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第44号 - 島根県立大学 浜田キャンパス 総合政策学部・大学院

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第44号 - 島根県立大学 浜田キャンパス 総合政策学部・大学院
平成22年4月30日 №44
第44号
新年度を迎えて
学長 本
田雄一
新年度を迎えた。平成22年4月3日に行わ
んが犠牲となる凶悪事件が起こった。大学を
れた入学式で、本学では今年度、総合政策学
信頼し、自然豊かな環境に恵まれた浜田市に
部入学生249名、3年次編入学生9名、大学
子供さんをお送り頂いたご家族の皆さんのご
院北東アジア開発研究科14名、合わせて272
期待に、結果としてお応えできなかったこと
名の新入学生を迎えた。うち、11名が外国人
を深く反省し、大学は地域の関係者の皆さん
留学生である。それぞれ夢と希望に満ち満ち
と密接に協力し、学生の安全・安心の確保に
た思いを持って本学に入学して頂いたものと
全力を挙げなければならないと考えている。
思う。国境を越えた交易や人の往来が益々盛
同時に、この悲惨な事件を風化させることな
んになるグローバリゼーションが進むこれか
く、犠牲となった平岡さんの御霊をお慰めす
らの世界で、存在感を発揮し、それぞれが社
る取り組みを継続するとともに、二度と再び
会から評価される活躍が出来るような人材と
このような事件が起こることのないよう我々
して育って欲しいと願っている。我々教職員
自身の防犯意識をなお一層高める必要がある
はそのために全力を挙げて学生諸君の教育、
と考えている。
指導に取り組んでいく所存である。
不幸にも、昨年、本学学生であった平岡さ
犠牲となった平岡さんの夢を引き継ぐ意味
でも、また、本学の伝統である国際交流活動
目次
新年度を迎えて 学長 本田雄一… ……………………………… 1
平成22年度入学式………………………………………………………………… 3
平成21年度卒業証書授与式・学位記授与式… ………………………………… 6
名誉教授称号授与式……………………………………………………………… 11
第6回優秀卒業研究発表会… …………………………………………………… 11
総合政策学会特別講演会………………………………………………………… 12
第7回地域振興に関わる提言を含む卒業研究・論文発表会…………………… 13
規則・会議・人事・学内行事など… …………………………………………… 15
1
2
平成22年4月30日 №44
を一層発展させる観点からも、本年度から、短期
県立大学憲章」を制定した。21世紀は「知識基盤
の海外研修である「異文化理解研修」に参加する
社会」と言われ、社会発展に貢献する大学の役割
学生全員に必要経費の一部を支援する制度を始め
はこれまで以上に大きくなる。知的活動を通じて
た。これまで以上に、多くの学生諸君がアメリカ、
大学は社会に貢献し、社会は大学を支える双方向
韓国、中国、ロシアで行われる研修に奮って参加
の関係の構築が望まれている。各大学がその特色
して頂きたいと願っている。それらの学生諸君の
を明確にし、社会の支持をえる活動を展開しなけ
中から、やがて、国際舞台で活躍する人材が輩出
ればならない。本学の大学憲章はその前文で、
“郷
することを願って止まない。
土の先人である西周が標榜した「純理の学」から
本学は、本年4月1日、「島根県立大学憲章」
「実践の学」にわたる諸科学の統合を目指す”こ
を制定した。入学年齢である18歳人口が減少し続
とを基本理念とすることを闡明し、島根にある大
ける中で、事実上の大学全入時代が到来している。
学としての特色を明確にした。同時に、教育、研
日本国内のみならず近隣諸国の諸大学との間での
究、地域貢献、国際交流、そして大学運営の各分
競争的環境が著しく高まる状況の下、本学が今後
野にわたって、本学が目指すべき方向を確認した。
目指すべき発展方向を明らかにし、有為な人材の
学生、教員、職員を問わず、本学の全ての構成員
養成、独創性に満ちた研究活動、そして、これら
がこの大学憲章の下にベクトルを一つにし、大学
の活動を通じた社会への貢献の全ての分野で、成
としての存在感を高める取り組みを進める覚悟で
果を上げるため、学内外の叡智を結集して「島根
ある。
平成22年4月30日 №44
能性を秘めた素材であります。無限の可能性に
平成22年度 入学式
平成22年4月3日(土)
、島根県立大学第11回入
学式及び島根県立大学大学院第8回入学式が挙行
様々な夢を描き、自ら形作っていくことが大学で
の皆さんの課題であると思います。
大学に進まれた皆さんに、お話ししておきたい
ことがあります。
されました。
第1には、大学では、他から与えられる勉強で
はなく、自ら進んで求め、学ぶ、自学自修の気概
を持って欲しいということです。本学は、
「大学憲
学長式辞
章」の第1項に、
「市民的教養を高め、主体的に学
び、実践する人材を養成すること」を掲げていま
本日、ここに、島根県知事溝口善兵衛様をはじ
す。急速に拡大する経済格差や貧困問題、地球温
め、多数のご来賓の皆様、ならびにご家族の皆様
暖化等に見られる地球規模の環境悪化、世界の人
のご臨席を仰ぎ、総勢272名の新入学生をお迎え
口爆発と食糧不足問題、さらには、エネルギーや
して、平成22年度島根県立大学入学式・大学院入
資源の枯渇など、現代社会が直面している課題は
学式を挙行できますことは、誠に喜ばしい限りで
複雑であり、かつ深刻です。これらの課題をただ
ございます。本学教職員並びに在校生と共に、皆
傍観するのではなく、自ら進んで解決策を見出す
さんのご入学を心からお祝いし、歓迎申し上げま
ために学び、実践する力が皆さんには求められて
す。
いるということです。
また、本学では開学以来、式の時には「島根県
民の歌」を合唱することになっていますが、この
第2には、大学での生活、学修を通じて、人間
ため、美しいリズムによって式を盛り上げて下さ
としての自己を確立して欲しいと思います。仏教
る「アンサンブルネットワークいわみ」
、及び「浜
の経典の一つ、大般涅槃経に、
「自己を燈火とし、
田市民合唱団」の方々に、心から敬意を表し御礼
自己をよりどころとするがよい。他のものをより
申し上げます。
どころとしてはならない。真理を燈火とし、真理
ところで、皆さんが、本日、このように島根県
だいはつねはんぎょう
をよりどころとするがよい。 他のものをよりどこ
立大学に入学できましたのは、皆さんご自身のこ
ろとしてはならない。
