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Exosome–Streptavidin for Isolation/Detection
II.フローサイトメトリー解 析用 エキソームサブ タイプの分画 Exosome –Streptavidin for Isolation/Detection (製品番号 10608D) 製品の概要 ・Exosome–Streptavidin for Isolation/Detectionは、エキソソーム濃縮サンプルから、 さらに目的のタンパク質を膜表面に持つエキソソームサブタイプのみを分画・回収する試薬です。 ・このプロトコールは、フローサイトメトリー解析用に最適化されていますが、ウェスタンブ ロット解析、qRT-PCR解析、シーケンスなどのアプリケーションに利用することも可能です。 ・Dynabeads® magnetic beads は、均一な超常磁性のポリスチレンビーズ(直径4.5μm)で、 表面にStreptavidinがコーティングされています。 前処理として標的とするエキソソーム膜タンパク質に対して特異的な抗体(ビオチン標識) を用意し、Dynabeads® magnetic beadにコーティングする必要があります。 エキソソームサブタイプの回収方法は、抗体を結合したDynabeads® magnetic beadsを エキソソーム濃縮サンプルに添加し、一晩インキュベートすることで、標的タンパク質を持つエキ ソソームをビーズに結合させます。その後マグネットでビースを回収することで、標的タンパク 質を有する エキソソームサブタイプのみが分離・回収されます。 操作に必要な機 器・試 薬 -以下のご用意があるかを確認した上で実験をスタートしてください・Total Exosome Isolation(from cell culture)試薬(製品番号:4478359)を用いて 回収したエキソソーム濃縮サンプル 注意:現在、利用できるのは培養上清由来のエキソソーム濃縮サンプルのみです。 体液由来のエキソソーム濃縮サンプルはご利用いただけませんのでご注意ください ・ビオチン標識された抗体 注意:ビオチン標識された抗体がない場合、 FluoReporter ® Mini-biotin-XX Protein Labeling Kit(製品番号:F-6347)等を用いて標識を行うことが可能です ・Assay Buffer( PBS+0.1% BSA, 0.2μmフィルター滅菌済) ・DynaMag™-2(製品番号:12321D)または DynaMag™-5(製品番号:12303D) Magnetic separators ・スクリューキャップ付き 2mL-チューブ(Sarstedt社、製品番号:72.664 など) ・HulaMixer ® Sample Mixer(製品番号:15920D) II.フローサイトメトリー解 析用 エキソームサブ タイプの分画 ビオチン標識抗体のDynabeads® magnetic beads 表面へのコーティング ここでは 1 x 10 個のDynabeads ® magnetic beads(1mL)に対して、 4μgのビオチン標識抗体をコーティングするプロトコールを 紹介します。必要に応じてスケールアップやスケールダウンできます: 7 Exosome - Streptavidin for Isolation/Detection ・スケールアップの場合:Dynabeads® magnetic beads の濃度を1 x 107∼108個 / mLに 増やす事が可能です。 ・抗体濃度が低い場合(例:0.01mg /mL) :抗体とビーズの結合のステップで、Assay Buffer の添加量を減らし、ビーズ濃度が 1 x 107個 / mLになるように調製してください。 1 バイアル中のビーズをミックスし、均一にします。 Roller(ローラー式攪拌機)を用いた場合:10 分間以上 Vortexミキサーを用いた場合:30 秒間 2 1mLのビーズを、magnetic separatorにセット可能なチューブに分取します。 3 magnetic separatorにチューブをセットし、1分間インキュベートしてビーズが チューブ壁面に集まったことを確認し、上清を除きます。 beads Magnetic separator DynaMag™-2(製品番号:12321D) 4 チューブを magnetic separator から外し、1mL- Assay bufferを添加し、 よくミックスします。 5 magnetic separatorにチューブをセットし、1分間インキュベートし、 ビーズがチューブ壁面に集まったことを確認し、上清を除きます。 