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地熱とバイオマスを活かした農林業タウン
環境モデル都市提案書 (様式1) 地熱とバイオマス 地熱とバイオマスを活かした農林業タウン構想 とバイオマスを活かした農林業タウン構想 タイトル 提案団体 熊本県 小国町 人口:7,924人 担当者名及び 担当者の所属 環境モデル都市推進室 連絡先 氏名 産業課長:松岡勝也、情報課長:藍澤誠也 電話番号:0967-46-2111/ファックス番号:0967-46-2368 メールアドレス:[email protected] 1.全体構想 1-①.環境モデル都市としての位置づけ 小国町は、九州のほぼ中央、熊本県の最北端、阿蘇外輪山の外側にあり筑後川の上流に位置し、東西北部を大分県、南部 を南小国町と隣接し、東西 18km、南北 11km、総面積 137k㎡で総面積の 78%を山林が占める農山村地域である。 また、阿蘇火山帯に位置しており、日本有数の湯治場として知られる「杖立温泉」や最近注目を浴びている「わいた温泉」 がある。特にわいた温泉は、集落の至る所から蒸気が立ち昇り、集落全体が蒸気に包まれる地域である。 小国町では、このような地理的条件を最大限活かして、次のような取組みを行ってきた。 まず、農林業 農林業関連の事業 ①木造建築群の建築(13箇所) 、②地熱を利用した木材乾燥施設 地熱を利用した木材乾燥施設の建設、③SGE 農林業関連の事業として、 関連の事業 地熱を利用した木材乾燥施設 C森林認証の取得(森林組合:7,841ha) 、④J-VERプロジェクトの実施(九州自治体初) 、⑤カーボンニュートラル カーボンニュートラル木 カーボンニュートラル木 材の供給(北九州市へ供給) 、⑥循環型農業推進のための食品残さ活用実験堆肥舎の建設 次に、エネルギー関連の事業 エネルギー関連の事業として、①公共施設に熊本県と共同で太陽光発電システムを設置、②国立公園内に 国立公園内に風力発電 エネルギー関連の事業 国立公園内に風力発電 施設を設置(5 基) 、③小規模BDF事業を開始、④町独自でEV急速 町独自でEV急速充電 、⑤町単独により個人住宅 施設 町独自でEV急速充電施設 充電施設を整備(県下初) 施設 用太陽光発電システム補助を創設、⑥集落内にある既存の防犯灯をLED防犯灯に切り替えるための現物配布を開始 ※農林業①~⑥【参考資料 【参考資料① 【参考資料②】 【参考資料①】 エネルギー①~⑥【参考資料②】 小国町では、これらの取組みを基盤としながら、住民・企業等と一体となった取組みを行い、持続可能な低炭素社会の町 を形づくるため、 “地熱とバイオマスを活かした農林業タウン” を創造する。 これを実現するため、 Ⅰ 地域エネルギー創出モデルの構築 地域エネルギー創出モデルの構築 Ⅱ 低炭素型農林業活性化モデルの構築 Ⅲ コミュニティ活用型CO2 コミュニティ活用型CO2排出削減モデルの構築 CO2排出削減モデルの構築 を確実に実行する。 まず、 「地域エネルギー創出モデル」は、地域エネルギーを最大限に活かした発電事業や熱供給システムを導入すること により、エネルギー使用量の大幅な削減を目指す。また、 「低炭素型農林業活性化モデル」は、森林のカスケード利用を最 大限に行うなど CO2 の排出を極限に抑えた次世代型森林経営を行うことにより、本来森林が持つ機能を最大限に発揮させ、 吸収・固定量の増加を目指す。最後に「コミュニティ活用型 CO2 排出削減モデル」は、最も排出削減が難しいとされる家庭 部門の CO2 を、地域に根付いたコミュニティ活動を活かした削減活動で大幅な削減を目指すものである。 小国町は、地熱とバイオマスを活かした農林業タウン構想を実現する過程で、町が現在直面している経済や社会面での課 題の解決をも目指す。また、全国の小規模市町村に応用できるエネルギー活用モデルを築いていく。 1/10 1-②.現状分析 ★森林組合管理における町内林の炭素吸収(固定)量 1-②-ⅰ 1990(H2) 温室効果ガ 年度 スの排出実 面積(ha) 1,156 態等 蓄積量(㎥) 423,096 炭素吸収(固定)量(t-Co2) 6,046 1990(H2)比増加量 2003(H15) 2007(H19) 1,272 7,841 465,406 2,869,806 6,650 41,008 604 34,358 - ※面積、蓄積量は森林調査簿より。なお、2007 は SGEC 対象林面積とする。 ※炭素吸収(固定)量の算出は、熊本県森林吸収量認証制度実施要綱による。 ★人口・世帯数と CO2 排出量 年度 1990(H2) 人口(人) 世帯数(世帯) CO2 排出量(t-Co2) 2003(H15) 2007(H19) 10,383 9,240 8,847 2,856 3,084 3,091 69,087 59,013 61,871 ※排出量=人口×県民一人あたりの排出量(熊本県環境白書‘08 より) ※人口・世帯数は人口推計より ★公共施設における排出量 年度 1990(H2) 排出量(t-Co2) 3,225 2003(H15) 3,870 2007(H19) 3,548 ≪炭素吸収・固定 ≪炭素吸収・固定量の ・固定量の現状 量の現状≫ 現状≫ 小国町の基幹産業は農林業であり、総面積の 78%を占める森林のうち 96%は民有林(個人所有)である。 この民有林の森林経営計画受託先である小国町森林組合は、受託 受託率 受託率が 65%を超えており 65%を超えており、県平均受託率が %を超えており 40%であることを考えると極めて高い数字であり、このため、一体的な管理が可能である。2007 年には、 行政、森林組合、町民が一体となって、7,841 行政、森林組合、町民が一体となって、7,841ha 7,841ha の森林管理認証(SGEC の森林管理認証(SGEC) SGEC)を取得している。また、吸 を取得 収量だけでなく、東京都港区が取組む「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」に参加したり、北九州市 にカーボンニュートラル木材を提供するなど都市における木材 CO2 固定量も蓄積させる取組みを進めて、 地域材の供給拡大を図っている。こうして、持続可能な森林経営を引き続き、行政、森林組合、町民が一 体となり実施することで CO2 の森林吸収源機能を向上させている。 ≪温室効果ガス排出の 温室効果ガス排出の現状≫ 現状≫ 小国町の家庭でのエネルギー消費量の割合は、自動車用 自動車用燃料が 燃料が 55%を占めている 55%を占めている。 