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湯 前 町

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湯 前 町
ゆ
の
ま
え
ま
ち
湯 前 町
●人口 4,173 人(H27.7 月末現在)、高齢化率 39.9%
●面積 48.37 平方キロメートル
●主な産業 農業(米・いちご・ぶどう・畜産・花き)、林業
●特産品 下村婦人会の市房漬、球磨焼酎など
1 湯前町について
湯前町は球磨盆地の東端に位置し、東は宮崎県児湯
郡西米良村と九州山脈で接し、わずか 48 平方キロメ
ートルの中に、4,200 人が生活する典型的な中山間
地、過疎の町です。
多くの地方自治体と同じように、湯前町における少
子高齢化の進行も顕著であり、高齢化率は40%近く、
小中学校は通常クラスをぎりぎりで保っているよう
な状況です。
しかしながら、人口密度は 90 人/平方 km であり、
さらには町の中心となる役場から、最も遠い集落でも
15 分、ほとんどの集落は 10 分程度で駆けつけるこ
湯前町の位置
とができ(車利用の場合)、大きな病院やショッピングモールはないものの、医
院、スーパーもあり、天然のコンパクトシティといえる生活環境であり、この
天然コンパクトシティのなかで、昔ながらの隣近所コミュニティが残っている
日常生活を営むことができる町です。
また、最近では日本遺産に「相良 700 年が生んだ保守と進取の文化 ~日本
でもっとも豊かな隠れ里—人吉球磨~」として登録され、自然豊かでとても暮
らしやすい町として脚光を浴びています。
2
湯前町の特産品
日本三大急流でもある球磨川と人吉球磨盆地の肥沃な土壌の恩恵を受け、湯
前町では、昔からおいしいお米がたくさん収穫され、そのお米から米焼酎(球
磨焼酎)が生産されており、町内には2つの焼酎蔵元があります。
また、終戦後に主にお母さん達が中心となって、余った野菜を漬物にして販
売した、六次産業化の先駆けともいえる下村婦人会の市房漬等の特産品があり
ます。
潮神
近年では“いちご”や“ぶどう”等の栽
社
培が盛んであり、
“いちご祭り(2月)”、
“ぶ
どう祭り(8月)”が開催され、旬の味覚
ICT
地域コミュニティ
を求めて、たくさんの観光客が訪れていま
す。
3
湯前町の特徴あるコンテンツ
湯前町を特徴づけるコンテンツは、「人
とともに歩み、寄り添い、活きる里」とし
て、生まれる前から死んだあとまで人の一
生をサポートするようなコンテンツとな
っています。
湯前
神社
仏閣
湯楽
里
湯前
駅
風刺
漫画
① 潮神社(うしおじんじゃ) ⇒ 子宝、安産
湯前町のコンテンツ
潮神社は別名おっぱい神社ともいわれ、おっぱいをかたどったお供え物
に願い事を書いて奉納すると、子宝、安産、母乳の出がよくなるといったご
利益があると言われています。現在における少子化対策のシンボルともいえ
ます。
潮神社の外観
おっぱい型の供え物
市房
漬
② 市房漬(いちふさづけ:下村婦人会) ⇒ 母の愛
市房漬は戦後の貧困期に地域のお母さん達が、少しでも薬代や学費の足
しに出来ればと、余った野菜を漬物にし、行商したのがはじまりです。
今でいう6次産業化の先駆けであり、お母さん達の子供の成長を願う思
い(母性愛)が込められたソウルフードです。
昔の作業風景
市房漬
現在の作業風景
③ 湯前駅・くま川鉄道(始発駅、終着駅) ⇒ 旅立ち、帰郷
湯前駅はくま川鉄道の駅舎で、国の登録有形文化財に登録されています。
観光客にとっては終着駅であると同時に、町民にとっては始発駅となります。
戦後は多くの子供達がこの駅から、都市部へと巣立って行きました。現
在も子供や、高齢者の重要な交通機関として、町の玄関となっています。
JR 九州の“ななつ星”のデザイナーである水戸岡鋭治氏が手掛けた観光
列車“田園シンフォニー”も毎日乗り入れしています。
湯
前
駅
イベント開催
④ 風刺漫画(世情) ⇒ 生活、人生
政治風刺漫画の大家、那須良輔先生の生誕地として、20 数年前から風刺
漫画による町おこしに取り組んできました。今でこそ、日本が世界に誇るサ
ブカルチャーの漫画を 20 数年前から町おこしに活用してきた湯前町は、い
ま、真の漫画の町として、子供教育や日常生活に漫画を利活用する活動に取
り組んでいます。
湯前まんが美術館
那須先生
風刺漫画大賞モニュメント
⑤ 湯楽里(ゆらり:温泉) ⇒ やすらぎ、休息、健康
