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当日配布資料(2.77MB)

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当日配布資料(2.77MB)
省エネ化および温室効果ガス排出
抑制型の堆肥製造システム
帯広畜産大学 地域環境学研究部門
講師 宮竹史仁
堆肥化とは?
生物系バイオマス
北海道の家畜ふん尿
年間2,000万トン
札幌ドーム10杯分!
健全な土づくり
発熱
空気
(酸素)
堆肥化
堆肥化
(コンポスト化)
微生物の増殖
有機物の分解
 有機物の安定化
 病原性微生物・雑草種子の不活性化
 汚物感の解消・取り扱い易さの向上
有機性廃棄物の
末端処理技術
堆肥化技術の問題点と普及のための工夫
1.温室効果ガス
※N2OやCH4が発生
CH4: 1 kg = CO2: 23 kg
N2O: 1 kg = CO2: 296 kg
CH4
メ タ ン ガス
・N2O:日本総排出量の約22%
・CH4:日本総排出量の約11%
(家畜排せつ物管理からの発生量)
一酸化二窒素
N2O
CO2:
カ ーボン ニュ ート ラ ル
N2
NH3
NH4+
NO2-
NO3-
ア ン モ ニア態
窒素
亜硝酸態
窒素
硝酸態
窒素
単なるGHGsの排出抑制技術では、現場への普及性はない!
エコ技術には理念だけでは無く、直接的な実利が必要
2.ランニングコスト
※施設管理費の90%は送風機
・4kW送風機 → 3.5万円/月・台(電力使用量料金)
・堆肥舎では複数台の送風機を使用
※間接的CO2の増加
発酵槽の底部配管から空気供給
送風機
(24時間365日稼働)
省エネ化・GHGs排出
抑制型の堆肥製造システム
実証試験に使用したリニアクレーン式堆肥舎(帯広畜産大学)
発酵槽1槽あたり
約50m3
(電気信号)
開発した実証規模対応型システム
(制御盤内)
制御盤
温度計測器
など
(センサ類)
堆肥材料
インバーター
風量決定装置
(インバータ制御装置)
(制御回路
端子台)
発酵槽
(
電
力
)
送風機
外気
(主回路端子台:出力側) (電気信号入出力端子台)
堆肥製造方法および装置
特願2011-97769
出願人:国立大学法人 帯広畜産大学
発明者:宮竹史仁
基礎試験 → 中規模試験 → 実証規模試験:終了済み
現状の
堆肥化
新技術の
堆肥化
酸素消費 / 供給速度,g• h-1• kg-vm-1
開発した新システムの基本原理
堆肥に供給している空気の量
堆肥化で使用されている空気の量
(微生物による消費量)
無駄な通気
発酵状況に応じて通気量を変化
必要最低量を通気
・電気使用量の削減
・基本契約料の見直し
好気性を維持
日数, d
堆肥製造過程における酸素必要量と供給量の関係
制御方法プログラムを設定
(4段階制御)
20cm×15cm程度
通気量
制御装置
新技術の特徴・従来技術との比較
新技術の試験結果
従来技術と比較して…
• 使用電力量 : 約 50〜90% 削減
• N2O排出量 : 約 50% 削減
• CH4排出量 : 約 80% 削減
• 堆肥化の発酵促進
• 肥料成分濃度の上昇
実証試験に使用した堆肥舎
【リニアクレーン式】
(帯広畜産大学)
発酵槽1槽あたり約50m3
• 悪臭揮散の低減
ガス分析装置
【光音響マルチガスモニタ】
(INNOVA社)
新システムのメリットとデメリット
制御盤
【メリット】
・電気料金:50〜90%削減
・間接CO2:50〜90%削減
インバータ
風量決定
装置
・肥料成分の上昇
発酵槽
センサ
外気
送
風
機
(堆肥の高品質化)
・N2O排出:50%削減
・悪臭抑制
・CH4排出:80%削減
・様々な材料に対応
・冬期間の発酵促進
・工事が簡単
(送風機、配管設置済みの場合)
【デメリット?】
・製品堆肥の水分が少し高くなる?
(水分蒸発量の低下)
制御盤内の
電気工事だけで
OKの場合も
本体販売価格30万円
(予定)
制御盤内
【メリット】
堆肥製造過程で
乾燥しすぎで困る場合は効果あり
(剪定枝、馬ふん材料など)
場合によっては…乾燥などの工程が必要
しかし、大型施設には既に設置済みの場合が多い。
堆肥センター
の乾燥施設
技術導入試算
【想定堆肥化施設規模】 【技術導入後の想定削減割合】
・電気使用量 : 60%
・N2O排出 : 50%
・CH4排出 : 80%
・堆肥化処理量:7,000 t/年
・強制通気式堆肥化
(送風機あり)
200V契約量
kW
基本料金
万円/年
電気使用量
kWh
電気使用量料金
万円/年
CO 2排出量
t-CO2/年
N2 O排出量
t-CO2/年
CH 4排出量
t-CO2/年
導入前
導入後
30
44
203,232
236
72
56
57
18
26
121,939
171
43
28
11
技術導入費用の償還年数
7〜8年?
償還年数短縮
補助金(省エネ事業)
3〜4年?
