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市営住宅の入居制度見直しに関する基本方針について

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市営住宅の入居制度見直しに関する基本方針について
市営住宅の入居制度見直しに関する基本方針について
1.これまでの経緯
伊達地区の市営住宅入居者は、大滝地区と比較し入居期間が長い傾向にあります。
特ににれの木団地では、市営住宅の通算入居年数(平均)が 30 年を超える団地があるよう
に、市営住宅で一生暮らす方が多くいます。
また、本市では、これまで市営住宅のほとんどで、入居期間や入居世帯を定めない「一般
世帯向け住宅」として入居者を募集してきたため、上述以外にも長期間市営住宅で暮らす方
が多く、入居待機者(応募者)の増加に一層拍車をかけています。
近年、市営住宅の応募状況は、にれの木団地を筆頭に市内中心部の一部住宅へ応募者が殺
到する一方、老朽化が著しい又は設備が整っていない住宅は敬遠されている等「二極化」の
傾向が顕著になっています。
端的に表現すると、
「抽選での当選確率が高く、かつ家賃が安くても、現在の生活水準を下
げてまで古い住宅には入居しない」と考える応募者が多数であることを意味しています。
この公営住宅法の主旨とは異なる「住宅困窮者」の存在が、本市が本来住宅提供すべき者
の入居機会を奪っていることは明らかであり、今後、市営住宅の「住宅セーフティネット」
としての役割を適切に果たしていくためには、現在の応募者の住宅困窮度を一律に同等と評
価する「一般公募・抽選方式」の入居者選考を改める等、市営住宅入居制度全般の見直しが
必要になっています。
※
公営住宅法に規定される「住宅困窮者」とは
=
最低居住水準の住宅を住宅市場において自力で確保することが困難な者
2.市営住宅入居制度見直し(案)の骨子
(1)
「住宅困窮度」評価に基づく優先入居制度の導入
本市では、公営住宅法施行令第7条に規定する「入居者の選考基準」を基本に、応募者
の住宅に困窮する実情を客観的に評価・数値化する「ポイント方式」を採用し、市営住宅
が空きしだい、住宅困窮度の高い者(点数が高い者)から優先入居を認める選考方法に改
めます。
また、国が「優先入居の取扱いが適当」とする世帯のうち、市営住宅の「住宅セーフテ
ィネット」としての役割を踏まえ、今後も支援が必要な世帯に、①高齢者世帯、②障がい
者世帯、③母子世帯、④子育て世帯(小学校入学前の子を含む3人以上の世帯)、⑤多子世
帯(18歳未満の子3人以上と同居する世帯)を据えて、平成28年4月1日から順次入居を
開始します。
1
※各世帯構成の定義(平成28年4月1日~)
世帯区分
入居対象者
高齢者世帯
(1)
高齢者(60歳以上)の単身世帯
(2)
高齢者(60歳以上)のみの世帯
(3)
高齢者(60歳以上)と18歳未満の者のみの世帯
(4)
高齢者(60歳以上)と配偶者のみの世帯
(5)
高齢者(60歳以上)と配偶者及び18歳未満の者のみの世帯
(1)
障がい者の単身世帯
(2)
障がい者のみの世帯
(3)
障がい者と18歳未満の者のみの世帯
(4)
障がい者と配偶者のみの世帯
(5)
障がい者と配偶者及び18歳未満の者のみの世帯
障がい者※世帯
母子世帯
配偶者(内縁関係含む)がいない女性で、18歳未満の子を扶養し、かつ
その子と同居している世帯
子育て世帯
多子世帯
(1)
小学校入学前の子と両親で構成する3人以上の世帯
(2)
小学校在学中の子と両親で構成する3人以上の世帯
(3)
妊娠している女性と婚姻関係(内縁関係含む)にある男性の世帯
18歳未満の子3人以上と両親で構成する世帯
※障がい者とは

