鉄人 - かながわ経済新聞

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2016年
Vol.033
9月号
かながわ経済新聞
発行日 2016/9/10
発行
かながわ経済新聞合同会社　編集長 千葉 龍太
〒252－0239　相模原市中央区中央3－12－3 相模原商工会館 本館1F
TEL 042－851－3021　FAX 042－851－3532
監修
産業情報化新聞社　編集長
神奈川版
竹原 信夫
〒５５０－0003　大阪市西区京町堀1丁目14-25 京二ビル205号
ＴＥＬ．
０６－６４４５－７４０５　ＦＡＸ．
０６－６４４５－７４０６
URL http://www.akaruinews.com
機免許を取得するほど「空」に
熱中した。
■シェア１００％の製品も
夢
ＵＡＶ事業を始めたのも、こ
うした趣味がきっかけだ。
「趣味を仕事に生かすことも
必要です。なぜなら、造詣が
深い分、最初からその世界の
趣味 を本業 にして
飽き足らず、中古の小型飛行
機を購入したり、渡米して飛行
ニーズが分かりますし、どんな
モノが売れるかも知っています
から」と力説する。
セキュアロジック（横
浜 市 青 葉 区 新 石 川、 ☎
０４５・９１２・２０９９）
は、インターネット上
でバーチャルな展示会
をおこなう新事業を立ち上げた。
「エアメッセ」と名付けた仮想展示
会場にブースを出展できるもので、
そ れ を 最 初 に 具 現 化し た
来場者は２４時間３６５日アクセス
の世界だった。１９９３年に
と平井靖社長。出展費用は５万円からで、月額利用
乗 馬 競 技「 自 動 計 測 シ ステ
料６０００円（いずれも税別）だ。
仮想会場で開催
できる。
「日本初のリアル体感クラウド展示会です」
いつでも アクセス可能
ム」を商品化。これまで手作
業でやっていた選手の採点集
計を自動化した。結局、田辺
社長の言葉通り、ニーズをと
らえ、今や国内シェアはほぼ
小型の無人飛行機（固定翼無人
フジ・インバック
１００％、国体でも採用さ
れるまでになった。
機、ＵＡＶ）で国内屈指とされる技術力を持った
■ラジコンの経験を反映
中小企業が、横浜市磯子区にある。フジ・インバ
しばらくして始めたのが、ラジコン飛行機のエンジン製
ック（☎０４５・７５５・２２６１）が開発したのは、
造だった。一方で、
ラジコン飛行機の輸入販売も手掛けた。
落下の危険性を感知したら、パラシュートを自動
こうしたなか、政府機関から「南極で使用するＵＡＶ
で開いて墜落を防ぐＵＡＶだ。海外にもないオン
を作れないか」と持ち掛けられたのをきっかけに、同分
リーワン技術で、世界市場から注目されている。
野に本格参入することになった。
開発でまたしても役立ったのが趣味、ラジコン飛行機
■福島第１原発上空を飛行
での経験だった。
「以前からラジコンの操縦をしていまし
ＵＡＶは防災や警備のほか、火山上空のよう
たが、楽して上達するにはどうすればよいかを探っていま
に有人機の飛行が難しい条件下での飛行で活躍。
２０１１年の福島第１原発事故では、同社製ＵＡ
Ｖが爆発した原子炉の上空を飛行し、鮮明な写
真を送り続けた。同社では現在、さまざまなタイ
誠治社長が１９７９年に設立した企業。
「イオン
注入装置」と呼ばれる、半導体製造には欠かせ
ない装置の開発、販売で成長した。
田辺社長の趣味は、乗馬とラジコン飛行機。
「学生時代は
パイロット志望でした」という田辺社長は、ラジコンでは
ともありました」と振り返る。
一方、展示会の出展者にとっても、
出展にあたりブースに置くパネルを制
作するものの、終了後には撤去しなけ
ればならない。
そこで考えたの
が「 エ ア メ ッ セ 」
の 構 想 だ。
「ネッ
ト上の展示会場で
ＣＧでブースをつ
くって展示すれ
した。それなら、操縦は自動化して、技術的に難しい着
ば、双方の
陸には、パラシュートを使えばいいと思いました。その発
問題を解決できるのでは」と考え、２０
想を自社製品開発にも採用しました」
。
１４年に脱サラして起業。準備期間を経て、
同社のＵＡＶには、世界で唯一、パラシュートが搭載
サービス開始にこぎつけた。
されており、
「絶対に落ちないことを目指すＵＡＶ」とし
て世界から注目されている。
初期投資５万円からで、同社が仮想ブー
スなどを制作。ブース内には、新製品・新
２０１３年には、パラシュートを開いてから、方向を
技術などの紹介動画やパネルを展示できる。
自由に操作できる技術も開発。さらに、飛行中に有人機
