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理科教育の推進と新規講座等の紹介
第736号 平成23年 5月1日 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています 5 月号 <今月号の記事> 1:理科教育の推進と新規講座等の紹介 2:県社会教育施設、文化施設等による学習支援 (1) 第736号 平成23年5月1日発行 編集人、発行人 新潟県教育委員会 P1~4 P5~8 理科教育の推進と新規講座等の紹介 県立教育センター 日本の児童生徒は、理科の重要性の認識が 低く、自然体験も不足していることが、これ までのPISA調査や教育課程実施状況調査から 明らかになりました。このことを受け、新学 習指導要領では、「観察・実験の一層の充実」 「科学的な見方や考え方の育成」「実社会・実 生活との関連の重視」が強調されています。 県立教育センターでは、理科教育の一層の 充実に向けて、各種研修や関連事業を実施し ています。本号では、昨年度の理科教育に関 わる研修や事業の概要と成果、併せて今年度 の新規・拡大講座について紹介します。 なお、理科定期研修は今年度で終了します。 今後はこれを引き継ぐ形で、上越教育大学と 県教育委員会が連携して行う「コア・サイエ ンス・ティーチャー(略称CST)養成拠点構築 事業」をとおして、小・中学校の理科教育の 中核となる教員を養成していきます。 【理科定期研修の様子】 【地学の研修】 【初等理科の研修】 2 1 理科定期研修 この研修は、県内にある地区理科教育セン ターの所員を養成するため、平成21年度から 実施しています。かつては理科長期派遣研修 として実施されており、昭和38年度から平成 20年度までの46年間、本県小・中学校の理科 教育の中核となる教員を多数養成してきまし た。 <研修の概要と今後の予定> 年間28日で、2年間にわたり小・中学校理 科教育全般にわたる基礎的・専門的事項の研 修、教材開発等を行いました。 本研修を修了した一期生が、この4月から 新たに地区理科教育センターで活躍していま す。現在、二期生が2年目の研修を受講中で す。 教員研修モデルカリキュラム開発プログ ラム事業 独立行政法人教員研修センターの委嘱を受 けて、高等学校理科教員を対象に実施しまし た。これは、県内の企業・研究所と連携し、 科学技術や研究開発現場の体験・研究を基に した理科授業を展開することにより、理科教 員の資質能力の向上を図る「教員研修モデル カリキュラム」を開発する取組です。 県内10人の高等学校理科教員を研究協力員 として委嘱し、11日間の研修を実施しました。 <事業の概要> ①研究テーマ設定と連携企業・研究所の選定 ②連携企業・研究所での実習や共同研究を活 用した授業について検討後、所属校10校に おいて公開研究授業を実施(高等学校教員、 中学校教員等、延べ129人が参加) ③県立教育センターにおいて実践成果発表会 (2) 深めよう 絆 県民運動 ストップ・ザ・いじめ を実施(大学教員、連携協力企業・研究所 職員、高等学校理科教員等50人程度が参加) <事業の実際> ○ 連携協力企業・研究所 【企業】 アグリフューチャー・じょうえつ(株) 朝日酒造(株) ※1 ※2 、(株)コロナ、(株)キタック 、 ※3 【研究所 】(財)新潟県環境衛生研究所、新潟県工業技 術総合研究所 ※4 <事業の成果> ・企業・研究所での体験を生かした授業実践 により、生徒の理科に対する興味・関心、 内容の理解、科学の有用感等が大きく向上 した。 ・多くの参加者に産学官連携による新たな視 点を取り入れた理科授業を提案することで、 事業内容を周知することができた。 