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第8章 浮体の安定計算
第8章 第8章 浮体の安定計算 浮体の安定計算 1. 1 辺の長さ a の正三角形断面を持つ木の柱 (比重 0.800 ) を水に浮かべたところ、図のように、 下向きに静止した木柱と上向きに静止した木の柱があった。安定性を調べ、どちらの状態が より安定であるか検討しなさい。 y h G C d h G d C z 解答 前回の結果を用いると以下のようになる。 下向きの木柱(図中左側)(今回は左側のみ解答します。右は各自でトライして下さい。) 水中体積 GC の距離 断面2次モーメント 傾心高の公式より d2 L V = √ 3 GC = 0.298h − 0.228h = 0.0701h ! " 2d 3 L √ 3 Iy = (水面位置で, 柱の長軸を回転軸) 12 8d3 L √ Iy 12 × 3 3 MG = − GC = − 0.0701h V d2 L √ 3 2 = d − 0.0701h = 0.129h > 0 ∴安定 9 2. 図のような幅 3.0m、高さ 2.0m、長さ 5.0m の物体 (比重 0.70) の上に、幅 1.50m、高さ 1.0m、 長さ 3.0m の物体 (比重 2.8) を中央に載せて、水に浮かべた。安定性を検討しなさい。 S=2.8 3.0m 1.5m 1.0m 2.0m S=0.70 5.0m 3.0m 0.800m 1.00m 解答 まず、浮体の重心 G と浮心 C の浮体底面からの高さ、それぞれ zG , zC を求める。 W上 B上 第 8 週目 解答 zG上 W zG zG下 W下 C 2.00m 2.00m G B zC上 zC B下 zC下 28 水理学 a 演習の解答 2014 年度 浮体の重心の高さ zG は浮体の底面を回転軸とするモーメントから次のような式が得られる。 W z G = W 上 zG 上 + W 下 zG 下 これより、W, W上 , W下 は前回に求めている値を用い、zG 上 , zG 下 はそれぞれの物体が直方体 で、中央にそれぞれ重心があるので図より zG = W上 zG 上 + W下 zG 下 123.48 × 2.50 + 205.8 × 1.00 = = 1.5625m W 329.28 として求められる。浮心に関しても同様に次式が成り立つ。 BzC = B上 zC 上 + B下 zC 下 ここで B上 = ρg0.8 × 1.5 × 3.0 = 35.28kN である。よって、 zC = B上 z C 上 + B下 z C 下 35.28 × 2.40 + 294.0 × 1.00 = = 1.150m B 329.28 となる。これから GC=1.5625-1.150=0.4125m である。没水部分の体積 V は V = 0.8 × 1.5 × 3.0 + V下 = 3.6 + 30.0 = 33.6m3 水面位置での断面2次モーメント Iy は Iy = 3.0 × 1.53 = 0.84375m4 12 となる。浮体の安定性はメタセンター高さ M G の正負で定まるので、公式を用いて MG = Iy 0.84375 − GC = − 0.4125 = −0.3874m V 33.6 <0 よって、この浮体は不安定である。 第 8 週目 解答 29 第8章 z d G C 3.00m 0.200m O y O π(3.00)4 3.1415926 × (3.00)4 = = 3.9761 ! 3.98m4 64 64 最期にメタセンターの高さ (傾心高さ)h は、 h= Iy 3.9761 − GC = − 0.6087 = −0.43644 ! −0.436m V 23.08246 傾心高さ h <0 <0 よりこの浮体は不安定である。 Ans. 重心位置 zG = 2.24m, ケーソン底部から上向きに きっ水深 d = 3.27m, ケーソン底部から上向きに 浮心位置 zC = 1.63m, ケーソン底部から上向きに 排水容積 V = 23.0m 3 GC の距離 GC = 0.609m 断面2次モーメント Iy = 3.98m4 傾心高 第 8 週目 解答 h = −0.436m x 0.200m である。 ケーソンは円筒形であるので、安定計算としては y 軸を回転軸 とした運動に対する計算のみを行えば、このケーソンの安定問題を検討で きる。水面位置での y 軸回りの断面2次モーメント Iy は Iy = 5.00m 3. 高さ 5.00m、直径 3.00m、底厚 0.200m、側壁厚 0.200m の円筒型鉄筋コン クリートケーソンを海に浮かべた。このケーソンの傾心高 h を計算し、安 定性を調べよ。ただし、鉄筋コンクリートと海水の密度をそれぞれ 2.40 × 103 kg/m3 、1.03 × 103 kg/m3 とする。 解答 前回の結果から zG = 2.2415m, d = 3.2655m zC = 1.6328m が得られている。 続いて、浮心 C から上向きに測った重心 G までの距離 GC は GC = zG − zC = 2.2415 − 1.6328 = 0.6087m である。また没水部の体積 V は ! "2 D V =π d = 3.1415926 × 1.502 × 3.2655 = 23.08246 ! 23.0m3 2 浮体の安定計算 < 0 ∴不安定 30