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第6章 重点プロジェクト
第6章 重点プロジェクト 施策の中から以下の視点により、3 つの重点プロジェクトを定めました。 ●「葛飾区基本計画」の重要プロジェクトとして掲げている「再生可能エネルギーの 創出」に関する取り組み ●地域の特性を踏まえた取り組み ●区民・事業者・区等が協働・参画できる取り組みであり、効果が見込めるもの 重点プロジェクト 1 1 エネルギーの地産地消プロジェクト 1、再生可能エネルギーの導入促進 2、災害避難所等への再生可能エネルギーの導入 3、燃料のクリーン化 重点プロジェクト 2 葛飾らしさを活かした低炭素なまちづくり プロジェクト 1、建物の省エネ化 2、低炭素な交通対策 重点プロジェクト33 次世代へつなぐ環境力向上プロジェクト 1、身近で楽しく学べる環境教育 2、温暖化防止のための実践行動 3、産学公の協働によるエコ製品等の開発支援 31 重点プロジェクト1 エネルギーの地産地消プロジェクト 再生可能エネルギーの導入促進 削減効果 3,969 t-CO2 葛飾区の特性である水と緑を活かした再生可能エネルギーの活用や、太陽熱・地中熱 などの熱利用および未利用エネルギー*、蓄エネルギー*等について、公共施設などへの 導入検討および率先的な導入を進めるとともに、区民や事業者等への導入支援を検討 し、エネルギーの地産地消*化を図ります。 【関連削減施策】 1-1 水と緑の再生可能エネルギーの導入 [環境課] 1-2 地中熱の効率的な利用促進 [環境課] 1-3 再生可能エネルギーの普及促進 [環境課] ■緑の再生可能エネルギーの導入イメージ H25 H26 H27 H28 基礎調査 調査・検討 公共施設へのモデル導入 H29 実施 検証・本導入検討 導入 かつしかエコ助成金等による実施 太陽光・太陽熱システムの導入助成件数:3,500 件 太陽光発電システムの区施設への設置数:5 か所 ■地中熱の利用について ■地中熱の効率的な利用 葛飾清掃工場 従来の年間搬入量 約420t 現在の年間発生量 約1370t 従来の 緑のリサイクルセンター 年間受入量 約950t 年間発生量を チップ化 木質バイオマス発電、熱利用など 破砕・ チップ化 へ 公園・道路等の剪定 地中熱と言うと「地熱」が浮かびますが、これは、地球深 部の熱エネルギーを基にした、火山地帯など限られた場所 で得られる熱エネルギーです。しかし、ここで言う「地中 熱」とは太陽が地表を暖め、地中に蓄積された熱エネルギ ーを指します。このため、太陽が地表面を暖めている場所 であれば、基本的にどこでも利用することができます。 【地中熱ヒートポンプシステム】 地中にU字状のパイプ を埋設し、液体(媒体) を通すことで熱交換を 行います。また、圧力 を操作することで温度 が上下する仕組み(ヒ ートポンプ)を併用す ることで、地中熱を効 果的に利用します。 夏 冬 地中熱 プラント 出典:葛飾区基本計画 出典:葛飾区基本計画、葛飾区民間建築物環境配慮ガイドライン 【役割】 区 民 事業者 区 区の支援制度等を活用し、再生可能エネルギー設備を導入します。 再生可能エネルギー設備を設置する区民・事業者に対して、補助や融資あっせん を行い、再生可能エネルギーを普及促進します。 区有施設への再生可能エネルギー設備や蓄電池等の導入を検討し、率先的な設置 を進めます。 32 第6章 重点プロジェクト 災害避難所等への再生可能エネルギーの導入 削減効果 42 t-CO2 災害時の避難所となる学校等に太陽光発電システムや蓄電池および太陽熱利用シス テム等の導入を促進し、災害時に活用できる自立・分散型の電源および熱源の確保など、 エネルギー源の多重化に努めます。また、公用車を電気自動車や電動自転車に順次転換 していき、災害時の移動型電源の確保に努めます。 