」と言う教えが見られます。
れまでの弛まぬ努力の賜であることは言うまでも
大学での学びを通して、広い教養を身につけ、そ
ありませんが、皆さんを常に慈しみ育てて下さっ
もそも人間とは何か、また、人生とは如何にある
たご家族の皆様、また、温かく指導し、励まして
べきか、という深く、大きな命題に思いを致し、
下さった諸先生をはじめ、多くの方々による暖か
自分のあるべき姿を模索して頂きたいと思います。
い支えがあったからであることを忘れてはなりま
同時に、真理を愛し真理を直視する気概を持って
せん。
頂きたいと願っています。その様な思索を深める
皆さんは、今、大きな期待をもって島根県立大
学に入学して来られたことと思います。今の皆さ
んは、いわば白いキャンバスであり、限りない可
ことは、人格形成の途上にある皆さんだからこそ
許される特権であると思います。
3
4
平成22年4月30日 №44
第3には、夢を決して忘れず、勇気を持ってそ
いただきたいと念願しております。 の夢を追究して欲しいということです。
「どんな
偉大な事業も、はじめは、すべて『夢』にすぎな
最後に、今日、入学された皆さんの輝かしい未
かったのです。だから必要なのは勇気です。前人
来を信じ、皆さんが悔いのない青春、そして、稔
未到の道をひとり征くには、勇気が必要なのです。
」
りある学園生活を過ごすことが出来ることを念願
と、キッシンジャー元米国国務長官は述べていま
して、新入学生を迎えるにあたっての式辞といた
す。夢は皆さんの人生の方向を示すものです。そ
します。
れがどんなに困難な道であったとしても、勇気を
持って日々努力を重ねれば、夢を希望に変え、そ
れが目的となり、目標となって、やがて、夢が実
現されるのです。夢の実現には、日々、何をする
のかが、最も大事であるということです。日々、
為すべきことを、しっかり、やり通せば、やがて
夢は手の届く現実になるのです。
さて、皆さんが入学された島根県立大学は、平
成12年に開学した創立11年目の若い大学です。若
いが故に、新入生の皆さんと同様に夢と希望を持
ち、これからの努力によって、新しい伝統を創り
だし、島根県のみならず日本の誇るべき、また、
世界に通用する価値ある大学にしようと、教職員
一同努力しています。そして、本年4月1日、本
学が目指すべき方向を示すものとして、
「島根県立
にし
大学憲章」を制定しました。島根の先人である西
あまね
周 が標榜した“
「純理の学」から「実践の学」に
わたる諸科学の統合”を目指し、各専門領域の諸
課題に国際的な視野から取り組む人材を養成する
ことを使命とすることを明らかにしました。そし
て、
「地域のニーズに応え、地域と協働し、地域に
信頼される大学」を実現するとともに、
「北東アジ
アをはじめとする国際社会の発展に寄与する大学」
を目指すことを確認しました。
今日から皆さんは島根県立大学の重要な構成
員となります。清新で柔軟な発想に富んだ新入学
生の皆さんには、在学生、そして教職員と一体と
なって、
「大学憲章」で確認した本学の理念を実
現する活動に、主体的に、かつ積極的に参加して
平成22年4月3日 島根県立大学長 本田 雄一 平成22年4月30日 №44
新入生代表宣誓
ような関係を築いていきたいと思います。
また、大学生活を送るために協力してくださる
地域の方々や、これからも学生生活を支えてくれ
る家族に対しましても、感謝の気持ちを忘れず、
風光り、桜花も今を盛りと咲き競う中、希望に
胸膨らませている私たち新一年生を包み込むよう
な暖かな陽気になってまいりました。
勉強やサークル活動に励みます。
最後になりますが、本田学長先生をはじめ、諸
先生方におかれましては、温かく、時には厳しく、
本日は、平成22年度島根県立大学新入生のため
私達をご指導いただき、また、地域の方々にも私
に、このように盛大な入学式を挙行していただき、
達の成長を見守っていただきますことをお願い申
誠にありがとうございます。
し上げます。
本日、私達は、ここ島根県立大学から新しい一
私達新入生一同は、島根県立大学の学生として
歩を踏み出します。ここへたどり着くまでに様々
の誇りを持ち、実りある大学生活を送ることをこ
なことを乗り越えてきました。不安でいっぱいに
こに誓い、宣誓の言葉といたします。
なり、心が折れそうになったこと、葛藤に苦しみ
諦めそうになったことなど、受験の辛さを何度も
感じました。
しかし、合格発表の日に自分の受験番号を見つ
けた瞬間に、今までの辛い日々の記憶が吹き飛び、
喜びでいっぱいになりました。そしてこの学舎で
多くのことを学びたいとの思いを改めて強くしま
した。
本学では、政治、経済、社会、外国語などの学
問を通じて、北東アジアを中心とした国際社会に
ついて理解を深め、従来の考えにとらわれない新
しい視点を身につけていきたいと思います。そし
て、学んだことを社会で実践できる力を養ってい
きます。また、地域の人々との交流を積極的にお
こない、人と人とのつながりを大切にしていこう
と思います。
さて、私がかつてお世話になった先生からの祝
辞の中で、胸が熱くなった言葉があります。それ
は、
「私は心温かなあなたたちに出会えてよかった。
あなたたちとの出会いに感謝します。ありがとう。
」
という言葉です。
大学は、全国各地から集まった仲間、先生方、
地域の方々との出会いの場です。その多くの出会
いの一つ一つを大切にし、さらに、感謝しあえる
平成22年4月3日 新入生代表 吉田 理紗 5
6
平成22年4月30日 №44
平成21年度
卒業証書授与式・学位記授与式
や地域住民の皆さんの善意があったからであるこ
とを決して忘れてはならないと思います。
皆さんは、島根県立大学に入学して以来今日ま
平成22年3月19日(金)に、平成21年度の卒業
で、豊かな自然に恵まれた山陰の地、浜田で研鑽
証書授与式・学位記授与式が本学講堂で行われま
されました。生涯、この地は皆さんにとって第二
した。
の故郷、心の故郷になるものと思います。緑豊か
な山々が藍色の日本海に迫る浜田市の、海を見晴
学長式辞
らす丘陵の中腹に展開する静謐なキャンパスで勉
学に励み、日常生活の中では、厚い人情に溢れる
石見地域の皆さんと交流出来たことは、形成途上
本日ここに、島根県副知事松尾秀孝様、浜田
市長宇津徹男様をはじめ、開学以来、本学の活
にある若い皆さんの豊かな人格の形成に大きく貢
献したに違いないと確信しています。
動を物心両面にわたって全面的に支えて頂いてい
る「大学を支える会」会長岩谷百合雄様ほか、多
ところが、大変残念なことに、このような静謐
くのご来賓の皆様のご臨席をいただき、島根県立
で安全な勉学環境を脅かす重大な事件が、皆さん
