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『一リットルの 涙 』を読んで

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『一リットルの 涙 』を読んで
佳
作
失敗を成功につなげられように努力すればいいのである。努力
『一リットルの涙』を読んで
私は、以前に『一リットルの涙』をテレビで見たことがあっ
しない限りは、成功しない。亜也さんは、言葉や行動で私たち
青森県 青森高等学校一年 小川 あん
た。とても感動したので、この本を書店で見つけた時は、嬉し
に伝えてくれた。自分だけが不幸なのではない。そのことをし
っかりと私たちに教えてくれている。私は、何か失敗してもく
かった。
この本の主人公である木藤亜也さんは、「脊髄小脳変性症」
よくよせずに、きちんと前を向いて生きていきたいと感じた。
きてこられたのは、周りの人たちが一緒にいてくれたからであ
という病気にかかった。
始めは、
普通の高校生だったのに、
徐々
木藤亜也さんは十五歳の頃から、よく転ぶようになった。そ
る。受験勉強が大変だった時は、家族が応援してくれた。私が
また、亜也さんが精一杯病気と闘うことができたのも、家族
して病院でみてもらうと、「脊髄小脳変性症」だということが
風邪を引いて学校を休んだ時は友達がプリントを家まで届け
に体が不自由になっていった。それでも、勉強を頑張って一生
わかった。このままでは高校に通い続けることは難しくなる、
てくれた。みんながいてくれて本当に良かったと私は感じる。
や友達、たくさんの人たちの支えがあったからである。人間は
と医師から言われた。それにもかかわらず、亜也さんは友達に
うまくいかない時もあったけれど、だからこそ今の自分がいる
懸命生きようとしていた。
また、
家族の支えがあったからこそ、
助けてもらいながら、学校に通い続けた。私は亜也さんのこの
のだ。その時は苦手だと思ってきちんと向き合わなかったけれ
一人では生きていけない、ということを知った。私が今まで生
ような積極的な姿勢に感動させられた。私なら、友達に迷惑を
ど、今は意見を素直に言ってくれた友達に感謝している。家族
亜也さんは生きていけたのではないかと思う。
かけるのが嫌だから、健康な人達と一緒に生活していると自分
や友人は、これからも大切にしていきたい。
昭和六十三年五月二十三日、木藤亜也さんは二十五歳十ヵ月
がみじめになるからといって、すぐ逃げ出してしまうだろう。
亜也さんは、友達に対して「ごめん」ではなく「ありがとう」
という若さで亡くなってしまった。亜也さんは、意識不明、呼
現在では、毎日のようにいじめ・自殺・殺人のニュースが報
という気持ちを持ち続けていた。しかし、高校で生活すること
養護学校へ行っても、大変なことはたくさんあった。亜也さ
道されている。亜也さんのように、生きたくても生きられない
吸停止となりながらも、最後まで一生懸命生きようとしていた。
んの病状はさらに悪化していき、外に出ると、他の人からは哀
人がたくさんいる。だから命を粗末にしないでほしい。悩みも
もできなくなり、ついに養護学校に通うことが決定した。
れむような目で見られた。それでも亜也さんは、勉強や詩を書
あると思うが、その困難を乗り越えてこそ、本当に強い人間に
なれるのだと私は思う。
くことなど、今自分にできることを精一杯やっていた。
いいじゃないか転んだって
転んだついでに仰向いて
う言葉で、たくさんの人に感謝の気持ちを素直に伝えていきた
う」という言葉を伝え続けていた。私も、「ありがとう」とい
亜也さんは、ほとんど話せなくなっていても、「ありがと
空を見上げてごらん
い。
また起き上がればいいんだから
青い空が今日もお前の上に
限りなく広がって
ほほえんでいるのが見えるだろう
お前は生きているんだ
亜也さんが書いたこの詩が、私の心に響いた。
私は今まで、何でも完璧にやるべきだと思っていた。勉強や
ピアノなどは失敗したらいけないのではないかと思っていた。
だから、失敗したら悔しくて悔しくて涙が出てしまうのだと思
う。しかし、この詩を読んだら、「人間なんだから、失敗する
ことがあってもいい。そこからまた何かを学んだらいいん
だ。」と考えるようになった。失敗を悔やんだりせずに、その
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