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今後の展望も含めて - 造影剤と画像診断情報サイト Bayer

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今後の展望も含めて - 造影剤と画像診断情報サイト Bayer
特 集
医療環境の変化に対して放射線診療は今後どう対応すべきか−画像診断を中心に
臓器特異性MRI造影剤による画像診断へのインパクト:
今後の展望も含めて
吉満 研吾,中山 智博,柿原 大輔,入江 裕之,田嶋 強
浅山 良樹,平川 雅和,石神 康生,本田 浩
九州大学大学院医学研究院 臨床放射線科学
Tissue-specific MR Contrast Agents: Impact on Imaging
Diagnosis and Future Prospects
Kengo Yoshimitsu, M.D., Tomohiro Nakayama, M.D., Daisuke Kakihara, M.D.,
Hiroyuki Irie, M.D., Tsuyoshi Tajima, M.D., Yoshiki Asayama, M.D., Masakazu
Hirakawa, M.D., Kousei Ishigami, M.D., and Hiroshi Honda, M.D.
Summary
Superparamagnetic iron oxide (SPIO) is the only tissue-specific MR agent currently available in Japan. It is quickly taken up by Kupffer cells at the first pass
Department of Clinical Radiology,
(either arterial or portal) and becomes clustered in the lysosome, providing charGraduate School of Medical Sciences,
Kyushu University
acteristic T2* and T2 shortening effects that suppresses the signal of normal or
non-tumorous liver tissue. SPIO has dramatically changed the diagnostic algorithm of liver metastasis in clinical practice, now serving as the gold standard
NICHIDOKU-IHO
Vol. 50 No. 3 58–69 (2005)
instead of CT during arterial portography (CTAP). Its role in the diagnosis of
hepatocellular carcinoma (HCC), however, is somewhat complicated, owing to
its heterogeneous uptake by the background cirrhotic liver, as well as by some of the HCCs themselves. It has been
shown to be useful in the diagnosis of pseudolesions (arterioportal shunts) and some benign hepatocellular lesions
(focal nodular hyperplasia or adenoma) by their complete or partial uptake of SPIO, in contrast to an absence of
uptake by true liver lesions. It has also been suggested that the histological grade of HCC affects the degree of SPIO
uptake. Thus, SPIO serves as a complementary tool to the primary modalities of vascular survey, namely, dynamic
CT/MR and CT during hepatic arteriography (CTHA)/CTAP, in the diagnosis of HCC. Gadolinium ethoxybenzyl
diethylenetriaminepentaacetic acid (Gd-EOB-DTPA) is a novel hepatobiliary contrast agent that is not yet available but is supposed to be approved by the Ministry of Health, Labour, and Welfare of Japan in the near future. It is
taken up by hepatocytes and excreted into the bile, providing a T1-shortening effect that enhances the normal or
non-tumorous liver tissue. It has also been shown to have the effect of positive enhancement of hypervascular liver
tumors on the arterial phase, just like the usual extracellular contrast agent (gadopentetate dimeglumine: Gd-DTPA).
Thus, Gd-EOB-DTPA was once thought to be an ideal contrast agent for liver tumors, providing information on
both tumor vascularity and precise location. Unfortunately, however, its performance in depicting tumor vascularity was suggested to be less than that of MDCT or dynamic MR using Gd-DTPA. Further investigation is needed to
determine the true usefulness of Gd-EOB-DTPA in the imaging diagnosis of liver tumors. A number of other promising tissue-specific contrast agents currently are under development, including blood pool agents, lymphatic or lymph
nodal agents, blood vessel wall agents, and so on. We, as radiologists, should keep in mind that the true efficacy
and roles of these tissue-specific agents need to be evaluated not only from the viewpoint of diagnostic accuracy
but also with reference to their socioeconomic aspects, particularly in this era of the Diagnosis-Related Group/Prospective Payment System.
