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キャリアデザイン学(PDF/2MB)

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キャリアデザイン学(PDF/2MB)
キャリアデザイン学専攻(夜間)
<理念、目的、教育目標>
本専攻は、個人のキャリア発達や組織開発のために、教育機関でキャリア教育・支援を行う高度専門職の養成と再教
育を行うこと、さらに、企業や文化組織、地域社会などでキャリア開発や人材マネジメントを担う高度専門職の育成と
再教育を行うことを、主たる目的とする。
経営学、教育学と、隣接する学問分野にわたる学際的な専門知識をベースにしながら自らの職業経験を生かした研究
課題を設定し、社会調査の手法を駆使して実証的な課題解明ができる人材の育成を目標とする。
<履修上の注意>
キャリアデザイン学専攻は、従来までの「経営学研究科」から分離独立し、2013 年度に単独の専攻からなる「キャ
リアデザイン学研究科」として開設いたしました。これに合わせ、2013 年度入学者からカリキュラムの変更を行いま
した。2012 年度までの入学者は、従来までのカリキュラムに従って単位を修得します。以下それぞれのカリキュラム
を掲載しますので、各自の入学年度に応じて該当する表にしたがい単位を修得してください。
【2013 年度以降入学者のカリキュラム】
(キャリアデザイン学研究科に所属する学生のカリキュラム)
科 目 区 分
演習科目
基礎・共通科目
基礎科目
共通科目
キャリア教育・
発達プログラム
プログラム科目
キャリア発達科目
担当教員名
単位
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
上 西 充 子
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
梅 崎 修
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
木 村 琢 磨
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
児美川 孝一郎
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
坂 爪 洋 美
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
笹 川 孝 一
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
佐 藤 厚
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
佐 藤 恵
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
高 野 良 一
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
武 石 惠美子
Web
Ⅰ・Ⅱ 各2単位、
シラバス
合計4単位必修
各2
参照
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
田 澤 実
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
田 中 研之輔
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
筒 井 美 紀
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
松 浦 民 恵
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
宮 城 まり子
各2
キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱ
安 田 節 之
各2
キャリア調査研究法基礎
佐 藤 恵
2
346
量的調査法
坂 田 哲 人
2
347
質的調査法
佐 藤 恵
2
348
生涯発達心理学
岡 田 昌 毅
4
349
教育心理学
田 澤 実
4
350
産業・組織心理学
坂 爪 洋 美
4
351
キャリアカウンセリング論
宮 城 まり子
4
352
コミュニティとキャリア
田 中 研之輔・
安 田 節 之
4
353
キャリアガイダンス論
児美川 孝一郎
4
354
高 野 良 一
4
355
キャリア・プロフェッショナル科目 教育組織イノベーション論
キャリア政策科目
掲載
ページ
授 業 科 目
キャリア教育論
上 西 充 子
4
356
教育社会学
御旅屋 達
4
357
生涯学習論
笹 川 孝 一
4
358
備 考
基礎科目の中から4単位以
上選択必修。
共通科目の中から4単位以
上選択必修。
キャリア教育・発達プログ
ラムの学生は、キャリア教
育・発達プログラム科目の
中から、12単位以上選択
必修。
342
09キャリアデザイン学専攻2017.indd 342
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科 目 区 分
ビジネスキャリア
プログラム
プログラム科目
キャリア発達科目
授 業 科 目
単位
掲載
ページ
キャリア開発論
浅 野 浩 美
4
360
人的資源管理論
佐 藤 厚
4
362
木 村 琢 磨
4
363
人事組織経済学
梅 崎 修
4
365
職業キャリア政策論
松 浦 民 恵
4
366
キャリア・
プロフェッショナル科目 経営組織マネジメント論
キャリア政策科目
担当教員名
備 考
ビジネスキャリアプログラ
ムの学生は、ビジネスキャ
リアプログラム科目の中か
ら、12単位以上選択必修。
※キャリアデザイン学演習Ⅰ・Ⅱの講義概要は Web シラバスを参照してください。
<履修のしかた>
(1)履修総単位数(30 単位)と必修単位
修了要件として、総修得単位数 30 単位以上と修士論文の合格が必要です。
必修単位として、
「演習科目」4 単位、
「基礎科目」から 4 単位以上、
「共通科目」から 4 単位以上、
「プログラム科目」
のうち自分が所属するプログラムの科目を 12 単位以上、を履修することが必要です。詳細は前頁の科目一覧表の説
明を参照してください。
なお「プログラム科目」のうち、自分が所属しないプログラムの科目を履修した場合は、選択科目として修了単位
に算入します。
(2)プログラム制について
「キャリア教育・発達プログラム」と「ビジネスキャリアプログラム」の 2 つのプログラムを設定しています。全
員がいずれかのプログラムに所属します。プログラムの選択は、1 年次の 11 月頃を予定しています。詳細は後日指
示します。
(3)修士論文について
修士論文は単位外ですが必修です(つまり、これに合格しなければ修了できません)。
<履修上の注意>
キャリアデザイン学専攻
(1)一度履修した科目を、再度履修することはできません。
(2)キャリアデザイン学演習Ⅰ、キャリアデザイン学演習Ⅱは、2 年次に必修科目として履修します。春学期に演習Ⅰを、
秋学期に演習Ⅱを開講します。演習と修論指導は一体のものです。演習履修と修論指導の具体的運用については、別
途指示します。また、演習は土曜日 7 時限にコマとして一斉設置されますが、具体的な開講形態(曜日・時限・場所・
スケジュール)は演習ごとに決定されます。
(3)以下の注意事項の規定にかかわらず、法政大学大学院学則により、他専攻及び他大学で修得した単位は、合計 10
単位を超えて修了所要単位に算入することはできません。
(4)経営学研究科経営学専攻、専門職大学院イノベーションマネジメント研究科イノベーションマネジメント専攻及び
同研究科アカウンティング専攻の設置科目は、授業担当教員の承認を得れば履修することができ、10 単位まで選択
科目として修了所要単位に算入することができます。なおアカウンティング専攻設置科目の履修制度は、同専攻の学
生募集停止により、2015 年度をもって終了いたしました。
(5)専攻独自行事として、以下のものが予定されています。
新入生オリエンテーション 4 月 1 日(土)13 時~
第 2 回修士論文構想発表会 4 月 1 日(土)14 時 30 分~
(2 年生の修士論文構想発表に、新入生も全員参加のこと)
第 1 回修士論文構想発表会(1 年生が発表する) 後日掲示(秋に実施予定)
第 3 回修士論文構想発表会(2 年生が発表する。1 年生も全員参加) 後日掲示(秋に実施予定)
343
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【2011 ~ 2012 年度入学者のカリキュラム】
(経営学研究科に所属する学生のカリキュラム)
科 目 区 分
演習科目
基礎・共通科目
基礎科目
共通科目
ビジネスキャリア
プログラム
プログラム科目
キャリア教育・
発達プログラム
キャリア発達科目
授 業 科 目
単位
キャリアデザイン学演習
上 西 充 子
4
キャリアデザイン学演習
梅 崎 修
4
キャリアデザイン学演習
木 村 琢 磨
4
キャリアデザイン学演習
児美川 孝一郎
4
キャリアデザイン学演習
坂 爪 洋 美
4
キャリアデザイン学演習
笹 川 孝 一
4
キャリアデザイン学演習
佐 藤 厚
4
キャリアデザイン学演習
佐 藤 恵
4
キャリアデザイン学演習
高 野 良 一
4
キャリアデザイン学演習
武 石 惠美子
4
キャリアデザイン学演習
田 澤 実
4
キャリアデザイン学演習
田 中 研之輔
4
キャリアデザイン学演習
筒 井 美 紀
4
キャリアデザイン学演習
松 浦 民 恵
4
キャリアデザイン学演習
宮 城 まり子
4
キャリアデザイン学演習
安 田 節 之
4
キャリア調査研究法基礎
佐 藤 恵
2
346
質的調査法
佐 藤 恵
2
348
量的調査法
坂 田 哲 人
2
347
生涯発達心理学
岡 田 昌 毅
4
349
産業・組織心理学
坂 爪 洋 美
4
351
キャリアカウンセリング論
宮 城 まり子
4
352
コミュニティとキャリア
田 中 研之輔・
4
安 田 節 之
353
キャリアガイダンス論
児美川 孝一郎
4
354
高 野 良 一
4
355
生涯学習論
笹 川 孝 一
4
358
キャリア教育論
上 西 充 子
4
356
教育社会学
御旅屋 達
4
357
キャリア開発論
浅 野 浩 美
4
360
佐 藤 厚
4
362
木 村 琢 磨
4
363
人事組織経済学
梅 崎 修
4
365
職業キャリア政策論
松 浦 民 恵
4
366
キャリア・プロフェッショナル科目 教育組織イノベーション論
キャリア政策科目
キャリア発達科目
人的資源管理論
キャリア・
プロフェッショナル科目 経営組織マネジメント論
キャリア政策科目
掲載
ページ
担当教員名
備 考
Web
シラバス 4単位必修
参照
基礎科目の中から、2単位以
上選択必修。
共通科目の中から、4単位以
上選択必修。
キャリア教育・発達プログラ
ムの学生は、キャリア教育・
発達プログラム科目の中から、
12単位以上選択必修。
ビジネスキャリアプログラム
の 学 生 は、 ビ ジ ネ ス キ ャ リ
アプログラム科目の中から、
12単位以上選択必修。
※キャリアデザイン学演習の講義概要は Web シラバスを参照してください。
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<履修のしかた>
(1)履修総単位数(30 単位)と必修単位
修了要件として、総修得単位数 30 単位以上と修士論文の合格が必要です。
必修単位として、
「演習科目」4 単位、
「基礎科目」から 2 単位以上、
「共通科目」から 4 単位以上、
「プログラム科目」
のうち自分が所属するプログラムの科目を 12 単位以上、を履修することが必要です。詳細は前頁の科目一覧表の説
明を参照してください。
なお「プログラム科目」のうち、自分が所属しないプログラムの科目を履修した場合は、選択科目として修了単位
に算入します。
(2)プログラム制について
「キャリア教育・発達プログラム」と「ビジネスキャリアプログラム」の 2 つのプログラムを設定しています。1
年次に選択したプログラムに所属します。
(3)修士論文について
修士論文は単位外ですが必修です(つまり、これに合格しなければ修了できません)。
<履修上の注意>
(1)一度履修した科目を、再度履修することはできません。
(2)キャリアデザイン学演習は、2 年次に必修科目として履修します。演習と修論指導は一体のものです。演習履修と
修論指導の具体的運用については、別途指示します。また、演習は土曜日 7 時限にコマとして一斉設置されますが、
具体的な開講形態(曜日・時限・場所・スケジュール)は演習ごとに決定されます。
(3)以下の注意事項の規定にかかわらず、法政大学大学院学則により、他専攻及び他大学で修得した単位は、合計 10
単位を超えて修了所要単位に算入することはできません。
(4)経営学研究科経営学専攻、専門職大学院イノベーションマネジメント研究科イノベーションマネジメント専攻及び
同研究科アカウンティング専攻の設置科目は、授業担当教員の承認を得れば履修することができ、10 単位まで選択
科目として修了所要単位に算入することができます。なおアカウンティング専攻設置科目の履修制度は、同専攻の学
生募集停止により、2015 年度をもって終了いたしました。
(5)2012 年度以前入学者が、キャリアデザイン学研究科において新設された「教育心理学」を履修する場合は、他研
究科(他専攻)科目として取り扱います。この科目を履修した場合は、前 2 項の説明にある 10 単位までの枠内で選
択科目として修了所要単位に算入することができます。
(6)専攻独自行事として、以下のものが予定されています。
新入生オリエンテーション 4 月 1 日(土)13 時~
第 2 回修士論文構想発表会 4 月 1 日(土)14 時 30 分~
(2 年生の修士論文構想発表に、新入生も全員参加のこと)
第 1 回修士論文構想発表会(1 年生が発表する) 後日掲示(秋に実施予定)
第 3 回修士論文構想発表会(2 年生が発表する。1 年生も全員参加) 後日掲示(秋に実施予定)
キャリアデザイン学専攻
345
