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第6回「ハンガリー旅の思い出」2009年コンテスト作品

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第6回「ハンガリー旅の思い出」2009年コンテスト作品
第6回「ハンガリー旅の思い出」2009年コンテスト作品
徳永さんの作品
ハンガリーの旅の思い出
昨年11月末から12月初旬にかけて8日間の中央ヨーロッパ(ハンガリー・オーストリア・チェコ)ツアーに
参加した。ハンガリー滞在はわずか2日間だったが実に内容の濃い素晴らしい旅行だった。
先ず、ブダペストに深夜到着。あいにく雪で翌日の観
光はどうかと心配していたが運良く早朝には降り止み、
積雪は10センチほどだった。
最初に訪れたのは、ブダペスト市内を一望出来るゲツ
レールトの丘だ。夜半から降り続いた雪もすっかり止み
遠くにマルギット島、国会議事堂などが望め、鉛色のド
ナウ川に架かる「くさり橋」を渡る車も少なく街はひっそり
としていて普段とはまた違った雰囲気の美しい眺めだ。
写真①
①ゲッレールトの丘より雪の「くさり橋」を望む
続いて、トルコ軍と戦った英雄ドージャ・ジョルジュの銅
像写真②を右手に見ながら、プダの丘に両翼を広げる
様に建つ水色のドーム型屋根の王宮を目指して歩いて
いたら、左手の建物に近衛兵を描いた巨大壁画があっ
た写真③何か意味があるのかと尋ねてみたところ、どう
も壁の内側で発掘調査などが行なわれていてその「ボロ
かくし」?とか‥‥壮麗なゴシック様式の教会マーチ
ヤーシュ教会を見学。
②英雄ドージャ・ジュルジュの銅像
③巨大壁画
④「漁夫の砦」より雪のブダペストを望む
「漁夫の砦」へ、回廊から窓越しに見るブダペストの街は素晴らしい。写真④回廊を歩いていると何処
からともなくワルツ「ドナウ川のさざなみ」が聞こえてきた。近づいてみると年老いたおじさんが大河ドナ
ウ川を背景にバイオリンを奏でていた。写真⑤終戦直後の中学生時代レコードで何回も繰り返し聴いた
懐かしい曲だ。その当時のレコードのジャケットには、たしかヨシフ・イヴアノヴイチ作曲、円舞曲「ダ
ニューブ川の漣」とあったのを覚えている。
何十年振りかに耳にした感動と写真も撮らせてもらったので一寸チップを弾んだ。回廊を降りた所の
小さな広場には中世さながらの服装をした「鷹使い」がいた。写真⑥ ハンガリアングヤーシュの昼食の
後、ドナウ川クルーズ。その後、西洋美術館でエルグレコの「受胎告知」、モネの「花咲くリンゴの木」、ベ
ラスケス、ゴーギャン、レンブラント等世界の巨匠達の作品を鑑賞し感激。
⑤老ストリート・ミュージシャン
⑥鷹 使い
⑦クリスマス市にて
夕食後「くさり橋」近くの広場の「クリスマス市」へ行っ
た。中央ヨーロッパの各地では、11月中旬から「クリスマ
ス市」が開かれ色んな店が立ち並び、老若男女が多く集
まる。「クリスマス市」に欠かせない大人の飲物は何と
いっても「ホットワイン」だそうだ。日本酒や紹興酒は人
肌に燗をする習慣はあるが、ワインを温めて飲むのは
知らなかった。以前ドイツでビールを寒いとき温めて飲
むんだと聞いたことはあるが・‥・「ホットワイン」は赤ワ
インにシナモンやバニラ等の香辛料と砂糖を加え60℃く
らいに燗したもの。豚の丸焼きを肴にするのもまた格別
だそうだ。写真⑦クリスマス市は寒い中央ヨーロッパでし
か楽しめない風物詩だ。
2日日は、ブダペストからドナウ川沿いに上流へ向け北上。中世の香りを色濃く残す魅力的な町、「芸
術の町」で知られるセンテンドレへ。
この町には小さな博物館や美術館が十数軒も点在し、小粋でおしやれな店や絵画的な綺麗な家々が
立ち並んでいる可愛い町だ。
写真⑧⑨⑩⑪石畳の道が入り組んだ路地を通り石段を上った小高い所に古い教会があった。そこか
ら見た家々の屋根の天窓は「芸術の町」だけあってとてもユニークだ。写真⑫
次に訪れたのは、ハンガリー建国の地であり現在もハンガリー・カトリックの総本山で西暦1000年建設
のエステルゴム大聖堂写真⑬
⑧センテンドレにて
⑨センテンドレにて
⑪センテンドレにて
⑩センテンドレにて
⑫雪の日の天窓
⑬雪のエステルゴム大聖堂
一昨夜来降っていた雪もすっかり止み、今日は素晴らし
い快晴だ。大聖堂の裏庭からみたドナウ河畔はえもいえ
ぬブルーの美しさ‥‥正に「美しく青きドナウ」だ。写真
⑭
「ワルツ王」ヨハンシュトラウスの円舞曲「美しく青きドナ
ウ」はヨーロッパの国々を結んで西から東へと流れるド
ナウ川のウィーン上流の河畔「バッハウ」と呼ばれるとり
わけ美しい流域の情景を書いたと云われているが、恐ら
く今日のような快晴の日のドナウ川を見て作曲したのだ
ろうと想像した。
⑭雪のドナウ河畔
エステルゴム大聖堂を後に、約100キロメーター離れたパンノンハルマへ。パンノンハルマは1996年12
月に創立1000年を迎えユネスコの世界遺産に指定された人口わずか3600人の町。大聖堂、修道院は
小高い丘の上に建っている。パンノンハルマ修道院の歴史は古く十世紀の終りに創立。圧巻は図書館
で修道院に付属するものとしては世界最大規模で蔵書も36万冊を優に超えているとか。中でも価値の
あるのは初期の印刷出版物と聖書の写本。また大聖堂正面にはパンノンハルマ修道院のシンボル、19
世紀建築の高さ55メートルの時計塔がありその下部には美しいモザイク大壁画がある。写真⑮ ⑮パンノンハルマの大壁画
⑯聖アストリックの銅像
修道院の中庭は手入れが非常によく行き届いて
おり、10世紀末修道院の充実に大いに尽くした初
代大修道院長アストリクのロレーヌ十字架(大司教
十字)を捧げもって立つ銅像がある。写真⑯
ここでは現在も多くの修道士が共同生活を送って
いる。他に神学を学ぶ学生たち300人ほども寮生活
をしている。日本で云えば中学から高校ぐらいの年
代だろうか、院内で会った学生達はみんな態度が
立派で非常に感じのいい少年ばかりだった。写真
⑰
⑰パンノンハルマの神学生達
パンノンハルマの美しく静かな町が一望出来る
正面広場からの夕景は絶景だ。夕日のところだけ
がお椀を伏せたようにポッカリと雲が無く見たこと
もない珍しい気象現象に感動しながらシャッターを
切った。写真⑱
又、何時の日か機会があったら次回はラベン
ダーが一斉に香りを放つ6月~7月頃ローカル線
に乗りパンノンハルマ駅から周りの景色を楽しみ
ながら丘の上の修道院目指してゆつくり歩いてみ
たいものだと思っている。
⑱パンノンハルマの夕景
2009年3月
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