58(518)
日獨医報 第50巻 第 3 号 518–529(2005)
日獨医報 第50巻 第 3 号 2005
はじめに
表 1 Ferucarbotran造影MRプロトコール
現在使用可能な真の組織特異性造影剤としては、肝の
超常磁性酸化鉄製剤(superparamagnetic iron oxide:
SPIO)のみである。消化管造影剤である経口鉄造影剤も
広義には「臓器特異的」に分布するが、これは投与経路
(経口)
によって消化管内に分布するので若干意義が異な
る。本稿ではSPIOの登場によって肝の検査体系がどの
ように変化し、またそれがどのように包括医療にかかわ
ってくるかについてこれまでの九州大学での経験と諸家
の報告に基づいて述べ、さらに肝以外でのSPIOの応用
の可能性についても触れる。その後で、近々発売が予定
されている第二の肝特異性造影剤、gadolinium
ethoxybenzyl diethylenetriaminepentaacetic acid(GdEOB-DTPA)に関して治験結果を中心に考察する。最後
スライス厚 8mm gap 20%
〈Precontrast〉
HASTE
TSE T2WI(dual echo)
FLASH T1WI(in-out)
Long TE FLASH(in-in)
〈Postcontrast〉
造影後 3 分より
VIBE
TE 80
TR/TE/ETL = 2,230/89・178/15
TR/TE/FA = 146/2.4・4.8/75
TR/TE/FA = 146/9.5・19.1/75
TR/TE/FA = 4.3/2.0/20
造影後10分より
Coronal HASTE
TSE T2WI(dual echo)
FLASH T1WI(in-out)
Long TE FLASH(in-in)
TE 95
TR/TE/ETL = 2,230/89・178/15
TR/TE/FA = 146/2.4・4.8/75
TR/TE/FA = 146/9.5・19.1/75
Option:
3D-TSE
TR/TE/ETL = 1,500/77/23
(PACE使用;5mm,gap 0)
に今後の展望として、分子イメージングを睨んだ新たな
造影剤についても文献的考察を中心に呈示する。
(ferucarbotran)はfirst pass(動脈門脈ともに)でKupffer
肝特異性造影剤:SPIO
細胞に大部分が貪食される。その後、リソソーム内で
clusterを形成するが、大きなcluster形成はT2*短縮に、
先に述べたように、現在SPIOは本邦では唯一の組織
小さなcluster形成はT2短縮に寄与し、おおまかには、
特異性造影剤である。網内系(主に肝のKupffer細胞)に
それぞれKupffer細胞の機能と分布(密度)が影響する、
取り込まれ、SPIOに含まれる鉄の影響で正常肝実質の
とされる 1–6)。したがって、撮像の基本シークエンスと
信号低下をきたすことにより非正常部を強調して描出す
しては、鉄によるT2*ならびにT2短縮を、一定の画質
る。本造影剤はCTのヨード造影剤やMRのガドリニウム
(SNRと空間分解能)を保って反映させるよう、long TE
造影剤(gadopentetate dimeglumine:Gd-DTPA)など細
spoiled-gradient-echo画像(T2*強調画像)とFSE(fast
胞外液性造影剤が血流情報に基づいて診断するのに対
s p i n - e c h o )T 2 強 調 画 像 と を 用 い る 。 投 与 量 は 8 ∼
し、正常肝細胞の機能に基づいて診断する点でまるで異
15애mol Fe/kgである。肝機能が著しく悪化していない
なった機序に基づく造影剤であり、その登場は画期的で
場合、ferumoxidesで点滴終了後(30分)、ferucarbotran
あった。
で静注後10分から肝実質の十分な信号低下が得られる
ため、これらが撮像開始時間として推奨される。九州大
1.薬理・生理学的特性
学での1.5T機(Siemens、Magnetom Symphony/Vision)
®
現在本邦では、1997年発売のFeridex(ferumoxides、
®
におけるプロトコールを表 1 に呈示する。
栄研化学)、2002年発売のResovist (ferucarbotran、日
一方、SPIOはT1短縮効果も併せ持つ(表 2)ため、血
本シエーリング社)の 2 種類が利用できる。前者は径
液プール製剤もしくは血流の陽性造影剤としての可能性
5nm程度の酸化鉄コアがdextranで被覆され集簇した径
も指摘されていた。ことにボーラス静注できる
100∼250nm程度の粒子である。後者は同様の酸化鉄コ
ferucarbotranは、dynamic T1強調画像において肝腫瘍
アをcarboxydextranが覆い、全体としてやや小さめの粒
の血流情報を同時に得ることのできるSPIOとして期待
子径57nmをもつとされる。それぞれ血漿中の補体成分
されたが、その臨床的有用性は種々の検討の結果2、3、8)、
など
(オプソニン)と結合して網内系細胞に貪食されやす
