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第9号 - 板橋区教育ネットワーク
平成28年6月23日 第9号 日 校長 荒 井 秀 樹 苦しみに気づいてあげて~松谷みよ子さんの話からいじめを考える 東京都教育委員会では、6月を「ふれあい月間」と定め、いじめ、丌登校、暴力行為等の問題行動の未然防止 やその対応にかかる取組の充実を図るための重点月間としています。本校でもいじめ防止にかかわる様々な取組 を行いました。その一つとして、保護者の皆様とともにいじめについて考えるために、6月の土曜授業プランで は、全学年でいじめについて考える道徳の授業を公開しました。 1年生では、松谷みよ子さんの「わたしのいもうと」という話をもとにいじめについて考えました。松谷さん がこの絵本を出すきっかけとなった話が、 「いじめられている君へ、いじめている君へ」という本の中に書かれて います。この本は、いろんな分野で活躍している人たちのいじめに関する経験や考えを集めた本です。 松谷さんは、いじめについて皆さんに考えてほしくて、イソップ童話に出てくる子どもにいじめられる池のカ エルの寓話をもとに、 「かえるのおねがい」という詩を書きました。次のような内容の詩です。 カエル達が住む池に、子ども達は石を投げ始めます。その池では、これまでにも子ども達の投げた石により、 ひどいケガを負わされたカエルが大勢いたのです。とうとう我慢できなくなった一番年寄りのカエルが池から頭 を出して子ども達に訴えます。 「石を投げるのは、どうかお願いだからやめて下さい。 」 すると子ども達は、 「僕達は、石を投げて遊んでいるだけで何も悪いことをしてないよ。 」と答えました。 年寄りのカエルは子ども達に言いました。 「それはそうでしょう。でも君達が遊び半分で石を投げるのは、私た ちにとっては命にかかわる問題なのです。 」子ども達は、言い返す言葉もなく、池を去って行きました。 松谷さんは、 「決して悪気のない何気ない言葉や態度でも、人の心を深く傷つけてしまう ことがある。 」と読者に伝えているのです。もしそれが、悪意をもって発せられる言葉や態 度であれば、その傷の深さは、何十倍にもなり、大きな心の痛手となるでしょう。 松谷さんは、この詩を読んだという若い女性から手紙をもらいます。その手紙には同級 生からいじめられ、深い心の傷を負った妹さんのことが書かれていたそうです。手紙には、 「妹をいじめた人たちは、もう妹のことを忘れてしまったでしょうね。 」 と書かれていたそうです。 手紙を読んだ松谷さんは、こみ上げてくる涙を止めることができなかったのです。なぜなら、松谷さん自身も、 周囲の人から、自分の生き方を否定された経験があったからです。松谷さんの心の痛みはずっと消えなかったそ うです。でも、手紙にあるように、非難した人たちは松谷さんの心の痛みに気づこうとはしなかったのです。 ずいぶん時を経て、松谷さんはその時の人達に悩み続けた心を打ち明けました。彼らの「つらい思いをさせた なあ。 」という言葉を聞いた時に、 「やっと心が少し救われました。 」と松谷さんは語っています。 この手紙をきっかけに、いじめている子へのメッセージとして「わたしのいもうと」という絵本を書きます。 転校した小学校でいじめられ、学校へ行けなくなり、ツルを折り続ける女の子の話です。いじめた同級生は中 学生、高校生になり、いじめた少女のことなどすっかり忘れ、毎日の生活を楽しんでいるのです。しかし妹は、 部屋に閉じこもり、生きる気力も失ったように過ごす日々。そんな生活の中で妹はやがて病にかかり、人知れず 天国へ旅立ちます。 「私も本当は遊びたかったのに、勉強したかったのに」と書き残して。 人はよく自分のことをわかってくれないと言います。でもそれ以上に、人のことを理解しようとしていないこ とが多いような気がします。人の気持ちを考えようとしないのに、自分の気持ちだけを相手にぶつけたり、押し 付けようとしたりしていませんか?わかってくれないのなら、それを当然だと思ってはいませんか? 子どもだけであれ、大人であれ、生徒であれ、先生であれ、親であれ、家族であれ、自分の思いのはけ口を、 誰かにぶつけてはいけないのです。自分のことをわかってもらうために、相手のことをわかってあげられる人に なることが大切です。人を思う優しさの根を心の中で育てていきましょう。 (この話は、放送朝礼で話しました) 今年度最初の学校運営連絡協議会を開催 地域と方々とともに 板橋区では、学校運営に関して、地域、保護者な どから幅広く意見をうかがい、地域との連携をより強化し て特色ある学校づくりを推進するために学校運営連絡協議 会を設置しています。 本校では、 年3回実施する予定です。 その第1回目を7日(火)に行いました。今年度の学校経 営方針、学校の様子をお伝えし、また、委員の方々から学 力や生活面についてなどのご意見をいただきました。 