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17p-F10-1
第 61 回応用物理学会春季学術講演会 講演予稿集(2014 春 青山学院大学) 17p-F10-1 ナノポーラス配位高分子の合成、構造と物性 Synthesis, crystal structure, and properties of nanoporous coordination polymers M2(pymca)3OH (M=Fe, Co, Ni, Cu pymca=pyrimidine-2-carboxylate). 埼玉大院理工 1,阪大極限セ 2 児玉 貴文 1,菊川 玲於 1,萩原 政幸 2,酒井 政道 1, ○ 福田 武司 1,鎌田 憲彦 1,本多 善太郎 1 Saitama Univ. 1, KYOKUGEN Osaka Univ. 2, ○T. Kodama1, R. Kikukawa1, M. Hagiwara2, M. Sakai1, T. Fukuda1, N. Kamata1, and Z. Honda1 E-mail: [email protected] 配位高分子は金属イオンと有機物である架橋配位子から構成された金属錯体のポリマーであり、 それらの組み合わせにより様々なサイズおよび形状の空孔または細孔を結晶内に構成することが できる。このようなナノポーラス配位高分子は分子吸着性を示すことから吸着材、触媒、センサ ーへの応用が期待される。我々は細孔を有し、分子吸着性を示す新たなナノポーラス配位高分子 を得ることを目的に、2 座架橋配位子である pymca, bic(=benzeimidazole-2-carboxylate)と各種遷移 金属イオンの複数の組み合わせにおいて物質探索を行った。その結果、数種類の結晶性化合物が 得られた。単結晶 X 線構造解析を試みた結果、遷移金属塩化物(Fe, Co, Ni)または過塩素酸銅と架 橋配位子である pymca の水熱反応から合成した M2(pymca)3OH および Cu2(pymca)3(ClO4)が、細孔 構造を有するナノポーラス配位高分子であることを明らかにした。これらの配位高分子は 2 価遷 移金属イオンと pymca による二次元六角格子を構成し(図 1)、二次元六角格子層が積み重なること で六角格子面の垂直方向に一次元細孔を形成する。図 2 に Co2(pymca)3OH 結晶試料の熱重量(TG) 測定の結果を示す。TG 曲線は温度 T=30~170℃の範囲で約 12%の減少を示し、Co2(pymca)3OH の 結晶細孔内に吸着された水分子の脱離によるものであると推測される。また、Co2(pymca)3OH の 結晶試料を各種アルコールと加熱処理し、TG 測定を行った結果、アルコールを吸着する性質を有 することが確認された。当日詳細を報告する。 図1 図2 10 0 -2 5 -6 0 -8 -10 DTA (V) TG (%) -4 -5 -12 -14 遷移金属イオン pymca Ⓒ 2014 年 応用物理学会 09-147 50 100 150 200 T (℃) 250 -10 300