現在では否定的である。これはferucarbotranのT1短縮
い形態となり、投与量の約80%が肝のKupffer細胞に取
効果を相殺する強いT2短縮効果(これが本来の目的では
り込まれる
1–6)
7)
。廣橋らの動物実験 によれば、SPIO
あるが)によるものと考えられる。
59(519)
日獨医報 第50巻 第 3 号 2005
表 2 SPIO製剤の各種静磁場強度によるR1,R2値
緩和度(R1,R2)
Relaxivity
Magnetic field
Magnevist®
(mM−1・sec−1)
(T)
Water
0.2
R1
0.5
R2
Resovist®
Feridex®
Water
Agarose
Agarose
6.2
41
37
20
5.0
25
-
-
1.0
3.9
13
15
13
1.5*
4.2
8.6
8.1
7
0.2
7.3
220
219
85
0.5
7.9
203
-
-
1.0
6.2
222
196
161
1.5
5.4
268
268
118
Ref:日本シエーリング社内データ
2.局在病変検出に関する臨床成績
あるのか、もしくはどのような症例に絞って用いれば経
同じ肝腫瘍といっても、正常肝機能組織を背景にもつ
済性も含めた有効性があるのか明瞭ではない。あるい
ことの多い転移性肝腫瘍と、障害肝を背景にもつ頻度の
は、術後follow-upにおいてもどのように(MD)CTと組
圧倒的に高い肝細胞癌(h e p a t o c e l l u l a r c a r c i n o m a :
み合わせて用いるべきかに関しても科学的データがほと
HCC)とは区別して考えねばならない。SPIOの臨床成
んどない。今後、費用対効果を含めた有用性を判定する
績に関してはこれまで多くの報告があるが、それらを転
ために、対象を絞ったprospective studyが必要となるで
移性肝腫瘍とHCCに分けて論ずる。
あろう。
1)
転移性肝腫瘍
さらに厳密に考えると、真の意味での医療経済的側面
SPIO-MRの転移性肝腫瘍の診断におけるパフォーマ
9–13)
とは、一定の診断を得るまでの費用(通常われわれ放射
。SPIO-MRの登場まで
線診断医が主にかかわる部分)のみならず、それに基づ
は肝転移検索の最も鋭敏な検査はCTAP(CT during ar-
いて選択される治療行為、予後まで含めた経済性を論ず
ンスに関する報告は多数ある
14)
が、そのCTAPと比較す
るべきで、そのうえで初めてある検査の正当性が主張で
ると、ほぼ同等の感受性とより優れた特異度を有し、
きるはずである。そのためには、全国規模のデータ解析
全 体の正診率ではS P I O - M R が優れる、との報告が多
が必要であり、医療経済研究機構等からの報告が待たれ
い9–13)。さらに医療経済的側面においても、dynamic CT +
るところである 16)。
terial portography)であった
SPIO-MRの組み合わせは、dynamic CT/MR + CTAPの
組み合わせに比し、約半分以下の費用でほぼ同等の診断
15)
2)
HCC
HCCに対するSPIO-MRの役割は、転移性肝腫瘍ほど
能を提供する 、とされその優位性は明らかである。す
単純明快ではない 17–21)。これには 2 つの理由が存在す
なわち、転移性肝腫瘍の診断においては、SPIO-MRの
る。第一に背景に肝機能障害が高率に合併するため、そ
臨床に与えたインパクトは最も大きく、現在では転移性
れに基づいて不均一なSPIOの取り込みが起こり背景肝
肝腫瘍検索のゴールドスタンダードと考えられている
の信号がかなり不均一になりうること、第二にHCC自
(図 1)。ただし、具体的な使い方、すなわち費用対効果
体にSPIOを取り込む結節が存在すること、である2、3)。
まで考慮したガイドラインはいまだ確立していない。例
ferucarbotranの場合、肝機能が悪い症例においては、
えば大腸癌の術前術後評価においては、局所、リンパ節
FSE-T2強調画像では静注後10分程度で十分な信号低下
転移、腹腔播種、肝転移を 1 回の検査で十分把握できる
が得られるが、T2*画像では30分以上待たないと十分な
(multidetector-row:MD)CTを省略するわけにはいか
信号低下が起こらない。また、比較される対象検査であ
ないので、SPIO-MRは追加検査としての意義を問われ
る血管造影[CTHA(CT during hepatic arteriography)/
るわけであるが、術前症例全例に用いてベネフィットが
CTAP]はしばしば治療目的でも同時に施行され得るた
60(520)
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め、純粋に診断検査モダリティとして比較し難い、とい
では、SPIO-MRを組み込むことによって精査としての
うHCC特有の問題もある。しかしながら、これらの事
CTHA/CTAPを省略できることとなる。ただし、前述し
情を十分理解したうえでSPIO-MRを用いれば、HCC結
たように、通常の診療では局所治療と血管内治療を組み