湯楽里は山間部では珍しい、潮湯(塩)の温泉です。これは隣接する潮
神社と大きく関係していると思われます。
数年前からピンクリボン運動(乳ガン啓発)に取り組み、福祉観光によ
る活性化を模索しているところです。
ゆのまえ温泉
湯楽里
露天風呂
客
室
⑥ 神社仏閣(城泉寺、里宮神社等) ⇒ 余生、黄泉の国
湯前町は県内最古の木造建築物と言われる城泉寺など古い神社仏閣が多
く存在します。これは大きな争乱も無く、粛々と人間の営みがとぎれること
なく続いてきた、いかに住みよい地域かということの証です。現在、この歴
史の生き証人達にスポットライトを当てる活動に取り組んでいます
城泉寺
城泉寺
木造阿弥陀如来像
⑦ ICT(光ファイバケーブル) ⇒ 道具
情報の過疎化だけにはなりたくないという想いから平成 22 年度に光フ
ァイバ等の情報基盤整備に取り組み、音声告知端末等を活用し、住民の生活
レベルの向上に効果を上げています。今後は地域振興、少子高齢化等、町が
抱える諸課題を解決すべくICTの利活用推進に取り組んでいます。
特に地域コミュニティ形成を推進し、今後のまちづくりの継続的な推進
力になるように取り組みます。
音声告知端末
タブレット体験会
オンラインまんが授業
4
湯前町の取り組みと地域おこし協力隊
湯前では町出身の政治風刺漫画家故・ 那須良輔氏の偉業を保存・展示する
館として開館された湯前まんが美術館(那須良輔記念館)を軸に、鎌倉時代
から残る文化財や、全国でも珍しいおっぱい型のつくり物を奉納する「潮(う
しお)神社」、湯前町が始発(終着)駅となる「くま川鉄道」等で地域振興に
取り組んでいます。
一方で、今では地域興しのキーワードとなっている 6 次産業の先駆けとも
いえる下村婦人会の市房漬(漬物)があります。これは戦後間もないころ、
町内のお母さん達が余った野菜を漬物に加工して販売したことから始まった
もので、その取り組みと商品開発力が高く評価され全国から視察が訪れるよ
うになっています。
湯前町では、この先人達が残してくれたかけがえのない財産を子ども達、
孫達に受け継いでいくために、地域創生の根本は地域コミュニティの活性化
という認識のもと、町内に24箇所ある公民分館を軸とした地域コミュニテ
ィを形成し、このコミュニティが継続的なまちづくりの原動力、推進力とな
るよう様々な取り組みを展開していく予定です。
そこで、この公民分館コミュニティ形成の取り組みからはじまる地域創生、
まちづくりの中核的存在になるような、意欲ある人材として、
「地域おこし協
力隊」を募集しています。
地域おこし活動に意欲のある方、湯前町の取り組みに興味を持っていただ
いた方、地域の伝統・文化等に興味のある方、将来町内に定住し、起業・就
業する思いを持った方などの応募をお待ちしております。湯前町出身の方も
大歓迎です。
【
協力をお願いしたい活動
】
① 高齢者福祉に係わる支援(健康増進、買い物、見守り等)
湯前町では継続的な地域振興、まちづくりの原動力、推進力となるのは、
地域の人であり、地域コミュニティであるという認識から、公民分館を軸と
して地域コミュニティの活性化に取り組んでいます。
例えば公民分館に体重計、血圧計を設置し、地域住民(主にシニア)が定
期的に通所し、体組成測定、タブレットでデータ登録することで、健康増進
とその意識向上を図ったり、公民分館に通所することで健康増進に加え地域
コミュニティが形成されることを目指し、実証試験に取り組んでいます。
また、従来から実施している健康教室に加え、タブレットを使った認知症
予防プログラムを実施していくことにしています。
高齢者を“好きな事に励む者
気なシニアの町を目指します。
=
好励者(こうれいしゃ)”と表現して元
高齢者向けサービス
【隊員の仕事】
・上記高齢者向けサービス実証試験の支援
・高齢者認知症予防プログラムの開発支援(スキル習得)、実施
・配食サービスや見守りサービス等の高齢者向けサービスの検討、実施
② ICT利活用推進(地域情報発信等)に係わる支援
湯前町は観光拠点に誰もが無料で利用できる公衆無線 LAN 環境を整備す
る予定です。また、合わせて湯前町の情報を統合的に発信する統合ポータル
サイトや空き家情報サイトを構築することにしています。
これら整備された情報通信基盤を活用して、地域住民が地域の情報を、い
つでも、どこでも、気軽に発信できるようになるために、地域情報発信能力
向上講座を実施する予定です。スマホやタブレット、Facebook 等の SNS
を活用して、積極的に地域情報発信に取り組みます。