大学総合政策学部212名の学部卒業生、ならびに
の在学中、昨年10月に発生しました。皆さんと同
大学院北東アジア研究科・開発研究科17名の大
じこのキャンパスで学んでいた平岡さんが、凶悪
学院修了生、合わせて229名の皆さんに対して学
で残忍な犯行の犠牲になられたのです。事件発生
士、並びに修士の学位を授与することが出来まし
から早や5カ月近く経過しましたが、皆さんの心
た。本学へ入学以来の皆さんのひたむきな勉学の
にも深く刻みつけられていることと思います。若
成果が、本日ここにめでたく報われましたことは
人が夢をはぐくむ大学時代に、まだ、成人にも達
誠に喜ばしい限りであります。また、この日まで、
していない若さで、命を絶たれた悔しさ、無念さ
卒業生、修了生の皆さんの成長を、大きな期待を
は、計り知れないものがあります。多くの若い学
持って見守って来られたご両親をはじめ、ご家族
生諸君の安全・安心を確保することは、諸君をお
の皆さまに、本学教職員・在学生と共に、心から
預かりしている大学の義務であると思います。大
お祝いし、お喜び申し上げます。
学は地元浜田市、警察署、青パト隊等、ボラン
ティアの皆さんと協力し、学生諸君の安全・安心
遠く故国を離れ、風土も生活習慣も異なる異国
の確保に全力を挙げて取り組んでいます。平岡さ
の地で勉学された外国人留学生諸君をはじめ、皆
んが強く願いながら果し得なかった「夢」は、国
さんがこの日を迎えることが出来ましたのは、皆
際舞台で活躍することでした。本日、卒業、修了
さんご自身の弛まぬ努力と精進の賜であることは
された皆さんには、この「夢」を引き継いで頂き、
言うまでもありません。しかし、同時に、在学中
どのような職業分野においても、国際舞台で活躍
の長い年月を絶えず励まし、支え続けて来られた
することを目指して頂きたいと願っております。
ご家族の皆さんや友人、そして皆さんを指導して
下さった先生方の温かい愛情、また、よりよい学
本日、皆さんは高等教育研究機関である大学で
生生活を送れるようご協力いただいた、各種団体
教育を受け研究を行い、卒業、修了の日を迎えら
平成22年4月30日 №44
れました。皆さんの卒業、修了にあたって、学長
分野に進み、仕事をされようとも、全く外国と関
として、お話しておきたいことがあります。
わり無く生活することはあり得ません。井の中の
蛙になることなく、常に国際的視野に立って仕事
第一には、社会に出られてからも、日々の研鑽
を忘れないで欲しいということです。
をし、さらに勉学を続けていただきたいと思いま
す。
社会改革の運動家であったマハトマ・ガンジー
は「明日死ぬつもりで生きなさい。永遠に生きる
つもりで学びなさい。
」と言っています。人間は、
第三は、
「今」を大事に生きて欲しいということ
です。
常に懸命に生き、生涯学び続けることが大事だと
旧約聖書にも、
「明日を思い煩うな、明日のこ
いうことです。皆さんは、主体的に問題を発見し
とは明日自身が思い煩うだろう、一日の労苦はそ
適切な解決策を見出す力、豊かな教養を持ち、問
の日一日だけで十分である。
」という記述がありま
題に多角的にアプローチする力、国際的な視野か
す。どんなに長い歴史も、また、人の一生も、そ
ら思考し、問題に実践的に対応する力、そして、
の時々の「今」の積み重ねから成り立っています。
国際化・情報化に対応したコミュニケーション能
「今」まさになすべきことをなすことがその人の人
力を養う教育理念の下に、総合政策学分野の専門
生を決定し、社会の歴史を作ることにもなるので
家としての教育を受けました。しかし、社会の変
す。その時だけ良ければよいと言う刹那主義とは
化は急激であり、学問の進歩は急速であります。
全く異なり、明日を大事に考えるからこそ、今日
各人が各々の職業分野で日々研鑽し、精進、努力
を大事に過ごさなければならないという生き方で
しなければ、早晩、その分野の最前線から取り残
す。皆さんにもこのような生き方を忘れないで欲
され、落伍してしまいます。これからも、日々の
しいと願っています。
努力によって、フロンティアを切り開く能力と精
神力をさらに培い、各々の分野のエキスパートと
ところで、大学をめぐる情勢は大変厳しさを増
して大成されることを切に願い、また、期待して
し、とりわけ、地方にある大学は厳しい状況に置
います。
かれています。その中で、私達は、日一日を大事
にしながら、島根県立大学をより一層発展させる
第二には、常に国際的視野を持ち、今自分達が
べく、全構成員が力を合わせて努力しています。
生きている世界に積極的に参加して欲しいという
その努力に明確な方向性を与え、全ての構成員が
ことです。
ベクトルを一つにして前進するため、島根県立大
アメリカのサブプライムローンに端を発した金
学は、学内外の叡智を結集し、大学の憲法とも言
融危機は、瞬く間に世界を席巻し、日本において
える「島根県立大学憲章」を制定することにしま
も深刻な経済危機を招いています。その結果とし
した。
て、皆さんにとっては、例年に勝る厳しい就職環
にし あまね
境が現出することになりました。皆さんはその厳
大学憲章では、地域の先人である西 周 が標榜
しい就職戦線を戦い抜き、晴れて卒業、修了の日
した“
「純理の学」から「実践の学」にわたる諸科
を迎えられました。これから、皆さんは、正に、
学の統合”を基本理念とし、
「地域のニーズに応
国境を越えたグローバリゼーションがますます進
え、地域と協働し、地域に信頼される大学」
、
「北
む世界で生きていくことになります。どのような
東アジアをはじめとする国際社会の発展に寄与す
7
8
平成22年4月30日 №44
る大学」づくりを目指すことを明らかにしていま
卒業生、修了生の皆さんは、これから社会人と
す。本学の第一のステークホルダーである学生諸
して働く方、あるいは学業をさらに続けられる方、
君、ご両親の皆さん、さらに、地域の皆さんと共
それぞれが新しいチャレンジに向けて決意を新た
に、地域に根ざして、次代を担う人材を養成し、
にされていることと思います。
「地域の知の拠点」となると共に、国際的視野と豊
県立大学は、開学以来数年で、公立大学の中で
かな研究蓄積を集約した「北東アジアの知の拠点」
もトップクラスの高い就職率と志願率を誇る大学
としての役割をも果たしていきたいと願っていま
となりました。これもひとえに、開学前から今日
す。
まで、宇野前学長と本田学長の卓越した先見性と
人望、また、強力なリーダーシップの下、学生と
島根県立大学は、今、法人化して3年、6年間
という中期目標期間の後半に入ろうとしています。
教職員の皆さんが一つとなり、高い志を持って教