節の病態・分化度まで踏み込んだ診断が可能になり得
合わせて施行することも多いため、血管内治療(動注化
る
1–6)
学塞栓療法)に先行して診断としての血管造影(CTHA/
。
一般に、H C C の診断・管理上は血流情報が存在診
CTAP)を行う場合が少なからずある。このように、単
断、質的診断のいずれにも重要な意義をもつ 22)。HCC
に検査としての優劣だけでなく選択される治療法によっ
の多段階発育説に則りHCC結節において動脈血流支配
てもその施行する検査が影響されていることは留意すべ
が優位になった時点が治療適応であることは、昨今のガ
きである。
22)
イドライン でも提唱されていることである。残念なが
※生体肝移植レシピエントの画像診断
らSPIOを用いて日常診療のレベルに足る血流情報を得
HCCの治療の一環として最近本邦でも生体肝移植が
ることは、現状では困難である。したがって、HCCに
脚光を浴びつつある。この生体肝移植レシピエントの
おいては、dynamic CT/MR、CTHA/CTAP等血流情報
HCCの術前診断は、通常の方法による治療前検査とは
を得るためのモダリティを第一義的モダリティとする
若干意味合いが異なる。これは生体肝移植が健常な人体
と、SPIO-MRは付加的情報を加える二次的モダリティ
(ドナー)にメスを入れ臓器を摘出する、という従来の治
として位置付けられると考える。すなわち、高分化
療とは異質な側面をもつ治療であるため、少なくとも現
HCCや境界病変の質的診断(SPIO-MR自体は血流情報
時点では医学的側面(個数、分化度、脈管浸潤など)、医
を直接には反映しないが、その取り込みの有無が、ある
療経済的側面(移植手術の保険適応の有無)
、倫理的側面
程度のオーバーラップはあるものの、分化度やCTHA/
からより厳密な情報が求められるからである。
CTAPによる血流パターン分類とよく相関することがわ
前述のごとく血流情報に関しては、HCC診断のうえ
23、24)
)、FNH(focal nodular hyperplasia)な
で最も重要な因子であるが、これまでのわれわれの生体
ど他の肝細胞性結節との鑑別、AP shunt多発例など偽陽
肝移植レシピエントにおける血流情報に関する検討では
性病変の除外など、通常のdynamic CT/MRで検出され
CTHA/CTAP、dynamic MR(double-dose 3D gradient-
た病変に対する問題解決のための補足的検査としての役
echo sequence 29、30))、MDCTの順で優れていることが
割である(図 2)。
示された28)ため、CTHA/CTAPを施行する症例について
具体的には、USで拾い上げられたHCCの初回評価時
はdynamic MRを省略し、代わって特異度を高めるため
にはまずdynamic CTが施行されるであろうが、さらに
SPIO-MRを積極的に施行するプロトコールに移行しつ
行う精査として以前は血管造影
(CTHA/CTAP)
しかなか
つある。この場合、CTHA/CTAPの位置付けは、単に血
った。しかし、昨今のMDCTの発達により、dynamic
流情報の評価目的の検査であるだけでなく、血管浸潤の
CTのみで多血性であることが十分確認できればSPIO-
評価のための検査としての意味合いもある。われわれの
MRで早期病変を含めた他部位の病変を評価・除外した
検討では移植後の有意な予後規定因子の 1 つであるvp
うえで局所治療、血管内治療にもちこむことが可能であ
浸潤(ことにvp1)の評価に関してCTHA/CTAPはある程
る。外科的に切除される場合は、最近の縮小手術、腹腔
度情報を提供できる有望なモダリティである26)が、少な
鏡下手術のために腫瘍の存在する領域の門脈域と肝静脈
くともMDCT、MRではその評価は困難(現状ではまず
枝との解剖学的関係、および脈管侵襲因子をより正確に
不 可 能 )と 思 わ れ る か ら で あ る 。 血 管 造 影( C T H A /
かっている
把握するためにCTHA/CTAPまで施行され
25、26)
、ここ
ではSPIO-MRは特異度を高めるためのオプションの検
査と位置付けられる。CTで多血性か乏血性か判然とし
な い 場 合 に は 、 d y n a m i c M R( わ れ わ れ の 検 討 で は
27、28)
CTAP)を施行できない症例では、dynamic MRは必須で
あり、SPIO-MRはオプションとなるであろう。
3)
SPIO-MRの問題点
現在、SPIOは広く臨床応用されているが、すべての
)でその
MR機種に対して均一な評価を得ているか、といえば必
vascularityを再評価し、局所治療、血管内治療、手術か
ずしもそうではない。その第一の原因は空間分解能であ
を選択する。したがって局所治療のみですむような症例
ろう。SPIO-MRの比較対象としてのCTAPは、以前か
MDCTよりもdynamic MRの方が優れる
61(521)
日獨医報 第50巻 第 3 号 2005
ら横断面では512 × 512 matrixの高分解能をもっていた
3.その他の臨床応用の可能性