【関連削減施策】 2-1 自立・分散型エネルギーシステムに よる災害時のエネルギー確保 [環境課・防災課] ■自立エネルギーの設置 太陽光発電 H25 H26 調査・検討 H27 H28 地域選定 H29 拠点整備等 太陽光発電システムの小中学校への設置数:10 校 ■移動型電源の確保 太陽熱温水器 電気自動車 電動自転車 木質ストーブ 蓄電池 貯湯槽 蓄電池 自立エネルギー機器や蓄エネルギー* 機器を災害避難所へ導入するとともに、 移動型電源の確保を進める。 バッテリー ■導入のポイント ポイント1 平常時から使用し、機器への理解を深めること。 ポイント2 太陽光・太陽熱は日照がないと発電できない、 熱を作れないといった欠点がある。そのため、 蓄電池、貯湯槽とセットで導入すること。 ポイント3 災害時には「暖をとる」 「調理をする」 「風呂等の衛生 面での使用」「医療面での使用」など、熱利用が多い ことから、電気だけでなく熱への備えも進めること。 【役割】 区 民 事業者 区 平常時から防災訓練などの参加を通して、災害時などに使用する避難施設への理 解を深めます。 避難施設に再生可能エネルギー設備を導入し、エネルギー源の多重化、エネルギ ー源の確保を進めます。 公用車の電動車化を進め、災害時の移動型電源の確保を進めます。 33 燃料のクリーン化 − t-CO2 化石燃料の使用抑制と同時に、バイオマス資源の利活用推進につなげるため、家庭か ら排出される廃食用油を区民との協働により回収します。回収した廃食用油は、バイオ ディーゼル燃料(BDF*)として再生するなど、燃料のクリーン化を推進します。また、 再生した BDF については、区のごみ収集車や公用車の燃料などへの利活用を目指します。 【関連削減施策】 3-1 BDF の普及促進 H25 [環境課] モデル実施 ・検討 H29 実施 【利用面】 ・廃食用油 100L から約 80∼90L の BDF ができます。 ・1 日 90L の BDF 使用で、年間 87tの CO2 が削減 されます。 ・ディーゼルエンジンであれば、新たな改造や 機器をいれなくても使用可能 ・BDF を 1%加えると、潤滑性が 1.65 倍向上し、 エンジンの負荷を軽減 廃食用油を再利用へ Step 2 H28 【環境面】 ・BDF は植物系燃料のため、燃焼しても大気中の 二酸化炭素は増加しません。(カーボンニュート ラル P.22 参照) ・再資源化することで環境への負担減 ・BDF の排ガスがスモッグを形成する可能性は 軽油の半分。硫黄酸化物もほとんど出ません。 ・燃費は軽油とほぼ同じ 食用油の使用 ➠家庭で使った油は捨てずに、 再利用へ。 油は捨てずに、 再利用! Step 1 H27 BDF の特徴 BDF を使用するまで Step 0 H26 廃食用油の回収 ➠BDF の供給量を増やすた めには、回収量を増やすこ とが必須であり、地域の協 力が欠かせません。 BDF の精製 ➠廃食用油のグリセリンを除去してサ ラサラにします。その後、石けん分、 汚れを取り除き BDF ができます。 【歴史面】 ・そもそも 1900 年のパリ万国博覧会でディーゼル エンジンが紹介されたときの燃料は BDF(100% ピーナツ油)でした。その後、1930 年以降に軽油 が登場し、今日までディーゼルエンジンの主要燃 料は軽油が用いられています。 Step 3 油 かすは肥 料・飼 料 、 石けん分は石鹸へ BDF の使用 ➠区のごみ収集車や 公用車を中心に使用 【役割】 区 民 事業者 区 廃食用油の回収に協力します。 廃食用油の回収拠点の設置等に協力します。 廃食用油の収集方法について検討します。 バイオディーゼル燃料(BDF)を区のごみ収集車や公用車等で利用します。 廃食用油の有効利用・BDF 化について、区民・事業者への普及啓発を図り、廃食用 油の循環利用、燃料クリーン化の拡大の素地を形成します。 廃食用油の循環利用方法を構築し、区内事業者等を中心に BDF 利用者の拡大を図 ります。 34