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7 冬期間のスノーモービルの走行等による生態系への影響
7 冬期間のスノーモービルの走行等による生態系への影響 ○現状認識 ・霧ヶ峰では、昭和40年代にスノーモービルの乗り入れがありましたが、現在はあまり見られない状況 です。 ・美ヶ原高原一帯にかけての草原で、スノーモービルの走行が最近頻繁に行われています。 ・美ヶ原では、スノーモービルは禁止されていない為他地域の規制が厳しくなればなるほど美ヶ原に来 る方が増える状況で、スノーモービル使用指針を平成9年に作成し、それに基づいて走行しているが、 誰も管理する者がいない状況です。 ・最近、美ヶ原に関する出版物を見ると美ヶ原はスノーモービルの開放地区という印象を与えているも のが相当あります。 ・八島湿原へのスノーシューやクロスカントリースキーによる横断行為が多発しています。 ・霧ヶ峰では、昨年3月雪解けが早く、湿原が茶色く見えているにも関わらず、ミズゴケの上をスキー で歩く方が大勢います。 ・自然公園法が改正され、特別地域において必要があれば、期間を限定して立ち入り制限を設けられる ような規定ができていますが、霧ヶ峰の自然が該当するのかどうかは、いろいろなデータを踏まえて、 今後の検討課題になります。 ・夏期に湿原に立ち入ることによる踏み荒らしは、明らかに文化財保護法上の現状変更にあたります。 また、積雪期についても立ち入ることによる霧ヶ峰湿原植物群落への損傷といった影響が確認出来れ ば、現状変更といえます。 ○発生時期 ・スノーモービルは、霧ヶ峰で昭和40年代には乗り入れがありましたが、見られなくなっています。 美ヶ原における現在のような利用は、平成7年頃からです。 ・クロスカントリースキーは、その歴史自体は古いのですが、現在のような冬期の草原散策といった利 用は平成元年頃からです。 ・スノーシューは、平成6年頃から美ヶ原に導入され、平成9年頃からは増加しはじめ、現在では、ク ロスカントリースキーを上回るほど利用者がいます。 ○対応状況 ・美ヶ原台上におけるスノーモービルの使用指針(美ヶ原台上利用適正化検討会) 平成10年度に、騒音や踏圧について科学的な調査を実施して、スノーモービルのコース設定の基準及 び使用に関しての環境配慮のルール等を定めました。 ○検討方向 ・美ヶ原と霧ヶ峰はだいぶ事情が違うので、具体的対策検討の際には分けて考えた方がいいのではないかと いう意見がありました。 ・スノーモービルに乗る人も乗っては困る人も乗って欲しくない人を集め、科学的な根拠で専門家も含めて どのようなスノーモービルの使用形態がふさわしいのか議論する別な会議を設けてはどうかという提案が ありました。 ・過去に調査に基づいて、美ヶ原台上におけるスノーモービルの使用指針を設けたが、当時と状況が変化し ているため、再度その実態についての科学的な調査を行って、来シーズンまでに利用指針を改正する等、 ある程度の方向付けをしてはどうかはどうかという提案がありました。 ・森林管理署としては、幅広い関係者で議論され合意形成された時点でスノーモービルの乗り入れについて 判断したいという意見がありました。 ・利用指針や湿地の存在など、利用者への告知方法を考えていってはどうかという提案がありました。 ・現在、県が検討を進めている地球温暖化防止に向けての指針と照合させていってはどうかという意見があ りました。 ・音環境というものも非常に大切な要素のひとつではないかという意見がありました。 ○ビーナスラインにかかる住民意識調査から 「冬期間のスノーモービルの走行やスキー等による生態系への影響をどう考えま すか」という設問では、「冬期間は全面的に利用禁止の区域を設ける」という回答 が38.2%、「スノーモービルの使用禁止区域を設ける」という回答が37.3%です。 「利用あるいは禁止区域の明確化」や「影響調査の必要性」といった意見が多く、 スノーモービル利用者からも適正なルール作りを求める意見がありました。 参考:ビーナスラインにかかる住民意識調査 「冬期間のスノーモービル走行やスキー等 による生態系への影響をどう考えますか」 5 その他 7.4% 無回答 2.2% スノーモービルの走行 5 わからない 1.6% 3 スノーモービル走行や スキー等による影響は しかたない 9.0% 1 冬期間は全面的に利 用禁止の区域を設ける 38.2% 2 スノーモービルの使用 禁止区域を設ける 37.3%