3 共同研究テーマの例(※は上記の連携先と対応) ・「 バイオマスプラスチック製品(ライスポリ)の性質と開発」※1 ・「酒づくりを通した発酵の利用」※2 ・「松之山の地質学習パンフレットの作成と活用」※3 ・「 電子顕微鏡による光ディスク記録面の観察」 ※4 ○ 平 成 23年 5 月1 日 、新潟県保健環境科学研究所、新潟県 森林研究所、新潟市埋蔵文化財センター ○ 第 736号 共同研究と公開研究授業の様子 朝日酒造(株)と松代高校の産学連携※2 理科教員指導力向上事業 この事業は、県内の4大学と連携して、先 端科学技術に関する講義、観察・実験、教材 開発を行うものです。理科教員の指導力の向 上を図り、次代を担う理系生徒の育成を目的 にしています。内田エネルギー科学振興財団 ((株)コロナ)の科学技術知識普及事業の助成 を得て実施しました。(延べ74人参加) <中学校理科教員指導力向上事業の概要> A 長岡技術科学大学極限エネルギーセンター講座(6人) 「超伝導物質の製作と低温実験」(物理領域) 【共同研究の様子】 【 公開研究授業の様子 】 ・ 朝日酒造(株)で4日間「蔵人」の一人として 日本酒の製造にかかわる職業体験を実施した。 ・ 企業での体験を生かし、微生物が行う発酵の 有効利用を実験を通して生徒に理解させ、企業 で働く人の経験や努力、職業観を提示した。 ○ B 新潟工科大学環境科学科講座(7人) 「環境化学分析と分子模型製作」(化学領域) C 新潟薬科大学応用生命学部講座(8人) 「遺伝子組換え実験」(生物領域) 研究授業参加者の声 ・企業研修の内容・成果と教科書の内容とが しっかりとリンクしていて、理科の有用性 を伝えることができる教材になっていた。 ○授業を受けた生徒のアンケート結果 授業実践の前後に7項目のアンケートを実施し ました。評価5、4の占める割合は授業後すべて の質問項目で増加しました。特に「理科の内容理 解」において、授業前の33%から授業後は65%と 大幅な増加が見られました。 理 科 の 内 容 を 、よ く理 解 して い る 。 5(そ う思 う) 授業前 5% 0% 3 28% 20% 授業後 4 2 40% 40% 【遺伝子組換え実験】 <高等学校理科教員指導力向上事業の概要> A 新潟大学理学部講座(8人) 「植物細胞に見られる物質の輸送」 B 新潟大学工学部講座(計18人) 「超広視野レーザ顕微鏡」「スターリングエン ジン」「磁界可視化装置」「高温超伝導」 C 長岡技術科学大学講座(計27人) 「燃料電池」「スチレンのラジカル重合」「流 れによる振動現象」「生命現象を糖鎖で見る」 1(そ う思 わ な い) 23% 45% 20% 【作製した超伝導物質】 25% 60% 80% 【アンケート結果(生徒310人分)】 5% 8% 1% 100% 【磁界可視化装置】 【電子顕微鏡撮影】 第736号 平成23年 5月1日 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています <事業の成果> ・学校現場では体験できない発展的内容や 科学技術の知識を得るとともに、観察・ 実験技能を習得することができた。 ・授業で活用できる先端科学を利用した教 材(超伝導物質や磁界可視化装置など) を作製することができた。 ・教員同士の協議により、講座内容の活用 方法・アイデアを共有することができた。 4 環境教育講座 小学校から高等学校まで発達段階に応じた 取組を校内で推進し、実践を図ることを目的 として実施しています。初年度である昨年度 は、小・中・高等学校の教員24人が受講しま した。 <研修の概要> ○1日目 期日:6月22日(火) ・新潟水俣病についての講義 ・自然保護レンジャーによる指導 ・野外観察(福島潟周辺地域) (会場:「水と環境のふれあい館(新潟水俣病資料館)」 「道の駅ビュー福島潟」) 【語り部の体験を傾聴】 【福島潟で野外観察】 ○2日目 期日:10月13日(水) ・講義「環境教育の実践」大学教授 ・実践発表・校種別協議 <研修の成果> 環境教育は、広すぎてどこから着手してよ いものか、という声があったのですが、講義 や実践発表、協議により、実践のヒントを得 たとの感想が多くありました。