を占めている これは、小国町の人々 の主たる移動手段が自家用自動車であることに原因がある。また、山に囲まれた山間高冷地であり、冬季 は気温がマイナスになることもあるため、暖房のための燃料が必要となる。家庭における灯油消費量は、 全国平均を約6割上回っている。 このような状況のなか、町全体の CO2 排出量は、2003 年から 2007 年対比で約 10%増加している。これは、 核家族化による世帯数の増加や家電製品の充実による家庭部門 家庭部門で 家庭部門での消費電力の増加、自動車保有数の増加 消費電力の増加 による運輸部門での 運輸部門での自動車燃料 運輸部門での自動車燃料の増加 自動車燃料の増加が原因である。 の増加 多くの森林を有する小国町は、森林吸収源機能を発揮することで都市部の CO2 排出量をオフセットやニ ュートラル化する役割を担っているが、小国町自身の CO2 排出の削減のためには、車利用など住民のライ フスタイルの転換が求められている。 2/10 計画の名称及び策定時期 1-②-ⅱ 関係する既 小国町総合計画 存の行政計 (H23~H32) 画の評価 評価 環境との共生をテーマとし、環境に優しい車の導入、自然(地熱・小水力等) を生かした環境に優しいエネルギー政策、資源循環型農林業の推進、ツーリズム を通した取組みの推進など【真に自立可能で持続可能な小国町】 【真に自立可能で持続可能な小国町】を目指す。 【真に自立可能で持続可能な小国町】 小国町地域省エネルギ 町の自治体レベルでの省エネルギーの対策について検討し、これを行政計画に ービジョン 反映し、あらゆる手段を用いて普及活動を行うことで、 【町全体で省エネルギー 町全体で省エネルギー (H21~H30) を推進】 を推進】する。 小国町エネルギー自立 小国町が保有する再生可能エネルギーのポテンシャルや、現状の電力等の使用 型コミュニティ構築事 実態を把握し、創エネ・省エネ、CO2 削減、観光・農業の付加価値、自立型エネ 業成果報告(H25.3) ルギーの活用に重点を置いたモデル事業を計画している。 1-③.削減目標等 1-③-ⅰ 削減目標 1990 年を基準として、中期的(2030 年)には、森林等に よる CO2 の吸収・固定 吸収・固定量 吸収・固定量を約 8 倍とする。町内の CO2 排出 量は、庁舎や公共施設に地熱等を活用した熱供給を実施する などの省エネ化、公用車等の EV 化をはじめとする交通手段 の改革を図り、約 約 25%削減 25%削減を目指す。また、長期的(2050 %削減 年)には森林等による 森林等による CO2 の吸収・固定量 の吸収・固定量を約 10 倍として、 家庭部門と運輸部門を中心に、CO2 排出量を約 約 40%削減し、 %削減 CO2 排出量を森林等吸収量で全て相殺する『ゼロカーボンの 『ゼロカーボンの まち』を創造する。 まち』 低炭素モデル林 ★部門別の目標値 (単位:t-Co2) 部門 吸収・固定量 CO2 排出量 1990 2007 中期 長期 (2030) (2050) 森林吸収 6,046 41,008 41,840 44,455 木材固定 0 0 6,217 18,652 小 計 6,046 41,008 48,057 63,107 産 業 25,838 23,140 18,139 13,136 家 庭 11,745 10,518 9,389 6,385 業 務 10,294 9,219 6,872 6,746 運 輸 17,479 15,653 14,078 12,433 その他 3,731 3,341 2,925 2,709 小 計 69,087 61,871 51,403 41,409 63,041 20,863 3,346 ▲21,698 計 ※2007 年度における部門別排出率は、産業:37.4%、家庭:17.0%、業務:14.9%、運輸:25.3%、その 他:5.4%(熊本県環境白書‘08 より) 3/10 2030 年までに約 25%の CO2 排出削減を図るため、大地のエネルギーを活用した「地熱とバイオマスを活 1-③-ⅱ 削減目標の かした農林業タウン構想」に取組む。 まず「地域エネルギー創出モデル」では、エネルギー研究・交流拠点を設置し、エネルギー活用(地熱・ 達成につい ての考え方 小水力・太陽光・木質バイオマスなど)による事業の可能性を検証したうえで、発電事業や地熱を活用し た熱供給システム導入に取組み、冬季の燃料を節減し CO2 の大幅な削減を目指す。 また、森林(もり)のエネルギーを活用した「低炭素型農林業活性化モデルの構築」の取組みは、J-クレ ジット(旧 J-VER(オフセット・クレジット)をはじめ、地熱を使った木材乾燥施設をさらに整備することでカーボン ニュートラル木材の増産及び販路拡大を行う。さらに森林を守りながら活用するため、カスケード利用と して木質バイオマス利用や「木育」に取組む。また、地熱エネルギーを活用した農林産物の栽培生産施設 を整備していくことで小国ブランドを開発する。 (実験としてミカン・シクラメン・水草・テラピア・ウナ ギなどを実施済)これらの取組みにより、森林が持つ CO2 吸収・固定量機能を向上させる。 次に、小規模市町村ならではのコミュニティ力を生かした「コミュニティ活用型排出削減モデルの構築」 の取組みでは、家庭部門と運輸部門の CO2 排出量に重点を置き、町公用車及び公共交通のひとつである乗 合タクシーの EV 化し、普及促進及び利用拡大を図る。また、燃費マネージャーを導入するなど燃料の節減 にも取組む。最終的には町民にとって身近な軽トラックの EV 化により運輸部門の大幅な CO2 削減を行って いく。また、地域コミュニティ単位による排出量の把握と削減活動を行い、町内での CO2 削減活動が活発 化することで家庭部門の大幅な CO2 削減を図る。 これらの取り組みを行うことにより、2030 年までに約 25%の CO2 排出削減を図るとともに、2050 年まで にそれぞれの事業を加速化させ、40%の CO2 排出削減を実現する。 取組方針 削減の程度及びその見込みの根拠 ■ 木質バイオマスボイラーによる 【ア】地域エネルギー創出 地域エネルギー創出モデル 地域エネルギー創出モデルの構築 モデルの構築 小国町のわいた山麓地域には、豊富な地熱資源があり、地域 CO2 削減 178.6 t-CO2/年 住民は生活の中に地熱を取り入れて、地域独自の生活体系を築 ■ゆけむり茶屋(公共施設)による CO2 削減 165,050KWH×0.503Kg-CO2 いてきた。 