が、MDCTの登場とともに進化し、頭足方向の分解能
1)
MRA造影剤としての応用
においても 1mm前後で撮像することが不可能ではなく
前述したが、比較的大きいR1値をもつferucarbotran
なっており、ほぼ等方性ボクセルによるイメージングが
は、そのT1短縮作用により陽性造影剤としての効果も
達成されつつある。これを従来の撮像法によるSPIO-
期待されたが、通常の原液ではR1値よりも大きなR2値
MRを比較した場合、特異度はともかく、これまで報告
を反映し有効なMRA造影剤とはなり得ない。そこで佐
されてきた「CTAPと同等の感度」が今後も得られるかに
々木ら35)はferucarbotranを稀釈(10∼50倍)することで
関しては極めて疑問がある、といわざるを得ない。これ
R1値を保ちつつ、R2値を低下させる方法を提唱しMRA
を解決するためにはMRも高空間分解能化を図る必要が
造影剤として有効であった、と報告している。ただし、
あり、呼吸同期下3D FSE-T2もしくは3D T2*強調画像
Gd-DTPAを用いた通常の造影MRAと比較し画質的には
が試みられているが、いまだ十分な画質を得るには至っ
劣り、細部の評価には不十分であった。しかし、通常の
ていない。第二は、空間分解能とも多少関係するが、小
肝のSPIO検査に先立って行うことができること、腎機
さな病変と血管との区別の困難さである。T2、T2*強調
能不全例にも応用できること等から限られた症例には有
画像いずれにおいても血管、腫瘍ともに高信号に描出さ
効である可能性は十分にある。
れるため、両者の区別が問題となる事態に臨床ではしば
2)
肝機能評価に関する応用
しば遭遇する。現時点では、T1強調画像を参考に(血管
東南ら36)はSPIO-MRが肝機能不良例では肝実質への
が高信号に、腫瘍は低信号に描出される)判断する、と
取り込みが悪くなることを応用し、SPIO-MRによる肝
いうことになっているが、小さな病変(3mm以下)に関
機能評価の可能性を評価した。それによると、SPIO-
しては、深部にある場合や、呼吸停止レベルの違いによ
MRの取り込みはアシアロ肝シンチグラフィ所見と強い
るスライスの違いがある場合など、それをprospective
相関関係(相関係数 −0.81、p < 0.0001)にあり、これを
に
(例えばCTHA/CTAPの情報なしに)診断することは必
もとにアシアロ肝シンチグラフィよりも高い空間分解能
ずしも容易ではない。血管の信号を落とすために小さな
を生かし部分肝機能評価、腫瘍の機能診断にも応用可能
31)
b-factorの拡散パルスを加えることも考案されている 。
である、としている。
これらはSPIOの問題というよりMR機器側の問題でもあ
るので、今後の撮像シークエンスの技術革新や3T機の
肝特異性造影剤:Gd-EOB-DTPA
登場により解決されることが期待される。
4)
低磁場MRにおけるSPIO(ferucarbotran)
低磁場機でもSPIO(ferucarbotran)の有用性は報告さ
32、33)
れている
33)
2006年に上市予定の第二の肝特異性MR造影剤であ
る。肝細胞内へ取り込まれ、胆汁内に排泄されて正常肝
。われわれの0.2T機における検討 では、
実質の肝細胞をターゲットとしていること、T1短縮を
ferucarbotran静注後 5 分以降にTSE-T2強調画像、15分
もとにした陽性造影剤であること、の 2 点が前出の
前後にlong TE-FLASH(fast low-angle shot)で撮像する
SPIOと大きく異なる。
ことが推奨され、限られた症例ではあるが転移巣すべて
に関して1 . 5 T 機と同様の検出率が得られた。また、
1.薬理・生理学的特性
SPIO(ferucarbotran)のR1、R2値はMRの静磁場に依存
Gd-EOB-DTPAはGd-DTPA類似の基本骨格にベンゼ
し、低磁場になるほどR1値が上昇することが知られてい
ン環と細胞膜透過性を高める脂溶性基を付加した構造を
る
(表 2)
。そこで0.2T機における、高いR1値を応用した
なす。濃度勾配に従った受動拡散により類洞内皮細胞間
T1強調画像系のdynamic studyの可能性も検討したが、
を通過したのち、各種能動、受動輸送システムを介して
残念ながらこの0.2T機においても信号変化率は最大20%
肝細胞内へ取り込まれた後、胆汁中に溶解した形で排泄
程度で通常のGd-DTPAによるdynamic studyに置き換わ
される。肝細胞から毛細胆管への移動は能動輸送で行わ
33)
るものとはなり得ないと判断された 。ただし、次項に
れる。通常の肝機能の場合、投与量の約50%が胆汁中
も関連するが、低磁場における高いR1値はMRAとして
へ、残りが腎から尿中へ排泄される。肝機能不全例では
はある程度の有用性は認められた
62(522)
33、34)
(図 3)。
より高率に尿中排泄が増える 3–5)。
日獨医報 第50巻 第 3 号 2005
A
B
C
D
E
F
G
図 1 SPIOが有用であった肝転移症例
A,B MDCT早期相および遅延相:左葉の大きな主腫瘍以外肝内にmassは指摘で
きない.