身体障がい者…身体障害者手帳1~4級の交付を受けている方

精神障がい者…精神障害者保健福祉手帳1~3級の交付を受けている方

知的障がい者…療育手帳A・B判定の交付を受けている方

原子爆弾被爆者

海外引揚者

ハンセン病療養所入所者
(2)
等
定期入居制度の導入
本市では、③母子世帯や④子育て世帯、⑤多子世帯等を対象に、市営住宅の「期限付き
優先入居許可制度」を導入します。
これら世帯への住宅提供は、生活の安定や自立を促すことがその目的ですが、子の独立
後は、必ずしも支援が必要とは言えないこと、また、世帯員数と住宅の規模(間取り)が
適合しない「ミスマッチ」の発生につながることから、住宅ストックの効率的な利活用に
影響を与えます。
また、市営住宅に入居したくても入居できない世帯が多い一方で、一度入居すると長期
間入居し続ける世帯が多く、入居した世帯と入居できない世帯との間の不公平感が生じて
いることから、入居できない世帯との公平性確保のため、当制度の導入が必要です。
2
(3)
入居資格者の制限
本市は、市内在住者を優先入居させるための措置として、入居資格者を当面「市内に住
所又は勤務先がある者」に限定します。ただし、子育て世帯や多子世帯のほか、市長が特
に必要と認める世帯は、移住・定住促進等の観点から除外します。
また、「市町村税及び使用料その他の徴収金を滞納していないこと」を入居条件に加え、
条例に明記することで、家賃等の収納率向上に対する信頼性を担保します。
(4)
改良住宅の収入基準緩和
本市では、改良住宅の収入基準を下記のとおりに改め、公営住宅と同様の利活用を進め
ます。
収入区分
政令(国の基準)
現行 ※3
裁量階層
政令で定める金額(158,000円)以下で
※1
事業主体が条例で定める金額
本来階層
政令で定める金額(114,000円)を参酌し
※2
裁量階層の金額以下で事業主体が条例で
改正案
139,000円
158,000円
114,000円
158,000円
定める金額
※1
裁量階層
本来階層より高い所得でも特に居住の安定を図ることが必要とされる世
帯(例:高齢者世帯、障がい者世帯、子育て世帯等)
※2
本来階層
市営住宅の入居対象とする所得の範囲にある世帯
※3
改正前の住宅地区改良法施行令の基準額を市条例で規定したもの
【理由】
伊達市営住宅管理条例第50条では、住宅地区改良法第18条の規定に基づき、改良住宅に
入居させるべき者(住宅地区改良事業施行に伴い住宅を失ったもの等)が入居せず、又は
居住しなくなった場合に、それ以外の者が改良住宅に入居できるとしています。
しかし、現在の新規入居者は、本来改良住宅へ入居させるべき者ではなく、公営住宅の
入居者と何ら変わらない実態であること、また、本市ではこれまでも改良住宅を公営住宅
とみなし運営しており、改良住宅と公営住宅の入居収入基準を区別する理由がありません。
また、裁量階層と本来階層の収入基準が同一となっても、(1)住宅困窮度評価に基づく優
先入居制度導入で、収入基準で裁量階層に該当する応募者の優先入居には影響がないこと、
さらに、現在応募者が少ない改良住宅を今後住宅ストックとして有効活用していくために
も、収入基準の緩和が必要です。
3
(5)
市営住宅の特定目的指定拡大
本市では、住宅の階数や仕様等を参考に、住戸単位で入居が適当な世帯の専用住宅化(特
定目的指定)し、一般世帯向け住宅を段階的に削減します。
(大滝区の一部住宅等を除く。)