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キャリア調査研究法基礎
佐藤 恵
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
社会調査は、現実の社会からデータを収集し、得られたデータの
分析を通して、社会現象を認識し理解する過程およびその方法です。
社会調査によって社会的なリアリティを把握することで、わたし
たちは、これまで見えていなかったことに気づき、認識を豊かなも
のにすることができます。
本講義では、キャリアデザイン学研究に必要な、社会調査の基本
を学び、量的/質的な調査・分析の諸方法を身につけます。
【到達目標】
授業においては、まず、量的/質的な調査・分析の諸方法につい
て基本的学習を行い、それらを理解し説明することができるように
なることをめざします。
その上で、調査法は方法論ですので、さまざまな分野・対象への適
用が可能です。本講義での学びを通し、応用的定着として、各自が
関心を持つ研究対象について、量的/質的調査の方法を適用し、量
的/質的な分析を行うことができるようになることを目標とします。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
社会学(地域社会学、福祉社会学、犯罪社会学、社会調査)。
<研究テーマ>
最近の研究テーマは、ボランティア/NPO、障害者支援、犯罪
被害者支援です。
現在、阪神大震災・東日本大震災の被災障害者への支援(ボラン
ティア/NPO)に関する調査、および、犯罪被害者への支援(支援
センター/セルフヘルプ・グループ)に関する調査を行っています。
<主要研究業績>
①伊藤智樹(編著)、荒井浩道・福重清・水津嘉克・佐藤恵(共著)
『ピア・サポートの社会学―ALS、認知症介護、依存症、自死遺児、
犯罪被害者の物語を聴く』(晃洋書房)2013 年
(東信
②佐藤恵『自立と支援の社会学―阪神大震災とボランティア』
堂)2010 年
〈支援〉の社会
③崎山治男・伊藤智樹・佐藤恵・三井さよ(編著)『
学―現場に向き合う思考』(青弓社)2008 年
【授業の進め方と方法】
講義形式の授業ですが、グループワークを取り入れる場合もあり
ます。
1つのテーマが数回分の授業に該当しますが、テーマごとの授業
時間数は下記「授業計画」から変更する場合があります。また、状
況に応じて、テーマの順番の入れ替え、テーマの差し替えの可能性
もあります。
各テーマを深く掘り下げることを通して、量的/質的調査法につ
いての理解・定着を図ります。
【授業計画】
春学期
回
テーマ
第 1 回 オリエンテーション
内容
授業の到達目標・テーマ、概略・
方法
社会調査の概要と歴史
第 2 回 社会調査とは
第 3 回 社会調査の類型
統計的研究と事例研究、量的調査
と質的調査
調査事例レビュー
第 4 回 社会調査の実際
調査と理論の結びつき
第 5 回 調査と理論
第 6 回 調査・研究のプロセス 概念、変数、仮説
調査票調査の種類、対象の設定
第 7 回 調査の企画
ワーディングの問題、選択肢の作
第 8 回 調査票の構成
成
無作為抽出の原理と方法
第 9 回 サンプリング
データ集計、相関関係、因果関係
第 10 回 データ分析
構造化面接、非構造化面接、半構
第 11 回 インタビュー法
造化面接
非参与観察、参与観察
第 12 回 観察法
第 13 回 ライフストーリー法
ライフストーリー・インタビュー
レポート構想発表会
第 14 回 レポート構想
まとめ
第 15 回 総括
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
調査対象やテーマに関するアイディアを錬り、それに関する資料
の収集を少しずつ進めていってください。
もう一つ、準備学習として重要なことは、1回1回の授業から社
会調査に関する視点・発想を学び、考え方の筋道を把握した上で、そ
れをしっかりと消化し、次回以降の授業のベースをつくることです。
【テキスト(教科書)】
特に指定しません。
【参考書】
授業中に随時、紹介します。
【成績評価の方法と基準】
提出課題(50%)、平常点(50%)。
【学生の意見等からの気づき】
板書を減らし、レジュメを軸に講義を展開していきます。
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第 16 回 まとめ
量的調査法
坂田 哲人
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
量的調査は、質的調査と対をなす方法で、様々な研究を進めるうえで
非常に有効な方法である。この授業では、春学期科目「キャリア調
査研究法基礎」で学んだことを発展させ、実際に統計ソフト(SPSS
を予定)を受講者自身が操作しながら、量的調査分析の手法を修得
していく。また、修士論文の作成にむけて、履修者各自の調査デザ
インをもとに実践的分析を進めていく。
【到達目標】
量的調査の理論と実践について理解する
統計ソフトを用いたデータ解析の方法について理解し、実践できる
ようになる
多変量解析について理解し、実践できるようになる
調査(分析)結果のまとめ方を習得する
【授業の進め方と方法】
各回テーマを設けて「統計的な理解」
「統計ソフトを使った分析」
「結
果のまとめ」という実践的な一連の流れで展開していく。個々の理
論を獲得するということではなく、論文執筆に活用することを念頭
に、実際の応用(実践)を意識しながら授業の進め方をする。
【授業計画】
秋学期後半
回
テーマ
第 1 回 ガイダンス
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
・春学期科目「キャリア調査研究法基礎」を履修しておくこと。
・履修者は自らの関心に沿ったフィールド(量的調査の対象)を有し
ておくことが望ましい。
・理解度確認のためのミニレポートを課します(授業支援システム
に提出していただきます)。
【テキスト(教科書)】
特定の教科書は使用いたしません。
必要に応じて資料を配布します。
【参考書】
特に指定しない
【成績評価の方法と基準】
授業ごとに理解度確認のためのミニレポート課題を課します。
これに全体の 50 %の割合を配分します。
また、学期末にレポート課題を課します。
これに全体の 50 %の割合を配分します。
以上の合計によって 100 点満点にて評価を行います
【学生の意見等からの気づき】
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません
【学生が準備すべき機器他】
授業の円滑な進行のために、授業支援システムを活用します。課題
の提出などは原則として授業支援システムを通じて行っていただき
ます。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
人材開発・組織開発・組織調査
<研究テーマ>
対人支援職の専門性開発とそれを支える組織コミュニティづくり
<本講義に件する主要研究業績>
-「総合的な学習に対する教師の意識についての調査研究―総合的な
学習の実践に関する満足要因,不満足要因に着目して」2006 年,共著
- "A study of organizational management and development in
nursery schools
- from the perspective of human resource
development" 2016 年, Pacific Early Childhood Education
Research Association, 国際学会発表論文
-「自主的な集団活動がもたらす組織変革行動への影響」2010 年, 経
営行動科学学会発表論文
キャリアデザイン学専攻
内容
量的調査の概要と考え方について
概説し、履修者自身の興味関心と
どのような結びつきがあるのかに
ついて検討する
第 2 回 統計解析ソフトの使い 統計ソフトの基本的な操作方法を
方
習得する。本講義では SPSS を
用いる
データセットの作り方と外れ値や
第 3 回 データセットの作成
データクリーニングについて理解
する
第 4 回 基礎統計 (1)
基礎統計の方法(1 変量の集計)
について理解する
カテゴリカルな複数の変量を使っ
第 5 回 基礎統計 (2)
た基礎統計の方法(クロス集計)
について学習する
連続的な複数の変量を使った基礎
第 6 回 基礎統計 (3)
統計量の算出方法(平均値の比較
など)について学習する
標本調査を前提とした推測統計の
第 7 回 統計的推計
考え方について理解する
第 8 回 推測統計と統計的検定 統計的検定の考え方と方法につい
て学習する
因子分析(因子の構成や尺度の構
第 9 回 多変量解析 (1)
成の仕方についても)について学
習する
第 10 回 多変量解析 (2)
クラスター分析について学習する
変量間の因果関係をあらわした
第 11 回 回帰分析とモデル
データ分析モデルの構築と、回帰
分析について学習する
2 変量移動の独立変数を持つ回帰
第 12 回 重回帰分析
分析(重回帰分析)について学習
する
本講義で取り扱っているデータ分
第 13 回 データ分析演習 (1)
析が可能となるような質問紙設計
の方法について学習する。
データを取得してから、分析し、
第 14 回 データ分析演習 (2)
論述していくまでの一連の手続き
の中で、本講義で取り扱っている
分析がどのように扱われるかにつ
いて実践的な理解をする
自身の修士論文執筆の構想に合わ
第 15 回 調査計画の立案
せた調査計画の組み方ついて検討
する
—2—
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全体を通して振り返り、学習内容
の定着を図る。
347
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質的調査法
【成績評価の方法と基準】
提出課題(50%)、平常点(50%)。
佐藤 恵
【学生の意見等からの気づき】
板書を減らし、レジュメを軸に講義を展開していきます。
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
社会調査は、現実の社会からデータを収集し、得られたデータの
分析を通して、社会現象を認識し理解する過程およびその方法です。
社会調査によって社会的なリアリティを把握することで、わたし
たちは、これまで見えていなかったことに気づき、認識を豊かなも
のにすることができます。
本講義では、社会調査のうち、統計的計算や数字に頼らない「質
的調査」に焦点を合わせ、質的調査・質的分析の諸方法について学
びます。
【到達目標】
授業においては、まず、質的調査・質的分析の諸方法について基
本的学習を行い、それらを理解し説明することができるようになる
ことをめざします。
その上で、調査法は方法論ですので、さまざまな分野・対象への
適用が可能です。本講義での学びを通し、応用的定着として、各自
が関心を持つ研究対象について、質的調査の方法を適用し、質的な
分析を行うことができるようになることを目標とします。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
社会学(地域社会学、福祉社会学、犯罪社会学、社会調査)。
<研究テーマ>
最近の研究テーマは、ボランティア/NPO、障害者支援、犯罪
被害者支援です。
現在、阪神大震災・東日本大震災の被災障害者への支援(ボラン
ティア/NPO)に関する調査、および、犯罪被害者への支援(支援
センター/セルフヘルプ・グループ)に関する調査を行っています。
<主要研究業績>
①伊藤智樹(編著)、荒井浩道・福重清・水津嘉克・佐藤恵(共著)
『ピア・サポートの社会学―ALS、認知症介護、依存症、自死遺児、
犯罪被害者の物語を聴く』(晃洋書房)2013 年
(東信
②佐藤恵『自立と支援の社会学―阪神大震災とボランティア』
堂)2010 年
〈支援〉の社会
③崎山治男・伊藤智樹・佐藤恵・三井さよ(編著)『
学―現場に向き合う思考』(青弓社)2008 年
【授業の進め方と方法】
講義形式の授業ですが、グループワークを取り入れる場合もあり
ます。
1つのテーマが数回分の授業に該当しますが、テーマごとの授業
時間数は下記「授業計画」から変更する場合があります。また、状
況に応じて、テーマの順番の入れ替え、テーマの差し替えの可能性
もあります。
各テーマを深く掘り下げることを通して、質的調査法についての
理解・定着を図ります。
【授業計画】
秋学期前半
回
テーマ
第 1 回 オリエンテーション
内容
授業の到達目標・テーマ、概要・
方法
第 2 回 社会調査と社会認識、 社会科学における予言と観察の問
調査倫理(1)
題
第 3 回 社会調査と社会認識、 社会調査における倫理問題
調査倫理(2)
第 4 回 インタビュー法(1) 構造化面接
第 5 回 インタビュー法(2) 非構造化面接、半構造化面接
第 6 回 インタビュー法(3) インタビュー法実習
統制的観察、非統制的観察(非参
第 7 回 観察法(1)
与観察)
非統制的観察(参与観察)
第 8 回 観察法(2)
ライフストーリー・インタビュー
第 9 回 ライフストーリー法
調査データ読解上の注意
第 10 回 調査データの読解
KJ法
第 11 回 質的データの分析法
(1)
第 12 回 質的データの分析法
KJ法実習
(2)
グラウンデッド・セオリー・アプ
第 13 回 質的データの分析法
(3)
ローチ
修正版グラウンデッド・セオ
第 14 回 質的データの分析法
(4)
リー・アプローチ
質的調査のメリット
第 15 回 まとめ
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
調査対象やテーマに関するアイディアを錬り、それに関する資料
の収集を少しずつ進めていってください。
もう一つ、準備学習として重要なことは、先に進むことばかりを
考えるのではなく、1回1回の授業から質的調査に関する視点・発
想を学び、考え方の筋道を把握した上で、それをしっかりと消化し、
次回以降の授業のベースをつくることです。
【テキスト(教科書)】
特に指定しません。
【参考書】
授業中に随時、紹介します。
348
