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研修の記録
熊本県宇城・上益城地区県立学校 東日本大震災被災地交流研修の記録 1日目:平成26年8月20日(水) 宿泊:ホテルコーラス福島 熊本交通センター集合・出発(7:30)(益城 IC ~太宰府 IC) 福岡空港着(9:40) 出発式(福岡空港)(10:00) 福岡空港発(11:15 SKY882 便) 【昼食は機内で弁当】 仙台空港着(13:10) 仙台空港発(13:30 バスにて移動) 国道 6 号線 相馬共同火力発電所内わくわくランド多目的ホール(14:30) 原釜・尾浜海水浴場 相馬市東日本大震災慰霊碑前で体験談を聴く(15:20) 松川浦漁港を見学(16:00) ホテル着(17:10) 夕食(18:00)【ホテルにて】 ○熊本交通センター集合・出発 あいにくの小雨の中、保護者、高校の先生、JTB 酒井様のお 見送りを受け予定時刻より早い 7 時 40 分に出発した。 ○福岡空港にて出発式を行った。紫藤団長挨拶、生徒代表挨拶(松橋高校 太田黒さん)、諸 連絡(山口教諭、JTB 空閑様) ○仙台空港に到着(13:10) 現地の天候は晴れ、最高気温33度。 バスで相馬市まで移動。(メール観光 運転手:武田様 ガイド:柳沼様) ○相馬共同火力発電所 わくわくランド多目的ホールにおいて、「東日本大震災における相馬 市の対応」と題し、相馬市観光協会 福島県復興支援員 藤本 様からお話を伺う。 NPO 法人 福島学グローバルネットワーク 事務局長 関根 様もこの場より研修に同行(3 日間) 2011 年(平成 23 年)3 月 11 日 14:46 地震発生、15:53 高さ不明の津波襲来。 震災時の映像等にはあらためて衝撃を受けた。また、その後の対応、仮設住宅、がれきの中 間処理、原発事故による避難の動き、放射線への対応、除染活動、農地の復旧、農業の復興、 漁港の復旧、水産業復興、災害公営住宅の建設など、復興への道のり等々を聴いた。 ○車窓見学 相馬市観光協会 福島県復興支援員 井島 様のお話を伺いながらバスで移動。福 島映像企画の企画制作部長 早水 様らも、映像取材のため同乗。(後日 DVD に編集、制作 される) ○原釜・尾浜海水浴場の相馬市東日本大震災慰霊碑前の到着。 相馬市東日本大震災慰霊碑を前に、生徒が一人一人、犠牲者を悼み、合掌し黙とうを捧げた。 ○被災の体験について、五十嵐 様から、ご主人と叔父様を亡くされた時の様子をお聴きした。 当時の様子を生々しく、その現場を示しながら説明してくださり、震災のすさまじさ、臨場 感高まる体験談で、再度、衝撃を受けた。その後、生徒たちは熱心に五十嵐さんに質問をし ていた。 ○松川浦漁港や松川浦大橋付近をバスで見学。井島様の案内で、多目的ホールでみた DVD の 様子を現地で確認することができ、津波の規模の大きさ(高さ、広さ、強さ)を痛感した。 ○1日目の研修を終え、宿泊地であるホテルに到着、ホテルでの夕食、その後は、各自研修の 整理や各学校の宿題に取り組んだ。到着後、宇土高校飯田教頭に無事到着を報告した。 出発式(福岡空港) 「東日本大震災における相馬市の対応」 (藤本 様) -1- 車窓から(井島 様) 慰霊碑前で合掌(原釜・尾浜海水浴場) 熱心に質問する生徒たち 体験談(五十嵐 様) 体験談(五十嵐 様) 車窓から見学(松川浦大橋付近) 2日目:平成26年8月21日(木) 国道6号線の看板 宿泊:ホテルコーラス福島 起床(6:30) 朝食(6:45 ~)【ホテルにて バイキング方式】 ホテル発(8:30 バスにて移動) 相馬市社会福祉協議会《はまなす館・スマイルセンター》(8:45) 【昼食はバスにて弁当】 福島県立原町高等学校訪問(13:10) 南相馬市小高地区を車窓見学(16:20) 夕食【旭亭にて】(18:30) ホテル着(19:30) ○ 6:30 起床。