野外観察では、 題材についての新たな視点や発見があり、新 潟水俣病については、語り部の方のお話から、 その苦しみや大変さを共有することの重要性 を再確認することができました。 校庭の動植物から環境問題まで、採り上げ るべき素材は周りにあふれていることが明ら (3) かになり、受講生の実践意欲を高めることが できました。 5 先端科学技術体験講座(高等学校理科)(新 規) この講座は、昨年度の「理科教員指導力向 上事業」の内容を充実・発展させた形で、新 設されました。県内大学や研究所と連携し、 先端科学技術についての講義や実験・実習を 実施し、先端科学技術への理解を深め、実験 技能などの理科指導力の向上を図ります。さ らに、体験した先端科学を教材として活用し た授業実践を行い、次代を担う科学技術系の 人材育成を目指します。 研修の概要 【対象者等】 ○対象者 高等学校理科教諭 ○定員等 50人(各講座5人×10講座) 【主な研修内容、期日等】 ○期日 7~12月、各講座1日間 ○連携先・講座テーマ A 新潟大学理学部 ・「大気環境分析入門」 B 新潟大学工学部 ・「 4サイクルエンジンの分解・組立と性 能測定」 ・「 電界可視化実験および光通信装置の製 作」 ・「 周期的に変色するベロウソフ-ジャボ チンスキー反応の振動特性」 C 長岡技術科学大学 ・「脳波の解析と感性の計測」 ・ 「ヒトiPS細胞の培養法」 ・「ヴァーチャルケミストリ入門」 ・「流れにより誘起される振動現象」 D 新潟県保健環境科学研究所 ・「ウイルスの遺伝子解析」 E 新潟県工業技術総合研究所 ・「陽極酸化と薄膜干渉」 【カルマン渦の実験】 【ヴァーチャルケミストリ】 ※ 講座の詳細は、県立教育センターWebページ「理 科に関する情報提供」をご覧ください。 URL http://www.nipec.nein.ed.jp/sc/rika/ (4) 深めよう 絆 県民運動 ストップ・ザ・いじめ 理科以外の新規講座等を紹介します。 今年度は 、「学校トラブル 」「ネットトラブ ル」等、近年その対応に課題がある研修・講 座、特別支援教育に関する講座を新規または 拡大して実施します。 第 736号 平 成 23年 5 月1 日 とその対応」(教育センター指導主事) ・講義 「学校における情報モラルの育成」(大 学教授等) ・演習「セキュリティ対策の実際」(情報専門 学校講師等) 3 1 学校トラブル対応講座(新規) 近年問題となっている保護者・地域等から の様々な要望に対して適切な対応方法や学校 体制の整備に関する理解を深め、家庭や地域 等との連携の在り方と課題とを把握し、開か れた学校づくりの方策を探ります。 研修の概要 【対象者等】 ○対象者 小学校・中学校・特別支援学校・高 等学校の副校長・教頭 ○定員等 60人(小学校・中学校・特別支援学 校40人、高等学校20人割当) 【主な研修内容、期日等】 ○期日 5月31日(火) ○研修内容 ・講義「保護者や地域の要望への対応について」 (東京都学校問題解決サポートセンター指導 主事) ・講義「学校トラブルの現状と対応」(義務教 育課管理主事、高等学校教育課指導主事) ・演習「学校トラブルへの組織的対応体制の確 立」 2 情報モラルに係るネットトラブル対応講座 (拡大) ネットトラブル等、情報に関する生徒指導 上の問題に適切に対応する資質能力の向上を 目的に、情報モラル指導とセキュリティ対策 等についての講義・演習を行います。演習で は、実際に機器の操作をしながら、生徒指導 に役立つ知識や方法について研修します。 