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日露戦争後の国際関係と桂園時代

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日露戦争後の国際関係と桂園時代
日露戦争後の国際関係と桂園時代
1.日露戦争後の国際関係
朝鮮
①
日清戦争後、大韓帝国と改名
に っ か ん ぎ て い し ょ
1904(明 37)日韓議定書
内容―朝鮮国内での日本の軍事行動の自由を認めさせた。
②
に っ か ん き ょ う や く
1904(明 37)第一次日韓協約
内容―日本政府推薦の人物を韓国の財政・外交顧問へ。
③
1905(明 38)第二次日韓協約(乙巳保護条約)
1905(明 38)桂・タフト協定 ・ 第二次日英同盟
内容― 日―アメリカのフィリピン権益を承認。
米―日本の韓国指導権を承認。
第二次日韓協約=韓国の外交権掌握 ✧統監府 設置(漢城/初代統監=伊藤博文)
史
第一条
日本国政府ハ、在東京外務省ニ拠リ今後韓国ノ外国ニ対スル関係及事
務ヲ監理指揮スヘク、日本国ノ外交代表者及領事ハ外国ニ於ケル韓国ノ
臣民及利益ヲ保護スヘシ
第三条
69
日本国政府ハ其代表者トシテ韓国皇帝陛下ノ闕下ニ一名ノ統監ヲ置ク。
経過―1907(明 40)ハーグ密使事件
オランダ・ハーグでの△万国平和会議
韓国皇帝高宗の密使が派遣され日本の不当 を訴えた。
←/→会議にはとりあげられず。
④
1907(明 40)第三次日韓協約
内容―韓国の内政権掌握/韓国軍隊を 解散させる →各地で武力蜂起=義兵闘争
―1909(明 42)前統監・伊藤博文、ハルビン駅頭で暗殺される←安重根-
⑤
か ん こ く へ い ご う じ ょ う や く
1910(明 43)韓国併合条約
内容―全統治権が日本の天皇に譲渡。
✧朝鮮総督府 設置(京城/初代総督=寺内正毅)
全権{日本―寺内正毅/韓国―李完用}
経過―朝鮮統治 ― 武断政治を行ない、憲兵警察を設置。
✧1908 東洋拓殖会社(朝鮮経営のための会社)、
1910~18 土地調査事業 → 朝鮮農民小作農化
史
韓国皇帝陛下ハ韓国全部ニ関スル一切ノ統治権ヲ完全且永久ニ日本国皇帝陛
下ニ譲与ス
2.満州
①
かんとう と
と
く
ふ
1906(明 39)関東都督府
設置
内容―関東州の統治、南満州鉄道株式会社の業務監督
→旅順に設置
経過―1919(大 8)関東庁(民政部門)と関東軍(軍事部門)に分離。
70
②
みなみまんしゅう て つ ど う か ぶ し き が い し ゃ
1906(明 39)南満州鉄道株式会社
設立
(旧東清鉄道南部支線)
背景―ポーツマス条約にて長春(北)~旅順(南)間の鉄道経営が譲渡⇒満鉄 設立
内容―満州経営のための国策会社(半官半民)/総裁=後藤新平、本社=△大連)
経過―日本の満州支配の中核を担っていった。
3.アメリカ
①
満州への経済進出の足掛かり
日露戦争後、日米関係は悪化
1905(明 38)ハリマン計画
内容―アメリカ鉄道王・ハリマン⇒満鉄共同経営を日本に提案
結果―日本廃棄→日米関係悪化
②
まんしゅう て つ ど う ち ゅ う り つ か て い あ ん
1909(明 42)満州鉄道中立化提案
内容―アメリカ国務長官・ノックスによる提案
結果―日本は拒否。→日米関係悪化へ
★①②はアメリカの国民感情に触れ、黄禍論(イエロー=ぺリル)へ発展。
黄禍論=黄色人種を警戒した言葉。
4.ロシア
日露戦争後、英米の満州進出を防ぐために日露接近
1907(明 40)第一次日露協約
内容―日本〈韓国〉/ロシア〈北満州〉
特殊権益の相互承認
経過―1910 第二次→1912 第三次→1916 第四次
71
締結
5.中国
①
しんがいかくめい
1911(明 44)辛亥革命
背景―清朝に対する反感⇒孫文(中国同盟会
のちの国民協会)をはじめとする革命
勢力の台頭。
理念=三民主義{民族主義・民権主義・民生主義}
結果―1911 辛亥革命→皇帝・宣統帝退位=清朝滅亡
✧中華民国 建国 大総統 袁世凱
6.西園寺公望①内閣(政友会)
①
に ほ ん しゃかいとう
1906(明 39)日本社会党
社会主義に寛容
結成
背景―資本主義発達⇒社会・労働運動の高揚⇒社会主義発達!