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—1—
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第 24 回 アイデンティティのらせん式
発達モデル
第 25 回 キャリア・ストレスとワーク・ライフ
バランス
生涯発達心理学
岡田 昌毅
第 26 回 事例発表Ⅰ
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
キャリア・カウンセラーがクライアントを適切に支援していくには、
クライアントの抱える問題・課題に対して多様な視点からアプロー
チすることが望まれる。キャリア関連の諸理論・アプローチを広く
学ぶことで、その相互の関係性や相違を理解し、実践への応用の基
盤を習得する。
【到達目標】
キャリア関連の諸理論・アプローチを実践場面に応用することがで
きる。
【授業の進め方と方法】
キャリア・カウンセリングの基礎である「キャリア心理学」を概説
し、その理論的背景であるキャリア関連の諸理論・アプローチを紹
介する。さらに実際のキャリア・インタビューを通じて、諸理論・
アプローチの現実への応用について個人またはグループ毎に整理し、
全体発表・討議を実施する。
【授業計画】
春学期集中
回
テーマ
第 1 回 オリエンテーション
第 2 回 キャリア関連理論・アプローチ
概説Ⅰ
第 3 回 キャリア関連理論・アプローチ
概説Ⅱ
第 4 回 キャリアインタビューⅠ
第 5 回 キャリアインタビューⅡ
第 6 回 キャリア概要把握Ⅰ
内容
授業の進め方に関して説明する。
本授業で取り扱うキャリア関連理論・
アプローチについて概説する。
同上。
第 29 回 総合討論Ⅱ
第 30 回 総括
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
担当箇所の発表準備。
【テキスト(教科書)】
渡辺三枝子編著 2007 「新版キャリアの心理学」 ナカニシヤ
出版
岡田昌毅著 2013 「働くひとの心理学−働くこと、キャリアを
発達させること、そして生涯発達すること−」 ナカニシヤ出版
【参考書】
その他 講義資料の配布、関連文献図書の紹介は授業内で適宜行う。
【成績評価の方法と基準】
2回のテーマ発表【必須】(80%)。
授業への貢献(20%)。
なお、担当テーマは授業の中で決定する。
【学生の意見等からの気づき】
社会人大学院生のニーズに応えられるよう継続的に工夫をいたし
ます。
【学生が準備すべき機器他】
ICレコーダーをお持ちの方は初回授業時に持参してください。
【その他の重要事項】
授業は 6 月末∼8 月初の土日集中で実施します。
初回授業においてそれ以降の授業で必要となるキャリア・インタ
ビューを実施するので、必ず出席してください。
なお、テーマについては内容、順番など変更する可能性があります。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
キャリア心理学、キャリア・カウンセリング
<研究テーマ>
・仕事、職業キャリア発達、心理・社会的発達の関係とそのプロセス
についての研究
・キャリア・カウンセリングを応用した人材育成へのアプローチ
<主要研究業績>
・岡田昌毅・金井篤子:仕事、職業キャリア発達、心理・社会的発達
の関係とプロセスの検討 −企業における成人発達に焦点をあてて−.
産業・組織心理学研究,20,51-62,2006
・堀内泰利・岡田昌毅:キャリア自律が組織コミットメントに与え
る影響.産業・組織心理学研究,23,15-28,2009
・高橋南海子・岡田昌毅:就職活動による自己成長感の探索的検討,
産業・組織心理学研究,26,121-138,2013
・原恵子・小玉正博・岡田昌毅:中堅キャリア支援者における職業的
発達プロセスに関する探索的研究,キャリアデザイン研究,9,49-63,
2013
・菊入みゆき・岡田昌毅:職場における同僚間の達成動機の伝播に
関する研究,産業・組織心理学研究,27,101-116,2014
・正木澄江・岡田昌毅:企業従業員の働くことの意味醸成プロセス
に関する探索的検討,産業・組織心理学研究,28,43-57,2014
・中村准子・岡田昌毅:企業で働く人の職業生活における心理的居
場所感に関する研究,産業・組織心理学研究,30,3-16,2016
—4—
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キャリアデザイン学専攻
キャリアインタビューの準備と実施。
同上。
インタビュー結果に基づきライフラインを作
成する。
追加インタビューを実施する。
第 7 回 追加インタビューⅠ
同上。
第 8 回 追加インタビューⅡ
ライフラインを完成させ、キャリア概要把握
第 9 回 キャリア概要把握Ⅱ
を完了する。
第 10 回 職業選択と適性Ⅰ
ホランドに関する課題発表とディスカッシ
ョン
【VPI 職業興味検査実習】
第 11 回 職業選択と適性Ⅱ
スーパーのキャリア自己概念、ライフキャリアレイ
第 12 回 キャリア発達論
ンボー、キャリア発達段階に関する課題
発表とディスカッション
サビカスに関する課題発表とディスカッシ
第 13 回 キャリア構築論
ョン
マズローの欲求 5 段階説、その他モチヘ
第 14 回 働く動機
゙ーション論に関する課題発表とディスカ
ッション
シャインのキャリア・アンカー、組織の 3 次元
第 15 回 組織内キャリア発達Ⅰ
モデル等に関する課題発表とディスカッ
ション
第 16 回 組織内キャリア発達Ⅱ
【キャリア・アンカー診断実習】
山本寛のキャリア・プラトーに関する課
第 17 回 キャリア・プラトー
題発表とディスカッション
第 18 回 キャリア意思決定における バンデューラのセルフエフィカシー、社会的学
社会的学習理論
習理論およびクルンボルツのキャリア意思
決定、計画された偶発性に関する
課題発表とディスカッション
ジェラットの意思決定プロセスに関する
第 19 回 キャリア意思決定
課題発表とディスカッション
ホールのプロティアン・キャリアに関する課題
第 20 回 関係性アプローチ
発表とディスカッション
ハンセンの統合的キャリア発達に関する課
第 21 回 統合的キャリア発達
題発表とディスカッション
第 22 回 トランジション論
シュロスバーグの出来事としての転機
〔出来事の視点〕
に関する課題発表とディスカッション
ブリッジズの発達段階としてのトランシ
第 23 回 トランジション論
〔発達の視点〕
゙ションに関する課題発表とディスカッショ
ン
第 27 回 事例発表Ⅱ
第 28 回 総合討論Ⅰ
エリクソン、マーシャ、岡本祐子に関する
課題発表とディスカッション
金井篤子の職務ストレス、キャリア・ストレ
ス、ワーク・ライフバランスに関する課題発
表とディスカッション
個別にインタビューした事例にキャ
リア理論・アプローチを適用して発表す
る。
同上。
あるテーマにキャリア理論・アプローチを
適用し、グループディスカッションする。
ディスカッション結果を全体で共有する。
授業を総括する。
(仕事、職業キャリア発達と心理・社会
的発達に関する岡田のモデル 他)
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教育心理学
田澤 実
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
「学び」は学校だけに限られたものではない。学生だけでなく社会人になって
からも様々な「学び」が存在する。たとえば、この授業で扱う「モチベーショ
ン」
「自己効力」
「教授法と学習」
「人間の個人差」
「キャリア意識の効果測定」
「経験学習」「ワークショップによる学び」「発達障害と学び・就労」などは、
学校現場だけでなく、民間企業などでもその枠組みが使えることがある。こ
の授業では、学びとキャリアの関連性を意識したトピックを取り上げる。
【到達目標】
授業や学びの場面を提供する立場になった際に、教育心理学の専門的な知識
を踏まえた工夫ができるようになること。また、自らの関心テーマについて
「学び」という観点から再考すること。
【授業の進め方と方法】
講義と関連文献の読み込み。受講者にレジュメ発表を求める回もある。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
第1回
ガイダンス
第2回
学習の適時性
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
第 17 回
第 18 回
第 19 回
第 20 回
第 21 回
第 22 回
第 23 回
教育心理学に関連した量
的研究・質的研究
生涯発達とアイデンティ
ティ
生涯発達とアイデンティ
ティ 2
思考の発達
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レポート作成に向けて 1
第 25 回
レポート作成に向けて 2
第 26 回
レポート作成に向けて 3
第 27 回
レポート作成に向けて 1
第 28 回
レポート作成に向けて 2
第 29 回
レポート作成に向けて 3
第 30 回
総まとめ
各自、レポートを作成し、中間発表を
する。第 2 回∼第 10 回の内容も踏ま
えて教員より追加的な解説を加える。
各自、レポートを作成し、中間発表を
する。第 11 回∼第 18 回の内容も踏
まえて教員より追加的な解説を加える。
各自、レポートを作成し、中間発表を
する。第 19 回∼第 23 回の内容も踏
まえて教員より追加的な解説を加える。
各自、中間発表での指摘を受けて、レ
ポートの完成を目指して最後の発表を
する。教員は関連することを説明する。
各自、中間発表での指摘を受けて、レ
ポートの完成を目指して最後の発表を
する。教員は関連することを説明する。
各自、中間発表での指摘を受けて、レ
ポートの完成を目指して最後の発表を
する。教員は関連することを説明する。
レポートを返却する。添削した結果を
フィードバックする。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
関連文献を事前に配布する。受講生にレジュメ発表を求める回もある。
【テキスト(教科書)
】
なし
内容
この授業の内容について説明をする。
発達と教育の関連について扱う。ヴィ
ゴツキーの発達の最近接領域などを説
明する。
量的および質的と言う観点から教育心
理学に関連した研究を紹介する。
人の一生を 8 つの段階に区分したエリ
クソンのアイデンティティについて説
明する。
上記の関連文献のレジュメ発表。
【参考書】
浦上昌則・中村和彦・神谷俊次 2008『心理学』ナカニシヤ出版(第 2 版)
梅崎修・田澤実 2013 『大学生の「学び」とキャリア』法政大学出版局
※これらはあくまで参考である。購入を必須すとするものではない。
【成績評価の方法と基準】
授業への貢献度 40 %、レポート 60 %
ピアジェの思考の発達について説明す
る。
人間の個人差
人間は「みんなと同じことができるよ
うになっていく過程」と「人とは異な
るようになっていく過程」がある。後
者を扱う。
性格の測定
性格を測定するアンケートを実演する。
性格の分類法についても説明する。
性格の様々な測定方法
「どのような方法があるのか?」「長所
は? 短所は?」などに注目しながら
複数の測定方法を説明する。
自己効力
バンデューラの社会的学習理論につい
て説明する。
自己効力 2
上記の関連文献のレジュメ発表。
キャリア意識の効果測定 量的検討と質的検討の概要について説
明する。
時間的展望
人間は今までのことを振り返ったり、
これから先のをことを見通すことがあ
る。これに近い心理学の概念が時間的
展望である。これについて概観する。
モチベーション
動機づけ理論について説明する。
記憶
集団式で行う簡単な記憶実験などを題
材に用いながら、人間には覚えやすい
ものと覚えにくい者があることを理解
する。
学習理論と教授法
「学びはいかになされるか? いかにし
て教えるのか?」・・・このような
テーマで 2 種類の学習理論とそれに合
わせた学習指導を学ぶ。
学びの評価
「いつ・誰が・何を・どのように・なぜ
評価するのか?」というように
5W1H 形式で評価について説明する。
学習の転移
「以前の学習はこれからの学習にどの
ように影響するのか」というテーマを
扱う。
ワークショップの学習理 第 16 回で扱わなかった「第三の学習
論
理論」について扱う。
ワークショップの学習理 上記に関連してワークショップを実際
論2
に経験して理解を深める。
発達障害と学び
発達障害の種類や特徴について理解す
る。特に学び場面においてどのような
困難が生じやすいのか説明する。
発達障害と就労
発達障害のある人が就労場面において
どのような困難に陥りやすいのか、ま
たそれに対して行われている支援の現
状について説明する。
経験学習
インターンシップや体験型授業のよう
に、座学ではない形式での学びの場は
多くある。経験から人はいかに学ぶか
を、Kolb の学習サイクル理論を中心
に学んでいく。
350
第 24 回
【学生の意見等からの気づき】
昨年度は、指定論文を選んだ理由について、さらに詳しく説明した。また、院
生の発表の仕方について、講師側からの介入や指示を以前より増やした。
今年度も、受講者に進行案を示し、意見を交わして、進め方の調整をしていく。
【学生が準備すべき機器他】
パワーポイントを使用する。
【その他の重要事項】
受講者の人数によって、シラバスは変更することがある(
「レポート作成に向
けて」の回数およびタイミングなど)
。また、受講者の関心にあわせて、扱う
関連論文を変更することもある。初回の授業でその調整の仕方について説明
する。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
教育心理学/生涯発達心理学 <研究テーマ>
大学生の進路選択に関する諸問題とそれに対する支援/キャリア教育の効果
測定/若年雇用問題とそれに対する支援(若者支援)/多様なメディアを利
用して行う教育の内容、方法等の開発
<主要研究業績>
梅崎修・田澤実(編著)2013『大学生の学びとキャリア: 入学前から卒業後ま
での継続調査の分析』法政大学出版.