研修の概要 【対象者等】 ○対象者 小学校・中学校・特別支援学校・ 高等学校の教諭 ○定員等 25人(希望研修) 【主な研修内容、期日等】 ○期日 10月7日(金) ○研修内容 ・講義「ネットに関する生徒指導上の問題点 通級指導担当研修(経験者)(拡大) 通級指導教室担当者の実践的指導力向上を 目的として、通級指導教室の種別ごとに指名 の研修を行います。これらは大学の教員を講 師とした実践発表の協議を中心的な内容とし ます。 研修の概要 【対象者等】 ○対象者 通級指導教室を担当して1年以上経 過した小学校・中学校・特別支援学校 の教諭 ○定員及び指導者 言語障害通級指導教室 15人 指導者 新潟医療福祉大学 糟谷政代 教授 発達障害通級指導教室 15人 指導者 新潟大学 有川宏幸 准教授 【主な研修内容、期日等】 ○期日 11月7日(月) ○研修内容 ・協議 実践に基づく事例検討 学習指導要領の改訂にあたり、理数教育の 充実が示されており、理数科目においては先 行実施されています。本号で紹介しましたよ うに、県立教育センターでは、理科に関する 研修講座を充実させることにより、本県にお ける理科授業の質的向上を目指し、多忙な学 校現場において、実験観察を生かした授業の 提案を、広く発信してきました。また、上述 しましたように、新たな教育課題に対応する ための講座も行ってまいります。 これらについては、県立教育センターのWeb ページに詳細を掲示しておりますので、ご覧 の上、ご活用ください。 ○県立教育センター 〒950-2144 新潟市西区曽和100-1 TEL:025-263-1094(代) URL http://www.nipec.nein.ed.jp 第736号 平成23年 5月1日 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (5) 県社会教育施設、文化施設等による学習支援 県立図書館、県立生涯学習推進センター、県立文書館、県立青少年研修センター、 県少年自然の家、県立近代美術館・万代島美術館、県埋蔵文化財センター、文化行政課 社会教育施設、文化施設等では、学校や児 童生徒に対する様々な学習支援を行っていま す。本号では、各施設の取組を紹介しますの で、是非活用してください。 県立図書館では県民へのサービス以外にも 学校に対する調査相談・貸出・複写などの協 力業務や児童生徒の読書活動推進のための事 業に取り組んでいます。 1 施設見学及び職場見学の受入 学校の体験活動や社会科見学の一環として、 児童生徒を対象にした見学ツアーを行ってい ます。見学では閲覧室などで図書館の機能に ついて説明する他、書庫の一部など普段は立 ち入ることができないところも案内します。 また、職業教育の一環として、司書の仕事に 関する質問の時間を設けるなど、子どもたち との対話も大切にしています。 【子どもたちの感想】 ・書庫にある300年くらい前の本を見ることができて うれしかったです。 ・学校の図書室より広くたくさんの本があり、みん なが探しやすいように工夫されていて、おどろき ました。 ・みんなに本の楽しさを伝える図書館員という仕事 がかっこいいと思いました。私も県立図書館で働 いてみたいです。 2 調べ学習への対応 学習の目的、テーマなどに合わせ、図書検 索など調べ学習のお手伝いをします。夏休み に向けて、調べる学習に適した本を、新たに 約1,200冊揃えます。また、図書館の利用ガイ ダンスや資料の探し方の説明もします。 3 グループ学習用施設の提供 閲覧室の中に20人程度まで収容可能な共同 研修室があり、各種の学習活動や文化活動な どにご利用いただけます。 (団体登録制・無料) 児童生徒のグループ学習の他、教 職員の勉強会などにも活用いただ いています。 ○新潟県立図書館 〒950-8602 新潟市中央区女池南3-1-2 TEL:代表 025-284-6001 企画協力課 025-284-6178 URL http://www.pref-lib.niigata.niigata.jp/ 生涯学習推進センターは、様々な学習情報 や学習機会を県民に提供し、生涯学習を推進 する機関です。