小国町では、地球環境に対して大きな負荷を与えない地域資 =83.5 t-CO2/年 源を産業的に活用することで、地域を活性化させるため、地熱 ■公共施設への熱供給システムにより をはじめとするエネルギー研究・交流拠点を旧西里小学校に設 CO2 削減 1,015 t-CO2/年 置する。これは、熱供給システムの普及研究や農林業の活性化 ■家庭への熱供給システムにより に活用するための可能性と実現性を研究するものである。まず CO2 削減 960 t-CO2/年 は公共施設へ熱供給し、そして一般家庭に普及を図り CO2 の大 幅な削減を図る。この研究で低温の熱や蒸気を使った「バイナ リー発電」を都市部の工場排熱へ応用する。 【イ】低炭素型農林業活性化モデルの構築 低炭素型農林業活性化モデルの構築 ■カーボンニュートラル材の供給拡大 小国町が創出した J-クレジットを活用して森林管理の資金確保 2030 年までに 360 棟(30m3/棟) を図るため、 “九州の森林クレジット“として、九州一体とな 10,800m3×0.314×0.5×44/12 った活用推進を行う。また、日本全体での活用推進を図るため =6,217t-CO2/年(固定) に先進自治体などと連携し、二国間クレジットの国内版モデル 2050 年までに 1,080 棟(30m3/棟) として、J-クレジットの地産地消、地産外消による都市地域間連携 32,400m3×0.314×0.5×44/12 や地域活性化の仕組みづくりを行う。 =18,652t-CO2/年(固定) また、先進的な地域からの低炭素技術支援による低炭素社会 づくりを実施し、小国杉材が川下に届くまでのサプライチェー ンのゼロカーボン化を図ることでブランド材を創出する。 4/10 【イ】低炭素型農林業活性化モデルの構築(続き) 低炭素型農林業活性化モデルの構築(続き) ■食品残さの活用による家庭ごみの削減 このブランド材「小国カーボン・ニュートラル木材」は、今 によるごみ処理に係る CO2 排出削減 年九州大学で開催された国際森林研究機関連合(IUFRO)の国際 ●運搬に係る削減 学会で配布された木製バインダーに使用され、林業研究者に高 0.63kl/年×2.58 t-CO2/kl =1.64 t-CO2/年 く評価された。 次に木材のカスケード利用では、町内の公共施設や農業ハウ 【2030 までに 20%削減】 スの熱源として、C級木材等を木質チップなどとして活用する 1.64 t-CO2/年×0.2=0.328 t-CO2/年 ことで低炭素型農林業経営を推進する。また、間伐材を使用し 【2050 までに 30%削減】 作られた「木になる紙」を普及促進させることで、販売金額の 1.64 t-CO2/年×0.3=0.492 t-CO2/年 一部が森林所有者へと還元し、森林の適正管理を促す。 ※排出量はH24 阿蘇広域行政事務組合事業実績より また、次世代を担う子ども達への環境教育の一環として「木 ●処理に係る削減 育」を“東京おもちゃ美術館”と連携して実施する。 【2030 までに 9%削減】 上記事業を展開していくうえで大切なのは、これまでどおり 924 t-CO2/年×0.09=83.2 t-CO2/年 の適切な森林管理を継続しつつ、地熱乾燥木材の増産普及や木 【2050 までに 18%削減】 質バイオマスへの利用など木材のカスケード利用を図り、小国 924 t-CO2/年×0.18=166.3 t-CO2/年 町林業の活性化につなげていくことである。 最後に循環型農業については、食品残さをコミュニティ活動 ※排出量はH24 阿蘇広域行政事務組合事業実績H24 家庭 ゴミ排出量×RDF への排出係数により計算 のなかで収集し、これにより作られた堆肥を使った薬味野菜を 栽培し町内で販売する。この連鎖を普及拡大することで、家庭 ゴミの減量と CO2 排出量を削減する農業モデルを構築する。 【ウ】コミュニティ活用型 コミュニティ活用型 CO2 排出削減モデルの構築 ■エココミ活動による各家庭における削減努 小国町の運輸部門の CO2 削減を行うため、燃費マネージャー 力の 推進 4.8t-CO2/ 世帯・ 年 ( ※ ) × 機器の貸出しによる燃費向上を図る。また、住民に対し乗合タ 0.15( 年 15% 削減目標) × 3,102 世帯 クシー及びEV車の普及啓発を行う。これは、町公用車及び乗 =2,233t-CO2/年 合タクシーに随時EV車を導入し啓発するとともに、ICT技 ※JCCCA 2010 年世帯あたりCO2 排出量 術を生かした予約運行管理システムで、利便性の高い交通シス ■公用車・乗合タクシーのEV化 テムを構築し、公共交通への利用拡大を図る。 ●公用車 また、中山間地の特徴である小集落のコミュニティ活動を活 1.7t-CO2/年×3 台(年間導入台数)× かし、電気・ガス等・燃料等の CO2 排出量を集落単位で把握す 0.55(※2)=2.8t-CO2/年(10 年間継続) るシステムを構築する。ここで把握した数値を元にコミュニテ ●乗合タクシー ィ対抗による CO2 削減コンテストなどを実施し、活動を活発化 1.16 t-CO2/年(※3)×5 台×0.55(※ させる。将来的にはICT技術を用いた「コミュニティ型 CO2 2)=3.19t-co2/年 排出管理システム」を構築し、このデータを集計することで、 ※公用車の燃料から算出した年間平均排出量 小国町全体の排出・削減量を把握できるように整備する。 ※2 国立環境研究所:「身近な交通の見直しによる環 これらの削減コンテストの実施や普及啓発については小国 町のCATV自主放送番組「おぐチャン」を積極的に活用する。 境改善に関する研究」実走行に基づく電気軽自動車R1e とガソリンCVT軽自動車の比較よる ※3 年間走行距離から換算した1台当たり平均排出量 5/10 ※必ず改ページ 2.取組内容 【ア】地域エネルギー創出 地域エネルギー創出モデルの構築 地域エネルギー創出モデルの構築【参考資料 モデルの構築【参考資料③ 【参考資料③】 2-①.取組方針 小国町のわいた山麓地域は、豊富な地熱資 豊富な地熱資源 豊富な地熱資源があり、地域住民は生活の中に地熱を取り入れて、地域独自の生活体系を築 いてきた。 【参考資料④ 【参考資料④】しかしながら、我が国の産業・生活構造の変化で地域の潜在能力を削ぐような人口減少、農業の 担い手不足など農林業の衰退が起こった。こうした中で、昨今注目されているのが、地域に潜在する地域資源の発掘である。 小国町では、環境に対して、大きな負荷を与えない地域資源を産業的に活用し、再び地域を活性化させるため、エネルギー エネルギー 研究・交流拠点を旧西里小学校に設置する。