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クラスター拡張型グリッドにおける電力・熱供給 クラスター
早稲田大学環境・エネルギー研究科 横山研究室 奥瀧乃梨子 クラスター拡張型グリッドにおける電力・熱供給の クラスター拡張型グリッドにおける電力・熱供給の 有用性評価に関する研究 有用性 評価に関する研究 研究背景および目的 化石燃料の枯渇化 地球温暖化 電力需要の増大 Economical Environ mentalfriendly 3E 東日本大震災後・・ 2S Energy Security (SAFE,SECURE) 震災以降、安定供給の観点から、再生可能エネルギーや 分散型電源が注目されている。 分散型電源を導入した新たなエネルギーシステムの構築が 課題となっている。 エネルギーの需給バランスを地域ごとにとる自律型分散型 ネットワーク(クラスター)について、分散型電源を導入し、既 存の大規模供給システムと比較、その有用性(経済性・環境 性・供給信頼度)を定量的に評価する。 クラスター拡張型グリッドの有用性評価 クラスターの構築と単独クラスターでの運用 地域重要と地域供給のセット=クラスター 地域を区切ることで、最適設備容量が選定でき、経済面・環境面で優れ た高効率な系統の実現が可能 PV 5 Gas-engine 6 7 2 3 10個のクラスターを想定 ループとならず、少なくとも1個のクラ スターと連系させるモデル 8 1 平常時では、自クラスターで余剰電 力があった場合、他クラスターと融通 4 事故時では、自クラスター内で需給 バラ ン ス が 取 れ ない 場 合 、他 ク ラ ス ターの余剰電力や稼働していないGE を動かし、電力融通 商用系統 Cluster Utility Battery Power 10 Load + 9 クラスター連系図 熱はロスが大きいので融通せず - 平常時 需要地のイメージマップ 1クラスターの大きさ=1km2と設定 大口需要家 エネルギーシステム 電力 給湯 冷暖房 購入 ヒートポンプ 電気エアコン ○ ガス給湯器 電気エアコン ○ ガスエンジン ガスエンジン ○ ガスエンジン ガスエンジン ○ ガスエンジン ガスエンジン ○ ガス 購入 × ○ ○ ○ ○ 小口需要家 電力 エネルギーシステム 融通 給湯 冷暖房 ヒートポンプ 電気エアコン ○ ガス給湯器 電気エアコン ○ ガス給湯器 電気エアコン ○ ガス給湯器 電気エアコン ○ ガス給湯器 電気エアコン ○ × × × ○ ○ 0.9 0.06 0.6 0.04 0.3 0 0.02 0:00 3:00 6:00 9:00 12:00 時間 h 15:00 18:00 21:00 0 4000 400 3500 350 3500 350 3000 300 3000 300 2500 250 2500 250 2000 200 2000 200 1500 150 1500 150 1000 100 1000 100 500 50 500 0 pat.4 500 450 50 0 pa t.5 0 pa t.2 pa t.3 pat.4 pa t.5 コスト・CO2 pat.1 pat.2 pat.3 pat.4 pat.5 電力料金 -5.67 0.00 16.84 16.84 16.84 住宅エリア ガス料金 0.00 -243.93 -234.88 -223.81 (住宅:スーパー:事務 総コスト -1.29 0.00 -9.76 -10.32 -10.01 所=8:1:1) CO2排出量 3.07 0.00 0.35 1.70 2.99 電力料金 -4.80 0.00 16.48 16.48 16.48 オフィスエリア ガス料金 0.00 -169.35 -159.19 -141.75 (百貨店:事務所=4:6) 総コスト -0.53 0.00 -8.24 -8.59 -8.08 CO2排出量 2.41 0.00 4.48 5.14 6.96 電力料金 -12.78 0.00 32.74 32.74 32.74 繁華街エリア ガス料金 