その事業の中から、学習支援 に関する主な取組を紹介します。 1 研修会の開催 社会や地域の要請、学校の実情・ニーズに 応えるため、学校職員・地域ボランティアの 方々が参加できる「放課後等の支援活動」「学 校の支援活動 」「コーディネーター養成」「家 庭教育支援者養成」等の研修会を開催してい ます。 2 学習機会の提供 「いきいき県民カレッジ」や「に いがた連携公開講座」等を通して、 幅広い学習情報や学習機会を提供 しています。この中には授業づく りのヒントとなる、歴史博物館主催の体験活 動をはじめ、食育、自然・芸術など様々な分 野にわたる講座がありますので、ぜひ、授業 づくりにお役立てください。 3 相談業務 学校やPTAからの、「講演会を開きたいが よい講師はいないか」「どういう体験活動がよ いか」などの相談に応じています。また、家 庭教育・子育てに関する電話相談「すこやか コール」 (℡025-283-1150)も開設しています。 (6) 深めよう 絆 県民運動 ストップ・ザ・いじめ 4 施設の貸出 研究協議会や各種主任会・研修会のために 「ホール(定員186名)」「大研修室(定員100名)」 の貸出を行っています。(申込制・原則有料) 5 視聴覚教材の貸出 人権教育、同和教育や特別活動などで活用 できる視聴覚教材(ビデオ・DVD)を貸出 しています。 ○新潟県立生涯学習推進センター 〒950-8602 新潟市中央区女池南3-1-2 TEL:代表 025-284-6110 学習相談 025-284-6119 視聴覚ライブラリー 025-284-5525 家庭教育・子育て電話相談 025-283-1150 ラ・ラ・ネット(新潟県生涯学習情報提供システム) URL http://www.lalanet.gr.jp/ 文書館は歴史的価値の高い越後・佐渡の古 文書等を中心に保存管理し、その活用を図る 機関です。 1 文書館の資料が授業で使えます 文書館ホームページをリニューアルしまし た。ホームページの検索システムを使うと、 来館しなくても当館に寄贈された古文書や明 治時代以降の新聞(複製)など検索することが できます。 また、ホームページ内の越後佐渡デジタル ライブラリーでは、「新潟県史」の概説版「新 潟県のあゆみ」の記述に沿って、県立文書館 及び県立図書館所 蔵の歴史資料の画 像を見ることがで きます。画像は印 刷することもでき ますので、すぐに 授業で活用するこ ともできます。 【HP画面( 「上杉謙信書状」県立図書館蔵) 】 ぜひ、この機会に文書館の資料を授業に取 り入れてみてはいかがでしょうか。 2 教員のための文書館活用講座 本講座は、当館所蔵資料やその活用例を紹 第 736号 平 成 23年 5 月1 日 介して、より多くの教員に文書館の資料を授 業で活用してもらうことを目的としています。 今年度も8月に実施予定ですのでご参加くだ さい。 ○新潟県立文書館 〒950-8602 新潟市中央区女池南3-1-2 TEL:025-284-6011 URL http://www.archives.pref.niigata.jp/ 『体験活動を通じた仲間づくり』への支援 青少年研修センターは、新潟市の西端、越 前浜・角田浜に面した砂丘地の高台にあり、 都市部近郊にありながら、自然に恵まれた立 地条件を生かした環境の下で仲間づくりのプ ログラムに取り組むことが可能な青少年教育 施設です。 具体的な屋外プログラムとして、仲間が協 力して取り組むオリエンテーリング、ウォー クラリー、ネイチャービンゴ等が用意してあ り、これらの中から活動のねらいや発達段階 を考慮して適切なものを選びます。特に、普 段の生活環境 で は 体 験 し 難 い 、野 外 炊 事 や キャンプファイアは、年齢を問わずほとん どの子どもたちの心に残るプログラムです。 