C,D CTAP:肝右葉前区域に 2cmの門脈灌流低下域を認める(C矢印).その足
側に 3mmの小さな門脈血流のdefectがみられる(D矢印).
E SPIO投与前T2強調画像:小さな転移の指摘は困難である(矢印).
F,G SPIO投与後T2強調画像:Cの門脈血流低下域はSPIOの取り込みがあり偽
病変(F),Dの小病変は取り込みがなく真の転移(G矢印)であることが示さ
れる.これらは手術で確認された.
63(523)
日獨医報 第50巻 第 3 号 2005
A
B
C
D
図2
A
SPIO取り込みのある高分化HCC症例
脂肪抑制T1強調画像:右葉後区域に脂肪ではない,T1短縮病変
がみられる(矢印).
B T2強調画像:病変は周囲肝実質と等信号か軽度高信号を呈する
(矢印).
C SPIO投与後T2強調画像:病変内に周囲肝実質と同等のSPIOの
取り込みがあり,信号低下が明らかである(矢印).
2.臨床応用
Gd-EOB-DTPAは肝細胞から胆汁内に排泄され、投
与後20∼45分を肝胆道分布相(hepatobiliary phase)の至
適撮像時間37–39)とし、正常肝実質を増強する陽性造影剤
であるが、それと同時に投与後早期相(動脈相:arterial
phase)ではGd-DTPAと同じように血流情報も提供しう
る 3–5)。肝胆道分布相での存在診断と、早期相での血流
情報診断が可能であるため、理想的造影剤であると考え
られた40–45)。確かにGd-EOB-DTPAのR1値は血漿中で
蛋 白 結 合 率 が 高 い た め 8 . 7 m M −1・ s e c −1で あ り 、 G d DTPAのそれ(4.9mM −1 ・sec −1 )と比し高値であるが、使
用量が0.025mmol/kgと少ないため、結局Gd-DTPA(通
常使用量0.1mmol/kg)の約半分のT1短縮効果しか期待
できない。ことに、われわれが用いているGd倍量
(0.2mmol/kg)投与3D gradient-echo-dynamic 27–30)は
CTHA/CTAPをゴールドスタンダードとして正診率80
∼90%前後と極めて良好に肝腫瘍の血流情報が得られ
る 27、30)ため、Gd-EOB-DTPAにより得られる血流情報
の乏しさに関する不安は払拭し難い。治験時のデー
64(524)
図3
0.2T機によるSPIO投与後MRA(3D T1強調
画像の造影前後でのsubtraction MIP像)
動脈系も静脈系も同程度に良好に増強されている.