入場者は幅広いジャンルから出展者を検
の電波をキャッチして、空での衝突を防止するシステム
索でき、目的のブースを閲覧できる。気に
も実用化している。
なる展示があれば「商談申し込み」か「問
「海外で小型のＵＡＶと言えば『落ちて当たり前』とい
う認識です。海外メーカーは落ちる確率の低いＵＡＶを
絡できる。
競って開発します。だからこそ、
「毎年の展示会費用を抑えたい企業、そ
この夏、英 語 圏の大 学に
進 学 を 考 えている高 校 生の
甥の教 育 を 兼ねて、英 国に
知人を訪ね、１週間滞在し
てきました。
甥によると、相 手の発 信
を 理 解 して対 応 す る﹁
︵英
語での︶会 話のキャッチボー
ル﹂は、自 分の頭の中
での準備ができない
のでとても 難 しい、
とのことでした。
そこで、ちょっと
した会話を練習してみ
たい甥は、渡 英 前から戦 略
を考えたようです。
▽初 老の女 性は子 供には
親 切だろう し会 話 もゆっく
りで忍耐強そう▽スーパーな
どでは具体的なものについて
質問をする▽ＹＥＳ／ＮＯで
具体的に答えてもらえる質
問をする、といったものです。
この作戦が奏功したのか、
当社のＵＡＶは驚かれますし、マ
れに都心に出られないが、新技術を売り込
ネのできない技術なんです」と胸
みたい地方企業にも向いています」と平井
を張る。
社長。初年度は１００件ほどの出展を見込
オンリーワンの技術を引っ下
んでいる。
げ、世界市場に羽ばたこうとし
ている。
一筋の職人だ。現在、工場では鉄やステンレス
綾瀬工業団地の
鉄人
長。どんな加工依頼に対しても「できない」と
は言わない主義を貫く。
の奥さんとともに１時間半かけて出
として知られる
綾瀬市内の綾瀬工業団地に“鉄
人”がいる。板金加工、京浜製
作所（☎０４６７・７８・５３
社する。午前８時には工場を開けて
いる。土曜日も休まない。
「引退はしません。きっとモノづ
京浜製作所の 本田社長
して、たった１人で工場を回している。
長崎県出身。１５歳からモノづくり
くりが好きなんでしょ
うね。やっぱり、カタ
チができるまで夢中になりますから」
。
そんな本田社長は、きょうも現場で汗
を流している。
82
一人で工場運営
川崎市川崎区の自宅から、経理担当
ノづくりのまち」
に携わっている本田社長は、金属加工
■ご購読のお申込みは、kanakei.jp から
種類ほどに及ぶという。
「工業団地に長くいますから、
（他工場で）加
大小の町工場
社長だ。８２歳に
る部品も、工場設備の関連部品など年間３００
工できない困った案件も頼まれます」と本田社
が 集積する「モ
７０）の本田正行
などの加工や溶接などを一人でこなす。手掛け
歳
現地の老婦人たちと、ちょっとした
質問は積極的に、回答はシンプルに 会 話を交わすことに成功できまし
た。
さて、ビジネスの世界では、この例ほ
どに単純な場面は考えられず、相手を
選ぶことはできません。
しかし▽話は単 純にする▽回 答はシ
ンプルにする▽話の落としどころを社内
で話し 合って決めてお く▽写 真や具 体
的な品 物 を見せながらコミュニケーショ
ンを取る︱など、
﹁戦略﹂を持って事に
当たることは、ビジネスの局面
ではさらなる効果が期待で
きます。
英 語での問い合 わせを
受けた側としては、質問に
答 えることで頭がいっぱいにな
り、手元にボールを持ったまま、右往左
往する場面が多くなりがちです。
ビジネスで対 等な立場、できれば優
位な立場を得るために、問い合わせ側へ
質問を投げかけ相手にボールを渡して
みましょう。質 問は相 手への関 心 を 示
す行動です。シンプルかつ明快な回答を
しつつ、積極的に質問して、信頼を積み
上げることをお忘れなく。
︵コンテックス代表取締役︶
海 外
～グローバルな販路開拓、実現できます～ 展 開
近藤千奈美の明日からできる！
い合わせ」をクリックすれば、担当者と連
● 平成 年熊本地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
もともと商社マンでエンジニアでもあった田辺
タイミングが合わずに会場に行けないこ
する。
商材を探しによく展示会に足を運んでい
た。ただ、
「仕事のスケジュールの関係上、
や地方企業 も
プのＵＡＶを年間５０機（標的機含む）ほど生産
平井社長はサラリーマン時代、ほしい
小規模企業
小型ＵＡＶ で世界屈指 の技術
のが、もう一つの趣味、乗馬
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