田澤実 2013「自己の確立と進路決定−キャリア心理学への誘い−」心理科学
研究会(編)『大学生活をゆたかにする心理学』福村出版 p122-137.
田澤実・梅崎修 2014「学部の学びと卒業後の進路」金山喜昭・児美川孝一郎・
武石恵美子(編)
『キャリアデザイン学への招待:研究と教育実践』ナカニシ
ヤ出版,p173-183.
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17/03/01 13:16
第 19 回 心理的契約①
産業・組織心理学
第 20 回 心理的契約②
坂爪 洋美
第 21 回 働きがいと働きやすさ
①
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
産業・組織心理学は、人々が働くことを通じて経験する現象を心理学的
視点から理解しようとする学問領域です。例えば「こんな(低い)評価を
あんな上司がつけたのかと思うとやる気にならない」という私達がどこ
かで経験する現象は、公平性・リーダーシップ・モチベーションといった
概念で説明することができます。本授業では、このような産業・組織心
理学の主要な概念について理解することを目的とします。授業では、人
を人材として活用しようとする組織(主として企業)の観点と、より良
く働こうとする個人(何を「良い」と考えるかは多岐に渡ります)の観
点双方を意識し、各トピックについてレクチャーならびに議論していき
ます。
第 22 回 働きがいと働きやすさ
②
第 23 回 ワーク・ライフ・バラ
ンス①
第 24 回 ワーク・ライフ・バラ
ンス②
【到達目標】
授業の到達目標は以下のとおりです。
①授業計画の部分で提示する産業・組織心理学の主要な概念を用いて、
職場でおきている様々な現象を説明できるようになること
②産業・組織心理学の主要な概念をもちいた心理学系の論文を読みこな
すことができるようになること
③修士論文作成を視野に入れた上で、産業・組織心理学の主要な概念を
もちいて、自ら仮説の提示をできるようになること
第 25 回 ダイバーシティ:女性
活用①
第 26 回 ダイバーシティ:女性
活用②
第 27 回 職場のメンタルヘルス
①
第 28 回 職場のメンタルヘルス
②
【授業の進め方と方法】
授業は、各回に取り上げるトピックについて、理論の概説を行った上で、
事前に指定した文献について受講生から報告・ディスカッションを行う
という方法で進めます。授業は 15 週(2 限続きで合計 30 回)で実施し
ます。なお、授業内容ならびに進め方については、受講者の状況に応じ
て変更することがあります。
【授業計画】
春学期
回
テーマ
第 1 回 授業オリエンテーショ
ン①
第 2 回 授業オリエンテーショ
ン②
第 3 回 モチベーション①
第4回
モチベーション②
第5回
リーダーシップ①
第6回
リーダーシップ②
第7回
公平性①
第8回
公平性②
第9回
職場の力①
第 11 回 経験学習①
第 12 回 経験学習②
第 13 回 キャリアの主要概念①
第 14 回 キャリアの主要概念②
第 15 回 キャリアの転機①
第 16 回 キャリアの転機②
第 17 回 組織コミットメント①
第 18 回 組織コミットメント②
第 30 回 授業のまとめ②
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
指定文献(英語文献を含む場合があります)については、受講者全員が
事前に読んだ上で出席することを求めます。また、指定文献のレジュメ
作成を受講者で分担します。これとは別にレポート提出を求めます(レ
ポートの内容については初回の授業で説明します)。
【テキスト(教科書)
】
指定しません
【参考書】
授業内で適宜紹介します
【成績評価の方法と基準】
○平常点 30 %:ディスカッションへの参加状況も含めて評価します。
ディスカッションでは他の受講生の理解をふかめるような質問や建設的
な質問をすることが望まれます。
○ 報告 30 %:レジュメの準備、質問への対応などで評価します。
○ レポート 40 %:
【学生の意見等からの気づき】
指定文献の難易度に幅を持たせることで、様々な学生のニーズに対応で
きるようにします。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
産業・組織心理学 人材マネジメント
<研究テーマ>
ワーク・ライフ・バランス ミドルの転職
<主要研究業績>
坂爪洋美(2016)
「大学生の組織選好度の推移 : 2004 年から 2016 年ま
での変化」生涯学習とキャリアデザイン,3-19.
坂爪洋美(2015)「管理職がいだく育児を理由とした短時間勤務制度利
用者のキャリア展望 : その影響と規定要因の検討」生涯学習とキャリア
デザイン,61-76.
坂爪洋美(2014)
「大学生のキャリア・オリエンテーションの変化: 2004 年
∼2012 年のデータを用いた分析」和光大学現代人間学部紀要, 7, 195-214.
坂爪洋美 (2014)「職業紹介担当者の能力ならびにスキル:ハイ・パフォー
マーの特徴を明らかにする」
『人材サービス産業の新しい役割』
,有斐閣.
坂爪洋美(2012)「多様な人材の活躍を可能にするワーク・ライフ・バ
ランス」『<先取り志向>の組織心理学』
,有斐閣
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09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 351
キャリアデザイン学専攻
第 10 回 職場の力②
内容
授業の内容ならびに進め方を紹介す
る。
受講生の問題意識をお互いに紹介す
る。
モチベーションの基本的な理論につ
いてレクチャーする。
モチベーションの関連文献について
ディスカッションを行う。
リーダーシップの基本的な理論につ
いてレクチャーする。
リーダーシップの関連文献について
読み、ディスカッションを行う。
評価をめぐって議論となる公平性に
ついてレクチャーする。
公平性の関連文献について読み、
ディスカッションを行う。
個人と組織の中間に位置する職場に
ついて、レクチャーを行う。
職場に関する文献を元にディスカッ
ションを行う。
能力開発の中心となる仕事経験につ
いて、レクチャーを行う。
能力開発の関連文献を元にディス
カッションを行う。
キャリアの主要な概念について概観
する。
キャリアの主要文献を読み、ディス
カッションを行う。
キャリアの転機の1つである転職な
らびに失業についてレクチャーを行
う。
転職ならびに失業についての心理学
的観点からの論文を読み、ディス
カッションを行う。
組織と個人の関係性を示す概念であ
る組織コミットメントについてレク
チャーする。
組織コミットメントに関連文献を読
み、ディスカッションを行う。
第 29 回 授業のまとめ①
組織と個人の関係性を示す概念であ
る心理的契約についてレクチャーす
る。
組織と個人の関係性を示す概念であ
る心理的契約の関連文献を読みディ
スカッションを行う。
学問的には定義が曖昧であるが、近
年取り上げられることの多い2つの
概念の関連文献について講義を行
う。
働きがい・働きやすさいの関連文献
を読み、ディスカッションを行う。
ワーク・ライフ・バランスの現状と
課題について、レクチャーを行う。
ワーク・ライフ・バランスの現状と
課題について、心理学的観点からの
論文を読みディスカッションを行
う。
女性活用の現状と課題についてレク
チャーする。
女性活用の現状と課題について、心
理学的観点からの論文を読みディス
カッションを行う。
ストレスを含めたメンタルヘルの現
状についての講義を行う。
ストレスを含めたメンタルヘルスと
その対応に関する論文を読みディス
カッションを行う。
授業で取り扱った概念のマッピング
を行う。
授業のまとめ①をふまえ、ディス
カッションを行う。
351
17/03/01 13:16
第 17 回 組織・企業における
キャリアカウンセリン
グ、キャリア支援のあ
りかた
キャリアカウンセリング論
宮城 まり子
第 18 回 17 のテーマに関する
討議を行なう
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
キャリアカウンセリングの理論の理解とキャリアカウンセリングに
よるキャリア開発、キャリア形成支援のありかたを具体的に事例を
交えて深く学ぶ
第 19 回 学校におけるキャリア
支援とキャリアカウン
セリング
【到達目標】
キャリアカウンセリングに求められるカウンセリングの基本的理解、
心理学による人間行動の基本的理解、キャリアカウンセリングの機
能とその役割の理解を適正に理解し、それぞれ必要とされる場面に
おいて適切なクライエント理解とその支援ができる力を理論的、技
能的にも身に付けることを目標とする
第 20 回 19 のテーマに関する
討議を行なう
第 21 回 キャリアとメンタルヘ
ルス
【授業の進め方と方法】
キャリアカウンセリングの理論的理解を基礎として、その応用とな
る事例の理解を合わせて行ないながら、実践的な側面からもキャリ
アカウンセリングを理解する。講義とそれに関する課題の討議、ま
た、講義にそって、キャリアカウンセリングの事例の検討、討議を
行ない、実践的事例を通して、実践的な力も合わせてつける。
【授業計画】
春学期
回
テーマ
第 1 回 キャリアとは何か。そ
の定義から何が分かる
か
第 2 回 1のテーマに関して討
議を行なう
第 3 回 キャリアカウンセリン
グとは何か
第4回
3のテーマに関して討
議する
第5回
キャリア理論を学ぶ
第6回
キャリア理論に関係す
る事例を討議する
キャリア教育とキャリ
アカウンセリング
第7回
第8回
7のテーマに関して討
議を行う
第9回
企業におけるキャリア
支援とキャリアカウン
セリング
第 10 回 9のテーマに関して討
議を行う
第 11 回 発達障害、メンタルヘ
ルスとキャリア支援
第 12 回 11 のテーマに関して
討議を行なう
第 13 回 キャリアカウンセリン
グ事例
第 14 回 13 のテーマに関して
討議を行なう
第 15 回 キャリアカウンセリン
グ事例検討
第 16 回 15 のテーマに関して
討議を行なう
352
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 352
第 22 回 21 のテーマに関して
討議を行なう
第 23 回 障害者のキャリア支援
とキャリアカウンセリ
ング
内容
現代社会で求められるキャリアと
は何か、その意味について考える
現代社会で求められるキャリアと
は何か、その意味について考える
キャリアカウンセリングを具体的
に学ぶ前に、カウンセリングとは
何かについて、機能、役割を具体
的に考える
キャリアカウンセリングを具体的
に学ぶ前に、カウンセリングとは
何かについて、機能、役割を考え
る
キャリアカウンセリングの背景に
あるキャリア理論について学ぶ
キャリアカウンセリングの基礎理
論をもとに事例検討を行なう
キャリアガイダンス、キャリアカ
ウンセリングにおけるキャリアカ
ウンセリングの位置づけ
キャリアガイダンス、キャリアカ
ウンセリングにおけるキャリアカ
ウンセリングの位置づけ
組織における人材育成とキャリア
支援、キャリアカウンセリングの
役割と機能
組織における人材育成とキャリア
支援、キャリアカウンセリングの
役割と機能
発達障害、メンタルヘルス不調者
のキャリア支援について学ぶ
発達障害、メンタルヘルス不調者
のキャリア支援について学ぶ
キャリアカウンセリングの活用と
その事例の検討(学生、成人)
キャリアカウンセリングの活用と
その事例の検討(女性、中年)
キャリアカウンセリングの総合的
な演習を行う
発達ステージによるキャリア支援
の違いとキャリアカウンセリング
の事例検討を行なう
第 24 回 23 のテーマに関する
討議を行なう
第 25 回 女性のキャリア支援と
キャリアカウンセリン
グ
第 26 回 25 のテーマに関して
討議を行なう
第 27 回 キャリアカウンセリン