【隊員の仕事】
・上記講座への参加及び支援(情報発信スキルの習得)
・イベントや日常の営み、季節の移ろい等の地域情報を積極的に発信
・講座カリキュラムの検討と講座運営等
地域情報発信のイメージ
③ 地域行事、イベント(企画立案、運営、活動)に係る支援
湯前町では、漫画フェスタ、おっぱい祭り、ぶどう祭り等、年間を通じて
多彩なイベントを開催しています。このイベントを更に活気のあるイベント
にできるように、外部人材の活用に取り組んでおり、その一環として“ゆの
まえ大学オープンスクール”として九州内の大学生が色々な形でイベントに
参画しています。イベント関係者や大学生と一緒に、町のイベントにたくさ
んの町外の方々が足を運んで参加していただけるような取り組みにチャレン
ジしています。
漫画フェスタ
ぶどう祭り
観月祭キャンドルナイト
(学生提案)
【隊員の仕事】
・湯前町が推進する「まんがのまちづくり」事業に関わるイベントの企
画、運営等の支援
・各種イベントの企画、運営等の支援
・上記イベントの映像配信、映像コンテンツ化等
④ 湯前町の広報活動(広報誌発行、ホームページ制作等)に係る支援
湯前町では、広報誌を1回/月、旬報を2回/月のペースで発行し、住民
への情報提供に努めています。特に広報誌については2年連続で県のグラン
プリに輝くなど、町内外から高く評価されています。
ホームページについては担当部署で更新作業を行い、更なる情報発信の充
実を目指し、統合ポータルサイトや空き家情報サイトの構築にも取り組んで
います。
また、このほかにも、全戸に設置してある音声告知端末や、町内2箇所に
設置してある電光掲示板での情報提供等も実施しています。
同日にイベント開催が重なると、取材(特に写真撮影)が十分に出来ない
等、ホームページ等の更新が滞る等の課題がありますが、町外からの観光客
獲得のために、今後も新聞、雑誌、ラジオ、テレビ等のメディアの活用も合
わせて、情報発信に積極的に取り組んでいくことにしています。
【隊員の仕事】
・広報誌、旬報の製作にあたって、写真撮影、記事制作等の支援
・音声告知端末、電光掲示板への登録等
・ホームページの更新作業や統合ポータサイトへの投稿等
広報誌
町のホームページ
電光掲示板
⑤ 湯前町の空き家利活用推進に係る支援
湯前町にはおよそ 180 件の空き家があり、この空き家を利活用した移住・
定住の促進に取り組んでいます。
今年度は、移住・定住希望者へ空き家情報等を提供する空き家情報サイト
の構築に取り組んでいます。このサイトには空き家情報だけでなく、移住・
定住希望者に湯前町を知っていただくために町のイベント情報も掲載し、移
住・定住者、希望者の情報交換の場、交流サイトになることを目指します。
また、空き家をまんがの先生の別荘として活用し、まんがの町ゆのまえを
アピールすることにも取り組んでいきます。
【隊員の仕事】
・空き家情報収集から情報サイトへの掲載
・移住定住に伴う入居希望者の対応等
・移住定住者のサポート等
・まんが家別荘、空き家カフェの運営等、空き家利活用に関する取り組み
空き家利活用のイメージ
⑥ ふるさと納税の推進に係る支援
湯前町では、従来から関東ふるさと会や、関西ふるさと会で町出身者との
交流を図ってきたことにより、ふるさと納税制度が導入される前から、町出
身者からの寄付金が多数ありました。
ふるさと納税制度を、今後のまちづくりに大いに活用するために、ふるさ
と納税ポータルサイトの構築や、特産品開発を進めてまいります。
【隊員の仕事】
・ふるさと納税に係わる事業運営支援
・ふるさと納税に係わる情報発信や特産品開発等
・ふるさと納税ポータルや特産品ショッピングサイトの構築運営等
⑦ 湯前町 ICT 利活用推進協議会が取り組む事業に係る支援
湯前町では、構築した情報通信基盤を有効活用し、住民の生活レベル向上
を目指して、湯前町 ICT 利活用推進協議会を設置し、住民の ICT 利活用推進
に取り組んでいます。
【隊員の仕事】
・協議会の事務局として、協議会が推進する事業(公衆無線 LAN 構築、
オープンスクール等)の支援
・公民分館でのタブレット講座の企画運営等
・ネットカフェの企画運営支援
地域おこし協力隊の方々には、役場の非常勤職員として29時間/週、上記の
の地域おこし、町づくりの業務に携わっていただきながら、定住のための起業、
就農等にも取り組んでいただくことになります。
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