日獨医報 第50巻 第 3 号 2005
タ 42、4 4)でも、多血性病変の血流情報の検出に関して
その他の造影剤
は、Gd-DTPA dynamic MR、MDCTに劣る結果であっ
た。
以下に、他の組織特異性造影剤を列挙する。海外では
一方、肝胆道分布相では病変の検出(感度)については
臨床応用されているものから、まだ動物実験レベルのも
CTHA/CTAPと同等以上で、偽病変(偽陽性)の少なさに
のまで混在しているが、いずれも本邦では使用できな
ついてはCTHA/CTAPよりは明らかに優れSPIO-MRに
い、もしくは具体的には使用見込みのない薬剤ばかりで
若干劣る、という結果であり、総合的には局在病変の存
ある。今後の展望と期待を込めて概説する。
在診断に関して感度、特異度とも高い理想的な検査であ
ることが示唆された。SPIOに比べ陽性造影剤でSNRが
1.血液プール造影剤
高いことが期待されるため、少なくとも転移性肝腫瘍に
血液腔内に長期間留まり、細胞外腔(間質)へほとんど
ついてはSPIOと同等以上のゴールドスタンダードにな
分布しない特性をもつ造影剤である。主として血清アル
り得るであろう。しかしながら、肝胆道分布相での存在
ブミンと結合するGd製剤と高分子重合Gd製剤、USPIO
診断に関しても、最近では以下のような問題点も指摘さ
(ultrasmall superparamagnetic iron oxide)の 3 種に分
れている。① Gd-EOB-DTPAは細胞外液性造影剤とし
類される 3– 6 )。前者は一過性に血清アルブミンと結合
ての側面ももつため、particle造影剤であるSPIOと比
し、その後徐々に解離し腎から排泄される。大体30∼
し、例えば線維化を豊富にもつ胆管細胞癌や転移性肝腫
40分程度良好な末梢血管の描出が可能となる 53)。重合
瘍の内部に分布し、血管腫との鑑別や胆汁排泄機能をも
Gd製剤はあらかじめ高分子構造をGdに結合させたもの
つHCCとの鑑別が問題となり得る。② Gd-EOB-DTPA
でそのまま腎(糸球体)から排泄されるので反復投与も可
。
能、とされる。Gadomer-17(Schering AG)54–56)がこの
後者に関しては、当初肝胆道シンチグラフィの核種であ
類の代表であるが、血管内腔に留まり、かつ腎から排泄
で濃染される高分化・中分化HCCの存在、である
る
99m
3–5)
Tc-IDA(iminodiacetic acid)とは完全には同じ動態
46)
可能な微妙に適切なサイズをもつ造影剤である。これら
はとらないことが示された ものの、類似した取り込み
の造影剤は元来MRA用の目的で開発されたものである
排泄機序をもつGd-EOB-DTPAに、程度の差こそあれ
が、血管組織バリアのない通常の脳以外の組織において
99m
Tc-IDAの
も血管腔に留まり血管外腔に出ていかない性質を利用
)があってもなん
し、血管透過性成分を排除した組織灌流(perfusion)の
ら不思議ではない。今後Gd-EOB-DTPAが市場に出て
評価にも期待がもたれている57–59)。Gadomer-17を用い
広く使用されれば、これらの問題に対する解答も明らか
た場合はMRA用としては25∼50애mol Gd/kgが、perfu-
になるであろう。
sion studyとしてはそれよりも少量が適当とされる。
さらに前述のように肝機能障害例ではGd-EOB-DTPA
USPIOはより径の小さなSPIO製剤であり、より長時間
は尿中排泄が増え肝実質の増強効果が低下・不均一化す
血液プールに存在すること、SPIOよりも大きなR1値を
るが、このことを応用して局所肝機能評価に応用しよう
もつことからMRA用造影剤としても応用可能である。
同様な現象(教科書的にも高中分化HCCに
取り込みがあることは有名である
という試みも報告されている
47–50)
51、52)
。しかし、このこと
肝イメージングよりは多い25∼50애mol Fe/kgが投与さ
はSPIOの場合と同様で、血流情報が不十分である、背
れる。前二者と異なり、腎からの排泄もないので多血性
景肝が不均一である、腫瘍による取り込みもあり得る等
実質臓器のperfusionなどにはUSPIOの方が有利かもし
の理由により、H C C に対してはG d - E O B - D T P A 造影
れない。
MRIも、ルーチン検査として第一義的にHCCの検出目
的で使用されるものではなく、問題解決のための補足的
2.リンパ節特異性造影剤
検査と位置付けられる可能性があることを意味する。 肝特異性造影剤と同様、鉄製剤(USPIO)による陰性
現在のところ、Gd-EOB-DTPAの真の役割を見極める
造影剤とGd製剤による陽性造影剤に大別される。
にはまだまだエビデンスが乏しく、しばらくは多くのデ
鉄製剤は前述のように粒子径が30∼1,000nmのSPIO
ータを集めることが必要であろう。
は肝のKupffer細胞をはじめ細網内皮細胞に取り込まれ
るが、1,000nm以上の大きな粒子になると脾の網内系に