グの統合的アプロー
チ-①
第 28 回 27 のテーマに関して
討議を行なう-①
第 29 回 キャリアカウンセリン
グの統合的アプロー
チ-②
第 30 回 キャリアカウンセリン
グの統合的アプロー
チ-②
組織。企業において、従業員の
キャリア開発、キャリア形成の支
援としてキャリアカウンセリング
の役割と機能、キャリア相談室に
ついて学ぶ
企業。組織におけるキャリアカウ
ンセリングの具体的な事例を取り
上げ、討議し事例検討する
キャリア教育とキャリアカウンセ
リング、就職支援とキャリアカウ
ンセリングなど学校におけるキャ
リアカウンセリングを学ぶ
学校場面ではキャリアカウンセリ
ングはどのような役割を果たす
か、事例検討を行なう
キャリアとメンタルヘルス不調は
大きな関係性があるが、復職と
キャリア再形成、職場適応など、
メンタルヘルス不調者の支援につ
いて学ぶ
メンタルヘルス不調者のキャリア
の事例検討を行い、メンタルヘル
ス不調者の支援のありかたを討議
する
発達障害とは何か、発達障害者の
キャリア支援とキャリアカウンセ
リングの役割、特例子会社などに
ついて学ぶ
発達障害者のキャリア支援につい
て、事例検討を行ない障害者支援
について討議する
女性のキャリア開発、キャリア形
成の課題とキャリアカウンセリン
グによる支援について学ぶ
女性のキャリア支援のためのキャ
リアカウンセリングのあり方、事
例検討を行なう
多様なキャリア理論、カウンセリ
ング理論をを統合したアプローチ
方について学ぶ-①
多様なキャリアカウンセリングを
理論を統合した事例検討を行な
う-①
多様なキャリア理論、カウンセリ
ング理論を統合したアプローチ方
について学ぶ-②
多様なキャリアカウンセリングを
理論を統合した事例検討を行な
う-②
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
身近なキャリアカウンセリングの具体的な事例を収集して、事例検
討の場に活用できるように準備をする(個人情報のとり扱いに注意)
【テキスト(教科書)】
宮城まり子 2002『キャリアカウンセリング』駿河台出版社
【参考書】
そのつど役立つ文献を紹介する
【成績評価の方法と基準】
討論への参加状況 30%
提出課題 70%
【学生の意見等からの気づき】
特になし
【担当教員の専門分野等】
臨床心理学、生涯発達心理学、キャリア心理学とキャリアカウンセ
リング 産業心理学を専門とする
—7—
17/03/01 13:16
第 13 回 組織エスノグラフィー
の系譜②キャリア
第 14 回 組織エスノグラフィー
の設計
第 15 回 コミュニティとキャリ
アに関する実践的導入
①
第 16 回 コミュニティとキャリ
アに関する実践的導入
②
第 17 回 プログラム評価とは
コミュニティとキャリア
田中 研之輔、安田 節之
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本講義では、コミュニティとキャリアに関する①理論的視座を多面的・
経験的に習得した上で、②実践的視座を組織エスノグラフィーとプログ
ラム評価の観点から理解し、調査・研究のデザインの方法を学びます。
前半の第 1 回∼第 14 回(担当:田中)では、コミュニティを考える上
で重要な視点となる「(社会・物質) 空間」と「(社会) 集団」への見識を
深め、この空間的視座と集団論的視座を交錯させながら、コミュニティ
に帰属する個人のキャリアにフォーカスしていきます。これらを組織エ
スノグラフィーの視点から実践的に検討します。
また後半の第 15 回から第 30 回(担当:安田)では、前半の講義を踏
まえ、企業組織・教育機関・地域コミュニティで実施されるキャリア支
援や人材育成・組織開発をプログラムの視点から構造化し、その効果や
成果をデータに基づいて構造化し、その効果や成果をデータに基づいて
評価し、活動の質向上につなげるための方法論であるプログラム評価に
ついて学びます。
【授業の進め方と方法】
前半は、各回において、
「理論」と「経験的事例」とを相互に行き来しな
がら検討を進めていきます。各回ともに、前半は理論的視座および実践
的視座について解説を加えていきます。後半は、前半の講義を基に、コ
ミュニティとキャリアに関する具体的な問題をとりあげ、ディスカッショ
ン形式を適宜取り入れながら理解を深めていきます。受講生は課題論文
を読み込み、議論に積極的に参加して頂きます。
コミュニティにおける
構造と主体
第3回
身体化された社会構造
第4回
コミュニティと場の特
性
第5回
文化資本論
第6回
文化的再生産論
第7回
ソーシャルネットワー
ク論
第8回
ソーシャルキャピタル
論
第9回
コミュニティとキャリ
アに関する理論的到
達点 (理論・方法のまとめ)
第 10 回 組織エスノグラフィー
におけるコミュニティ
とキャリア①
第 11 回 組織エスノグラフィー
におけるコミュニティ
とキャリア②
第 12 回 組織エスノグラフィー
の系譜①コミュニティ
組織エスノグラフィーの方法論的特
性①を理解する。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
本授業では、授業支援システムやオンラインツールを用いて、各回の課
題論文を共有していきます。各回の課題論文を読み込み、各自の論点メ
モを準備してください。また、授業内で課題として残った疑問や授業後
にあらためて抱いた疑問や論点等についても、授業支援システム等で議
論を重ねていきます。
【テキスト(教科書)
】
田中研之輔・山崎正枝 2016 『走らないトヨターネッツ南国の組織エ
スノグラフィー』(法律文化社)
安田節之 2011『プログラム評価:対人・コミュニティ援助の質を高める
ために』(新曜社)
*その他、必要となる課題論文は PDF 版にして事前に配布します。
【参考書】
講義時に適宜紹介します。
【成績評価の方法と基準】
平常点(課題への取り組みや講義への参加姿勢)50%+課題レポートの総
合評価 50%
【学生の意見等からの気づき】
講義内容に関連する補足文献を適宜、update していく。
組織エスノグラフィーの方法論的特
性②を理解する。
組織エスノグラフィーの系譜①コ
ミュニティをおさえる。
—8—
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 353
キャリアデザイン学専攻
第2回
内容
コミュニティとキャリアを考察する
理論的視座の導入的理解をすすめ
る。
コミュニティを対象化する構造的視
点と主体的視点との理論的交錯を学
ぶ
コミュニティを対象化する身体化さ
れた社会構造の視座を深める
コミュニティを存立させる「場」の
特性についていくつかの事例を紹介
しながら経験的に学ぶ。
コミュニティを存立させる文化資本
論についていくつかの事例を紹介し
ながら経験的に学ぶ。
コミュニティを存立させる文化的再
生産論についていくつかの事例を紹
介しながら経験的に学ぶ。
コミュニティとネットワークについ
て社会集団論の視点から考察を深め
る。
コミュニティとネットワークについ
てソーシャルキャピタル視点から考
察を深める。
コミュニティとキャリアに関する理
論的到達点を把握し、それぞれの研
究構想への示唆を共有する。
ライフキャリア支援の概要について
学ぶ。
ライフキャリア支援を目的とした
「プログラム」を「評価」すること
の意義をプログラム評価の定義から
学ぶ。
第 18 回 評価の目的と評価者の プログラム評価の目的および評価
役割
者・ステークホルダーの役割につい
て検討する。
第 19 回 ニーズアセスメント
支援を受ける側である利用者(クラ
イエント)のニーズの分類とニーズ
アセスメントの種類について検討す
る。
第 20 回 問題分析
プログラムが必要となる社会的背景
(問題・課題)の分析を行う。
活動方針やゴールを可視化する方法
第 21 回 ゴールの可視化
を学ぶ。
第 22 回 ロジックモデルの開発 プログラムの流れを可視化するため
①
のツールであるロジックモデルの原
案を作成する。
第 23 回 ロジックモデルの開発 ロジックモデルを完成させる。
②
評価の実施を想定した評価クエス
第 24 回 評価クエスチョン
チョンを設定する。
第 25 回 評価可能性アセスメン 実際に評価が可能か否かを査定する
ト
評価可能性アセスメントについて学
ぶ。
第 26 回 プロセス評価
プログラムの流れ(プロセス)を評
価する方法を学ぶ。
アウトカム指標の検討を行う。
第 27 回 アウトカム評価①
第 28 回 アウトカム評価②
主にフィールドでの実験・準実験デ
ザインによるアウトカム評価の概要
を学ぶ。
第 29 回 評価計画の策定①
評価の計画書および報告書(テクニ
カルレポート)の内容と作成方法に
ついて学ぶ。
第 30 回 評価計画の策定②
評価計画に関する発表とまとめを行
う。
【到達目標】
①コミュニティとキャリアに関する理論的視座の包括的理解と具体的事
例の洞察的分析をできるようにする。
②コミュニティとキャリアに関する実践的視座を『組織エスノグラフィー』
と『プログラム評価』の観点から理解し,実践研究の設計・デザインを
行うことができるようにする。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
第 1 回 コミュニティとキャリ
アに関する理論的導入
組織エスノグラフィーの系譜②キャ
リアをおさえる。
それぞれのコミュニティを対象に組
織エスノグラフィーを設計する。
コミュニティとキャリアに関しての
実践のイントロダクション。
353
17/03/01 13:16
キャリアガイダンス論
児美川 孝一郎
第 19 回
大学におけるキャリア支
援・教育(就職活動)①
第 20 回
大学におけるキャリア支
援・教育(就職活動)②
若年支援と若年支援政策
①
第 21 回
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本講義においては,キャリアガイダンスを「キャリア支援・教育」とほぼ同義
のものと広く解する。そのうえで,キャリアガイダンスの制度・システムや
政策にかかわる諸問題を踏まえつつ,より実践に近い支援現場における課題
について,理論的に検討することをねらいとする。
支援場面における問題や課題の背景には,当然,社会構造や労働市場の動態,
企業の雇用方針,政策動向といった問題が存在しているので,本来,両者を
切り離すことはできない。
第 22 回
第 23 回
【到達目標】
受講者が,①さまざまな場におけるキャリアガイダンスの諸課題について,社
会的背景と現場の問題とを往還しながら理解できるようになること,②その
うえで,問題解決への見通しを展望できるようになることが,本授業の到達
目標である。
第 24 回
第 25 回
【授業の進め方と方法】
本授業において,主として検討の対象とするのは,①学校(専門学校や大学
を含む)におけるキャリア支援・教育,および②コミュニティにおける若年
キャリア支援である。
必要に応じて,キャリアガイダンスにかかわる理論や実態調査の報告書の検
討,諸外国で行われているキャリアガイダンス施策の事例紹介なども行う。
授業の方法としては,①教員によるレクチャー,②報告者によるレポート発
表(文献発表,個人報告)
,③受講者によるディスカッションの組み合わせを
基本とする。中心となるのは,②と③である。
キャリア支援の現場にいる実践者をゲストにお呼びしてディスカッションす
ることも検討したい。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
第1回
授業ガイダンス①
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
第 17 回
第 18 回
授業ガイダンス②
キャリア教育とキャリア
教育政策①
キャリア教育とキャリア
教育政策②
学校におけるキャリア教
育(職場体験・インター
ンシップ)①
学校におけるキャリア教
育(職場体験・インター
ンシップ)②
学校におけるキャリア教
育(進路指導)①
学校におけるキャリア教
