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海外文献集録 - 映像情報メディア学会
海外文献集録 Copyright(C) 2006 The Institute of Image Information and Television Engineers. All Rights Reserved. Applied Physics Letters (Vol.88 No.17 24 Apr. 2006) 2006-073 垂直磁気異方性ナノデバイスのスピントランスファ H. Meng, et al. Spin Transfer in Nanomagnetic Devices with Perpendicular Anisotropy #172506pp.1-3 垂直磁気異方性をもつナノ磁性体によるスピントロニクス用デバ イスは, 面内磁気異方性のものに比べて高密度化に伴う熱安定性 の点で有利と考えられる. 本論文では,CoFe/Pt 多層膜を用いた CPP-GMR 素子の磁化反転特性について検討した. 磁気抵抗変 化率 0.47%, 磁化反転電流 1.0 × 108 A が得られたが, この特性 は C oFe/Pt 多層膜の垂直異方性磁界 Hk に対する減磁界 Hd の 比に影響して変化する. Applied Physics Letters (Vol.88 No.24 12 June 2006) 2006-074 ZnO 系紫外発光ダイオード Y. Ryu, et al. Next Generation of Oxide Photonic Devices: ZnO-based Ultraviolet Light Emitting Diodes #241108pp.13 量子井戸活性層,n 型 ZnO/BeZnO 層,p 型 ZnO/BeZnO 層 から構成される ZnO 系紫外発光ダイオードを作製し,その電気 的特性及び光学的特性を評価した.発光ダイオードから 360nm から 390nm の紫外領域に 2 つの主発光ピークと,550nm に幅 広い発光ピークを観測した. IEE Electronics Letters (Vol.42 No.12 June 2006) 2006-075 最近傍ラインを利用したノンパラメトリック判別分 析 Y.-J. Zheng, et al. Nearest Neighbour Line Nonparametric Discriminant Analysis for Feature Extraction pp.17-18 本稿は,最近傍ラインを利用した画像の特徴量を提案する.クラ ス間の点と点の距離を利用する従来法では,複数のクラスが重な り合うと判別が困難だった.提案法では最近傍の 2 点を結ぶラ インと点との距離を利用する.顔判別による実験では,主成分分 析や判別分析など,どの識別器でも従来法より精度が向上するこ とを確認した. 2006-076 MIXMAX 近似と非線形最小二乗推定 M. H. Radfar, et al. Nonlinear Minimum Mean Square Error Estimator for Mixture-maximisation Approximation pp.7576 本稿は,音声処理で用いられる Mixture-maximisation (MIXMAX) 近似が非線形最小二乗法と等価であることの証明を与え る.2 つの音が混在したモデルにおいて,それぞれの方法で最適 な予測値を導出し一致することを示す.5 人の音声の位相を抽出 する実験では,確率密度関数の誤差が一様に小さいことを示す. IEEE Spectrum (Vol.43 No.6 June 2006) 2006-077 ソフトウェア開発業界の過酷な労働実態 Editor Software Development: Game Over? p.10 本稿は,105 億ドル規模のゲーム業界における厳しい労働条件を 報告する.大手の開発メーカである Electronic Arts(EA) 社で は,従業員の家族による blog から長時間労働やサービス残業が 明るみに出たことを受けて,集団訴訟が争われていたが,2006 年 4 月に 1500 万ドル近くの示談に応じている.また,ストック オプションやボーナスを手放す代わりに時間給での雇用形態も用 意した.EA 社だけでなく, Sony Computer Entertainment America 社や Vivendi Universal Games 社でも,この 2 年間 で 6 件の訴訟が起こっており,ソフトウェア開発業界全体の体質 改善が求められていることを記す. 2006-079 動きの分布の局所性を考慮した動きベクトル符号化 Y. H. Moon, et al. A Hybrid Motion-vector Coding Scheme based on an Estimation of the Locality for Motion-vector Difference pp.781-785 MPEG 標準の符号化のように動き補償を利用して動画像を符号 化する方式に利用可能な動きベクトルの符号化方式を提案してい る.