育研究活動に邁進された成果であります。
社会からの負託に応え、教育、研究、社会貢献
昨年は、平岡都さんが亡くなられるという、大
のあらゆる分野で高い成果を上げ、今後とも、卒
変痛ましい事件がありました。平岡さんは、将来
業生の皆さんが母校として誇りに出来る「地域の
国際舞台で活躍する夢を持って県立大学へ進学さ
ニーズに応え、地域と協働し、地域に信頼される
れ、熱心に勉学に励み、夢の実現に向け頑張って
大学」であり続けたいと願っています。
おられました。平岡さんの希望に満ちた未来と夢
は、凶悪な事件により突然、完全に断ち切られま
若い卒業生の皆さんも自分の可能性を信じ、ま
した。皆さんも、大変な悲しみと精神的な痛みに
た、自分の夢を忘れることなく、世界に向かって
見舞われたことと思います。今後は、平岡さんが
雄飛されることを切望して、卒業証書・学位記授
果たすことのできなかった志を、皆さんで分かち
与式にあたって、学長としての式辞とします。
合い、引き継いでいただくことを望みます。
世界は今、大きな変動期にあり、混沌とした状
卒業、修了、おめでとうございます。
況にありますが、こういう時こそ、一人一人が努
力を積み重ねて地力を付け、自らの目標に向かっ
平成22年3月19日 島根県立大学長 本田 雄一 て着実に歩んでいくことが必要です。皆さんは、
この県立大学での学業経験を通じ、幅広い教養と
専門知識を習得されるとともに、サークル活動や
地域の方との交流を通じて豊かな人間性と精神的
強さを培われました。皆さんには、これからも一
層の研鑽を積まれ、様々な分野でご活躍されるよ
知事祝辞
う大いに期待しています。
皆さんの中には、このたび島根を離れて行かれ
学部卒業生の皆さん、大学院修了生の皆さん、
る方もおられることと思います。どうか、この島
本日は誠におめでとうございます。心からお祝い
根を心のふるさととして、輝かしい未来へと羽ば
を申し上げます。また、ご列席のご家族並びに関
たいてください。そして、機会がありましたら、
係の皆様には、感慨もひとしおのことと、お喜び
またこの島根に戻って、島根のために働いてくだ
を申し上げます。
さい。大いに歓迎いたします。
平成22年4月30日 №44
終わりに、卒業生、修了生の皆さんのますます
サークルの活動、2年次の中国での異文化理解研
のご活躍と、ご列席の皆様のご健勝をお祈りしま
修、そして就職活動は、自分自身にとって大きな
して、祝辞といたします。
挑戦でもあり、貴重な経験となりました。
ジャズサークルでは、メンバーとともに、一つ
平成22年3月19日 島根県知事 溝口善兵衛 のものを作り上げることの「楽しさ」と「難しさ」
を学びました。演奏披露の場の一つでもあった、
本学大学祭「海遊祭」での演奏で、お客様から
「ありがとう」の言葉を頂いたこと、そして苦楽を
共にしてきたメンバーができたことが、私にとっ
卒業生謝辞
て大きな財産となりました。
異文化理解研修では、現地での授業や、観光先
身を切るような寒さが続いた長い冬は終わり、
での人々との出会いを通じて、中国の方の考え方、
やわらかな日差しが心地よい季節となりました。
思想、気質、立ち振る舞いといった価値観の違い
本日は、私たち卒業生のために、このように盛大
を感じました。日本を離れて、改めて日本につい
で心温まる卒業式を挙行していただき、卒業生一
て考えさせられたという点で、視野の狭さを認識
同、心より御礼申し上げます。先程は本田学長を
し、視野を広げることの重要性を実感しました。
はじめ、ご来賓の皆様方よりお祝いや激励のお言
就職活動では、昨今の厳しい社会情勢の中で、
葉を賜り、ありがとうございました。本日、私た
自分自身を見つめ直し、今後の進路に向き合って、
ち212名は島根県立大学を卒業いたします。
悩む日々が続きました。
「社会人」とは一体どうい
うものなのか?、ということを、いささかは理解
この大講堂で入学式が行われてから、4年の月
できたのではないかと思います。このことがキャ
日が経ちました。私たちは、数多くの友人や先生、
リアサポーターとして、後輩に経験を伝える活動
職員の方々、地域の方々と出会い、たくさんのこ
の中でも、生かすことができました。
とを学んで参りました。改めて、卒業生として再
こうして今、本学での4年間を振り返りますと、
びこの場に立ちますと、入学式の日が昨日のこと
挑戦と経験、そしてそれを支えてくれた方々との、
のように感じられ、4年間の思い出が鮮やかに蘇っ
出会いの日々であったと感じます。島根県立大学
て参ります。
は、色々なことに挑戦する機会を私たちに与え、
多くの経験をさせてくれる場でありました。本田
私たちの学生生活は、それぞれ異なるものでは
学長、先生方、先輩、後輩、地域の方々には、感
ありましたが、一様に多くのことを体験し、実り
謝の念が絶えません。また、私達を一番近くで見
ある4年間を過ごしたことは、間違いありません。
守り、支えてくれた家族、友人にも、この場を借
学習目標を立て、計画的に履修科目を選択したこ
りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
と、幅広い分野の講義に、胸を躍らせたこと、試
在校生の皆さん、大学生活は、多くの人に支え
験勉強やレポートに追われたこと、部活・サーク
られながら、自分自身の世界を広げるチャンスの
ルで互いに切磋琢磨したこと、友人と夜遅くまで
場であり、今後の人生において、二度と出会えな
議論に花を咲かせ、笑いあったこともありました。
い時間です。自分の成長に必要なことを自ら見極
私事ではありますが、1年次に創設したジャズ
め、積極的に挑戦していって欲しいと思います。
9
10
平成22年4月30日 №44
その過程で失敗することもあるかも知れませんが、
くださり、親切に研究活動に協力してくださいま
それもきっと将来の財産となってくれるはずです。
した市民研究員や地域の皆さま、そして、日常生
皆さんが多くの経験を経て成長し、素晴らしい大
活において大変お世話になったロータリークラブ
学生活を送られることを祈っています。
の皆さまに、この場をお借りしてお礼申し上げま
本日、私達が無事に4年間の学生生活を修了で
す。
きますのは、多くの方々のお力添えがあったから
さらには、友達や、私たち留学生を暖かく迎え
に他なりません。終わりに際して、多岐に亘り私
ていただいたホストファミリーの皆さまのお陰で、
達をご指導して下さった、本田学長ならびに諸先
異郷の地であるにもかかわらず、家族が身近にい
生方、様々な形でご後援下さった、ご来賓の皆様、
ない寂しさを感じずに、いつも明るい気持ちで学