国内クレジット適用
償還年数
3年以上
年間当たり…
削減量
12
18
81,293
65
29
28
45
100万円の収益
電気料金
280万円 → 197万円
年間 83万円 節約
GHGs排出量
186 t → 82 t
取引対象:104 t
京都クレジット(¥1,500):16万円/年
国内クレジット(¥1,500):16万円/年
J-VER
(¥7,000):73万円/年
プロモーション活動
1.2011NEW環境展(東京ビックサイト)【民間企業と出展】
2.イノベーション・ジャパン2011(東京国際フォーラム)
3.ビジネスEXPO(アクセスサッポロ)
4.アグリビジネス創出フェア2011(幕張メッセ)
5.アグリビジネス創出フェア in Hokkaido(サッポロファクトリー)
6.テクニカルショウ・ヨコハマ2012(パシフィコ横浜)
デモ機展示
堆肥(畜大コンポスト等)
の無料配布
アグリビジネス創出フェア in Hokkaido
【12/9-10】
日本経済新聞
(平成23年6月22日)
「技術を導入したい」とのお声も頂いています
実用化に向けた取り組みおよび課題
1.堆肥化施設への導入:共同研究先等の企業
2.民間企業(北海道)の堆肥化施設へ導入予定
3.販売体制の整備(進行中)
4.クレジットの取りまとめ
販売に向けた取り組み
販売体制
市場性と導入の動き
日本の畜産業
販売窓口の一元化
民間企業
・道内
・小規模
施設
発
注
・システムの販売
・システム設定
・堆肥化コンサル業務
工事業者
・電気工事等
依頼
お
客
様
・道外
発 ・大規模
注 施設
民間
企業
・電気工事
・施設工事等
日本の畜産農家(乳・肉用牛):96,300戸
内50頭以上:16,500戸
北海道畜産農家(乳・肉用牛):10,710戸
内50頭以上: 5,800戸
【1割導入でも十分な市場】
市場ポテンシャル
堆肥機械
メーカー
国内外:撹拌機
納入実績
1,000台以上
(送風機付)
民間企業
【導入しやすい】
or
システム導入への動き
カーボンオフセット・
プロバイダー
・温室効果ガスの排出量取引
大型撹拌装置
・道内企業への導入
問い合わせ
・海外への導入も視野に(CDM) 多数
技術移転:想定される用途(農業分野)
1. 畜舎等の施設環境制御
・省エネ化
・ICT化(インテリジェンス化)
2. 汚泥・排水処理施設(曝気槽)
3. 施設園芸・植物工場
4. スマートグリットへの適用
(電力の平準化補助技術) など
インバータ制御装置
新たなスキーム(企業等の共同研究等)による
研究・製品開発をめざす
今後の狙い(ICT・省エネ化のインテリジェント酪農施設)
Key Technologyインバータ
(帯畜大)
省エネ化・GHGs抑制型の堆肥化技術
制御盤
風量制御
装置
・送風機の省エネ運転技術
・温室効果ガス(GHGs)排出抑制技術
システム制御
情報収集
送風機の
運転情報管理
発酵槽
外気
センサ
送
風
機
省エネ・温室効果ガス抑制型堆肥化システム
省エネ化・自然エネルギ
利用型牛舎
・畜舎環境制御
・畜舎の省エネ化・自然エネルギ利用
・スマートグリットの対応型畜舎
省エネ・環境負荷の見える化
【インテリジェント堆肥化施設】
ICT技術による堆肥化情報のプラットホーム化
制御装置
(情報の集中管理・診断システム)
発酵の見える化
最適運転管理の診断
管理者へ通信
情報収集
発酵管理型の堆肥化技術
・発酵状況のモニタリング
・最適運転管理の診断
Key Technology
(帯畜大)
農機学会関東支部「ベスト・
ペーパー奨励賞」受賞技術
(宮竹史仁)
初期発酵診断システム
牛舎
悪臭の見える化
悪臭回収装置の運転情報管理
システム制御
情報収集
パーラーと搾乳ロボット
悪臭管理型の堆肥化技術
・悪臭モニタリング
・悪臭回収装置の運転管理
Key Technology
(民間企業、帯畜大)
悪臭回収資源化システム
バルククーラーとヒートポンプユニット
産学連携(平成23年度:帯畜大宮竹研)
1.地域の特性に即した堆肥化プラントの開発・プランニングをしています
(株式会社B社との共同研究)
発酵槽
悪臭回収装置
(株)B社堆肥化施設
2.高濃度の肥料成分を含み、肥料成分が安定した堆肥を開発しています
一般的な堆肥
開発中の堆肥
(株式会社Y社との共同研究)
小松菜の栽培試験
(栽培環境・窒素施肥量は同じ)
3.堆肥化の省エネ化と温室効果ガス排出量の削減技術を開発しています
(N株式会社との共同研究)
制御盤
インバータ
風量決定
装置
発酵槽
センサ
外気
送
風
機
開発した省エネ化・GHGs排出抑制
の堆肥化システム
4.農畜産業の温室効果ガス排出量取引の導入要件を検討しています
(株式会社L社との共同研究)
本技術に関する知的財産権
• 発明の名称
: 堆肥製造方法および装置
• 出願番号
: 特願2011-97769
• 出願人
: 国立大学法人帯広畜産大学
• 発明者
: 宮竹史仁
お問い合わせ先
帯広畜産大学 地域連携推進センター
産学官連携コーディネーター
TEL
0155-49-5828
FAX
0155-49-5775
e-mail tanji@obihiro.ac.jp
丹治幹男
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