育(進路指導)②
学校におけるキャリア教
育(教科)①
学校におけるキャリア教
育(教科)②
学校におけるキャリア教
育(高校普通科)①
学校におけるキャリア教
育(高校普通科)②
学校におけるキャリア教
育(キャリアカウンセリ
ング)①
学校におけるキャリア教
育(キャリアカウンセリ
ング)②
諸外国におけるキャリア
教育①
諸外国におけるキャリア
教育②
大学におけるキャリア支
援・教育(キャリア教育
科目)①
大学におけるキャリア支
援・教育(キャリア教育
科目)②
354
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 354
第 26 回
第 27 回
第 28 回
若年支援と若年支援政策
②
ジョブカフェにおける
キャリア支援①
ジョブカフェにおける
キャリア支援②
若者サポートステーショ
ンにおけるキャリア支援
①
若者サポートステーショ
ンにおけるキャリア支援
②
高校・大学中退者に対す
るキャリア支援①
第 29 回
高校・大学中退者に対す
るキャリア支援②
授業のまとめ①
第 30 回
授業のまとめ②
大学生の就職活動,および大学におけ
るその支援の現状について,講義とレ
ポート発表,全体でのディスカッショ
ンを行う。
同上
若年支援の捉え方,および諸外国と日
本における若年支援策について,講義
とレポート発表,全体でのディスカッ
ションを行う。
同上
ジョブカフェにおけるキャリア支援の
実態と課題について,講義とレポート
発表,全体でのディスカッションを行
う。
同上
若者サポートステーションにおける
キャリア支援の現状と課題について,
講義とレポート発表,全体でのディス
カッションを行う。
同上
高校・大学中退者に対するキャリア支
援の課題について,講義とレポート発
表,全体でのディスカッションを行う。
同上
授業全体を振り返り,教員によるまと
めの講義と,全体でのディスカッショ
ンを行う。
同上
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
事前に配布される指定文献を読み込み,疑問点や評価できる点等を精査して
くること。
文献発表および個人報告に際しては,入念な準備を行い,授業時に報告する
前に,担当教員からの指導を受けること。
内容
授業の内容・方法・進め方について説
明する。あわせて,「キャリアガイダ
ンス」をどう把握するかについて,講
義とディスカッションを行う。
同上
キャリア教育の捉え方,および日本に
おける政策展開について,講義とレ
ポート発表,全体でのディスカッショ
ンを行う。
同上
【テキスト(教科書)
】
特に定めない。
【参考書】
授業時に,適宜紹介する。
【成績評価の方法と基準】
評価基準は,①平常点(ディスカッションへの参加等) 30 %,②授業内で発
表するレポート 30 %,③適宜,提出を求めるレポート課題 40 %とする。
学校で行われている職場体験・イン
ターンシップについて,講義とレポー
ト発表,全体でのディスカッションを
行う。
同上
【学生の意見等からの気づき】
より双方向的な授業を心がけたい。
【学生が準備すべき機器他】
場合によって,パワーポイントを使用する。
【その他の重要事項】
授業に関連したディスカッションや情報交換を促す目的で,SNS 等のソーシャ
ルネットワークを活用する。(具体的には,Facebook を予定)
学校における進路指導について,講義
とレポート発表,全体でのディスカッ
ションを行う。
同上
教科教育を通じたキャリア教育につい
て,講義とレポート発表,全体での
ディスカッションを行う。
同上
高校普通科におけるキャリア教育の現
状と課題について,講義とレポート発
表,全体でのディスカッションを行う。
同上
【担当教員の専門分野等】
<専門領域> 教育学
<研究テーマ> キャリア教育,青年期教育
<主要研究業績>
①『若者とアイデンティティ』
(法政大学出版局,2005 年)
②『権利としてのキャリア教育』
(明石書店,2006 年)
③『若者はなぜ「就職」できないのか』
(日本図書センター,2011 年)
④『これが論点! 就職問題』(編著,日本図書センター,2012 年)
⑤『
「親活」の非ススメ』
(徳間書店,2013 年)
⑥『キャリア教育のウソ』
(ちくまプリマー新書,2013 年)
⑦『まず教育論から変えよう』
(太郎次郎社エディタス,2015 年)
⑧『夢があふれる社会に希望はあるか』
(ベスト新書,2016 年)
学校で行われるキャリアカウンセリン
グについて,講義とレポート発表,全
体でのディスカッションを行う。
同上
諸外国におけるキャリア教育につい
て,講義とレポート発表,全体での
ディスカッションを行う。
同上
大学で実施されているキャリア教育科
目について,講義とレポート発表,全
体でのディスカッションを行う。
同上
—9—
17/03/01 13:16
第 14 回 学校組織文化(続)
教育組織イノベーション論
高野 良一
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
テーマは「教育の組織及びマネジメントにおけるイノベーションの考
え方」です。本年度は、まちづくりや建築学でいうリノベーションの考
え方も視野に入れます。
取り上げる対象や素材は、大学を含む学校や教育文化機関を主としますが、
これを分析する道具や考え方は、教育学よりも組織科学 (organizational
science) や経営学、それに建築学の蓄積から学ぶ方が多くなります。
また、昨年度までと同じく実証分析と解釈学的分析の両方を視野に入
れ、具体的テーマに即して、方法論的な複眼性や多様性を持たせるよう
に配慮します。
さて、教育は領域(学校という領域や場)として存在するだけでなく、
機能としてみればビジネスなど様々な領域にも存在します(例、学習組
織としての会社)
。学校や教育機関に属する方だけでなく、組織革新に関
心がある方の受講も期待します。
【到達目標】
この授業では、「(修論を)書くために読む」というアカデミック・ス
キルの習熟が目標となります。「読む」とは、論文を読み取りレジメを作
り、それをプレゼンテーションし議論するというアクティブラーニング
を意味します。「先行研究を読むとはいかなる営みなのか」(曽我謙悟の
論考『書斎の窓』所収,2014,15 年)を体得することです。
それは同時に、各授業においてテーマに設定される組織科学や経営学、
教育学や建築学の枠組みや発想法、コンセプトや分析方法に関する学問
知を習得することも目標になります。それは、自らの現場の問題や課題
とそれらの学問知との接点を探り、自らの研究課題を新たな別の角度か
ら探求することにもなるはずです。
【授業の進め方と方法】
授業は、3 つの単元(ユニット)から構成されます。①起点として、考
え方やキーコンセプト、分析枠組みを吟味するユニット、その上で、具
体的な検討素材(テーマ)を、②メゾ・レベルの組織構造や文化に求め
る単元、③ミクロ・レベルの組織行動に関するテーマを取り上げる単元
となります。
実際の授業は、以上の構成を踏まえつつ、講義者の執筆した論考と現
在進行中の研究(ソーシャル・キャピタルや学習環境デザイン)を基礎
に、受講者の現場や問題意識を加味して、テーマや素材を選択しながら
進行します。また、当初は講義の比重が大きいですが、次第に受講者全
員が事前に配布される論文等を読み込んだレジメをつくり、それらを紹
介し議論する「反転授業」に移行していきます。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
前週までに配布された論文や著作の該当部分、資料・データからなる授
業資料を読むことが事前学習です。また、各自が立てたテーマに即した
中間発表と最終発表にむけて、事前準備が必要にもなります。
【テキスト(教科書)
】
教科書は特定のモノは使用しません。本授業は「反転授業」のスタイル
を採用するので、前週までに事前学習すべき論文や資料を配布します。
【参考書】
①クレイトン・クリステンセン『教育 X 破壊的イノベーション』翔泳社、
②佐藤郁哉・山田真茂留『制度と文化』日本経済新聞社、③金井壽宏・高
橋潔『組織行動の考え方』東京経済新報社、④松村秀一『ひらかれる建
「未来の学
築:「民主化」の作法』ちくま新書、⑤美馬みのり・山内祐平『
び」をデザインする―空間・活動・共同体』東京大学出版会
【成績評価の方法と基準】
平常点を30%、中間レポートの発表及び提出を20%、最終レポート
の発表及び提出を50%とします。平常点には、レジメの作成を含みま
す。中間レポートは、問題意識や先行研究の習得を重視します。最終レ
ポートは、課題設定の独自性、先行研究の咀嚼力、叙述の論理性や実証
性を重視します。
【学生の意見等からの気づき】
「書くために読む」という知的トレーニングは最初はきついようですが、
良い習慣となったという意見もいただきました。加えて、受講者の現場
と学問知とをつなぐ議論や対話にも心がけます。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域> 教育行政・経営学(Educational administration)
<研究テーマ> 教育イノベーションの日米比較、学習環境デザイン、教
育のソーシャル・キャピタル
<主要研究業績>
①「アファーマティブ・アクションとしての実験学校」
『教育学研究』73-4、
2006
②(共著)『教育のためにー理論的応答』世織書房、2007
③(共著)『地域教育の構想』同時代社、2010
④「社会関係資本のエートス論」『教育社会学研究』第 94 集、2014
⑤「義務教育機会確保法『市民立法』の可能性の中心」
『日本教育政策学
会年報 2016』
— 10 —
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 355
キャリアデザイン学専攻
【授業計画】
春学期
回
テーマ
内容
第 1 回 教育組織イノベーショ 本講義のねらいや内容、授業の形式
ンへの招待
を説明する。
第 2 回 教育組織イノベーショ 受講者の問題関心や研究テーマの交
ンへの招待(続)
流を行う。
第 3 回 イノベーションの考え クリステンセンのイノベーション論
方と 2 類型
を理解する。
第 4 回 イノベーションの考え イノベーションの考え方や類型を再
方と 2 類型(続)
整理する。
第 5 回 リノベーションという 建築学やまちづくりのリノベーショ
考え方
ンの考え方を知る。
第 6 回 リノベーションという リノベーションとイノベーション論
考え方(2)
の接点を探る。
第 7 回 学習環境デザインの3 学習環境デザインの考え方を学ぶ。
要素
第 8 回 学習環境デザインの3 学習環境デザインから、組織やマネ
要素(続)
ジメントを整理し直す。
第 9 回 新しい学校法人とガバ 「法人ボランタリズム」というコン
ナンス
セプトを理解する。
第 10 回 新しい学校法人とガバ 「法人ボランタリズム」の実態、法
ナンス(続)
人ガバナンスの動向を考える。
「チーム学校」政策、チームマネジ
第 11 回 チームと同僚制
メント、同僚制を知る。
第 12 回 チームと同僚制(続) チームマネジメントと同僚制から、
組織内外のネットワーク化を考え
る。
第 13 回 学校組織文化
組織文化について、エドガー・シャ
インを参照する。
学校及び教員の組織文化その特性を
考える。
第 15 回 中間レポート発表
各自が関心を持ったテーマを選んで
プレゼンテーションをする。
第 16 回 中間レポート発表(続) プレゼンテーションを続け、前半授
業のリフレクションを行う。
第 17 回 教育のソーシャル・
組織構造/文化と組織行動の接点と
キャピタル
して、ソーシャル・キャピタルを捉
える。
第 18 回 教育のソーシャル・
ソーシャル・キャピタルから、ネッ
キャピタル(続)
トワークや信頼を捉える。
第 19 回 リーダーシップと信頼 PM 理論などのリーダシップ論の展
開を押さえる。
第 20 回 リーダーシップと信頼 サーバントリーダーシップなどと信
(続)
頼を接合する。