内容―日本社会党〈最初の合法社会主義政党〉
:国法の範囲内で社会主義を主張 →
堺利彦、片山潜 ら
経過―のち内部分裂{議会政策派・△田添鉄ニVS直接行動派・幸徳秋水}
→治安警察法違反により 1907 結社禁止。
②
1906(明 39)鉄道国有法
内容―私鉄△17 社を買収 ✧日本国有鉄道 誕生
72
7.桂
①
太郎②内閣(陸軍)
社会主義へ弾圧
一方で懐柔策も
ち ほ う か い り ょ う う ん ど う
1909(明 42)地方改良運動・1908 戊申詔書
内容―内務省主催で推進され、町村財政の再建を課題とした。
②
たいぎゃく じ け ん
1910(明 43)大逆事件
1910 帝国在郷軍人会
設立
経過―明治天皇暗殺計画を名目に、数百人に及ぶ社会主義者が検挙された。
結果―無政府主義者・幸徳秋水、△管野スガら 12 名が大逆罪の罪で死刑。
大逆事件により
以後、社会主義運動は冬の時代。
政府は主要都道府県に特別高等警察を設置。
☀批判=石川啄木「時代閉塞の現状」
③
1910(明 43)韓国併合条約
④
1911(明 44)条約改正事業終了
担当―小村寿太郎外相→1911 日米通商航海条約 締結〈税権回復〉
⑤
1911(明 44)工場法
公布
背景―労働保護立法の必要性は明治中期移行高まったが、紡績業者の反対などによ
り未成立。
経過―1911(明 44)桂太郎②内閣制定〈初めての労働保護法〉
⇒1916(大 5)大隈重信②内閣施行
73
内容―1.15 人以上の工場に適用
2.12 歳未満の児童の就業禁止
3.15 歳未満の労働時間 12 時間以内・深夜業禁止
☀1947(昭 22)労働基準法公布により廃止
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(1) 日本政府推薦の人物を韓国の財政・外交顧問とする内容を含んだ条約名として、正し
いものを選べ。
(a)日韓議定書
(b)第一次日韓協約
(c)第二次日韓協約
(d)第三次日韓協約
(2) 韓国の内政権を接収するといった内容を含んだ条約名として、正しいものを選べ。
(a)日韓議定書
(b)第一次日韓協約
(c)第二次日韓協約
(d)第三次日韓協約
(3) 伊藤博文が 1909 年、安重根に暗殺された場所として、正しいものを選べ。
(a)ハルビン
(b)漢城
(c)平壌
(d)釜山
(4) 南満州鉄道株式会社の初代総裁として、正しいものを選べ。
(a)樺山資紀
(b)桂太郎
(c)伊藤博文
(d)後藤新平
(5) 辛亥革命を主導した人物として、正しいものを選べ。
(a)蔣介石
(b)毛沢東
(c)張学良
(d)孫文
(6) 韓国の外交権を奪った外交文書として正しいものを選べ。
(a)第二次日韓協約
(b)第一次日韓協約
(c)日韓議定書
(d)第三次日韓協約
(7) 日露戦争後の国際関係について述べた文として、誤っているものを選べ。
(a)日本は満州経営の国策会社として、南満州鉄道株式会社を設立した。
(b)関東州の統治、満鉄の業務を監督する機関として奉天に関東都督府が設置された。
(c)アメリカは満鉄の共同経営を日本に提案したが、日本はこれを拒否した。
(d)ロシアとは日露協約が締結され、韓国・北満州の相互権益を互いに承認した。
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(8) 日露戦争後の国際関係について述べた文として、誤っているものを選べ。
(a)1905 年第二次日韓協約が締結されると、日本は韓国の外交権を掌握し漢城に統監
府を設置した。
(b)満州経営の国策会社として半官半民の南満州鉄道株式会社が本社を大連として設
立された。
(c)アメリカの要求に日本は譲歩して南満州鉄道株式会社を共同で経営することとな
った。
(d)1910 年第二次桂太郎内閣時に日韓併合条約が締結され、全統治権が天皇に譲渡さ
れた。
(9) 以下の出来事を時代順に配列したものを選べ。
Ⅰ 日英同盟協約締結
Ⅱ 北京議定書締結
Ⅲ 第二次日韓協約締結 Ⅳ 朝鮮総督府設置
(a)Ⅱ-Ⅰ-Ⅲ-Ⅳ
(b)Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ-Ⅳ
(c)Ⅲ-Ⅱ-Ⅰ-Ⅳ
(d)Ⅱ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅲ
(10) 以下の空欄にあてはまる適語を選べ。
満州を支配するために 1905 年関東総督府を遼陽に置いたが、翌年改組し(
)に関東都
督府を設置した。
(a)威海衛
(b)上海 (c)北京 (d)旅順
(11) 満鉄の説明として誤っているものを選べ。
(a)この会社は、株式会社として株式が全額公募され、資本金が集められた。
(b)この会社は、東洋拓殖会社とともに国策会社の 1 つになった。
(c)この会社は、単なる鉄道会社にとどまらず、鉱山・製鉄事業も行なった。
(d)この会社は、ポーツマス条約によって得た東清鉄道を経営するために設立された。
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(12) 南満州鉄道会社について述べた文として誤っているものを選べ。
(a)同社は鉄道だけではなく、撫順炭鉱など広範な事業を経営する国策会社であった。
(b)同社は東清鉄道全線をロシアから譲り受けて営業を開始した。
(c)二十一か条要求で日本は南満州鉄道に関する期限の延長を求めた。
(d)満鉄の初代総裁には台湾植民地行政で活躍した後藤新平が就任した。
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