6 チューブを magnetic separator から外し、1mL- Assay bufferを添加し、 よくミックスします。 注意: 7 で添加するビオチン標識抗体の濃度が低く、添加する液量が多い場合、 ここで添加するAssay buffer 量を減らし、トータルで1mLになるようにします。 7 4μgのビオチン標識した抗体を添加し、よくミックスします。 8 30∼60 分間、室温でミックスしながらインキュベートします。 例:HulaMixer® Sample Mixer(製品番号:15920D)を使用した場合の設定条件 Speed:650rpm 9 magnetic separatorにチューブをセットし、1分間インキュベートし、 ビーズがチューブ壁面に集まったことを確認し、上清を除きます。 10 チューブを magnetic separator から外し、1mL- Assay bufferを添加し、 よくミックスします。 11 magnetic separatorにチューブをセットし、1分間インキュベートし、ビーズがチューブ 壁面に集まったことを確認し、上清を除きます。 ∼ 11 のステップをさらに2回繰り返します。 12 10 13 1mL-Assay Bufferを添加し、ビーズ濃度を1 x 107個 / mLにします。 抗体を結合させたDynabeads ® magnetic beadsは Assay Buffer (+ 0.02% sodium azide)に懸濁した状態で、2∼8 ℃で数カ月保存可能です。 注意:結合させた抗体の安定性に依存します II.フローサイトメトリー解 析用 エキソームサブ タイプの分画 エキソソームサブタイプの回収 20μL Dynabeads® magnetic beadsで回収する場合 抗体を結合させたDynabeads® magnetic beadsの確認 以下は、 “ビオチン標識抗体をDynabeads® magnetic beads表面へコーティング” で調製 7 した抗体結合ビーズ(1 x 10 個 / mL)を20μL 用いた場合のプロトコールです。 注意:より大量のサンプルを処理する場合、スケールアップできますが、その他の試薬も 同様にスケールアップして操作してください。 エキソソーム濃縮サンプルの確認 Total Exosome Isolation試薬(from cell culture)製品番号:4478359 または超遠心 法を用いて回収したエキソソーム濃縮サンプル(pre-enriched exosome sample)を予 *1 め調製して置きます。 *1: 始めよう!エキソソーム研究 vol.2「パート1:エキソソームの濃縮・回収」を参照ください。 スタートサンプルとして用いるエキソソーム濃縮サンプル(pre-enriched exosome sample)量は、タイトレーションを行って適切なスタート量の検討を行うことを お勧めします。 本プロトコールではエキソソーム濃縮サンプルのトータルタンパク質量を指標としてタイト レーションを行う方法を説明します。エキソソーム濃縮サンプル中には、きょう雑タンパク質 が混在していますが、細胞培養上清由来のサンプルには比較的少ないため、トータルタン パク質量とエキソソーム量の相関性が得られます。 20μL Dynabeads® magnetic beadsを用いたエキソソームサブタイプの回収には、トータル タンパク質量が 25μg分相当のエキソソーム濃縮サンプルを使用してください。この結果を ベースとしてスタートサンプル量の最適化を行って頂きます。 1 Total Exosome Isolation試薬(from cell culture)製品番号:4478359 または超遠心法 で回収したペレットを 適当量のPBS bufferに懸濁します。 例:10mLの培養上清から回収したペレットを、200μLのbuffer に懸濁した エキソソーム濃縮サンプル(50 倍濃縮) 2 タンパク質濃度を測定します。 参考:Qubit® 3.0 Fluorometer(製品番号:Q33216)とQubit® Protein Assay Kit (製品番号:Q33211)の組合せで正確なタンパク質の定量が行えます。 3 25μg分のエキソソーム濃縮サンプルを新しいチューブに分取し、トータルの液量が 100μLになるように Assay Bufferを添加して調製します。 スタートサンプル量のタイトレーションを行う場合は、このステップで処理する エキソソーム濃縮サンプル量を振ります。 サンプルの容量が100μLに満たない場合は、Assay Bufferを添加して全量が 100μLになるように調製します。添加量については以下の tableを参照ください。 エキソソーム濃縮サンプル Assay Buffer 100μL 0 μL 50μL 50 μL 5μL 95μL II.