65(525)
日獨医報 第50巻 第 3 号 2005
取り込まれるようになる。逆に30nm以下の小さな粒子
emission CT)が最も現実に近い位置にあると考えられ
(USPIO)になると肝脾の網内系では貪食されず長期間
るが、空間分解能に優るMRも次代の分子イメージング
血液中に留まるため、相対的にリンパ節や骨髄の網内系
モダリティとして期待される。そのためには、PETに比
60)
細胞に多く取り込まれる 。リンパ節内への取り込みを
し数桁低い感度を補うためにクリアすべきいくつかの障
観察するためには50애mol Fe/kgという比較的大量の鉄
害があり、今後の技術革新が期待される 3–6)。
負荷が必要で、通常投与後 1∼2 日に撮像される。海外
1)
USPIO製剤による分子イメージング
では既に長期にわたって臨床治験が行われてきたが、
酸 化 鉄 の 単 結 晶( m o n o c r y s t a l l i n e i r o n o x i d e
人体の各部位でその成績 / 有用性は異なるようであ
nanoparticles:MION)にさまざまなラベリングをする
る
61– 6 4)
ことで目的とする受容体を画像化する試みが実験レベル
。
一方、陽性造影剤はマクロ環状構造をもつGdキレー
で報告されている。コレシストキニンでラベルしたもの
65)
に代表され、静注後15分と
はコレシストキニン受容体をもつ正常膵実質が描出さ
いう短時間でリンパ節組織に移行する。これは水溶性 /
れ71)、トランスフェリンでラベルしたものはトランスフ
脂溶性いずれの性質も併せ持つperfluoroctyl鎖の存在が
ェリン受容体をもつ腫瘍細胞が映像化される72)。ほかに
血液中でミセル形成を促進することにより、リンパ節内
も、このMIONと細胞核内輸送蛋白とを結合させリンパ
毛細血管内皮間隙からリンパ髄洞に漏出した
球をラベリングするもの73)、Annexin Vと結合させるこ
gadofluorine Mが同部網内系細胞に取り込まれる機序が
とでアポトーシス細胞をラベリングするもの74)なども報
考えられている。もちろん生体内の各部位の間質内に漏
告されている。
ト剤であるgadofluorine M
出したgadofluorine Mがリンパ管へ移行しリンパ節へ到
達する経路もあるが、こちらはより長時間のスパンでの
65)
2)
細胞内環境の変化の画像化
細胞内の微小環境変化が、ある一定の酵素活性を変化
増強効果に寄与しているものと考えられている 。必要
させ得ることを応用し、それに引き続いて造影剤内キレ
量は0.025mmol/kgと少なく使いやすいが、安全性がい
ート構造の変化から水分子とGdの距離の接近をもたら
まだ十分には確認されていない薬剤である。
すことができれば、緩和能の変化を体外から画像化する
ことができる。これは細胞内の代謝情報を直接画像化す
3.血管壁特異性造影剤
ることであるし、またある遺伝子の発現とこれらの環境
1)
プラーク造影剤
変化をリンクすることができれば、遺伝子発現自体をモ
は、動脈硬化プラ
ニタすることにもなる3–6)。細胞内pH 75、76)、細胞内グル
ークのなかでも、cardiovascular eventを起こす原因と
コース濃度 77)、細胞内温度 78)に関して基礎的報告があ
される不安定プラークのマクロファージにも貪食され
る。
リンパ節造影剤であるUSPIO
66–68)
る。この現象が実際の物理的血管内腔狭窄に先んじて観
察可能になれば、その臨床的価値は高い。しかしながら
おわりに
このプラークへの取り込みを観察するには 1mmol Fe/kg
という、リンパ節造影よりもさらに大量の鉄負荷が必要
本稿では、現在使用可能な肝のSPIOを中心にその現
となる。静注後数日経ってプラークの信号低下が起こる
状の解説と、包括医療下の造影剤使用のあり方について
という。
考察し、今後出てくるであろう新たな組織特異性造影剤
2)
血管内皮障害部位造影剤
に対する展望を述べた。既にその臨床的評価が確定して
いまだ動物実験レベルではあるが、血管内皮の障害部
いるSPIOに関してでさえ、真の医療経済的側面からみ
位に特異的に付着する色素evans blueにGdを結合させる
た使い方のガイドラインはいまだ明確には呈示されてい
ことで内皮障害部位を特異的に造影することが可能であ
ない。今後Gd-EOB-DTPAをはじめとして次々と「魅力
る
69、70)
。
的な」組織特異性造影剤が使えるようになるであろう
が、われわれ放射線科医も単にその診断能にのみ注目す
4.分子イメージング
るのではなく、その費用、さらにはその診断に基づく治
分子イメージングの担い手としてはP E T(p o s i t r o n
療・予後まで想定した広い視野に立った考え方をもって
66(526)
日獨医報 第50巻 第 3 号 2005
これら組織特異性造影剤に取り組むことが肝要であると
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