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2 - 東京学芸大学
MOKKATSU NEWS LETTER JAN 2006 Vol.20 木材産業の現場から 特別講義を開催 社)国土緑化推進機構 「緑と水の森林基金」2005年度助成事業 昨年12月15日、全学科対象の「環境とデザイン/鉄矢」の講義にて、愛 媛県株式会社共栄木材の西下健治氏による特別講義が行われた。現場で 活躍する西下氏から、直接語られる木材の特性や日本の林業が抱える問 題は、学生達に深い印象を与えたようだ。また、デザイン分野の学生作品 を前にしての交流会(写真左下)では、西下氏より学生に、アドバイスと 激励を頂いた。右記にて西下氏の講義感想を一部ご紹介。 私自身は学生さんを前にしてのお話なんぞは、 初めての経験ですから、 緊張というか、興奮しておりました。おまけにこちらは、方言丸出しで しか話ができない、 愛媛の材木屋のおっちゃん。熱い思いが伝わればと、 勢いを出しました。大概20歳前後というのは、生意気で斜に構えたイ メージだったのですが、すごく素直に話を聞いてもらったように思い ます。ただ、人の経験はある意味で偏っている場合もありますから、学 生さんには、 私の話を鵜呑みにせずに、 改めて調べて、 自分自身で確認、 経験して欲しいと思います。 講義終了後、全ての学生さんから講義についてのレポートを頂きま した。レポートからの反応をみると、 主に下記の4項目についての意見、 質問、感想がありました。 1. 木造校舎の近視眼率の話 2. 木箱、 鉄箱、コンクリート箱を使った、マウスの実験の話 3. 日本国内、 世界の森林の現状の話 4. ツリーハウスの話 2.については、木材が、ストレスの多い昨今の日常のなかで、案外大き な要素として役割を果たしていることを認識して生活を送っていた だきたい。4.については、自分自身がまず取り組んで、その楽しさを味 わって欲しい。そして、先生になり、親になった時に思い出して、自分 たちで建てるツリーハウスの中で、絵本を子供たちに読んであげて欲 しいです。もちろん友人とおいしいお酒を飲むのもいいですね。 ともあれ、この講義を通じて、私自身、大変勉強になりました。何で もやってみるものです。動いただけ、 得るものがありますね。この講義が、 学生の皆さんに少しでもお役に立つことがあれば、望外の喜びです。 将来、私たちの次、あるいはその次の世代の人達が、遠く宇宙船から地 球を見て、 「本当に美しく環境がデザインされている星や!!」と、ウット リとした溜息を漏らしてもらえる日が来ることを、 共に願いたいです。 また、学生の皆さんからの質問、意見をいただければ幸いです。 西下健治氏/株式会社共栄木材 [email protected] n ry 20 GOTT NYTTÅR あけましておめでとうございます。スウェーデンで はクリスマスは家族とのんびり、日本のお正月の様に 過ごし、年越しは街のあちこちでカウントダウン花火 が上がり賑やかに新年を迎えます。 新年を迎え早1 週間、街はすっかり落ち着きを取り戻しました。これか らは春を待ちながら静かな冬を過ごす事となるのでし ょう。今回は、クリスマス前にスウェーデン人の友人宅 (ストックホルムより北へ行ったイェーブレという街 の近く)を訪れた時に目にしたモノ達を、2回に分けて レポートします。 (中島順/学部3年/スウェーデンに留学中) 木 の 絵本 右はキッチン。素敵なお家に、暖か いご家族に、美味しいお料理、と素晴 らしいスウェーデン家庭を満喫して 大満足でした。左は手作りのクリス マスの飾り。松ボックリで作られた 人形がとってもかわいらしかったです。 新名佐和子/美術科大学院1年 上記のスウェーデンレポートに続き、デザイン科学生に よるデザインレポート第2弾がスタートです。木に関する絵 本を少しずつご紹介していきます。 はじめまして。私は東京学芸大学大学院で絵本研究をし ています新名佐和子です。絵本は、生まれてきて初めて触れ る木の、一つのかたちでもあります。そのような絵本の、更 に「木」を題材にしたものを取り上げることで、木がいかに 人と深くつながっているのかを、いつもとは異なる角度か ら改めて実感して頂けたら、と思います。絵本は子どものた めにだけ存在するものではありません。沢山の方に、文字だ けでは表しきれない奥深さをじっくり見て頂きたいです。 スウェーデンの 伝統的なクリスマ スディナ−を用意 して頂きました。そ の時のテーブルコ ーディネートです。 ● 05 n ua ● Ja ede w S Design om frReport 今回は、アメリカで1964年に出版され、日本では 1970年に翻訳された『おおきな木』をご紹介します。 原題は『GIVING TREE(与える木)』で、 「ひとと木との かかわり」を考えさせられる一冊です。一本のリンゴ の木とひとりの男の子の人生を通しての付き合いが淡々 と綴られていきます。それはうらやましくもあり、切 なくもある関係で、もの言わぬ木はひとに対してどん な感情を持ってくれているのかを知りたくなってき ます。ぜひ、この独特な空気を味わってみてください。 『おおきな木』 シェル・シルヴァスタイン Shel Silverstein(著) ほんだ きんいちろう (翻訳) 篠崎書林/ISBN:4784101489/1976.01/36p23cm 本研究は以下の方々に御支援いただいております(敬称略・あいうえお順) 木活プロジェクト研究月報 vol.20 ・大山プレカット協業組合 ・都城地区プレカット事業共同組合 ・銘建工業株式会社 ・笠原木材株式会社 ・有限会社長堂材木店 ・有限会社ラック ・株式会社チクモク ・有限会社藤井材木店 発 行 :鉄矢悦朗研究室(環境プロダクトデザイン研究室) Tel&Fax:042-329-7581 E - Mail:[email protected] U R L:http://www.u-gakugei.ac.jp/~w-woods/ 発行日/2006.1.10 編集・デザイン/八重樫幾世子