特にテレビ電話のように動き量の分布が局所的であるような 場合に好適な符号を提案したことに加え,符号化済みの情報から 動きの分布の局所性を推定して適応的に符号テーブルを切り替え る仕組みを提案している.これらの改良により,従来技術と比較 して動きベクトルの符号量を大幅に削減できることを実験により 確認している. Japanese Journal of Applied Physics (Vol.45 No.6A 8 June 2006) 2006-080 噴霧熱分解法による Gd2 O3 :Eu 作製 H. Y. Koo, et al. Morphology Control of Gd2 O3 :Eu Phosphor Particles with Cubic and Monoclinic Phases Prepared by High-temperature Spray Pyrolysis pp.5018-5022 高温噴霧熱分解法により,Gd2 O3 :Eu 蛍光体を水溶液,重合前 駆体溶液,コロイド溶液から作製した.ナノシリカを加えたコロ イド溶液により,立方晶の球状粒子で,高い発光強度を有する蛍 光体粒子を作製できた.コロイド溶液を用いた噴霧熱分解法によ り,高い発光特性,制御された粒子形状を有する蛍光体粒子を作 製できる可能性を示した. Nature Materials (Vol.5 No.5 May 2006) 2006-081 超高密度相変化ストレージ H. F. Hamann, et al. Ultra-high-density Phase-change Storage and Memory pp.383-387 単一ヒータにより,Read/Write/Erase が可能な超高密度相変化 記録を提案する. 相変化媒体にはカルコゲニド膜を用い, 薄膜 ヒータを備えた AFM 探針による相変化記録実験を行った. ま た, 実用的な代案として 50 nm 領域を加熱することができる薄 膜抵抗ナノヒータを試作し, その特性を評価した. その結果,100 MHz- Read/Write,10 MHz-Erase,10 mW 以下で動作する 3.3 Tb/inch2 級のストレージが実現できることを確認した. Pattern Recognition (Vol.39 No.9 Sep. 2006) 2006-082 動きの特性の系統的変動による手話理解 S.C.W. Ong, et al. Understanding Gestures with Systematic Variations in Movement Dynamics pp.1633-1648 北米で普及している手話 ASL(American Sign Language) の認 識において, 動きの速度変化などによる意味の変化を考慮した結 果を得る方法の提案. ビデオ映像から動きの速度などを抽出し, 隠れマルコフモデルを利用して 6 つの動きの特徴を得て, その変 動をベイズネットワークを用いて認識する. 6 つの語と 5 種の 変化からの 20 の身振りを 8 人の被験者で実験の結果した結果, 85%の精度であった. 2006-083 対応点探索によらないステレオ動画像の解析 J.-H. Kim, et al. Absolute Motion and Structure from Stereo Image Sequences without Stereo Correspondence and Analysis of Degenerate Cases pp.1649-1661 ステレオ動画像から絶対的な動きと構造を得るアルゴリズムの提 案. ステレオ対応点探索を使わずに, 動きの対応のみで処理する. また, 縮退した状態の解析を行っているシミュレーションと実験 の結果, 良好な結果を得た. 2006-078 水陸両用ロボット Aqua の開発と課題 M. Theberge, et al. Gone Swimmin’ pp.38-43 本稿は,カナダ McGill 大学を中心とした研究チームによって開 発されたロボットである Aqua の実地試験を報告する.Aqua は 幅 50cm,奥行き 65cm,高さ 13cm,重量 18kg の水陸両用ロ ボットであり,アナログカメラとデジタルビデオカメラを搭載し, 珊瑚礁などを観察するのに適している.側面からつきだした 6 枚 のひれを回転させることで,最大 14m の海中を 0.4m/s で航行 し,陸上にあっても前進が可能である.実験では砂上移動や自律 航行を検証したが,発熱の問題や画像処理の不具合など,まだ課 題が残っていることが報告されている. IEEE Transactions on Circuits and Systems for Video Technology (Vol.16 No.6 June 2006) 映像情報メディア学会 Webzine 海外文献集録 2006 年 7 月号 1