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全光ネットワークに向けた 光クロスコネクト技術
PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 全光ネットワークに向けた 光クロスコネクト技術 2003年2月19日 三菱電機株式会社 情報技術総合研究所 妹尾 尚一郎 1.背景、動向 2.光スイッチプレーン技術 3.光パスの高信頼性技術 4.光パスのプロテクション技術 5.実ネットワークへの適用 6.まとめ PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. 1 1.背景、動向 1.1 社会的ニーズ (1) e-Japan計画によれば、5年以内に3000万世帯が高速インターネット(約30Mbps)を 利用し、1000万世帯が超高速インターネット(約100Mbps)を利用。 (2) 上記環境が実現すると、バックボーンネットワークの通信容量は現在の2000∼ 20000倍(6Tbps∼60Tbps)が必要。 ブロードバンドア クセス 加入世帯の予測 3000 万世帯 2500 FWA FTTH CATV DSL 2000 1500 1000 500 0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 年 郵政事業庁、「21世紀における情報通信ネットワーク整備に関する懇談会」第2次中間報告に基づく PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 61 - 2 2003-2-19 PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 1.背景、動向 1.2 キャリアニーズ (1) (2) (3) (4) 通信トラヒックの増大に応じたノードの大容量化 伝送路コスト(トランスポンダ等)の低減 ネットワーク管理コストの削減、帯域利用の効率化 エンドユーザへのサービス向上 ・オンデマンドで高速なパス設定、帯域予約 ・ QoSの確保 レイヤ構造を再構築し、キャリアニーズを満たす“簡素”かつ“柔軟”なネットワークを実現 従来型ネットワークレイヤ構造 電話サービス データサービス 電話/ISDN ネットワーク ATM SDHネットワーク 光ネットワーク 今後のネットワークレイヤ構造 キャリアの収入構造の変化 音声 サービス データサービス 電話 NW トラヒックのIPへの集約 QoS / on demand 帯域確保 波長パスによる 大容量ネットワーク構築 IPベースL2/L3 ネットワーク WDMネットワーク 光クロスコネクト(OXC) 新たな全光ネットワークの構築 3 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. 1.背景、動向 1.3 GMPLSによる自律分散制御 メリット GMPLS機能 GMPLSルーティング:リソース利用状況に応じた経路選択 GMPLSシグナリング:動的な光パス設定 (プロテクション、相互接続性に対応) プロビジョニングの高速化 管理負荷の軽減 新サービスの提供 相互接続性確保 NE-OpS 管理プレーン DCN GMPLSルーティング 制御プレーン ユーザ機器 ←UNI→ GMPLSシグナリング OXC ←NNI→ 光パス データプレーン STM-64/OC-192, GbE, 10GbE DCN: Data Communication Network PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 62 - 4 2003-2-19 PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 1.背景、動向 動的な波長運用 光パケット交換 光バースト交換 ネットワーク マルチレイヤ*1交換 光ネットワーク OXC 固定的な波長運用 波長制御性の導入 1.4 フォトニックネットワーク技術の展開 OXCネットワーク WDMリングネットワーク OADM ポイントツーポイントWDM WDM 2001 OADM: Optical Add/Drop Multiplexer 2005 2010∼ *1マルチリージョンとも呼ばれる 5 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. 1.背景、動向 1.5 OXCロードマップ 現在 (IV) Hybrid型OXC 電気SW/光SWファブリック を併用 大容量化・低コスト化 (III) O/O/O型OXC 光SW適用、End-to-Endのコネク ションをAll-Opticalで実現 (II) O/O/O型OXC(+トラポン) SW fabricに光SW適用、伝送 装置間はSR トラポンで接続 (I) O/E/O型OXC 光SW適用による大容量化(ビットレートフリー) 小型化・低消費電力化 トラポン削減による低コスト化 大容量電気SWによるバルク 切り替え(現状のOXC) LT-MUX/ OADM(固定) OXC OADM(可変) 1995∼1997 光スイッチ/ 光ルータ? 1998∼2000 2000∼2005 2005∼2010 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 63 - 6 2003-2-19 PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 2.光スイッチプレーン技術 光スイッチプレーン:光パスを切替えるスイッチファブリック 技術要素 (A) 光スイッチ 光路の構成、材質、駆動機構、...→ 速度、サイズ、挿入損失、信頼性、... (B) スイッチプレーン構成 高密度実装、高信頼性、試験機能・保守性、制御の容易さ、高速な応答、... (C) OXCにおける波長変換 構成、制御方式(波長パスの選択/設定)、応答性、... GMPLS標準化への反映 -個別のスイッチプレーン特性のGMPLS属性への反映 -障害への対応や制約条件の反映 -波長パスの制御:全光ネットワークとして議論 -プロテクション機能(後述) PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. 7 2.