フローサイトメトリー解 析用 エキソームサブ タイプの分画 I. 抗体を結合させたDynabeads® magnetic beadsの調製 1 1日目 抗体を結合させたDynabeads® magnetic beads(1 x 107 個 / mL)中の ビーズが均一になるようにミックスします Roller(ローラー式攪拌機)を用いた場合:10 分間以上 Vortexミキサーを用いた場合:30 秒間 2 20μLのビーズを、magnetic separatorにセット可能なチューブに分取します。 3 ビーズ洗浄のため200μLのAssay Bufferを添加し、ミックスします。 4 magnetic separatorに 3 のチューブをセットし、1分間インキュベートしてビーズが チューブ壁面に集まったことを確認し、上清を除きます。 II. エキソソーム濃縮サンプルからエキソソームサブタイプをビーズへ吸着 1 I- 4 のチューブを magnetic separator から外し、Assay bufferで調製した エキソソーム濃縮サンプル(最終容量が100μLになるように調製済み)を添加し、 よくミックスします。 2 マイクロチューブミキサーにセットしてミックスしながら、2 ∼ 8 ℃で一晩(18∼22時間) インキュベートします。 例)HulaMixer ® Sample Mixer(製品番号:15920D)を使用した場合の設定条件: Speed:650rpm III. ビーズに吸着した エキソソームサブタイプの回収 1 サンプルチューブを3∼5 秒間遠心し、チューブ壁についたサンプルを集めます。 2 300μL- Assay Bufferを添加し、ピペッティングで穏やかにミックスします 2日目 (ボルテックスミキサーは使わないこと)。 3 magnetic separator にチューブをセットして1分間置きます。ビーズが チューブ壁面に集まったことを確認して、上清を除きます。 4 チューブを magnetic separator から外し、400μL – Assay Bufferを添加して ピペッティングで穏やかにミックスします(ボルテックスミキサーは使わないこと)。 5 magnetic separator にチューブをセットして1分間置きます。ビーズがチューブ壁面に 集まったことを確認して、上清を除きます。 エキソソームサブタイプがビーズに結合した状態で回収されます。 ビーズに吸 着した状態のまま、フローサイトメトリー解 析用のサン プル調製へ進みます。 回収したエキソソームの フローサイトメトリー解析 オプション ・フローサイトメトリー解析ではバックグラウンド(Negative control)として、アイソタイプ・ コントロールを設定します。 アイソタイプコントロールには一次抗体反応が特異的であることを確認するために、ターゲット 一次抗体と、免疫動物、アイソタイプ、標識が同じものを選択します。 ・染色反応には、III- 6 で回収したターゲットタンパク質陽性サンプル100μL 分を使用します。 ・添加する染色用抗体は最適な SN 値(Signal to Noise ratio)が得られる濃度の至適化を行って ください。 参考:抗体濃度の検証では、まず抗体販売元が1x 106 細胞を染色する際に推奨している 濃度をベースに行ってください。 ターゲットサンプルの調製 1 100μLのIII- 6 で回収したターゲット アイソタイプコントロールの調製 1 タンパク質陽性サンプルを新しい チューブに分取します。 2 ターゲットタンパク質抗体 100μLのIII- 6 で回収したターゲット タンパク質陽性サンプルを新しい チューブに分取します。 2 isotype control を加えミックスします。 (anti-human CD63-RPEなど) を加えミックスします。 3 室温で45 ∼60 分間インキュベートします【オービタル(旋回式)シェーカーに セットし、1000rpmでミックスした状態で】。 注意:遮光状態で処理してください。 4 300μLのAssay Bufferを添加し、ミックスします (ボルテックスミキサーは使わないでください)。 5 magnetic separatorにチューブをセットし、1分間インキュベートし、ビーズがチューブ 壁面に集まったことを確認し、上清を除きます。 6 チューブをmagnetic separatorから外し、さらに 7 チューブをmagnetic separatorから外し、300μLのAssay Bufferを添加・ 4 、 5 の洗浄操作を繰り返します。 ミックスし、フローサイトメトリー解析を行います。 注意:使用されるフローサイトメトリーに合わせてbuffer 量は加減してください