また、屋内活 動としてクラ フト関連の研 修プログラム も豊富に用意 してあり体育 館や大小の研 【野外炊事】 修室を利用する ことで晴雨に対応した計画づくりができます。 今年度完全実施された小学校新学習指導要 領に示された長期の宿泊体験活動に対応して、 当センターを活動拠点と位置付けて近隣施設 等の利用や地域人材との連携がスムースにで きるようにし、農漁村体験など新たなプログ ラムの整備などを進めています。 近年、高校生以上の団体の多くで取り組ま れているのが、入学直後の宿泊活動をとおし て行われる人間関係づくりのプログラム「 グ 第736号 平成23年 5月1日 新潟県は個を伸ばす教育を推進しています (7) ループワークトレーニング」です。新たに出 会った者同士の関係づくりが円滑に行われる 効果があり、当センターの職員が生徒に対し て直接指導をしています。また、教員等を対 象に指導法の講習会も開催しており、グルー プワークトレーニングの指導者の拡大を図っ ています。 学校の課題解決に向けた取組を サポートする身近な施設として 青少年研修センターの活発な利 用をお願いします。 様々な活動を行う学校が増えてきました。同 じ屋根の下で寝食を共にすることで生徒同士 はもちろん、生徒・教師間にも一層深い信頼 関係が築かれます。中一ギャップ解消も期待 できることから、多くの中学校から利用して いただきたいと思います。日程やプログラム の展開等のご相談に応じます。 当所の利用団体の多くは小・中学校であり、 主に春先から秋に集中しています。今後、他 のシーズンの利用も考えている小・中学校に、 ぜひ参考にしていただければと提案します。 1 小学校の利用に向けて (1) スキー体験を取り入れた体験活動 小学校5年生を中心 とした1泊2日の自然 体験学習は、夏季のカ ヌー体験だけに限りま せん。胎内スキー場で スキー体験を行い、当所 【歩くスキー】 に宿泊する小学校があります。夜はキャンド ルファイアを楽しみます。雪が多ければ当所 の遊歩道を利用した「歩くスキー」も可能で す。 (2) 胎内市と連携した長期自然体験学習 今年度、小学校では新学習指導要領が完全 実施されました。当所ではそれに備えて長期 自然体験学習に対応したプログラムの研究を、 胎内市が実施する「胎内型ツーリズム」と連 携しながら進めています。詳しくは、小・中 学校等に配付した「とらのまき~活動プログ ラム集~」にその例を提示してありますので ご覧ください。 1 2 中学校の利用に向けて 中学校では、野外炊さんをメインにした日 帰り利用が多いのですが、最近、人間関係づ くりを目的に、1泊2日の宿泊体験を通して ○新潟県少年自然の家 〒 959-2602 胎内市乙字大日裏 TEL:0254-46-2224 URL http://www.pref.niigata.lg.jp/shizen 学習支援活動 県立美術館では社会教育施設としての様々 な活動を推進し、子どもたちの創造力・表現 力・コミュニケーション力の向上を目指して います。 (1) 作品解説(館内での鑑賞活動) 校外活動、図工・美術、総合学習の時間に ご活用ください。展示中の作品について、作 品の優れたところや制作の参考になるところ を分かりやすく解説します。 また、鑑賞者がお互いの見方・感じ方を紹 介し合う「ギャラリートーク」も取り入れ、 作品との関わり合いから、コミュニケーショ ン力の育成も目指します。 (2) 美術館の舞台裏探検 美術館には展示会場の他に事業を支えてい る重要な施設があります。県立近代美術館で は、普段見ることのできない美術館の内側を 見学し、美術館の果たしている役割や職員の 仕事をより深く学習することができます。 (3) 出前講座 学芸員が美術館 から学校へ出向い て、鑑賞講座や ワークショップを 行います。新潟ゆ かりの作家や所蔵 作品についての解 【小学校でのワークショプ】 説、短時間で楽し く取り組める、色付きの紙チップを活用した (8) 深めよう 絆 県民運動 ストップ・ザ・いじめ ワークショップなど豊富な内容を準備してい ます。