光スイッチプレーン技術 2.2 光スイッチプレーン 光スイッチプレーンの構成例 (1)高密度実装 PD: Photo Diode MPO PDアレイ MPO (3)試験機能 ッチ(A) 光スイ ッチ(B) (2)冗長構成に よる高信頼性 PDアレイ PDアレイ 光入力ポート 光スイ PDアレイ 光入力 MPO 光出力 (4)高速な応答 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 64 - 8 2003-2-19 PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 2.光スイッチプレーン技術 2.2 光スイッチプレーン スケーラブルな光スイッチプレーン ・小規模光スイッチの組合せ ・部分的増設が可能 ・多様な光スイッチ技術に対応 16x32 課題 ・接続箇所が増え挿入損失が増大 ・基板サイズの増大、基板間の接続 ・保守運用性: 障害時の切り分け、保守。 32x32 16x32 32x32 16x32 32x32 32x16 32x16 32x16 Closスイッチの適用 (32x32スイッチ→512x512スイッチプレーン) 9 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. 3.光パスの高信頼性技術 3.1 光パスのモニタ (1) 現状の光ネットワーク ○ ノード毎のO/E/O処理によるリソース正常性監視 ・監視:監視バイト/テストパターンの挿入 ・管理装置によるパス設定・管理 ネットワーク管理装置(NMS) パリティバイト/トレース信号挿入 電気 クロスコネクト パス性能監視/誤接続検知 ノード毎のO/E/O変換による セクション毎の正常性確認 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 65 - 10 2003-2-19 PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 3.光パスの高信頼性技術 3.1 光パスのモニタ (2) 全光ネットワークにおけるリソース正常性確認 トランスペアレントネットワークにおける自律分散的な正常性監視 ・クライアント信号に非依存な監視 : LoL(光断)検出、光性能監視 ・シグナリングベースでのパス設定: GMPLS シグナリングでネットワーク内 で自律的にパス設定 OXC制御 GbE OXC SDH OTN モニタ MEMSなど自己監視の困難な 光コンポーネントの使用 クライアント信号に非依存な 制限された監視機能 OXCにより構成されるネットワークでの リソース正常性モニタ方式の検討が必要 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. 11 3.光パスの高信頼性技術 3.2 正常性確認手順 LMPによる障害切り分け手順 LMPによる障害切り分け手順 ・LMPメッセージをやり取りしノード間で障害箇所を特定 ・各OXCは光パス上流からの信号と下流への信号の状態をチェック ①ChannelStatus MPLS trace ③ChannelStatus ②ChannelStatusAck ④ChannelStatusAck ・GMPLSのパスについてping, tracerouteに準じた機能を実現 ・IETFにて要件文書を作成 光パス設定時の導通試験 ・全光ネットワークにおいて光パスの設定時に導通性を確認 ・55th IETFに要件、フレームワークを提案(当社) PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 66 - 12 2003-2-19 PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 3.光パスの高信頼性技術 3.2 正常性確認手順 光パス設定時の導通試験 ・パスに割当てられたリソースの正常性を確認 Path / Resvメッセージの往復にて クライアントに光パスを提供 制御プレーン OXC コントローラ Continuity Check message 追加手順 クライアント Continuity Check Signal Ingress OXC Egress OXC Optical Network / データプレーン 13 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. 4.光パスのプロテクション技術 4.1 プロテクション方式の分類 プロテクションの対象と現用/予備リソース利用方法により分類: Protection Architecture 1+1 1:1 m:n パスプロテクション (パス全体を対象) プロテクション リンク セグメントプロテクション (パスとスパンの中間単位) 1+1 1:1 m:n スパンプロテクション (パスを構成する個々のリンクを対象) 1+1 1:1 m:n セグメント パス パス PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 67 - 14 2003-2-19 PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 4.光パスのプロテクション技術 4.1 プロテクション方式の分類 プロテクション方式を反映したパスのサービスクラス 特徴 概要 クラス ユーザ トラヒック 1+1 head 切替速度 信頼性 帯域効率 tail 現用パス ブリッジ セレクト 高速 高 低 低 高 1ms以下 予備パス ユーザ トラヒック head 1:1 M:N tail 現用パス 50ms以下 予備パス 1:1の場合 Unprotected エクストラ トラヒック エクストラトラヒック プロテクションによる保護が無いパス 経路にプロテクションパスの予備パス を含むため、それへの切替が起きた場 合に導通が保証されないパス 低速 15 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. 4.