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公式サポーター・りんご飴マンが行く!

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公式サポーター・りんご飴マンが行く!
公式サポーター・りんご飴マンが行く!
メディア芸術祭・青森展の楽しみ方
∼「まぼろし村」って何だ!?編∼
2016 年 3 月某日。青森県立美術館。
ヒャッハァァァ∼!!!!!!!!!!!
い∼い天気だなぁ∼!!!!!!!!!!!
皆さんはじめまして。 僕の名は「りんご飴マン」と申します。
りんご飴の魅力にとりつかれた生キャラです。以後、お見知りおきを。
待って、「閉じる」ボタンを押さないで。
出落ち感がすごいのはわかるけど、もう少し見ていってほしい。
twitter
(https://twitter.com/ringo_a_me)
facebook
(https://www.facebook.com/ringoameman/)
「飴マンさん、今日も元気いいですねー!」
こちらは助手のトマベチ氏。なんかアートが好きそうな髪型をしているのが特徴だ。
「いやー、トマベチ氏よ、これがテンション上がらずにいられますかっつ
ーの!なんでか聞きたい?聞きたい?」
「はぁ」
「仕方ないなー!教えてあげよう!!」
青森県立美術館で 3 月 12 日から開催される、文化庁メディア芸術祭青森展の
オフィシャルサポーターに就任したからなのさー!!!!!
「清々しいほど説明口調ですねー!」
文化庁メディア芸術祭とは
文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁、国立新美術館)が主催しているアートとエン
ターテインメントの祭典。メディア芸術の創造とその発展を図ることを目的に、1997 年
度から毎年実施されている。アート部門、エンターテインメント部門、アニメーション部
門、マンガ部門 の 4 部門について大賞と優秀賞を選定、表彰している。受賞者にはそれぞ
れトロフィー、賞金、そして文部科学大臣賞が贈呈される。(Wikipedia より)
「こんなビッグイベントの公式キャラをやらせてもらえるなんて最高̶!
これはもう飴マンが全世界に認められた証拠と言っていいのではないか?」
「承認欲求が強すぎる。でも、確かにこれはすごいことですよねー!
飴マンって普段は その顔で散歩したりスタバの行列に並んだり車乗って
るだけのオッサン疑惑があったけど、案外やるじゃないですか!」
「だいたい合ってるのが辛い」
「今日はそのオフィシャルサポーターとして招かれたんだけど、何がある
のかなー!多分、押し寄せた報道陣の中での就任会見だと思うんだよね」
「本当ですか!!さっすが飴マン!!飴マンヒュ∼!!!!」
「よせやい。行けばわかるさ。とりあえず、レッツゴー!!!!」
「・・・・・・!!!!!!」
「先行き不安だわ」
青森県立美術館、通称「県美」。行ったことある人は分かると思うが何から何までアートな
この空間は散歩するだけでも十分楽しめる不思議な美術館だ。2006 年開館だから、今年
で開館 10 周年になる。
この日は休館日だったのだが職員用通路を通っていても1つ1つにこだわりがあるのを強
く感じる。この印象的なフォントも館内で統一されている。
事務所内でさえもオシャレな空間を通ると、僕の期待は風船のように膨らんでいく。
いよいよ就任会見場に到着した。
「すいませーん。オフィシャルサポーターが来ましたよ」
そこに待っていたのは一人の女性。話を聞くと今回のメディア芸術祭青森展を主催されて
いる青森県庁の森田さんという方だった。
「あなたが噂のりんご飴マンさんですね。よろしくお願いします」
「はい、こちらこそ、よろしくお願いします!!」
「あのー、ところで他の皆さんは?」
「え?」
「マスコミの方とか。アーティストの方もいるんですかね?一応ご挨拶し
ておきたくって。ほら、後で礼儀がなってないとか思われるの嫌じゃないですか∼」
「私しかいませんけど…」
「え?マジで?」
「マジで」
「…ギャラは先払いでお願いしますね」
「(この人最低だ…!!!!)」
「では飴マンさん、早速ですけど就任の証ということで」
「えっ」
「お似合いですわ」
「そうですか…。いや、あのこういうのってもう少しなんていうか、」
「あっ、忘れてた!こちらもですね」
「お似合いですわ」
「そうですか…」
なんだろうこの気持ち。この気持ちはなんだろう。
期待させといて裏切られた気分なのだが、
よく考えたらそもそも就任会見なんて言われてないし、
報道陣が押し寄せる光景なんて100%僕の妄想であることに気がついたけど、
今さら下手に出るのも恥ずかしいからとりあえず拗ねておこう。
みんな、過剰解釈はトラブルのもとだから気をつけてね。
きぃぃぃいいい∼∼∼こんな屈辱は初めてだ!!!!