学生生活を支えて下さった事務局の皆様、私達を
生生活をおくることができました。
見守って下さった市民の皆様と、私達を支えてく
れた家族、友人達に、卒業生一同、心より御礼申
し上げます。
私たちは、こうした浜田での思い出を、一生大
切にしていきたいと思っています。
個人的にも、私はこの2年間、勉強と研究を通
最後に、島根県立大学のより一層の発展を祈念
して、また、地域の皆さまとふれ合う中において、
するとともに、本日ご列席賜りました皆様方の、
日本、中国、韓国、ロシア、モンゴルなどのさま
益々のご健康とご活躍を願い、謝辞とさせて頂き
ざまな国の文化と生活習慣に触れることができま
ます。
した。
中でも、私にとって深く印象に残る出来事が、
平成22年3月19日 総合政策学部卒業生代表 中田 隆博 日本に来て間もない頃にありました。それは、料
理教室に誘われ、卵焼きの作り方を教えてもらっ
ていたときのことです。フライパンの中の卵に、
テーブルの上に置いてあった塩を思いきりかけて
修了生謝辞
混ぜ、出来上がってから味見をしたときに、かけ
たのは塩ではなくて、実は砂糖だったと分かり「し
まった」と思いました。
陽差しも暖かさを増し、大学周辺の木々もつぼ
しかし、なんとびっくりしたことに、この卵焼
みをつけ始め、春の息吹を感じる中、本日、この
きを先生にほめられて、優勝してしまったのです。
ように多くの皆さまに、島根県立大学大学院学位
当時の私にとっては、卵に砂糖を使うことは考え
記授与式にご参列をいただき、心からお礼申し上
られないことでしたが、このことをきっかけに、
げます。
すっかりこの日本風の卵焼きがお気に入りとなっ
私たちは、島根県立大学で学び、本日、無事に
たことが、忘れられない思い出となっています。
学位記授与式を迎えることができました。これま
今日この日を迎え、皆さまと一緒に忙しいなが
でご指導してくださいました、先生方や職員の方々
らも楽しい時間を過ごした、この2年間はあっと
のお陰でこの日に臨むことができ、皆さまのご厚
いう間に終わりをつげようとしています。そして
意を身にしみて感じています。
正直に言うと、卒業までたどり着くことができた
また、入学してからこのかた、お忙しい中にも
喜びの一方で、仲良くなった友達やお世話になっ
関わらず、私たち院生のことをいつも気にかけて
た方々と別れる時が来た寂しさが、私たちの心を
平成22年4月30日 №44
複雑にさせています。
しかし、例えどんなに時間が経過しても、浜田
名誉教授称号授与
で培った絆は、いつまでも私たちの財産として心
の中に残ると思います。
平成22年3月19日、平成21年度をもって退職さ
島根県立大学に育ててもらった私たち大学院生
れる田嶋義介教授に、教育上学術上の顕著な功績
は、これから新しい人生を歩んでまいりますが、
を称え、島根県立大学名誉教授の称号が授与され
この島根県立大学で経験したことを活かして、常
ました。授与式終了後、参列の教職員とともに懇
に最善をつくして頑張りたいと思いますので、こ
談会が開催され、和やかに開学以来10年間の思い
れからも私たちのこと見守っていてください。
出を語り合いました。
最後に、お世話になった皆様のご活躍とご健勝
を祈念いたしまして、修了生を代表して心から感
謝の言葉を申し上げます。
Спасибо・От всей души благодарю вас!
平成22年3月19日 修了生代表 北東アジア研究科 ウシニナ・ヤナ 第6回優秀卒業研究発表会開催
平成21年度優秀卒業研究発表会実施特別委員会
委員長 渡部 望 去る1月27日(水)、本学大講義室2において優
秀卒業研究発表会を実施した。この発表会は、毎
年提出される卒業研究から優秀な論文を選んで表
彰・発表するもので、今回で6回目を数える。提
出された卒業研究は219点、そのうちゼミ担当教
員の推薦を経て審査委員会によって11点を優秀研
究として表彰することにした。この中から当日9
11
12
平成22年4月30日 №44
名の受賞者が研究の概要を発表した。優秀卒業論
文は以下の通りである。(五十音順)
総合政策学会特別講演会
○石川友也「タイの貧困問題-解決策の模索-」
○ 石 橋 京 子「Fair Trade : Fair Trade's future
and potential in Japan」
-宇野重昭名誉学長・名誉教授を
お迎えして-
○岩波孝美「環境問題と国際問題の関連性-地球
温暖化と食糧問題と貧困の観点から-」
○岡島麻由子「日本の教育と社会-教育と社会の
2010年3月17日、本学において、総合政策学会特
断絶と大学におけるキャリア教育への提言」
別講演会が、本学名誉学長・名誉教授の宇野重昭
○木谷恵子「韓国の中の脱北者」
先生をお迎えして開催された。演題は、
「現代の国
○金鑫「中国の『労使関係』に関する考察-工会
際社会に参入する中国指導部の思考方法」である。
(労働組合)組織を中心に-」
あらためて言うまでもなく、宇野先生は、2000年の
○久保川隆史「ロシア軍の近代化とロシア社会」
本学創設から9年間に亘って学長を務められ、今日
○島田祥吾「英語教育のための社会言語学-英語
ある本学の基礎を築かれると共に、中国研究・国
教師にはどのような力が求められるのか-」
際政治学をご専門とされ、国内外でこの分野の第一
○田中舞「ナショナル・トラストと法律上の特権」
人者としてご活躍されてきた。今回は、国際社会で
○林亜弥「現代中国における都市生活の変容とボ
急速に存在感を増す中国と向き合う中で、その指導
トム・アップの社区建設-上海市の事例から-」
○安本悠也「大衆が育む日本競馬」
部の考え方についてお話いただく貴重なご講演会と
なり、学生・教職員・市民の関心も高かった。
まず、宇野先生は、自らの研究者人生を振り返り
ながら、中国への接近方法について話された。宇
野先生は、学生時代に当時東京大学総長であった
矢内原忠雄先生から国際関係論を学び、その後大
学院で植田捷雄先生(東京大学教授)の下、東洋政
治外交史のご研究に進まれたことが紹介され、中国
だけに焦点を当てるのではなく、むしろグローバル
な国際的観点から中国を捉えることの重要性を指摘
された。また、今年中にもGDPで中国が日本を抜い
て世界第2位の経済大国になると予想される中、そ
れに対する警戒感から「中国脅威論」が生まれる一
方、それ以上に中国と連携して国際社会を建設する
必要性が高まっている状況を紹介し、中国とどのよ
うに付き合っていくのかを明らかにするためにも、本
講演では20世紀末から21世紀初頭にかけての中国
指導部の思考方法を提示することが述べられた。
次に、宇野先生は、中国指導部の思考方法の特
