
〇議長(米林) どうもありがとうございます。
それでは、最終的な答申の取りまとめ方については、小委員会の意見をもとに本日委員の先生方か
らいただいた意見を十分に配慮して知事に答申したいと思います。
なお、取りまとめにつきましては、星野委員長と山﨑副会長並びに私に御一任いただけますでしょ
うか。
(「異議なし」の声あり)
-40-
〇議長(米林) ありがとうございます。
それでは、そのように取り計らわせていただきます。
それでは、ここで事業者の皆さんには退出していただきます。
(事業者退室)
〇議長(米林) それでは、以上をもちまして、次第にあります審議事項は終わりですけれども、そ
の他ということで、先生方のほうから何かございますでしょうか。
〇星野委員 今回の3つの小委員会の意見ですべてミティゲーションについて移植に関する意見が入
っていると思うんですけども、それに関連してちょっと御報告というか、情報の提供をしたいと思い
ます。
ホンダ寄居工場の事業が終わった事後調査の結果を私は現地で見てきました。あと、先日彩の国循
環工場の第2期工事の仮移植の報告書の原稿の案を見せていただきました。いずれの場合も仮移植の
段階でかなり保全対象種が保全できていないという状況になっています。今回の3案件もみんな生育
地外で保全してもとの場所に戻すという計画なので、これはかなりリスクを伴う措置であると。リス
クとコストを伴う措置であるというのを改めて感じたということで、この審議会で審議するときにそ
れについてはもう少し真剣にしなければいけないのではないかと思ったところです。
もう一つは、保全措置をして終わってしまいそうな気がしているんです。本当は保全されることが
目的でなければいけないのに、措置を講じるだけで終わってしまうというような、そういう危険性が
あるので、そうならないようにするにはどうしたらいいのかを少し考えなくてはいけないのかなと思
いました。
以上です。
〇議長(米林) ありがとうございます。
きょうの議論でも少し出てきましたけれども、生物系のものはやったという実績をつくればそれで
終わりというような風潮に流れがちなんですけれども、星野先生に御指摘いただいたようなリスクの
問題も含めて、もう少し科学的な根拠、あるいは技術というものを重視してもらうように、この審議
会としてもそういう方向になるべく持っていかないといけないかなというふうに思います。
そのほかに先生方。
〇冨岡委員 最後なので一言言わせていただきます。事後調査の項目ですが、下水放流の場合、水質
は項目に入れないという方向で統一されていると思われます。たしか寄居だったと思いますが、そこ
で事故があったときには表面水を汚染した事例があったと思います。全体のことなので、個別には言
わなかったのですが、建物をつくって工場をつくれば、雨が降ったときにいろいろなものが流れたり、
トラブルがあったときに流れたりするということを前提に危機管理をする必要があるのではないでし
ょうか。アセスメントではないということになってしまうのですけども、危機管理として、県のほう
で、事後管理をどういうふうにやっていくかというのも考えておいていただかないといけないと思い
ます。一つ一つの汚染は小さいかもしれませんが、工場がたくさんになってくれば、下流では問題に
なるかもしれません。埼玉県から流れた川はほかにも行きますし、事後管理についてちょっと考えて
いただければなと思います。
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〇議長(米林) 県のほうから何かコメントはありますか。
〇事務局(落合) 貴重な御意見ありがとうございます。実際そういう事実、危機管理も含めたもの
は必要だと思いますので、今後事後調査等でどう盛り込んでいくか検討してまいりたいと思います。
〇議長(米林) ありがとうございます。
〇外岡委員 ISO14001とかでそういう項目というのはあるんですかね。もしやっている工事
があったら。ISO14001で自分で管理しているんですかね。どうなんでしょう。
〇佐藤委員 自分の会社の生産とか品質管理の面ではやられるのが普通ですけれども、植栽の保護と
か、そういう点までは、それは会社の個人差があると思います。
○事務局(竹原) ISO14001では、有害物質を取り扱っていれば、それが何か事故があった
ときに流出するということに対して法的なことを整理するとか対策をとるとか、そういったことが決
められております。
〇議長(米林) ありがとうございます。
そのほかございますでしょうか。
〇渡辺委員 今星野先生がおっしゃったことの追加というか、私も今日の午前中、寄居の資源循環の
動物の移植に関しての事後報告を簡単にいただきました。けれども、定着率がよくないというか、や
っぱり難しい。ある程度の定着は確認できたけれども、やはりちょっと難しいということで、今後の
追跡調査をどういうふうにするかが気になって伺ったところ、やる予定はもちろんあるけれども、と
おっしゃっていたんですが、その具体的な計画についてがまだ何か具体性を欠いているような感じが
してちょっと気になったので、そういう事後調査をきっちりやっていくように、委員会のほうからも
求めていく必要があるんじゃないか、と思ったのが1点です。