許せない∼∼∼!!!!!!
2∼3分ほど暴れる僕。先日、30
歳になりました。
「うるさいなぁ。なんの騒ぎですか?」
そこにやってきた一人の男性。
「飴マンさん!何か凄そうな人が来ましたよ!」
「本当だ、よし媚びよう!あのー、僕りんご飴マンって言うんですけ
ど、文化庁メディア芸術祭青森展の公式サポーターとして大々的に PR させていただきます
ので、よろしくお願いしますね」
「りんご飴マン?公式サポーターって三上枝織さんだけじゃないんですか?」
「さぁ…。私もさっきからほとほと困っています」
「こらー!」
「うーん、どうして君が公式サポーターなのかは理解に苦しむけど、
一応僕も学芸員として今回の企画に関わっているので、何か PR のために聞きたいことがあ
れば何でもお答えしますよ」
「いえ、大丈夫です!!」
「ちゃんと聞いてください!公式サポーターでしょ!」
「じゃあ奥脇さん、早速ぶっちゃけちゃいますけど、
僕、芸術とかってあんまり興味がないんです」
「本当にぶっちゃけたね。でも芸術って色んな解釈の仕方があると思ってい
るんだけど、りんご飴マンは普段どういう意味で使っている?」
「うーん、なんか絵画のイメージが強いかなぁ。芸術は爆発だーみたいな。
なんか小難しい感じがして嫌なんです。僕、学生の頃美術の成績が死ぬほど悪くてトラウ
マで。美術クラブに入ったのに毎年 【2】でしたからね。やばくないですか?あんなに
笑ってた美術の先生、影で2つけてきやがったんですよ」
「私怨を感じるね…。でも、このイベントで使われる芸術っていうのは主に
『メディア芸術』と言われる、メディア技術によって新しい世界観を見せるものを指
しています。その中には、マンガとかアニメ、エンターテイメントの作品も含まれている
んだけど、それなら興味あるでしょ?」
「めっちゃあります!もっと聞かせてください!」
「単純すぎる」
本イベントのポスター。ピンクを基調にしておりカワイイ。
「ところで奥脇さん、このポスターの『まぼろし村と、あなたとわたし』っ
てなんですか?なんかラノベっぽいタイトルですけど」
「ああ、それね。今回のイベントタイトルなんだけど、
なんて言えばいいのかな。さっき言ったメディア技術の発展によってどんどん世界が広が
っていって、それこそ 1960∼70 年頃には人と人、
人と地球を結ぶ1つの『村』
みたいになるであろう、と言われていた時代があったんですよね」
「え、何それ初耳。何か遠い昔の伝説みたいですね」
「でしょう。メディア技術の発展とともに、どんどん新しい発見や進歩があ
ると思われていた。でも、そこで培われてきた可能性や人と人との繋がりというものが、
震災以降、揺らいできたものがあると思うんですよね」
「えっ、どういうことですか」
「震災によって、僕らがちっぽけな存在だということを否応なしに
自覚させられたということと、僕らが送ってきた日常というものが奇跡的なバラ
ンスの上で成り立っているということに気づかされたんです」
「なるほど。今まで大きな集団としてイケイケで進んでいたつもりだったけ
ど、震災という変化によってバラバラになり、個人に帰ってしまったということですね」
「だけど、生きていくためには他の人やモノと繋がり直さないといけない
じゃないですか。その最小単位が『村』というものに代表されると思うので、
幻だった人と人との関係、人と自然との関係をここでもう一度繋ぎ直す
という意味で『まぼろし村』としています」
「なんかラノベっぽいとか言ってほんとすいませんでした」
「その『まぼろし村』で行われるアートやマンガ、アニメーション、エンタ
ーテイメントをひっくるめた『メディア芸術』の展覧会を以って、
『まぼろし村が、あなたとわたしの前に広がるでしょう』
みたいな意味をこめてこのタイトルにしています。長くなりましたね(笑)」
「なんかめっちゃ興味湧いてきました。もっと色んな話聞かせてください」
「もちろん!あ、そうしたら館内を散歩しながらお話ししましょうか」
「やったー!楽しみ」
「あっ、でもダメだ」
「館内、飲食物持ち込み禁止だった」
「そこ!?え、
りんご飴マンって飲食物に該当するの!?」
「だって『りんご飴』マンなんでしょ。『生』キャラだし。
あっ!でも僕にいいアイデアがありますよ」
食用品ラップ。
これを…
こうして…
ほらできた!
「これならまぁ、いいですかね」
「すごい!かっこいいよー飴マン!」
「お似合いですわ」
(もう公式サポーターやめたい)
次回、
「バザーのような芸術祭」編、ご期待ください!
公式サイト(http://www.mediaarts-aomori.com/)へ
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