第 21 回 非対称的な関係性と信 対人サービスにおける、” するもの
頼
とされるもの” の非対称的な関係性
を考える。
第 22 回 非対称的な関係性と信 非対称的な関係性と信頼と関連を考
頼(続)
える。
第 23 回 組織学習の再考
組織学習の枠組みを捉える。
第 24 回 組織学習の再考(続) 組織学習をソーシャル・キャピタル
の生成と蓄積から見直す。
第 25 回 教員のコンピテンシー 教員のコンピテンシー評価の実態を
評価
捉える。
第 26 回 教員のコンピテンシー 組織の信頼性を保証するコンピテン
評価(続)
シー評価のあり方を探る。
第 27 回 最終レポートの個人発 中間レポートやその後の授業を踏ま
表
えて、各自がプレゼンテーションす
る。
第 28 回 最終レポートの個人発 各自が関心を持つテーマでプレゼン
表(2)
テーションし、相互批評する。
第 29 回 最終レポートの個人発 最終レポートのプレゼンテーション
と教員の総評を行う。
表(3)
第 30 回 講義のまとめ
講義全体を通じたリフレクションと
討論を行なう。
355
17/03/01 13:16
キャリア教育論
上西 充子
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
若者の学校から職業への移行の困難、さらに若年労働者の働かせ
方の劣悪さが社会問題化する中で、キャリア教育の在り方が改めて
問われてきている。
本授業では、若者をめぐる今日の社会状況と政策としてのキャリ
ア教育を照らし合わせ、キャリア教育・キャリア支援が行うべきこ
とは何であるのかを、一歩引いた視点から改めて問い返す。
【到達目標】
受講者一人一人が、それぞれの現場におけるキャリア教育・キャ
リア支援の抱える課題を認識し、キャリア教育・キャリア支援の枠
組みを再考し、再構築できる。
修士論文作成に向けて、文献を的確に読み取った上で自らの論点
を論述の中で展開できるようになる。
データの出所を確認してデータを的確に理解し、活用できる。
【授業の進め方と方法】
授業では、テーマごとにあらかじめ関連する文献を読み、レジュ
メの作成と論点の提示をもとにディスカッションを行う。また、文
献の内容を踏まえた論述の練習を適宜行い、論述の方法を実践的に
習得する。データの出所を確認し、データの批判的検討も行う。受
講者の実践現場の事例の報告と検討なども取り混ぜて行いたい。
テーマとしては下記の授業計画の内容を考えているが、受講者の
方々の問題関心に応じて多少の変更がありうる。
【授業計画】
春学期
回
テーマ
第 1 回 授業ガイダンス
第2回
学術的な論述の基礎
第3回
紹介文課題の検討
第4回
論点を取り出し、考え
る
アルバイト就労を考え
る
ワークルール教育の推
進に向けて
若者「使い捨て」問題
を考える
若者をめぐる労働問題
とキャリア教育
政策としてのキャリア
教育の経緯
政策としてのキャリア
教育の課題
メンバーシップ型雇用
の特徴
メンバーシップ型雇用
の問題とジョブ型雇用
メンバーシップ型雇用
に向けたキャリア教育
メンバーシップ型雇用
の課題とキャリア教育
の課題
困難を抱えた若者への
視点
若者労働市場の現状と
課題
誰が自立の困難に直面
しているのか
多様な若者への支援
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
第 17 回
第 18 回
356
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 356
内容
自己紹介と問題意識の共有/授業
計画の説明/文献の種類と主要文
献紹介
事実と意見を書き分ける/出典の
明示と紹介文/根拠を示した論述
紹介文課題の検討を通じ、論述の
形式を学ぶ
論点を取り出して論じる/説得力
のある論述を行う
アルバイト就労をめぐる論点につ
いての論述を行い、検討する
大学生をめぐる労働トラブルと
ワークルール教育の課題
若者「使い捨て」企業の現状と労
働問題
初期キャリアにおける困難とキャ
リア教育の課題
キャリア教育施策の展開と背景
キャリア教育施策の概要と問題点
メンバーシップ型雇用としての日
本型雇用
メンバーシップ型雇用とジョブ型
雇用の比較検討
メンバーシップ型雇用と現状の
キャリア教育の整合性
メンバーシップ型雇用の課題に照
らし合わせたキャリア教育の再考
採用側の視点と支援者としての視
点
若年労働市場の現状と困難を抱え
た若者の課題
若者が置かれた困難の多面性
第 19 回 女性のキャリアの現状 女性のキャリア展望とキャリアの
現在
第 20 回 女性のキャリアの課題 女性のキャリアの課題とキャリア
支援
第 21 回 職業教育とキャリア教 職業教育とキャリア教育の関係
育
ジョブ型雇用と職業教育
第 22 回 職業教育再考
大学生の就職・採用活動の現状
第 23 回 大卒就職の現状
第 24 回 大卒就職とキャリア教 大卒就職の現状と課題に対応した
育
キャリア教育の検討
第 25 回 雇用形態の多様化の現 若年労働市場における雇用形態の
状
多様化の現状
第 26 回 雇用形態の多様化と
雇用形態の多様化に対応したキャ
キャリア教育
リア教育の検討
第 27 回 キャリア教育とキャリ キャリア教育の担い手とキャリア
ア支援
支援の担い手
総合的なキャリア教育・キャリア
第 28 回 総合的なキャリア教
育・キャリア支援
支援に向けた課題の検討
これまでの学びを振り返って整理
第 29 回 授業の振り返り
する
これまでの学びを振り返り、自ら
第 30 回 キャリア教育再考
の考察を文章化して発表する
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
各回の課題文献を読み、データの出典を確認し、データの適切な利
用を検討する。レジュメや論説文、レポートの作成を行う。
【テキスト(教科書)】
教科書は使用しない。
【参考書】
それぞれのテーマにかかわる文献は授業の中で指定・紹介する。
下記の文献については購入しておくことが望ましい。
『思考を鍛えるレポート・論文作成術 第2版』
・井下千以子(2014)
慶應義塾大学出版会
・木下是雄(1994)『レポートの組み立て方』ちくま学芸文庫
『キャリア教育のウソ』ちくまプリマー新書
・児美川孝一郎(2013)
・濱口桂一郎(2013)
『若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐ
す』中公新書ラクレ
『教育の職業的意義−若者、学校、社会をつなぐ』
・本田由紀(2009)
ちくま新書
【成績評価の方法と基準】
出席と討論への参加: 20 %(積極性と共に討論内容に沿った的確
性を評価する)/レジュメの作成と論点提示: 30 %(的確な整理
と的確な論点提示を評価)/論説文・レポートの作成 50 %(文献の
論旨の的確な把握、引用や記述のルールの順守、文章の明確さ、論
理構成の的確さを評価)
【学生の意見等からの気づき】
「自分の従来の見方が覆され視野が広がった」「就労の場でどのよう
なことが課題となっているか、最新の論点が提示された」
「レポート
の添削がありがたかった」という意見があった。現在の若者が置か
れている状況と抱えている課題から各自がキャリア教育を問い直す
機会としたい。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>若年雇用問題、キャリア教育、社会政策、職業能力開発
<研究テーマ>学校から職業への移行過程と初期のキャリア形成、
ならびに、それにかかわる支援の在り方
<主要研究業績>
(石田眞・浅
・
『大学生のためのアルバイト・就職トラブル Q & A』
倉むつ子・上西充子)(旬報社、2017 年3月)
・
「大学生の就職活動から見た偽装求人問題」
『労働法律旬報』1862
号(2016 年 4 月下旬号)p.23-28
・
「なにが早期離職をもたらすのか」上西充子・川喜多喬編『就職活
動から一人前の組織人まで』(同友館、2010 年)
若者自立支援の多面性の把握と検
討
— 11 —
17/03/01 13:16
第 21 回
筒井ほか編著(2004)第 5 章の検討。
協同労働など、雇われない働き方への
支援について議論する。
第 22 回 仕事おこし
筒井ほか編著(2004)第 5 章の検討。
協同労働など、雇われない働き方への
支援について議論する。
第 23 回 新しい働き方
筒井ほか編著(2004)序章の検討。中
間的就労/社会的就労、半福祉・半就
労といった概念について理解を深め議
論する。
第 24 回 新しい働き方
筒井ほか編著(2004)序章の検討。中
間的就労/社会的就労、半福祉・半就
労といった概念について理解を深め議
論する。
第 25 回 「就労」を「支援」すると 筒井ほか編著(2004)終章の検討。就
は?
労支援について総合的に議論する。
第 26 回 「就労」を「支援」すると 筒井ほか編著(2004)終章の検討。就
は?
労支援について総合的に議論する。
第 27 回 修論構想発表の予行演習 学術論文の構成に沿って発表。
第 28 回 修論構想発表の予行演習 学術論文の構成に沿って発表。
第 29 回 修論構想発表の予行演習 学術論文の構成に沿って発表。
第 30 回 修論構想発表の予行演習 学術論文の構成に沿って発表。
教育社会学
御旅屋 達
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本授業では「教育」、あるいはその周辺領域について「社会学」の手法を用い
て検討してきた諸研究を講読し、議論を行う。この作業によって社会学研究
における思考様式や態度の基礎を習得することをねらう。
【到達目標】
①社会学研究における思考様式や態度の習得と実践。
②学術論文がどのように組み立てられているかについて知り、読む力、書く
力を習得する。
③教育・福祉・労働をはじめとしたさまざまな社会領域における問題に対して
「研究」を通して自身のスタンスを表明できるようになる。具体的には、自治
体と地域の就労支援に関する文献講読と議論である。
【授業の進め方と方法】
到達目標①②については、まずは苅谷(2002)によって「大学院で学び研究
する」動作に入るウォーミングアップをする。続いて新谷(2002)などの教
育社会学の論文を読み込んでいく。毎回全員が予習として「要約」と「コメ
ント」を書き出席する。③については、筒井美紀・櫻井純理・本田由紀編著
(2014)
『就労支援を問い直す――自治体と地域の取り組み』を活用する。以
上、毎回発表当番2人制とし、議論する。
【授業計画】
春学期
回
テーマ
イントロダクション
第1回
第2回
学術論文の構成
第3回
「研究」という動作
第4回
「研究」という動作
第5回
研究における「問い」
第6回
研究における「問い」
第7回
質的調査による社会の記
述
第8回
質的調査による社会の記
述
第9回
量的調査による社会の記
述
第 10 回
量的調査による社会の記
述
第 11 回
言説分析による社会の記
述
第 12 回
言説分析による社会の記
述
学術論文を練り上げる
第 14 回
学術論文を練り上げる
第 15 回
就労支援と出口
第 16 回
社会的企業と経営
第 17 回
分業による就労支援
第 18 回
就労支援の民間委託
第 19 回
就労支援とニーズ
第 20 回
連携による就労支援
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
# 3∼6 は、自分の振り返りと疑問点などを全員が書いてくる。
# 7∼14 の予習は、「要約(1200 字以内)」と「コメント」を全員が書いて
くること。報告者以外も 2 部作成し、1 部提出。コメントを付して、当日授
業終了時までに返却する。
# 15∼26(筒井・櫻井・本田編著 2014)では、
「コメント」を全員が書いて
くること。
# 27∼30 は修論構想発表。現時点で持てる材料でよいから、挑戦してみる。
【テキスト(教科書)
】
新谷周平,2002,「ストリートダンスからフリーターへ ̶̶進路選択のプロ
セスと下位文化の影響力」『教育社会学研究』71: 151-169.
