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「ITUテレコムワールド2015」開催報告
グローバルスタンダード最前線 「ITUテレコムワールド2015」開催報告 い わ た ひでゆき 岩田 秀行 NTT研究企画部門 ITU(International Telecommuni 際展示場)で開催されました.新興国 団体が参加しました(写真 1 ) .各団 cation Union) 主 催 に よ るITUテ レ の中小企業(SME: Small and Medium 体からは環境ソリューション,データ コムワールド2015が2015年10月12〜 Enterprises)の支援をテーマとし, 指向ネットワーク技術,ダジックアー 15日までの間,ハンガリーの首都ブ 本会合で展示や優良SMEに対しての スおよびマルチレイヤ画像表示システ タペストのHUNGEXPO(国際展示 表彰が行われました.参加者は129カ ム,可搬型データセンタ,鉛電池の延 場)で開催されました.129カ国か 国から約4000名が参加し,239名の行 命と再生などの展示が行われました. ら約4000名が参加し,日本からは総 政および産業界のVIP,62カ国から また,開催国のハンガリーパビリオン 務省主導による日本パビリオンでの 247名の講演者,54カ国から238の展 で はDTグ ル ー プ のMagyar Telekom 展示, および日本セッションでは「安 示,21カ国から142名の報道関係者, の展示,中国パビリオンでは,チャイ 心 ・ 安 全 な 社 会 構 築:IoTが 導 く 未 23カ国のパビリオン,49のスポンサー ナモバイル,チャイナテレコム,チャ 来」をテーマに講演を行いました. 企業が参加しました.日本からは総務 イナユニコムなどの展示(写真 2 ) , ここでは,展示会および講演の概要 省阪本総務審議官ほか,約30名が参加 韓国KTは単独での展示を行いました を紹介します. しました.ITUから報告された参加企 ( 写 真3) . 欧 米 か ら はMagyar ITUテレコムワールド 2015 業の内訳によると,規制機関を含む行 政機関からの参加者の27%に対して オペレータが 8 %,ソフトウェア ・ ア ITUテレコムワールドは,情報通信 プリ開発企業10%に対して通信設備 分野における最新の技術やサービス, 関連企業が 5 %と時代の変化を感じま ICT政策の動向等をITU(Internation す.また,地域別参加者では開催圏の al Telecommunication Union)各加盟 欧州&CIS(Commonwealth of Inde 国への周知 ・ 普及を目的とした会議 pendent States)地域が60%でアジア および展示会で,世界各国の情報通 太平洋からの参加者は23%,アフリカ 信産業界の行政や,産業界関係者の 地域からは 8 %,中東地域からは 6 % 一同が集結する会合です.2011年ま でした. で 4 年に 1 回の開催でしたが,それ以 降は,ジュネーブで開催されていたテ Telekom以外にはありませんでした. 写真 1 日本パビリオン 展示会,講演の概要 レコムワールドとテレコムアジアなど の地域テレコムを統合して毎年開催さ れています.2012年はUAEのドバイ, ■オープニングセレモニー ITUのザオ事務局長の開会の挨拶, 2013年はタイのバンコク,2014年カ バン国連事務総長ビデオメッセージ, タールのドーハで開催されており,今 ドイツテレコム副社長挨拶,ハンガ 回は 3 年ぶりの欧州圏での開催となり リー国首相からの歓迎の挨拶が行われ ました. ました. 今回のITUテレコムワールドは2015 ■展 示 会 年10月12〜15日の 4 日間,ハンガリー 日本パビリオンの展示には 4 社(富 の首都ブタペストのHUNGEXPO(国 士通,NICT,IIJ,日本再生電池)の 写真 2 中国パビリオン NTT技術ジャーナル 2016.2 89 グローバルスタンダード最前線 23カ国の各国パビリオンの展示では, ルワンダ,ウガンダ,ガボン,ケニア, ■講演(ジャパンセッション) れました. 12日の午後に「Society Construc 今後の展開 ジンバブエ,タンザニア,セネガルな tion with a Sense of Security-Making どのアフリカ諸国の出展が目立ち,主 full use of “IoT” for Future」のテー に各国政府のICT政策が紹介されてい マで総務省主催のジャパンセッション 今回のITUテレコムワールドでは ました.そのほか, 開催国ハンガリー, が開催されました.総務省坂本総務 SMEなどの参加など新しい取り組み 中東からサウジアラビア,南米からア 審議官により挨拶と各社紹介の後, が行われました.展示会では多くのア ルゼンチン,CISからアゼルバイジャ 日 本 企 業 の 講 演 が 行 わ れ ま し た. フリカからの参加があり新興国のITU ン,アジアから日本を含めタイ,韓国 NTTからは未来ねっと研究所の川村 への期待がうかがえます.来年の開催 がパビリオンの展示を行いました.一 龍太郎所長が「IoT2.0」と題してさま 地はタイのバンコクの予定です. 般企業では,Huawei,ZTE,Intelが ざまな分野,領域ですべてのモノが 単独展示を行いました.またSmart ネットワークを介してつながることで CityやSMEのコンセプト別のパビリ 変革が始まっているIoT(Internet of オンが設けられていました(写真 4 ) . Things)において,その次のステー ジ(IoT2.0)を実現するためにキーと なるテクノロジとその意味について公 演を行いました. その他FAO等農業関連,WHO等医 療関連,ICT技術者の人材育成等,数 多くのセッションが開催されました. ■SME関連 今回の目玉として,SMEへの支援 (企業化支援) のためのプラットフォー 写真 3 韓国企業パビリオン ム構築として展示コーナ,SMEプレ ゼンテーション,産業界との対話セッ ション,また,SMEの表彰が行われ ました.日本からは鉛電池の再生事業 を行っている日本再生電池が表彰され ました.表彰された企業から優良企業 として韓国の点字関連および虹彩認識 の企業の 2 社,ケニアの農業支援と子 どもの医療支援の企業 2 社,サウジア ラビアの医療関連の企業 1 社が表彰さ れました.また,開催国ハンガリーの 写真 4 Smart Cityパビリオン 90 NTT技術ジャーナル 2016.2 優良企業 3 社および最優良企業として 3D音響システムの韓国企業が表彰さ