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30P-0569

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30P-0569
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ケラチノサイトによるメラノソーム取り込みに対するトラネキサム酸の阻害作用
1 1
森本 佳伸 2 ,
真船 英一(
第一三共
◯高橋 正寿 1 ,飯塚 泰貴 1 ,杉山 大二朗 1 ,
ヘルスケア研セ,2 第一三共ヘルスケア研開)
トラネキサム酸は顔にできるシミである肝斑に効果を示す一般用医薬品として、
すでに販売されている。しかし、その色素沈着抑制のメカニズムについては不明
な点が多い。今回、メラノサイトの細胞小器官であるメラノソームのケラチノサ
イトへの取り込みを in vitro の系として構築し、ケラチノサイトへのメラノソー
ム取り込みに対するトラネキサム酸の影響を調べた。
【方法】①ケラチノサイト及びメラノサイトを共培養し、培養から 3 日後に標
識ケラチン特異的抗体及びメラノソーム特異的抗体と反応させ、フローサイトメ
ーターによりケラチノサイト中のメラノソームの取り込み量を検討した。②次に
ケラチノサイト単独培養により、直径 1μm のローダミン標識蛍光ビーズを取り込
ませ、取り込み量をフローサイトメーターを用いて検討した。
【結果・考察】トラネキサム酸は共培養系において、ケラチノサイトのメラノ
ソームの取り込みに対し抑制傾向を示し、既知の阻害剤であるニコチン酸アミド
と併用することにより有意な抑制を示した。またケラチノサイト単独培養系にお
いて、トラネキサム酸は標識蛍光ビーズの有意な取り込み抑制作用を示した。ニ
コチン酸アミドは抑制作用を示さなかった。以上より、トラネキサム酸の肝斑の
シミ改善の作用メカニズムの一つとして、ケラチノサイトへのメラノソーム取り
込み抑制作用が示唆された。ニコチン酸アミドはケラチノサイトへの蛍光ビーズ
取り込みに影響しなかったことから、トラネキサム酸はニコチン酸アミドとは異
なるメカニズムにより、ケラチノサイトへのメラノソームの移行が抑制されると
考えられた。
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