平成27年4月1日現在、市営住宅の管理戸数911戸のうち、高齢者世帯や子育て世帯向
け等に特定目的指定している住戸は計140戸(全体の約15%)で、それ以外は「一般世帯
向け」として活用していますが、エレベーターが設置されていない住宅の上層階に高齢者
世帯が居住している、あるいは、本来子育て世帯であるべき世帯が一般世帯として入居し、
高齢者世帯になるまで長期間入居する等の問題点が多いことから、段階的な見直しを進め
ます。
3.施行日(適用日) 平成 28 年4月1日(予定)
本市では、市営住宅入居制度の見直しを進めるため、伊達市営住宅管理条例及び同条例施
行規則の一部改正のほか、伊達市特定公共賃貸住宅管理条例及び同条例施行規則の一部改正
を実施すると共に、下位規程として必要な要綱等の整備を進めます。
これらの実施には、市議会や伊達市営住宅審議会での審議のほか、市民参加条例に基づく
「パブリックコメント」で市民の皆さんの意見を反映させた制度の見直しを進めます。
4.入居制度見直しによる効果の点検・見直し
本市では、入居制度の運用状況や実施の効果等を検証すると共に、伊達市営住宅審議会の
議論を十分踏まえながら、必要な見直しを随時行うものとします。
5.今後のスケジュール(予定)
年月
項目
内容
H27.9.15~
パブリックコメント
意見募集(1 ヵ月間)・回答
H27.10
市住宅審議会開催(予定) 市の最終方針報告
H27.12
条例改正案、市議会提案
H28.1
規則改正・要綱整備
H28.2
入居申込事前受付開始
住宅困窮度評価・順位付け⇒入居予定者選考
H28.4
新入居者選考方法開始
入居開始
※特記事項
旭町改良住宅の入居者移転や高齢者・障がい者の1階への住み替え等、特にやむを得ない
ものを除き、新入居者選考方法開始まで一切の新規入居は行わない。
4
参考資料(市営住宅入居の世帯別方針)
世帯区分
基本的な考え方
子育て世帯
多子世帯
従来の小学校入学前の子がいる「子育て世帯」に加え、18 歳未満の子
を3人以上養育する「多子世帯」を期限付き優先入居対象者とする。
なお、子育て支援や移住定住促進の観点から、一定の広さを備えた住宅
を特定目的住宅として指定し、市内在住者に限らず、市外からの移住希望
にも柔軟に対応する。
※子育て世帯の条件緩和(例:小学生以下の子がいる3人以上の世帯等)
を視野に入居条件・入居期間・対象戸数等、今後さらに詳細を詰める。
母子世帯
これまでの応募者全体で多数を占める母子世帯に対しては、応募者世帯
の状況を分析した上で、適切な住宅戸数の特定目的住宅を確保する。
ただし、期限付きの優先入居対象者とする。
※入居条件・入居期間・対象戸数等、今後さらに詳細を詰める。
高齢者世帯
障がい者世帯
高齢者の単身世帯や夫婦世帯、混合世帯等の世帯構成に柔軟に対応し、
エレベーターが設置されている住宅や各住宅の1階を基本として、バリア
フリー化された住戸を一定数確保し、特定目的住宅として活用する。
超高齢化社会の進展に伴い、今後さらに応募者の増加が見込まれるが、
現時点でも市内在住者が入居できない状況であるため、入居資格者を当面
「市内に住所又は勤務先がある者」に限定する。
また、将来的なシルバーハウジング住宅への改修を視野に、にれの木団
地での「高齢者集住」を検討する。
『まちなか居住推進枠』(試行)
市内で高齢化率が特に高い有珠・黄金地区等の高齢者で、持家がバリア
フリー化されていない、持家管理に不安を抱く単身者等のうちで希望者を
市営住宅へ優先入居させる。
<入居条件>