本研究所は熊本県の「地熱・温泉熱研究会」 【参考資料⑤ 研究・交流拠点を旧西里小学校に設置 【参考資料⑤】と連携を図り、地 熱・温泉熱などの活用について研究を行い、その成果を農林業の活性化や生活利便性向上に繋げる。 温泉熱の利活用では、北海道下川町の熱供給システムを参考に配管を行い、公共施設、一般家庭へと普及させ、同時に低 温のお湯や蒸気を利用した「バイナリー発電」を行う。また、このバイナリー発電での熱利用は、都市部の工場排熱等の利 活用へと展開する。 将来は、小国カーボンニュートラル木材を利用したエコハウス兼研究・交流拠点を建設し、活動・啓発の拠点とする。こ れには、クラウドファンティング方式【参考資料 【参考資料⑥ 【参考資料⑥】で支援者を募る。 温泉廃湯 熱水造成・配湯施設 湯けむりの集落 学校跡地の研究・交流拠点施設 バイオマス活用 公共施設 一般家庭 2-②.5 年以内に具体化する予定の取組に関する事項 取組の内容・場所 主体・時期 小国町 (a) 地熱をはじめとするエネルギー研究・ 地熱をはじめとするエネルギー研究・交流拠点 研究・交流拠点 地域資源を活用するための産官学の研究・交流拠点を設置し、事業化の可能性を調査し、地熱供給 H26~ システムや木質バイオマス、小水力、温泉熱発電などを売電のみでなく、農業・林業などの産業振興 事業へ展開させる。また、研究所は都市部との交流機能を併せ持ち、北九州市と連携して環境活動へ の取組みをクレジット化し、小国町の温泉地に相互交流させるなど「環境」をキーワードに交流ビジ ネスを実施する。将来的には研究所をゼロカーボン材の小国杉を利用し増設する。この研究所では、 熊本県地熱・温泉熱研究会の構成メンバーである熊本大学と連携をとり、地域環境学習も実施する。 小国町 (b) 木質バイオマスボイラー設備導入 木質バイオマスボイラーを「木魂館温泉施設」に導入し、重油から切替えることで、化石燃料から H27~ の脱却による CO2 削減と経費削減を図り、小国杉を有効活用する。その後、公共施設である町民開発 センターや保育園などへの導入を図っていく。 計画/ 出力 163KW 燃料 木質チップ 小国町又は (c) バイナリー発電の実施 小規模バイナリー発電の検討・温泉熱発電システム基本設計及び岳の湯地区のゆけむり茶屋(公共 地元組織 施設) ・杖立温泉地区での温泉熱発電施設を整備するため、熊本県や経済産業省などの調査事業に取 H27~ 組む。計画/ ゆけむり茶屋:出力 250KW ,杖立温泉:出力 200KW 2-③.課題 研究・交流拠点については、当面、旧西里小学校の跡地活用を図るが、将来は小国カーボンニュートラル木材のエコハウ スを増設し、研究・活動・啓発の拠点とする。地熱をはじめとする再生エネルギーは、地元消費による環境配慮型の発電を 行うことが重要であり、いかに地域のブランド力向上に結び付けることができるかが重要な課題である。 6/10 ※必ず改ページ 2.取組内容 【イ】低炭素型農林業活性化モデルの構築 低炭素型農林業活性化モデルの構築【参考資料 低炭素型農林業活性化モデルの構築【参考資料⑦ 【参考資料⑦】 2-①.取組方針 小国町は標高 300m~800mの山間高冷地帯で、平均気温 13℃、年間降雨量 2,500mmと多く、地質と合わせ小国杉の育 成に適している。その材は、柱・板・建具材等に賞用され、九州国立博物館にも使用されている。国は「森林・林業再生プ ラン」で、10 年後の木材自給率 50%を掲げており、小国杉は需要を伸ばしていくことが考えられる。このようななか小国 町では 1980 年代から間伐材を活用した大型木造建築など、木材カスケード利用を先駆的に進めてきた。しかしながら、林 業は、伐採、運搬などで CO2 を排出してしまうため、ICT ICT 技術を活用した木材トレーサビリティシステムにより 技術を活用した木材トレーサビリティシステムにより地域材が川 により 下まで運ばれる過程において発生させたと認められる CO2 を、J-クレジットでオフセットすること とする。また、小国町は冷涼な気象を生かした野菜づくりが盛んであるが、そこで使用する堆肥を 家庭から出る食品残さから作ることで、循環型農業を構築していく。 これらにより、ゼロカーボンを目指す低炭素型農林業活性化モデル ゼロカーボンを目指す低炭素型農林業活性化モデルを構築する ゼロカーボンを目指す低炭素型農林業活性化モデル 地熱木材乾燥施設 2-②.5 年以内に具体化する予定の取組に関する事項 取組の内容・場所 主体・時期 小国町・宮崎県諸塚 (a) (a) 九州の森林クレジット【参考資料 九州の森林クレジット【参考資料⑧ 【参考資料⑧】 小国町が創出した J-クレジットは現在 1,553t 保有している。これを活用し森林管理の資金確保を 村、大分県日田市㈱ 図る。現在、九州炭素マイレージ事業の「九州地域カーボン・オフセット推進協議会」にて、九州の トライウッド、 高知県檮原 J-クレジットを“九州の森林クレジット“として、九州一体で活用推進を図っている。また日本全体 町、北海道下川町な でも活用推進するために、先進自治体である北海道下川町や高知県梼原町等と連携を図り、J-クレジ ど、J-クレジット取得自 ットの地産地消、地産外消による都市地域間連携や地域活性化の仕組みづくりを行う。また二国間ク 治体等 レジットの国内版モデルとして、先進的な地域と低炭素技術支援協力を実施する。これにより得た H24~ CO2 排出削減クレジットを地域間で分配し活用する。 (b) (b) 小国カーボンニュートラル木 小国カーボンニュートラル木材【参考資料⑨⑩ 参考資料⑨⑩】 ⑨⑩】 小国町 小国杉材の製品流通時及び林内作業における CO2 排出量を算出し、小国町 J-クレジットによりオフセットす 北九州市内建設業界 ることで、材が川下に届くまでのゼロカーボン化を図る。北九州市城野地区の低炭素先進モデル街区 H24~ 再開発事業において、地域ビルダーに小国杉カーボンニュートラル木材を供給する。スマートハウス などの省エネだけでなく、ゼロカーボンされた小国杉材使用による低炭素型住宅を普及推進する。 小国町 (c) (c) 低炭素型次世代森林経営 木材のカスケード利用を最大限行うため、既存の木材チップ会社と連携し、公共施設の木質バイオ 小国町森林組合 マス導入を図り CO2 排出量を削減する。また、生じた CO2 排出削減量を新たなカーボン・クレジット H25~ の創出につなげる。これらを促進することにより、低炭素型森林経営を推し進める。 (d) 食品残さ活用による循環型農業の推進とコミュニティ 食品残さ活用による循環型農業の推進とコミュニティ環境活動 コミュニティ環境活動【参考資料 環境活動【参考資料⑪ 【参考資料⑪】 小国町 現在、小国町では循環型農業及びごみ対策の一環として、登録した住民の食品残さを活用して堆肥 H25~ づくりに取組む。今後は、町内でのコミュニティ活動による食品残さ回収モデル地区を選定し、この 堆肥によって栽培された農産物を町のアンテナショップ(薬味野菜の里小国)で販売し、循環型農業 を加速化させる。また、モデル地区以外では、コンポストによる食品残さ活用を推進し、ごみの削減 を目指す。さらに家庭内では、婦人会が自主的に普及活動を行っている微生物活性酵素を使用するこ とで大分県・福岡県へと流れる筑後川の水を浄化させる。 2-③.課題 カーボン・オフセット自体に関する正しい認識と排出削減・吸収の確実性、透明性の確保、信頼性のあるシステム構築を 図ることが課題である。 7/10 ※必ず改ページ 2.取組内容 【ウ】コミュニティ コミュニティ活用型 コミュニティ活用型CO2 活用型CO2排出削減モデルの構築 CO2排出削減モデルの構築【参考資料 排出削減モデルの構築【参考資料⑫ 【参考資料⑫】 2-①.取組方針 小国町は、公共交通機関が少なく、生活していくうえでの移動手段は自家用自動車が主 流である。このことから、運輸部門の CO2 排出削減をするためには、交通手段の改革が必 要である。このため、EV車などエコカーの一般普及やBDF燃料の利用拡大を図る。ま ずは町公用車へのEV車導入や、随時乗合タクシーのEV車の導入を行い住民に対し普及 EV 充電施設(H23):町単独整備 啓発を行う。 また、小国町には大きく分けて 6 つの地域があり、さらに 233 の小集落に分かれている。小集落においては、共同で使う 施設の整備、道路・河川の清掃など地域コミュニティ活動が現在も残っている。 このように活動がさかんな地域コミュニティ力を活用し、地域ぐるみで低炭素化への取組みを行っていくことにより、大 幅な CO2 削減効果が得られる。また地域コミュニティ同士で競う政策展開により町民の主体的な CO2 排出削減活動を加速化 させる。 2-②.5 年以内に具体化する予定の取組に関する事項 取組の内容・場所 (a) EVコミュニティ交通システムの構築【参考資料 EVコミュニティ交通システムの構築【参考資料⑬ 【参考資料⑬】 主体・時期 小国町 小国町の公共交通機関のひとつである「乗合タクシー」の利用拡大を図りながら CO2 を削減するた H26~ めに、EV車の導入を進めるとともに、ICT技術を活用した予約運行管理システムで利便性の高い EVコミュニティ交通システムを構築する。また、住民普及させるため、町公用車にEV車を順次導 入し普及啓発を行うとともに、燃費マネージャー等によるエコドライブを推進し、CO2 排出削減を図 る。次に町独自のEV車購入補助を制度化しEV車の普及拡大を行う。急速充電施設等の電源につい ては、再生可能エネルギーを活用していくことで更なる低炭素社会を目指す。 (b) (b) エココミ活動( エココミ活動(コミュニティによる コミュニティによるエコ活動 によるエコ活動) エコ活動)の実施 小国町 地域コミュニティによる取組みとして、モデル地域を選定し、各家庭において環境家計簿を記録す H26~ る。これを集落単位で集計し CO2 排出量を把握する。将来的にはICT技術を活用したシステムを構 築し、町内全体の CO2 の排出量を把握する。また、各地域コミュニティ対抗エココンテストを実施し、 町民の主体的な CO2 排出削減活動に繋げる。 小国町 (c) コミュニティ削減モデルPRの実施 コミュニティ削減モデルPRの実施【参考資料 ティ削減モデルPRの実施【参考資料⑭ 【参考資料⑭】 小国町は、 「おぐチャン」という地域情報を発信するCATVによる自主放送番組を有しており、 エフエムおぐに 町内のほぼ全世帯が視聴している。このインフラを活用し、エココミ活動で実施される CO2 排出削減 H25~ 活動の優良事例や、全国で行われている優良取組みを定期的に配信し、エココミ活動の取組み強化を 促す。まずは、小国町で行われている環境活動についての放送を実施する。 小国町 (d) 環境交流・教育の実施 環境交流・教育の実施【参考資料 実施【参考資料⑮ 【参考資料⑮】 小国町の交流・宿泊施設「木魂館」では、山や川での自然学習を通じて自然を大切にする気持ちを H25~ 育てる目的で、2000 年度から幼児・小学生を対象とした「おぐに自然学校」を、2005 年度からは北 九州市の中学生を対象に民泊により受け入れる農村体験「うるるん体験教育ツーリズム」を実施して いる。これらの事業をもとに都市「北九州市」との交流を深め、自然の大切さを学ぶプログラムを実 施し、幅広い環境教育の可能性を実現する。 2-③.課題 集落における CO2 排出量の算定方法について、正確性を確保しながら容易に取組めるマニュアルが必要であり、先行事例 である北海道下川町の炭素会計制度を参考にしながら、小規模自治体の住民に適したものを整備する必要がある。 8/10 必ず改ページ 3.平成 25 年度中に行う事業の内容 取組の内容 主体・時期 (A)木質バイオマスボイラー設備導入の調査・基本設計 小国町 木質バイオマスボイラーを「木魂館温泉施設」に導入するため、調査・基本設計・全体システム検 H25.10~ 討・メーカー選定を行う。重油から切替えることで化石燃料からの脱却によるCO2削減と経費削減 を図り、小国杉を有効活用する。 (B)循環型農業の推進 小国町 循環型農業の一環として、登録した町民から収集した食品残さにより町オリジナルの完熟堆肥を製 H25.6~ 造する。ここで製造された堆肥による安心・安全な農産物を小国町にオープンしたアンテナショップ (薬味野菜の里小国)で販売し、農産物の地産池消及び生産・消費の循環を形成する。 (C)EV交通タウンの構築(EV車の導入) 小国町 EV車の普及啓発のため、乗合タクシー及び町公用車にEV車を導入する。まずは、企業の協力に H25.9~ より乗合タクシーにEV車を導入し、町公用車(軽トラック)にEV車を導入する。 (D)CATVによる住民啓発 小国町 小国町には、平成 22 年度に整備したCATV施設があり、 「おぐチャン」という自主放送番組を有 エフエム小国 している。これを活用し、町内で行われている環境活動にスポットを当てた番組「環境にいいこと見 H25.6~ つけ隊」では、町内の優良活動を取材し放送することにより、町民全体の啓発を行うとともに各集落 の組織強化を促す。 