元 PTA 会長 元 PTA 会長・主任児童委員 同窓会会長 志村第五小学校長 前 PTA 会長 天 竹 柴 田 及 間 内 田 口 川 勝治 千代子 源司 洋子 利幸 様 様 様 様 様 現 PTA 会長 高貫恵子 様 第3回土曜授業プラン(学校公開)多数のご来校ありがとうございました 6月 11 日(土)に、第3回土曜授業プランを実施しました。 小学生 多くの方々に参観していただき、感謝申し上げます。 1年 2年 3年 一般 保護者 今回は、2 時間目にいじめに関する道徳の授業を全学級で実 53 名 22 名 28 名 14 名 117 名 施しました。また 3 時間目には教室で行われた生徒総会の様子 をご覧いただきました。そして授業終了後は、万が一の震災に備え、災害時の引き渡し訓練を行いました。多く の保護者の皆様にご参加いただき、改めて感謝申し上げます。 <アンケートにお寄せいただいたご意見、ご感想を紹介します> ☆先生からの一方的な講義ではなく、どうすれば生徒に学習に対する興味を持たせる事ができるのかといった事が 考えられた授業内容になっているように感じられます。教育関係の方々の努力が伝わってきました。 ☆英語の授業を見ました。静かにまじめに受けているようで安心しました。 ☆道徳の授業を拝見しました。確かにいじめをするのも、されるのも子どもですが親のあり方を考えさせられまし た。子どもがもう少し人権について考えてくれるといいと思いました。 ☆3 時限目の生徒総会より拝見させて頂きました。 「生徒総会を教室で!?」と思いましたが、生徒達は私語もなく スピーカーからの声を聞き、落ち着いた状態に。日頃の授業の様子もこの状態であると思うと安心致しました。 ☆1 年生の教室を中心に拝見致しました。だいぶ中学校生活に慣れてきた様子で、その慣れが授業にも出ていて、 ややたるんでいるような印象を受けました。 ☆英語の授業でしたが、自分達が学習していた頃より、効率的に感じました。 ☆いじめの授業、良い題材だと思いました。この授業を通して人を思いやる心をもっていて欲しいと思います。 ☆いじめについて班ごとに話し合い意見を出し合い発表し、子どもたちの考えを知ることができました。 ☆「悪口・文句」についての資料を頂き、拝見して読みました。子どもと、思いを話し合っていこうと思います。 ☆改装中ですが、良く管理されて工事が進められていました。生徒が皆さん落ち着いて勉強していると感じます。 ☆どこへ行ってもあいさつをしっかりおこなって下さり大変気持ちの良い学校に感動しました。 ☆ゆったりと明るい雰囲気であいさつをしてくれる子どもたちも多くいて、すてきな学校だなとおもいました。 ☆授業中の態度の悪い子どもがいて教師ももう少し厳しく指導しても良いのでは無いでしょうか。 ☆スクールバッグの紐が細く通学時肩に食い込み皮膚が赤くなってしまいます。改良検討は難しいのでしょうか? 1 道徳 いじめについて考える授業 ご家庭でも話をしてみませんか 2 時間目は、全学級で、いじめについて考える授業 を実施しました。各学校では年間 3 回 以上、いじめについての授業を実施することになっています。本校では、6 月の東京都教育委 員会が行う「ふれあい月間」に合わせ、保護者の皆様にも授業を公開し、家族でいじめについ て考える機会になればと考え、土曜授業で実施しました。 1 年生は巻頭でも紹介したとおり「わたしのいもうと」という話を読みました。2 年生はいじめられている 友達を助けたためにいじめられるようになった少年の苦しみを描いた「ひとりぼっち」 、3 年生では、悪口や 文句はいつかブーメランのように自分自身に返ってくるといういくつかの事例をもとにいじめについて考えま した。ご家庭で、ぜひ感想などを出し合い、いじめについて考える時間をとっていただければと思います。 2 生徒総会 一人一人が学校の構成員 力を合わせて理想の学校づくり 3 時間目に生徒総会を実施しました。今年は、校舎改修工事のために、放送を通じて の実施となりました。 「こんな学校にしていきたい」という理想を実現するために生徒会 本部をはじめ各委員会から前期の活動方針が示されました。 学校は小さな社会です。そして一人一人の生徒が学校の構成員です。誰もが、より生 活しやすい学校を創り上げていくために、皆で知恵を出し合い、意見を述べ合う場が 生徒総会です。一人一人がしっかり受け止め、西台中の生徒としてどのような行動を起こすべきかを考える機 会になったことを期待しています。生徒会そして各委員会の皆さんを支えながら、皆で力を合わせ、よりよい 学校を築きましょう。 3 災害時引き渡し訓練 万が一の事態に備えて 土曜授業プラン終了後、万が一の震災に備えて引き渡し訓練を行いました。板橋区で は、震度 5 弱以上の地震が発生した場合は、東日本大震災の時の教訓を生かし、生徒の 安全を確保し、保護者への確実な引き渡しを行うために、保護者の皆様の迎えが来るま では、生徒たちは学校に待機していることになります。 4 月に入り、熊本では大きな地震が続いています。関東地方においても、いつ大きな 地震があってもおかしくない状況が続いています。各ご家庭でも、災害時の準備を進め るとともに災害時の家族の動きについて、確認する機会となれば幸いです。