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中央診療部門
中央診療部門 特徴 • オートクレーブ等によりエネルギー消費量比率は病棟に次いで大 • 減菌用はじめ蒸気消費量が大であり熱消費が最大の部門 • 洗浄を主とした上水、給湯使用量大 • MRIはじめ夜間電力停止できない高度医療機器が多いため、待機電力が大きく、夜 間の電力消費量が大 甲信越地区にある600床規模の総合病院におけるMRI・CT の電力消費量の1日の推移(平成16年8月の実例) 平日 休日 電力消費量( ) Wh/㎡ 時刻 出典:(財)省エネルギーセンター平成16年度エネルギー実態調査「病院の省エネルギーポイント」 ポイント ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 医療器具等の洗浄作業は効率的に行いましょう 滅菌する場合はオートクレーブ使用前によく洗浄しておきましょう オートクレーブの詰込み過ぎに注意しましょう オートクレーブの清掃や点検を定期的に行いましょう 非使用時の手術室は陽圧を保つ最少限度まで風量を絞るよう検討しましょう 夜間、休日の医療機器は可能な限り電源を停止しましょう できれば平日の夜間も休日モードに切り替えましょう 7 供給部門 特徴 • 職員の執務時間に連動するためエネルギー消費量の比率は小 • 蒸気、給水、給湯の使用量は大 • 換気用電力消費大 ポイント ○ 給水温度を適切に保ちましょう ○ 定期的に乾燥機のフィルター、排気ダクトの洗浄をしましょう ○ 廃棄物保管庫ではドアの気密を保ち、冷房換気設備の運転時間短縮に努めましょう 管理部門 特徴 • 一般オフィスと同じでエネルギー消費量の病棟全体から見た比率は小 • OA化、IT化によるコンピュータ電力消費量の比率は増大 ポイント ○ OA機器の管理を徹底しましょう 昼休みや長時間離席時にはスタンバイモードで 最終退室者は電源 OFF の確認をしましょう ○ 窓のブラインド管理を徹底しましょう 冬期には最終退室者は全ブラインドを閉めましょう 夏期には最終退室者は東面ブラインドを閉めましょう ○ 不使用時の会議室等は空調停止や消灯を徹底しましょう 8 厨房部門 特徴 • 面積あたりに使われるエネルギーが最大 • 加熱調理用のガス消費量が大 • 燃焼用外気取入量が大きく、その処理熱量が大 • 同じく外気取入および排気用のファン電力が大 ポイント ○ ○ ○ ○ 厨房使用時間が最短になるよう、作業の段取り、手順等を見直しましょう 加熱調理用のガス器具の口火はこまめに消しましょう 同じく適正な火力で完全燃焼するように調整しましょう 排気ファンと外気処理空調機の風量はガスの使用量に応じて段階的に増減して電力消費 量を低減しましょう ○ 給水、給湯量低減のため食べ残し等を取り除いてから洗浄しましょう ○ 食材保管用冷蔵(凍)庫は詰め過ぎに注意すると同時に、出し入れの回数、時間が短くなる よう管理しましょう 9 3.2 設備別省エネ対策のポイント ここでは、同じく(財)省エネルギーセンターの調査を踏まえ、具体的な設備別の省エネ 対策のポイントを示します。これらの対策を検討するにあたっては、設備担当者が中心に なることが想定されます。 空調設備 ポイント ○ 24 時間空調が必要なゾーンの夜間運転はそれ以外のエリアとの空気出入りを少なくしましょ う ○ 室内空気圧を適正に管理しましょう ボイラー・蒸気設備 ○ 手術室、中材等の無菌エリアの夜間(非使用時)は循環風量を清浄度が保てる最小限まで小 さくしましょう ○ 陰圧の必要な感染症病室等は昼と夜での圧力差に注意しましょう ○ 中間期、冬期にも冷房の必要なゾーンにはできるだけ外気冷房を行いましょう ボイラー・蒸気設備 ポイント ○ ボイラー等の燃焼機器は空気比を適正に管理しましょう(下図および効果試算例を参照) ○ 床下、パイプシャフト内等普段目に付かないところでの蒸気漏れがないか注意しましょう ○ スチームトラップのゴミ詰まりや故障に注意しましょう ○ 夜間等長時間使用しない系統はできるだけ元バルブを閉めましょう ○ 一定時間以上使わない系統は元バルブを閉じ、使いはじめに開けるようにして蒸気の熱損 失を防ぎましょう ○ 設備の断熱対策に配慮しましょう ○ 空気比が低いほど燃焼ロスは少なくなりますが、低すぎると不完全燃焼が生じます。 ビルのボイラーは一般的に空気比が高く設定されています。 13A ガス)に排ガス中酸素濃度と燃料節減率 の関係を理論式を基にグラフで示したもの です。空気比を 1.35(この場合の排ガス中 酸素濃度は 6%)から 1.2(この場合の排ガ ス中酸素濃度は 3%)に下げると、4%程度の 燃料節減率(% ) {参考} 右図の例は、ボイラーの燃料種別(A 重油・ 燃料が節減できることになります。 出典: (財)省エネルギーセンター「病院の省エネ ルギーポイント」 排ガス中酸素濃度(%) 10 給湯設備 ポイント ○配管系の断熱状態を見直し、必要に応じて対策を施しましょう {参考} 給湯がほとんど使われていない夜間においても熱損失により給湯用蒸気は消費されています。 