世帯に 65 歳以上の高齢者がいること

持家が耐用年数(おおむね 30 年)を経過し修理不可能な住宅や構造
部分に大規模な修繕が必要な住宅に入居している世帯

持家を将来的に解体または処分する方針であること
※入居条件・入居期間・対象戸数等、今後さらに詳細を詰める。
高齢化率(平成 26 年 3 月末現在・市民福祉の概要から引用)
有珠地区 44.5%、黄金地区 44.1%、関内地区 42.7%、稀府地区 42.0%
5
車いす常用者
世帯
新規就労者世帯
車いすを常用し生活する者がいる世帯向けは、従来どおり住宅の仕様に
適合した住宅提供を行う。
旭町改良住宅の一部を活用し、新規就労者を期限付きで優先入居させ、
農業・漁業を中心とした本市の産業の担い手育成と生活安定を図る。
※入居条件・入居期間・対象戸数等、今後さらに詳細を詰める。
改良住宅の収入基準緩和と特定目的化に加え、同居親族条件の緩和で
単身者の入居に対応する。(条例改正必要)
一般世帯
大滝区の一般世帯向け住宅など、特定目的住宅の指定がなじまないもの
を除き、住宅戸数を段階的に削減し、特定目的住宅へ振り替える。
また、一般世帯向け住宅のあり方そのものを再検討し、必要に応じ定期
入居制度の対象に加える。(例:入居から最大 10 年間)
6
住宅困窮度評価基準(案)
住宅困窮度評価項目(公営住宅法施行令第7条)
住宅以外の建物若しくは場所に居住している
1
保安上危険若しくは衛生上有害な状態にある住宅に居住している
他の世帯と同居して著しく生活上の不便を受けている
2
住宅がないため親族と同居することができない
3
住宅の規準設備又は間取りと世帯構成との関係から衛生上又は風教上不適当な居住状態にある
4
正当な事由による立退きの要求を受け、適当な立退き先がないため困窮している
5
住宅がないために勤務場所から著しく遠隔の地に居住を余儀なくされている
6
収入に比して著しく過大な家賃の支払を余儀なくされている
住宅困窮度評価の着眼点
5
非住宅を内部改装等で転用した住宅に居住している
3
持家の耐用年数が経過・老朽化し、修理不可能な住宅に入居している
3 1年以内に解体又は処分すること
持家の耐用年数が経過・老朽化し、住宅の構造部分に修繕が必要な住宅に入居している
持家の耐用年数が経過・老朽化し、かつバリアフリー化されていない等で日常生活に窮している者
で、入居者及び同居者が65歳以上の世帯 ※黄金・有珠地区に限る(試行措置)
崖上又は崖下などの危険な場所に住んでいる
1 1年以内に解体又は処分すること
1日中ほとんど日照・通風が無いところに住んでいる
1 証明書類の提出が必要
1軒の住宅に2世帯以上同居し苦痛が甚大である
3 証明書類の提出が必要(直系親族との同居は除く)
直系親族と同居しているが苦痛が甚大である
1 証明書類の提出が必要
配偶者(婚約者を含む)と別居している ※入居申込から3月以内の婚姻予定に限る
3
親子や兄弟など親族(扶養を要する者を含む)と別居している
1
台所やトイレなどを他の世帯と共同で使用している
5
1つの部屋又は間仕切りが不完全な場所に2夫婦以上が居住している
5
夫婦と12歳以上の者が1つの部屋に就寝している
3
1つの部屋に12歳以上の異性兄弟が就寝している
3
1つの部屋に12歳以上の同性兄弟が就寝している
1
最低居住水準未満の住宅に居住している(最低居住水準:単身→25㎡・2人以上→(10×世帯員数+10)㎡)
3 和室・洋室・居間の合計面積/世帯員数
家主から立退き要求を受けている(自己の責による場合を除く)
5 証明書類の提出が必要
裁判上の立退き要求を受けている(自己の責による場合を除く)
5 証明書類の提出が必要
通勤時間 1時間以上を余儀なくされている(大滝区居住者を除く)
1
家賃負担率 30%以上
5 家賃(月額)/収入月額※×100
家賃負担率 25%以上30%未満
4 家賃(月額)/収入月額※×100
家賃負担率 20%以上25%未満
3 家賃(月額)/収入月額※×100
家賃負担率 15%以上20%未満
2 家賃(月額)/収入月額※×100
家賃負担率 10%以上15%未満
1 家賃(月額)/収入月額※×100
家賃負担率 10%未満(持ち家所有者・生活保護受給者含む)
0
障がい者世帯(身体障がい3・4級、精神障がい2級又は知的障がいB判定の者がいる)
8
10
8
15 定期入居制度適用
母子世帯(18歳未満の子2人以上とその母親)
18 定期入居制度適用
子育て世帯(12歳未満の子1人とその両親)
15 定期入居制度適用
子育て世帯(12歳未満の子2人とその両親)
18 定期入居制度適用
多子世帯
20 定期入居制度適用
生活保護受給者
10
DV被害者
20
中国残留邦人
20
海外からの引揚者
20
ハンセン病療養所入所者
20
戦傷病者
20
原子爆弾被爆者
20
抽選もれ連続年数3年以上
最大5 5-収入月額※/100,000(小数点以下第2位まで)
3 抽選番号票が必要
抽選もれ連続年数2年
2 抽選番号票が必要
抽選もれ連続年数1年
1 抽選番号票が必要
※収入月額…入居者及び同居者の収入月額(1年間の継続的な課税対象となる収入及び非課税所得とされている年金、給付金、手当等、すべての収入額を1月あたりに換算した金額)
住宅困窮度評価にあたり、現地調査を実施する場合あり
10
母子世帯(18歳未満の子1人とその母親)
収入月額に対する加算
その他(特別加算)
1 証明書類の提出が必要
1 証明書類の提出が必要
障がい者世帯(身体障がい1・2級、精神障がい1級又は知的障がいA判定の者がいる)
8
10 将来的に解体又は処分する方針であること
付近に悪臭や騒音を放つ施設があり被害を受けている
高齢者世帯(60歳以上が1人)
現に住宅に困窮していることが明らかである
※複数該当の場合は配点が高い方を採用
摘要
工場や倉庫などの非住宅に居住している
高齢者世帯(60歳以上が2人以上)
7
評価点数
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