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特集 金型づくりの高精度化に向けた 3 次元計測・機上計測の活用技術 機上計測 事例 1 超精密加工における機上計測と その利用技術 ㈱ナガセインテグレックス 当社は、1986 年に世界で初めて全 3 軸油静圧案内 面の小型平面研削盤を開発し、超精密加工の先駆けと 新藤 良太* 常識であるため、その詳細な説明は割愛させていただ く。 なった。その圧倒的な機械精度と、精度劣化しない耐 左右テーブルはリニアモータ駆動方式を採用してい 久性は、機械を導入したほとんどのユーザーから絶賛 るが、送りの滑らかさを重視し独自開発した特別なモ していただき、これまで評価を得てきた。 ータを採用している。油静圧案内面とこのリニアモー この基本を忠実に守りながら、さらに最新の制御技 術と計測技術を組み込んだ、次世代の超精密成形平面 タの組合せは、当社が誇る 1 nm 分解能のハイエンド 機に採用している究極の構造である。 研削盤「SGC―630αS4―Zero3(チャックサイズ 600 さらに、このリニアモータを前後送りにも採用する ×300 mm) 」 (図 1)および「SGC―840αS4―Zero3 チ ことにより、平面研削の命である左右・前後の平面ト ャックサイズ 800×400 mm) 」を開発した。 レース動作をこれまでとは次元の異なる極めて高精度 で滑らかに送ることが可能になった。 機械的な特徴 2.上下切込み軸の追従性 1.左右・前後送りのリニアモータ化 この機械の最小設定単位は 0. 1μm であるが、全軸 上下・前後・左右・砥石軸のすべての案内面に油静 圧軸受を採用していることは、もはや超精密研削盤の において分解能 10 nm 以下の高精度リニアスケール によりフィードバック制御している。 スティックスリップがまったく発生しない定評ある * Ryouta Shindo:取締役 技術部 副部長 〒501―2697 岐阜県関市武芸川町跡部 1333―1 TEL(0575) 46―2846 油静圧案内面との相乗効果により、極めて高精度な位 置決め精度を実現している。 上下軸を特殊な方法によ +80m り、最小設定単位の 1/10 (V) 15nm/div CH1(10mV/div) である 10 nm でステップ 送りした場合の測定結果を 図 2 に示す。 こ の よ う に、10 nm の 精度で位置決めできる能力 があり、0. 1μm の最小設 −20m 0s 図 1 「SGC―630αS4―Zero3」の外観 046 25s 50s 75s 図 2 SGC―630αの上下軸 10 nm ステップ送り精度 定単位からは計り知れない 送り精度を有していること が理解いただけると思う。