徴として、基本的に欧米諸国とは大幅に異質で、且
平成22年4月30日 №44
つ従来の世界の在り方に挑戦的であることを指摘し
誉教授記念号』第18号(2010年2月)の贈呈式が催さ
た。この背景の一つとして、19世紀中葉のアヘン戦
れた(本記念号では、宇野先生のご略歴・主要論文
争以来約150年に亘る苦労から、中国は現在の欧米
目録がその巻頭に掲載されている)。会場では、宇
的国際社会に追随することに否定的であることがあ
野先生の長年に亘る本学会へのご指導・ご貢献に
げられる。それと同時に、近年の傾向として、欧米
対して、学生・教職員・市民から惜しみない感謝の
諸国の思考方法と親和的であることにも留意する必
拍手が送られた。
要性があると指摘する。つまり、現在の中国指導部
の少なからぬメンバーが欧米留学組であることも一
(研究活動・総合政策学会委員会 江口伸吾)
因となり、人間第一、近代化、合理性・科学重視、
経済成長、異文化共生といった点において、国際社
会と似た方向を指向している。その意味で、中国指
導部の思考方法は、中国自身の価値観に立脚しな
がらも、欧米諸国をはじめとする国際社会と相互触
第7回地域振興に関わる提言を含む
卒業研究・論文の発表会
発しながら形成されている。
平成22年3月18日(木)に、本学交流センター、
さらに、宇野先生は、中国の指導者のリクルート
コンベンションホールにて、
「第7回地域振興に関す
システムの特徴に言及する。2007年に開催された第
る提言を含む卒業研究・論文の発表会」が開催さ
17期中国共産党大会において、党員7336万人(大卒
れた。
以上30.7%)、全国党大会代表2217人、党中央委員
本学総合政策学部では、少なからぬ学生が本学
会委員204人、政治局常務委員9人となっているこ
の地元地域やみずからの出身地の地域的課題につ
とからもわかるように、現在の胡錦濤総書記をはじ
いて関心を寄せており、卒業研究でもそのテーマと
めとする指導部の選出過程では厳しい競争が展開さ
してとり上げている。また、大学院北東アジア開発
れている。また、指導部に選出されるには、地方で
研究科においても、毎年、いくつかの地域研究の
の要職経験を積んでいることが必須条件ともなって
修士論文が提出されている。こうした研究は、地元
いる。その結果、世代交代を進める中国指導部に
地域の皆さまのご協力がなければ、遂行し得ないも
あって、常に鍛え抜かれた指導者が輩出されている
のである。そこで、本学では、少しでも地元地域に
ことが指摘された。
恩返しをしようと、地域振興に関する提言を含む卒
最後に、宇野先生は、中国がグローバル化に如
業研究や修士論文のうち優秀なものを表彰するとと
何にして取り組んでいくのかについて述べられた。た
もに、そのいくつかを地元の皆さまの前で発表する
とえば、その政治的潮流の一つとして法制化・民主
機会を設けてきた。
化があげられるが、中国においては、中長期的な社
平成21年度も、卒業研究や修士論文の指導を担
会発展の過程で内発的に実施されていることが強調
当した教員から推薦を募り、推薦された卒業研究論
された。この結果、中国指導部は、その独自性を
文10編、修士論文1編について、地域連携推進セン
堅持しながらも、グローバルな共通課題に取り組む
ターにおいて審査したところ、いずれも奨励賞を授
ことによって、今後、多元社会のリーダーシップを発
与するに十分な水準に達していると認められたので、
揮していくであろうことが指摘された。
賞を授与することとした。なお、審査項目は、①「地
尚、今回は、ご講演に先立って、本学会が編集・
域振興に関する提言を含む」ものという視点からみ
刊行した『総合政策論叢/宇野重昭名誉学長・名
た主題の適切さ、②地域社会に関わる具体的分析
13
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平成22年4月30日 №44
や政策分析を含んでいるか、③研究・論文として水
石炭火力発電に代えてどれほどの太陽光発電および
準が標準以上のものであるかどうか、④記述・論述
風力発電の設備容量が必要であるかを明らかにし、
の仕方の適切性、根拠となる資料の明示等である。
そのための政策の妥当性を検討したものであり、太
奨励賞が授与された者は、つぎのとおり。
陽光発電の導入促進の必要性を説いている。これ
◆卒業研究(五十音順)
は、優れて分析的な研究であり、発表会を後援いた
○出雲正樹「
「銀山街道」の地域ブランドとしての可
だいている浜田市より浜田市長賞も受賞した。
能性」
発表会では、まず、学長より奨励賞の授与が行
○岡田俊彰「
「しなの鉄道」の取り組みにみる沿線
われた。ついで、受賞者のうち、出雲、島谷、藤
地域再生の可能性―速さに勝る魅力の発掘」
原、町田、松岡の5名に発表してもらった。発表15
○熊谷真弓「農産物直売所による地域活性化 分、質疑応答5分という、限られた時間ではあった
―島根県と広島県の事例比較」
○島谷明邦「低炭素社会の実現に向けた電力対策
―島根県を中心として」
○髙井優美「中山間地域の底力―島根県の先進
事例に見る新しい「農」の挑戦」
○中田剛「浜田市における大学を核としたまちづくり
事業について」
が、発表者には要領のよい報告をしていただくととも
に、聴衆からは多くの質問や意見をいただき、活発
な議論がなされた。非常に有意義な発表会になった
と思う。
最後になるが、これらの研究に対して協力くださっ
た地元地域の皆さん、発表会に参加くださった皆さ
んに、改めて感謝申し上げたい。
○藤原あかね「21世紀型農業―環境安全型農業
をモデルとして」
○町田雄「屋久島におけるエコツーリズムの必要性
とその在り方」
○松岡福子「外国人研修・技能実習制度―島根
県での運用から見えてきたもの」
○和田一也「漁業振興を考える―島根県大田市
から」
◆修士論文
○チェルニショワ・タチアナ「ロシアから日本への移
民の現状と日本社会への適応プロセス―島根
県の事例をもとに」
卒業研究の中には、学術的な論文としてはまだま
だといったものもあったが、中山間地域の活性化や
環境問題など、いずれも現代的な地域の課題につい
て真摯にとり組んだ成果であることはまちがいない。
例えば、島谷明邦の研究は、京都議定書や日本の
当時の鳩山政権がかかげた二酸化炭素の削減目標
を達成するために、とくに島根県において、現在の
(地域連携推進センター 副センター長 林 秀司)
平成22年4月30日 №44
規則に関する事項
□ 公立大学法人島根県立大学規則の改正
「公立大学法人島根県立大学組織規則」の一部
改正
第13回経営委員会議決/平成22年4月1日施行