4.取組体制等 行政機関内の 連携体制 「環境にいいこと推進会議」 【参考資料⑯ 【参考資料⑯】の下、毎週 1 回開催される環境モデル都市推進室会議で事業 の具現化を進めるとともに、役場内各課に環境共生推進職員【参考資料 【参考資料⑰ 【参考資料⑰】を設置し、全庁的な連携を図 っている。 地域住民等と の連携体制 小国町では、まちづくりにおいてコミュニティ活動が長年実施され、6校区ごとに特色を出しながら、 活動している。環境モデル都市への取組みにおいては、住民活動にまでその考えを普及させるため、6校 区の各コミュニティプランニング(以下「コミプラ」 )や大字まちづくり協議会、婦人会、老人会等と協働 し、小規模自治体の利点を生かし、町民総意で環境への取組みを実施していく。 これには、役場職員をコミプラ担当者【参考資料 【参考資料⑱ 【参考資料⑱】として配置し、行政と住民の橋渡しを行う。 大学、地元企 小国町議会、学識経験者、企業、各種団体からなる「環境にいいこと推進会議」により毎年事業の検証 業等の知的資 やフォローアップを行う。 源の活用 2‐ア‐②地熱をはじめとするエネルギー研究・交流拠点の実施については、熊本県が設置する「地熱・温 泉熱研究会」と連携し、学識経験者及び企業の参入を促す。 2‐イ‐②九州の森林クレジットについては、九州カーボン・オフセット協議会と連携しJ-クレジットの 活用推進を図り、全国展開については、北海道下川町、高知県梼原町との連携により実施する。 2‐イ‐②小国カーボンニュートラル木材利用促進については、オフセット・クレジット活用や CO2 排出量 の検証を依頼している九州大学佐藤研究室と九州オフセット推進協議会(NPO 法人地域環境ネットワーク 等)と連携し、最適な仕組みづくりを構築する。 2-ウ‐②EVコミュニティ交通システムの構築は、熊本県と本田技研㈱が「次世代パーソナルモビリティ の実証実験に関する包括協定」を締結しており、これに積極的に関わることでEVの普及促進を図る。 2-ウ‐②エココミ活動の実施については、 「環境にいいこと推進会議」の作業部会において、環境家計簿 やエココンテストなどを実施する際の普及方法及びフォローアップ、また事業の検証を行う。 2-ウ‐②観光交流・教育の実施では、(財)学びやの里と連携し、 「うるるん体験」を都市「北九州市」へ の相互交流に発展させ、自然に学ぶプログラムにより先進自治体と連携、観光交流へ発展させる。 9/10 必ず改ページ 5.評価指標及び数値目標 様式3 参照 6.都市・地域の活力の創出等 小国町では、 「従来の伝統的な山村の発想の枠を越え、現代の知恵や感覚をプラスして新しいものを創り出し、前向きに 取組んでいくこと」を基本理念として、 「ひと・もの・かね」を活用した地域デザインづくりに取組んでいる。平成23年 度に策定した小国町の基本構想では、小さな農山村であるがゆえに、都市ではできないような「自然を大切にし、活力にあ ふれ、思いやり、支え合い、みんなでつくる自立したまちづくり」を掲げている。なかでも全国で初めての試みとなる木造 立体トラス構法による「ゆうステーション」や「小国ドーム」 、ボックス梁構法による「木魂館」をはじめ、多くの木造建 築群を建て、 「木の文化」を発信してきた。 林業においては、林家等で組織した「小国杉の家づくり研究会」において、小国杉が住宅材として安全で安心して使用さ れるために、そのあり方や販路の拡大等の研究を進めている。近年では、九州国立博物館に小国杉が活用された。また、九 州自治体初となるJ-VER取得による山村活性化の可能性が注目されている。川上から川下(北九州市)にカーボンニュ ートラル材を提供する動きが始まった。 また、小国町ではこれまで、ツーリズムの実践者を育成するため、九州ツーリズム大学を開校してきた。これまでに、2,000 名を超える方々が全国から集まり、卒業している。彼らは、農村におけるツーリズム観光や地域ビジネスを全国で展開して いる。小国町にもツーリズム大学卒業後、民泊(農家民泊・商家民泊)を 9 戸の方が開業し町づくりに寄与している。 これから、小国町は現行制度にとらわれない新たな発想での地域資源の活用と新しい町づくりを展開する。そのためには、 地熱とバイオマスを活かした農林業タウンの構築 小国町の宝でもある地熱やバイオマスなどの自然エネルギ 地熱とバイオマスを活かした農林業タウンの構築が必要である。 の構築 ーを活用する研究所を熊本県と連携し立ち上げる。具体的には、地熱エネルギーを公共施設から、一般家庭へ普及させエネ ルギー自立型のモデル自治体を目指す。また、低炭素型農林業活性化モデルの構築を図るため、エネルギーを農林業に活用 し、小国町が研究所で可能性を調査研究した上で、持続可能な真の農林業の活性化につなぐ。また、コミュニティ活用型 CO2 排出削減モデルでは、高齢化率 33.8%(H25.4.1 住基より)を占める小国町において、乗合タクシーは公共交通の打開策で ある。その乗合タクシーのEV化により CO2 削減を図り、細やかな高齢者の交通対策(病院・買い物など)に対応させる。 ◆ これまでまち 、もの これまでまちづくり まちづくりで培った づくりで培った「ひと、もの、かね」の活用を で培った「ひと、もの、かね」の活用を今回の取組みに応用 「ひと、もの、かね」の活用を今回の取組みに応用し、ひと 今回の取組みに応用し、ひと= し、ひと=「コミュニティ力」 コミュニティ力」 、もの =「地域資源」 、かね= 、かね=「研究 採算性」に置き換え、これらを 置き換え、これらを軸として環境デザインづくりに取組み、 かね=「研究と 「研究と採算性」に これらを軸として環境デザインづくりに取組み、小国町の経済を 軸として環境デザインづくりに取組み、小国町の経済を活 小国町の経済を活 性化することで地域の活力を創出する。 性化することで地域の活力を創出する。 ◆ 小国町は、これまで培った「コミュニティ力」や、全国初の木 小国町は、これまで培った「コミュニティ力」や、全国初の木造立体トラス構法を採用したことにも見られる「チ これまで培った「コミュニティ力」や、全国初の木造立体トラス構法を採用したことにも見られる「チャ 造立体トラス構法を採用したことにも見られる「チャレ ンジ精神」 ジ精神」等の 等の特長を活かして、 特長を活かして、新しい環境モデル都市 しい環境モデル都市としてのモデル構築に 都市としてのモデル構築に注 としてのモデル構築に注力し、小規模 小規模自 規模自治体だからこそ からこそできる住 できる住民 総意の取組みを 総意の取組みを実 の取組みを実施していく。 