光パスのプロテクション技術 4.1 プロテクション方式の分類 Shared Mesh Protection メッシュ網において1:1 1:1パスプロテクション パスプロテクションの予備パスを複数の現用パス間で共用 ・予備パス帯域を効率的に利用 ・単一障害が全現用パスに及ばないようパスが共有するリスクを考慮し選択 現用パス1 予備パス1 予備パス2 現用パス2 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 68 - 16 2003-2-19 PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 4.光パスのプロテクション技術 4.2 プロテクションパスの経路選択 プロテクションパスの選択 現用パス リンクディスジョイントな予備パス ノードディスジョイントな予備パス 現用パスから独立性の高い予備パスの経路を選択 (単一障害時に予備パスと現用パスが同時に使用不能にならない) →リンクディスジョイント ノードディスジョイント SRLG(Shared Risk Link Group)ディスジョイント 17 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. 4.光パスのプロテクション技術 4.2 プロテクションパスの経路選択 (1) Shared Mesh Protectionを考慮した経路選択 ・予備パスとして共用可能な帯域の学習:ルーティングプロトコルで広告 ・共用率を向上させるように予備パスを選択:シグナリングプロトコルへ必要な情 報を追加 ①現用パス設定時、その現用パスと重なる他の現用パスの障害時に各リンクで必要となる予備パ スの最大使用帯域を学習。 ②予備パスの帯域と①で学習した帯域の和が各リンク上の予備パス用帯域を下回るように予備パ スの経路を選択。 ③②で選択した経路に沿って予備パスを設定すると共に、現用パス上のシグナリングによって各リ ンクで必要となる予備パスの最大使用帯域を更新。 課題:SRLGの考慮、現用パスと予備パスの同時選択 (2) SRLGを考慮した経路選択 ・SRLG情報の入手:手動またはルーティングプロトコルによる広告 課題:SRLG情報の機密保持 ・経路選択への反映 課題:負荷、妥当性 (3) エクストラトラヒックを考慮した経路選択 ・エクストラトラヒック用に予備パス帯域/その中の未使用帯域を広告。 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 69 - 18 2003-2-19 PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 4.光パスのプロテクション技術 4.3 プロテクションパスの設定 RSVP-TEによる1+1プロテクションパスの設定 ユーザ トラヒック head tail 現用パス ブリッジ セレクト ・GMPLSシグナリングにプロ テクション情報を追加。 ・IETFにおける標準化は未。 予備パス OXC-1 OXC-2 OXC-3 Path Resv ResvCnf Path Path Resv Resv Primary path ResvCnf Secondary path ResvCnf PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. 19 4.光パスのプロテクション技術 4.4 プロテクション動作 パスプロテクションにおける障害検出と予備パスへの切替 ・1+1プロテクションで片方向毎の切替以外はシグナリングが必要。 ・GMPLSシグナリングへプロテクション制御メッセージを追加。パス端ノード の片方がパスのマスターとなって切替を指示。 ・エクストラトラヒック収容時、更にエクストラトラヒック収容端の切替やトラ ヒックの不適当な流入を防止する手順が必要。 ・IETFにおける標準化は未。 予備パス パスのマス ター 現用パス 障害検出 障害 通知 障害検出 切替指示 光SW切替 光SW切替 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 70 - 20 2003-2-19 PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 4.光パスのプロテクション技術 4.4 プロテクション動作 H/WとS/Wの効率的な組合せにより高速、柔軟性ある動作を実現可能 SW制御 パス設定 テーブル設定 プロテクション 情報抽出 設定 H/W切り替え=1+1 S/W切り替え=1:1、N:M 障害検出 コネクション識別 切替処理 切替判定 S/W切替 H/W切替 障害通知 対向 エンド ノード 切替通知 SW制御 H/W処理 S/W処理 光パスプロテクションの実現例 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. 21 5.実ネットワークへの適用 5.1 シグナリング (1) GMPLSシグナリングプロトコル ・IETFでの標準化:Last Call終了、ISEG承認待ち。 ・GMPLS相互接続デモ(RSVP-TE): MPLS Forum, 欧州のLION ・OIF相互接続デモ(RSVP-TE): UNI 1.0, NNI (2) トラヒックモデル、性能 ・光パスは太束なので問題ないか? 5.2 プロテクション (1) プロテクション時間 ・1+1では2ms、1:1でも10ms程度の報告 → SONET/SDH規定50msを充足可能 ・ただし光レベルでの無瞬断切替は困難 → 電気レイヤとの連携 ユーザ head トラヒック 現用パス 予備パス tail 切替タイミングの同期 電気レイヤで一時蓄積 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 71 - 22 2003-2-19 PIL ワークショップ2003 B4. 全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術 妹尾 尚一郎 6.まとめ ・全光ネットワークに向けた光クロスコネクト技術の動向 光スイッチプレーン技術 光パスの高信頼化技術 光パスのプロテクション技術 実ネットワークへの適用 ・今後のテーマ 光パスのTransparent Domainの拡大 波長パスの制御(デバイス、ルーティング、シグナリング) 相互接続性の検証 PILワークショップ 2003-02-19 © 2003 by Mitsubishi Electric Corp. All rights reserved. - 72 - 23 2003-2-19