□ 島根県立大学規程の改正
「島根県立大学学則」の一部改正
「島根県立大学教職課程履修規程」の一部改正
「島根県立大学運営委員会運営規程」の一部改
正
「島根県立大学学部専門委員会規程」の一部改
正
□ 公立大学法人島根県立大学規程の改正
「公立大学法人島根県立大学教育研究評議会専
門委員会規程」の一部改正
「公立大学法人島根県立大学事務決裁規程」の
一部改正
「公立大学法人島根県立大学会計事務取扱規程」
の一部改正
「公立大学法人島根県立大学物品管理規程」の
一部改正
「公立大学法人島根県立大学たな卸資産管理規
程」の一部改正
「公立大学法人島根県立大学債権管理規程」の
一部改正
「公立大学法人島根県立大学の勤務時間、休日
及び休暇等に関する規程」の一部改正
「公立大学法人島根県立大学職員給与規程」の
一部改正
「公立大学法人島根県立大学任期付事務職員等
給与規程」の一部改正
「公立大学法人島根県立大学職員再雇用規程」
の一部改正
「公立大学法人島根県立大学公印規程」の一部
改正
「公立大学法人島根県立大学教員任期規程」の
一部改正
「公立大学法人島根県立大学寄附金等取扱規程」
の一部改正
「公立大学法人島根県立大学授業料等徴収規程」
の一部改正
「公立大学法人島根県立大学奨学金交付要綱」
の一部改正
「北東アジア地域学術交流研究助成金交付要綱」
の一部改正
「北東アジア地域学術交流研究助成事業審査委
員会運営要綱」の一部改正
第13回経営委員会議決/平成22年4月1日施行
「島根県立大学における研究活動上の不正行為
及び研究費等の不正使用への対応に関する規
程」の一部改正
「島根県立大学における公的研究費等の取扱い
に関する規程」の一部改正
第35回教育研究評議会議決/平成22年4月1日
施行
「島根県立大学編入学等に関する規程」の一部
改正
第36回教育研究評議会議決/平成22年4月1日
施行
15
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平成22年4月30日 №44
会議の開催状況
□ 経営委員会 議決事項
1 非常勤講師の任用に関する件
2 平成22年度春学期科目等履修生・聴講生に
関する件
・第13回 3月25日
・第144回 4月21日
1 平成22年度当初予算(案)に関する件
1 島根県立大学メディアセンターにおける資
2 平成22年度年度計画(案)に関する件
料収集方針に関する件
3 法人規程の改正に関する件
2 ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポ
リシー、カリキュラム・マップに関する件
3 島根県立大学編入学等に関する規程の改正
□ 教育研究評議会 議決事項
に関する件
・第35回 3月24日
4 学生の休学に関する件
1 非常勤講師の任用に関する件
5 学生の退学に関する件
2 北東アジア地域研究センター客員研究員の
受け入れに関する件
3 平成22年度計画に関する件
□ 北東アジア開発研究科委員会 議決事項
4 大学院開発研究科廃止届の提出に関する件
・第11回 4月7日
5 島根県立大学学則等の改正に関する件
1 指導教員の決定(新入生)に関する件
6 大学運営委員会規程の改正に関する件
2 平成22年度入試実施計画に関する件
7 事務局組織改正に伴う関係規程の改正に関
3 私費奨励費等奨学金学内選考要領に関する
する件
件
・第36回 4月28日
4 RAの任用に関する件
1 北東アジア地域研究センター研究員の選考
5 大学院パンフレットの改訂に関する件
に関する件
6 学生の復学に関する件
2 島根県立大学編入学等に関する規程の改正
に関する件
3 RAの任用について
□ 全学諸会議
4 島根県立大学北東アジア地域研究センター
○理事連絡会議
と東北大学東北アジア研究センター (富山
・3月15日・4月5日・4月19日
大学極東地域研究センター )の学術交流に
○アドミッションセンター全学運営会議
関する協定に関する件
・4月27日
5 客員教授の選任に関する件
○地域連携推進センター全学運営会議
・4月27日
□ 教授会 議決事項
・第142回 3月17日
□ 学内諸会議
1 平成22年度GP申請に関する件
○運営委員会(E会議)
2 非常勤講師の任用に関する件
・3月16日・4月13日
3 学生の退学に関する件
○大学院運営委員会
4 学生の休学に関する件
・3月4日
5 学生の復学に関する件
○アドミッションセンターキャンパス運営会議
6 平成22年度一般選抜(後期日程)の合否判
・3月16日・4月15日
定に関する件
○キャリアセンターキャンパス運営会議
7 島根県立大学学則等の改正に関する件
・3月17日
・第143回 4月3日
平成22年4月30日 №44
○FD委員会
人 事
・3月5日・4月14日
○地域連携推進センターキャンパス運営会議
□ 教員等
・3月10日・4月28日
採 用(平成22年4月1日付)
○学生生活委員会
准教授 横田 由美
・3月4日・3月11日・4月27日
講 師 寺田 哲志
○NEARセンター運営会議
講 師 ヘネベリー スティーヴン
・3月5日・4月9日
講 師 西藤 真一
○教務委員会
・3月15日・4月15日・4月16日
再 任(平成22年4月1日付)
○外部資金対策委員会
教授(特任) 吉塚 徹
・3月9日・4月28日
[平成23年3月31日まで]
○研究活動・総合政策学会委員会
・4月20日
昇 任(平成22年4月1日付)
教 授 沖村 理史
准教授 田中 恭子
退 職(平成22年3月31日付)
教授(特任) 山田 政美
教 授 田嶋 義介
准教授 ホワイト ショーン アラン
□ 事務職員
採 用(平成22年4月1日付)
主 任 矢冨 孔寅
主 任 山田 和行
主任主事 雪吹 重之
主任主事 新田 仁美
主任主事 石倉 義生
主任主事 上田 英和
主 事 吉木 瑠璃
主 事 山本 麻央
□ 任期付職員
再 任(平成22年4月1日付)
主 事 中村 智紗
[平成25年3月31日まで]
情報主事 岩倉 将志
[平成25年3月31日まで]
看護師 岡本 敬子
[平成25年3月31日まで]
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平成22年4月30日 №44
退 職(平成22年3月31日付)
退 職(平成22年3月31日付)
主 事 網 裕美
主 任 山田 和行
主 事 河野 裕輔
主 事 北村 有見子
□ 嘱託助手
採 用(平成22年4月1日付)
□ 県派遣職員
バールィシェフ エドワルド
異 動(平成22年4月1日付)
[平成23年3月31日まで]
旧 任