天候は晴れ、最高気温は34度。 朝食は各自の時間にあわせてバイキング方式。朝食前に散歩をしている生徒も。 8:25 ホテルロビーに集合し、相馬市社会福祉協議会に向けて 8:30 ホテルを出発。 (運転手:武田様 ガイド:柳沼様) ○相馬市総合福祉センターはまなす館において、「東日本大震災、その時、社協はどのように動 いたか ~相馬市社会福祉協議会の活動から~」と題し、相馬市社会福祉協議会 常務理事兼 事務局長 今野 様からお話を伺った。相馬市の概要、震災による被災の状況、被災後の対応、 避難所での生活、ボランティア活動、復興に向けた被災者・被災地の自立支援、復興へのプロ セス 等々について伺った。その中で、震災当時から現在までの被災地の方々のご苦労や社会 福祉協議会の方々のご尽力を知ることができた。また復興に向けて課題がまだまだあり、生活 支援員の方々が孤独死の防止などに懸命に取り組んでおられることも学んだ。福島映像企画の 早見様らも映像取材のため同行。 ○ 10:00 からは相馬市総合福祉センター内にある就労支援事業所スマイルセンターに場所を移 し、職員の金澤 様から施設概要、事業内容、震災時の対応・取組についてお話を伺った。震 災当時、障がい者の方々が抱えられた課題や周囲の人々がいかに対応すべきか等、改めて知る 課題が多くあった。生徒たちも事業所内の様子を見学したり、当時の様子について熱心を耳を 傾けていた。当初、予定されていた箱折り等の共同ボランティア作業は、作業進行の都合によ り中止となった。 ○相馬市総合福祉センターはまなす館に戻り、社会福祉協議会 今野 様にお礼を述べる。 (生徒代表謝辞 小川工業高校 塚本 君) -2- ○ 11:40 バスにて南相馬市の原町高校へ向けて移動。バスの中で、NPO 法人 福島学グローバル ネットワーク 事務局長 関根 様から、震災から復興に向けてのあゆみや課題を聴く。 大震災における3つの被害は、津波、原発、風評の3つ。風化させないためにも、思いの共有 が大事であることなど、心に響くお話であった。 ○ 13:10 福島県立原町高等学校を訪問。生徒会の生徒たち 15 名に出迎えてもらった。 原町高校は 1 年 4 学級、2 年 4 学級、3 年 5 学級 全校生徒 452 人、普通科の高校。震災前は 700 人を超える生徒数であった。 ・熊本県の紹介 ・宇城・上益城各参加校の紹介 ・原町高校の紹介 原町高校放送部作成 DVD の視聴(東日本大震災が及ぼした影響等々) ・生徒それぞれの自己紹介(名前、趣味、好きな食べ物) ・5名の生徒による震災から現在までの体験談 (網澤 さん・丸山 君・福田 さん・瀧澤 君・中島 君) ・グループディスカッション(3班編成) ・感想発表(松橋高校 太田黒 さん 原町高校 福田 さん ) 原町高校生から震災当時の話を聴き、震災を経験したからこそ課題に向き合おうとする同じ 高校生の姿を見て、生徒たちも刺激を受けた様子であった。また互いに積極的な姿勢でディス カッションする様子も見られ、交流が深められた。 ○旧警戒区域であった小高地区を車窓見学。 南相馬市小高区役所にて小高区役所長 村田 様と 堀川 様にバスに同乗いただく。 村田 様から被害状況や復旧がなかなか進められない状況についてお聴きした。福島映像企画 の早見様らも映像取材のため同乗。 小高地区の惨状を目の当たりにして、地震・津波の被害状況と福島第一原子力発電所の事故 による被災の甚大さに衝撃を受けた。福島第一原子力発電所から 12km 地点の井田川地区で 説明を受ける。工事関係者以外立ち入り禁止区域に特別の許可を得て入れていただいた。 ○「未来への提言 その一 東日本大震災・福島第一原子力発電所事故」(小高復興語り部教本 作成委員会 発行)をいただいた。 ○南相馬市原町校区旭亭にて夕食。 ○2日目の研修を終え、宿泊地であるホテルに到着(19:30)。その後は各自研修の整理や研修最 終日に向けた準備に取り組んだ。盛り沢山の充実した 1 日だった。 「東日本大震災、その時、 社協はどう動いたか」 (相馬市社協 今野 様) 車窓から 説明 (関根 様) 震災時の取組と復興にむけて (スマイルセンター 金澤 様) 謝辞(小川工業高校 塚本 君) 原町高校との交流会 各学校紹介 (熊本の紹介 宇土高校 田中 君)(御船高校 佐々木 君 他) -3- 原町高校放送部作成 DVD の視聴 グループディスカッション (B班) 生徒交流会(原町高校) 体験談 原町高校 瀧澤君 グループディスカッション (C班) 小高区役所長(村田 様) 車窓から 熱心に記録をとる (小高地区 決壊したままの堤防) -4- グループディスカッション (A班) 感想発表 (松橋高校 太田黒さん) 車窓から(南相馬市小高地区) 井田川地区で説明 (村田 様) 3日目:平成26年8月22日(金) 宿泊:ホテルコーラス福島 起床(6:30) 朝食(6:45)【ホテルにてバイキング方式】 ホテル発(8:30 バスにて移動) 相馬港湾見学《相馬港・松川浦大橋付近・松川浦漁港海岸工事現場・松川浦漁港》(9:00) 相馬共同火力発電所内わくわくランド多目的ホール(10:30) 相馬共同火力発電新地発電所見学(11:00) 相馬共同火力発電所発(12:20 バスにて移動)国道6号線 昼食【田園 山元店にて(宮城県亘理郡山元町)】(12:40) 仙台空港着(13:55) 仙台空港発(15:45 SKY885 便) 福岡空港着(17:50) 解散式(福岡空港)(18:20) 福岡空港発(18:30 バスにて移動 福岡 IC ~熊本 IC) 熊本交通センター着・解散(20:30) ○ 6:30 起床。天候は曇り、最高気温は32度。 8:25 ホテルロビーに集合し、相馬港湾に向けて 8:30 ホテルを出発。 (運転手:武田様 ガイド:柳沼様) ○原釜・尾浜海水浴場にて福島県相馬港湾建設事務所の木下様、山口様、矢澤様と合流。バスに て現場へ向かう。 ○松川浦漁港海岸工事現場にて、福島県相馬港湾建設事務所 企画管理課長 木下 様、建設課 主任主査 山口 様、企画管理課 主任主査 矢沢 様より「東日本大震災と港の復旧・復興」 について、現在復旧工事が行われている各現場にバスで向かい、お話を伺う。震災前、震災後 の港湾や道路の状況の比較、復旧工事の進捗状況、港湾整備の計画等について聴いた。 十二本松地区で、復旧工事の様子を見る中で、震災の爪痕がいかに大きかったかを改めて感じ た。また復旧・復興に向けて全国から支援が行われていることも知った。生徒たちも木下様・ 山口様の説明に熱心に耳を傾け、様子をカメラに収めたり、積極的に質問していた。 (生徒代表謝辞 甲佐高校 中隺 さん) ○相馬共同火力発電所内わくわくランド多目的ホールにおいて「東日本大震災による新地発電所 の被害状況および復旧状況」と題し、管理部 副部長 荒 様からお話を伺う。 発電所の事業内容、震災による発電所の損傷、発電所内におられた方々の避難、震災後の対応、 復旧の状況等々を聴いた。(主任 泉田 様) 震災時に発電所内で撮影された映像を見て、再度規模の大きさに衝撃を受けた。震災時発電所 内におられた 1000 人の方々への避難誘導、震災直後の対応、また、津波で流された荒 様の 「鞄」を拝見し、当時の混乱した状況やすべてが津波に流されてしまった被災者の方々の状況 に胸が痛んだ。 ○相馬共同火力発電所内見学。構内を案内していただき、業務の様子・施設・設備を見学させて いただいた。震災直後、約 1000 人が避難したタービン内の様子等を拝見し、職員の方々が人 命救助、ライフラインの確保に尽力されたことを伺った。