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Twinkle:Tokyo Women`s Medical University
Title Author(s) Journal URL Assessment of Epithelial Mesenchymal Transition in the NonMass Image-forming Breast Cancer 塚田, 弘子 2015 http://hdl.handle.net/10470/31135 Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database. http://ir.twmu.ac.jp/dspace/ 主 論 文 の 要 約 Assessment of Epithelial Mesenchymal Transition in the Non-Mass Image-Forming Breast Cancer (腫 瘤 非 形 成 性 乳 癌 に お け る 上 皮 間 葉 移 行 に 関 す る 検 討 ) 東 京 女 子 医 科 大 学 外 科 学 (第 二 )教 室 (主任:亀岡 信悟 教授)㊞ 塚田 弘子 東 京 女 子 医 科 大 学 雑 誌 第 84 巻 臨 時 増 刊 号 E417〜 E423 頁 (平 成 26 年 11 月 30 日 発 行 )に 掲 載 【目 的】 腫瘤非形成性石灰化病変で発見される乳癌の多くは非浸潤性乳管 癌 (Ductal carcinoma in situ :DCIS)で あ る が 、 術 前 診 断 が DCIS で あ っ て も 術 後検体で浸潤巣が認められ、術後補助療法を要する症例もみられる。しかし、 術前診断方法は確立されておらず、浸潤巣を含む症例を術前に検出する方法の 確立が望まれている。癌細胞が浸潤・転移能を獲得する際、上皮間葉移行 (Epithelial-mesenchymal transition :EMT)の 関 与 が 知 ら れ 、 DCIS か ら 浸 潤 性 乳 管 癌 へ 進 行 す る 過 程 で の 関 与 が 示 唆 さ れ て い る 。著 者 ら は 、生 検 で DCIS と 診 断 さ れ た 症 例 の 術 後 検 体 を 対 象 に 、 浸 潤 巣 の 有 無 で EMT 獲 得 の 指 標 と な る マ ー カーの染色性の相違を検討した。 【対象および方法】 2010 年 1 月 か ら 2013 年 12 月 ま で に 、東 京 女 子 医 科 大 学 病 院 で ス テ レ オ ガ イ ド 下 マ ン モ ト ー ム 生 検 を 施 行 し た 318 例 の う ち 、DCIS の 診 断 で 手 術 を 施 行 し た 43 例 の 原 発 性 乳 癌 患 者 を 対 象 と し た 。上 皮 系 マ ー カ ー と し て E-cadherin(E-cad)、間 葉 系 マ ー カ ー と し て Vimentin(Vim) を 用 い て 免 疫 染 色 を 施 行 し 、 E-cad は 90%以 上 を 陽 性 、 Vim は 10%以 上 を 陽 性 と 定 義 し た 。 対 象 を 浸潤巣の有無で非浸潤群と浸潤群にわけ、後者を浸潤群非浸潤部分と浸潤群浸 潤部分にわけて 3 群における染色性の相違を検討した。 【結 果】 非 浸 潤 群 は 24 例 中 22 例 で E-cad 陽 性 、 Vim は す べ て 陰 性 で あ っ た 。浸 潤 群 非 浸 潤 部 分 で は 19 例 中 2 例 で E-cad 発 現 低 下 を 認 め 、3 例 で Vim 発 現 を 認 め た 。 浸 潤 群 浸 潤 部 分 で は 19 例 中 13 例 が E-cad 発 現 低 下 を 認 め 、 8 例 で Vim 発 現 を 認 め た 。 浸 潤 群 浸 潤 部 分 で は 、 非 浸 潤 群 と 比 較 し て 有 意 に E-cad の 発 現 は 低 下 し ( p < 0.001)、 Vim は 高 発 現 し て い た ( p = 0.001)。 浸 潤 群 非 浸 潤 部 分 で は 、非 浸 潤 群 と 比 較 し て Vim 発 現 が 高 い 傾 向 に あ っ た (p=0.079) 。浸 潤 群 浸 潤 部 分 で は 、浸 潤 群 非 浸 潤 部 分 と 比 較 し 、E-cad の 発 現 は 低 下 し ( p = 0.001)、 Vim の 発 現 は 高 い 傾 向 に あ っ た (p=0.151)。 【考 察】 浸 潤 群 浸 潤 部 分 で は 、 有 意 に E-cad 低 発 現 ・ Vim 高 発 現 が 認 め ら れ た こ と か ら 、EMT 獲 得 が 示 唆 さ れ た 。3 群 間 で の E-cad 発 現 は 、非 浸 潤 群 、浸 潤 群 非 浸 潤 部 分 、 浸 潤 群 浸 潤 部 分 の 順 に 発 現 が 低 下 す る 傾 向 が み ら れ た 。 Vim 発現に関しても同様に、前述の順に発現が上昇する傾向がみられた。 浸 潤 群 非 浸 潤 部 分 に 注 目 す る と 、H-E 染 色 に お け る 形 態 的 変 化 に さ き が け て 、 免 疫 染 色 が EMT 獲 得 を 捉 え て い た 可 能 性 が 考 え ら れ た 。生 検 で DCIS と 診 断 さ れ た 病 変 に お い て 、 免 疫 染 色 に よ り Vim の 発 現 が 認 め ら れ た 場 合 、 そ の 病 変 が 浸 潤巣を含んでいる可能性が示唆された。 【結 論】 我 々 は 、 E-cad・ Vim の 染 色 性 を 調 べ る こ と で 、 EMT を 獲 得 し 浸 潤 巣を含む症例を診断することが可能かを検討し、3 群の染色性の傾向をつかむ こ と が で き た 。E-cad・ Vim の 染 色 性 を 検 討 す る こ と は 、術 前 に 病 変 の 浸 潤 能 の 有無を評価し、術式・術後補助療法を決定する上で有用な情報となりうる可能 性がある。