都内にある600床規模の総合病院における給湯用蒸気消 費量比率の1日の推移(平成16年11月の実例) 蒸気消費量比率(% ) 時刻 出典:(財)省エネルギーセンター平成 16 年度エネルギー実態調査「病院の省エネルギーポイント」 照明・コンセント設備 ポイント ○照明器具や管球を定期的に清掃しましょう ○蛍光管は計画的に交換しましょう ○白熱灯は電球型蛍光灯への交換等を検討しましょう ○高効率のインバータ式蛍光灯への交換等を検討しましょう 11 下表に、考えられる省エネ改善手法を参考として示しますので、病院の規模や種別を踏 まえ、必要に応じて取組に活用してください。 運用による省エネ改善 手法 負 荷 の 軽 減 対象 費用 温湿度 室内温湿度条件の緩和 ○ 外気量の削減 ○ CO2濃度による制御 ○ 起動時の外気導入制御 ○ ― ― ― ― 窓 機 器 の 効 率 運 転 空調 ・ 衛生 設備 屋上緑化 ○ 屋根に保水タイル敷詰め △ 屋根への間欠散水 △ 中 中 中 安 建築 非使用エリアをカーテン、可動壁等で 関係 仕切り、空調エリアを限定 ○ 安 窓ガラスに遮熱、熱線反射フィルムの 貼付け ◎ 中 ― ブラインドの有効活用(夏期の日射対 策、冬期の夜間冷輻射対策) ○ ― 風除室の設置 ○ 高 機器の効率測定と調整 ○ 安 高効率機器へのリプレース ○ 高 台数制御設定値の変更(容量・機種の 違う場合) ○ ― 外気冷房システム導入 ◎ 高 冷・温水出口温度設定の変更(大負荷 時・部分負荷時) ◎ ― 冬季の冷却水を冷水として利用 ○ 中 熱源機器付属の運転データの採集によ る運転の適正化 ○ 安 空調ゾーニングの見直し ○ 中 冷却水温度の設定値変更 △ ― ミキシングロスの防止 ○ 中 ガス冷温水機、ボイラ等燃焼機器の空 気比管理 ◎ ― 全熱交換器の設置 △ 中 ボイラの設定圧力の調整 △ ― 4管式にゼロエナジーバンド制御導入 ○ 高 冷温水量の変更(可能な範囲での大温 度差化) ◎ ― ◎ 高 ○ ― エアコン屋外機、冷却塔のショートパ ス防止(配置替え、邪魔板等) ○ 安 △ ― エアコン屋外機に日除け、散水等によ る効率向上 ○ 安 VWV制御の有効性の検討 ○ ◎ △ ― ― BEMS導入による空調設備の効率化 冷却水量変更 深夜電力利用と蓄熱槽システム ○ 高 高 ◎ ― コージェネレーションシステム ◎ 高 ○ ― ファン類に省エネベルト装着 △ 高 立ち上がり時間の短縮 ○ ― 熱源機器の分割化で部分負荷時の効率 向上 ○ 高 加湿の調整/期間・時間変更 △ ○ 室内圧力調整による隙間風防止 △ 中間期の扉・窓開放(自然換気) ○ 全熱交換器中間期制御設定 △ ― ― ― ― ― ○ 換気設備の間欠運転 排熱用給排気・換気ファンの起動設定 温度変更 △ ― 給水栓のパッキン劣化による漏れ防止 △ 給湯温度の変更 ○ 安 ― 熱源機器の分割化で部分給湯負荷時の 効率向上 ○ 安 こまめな消灯 ◎ エレベータ間引き運転 ○ ― ― エスカレータ間引き運転 ○ 冷却水、ボイラ給水の水質管理(ス ケール防止、効率低下防止) 効性検討 保守 管理 費用 ○ ○ 送風量の変更(可能な範囲での大温度 電気 設備 対策項目 再熱制御の取りやめ ファン 差化) 類 送排風機の台数制御、INV制御の有 運 用 対 応 効果度 鋼板屋根に断熱塗料 ― の有効性検討 衛生 設備 建 築 的 手 法 対象 ◎ ポンプ の有効性検討 類 冷却水ポンプの台数制御、INV制御 空調 設備 手法 外気冷房 冷温水ポンプの台数制御、INV制御 搬 送 動 力 の 節 減 改修に伴う省エネ改善 効果度 外気 対策項目 空調 設備 冷温水制御を3方弁→2方弁(変流量 制御に) ポンプ・ファンのインバータ取付け ◎ 計量器の増設による監視強化 ○ 中水設備の導入 △ 中 高 高 安 高 雨水利用設備 △ 中 ○ ◎ 安 中 擬音装置 △ 中 給湯配管の断熱強化 ○ デマンド制御 ◎ 中 中 ― 照明の自動点滅(人感センサー、タイ マー) ○ 中 △ 安 照明回路の細分化(こまめな消灯対応) ○ 中 効率低下機器の補修・交換 ○ 安 高効率照明器具・反射板(白熱灯を蛍 光灯へ) ○ 中 冷凍機のコンデンサ、エバポレータの 清掃 ○ 安 昼光利用(採光改善) ○ 中 コイル・フィルタの清掃 ○ 安 ○ 中 冷却塔充てん材の点検保守による性能 維持 △ ― 高効率トランス ◎ 高 蒸気トラップの定期的点検保守による 蒸気ロス防止 ○ ― トランス負荷見直しによる適性配分 △ 中 長時間使わない蒸気系統は元バルブを 閉める ○ ― 力率改善制御 △ 中 照明機器の清掃、管球の交換 ○ 安 エレベータのインバータ制御 ○ エスカレータの自動運転化 ○ 高 高 <効果度> ◎:効果大 ○:効果中 △:効果小 12 設 備 的 手 法 空・衛 蒸気弁、蒸気配管の断熱 共通 アキュ-ムレータの導入 衛生 節水システム(節水コマ他) 設備 自動水栓 電気 設備 タスク・アンビエント照明 △ <費用> 高:高い 中:中程度 安:安い ―:無し