2011 年(平成 23 年)6 月に外部か ら電力をもらい本格的に復旧工事に取り組み、12 月に 2 号機運転再開、平成 24 年 3 月 20 日 には、1・2 号機とも石炭のみによる定格出力(100 万 kW2 基)200 万 kW の発電を達成、それ までの道のりを伺った。 (生徒代表謝辞 宇土高校 大田黒 さん) ○宮城県亘理郡山元町 田園 山元店にて昼食。この研修を企画し、3日間同行していただいた NPO 法人 福島学グローバルネットワーク 事務局長 関根 様に謝辞 (生徒代表 御船高校 佐々木 君) ○バスにて仙台空港へ向かい、予定どおり、福岡空港行きの飛行機に搭乗。 ○福岡空港にて解散式。紫藤団長挨拶、生徒代表挨拶(松橋高校 太田黒 さん)、 諸連絡(山口教諭、JTB 空閑様) ○熊本交通センターに 20 時 30 分到着、解散。 ○宇土高校 竹下校長へ到着を報告。(20:30) -5- 相馬湾見学(木下 様) 松川大洲海岸見学(山口 様) 謝辞 相馬湾にて (甲佐高校 中隺さん) 松川浦大橋 熱心にメモを取る 相馬湾 車窓から (相馬港湾建設事務所の方々と)(除染廃棄物の中間処理場) 相馬共同火力発電所(荒 様) 相馬共同火力発電所 タービン(当時ここに避難) 相馬共同火力発電所 中央制御室 -6- 大震災を乗り越えた「鞄」 謝辞(宇土高校 大田黒さん) 相馬共同火力発電所で記念写真 (荒様と) メール観光 (武田様 柳沼様) 謝辞 関根様へ (御船高校 佐々木 君) 解散式(福岡空港) (松橋高校 太田黒さん挨拶) 福島学グローバルネットワーク (事務局長 関根 様) 交通センター着 まとめ 福島県相馬市および南相馬市における東日本大震災被災地交流研修に参加し、生徒たちは、様 々な事情のもと、いまだ被災地の復旧・復興が進んでいない状況を目の当たりにし、とても衝撃 を受けた様子であった。しかしそのような中、相馬市・南相馬市の方々はふるさとを復興させよ うと強い使命感を持って前向きに取り組まれる姿があった。また、同世代の原町高校の生徒さん からの体験談を聴き、グループディスカッションをとおして、生々しい当時の様子や、困難を乗 り越え、前に進もうとする強さや明るさを感じたようであった。原町高校の生徒さんの「自立」 した姿から学ぶものは多かった。研修の中で、生徒たちは「今の福島を一番知っているのは私た ちである。福島の現状を熊本で伝えるとともに、風評被害の防止や自分たちの防災について真剣 に考えなければならない。」、「これから自分たちにできることは何かを考え、実際に行動に移し ていきたい。」、「私たちが当たり前に生活していることが当たり前にできない辛さがある中で、 一生懸命生きていらっしゃる方々に実際に触れ、今の生活を大切に生きなければいけないと思っ た。」・・・と感想を述べ、東日本大震災後の現状から学び取ったことを伝えよう、行動を起こ そうという意識が高まるとともに、今後の防災に向き合う姿勢を持つことができたと思う。 今回の研修は生徒たちにとって大変充実し、有意義な研修であったと確信する。本研修は、平 成25年3月、宇土中・宇土高校の生徒会12名(内 職員2名)が訪問、平成25年8月に宇城・上益城地 区県立学校9校19名(内 職員7名)が訪問した研修を引き継いだものである。今後、福島で学ん だことを各学校や地域で還元し、東北の復興支援や自分たちの防災意識の高揚を目指して取り組 んでいきたい。 最後に、今回の研修で講師を務めていただいたたくさんの関係者の皆様、交流会を開催してい ただきました福島県立原町高校松岡浩三校長先生をはじめ生徒の皆様、本研修を企画していただ いたJTBの皆様、私たちを派遣いただいた宇城・上益城地区県立学校の校長先生をはじめ関係の 方々に深く感謝を申し上げます。 -7-