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丸山真男を読む会・9月例会<2009・9・26> 片野真佐子 渡辺京二
丸山真男を読む会・9月例会<2009・9・26> 渡辺京二『逝きし世の面影』 第五章 片野真佐子 第五章・第六章 雑多と充溢[206-233頁] 五章のテーマ 206~210頁 雑多と充溢(メアリー・フレイザー、明治22年新任英国公使の妻の観察) 雑多 世界でもっとも不思議な国・意外・新奇・いまは滅びたこの国の文明・生活の小道 具・往来に展開される子供に乳をやる女から行商人まで多様な姿=メアリー・フレイザ ー イライザ・シッドモア モース ~210頁 雑多で細分化された生き場所とかくれ家・すみわけ・按摩・街は多彩で雑多で充溢・工 芸分野におけるジャポニズム的熱狂の好例・趣味のよさがふつうの日常生活に浸透して いる事実=アーノルド エル フォーチュン オズボーン 充溢 イザベラ・バード モース ヴィシェスラフツォフ ヴェルナー モース アーノルド オズボーン ホームズ船長 パ-シヴァル・ロー ヴェルナー ベルク オリファント ~222頁 一貫した調子のあること・よき趣味・藍色使いに見る統一の中の多様さ・安物を美 しく・職人の美意識・文化は観念的道徳的なものでなく些細な日常的なものとして理解 される・最高の美術品と安物の合致・芸術が万人に行き渡っている・衣裳における簡素 と優雅・家具家屋の極端なシンプルさ・いわゆる職人芸、職人が自由に芸術的意欲を発 揮、著者はここに文明を見る=アンベール ソン=エルマースト ヒューブナー ス ヴィシェスラフツォフ ス ~228頁 文化でなく文明 ギメ アリス・ベーコン オリファント アーノルド モース バード ジェフ ディアス・コバルビアス フロイ ブスケ モース ウィリアム=モリ アメリカ人の物の扱いの無造作や誇示とは異なり日本は洗練・現実の苦 難を軽減する生活の美化・趣味化が社会全体の共通感覚になる・風流・よき趣味で生活 を楽しいものにする・日本の魅力は下層階級の市井の生活のなかにある=モース コン シッドモア ベーコン チェンバレン cf.滅びない文化、歴史的個性とし モース ての生活総体のありようを示す文明10頁 第六章 ベー ~233頁 労働と身体[236-260頁] 労働の意味 労働の成果が商品価値の生産でなく満足度にある・時間の観念が異なる・適 度に働き簡素だがゆとりと自主性のある生活の礎とする=アンベール オールコック 農業における勤勉と忍耐にもかかわらず工業化以前の労働の特質が鮮明で呑気、怠惰、 不精、気儘=リンダウ モース ビゲロウ モース 労働の効率でなくばからしい歌で時間の浪費・労働がイリイチのいうワークになってな い・主体的な生命活動であって非能率的 ~241頁 悠長・暢気・時間の価値を無視・聡明で我慢強く器用で必要なもの以外は得ようとしない・ 怠惰、無気力、無規律・必要とあれば敏捷になれる=カッテンディーケ ミス ブラック ブスケ アンベール イザベラ=バード モース コック スエンソン ティリー 肉体への集約 オールコック クライストナー ブラック ボーヴォワル ジョージ=ス モース モース ブスケ バード オール ~250頁 たくましいからだ・人力車夫は古代ギリシャを連想・別当(車夫)の美学・ 上層と下層で肉体上の相違・肉体労働者の衣服と体つきの美しさは中流や上流の人々を しのぐ・日本人の外貌の多様性・自由で自主的な特質をもった労働者・江戸時代の労働 大衆は自由な身体の持主・自由の内実と身分社会→次章での考察へ=エミール=ギメ ヒューブナー ギメ ラファージギメ チェンバレン ヴェルナー ボーヴォワル スエンソン ベルク ジェフソン=エルマースト メーチニコフ ~258頁