採 用(平成22年4月2日付)
教育研究支援部長
鄭 世桓
細田 敬二(保健体育課へ)
[平成23年3月31日まで]
教務学生課長
遠藤 孝史(浜田水産高校へ)
再 任(平成22年4月1日付)
企画員
王 鳳
濱村 修司(地域福祉課へ)
[平成23年3月31日まで]
主 任
新井 健一郎
飯塚 修司(産業振興課へ)
[平成23年3月31日まで]
主 任
神村 好信(隠岐保健所へ)
退 職(平成22年3月31日付)
主 任
アグネシュカ クナシェフスカ
井上 礼二(浜田県土整備事務所へ)
主 任
□ 嘱託職員
曽田 紀子(健康福祉総務課へ)
採 用(平成22年4月1日付)
上手 巧(総務課)
新 任
[平成23年3月31日まで]
事務局次長
砂川 結花(総務課)
桑原 清文(地域政策課から) [平成22年8月11日まで]
企画員
田中 実季子(企画財務課)
岡﨑 巧(西部県民センターから)
[平成22年8月11日まで]
主 任
今田 奈緒(交流研究課)
木幡 久(中央病院から)
[平成22年8月11日まで]
主 任
久保田 紀美子(新教育GP)
田中 輝央(農村整備課から)
[平成22年8月11日まで]
兼 職(平成22年4月1日付)
教育研究支援部長 採 用(平成22年4月13日付)
事務局次長 桑原 清文
橋本 文子(JST)
[平成22年8月11日まで]
昇 任(平成22年4月1日付)
企画員 松井 健
再 任(平成22年4月1日付)
企画員 山口 勇
石田 義昭(総務課)
企画員 野々内 昭浩
[平成23年3月31日まで]
竹下 裕美(総務課)
[平成22年7月9日まで]
平成22年4月30日 №44
竹根 美雪(地域連携推進室)
[平成22年8月11日まで]
主な学内行事
高木 由香子(教務学生課)
3月5日 学長定例記者会見
[平成23年3月31日まで]
6日 NEARセンター第5回市民研究員定
松本 ゆかり(教務学生課)
例研究会
[平成22年8月11日まで]
12日 一般選抜(後期)試験
河田 知子(キャリア支援室)
17日 総合政策学会講演会(宇野重昭島根県
[平成22年8月11日まで]
幸田 亜希(共同研究室)
[平成22年8月12日まで]
立大学名誉学長・名誉教授)
18日 第7回地域振興に関する提言を含む優
秀卒業研究・論文発表会
大野 純子(共同研究室)
「浜田応援団」団結式
[平成22年8月8日まで]
19日 卒業証書・学位記授与式 和田 智子(図書情報課)
名誉教授称号証書授与式
[平成22年8月11日まで]
卒業記念パーティー
石指 京子(図書情報課)
27日 「北東アジアにおける浜田地域産品の
[平成23年3月31日まで]
消費動向に関する調査研究」報告会
岡本 典子(図書情報課)
[平成23年3月31日まで]
4月1日 辞令交付式
片岡 香織(図書情報課)
2年生オリエンテーション
[平成23年3月31日まで]
編入学生オリエンテーション
汐崎 孝江(国際交流会館・学生寮)
2日 3年生オリエンテーション
[平成23年3月31日まで]
4年生オリエンテーション
後山 瑠三子(国際交流会館・学生寮)
新入生歓迎会
[平成23年3月31日まで]
3日 学部入学式・大学院入学式 中田 貞代(国際交流会館・学生寮)
大学院新入生オリエンテーション
[平成23年3月31日まで]
5日 新1年生オリエンテーション
杉浦 泉(国際交流会館・学生寮)
博士後期課程オリエンテーション
[平成23年3月31日まで]
7日 大学院オリエンテーション
志田尾 久子(国際交流会館・学生寮)
新入大学院生歓迎会 [平成23年3月31日まで]
8日 学生生活オリエンテーション
佐々木 恵美子(国際交流会館・学生寮)
13日 学長定例記者会見 [平成23年3月31日まで]
24日 NEARセンター交流懇談の集い 古和 悠(新教育GP)
26日 新規採用事務職員研修(~ 27日)
[平成22年8月11日まで]
デファルコ リア(LLSR)
[平成23年3月31日まで]
退 職(平成22年3月31日付)
岩谷 実(総務課)
佐々木 和恵(アドミッション室)
平石 純一(JST)
市井 礼奈(新教育GP)
今田 奈緒(現代GP)
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平成22年4月30日 №44
主な来学者
今後の主な行事
3月15日 宇野重昭(前学長)
19日 松尾秀孝(島根県副知事)
田原正居(島根県議会議長)
宇津徹男(浜田市長)
牛尾博美(浜田市議会議長)
7月1日 NEARカレッジ浜田(崔相龍法政大学
特任教授)
7月2日 NEARカレッジ松江(崔相龍法政大学
特任教授)
大屋俊弘(島根県議会議員)
7月6日 NEARカレッジ浜田(呉大煥准教授)
室崎富恵(経営委員)
7月7日 NEARカレッジ松江(呉大煥准教授)
岩谷百合雄(大学を支える会会長)
7月13日 NEARカレッジ浜田(福原裕二准教授)
豊田佳隆(島根県公立高等学校長協会
7月14日 NEARカレッジ松江(福原裕二准教授)
会長代理 浜田高等学校校長)
武永淳(島根県西部県民センター所長)
7月17日 第1回オープンキャンパス
7月18日 AO入試(一次)(~ 19日)
佐古肇徳(島根県立大学後援会長)
松岡紘一(島根県立大学名誉教授)
豊田有恒(島根県立大学名誉教授)
25日 宇津徹男(浜田市長)
西澤裕 (経営委員)
室崎富恵(経営委員)
26日 加松正利(島根県総務部長)
4月1日 髙瀬隆之(島根県警察本部長)
岩田晴雄(島根県警察本部刑 事部長)
3日 溝口善兵衛(島根県知事)
田原正居(島根県議会議長) 宇津徹男(浜田市長) 牛尾博美(浜田市議会議長)
岡本昭二(島根県議会議員)
大屋俊弘(島根県議会議員)
須山隆 (島根県議会議員)
岡田久樹(監事)
室崎富恵(経営委員)
岩谷百合雄(大学を支える会会長)
豊田佳隆(島根県公立高等学校長協会
会長代理 浜田高等学校校長)
楫野弘和(島根県西部県民センター所
長)
佐古肇徳(島根県立大学後援会長)
松岡紘一(島根県立大学名誉教授)
6日 土谷清治(島根県中山間地域研究セン
ター所長)
赤松俊彦(島根県総務部長)
21日 森脇哲朗(島根県立江津高等学校校長)
学 報 第44号
2010年4月30日発行
【編集発行】
島根県立大学
島根県浜田市野原町2433-2
Tel 0855-24-2200 Fax 0855-24-2208
E-mail:[email protected]
ホームページ:http://www.u-shimane.ac.jp/
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