あと、ちょっとアセスと直接関係ないんですけれども、去年の大地震のときに久喜市のほうで液状
化現象が見られたってニュースで見たのは、去年の久喜のほうの現地調査に行ったところの近くだっ
たんでしょうか。たしか沼を埋め立てたところが隣接地区で一部あったような気がしたんですけれど
も、例えば今までこうやってアセスとかを行ってきた中で、その後の地震とか、あるいは台風なんか
があった場合は、できるだけ具体的に委員全員にも「こういうことがあった」あるいは「何もなかっ
た」ということを広く伝えていただいて、その後の情報を共有できるようにできたらいいな、と思い
ました。
〇議長(米林) 何か情報をお持ちですか。
〇事務局(田中) 久喜の液状化の件でございますけども、場所としては旧栗橋町、審議会で御審議
いただきました清久工業団地はいわゆる従来の旧久喜市でございます。旧栗橋町よりもっと西側の位
置と。液状化があった部分は、もっと利根川に近い部分でございまして、もともと田んぼの部分を造
成して埋め立てたということで、環境としては、清久に近い部分もございますけれども、幸いにとい
うか、清久のほうは液状化がなかったと。栗橋のほうは、液状化があった状況でございます。ちなみ
に、その部分については、震災の復興特措法の特別地域、県内で唯一指定されております。こちらに
ついては、アセスをやる場合は特定影響評価書というものを1つつくればいいという状況なんですが、
現時点では、久喜市では、こちらについてはもう住民が住んでいることから、土地区画整理事業とか、
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いわゆる地べたをいじる工事については予定がないと。それぞれの住民の方に支援をしながら修復を
するという話を伺っております。
以上でございます。
〇議長(米林) 小口先生、これからの環境影響評価で、液状化とか、そういうようなことに関して
何かアドバイスみたいなものがあれば、専門の立場からお願いしたいのですけれども。
〇小口委員 南栗橋は、直接は調査に行っていないんですけれども、一般的な話として、旧河道のと
ころとか旧沼地のところはかなり危ないので、まず土地条件図みたいなものをきちんと見て、自然堤
防みたいなちょっと高いところは大丈夫だと思うんですけれども、じめじめとした旧沼地、川が流れ
ていたところというのは液状化がまず起こると思っていたほうがいいぐらいだと思います。なので、
例えば今回のケースでも、西吉見なり、私は直接小委員会には参加しませんでしたけれども、幸手で
すとか、そういうところでも、結構広い土地を整備するのであっても、その中の微妙な地形の高低で
液状化をするところとしないところが出てきます。一々細かくは多分載せられないとは思うんですけ
れども、そこを加味して事業者に指導していければいいのかなと。今現時点でできることはそれぐら
いなのかなという気はします。
〇議長(米林) 西吉見なんかは、川を真っすぐにして、町村界が曲がっていますから、いかにも危
なそうですね。直接その環境影響評価の現在は対象ではないということでありますので、将来の課題
ということにしたいと思います。
それでは、事務局のほうから。
〇事務局(落合) 本日の議事録についてでございますが、事務局で原案を作成いたしまして、本日
の会議の署名委員でいらっしゃいます荒井委員と小口委員に御確認をいただき、その後最終的に米林
会長の御承認をいただいた上で議事録としたいと考えております。
また、作成した議事録につきましては県のホームページで公開したいと考えておりますが、このよ
うな手続で進めてよろしいでしょうか。
((「異議なし」の声あり)
〇事務局(落合) ありがとうございます。
以上です。
〇議長(米林) それでは、委員の先生方の御異議がないようでしたので、事務局のほうで今説明い
ただいたとおりお進めいただくようお願いします。
最後になりますが、先生方のほうから何かございますでしょうか。
(発言の声なし)
〇議長(米林) それでは、本日の議事はすべて終了しました。
委員の皆様、円滑な進行に御協力ありがとうございました。
○司会(竹原) 各委員の皆様、長時間にわたる御審議どうもありがとうございました。
今年度をもちまして委員を退任される方が18人の委員のうち半分の9名の委員の方がいらっしゃ
います。県の規定によりまして、委員につきましては1期2年、合計2期までということをすべての
委員会について内規で定められております。その結果、半分の委員さんが今回で御退任になります。
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御紹介をさせていただきます。小泉委員、小松委員、鈴木委員、外岡委員、冨岡委員、星野委員、宗
方委員、山﨑副会長、横内委員、以上の9名でございます。公私にわたり、お忙しい中、御指導、御
鞭撻いただきまして、まことにありがとうございます。また今後とも県の環境行政の推進に御指導、
御支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
以上をもちまして、第81回埼玉県環境影響評価技術審議会を終了いたします。
午後4時45分閉会
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