0.00 -427.48 -421.60 -405.05 (事務所:ホテル:百貨 総コスト -5.07 0.00 -8.60 -9.51 -8.79 店=5:3:2) CO2排出量 4.41 0.00 -6.22 -4.39 0.71 連系により電力購入量が大幅に削減、イニシャルコスト回収可能 総コスト、CO2排出量ともに最大で35 %削減 夏季の需要の高い時期に電力供給が滞った場合 連系したクラスターの需要地特性 Cluster no.1 MW 300 Cluster no.3 Cluster no.7 sum PV 40 既存の大規模商用系統 30 200 20 100 10 0 0 -100 3 6 Cluster no.1 9 12 Time Cluster no.3 15 18 Cluster no.7 -30 21 sum PV ※供給パターン5の場合 40 クラスター拡張型グリッド 300 30 200 20 100 10 0 0 -100 -10 -200 -300 -20 0 -20 0 3 まとめ 6 9 12 Time 15 18 21 -30 1 A 2~4 B 5~10 C A:都心部の住宅街(事務所:住宅:店舗=6:2:2) B:住宅街(住宅:店舗:事務所=8:1:1) C:オフィス街(事務所:百貨店=6:4) -10 まとめ 400 クラスター番号 需要地の種類 ※供給パターン2の場合 -200 イニシャルコストが高 く、総コストは増加 電力・熱需要のピーク が重なる需要地で最 も効果的 400 -300 pa t.3 事故時 不足電力量 GE導入により、料金: 電力down、ガスup 需要地特性別 コスト、CO2削減効果 需要地 400 × × × × ○ MW 0.08 4000 熱 蓄熱 融通 システム 不足電力量 0.12 0.1 1.2 単位面積あたりの熱需要 kW/m2 単位面積あたりの電力需要 kW/m2 1.5 CO2排出量 連系あり 平常時における拡張型グリッドのコストとCO2排出量 1:オール電化、2:電力、ガスを商用系統から購入、3:大口需要家にGE導入、 4:3+熱融通、5:4+熱タイムシフト利用 電力需要_オフィス街 電力需要_病院 熱需要_オフィス街 熱需要_病院 ガス料金 4500 pa t.2 ※GEの発電量・発熱量だけで需要を賄えない場合、不足分を商用系統から購入する 電力需要_住宅街 電力需要_繁華街 熱需要_住宅街 熱需要_繁華街 電力料金 5000 450 PV発 電 量 M W ガス 購入 × ○ ○ ○ ○ 総コスト 500 連系なし 0 供給パターン別のコスト、CO2排出量を算出、比較 供給パターンと導入設備 供給 電力 パタン 購入 1○ 2○ 3※ 4※ 5※ CO2排出量 ガス料金 CO2排出量 t コスト 10Myen コスト 10Myen クラスター内の需要は、病院、ホテル、店舗、事務所、住宅の5需要家か ら構成し、各需要家の面積割合を変え、異なる特性の需要地を作成 電力料金 4500 需要地の種類 大規模系統 クラスター型 店 舗 と 住 宅 など 、需 要 ピークのずれのあるクラ スターではGE導入によ り、電力不足量削減 日中に電力・熱需要とも に大きくなるので、電力 不足頻度は減少 クラスター間のピークの ず れ によ っ て、負 荷 平 準化を図ることでさらに 供給信頼度が向上 供給不足量は50 %削減 A 28739 13592 不足電力量 MWh B C 10クラスター計 13023 34879 76641 6262 17646 37500 単独クラスターにおいては、オフィス街のような電力・需要のピークが 重なる需要地において最もCO2削減効果があるが、排熱導管のイニ シャルコストが高いため、総コスト削減効果は小さい 連系により、電力購入量が大幅に削減、総コストも削減できた 事故時において、供給不足量を大幅に削減できた CO2排出量 t 総コスト 5000 PV発 電 量 M W クラスター構成図 本研究では、分散型電源として、太陽光発電(PV)、ガスエンジン発電機 (GE)を導入したクラスターを想定