10/10 小国町環境モデル都市提案書(様式2) 環境モデル都市としての位置づけ 九州のほぼ中央、熊本県の最北端で総面積137K㎡、78%が山林で主要産業は農林業である。集落の至る所から蒸気が噴き出す杖立温泉・わいた温泉がある 。また、木の復権に向けた取組みは全国的に有名であり、公共施設の木造化による地域デザインづくりを進めてきた。さらに豊かな自然条件を生かした地熱の木 地熱の木 材乾燥施設、風力発電、太陽光発電等を導入する。そしてカーボン・クレジット(J-VER)の創出、EV急速充電施設の EV急速充電施設の整備 材乾燥施設、風力発電、太陽光発電等を導入する。 EV急速充電施設の整備など九州において先駆的・先導的な取 整備 組みを実践してきた。今後は、住民・企業等と協働し、地域エネルギー創出モデルの構築 地域エネルギー創出モデルの構築、低炭素型農林業活性化モデルの構築 地域エネルギー創出モデルの構築 低炭素型農林業活性化モデルの構築、コミュニティ活用型 低炭素型農林業活性化モデルの構築 コミュニティ活用型CO2 コミュニティ活用型CO2排出削 CO2排出削 減モデルの構築を確実に実行することで、「地熱とバイオマスを活かした農林業タウン」 「地熱とバイオマスを活かした農林業タウン」を展開し、同じ中山間地域の小規模市町村のモデルを築く。 減モデルの構築 「地熱とバイオマスを活かした農林業タウン」 現状分析 現状分析 小国町では、林業の取組み 林業の取組みのなかで、行政・森林組合・町民が一体となって、2007年に7.841haの森林管理認 林業の取組み 証(SGEC)を取得している。また、東京都港区が取組む「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」に参加し、木 材CO2固定量も蓄積させている。今後も持続可能な森林経営に、行政・森林組合・町民が一体となって取組むこ とで、CO2の森林吸収源機能の向上を目指し、森林 森林機能(吸収・固定) 森林機能(吸収・固定)を最大限に発揮させ 機能(吸収・固定)を最大限に発揮させる を最大限に発揮させる。 小国町の家庭でのエネルギー消費量の割合は、自動車用燃料が 自動車用燃料が55% 自動車用燃料が55%を占めている 55%を占めている。これは、小国町の人々の を占めている 主たる移動手段が自家用自動車であることに原因がある。また、山に囲まれた山間高冷地であり、冬季は気温が マイナスになることもあるため、暖房のための燃料が必要となる。家庭における灯油消費量は、全国平均を約6割 上回っている。このような状況のなか、町全体のCO2排出量は、2003年から2007年対比で約10%増加している。こ れは、核家族化による世帯数の増加や家電製品の充実による家庭部門での消費電力の増加 家庭部門での消費電力の増加、自動車保有数の 家庭部門での消費電力の増加 増加による運輸部門での自動車燃料の増加 運輸部門での自動車燃料の増加が原因である。 運輸部門での自動車燃料の増加 多くの森林を有する小国町は、森林吸収源機能を発揮することで都市部のCO2排出量をオフセットやニュート ラル化する役割を担っているが、小国町自身のCO2排出の削減のためには、車利用など住民のライフスタイルの 転換が求められている。 地域の活力の創出等 地域の活力の創出等 小国町は現行制度にとらわれない新たな発想での地域資源の活用と新しい町づくりを展開する。そのために は、地熱とバイオマスを活かした農林業タウンの構築 地熱とバイオマスを活かした農林業タウンの構築が必要である。小国町の宝でもある地熱やバイオマスなど 地熱とバイオマスを活かした農林業タウンの構築 の自然エネルギーを活用する研究所を熊本県と連携し立ち上げる。具体的には、地熱エネルギーを公共施設か ら、一般家庭へ普及させエネルギー自立型のモデル自治体を目指す。また、低炭素型農林業活性化モデルの 構築を図るため、エネルギーを農林業に活用し、小国町が研究所で可能性を調査研究した上で、持続可能な真 の農林業の活性化につなぐ。また、コミュニティ活用型CO2排出削減モデルの構築の中で高齢化率33.8% (H25.4.1住基より)を占める小国町において、乗合タクシーは公共交通の打開策である。その乗合タクシーのEV 化によりCO2削減を図り、細やかな高齢者の交通対策(病院・買い物など)に対応させる。 ◆ これまでまちづくりで培った「ひと、もの、かね」の活用を今回の取組みに応用し、ひと=「コミュニティ力」、も これまでまちづくりで培った「ひと、もの、かね」の活用を今回の取組みに応用し、ひと=「コミュニティ力」、も の=「地域資源」、かね=「研究と採算性」に置き換え、これらを軸として環境デザインづくりに取組み、小国町の 経済を活性化することで地域の活力を創出する。 削減目標等 削減目標等 ◆ 中期的目標(2030 中期的目標(2030年 2030年) 1990年を基準として、森林等による 1990年を基準として、森林等によるCO2 年を基準として、森林等によるCO2の吸収・ CO2の吸収・固定量を約 の吸収・固定量を約8 固定量を約8倍とする。町内のCO2 とする。町内のCO2 排出量は、 排出量は、 庁舎や公共施設に地熱等を活用した熱供給を実施するなどの省エネ化、公用車等のEV 庁舎や公共施設に地熱等を活用した熱供給を実施するなどの省エネ化、公用車等のEV化をはじ EV化をはじ めとする交通手段の改革を図り、約25 めとする交通手段の改革を図り、約25% 25%の削減を 削減を目指す。 目指す。 ▼地域 地域エネルギー創出 地域エネルギー創出モデル エネルギー創出モデル: モデル エネルギー研究・交流拠点を設置し、エネルギー活用(地熱・小水力・太陽光・木質バイオマスな ど)による事業の可能性を検証したうえで、発電事業や地熱を活用した熱供給システム導入に取組 み、冬季の燃料を節減しCO2の大幅な削減を目指す。 ▼低炭素型 低炭素型農林業活性化 低炭素型農林業活性化モデル 農林業活性化モデル: モデル 森林(もり)のエネルギーを活用したこの取組みは、J-クレジットをはじめ、地熱を使った木材乾燥施 設をさらに整備することでカーボンニュートラル材の増産及び販路拡大を行う。さらに森林を守りな がら活用するため、カスケード活用として木質バイオマス利用や「木育」に取組む。また、地熱エネ ルギーを活用した農林産物の栽培生産施設を整備していくことで小国ブランドを開発する。これら の取組みにより、森林が持つCO2吸収・固定機能を向上させる。 ▼コミュニティ活用型 コミュニティ活用型CO2 コミュニティ活用型CO2排出 CO2排出削減 排出削減モデル 削減モデル: モデル 家庭部門と運輸部門のCO2排出量に重点を置き、町公用車及び公共交通のひとつである乗合タ クシーをEV化し、普及促進及び利用拡大を図る。また、燃費マネージャーを導入するなど燃料の節 減にも取組む。最終的には町民にとって身近な軽トラックのEV化により運輸部門の大幅なCO2削減 を行っていく。また、地域コミュニティ単位による排出量の把握と削減活動を行い、町内でのCO2削 減活動が活発化することで家庭部門の大幅なCO2削減を図る。 ◆ 長期的目標(2050 長期的目標(2050年 2050年) 森林等によるCO2 森林等によるCO2の吸収・ CO2の吸収・固定量を約 の吸収・固定量を約10 固定量を約10倍 10倍として、家庭 として、家庭部門と運輸部門を中心に、 、家庭部門と運輸部門を中心に、CO2 部門と運輸部門を中心に、CO2排出量を CO2排出量を 約40% 40%削減し、 削減し、CO2排出量を森林等吸収量で全て相殺する CO2排出量を森林等吸収量で全て相殺する「ゼロカーボンのまち」を 排出量を森林等吸収量で全て相殺する「ゼロカーボンのまち」を目指す。 「ゼロカーボンのまち」を目指す。 具体的には、2030年までの事業である熱供給事業、家庭でのCO2排出削減の取り組み、熱供給 と併せた公共施設の省エネ化、EV急速充電施設の自然エネルギーの活用、エコカーの推進の事 業を加速化させることにより、大幅なCO2削減を行う。 これと同時に、森林整備の充実と小国町森林組合の受託率の向上により、森林が持つ吸収・固定 機能を最大限に発揮させ、CO2排出量を森林吸収量で全てオフセットする「ゼロカーボンのまち」 「ゼロカーボンのまち」を 「ゼロカーボンのまち」 目指す。 小国町環境モデル都市提案書(様式2) 地熱とバイオマスを活かした農林業タウン構想 小国町 北九州・横浜など 九州の森林クレジット 都市部 地熱温泉熱等 地熱活用(発電・熱供給) 小国カーボンニュートラル材 エネルギー研究・ 交流拠点開設 J-VERに よる排出 CO2相殺 J-VER 連携による J-VER活用 農林業・エネル ギーの活用研究 生産井戸 発電所 小国杉ブランド木材 co2 温泉廃湯 還元井 【林業活性化】 林業活性化】 熱水造成・配湯施設 地熱木材 乾燥施設 バイオマスの活用 低炭素型次世代森林経営 低炭素型次世代森林経営 企業協働 木材のカスケード利用 還元 薪ストーブ等 の普及 木育 木になる紙 木のおもちゃ 商品の開発・製品化 住民・民間 企業へ普及 【農業活性化】 農業活性化】 小学校廃校跡地を 活用した交流・研究 所を開設 体験・交流 資金提供 地熱農業施設 低炭素な有機肥料 公共施設への熱供給 EV車普及 公共施設に熱供給システム を導入するとともに、太陽光 等の自然エネルギーを活用 し、EV車を町内へ普及啓発 することにより、化石燃料の 使用を低減し、CO2の排出 量を大幅に削減する。 循環型農業の推進 町民体育館 EV普及 役場 CATV CATVによる 啓発 公共施設 病院 道路(融雪) BDF事業の拡大 食品残さの堆肥化 ※BDF活用 食品残さ収集 ※EV活用 エココミ活動 地域コミュニティによる エコ活動 民間企業 事業展開 廃油回収 家庭へ普及 一般家庭 地産地消の推進 規模 拡大 学校 小国杉の家普及 民間企業・家庭 ※木の大切さを認識 低炭素で活力の ある“まち” 地熱活用農業の展開 良質な木材 C級木材 安全で質のよい野菜 乳製品など 農産物を地元直売所で販売 【自然エネルギーの活用】 】 自然エネルギーの活用 地熱による熱供給の可能性等を研究 バイオマス可能性研究 森林の適正管理 ※間伐促進 農林産物等の新 たな価値の創出 交換用水 直売所規模拡大 ※地産地消 【住民活動】 住民活動】 住民運動による河川浄化 住民運動による河川浄化 婦人会活動 微生物活性 河川の浄化 都市部の飲料水 酵素使用 ※下流域へ広める ※安心して飲める水 環境モデル都市・行程表 様式3 ~取組と評価指標・数値目標(KPI)~ 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度~ KPI ■地熱とバイオマスを活かした農林業タウン構想■ Ⅰ.地域エネルギー創出モデルの構築 ●エネルギー研究・交流拠点の整備 施設整備 施設整備、運用に関する調査・計画 研究開始 ●木質バイオマスボイラー導入 調査・基本設計 実施協議 設備導入 運用開始 ●バイナリー発電 基本設計・調査 温泉発電施設導入 運用開始 Ⅱ.低炭素型農林業活性化モデルの構築 低炭素型農林業活性化モデルの構築 ●九州の森林クレジット 事業の見直し・制度 設計 クレジットの活用推進 クレジット活用の新たな展開 ●小国カーボンニュートラル材 ゼロカーボン材供給 北九州市城野地区へ供給開始・事業展開 地熱木材乾燥施設 の増設検討・設計 乾燥施設増設 ●低炭素型次世代森林経営 木質バイオマスの排出削減クレジット創出 チップ材供給 ●循環型農業の推進(食品残さの活用) 循環型農業検証 モデル集落選定 集落拡大 Ⅲ.コミュニティ活用型CO2排出削減モデルの構築 排出削減モデルの構築 コミュニティ活用型 ●エココミ活動 制度設計 モデル集落で実証 制度見直し・他の地区へ普及 ●コミュニティ削減モデルのPR 啓発番組の作成・放送 ●EV車の導入推進 公用車・タクシーへの導 入【10年継続) 補助制度の設計 EV購入補助開始・住民への普及 集落拡大 ■熱供給によるエネルギー消費 削減 【0→2030年に公共施設6か所、 一般家庭202世帯】 (温室効果ガス削減2020年624t) ■重油利用量(バイオマスボイラー) 【現状11,092ℓ→0ℓ】 (温室効果ガス削減178.6t-co2) ■発電量(バイナリー発電2箇所) 【現状0→165,050kwh】 (温室効果ガス削減167t-co2) ■J-クレジット活用によるCO2の オフセット 【オフセット:638t→1,664t】 ■森林固定量(カーボンニュートラル材) 【現状2,000㎥→ 5,500㎥ 】 (森林吸収固定量2,015t-co2) ■排出削減クレジット創出 【現状0t-CO2→178.6t-CO2】 ■家庭ゴミ削減(生ごみ) 【5年間で5%削減】 (温室効果ガス削減10.7t-co2) ■世帯当たりのCO2排出量 【各年2%削減】 (温室効果ガス削減297.8t-co2) ■世帯当たりのCO2排出量 【エココミ活動を加速化】 (削減量:エココミ活動に含む) ■エコカーへの転換 【5台→15台】 (温室効果ガス削減9t-co2)