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中学校 理科(PDF:683KB)
学校における学力向上の取組 校種 中学校 教科名 理 科 観点・内容 自然現象への関心・意欲・態度 〈調査結果〉 自然現象への関心・意欲・態度において、県平均正答率を 13.4 ポイント上回った。 〈具体的な取組〉 「ICT機器を活用した指導方法の工夫」 生徒の自然現象への関心・意欲・態度を高めるために、積極的にICT機器の活用を 行った。 1 使用したICT機器と配置図 M S ◇パソコン(PC) ◇プロジェクター(P) M P P ◇教材提示装置(K) ◇スクリーン(常設)(S) ◇モニター(M) M M K 2 M 活用場面 (1) 導入での活用 → 独自の資料提示 【ICT機器の配置図】 ICT機器の活用により、学習内容に関するインターネットや新聞などから集めた 最近の情報や身近な話題、映像などを提示することが容易にできる。これによって、 生徒の興味・関心の高揚を図ることができ意欲的な学習につなげることが期待できる。 教科書にある写真や話題に加えて何か新しい情報が生徒にとっては非常に新鮮に目に 映るようである。 (2) 展開での活用 → 効果的なアニメーションや動画の利用 特に今回の実践でICT活用の効果を実感できたのは、独立行政法人科学技術振興 機構が運営するホームページ『理科ねっとわーく』からダウンロードしたアニメーシ ョンや動画を用いたデジタルコンテンツによる映像提示である。生徒は動きのあるも のに非常に興味・関心を示し、集中してその動きを目で追っていたのが印象的であっ た。今回使用したデジタルコンテンツは、「凸レンズのしくみ」、「光の反射・屈折」、 「像のでき方を作図によって調べる」、「音源の振動」、「音の伝わり方」、「ゆれの伝わ り方」、「縦波・横波」などの学習で効果的に使用することができた。 〈取組の成果〉 特に生徒が興味をもって注視するものは動画を含むコンテンツである。今まで、動き のある映像といえば、ビデオの映像くらいであったが、説明のために用いる図がアニメ ーションや動画として見られるのは、生徒にとって非常に新鮮に目に映るようである。 同じような図が教科書にもあるが、それが動くというところに生徒は興味をもつようで ある。 学校における学力向上の取組 校種 中学校 教科名 理科 観点・内容 第2分野 〈調査結果〉 第2分野では県平均正答率を 10.1 ポイント上回り、 「葉から気体が出入りする部分を気孔とい うこと」 、 「れき岩、砂岩、泥岩の粒の大きさの違い」の問題では 27.0 ポイント上回った。 〈具体的な取組〉 課題に対して、意欲的に観察、実験を行い、結果から分かったことを「文章」 「話し言葉」で説 明する力を育成することが、科学的思考力・表現力の育成に繋がると考え、授業では、次の4点 の取組を重点的に行った。 1 生徒が目的意識をもち、観察、実験に取り組むための教材開発 ○ 生徒の居住地域の地質柱状図を作成し、住み慣れた地域にはど のような地層が広がるのか、また、大昔はどのような環境だった のか予測することを単元の柱とし、授業を展開した。 【資料1】 【資料1】 2 適切な語句を活用するための科学的な言葉の定着【資料2】 ○ 授業で学んだことを活用するために、科学的な言葉の定着に重 点を置いた。 【資料2】 ○ 単元ごとに重要語句ビンゴを行った。 ・重要語句は漢字で覚える。‥漢字は語句の意味を分かりやすく示すツール ・ 語句の記入を毎時間の宿題とする。‥楽しみに繋がる繰り返し学習 ・定着度の自己評価がほぼ「完璧」になるまで続ける。 3 課題について考察し、分かりやすい文章で説明する力の育成【資料3】 ○ 考察は基本の雛型に基づいて書き、行の最後 まで書く。 ・考察は課題についての自分の結論とする。 ・ 「 (結果)…このことから‥といえる(分かった、 【資料3】 考えた)」を基本の雛型とする。 4 ともに学びあう活動の実施 ○ 1 グループ(4 人班)の班長を輪番制にし、1 時間に 1 回は、 「話し合い、班として結論を発 表する時間」を取り入れた。 ・ 発言は「返事」 ・ 「起立」 ・ 「です・ますの語尾」で行うことを徹底する。 ・ 班長が司会を行い、話し合いを基に、班としての結論を自分の言葉で述べる。 ・ 班員は班長が分かりやすい説明をするためのサポートをする。 〈取組の成果〉 科学的な用語の定着が、適切な言葉を使って説明する力の育成に繋がった。また、文章を作成 できるようになると発言も活発になり、議論しながら観察、実験を行えるようになった。 学校における学力向上の取組 校種 中学校 教科名 理科 観点・内容 観察・実験の技能・表現 〈調査結果〉 観 察 ・ 実 験 の 技 能 ・ 表 現 に お い て 、 県 観 点 別 正 答 率 を 11ポ イ ン ト 以 上 上 回 っ た 。 〈具体的な取組〉 理科における学力の向上への取組として、生徒一人一人の観察・実験の技能を 高め、授業への積極的参加を図るために以下の取組を行った。 1 「パフォーマンステスト」による観察・実験の技能の向上の工夫 基本的な実験器具の操作及び基本事項の確認のパフォーマンステストを生徒一人 一人に行う。 (1) 「 パ フ ォ ー マ ン ス テ ス ト 」 の 例 ・ガスバーナーの使い方【資料1】 ・電流回路の組み立て方 ・顕微鏡の使い方 【資料2】 ・電流計、電圧計の使い方 など (2) 実 施 方 法 ア 少 人 数 グ ル ー プ( 2 ~ 3 人 )で 、操 作 の マ ニ ュ ア ル に 従 っ て 個 人 練 習 を す る 。 練習中は互いにアドバイスを与えるなど教え合いながら行う。グループ全員 が十分練習を行ったところで、一斉にパフォーマンステストを実施する。ここ で練習時間を十分とることが必要である。 イ パフォーマンステスト開始:グループの中で一人ずつ、マニュアル通とおり 操作が行えたかを、チェックカードにチェックを受けていく。テスト中は無言 で行い、チェックを受ける生徒は何も見てはいけない。マニュアル通り操作が 完了したら合格となる。不安な箇所があれば、最初からやり直す。基本的には 全員が合格するまで行う。ほぼ全員が合格している。以下にチェックカードの 例を示す。 【資料1】 【資料2】 〈取組の成果〉 「パフォーマンステスト」を行うことにより、生徒一人一人が実験器具の操作を 自信をもって行い、観察・実験に対し意欲をもって、積極的に取り組むようになっ た。 学校における学力向上の取組 校種 中学校 教科名 理 科 観点・内容 知識・理解 〈調査結果〉 知 識 ・ 理 解 に お い て 、 県 平 均 正 答 率 を 15.8ポ イ ン ト 上 回 っ た 。 そ の 他 の 観 点 で も 12.8ポ イ ン ト か ら 15.4ポ イ ン ト 上 回 っ た 。 〈具体的な取組〉 1 理科好きな生徒の育成 (1) 地 域 教 材 の 積 極 的 な 活 用 本校の学区は豊かな自然に恵まれ、生徒は小さい頃 から自然の事物や現象と触れ合う機会が多く、授業に おいても地域教材を積極的に活用することで、より生 徒の興味・関心が高まっている。 (2) 関 心 を 高 め る 理 科 室 経 営 理科室の戸棚を整理し、どこに何があるかがすぐに 分かるようにしておき、実験の準備や片付けも自分達 でできる環境作りに努めている。 (3) 学 習 内 容 の 生 活 化 意図的に学習内容と生活を結び付けることで、理科の必要性を感じ、学習意欲 の向上につながっている。 (4) 実 験 の 技 能 や 科 学 的 思 考 力 を 高 め る 実 験 特定の実験について、危険なことについては十分注意するが、その他のことは 細 か く 指 示 せ ず 行 わ せ る こ と で 、生 徒 の 実 験 の 技 能 や 科 学 的 思 考 力 を 高 め て い る 。 ※ 2 年 生 に 無 記 名 で ア ン ケ ー ト を と っ た と こ ろ 、 90% 以 上 の 生 徒 が 理 科 を 好 き と 答えていた。 2 小・中連携の取組 学区内の二つの小学校と定期的に研修会をもち、指導方法の連携に関して小・中 全ての教員が参加して討議を重ねている。 (1) そ れ ぞ れ の 学 校 の 年 間 指 導 計 画 を 持 ち 寄 り 、 学 習 内 容 を 確 認 す る 。 (2) 継 続 的 な 内 容 の 単 元 に つ い て 、 効 果 的 な 指 導 方 法 に つ い て 検 討 す る 。 毎年、中学校の教員が小学校へ出向いて、検討した内容の単元の授業を実施し ている。 (3) 学 年 末 に 、 そ れ ぞ れ の 学 校 で の 成 果 を 持 ち 寄 り 、 次 年 度 へ 向 け て の 課 題 を 出 し 合い、よりよい方向性を提示する。 3 ゼミの開設 今 年 度 か ら 、定 期 テ ス ト 前 の 部 活 動 停 止 期 間 を 活 用 し 、学 校 全 体 の 取 組 と し て「 ゼ ミ」を始めた。 (1) 意 義 学 習 習 慣 の 確 立 と 学 習 意 欲 の 向 上 、つ ま ず き の あ る 生 徒 へ き め 細 か く 支 援 す る 。 (2) 方 法 定期テスト前に希望者を募り、自主的な学習を行う。 (3) 参 加 状 況 1 学 年 ・ ・ ・ 約 60% 2 学 年 ・ ・ ・ 約 90% 3 学 年 ・ ・ ・ 約 70% 2年生は、特に理科の参加者が多く、個々の生徒への学習の支援がきめ細かくで き、基礎的学力の定着につながった。 〈取組の成果〉 ○ ゼミの開設により、学習意欲の向上と成績の伸長が顕著に表れてきた。 ○ 小・中連携の取組により、それぞれの実態を把握する上で、学習面の連携が可 能となり、継続的・発展的な指導が行えるようになった。 ○ 地 域 教 材 を 積 極 的 に 活 用 す る こ と で 、理 科 好 き の 生 徒 が 多 く な っ た 。そ の 結 果 、 意欲的に学習に取り組むようになり、成績の向上が図られた。 学校における学力向上の取組 校種 中学校 教科 理 科 観点・内容 自然への関心・意欲・態度 〈調査結果〉 自然への関心・意欲・態度の項目において、県と比較して6.8ポイント上回った。 〈具体的な取組〉 本校では、研究主題に「言語活動の充実」を掲げ、特に「思考力」と「表現力」の向上を目 指し、全教科で学習過程の共通理解を図り授業を実施している。 理科の授業では、導入の5分間を毎時間生徒による「5分間先生」とし前時の復習を行って いる。また、展開では思考力を伸ばし意欲を喚起する「仮説の発表」「課題解決のための観察・ 実験方法」「生徒自身による検証(観察・実験)」を行っている。 1 導入の工夫(生徒による5分間先生) 前時の復習5分間を毎時間生徒に位置付け、発表することで表現力やプレゼンテーション能 力の育成と学習意欲の喚起を図る。 〈発表内容〉 ○ 前時の学習やこれまでに学習してきた内容を基に、生徒自らが工夫を凝らし発表する。 ※電子黒板(写真1)や黒板、自作プリント等の活用【技能と工夫】 ○ 生徒(教師)からの質疑を受け、それに答える。【知識】 ○ 発表後の感想を述べる。【反省と学習意欲の喚起】 2 課題提示と展開の工夫(光の性質:光の反射の法則) (1) 鏡の中に、誰が見えるかな。【課題の提示】 (2) 鏡の中の友達を見る。【気付く】 (3) 結果を発表し合う。【意欲の喚起】 (4) どうしてだろう。【疑問から思考へ】 (5) 自分の考えを発表する。【思考と仮説】 (6) 自分の考えを検証する。【観察・実験の技能】 自らの考えを検証する生徒〔入射角と反射角は等しい〕(写真2) ※検証に使った道具(鏡、三角定規、分度器、ビニールひも) (7) まとめる。【規則性、法則性を見出す】 〔認められ:認知〕→〔欲求が満たされ〕→〔やる気が起こる:学習意欲〕 【電子黒板を使って発表する生徒】 (写真1) 【ビニールひもを使って検証する生徒】 (写真2) 〈取組の成果〉 ○ 5分間先生の体験をとおして、学習意欲の向上と家庭学習の習慣化が図られた。 ○ 自分の考えや意見を積極的に発表したり、友達の意見や考えを真剣に受け止め、自分の考 えと比較する生徒が増えた。 ○ 自分の考えを観察・実験をとおして検証することで、喜びを実感する生徒が増えた。 ○ 理科の授業は楽しい、おもしろいと答えた生徒の割合が6割から9割に増えた。 -1-