詳しい内容については、より教育的効 果が上がるように学校の事情に合わせて相談 させていただきます。 (4) データ提供 県立美術館所蔵品の画像や企画展で作成し たセルフガイドのデータなどを学校に提供し、 図工美術の授業で活用していただけます。該 当の県立美術館にお問い合わせください。 2 学校等の団体観覧と観覧料免除制度 平日は高等学校、中等教育学校後期課程、 特別支援学校高等部の生徒の団体観覧料を免 除しています。 事前に、各美術館のホームページから所定 の用紙をダウンロードし、必要事項を記入し て申請してください。夏休み期間中の高校生 等の観覧料免除制度もこれまでどおりです。 ※ 中学生以下の観覧は無料ですので、小・中学 校等での免除申請は必要ありませんが、団体来 館される場合は「県立美術館利用事前調査票」 を必ずご提出ください。 ○新潟県立近代美術館 〒940-2083 長岡市千秋3丁目278-14 TEL:学芸課 0258-28-4112 URL http://www.lalanet.gr.jp/kinbi/ ○新潟県立万代島美術館 〒950-0078 新潟市中央区万代島5-1万代島ビル5階 TEL:025-290-6655 URL http://www.lalanet.gr.jp/banbi/ 県埋蔵文化財センター(以下「センター」) では、学校を対象にした普及啓発事業を行っ ています。平成22年度は51校(約2,800人)の 児童・生徒がセンターを訪れ、郷土の歴史や 昔の生活について学びました。具体的な学習 支援は以下のとおりです。 (1) 施設見学 県内の遺跡から出土した土器や石器などの 展示や出土品の整理・復元作業の様子を見学 できます。希望に応じてセンター職員が解説 します。 (2) 体験学習 火おこし、勾玉作り、石器使用、土器作り 第 736号 平 成 23年 5 月1 日 などの体験学習をセンター職員が支援します。 内容によっては、各校で用意していただくも のや材料費が必要なものもあります。 (3) 出前授業 センター職員が学校に出向いて体験学習支 援や講話等をします。遠方の学校やまとまっ た時間の取れな いときなどにご 利用ください。 センターの学 習支援は事前の 申込が必要で す。ご利用に関 【火おこし体験】 するお問い合わせやご相談は、お電話にて下 記へお願いします。 ○財団法人新潟県埋蔵文化財調査事業団 〒 956-0845 新潟市秋葉区金津 93-1 TEL:0250-25-3981 URL http://www.maibun.net/ 文化行政課では文化財の保存や文化活動の 支援の一環として、主に中・高校生への文化 財についての普及・啓発を目的に、毎年夏に青 少年文化財講座を実施しています。 平成23年度は、下越地区にて文化財の見学 や講義、製作体験 などの内容で講座 を開設する予定で す。詳細は、夏季 休業前に市町村教 育委員会や学校を 通じてお知らせし 【佐渡金山(佐渡市)の見学】 ます。 ○新潟県教育庁文化行政課 〒950-8570 新潟市中央区新光町4-1 TEL:025-280-5619 URL http://www.pref.niigata.lg.jp/bunkagyosei/ ※ PDFファイルでご覧の方は、下線部(HPアドレス)をクリッ クすると、直接該当HPへジャンプしますのでご活用ください。 発行所 所在地 電 話 E-mail 新潟県教育庁総務課 〒 950-8570 新潟市中央区新光町4番地1 025-280-5587 F A X 025-285-3766 [email protected] HP版 URL http://www.pref.niigata.lg.jp/kyoikusomu/ **本紙に関するご意見がありましたら、お寄せください** <無断転載を禁ず>