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感染症発生動向速報

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感染症発生動向速報
主に年配の男性を襲う肺炎
レジオネラ症にご注意!
平成 27 年 10 月 28 日
富山県感染症情報センター
(直 0766-56-5431)
感染症発生動向速報
(直 0766-56-8142)
( 平 成 27 年 第 43 週 分 ・ 10 月 19 日 ~ 10 月 25 日 )
《 インフォメーション 》
人
レジオネラ症患者報告状況(富山県:平成22年~現在)
●レジオネラ症
80
レジオネラ症の県内の年間報告数は、近年 30
女性
人程度で推移していますが、今年はすでに 38 60
男性
人が報告されています。患者の年齢・性別には 40
偏りがあり、県内では 50 歳以上の男性が患者 20
全体の 8 割を占めています(上図参照)
。
0
レジオネラ症は、レジオネラ属菌による感染
15‐19 20‐29 30‐39 40‐49 50‐59 60‐69 70‐79 80~年齢
症で、もともと土壌や水といった環境に存在す
その他
2%
る菌ですが、自然環境での菌数は少ないのに対し、水温 20~45℃の
停滞する人工的な環境水(ビルの空調システムの冷却塔水や清掃不
浴用
施設
十分な循環式浴用施設の浴用水など)
では菌が爆発的に増殖します。
35%
不明
人は菌を含んだ水しぶきや土ぼこりを吸い込むことで感染します。
46%
レジオネラ症は、一過性のポンティアック熱と劇症型のレジオネ
粉じん
浴用施設
ラ肺炎との二つに分類されます。ポンティアック熱は、発熱を症状
5%
利用なし
13%
とし、全身倦怠感、悪寒、頭痛、筋肉痛を伴いますが、肺炎症状は
みられず、2~5 日程度で自然治癒します。レジオネラ肺炎は、全
レジオネラ症患者の感染源調査
(推定含む)計250人
身性倦怠感、頭痛、筋肉痛、食欲不振などの症状に始まり、咳、
(1999年~2014年、富山県内)
高熱、悪寒、胸痛が出現します。腹痛や下痢等の消化器症状も見
られます。傾眠、昏睡、幻覚、四肢の振せんなどの中枢神経系の症状が早期に出現するのも
特徴です。有効な抗菌薬治療がなされないと、致死率は 60~70%に増加しますが、適切な治
療がなされれば致死率は 7%になります。レジオネラ症は、早期に診断して適切な治療を開
始することが重要です。発熱と一緒に呼吸困難などの症状がある場合は、早めに医療機関を
受診しましょう。
《 全数報告の感染症 》
二類感染症 結核 3件(第 25 週診断分1件含む)
四類感染症 レジオネラ症 1件(80 歳代、男性、肺炎型)
五類感染症 アメーバ赤痢 1件(第 42 週診断分:40 歳代、男性、腸管アメーバ症)
カルバぺネム耐性腸内細菌科細菌感染症 1件(第 42 週診断分:80 歳代、男性)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症 1件(80 歳代、男性、G 群)
後天性免疫不全症候群 1件(50 歳代、男性、AIDS)
梅毒 1件(30 歳代、男性、早期顕症梅毒Ⅰ期)
《 定点報告の感染症 》
今週の県内上位6疾患
定点あたりの数
順位
1位
2位
3位
4位
5位
6位
疾病名
今週
先週
増減
感染性胃腸炎
3.86
3.31
↑
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
2.41
1.69
↑
RSウイルス感染症
1.66
0.93
↑
マイコプラズマ肺炎
1.60
0.60
↑
流行性角結膜炎
0.71
0.00
↑
突発性発しん
0.55
0.45
↑
この内容は以下のホームページでさらに詳しくご覧いただけます
アドレス http://www.pref.toyama.jp/branches/1279/kansen/
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