『知的複眼思考法̶̶誰でも持っている想像力のスイッチ』
苅谷剛彦,2002,
講談社.
牧野智和,2009,
「ビジネス誌が啓発する『力』に関する一考察̶̶社会的実
践としての『力』をめぐる表現の分析」『教育社会学研究』84: 145-163.
御旅屋達,2015,
「若者自立支援としての『居場所』を通じた社会参加過程̶̶
ひきこもり経験者を対象とした支援の事例から」
,
『社会政策』7(2),106-118.
「親学歴による学業適応の格差̶̶格差を拡大/縮小する大
須藤康介,2012,
学教育は何か」
『社会科学分野の大学生に関する調査報告書』ベネッセコーポ
レーション,53-62.
筒井美紀・櫻井純理・本田由紀編著,2014,
「就労支援を問い直す̶̶自治体
と地域の取り組み』勁草書房.→ 著者割引あり
※苅谷(2002)と筒井ほか(2014)以外の論文は授業支援システムを通じて
配布。
【参考書】
授業中に適宜指示。
【成績評価の方法と基準】
・予習課題: 40 %(未提出の場合は減点)
・報告当番: 20 %(社会学的思考・社会学の諸概念の理解とコメントの質)
・平常点: 30 %(発言など:社会学的思考、社会学の諸概念の理解)
・修論構想発表: 10 %
【学生の意見等からの気づき】
担当教員変更につき記載せず。
【学生が準備すべき機器他】
なし。
【その他の重要事項】
上記スケジュールや講読論文は受講者の人数や関心などによって変更となる
可能性がある。
【担当教員の専攻分野等】
<専門領域> 教育社会学 福祉社会学
<研究テーマ> 若年就労困難者の社会参加・支援/成人発達障害者の社会参
加・支援/居場所論
<主要研究業績>
「若者自立支援としての『居場所』を通じた社会参加過程――ひきこもり経験
者を対象とした支援の事例から」『社会政策』7(2),2015 年,pp.106-118.
「居場所――個人と空間の現代的関係」本田由紀編,『現代社会論――社会学
で探る私たちの生き方』有斐閣,2015 年,pp.131-153.
「横浜市の就労支援政策」
(喜始照宣・堀有喜衣・筒井美紀と共著)筒井美紀・
桜井純理・本田由紀編,『就労支援を問い直す――自治体と地域の取り組み』
勁草書房,2014 年,pp.49-78.
「子ども・若者をめぐる社会問題としての『居場所のなさ』――新聞記事にお
ける『居場所』言説の分析から」
『年報社会学論集』25,2012 年,pp.13-24.
—1—
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 357
キャリアデザイン学専攻
第 13 回
内容
授業の概要説明/受講者の「他己」紹
介/報告担当の決定
学術論文がどのようにできあがってい
るかについての概説
苅谷(2002)の検討。
「研究する」と
いうことがいかなることであるか考え
る。
苅谷(2002)の検討。
「研究する」と
いうことがいかなることであるか考え
る。
苅谷(2002)の検討。研究における
「問い」の重要性について考える。
苅谷(2002)の検討。研究における
「問い」の重要性について考える。
新谷(2002)の検討。質的調査法を用
いた論文を読み、その方法・論理につ
いて議論する。
新谷(2002)の検討。質的調査法を用
いた論文を読み、その方法・論理につ
いて議論する。
須藤(2010)の検討。量的調査法を用
いた論文を読み、その方法・論理につ
いて議論する。
須藤(2010)の検討。量的調査法を用
いた論文を読み、その方法・論理につ
いて議論する。
牧野(2009)の検討。メディア上の言
説の分析を行った論文を読み、その方
法・論理について議論する。
牧野(2009)の検討。メディア上の言
説の分析を行った論文を読み、その方
法・論理について議論する。
御旅屋(2015)の初稿と完成稿を比較
検討、論文が作り上げられていく過程
について考える。
御旅屋(2015)の初稿と完成稿を比較
検討、論文が作り上げられていく過程
について考える。
筒井ほか編著(2004)第 7 章の検討。
就労の「出口」を創ることの意味・意
義について議論する。
筒井ほか編著(2004)第 9 章の検討。
社会的企業をいかに経営するかについ
て議論する。
筒井ほか編著(2004)第 3 章の検討。
規模の大きな自治体の就労支援につい
て議論する。
筒井ほか編著(2004)第 4 章の検討。
自治体の就労支援を民間に委託するこ
との意味や可能性について議論する。
筒井ほか編著(2004)第 10 章の検
討。地域のニーズの掘り起こしにまつ
わる固定観念を打破する。
筒井ほか編著(2004)第 8 章の検討。
自治体の福祉部門と労政部門の連携の
難しさについて議論する。
仕事おこし
357
17/03/01 13:16
第7回
生涯学習論
第8回
笹川 孝一
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
テーマ:
キャリアデザイン学研究と「仕事」
「リテラシー」
「コンピテンシー」
「生涯学
習」の再検討
キャリアデザインが必要とされる理由は、①産業革命以後の契約社会化、市
民社会化、リテラシー社会化のなかで、一人ひとりの人間にとって、職業を
含む人生=キャリアを自分自身で選び取る必要が生まれたこと、②自分のキャ
リアを不断に選び取るためには、自分と他の人や物事との関係性をふくめて、
自分を知りながら自分を変えていく必要が生まれたことである。
そして、そこでは職業を含む多面的な「仕事」の再把握と「仕事」を行ってい
くための「リテラシー」
「コンピテンシー」の質を高めること、それを可能に
する生涯にわたる「学習」が必須になる。しかし、これらの用語は必ずしも
厳密に定義されないままに使われていることも多く、論文等における概念構
成がラフなまま、論点が煮詰まらない場合も少なくない。
この授業では、以上の点について基礎概念から現実の事がらまでをつないで
とらえ直し、それによって、院生のキャリアデザイン学研究の能力を高める
事に資することを心がける。
【到達目標】
1)
「キャリアデザイン」の内実は、職業を含む日常の仕事や遊び、学び、祈
りの実践を基礎とし、それを把握し再構成するために、生涯にわたって「学
習」を組み換えながら行う過程であることを理解する。
2)生涯にわたる学習が、人生にとって有効に働くため必要な、次の基礎概
念をチェックする能力を身につける。すなわち、①学習が常に適切とは限ら
ない「学習のパラドックス」
、②リテラシーと表現の矛盾とその展開、③臨機
応変の能力としての「コンピテンシー(コンピテンス)
」と、熟慮する能力と
してのリフレクション能力(コア・コンピテンス)
、④「問題解決学習」
「自分
史」「生活空間学習」「キイワード学習」などの生涯学習の基本技法。⑤学習権と
キャリア権、⑥近代化を超えていく現代的生涯学習社会。
3)以上について、受講者が自らの経験と課題意識に即して検討する能力を
身につける。とくに、自分が研究対象とする事がらに相応しく基礎用語、基
礎概念を定義する習慣と能力を身につける。 【授業の進め方と方法】
教員による講義と院生による小レポート、それらに基づくディスカッション
によって、授業を進める。
院生の研究テーマや方法の検討も適宜行い、院生相互の研究的な理解と交流
を促進する機会ともしたい。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
内容
第 1 回 「キャリアデザイン学」に この授業のテーマ、キャリアデザイン
おける「生涯学習の視点」 学、キャリアデザイン研究にとっての
「生涯学習の視点」の必要性について
の大切さ
∼授業のテーマについて 述べる。
とくに、人生における行為の連鎖とし
∼
ての「キャリア」と、それを意識的に
行う「キャリアデザイン」や「キャリ
アプランニング」との関係、
キャリアデザインを主導する「生涯学
習」やコンピテンス等の能力形成過程
との関係について説明する。
第2回
授業の進め方についての 受講生の自己紹介と授業への希望、講
協議
義内容についての共感や疑問等を述べ
てもらい、授業の具体的なすすめ方に
ついて協議する
第3回
キャリアデザイン学と
第 1、2 回の授業についての受講生の
「生涯学習の視点」「能力 感想(A 4 1 枚程度)の発表とディス
形成」との関係について カッション、補足説明。
(その2)
第 4 回 「人生」、キャリアデザイ 人の一生と動物の一生との異同をふま
えて、キャリアデザインの要素である
ンと「仕事」「遊び」表
「仕事」
「あそび」
「表現」
「学習」=意識
現、学習
化過程について考える
第 5 回 「人生」、キャリアデザイ 第4回の授業についての受講生の感想
ンと「仕事」「遊び」表 (A 4 1 枚程度)の発表とディスカッ
現、学習
ション、補足説明。
(その2)
第 6 回 「近代的個人」とキャリア 産業革命と市民社会化の中で生まれる
デザインの矛盾
「近代的個人」がキャリアデザインの
自由をもち、それを「強制」されなが
ら、新しい共同体、とコンピテンス、
リテラシー、学校・職場・地域・家族
を生み出してきたこと、及びそこに内
在する矛盾について考える。また、
「私」としての「ego」を互いに尊重し
あうことを通じて、「私たち」=
「socio」=きずな、共同、共同体にい
たる筋道=「ego-ism」と、
「自己肯定
感」との関係についても考える。
358
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 358
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
第 17 回
第 18 回
「近代的個人」とキャリア 第6回の授業についての受講生の感想
デザインの矛盾(その2)(A 4 1 枚程度)の発表とディスカッ
ション、補足説明。
論争的な「キャリア」と 「キャリア組」
「キャリア・ウーマン」
「キャリアデザイン」
「職業キャリア」
「ライフキャリア」
「キャリアデザイン」
「ワークライフバ
ランス」など、日本における「キャリ
ア」と「キャリアデザイン」に関連す
る用語の変遷をたどりながら、エリー
ト男性のキャリアからすべての人の
キャリアへ、職業のみのキャリアから
生活全般にわたるキャリアへ、人だけ
のキャリアから人と組織と地球のキャ
リアへ、キャリアの展開方向を探る
論争的な「キャリア」と 第8回の授業についての受講生の感想
「キャリアデザイン」(そ (A 4 1 枚程度)の発表とディスカッ
の2)
ション、補足説明。
「学習」のパラドックスと 「キャリアデザイン」に必要な「学習」
unlearning、リテラシー には、「情報の鵜呑み」「不
当な一般化」「伝聞・断定・推定の混
同」などの「落とし穴」があるので無
条件では肯定できないこと、固定観念
の削ぎ落とし= unlearning や記号的
表現としてのリテラシーの矛盾を意識
した「学習」=クリティカル・リテラ
シーの重要性を考える
「学習」のパラドックスと 第 10 回の授業についての受講生の感
unlearning、リテラシー 想(A 4 1 枚程度)の発表とディス
(その2)
カッション、補足説明。
キャリアデザイン、生涯学習が目指す
ability, conpetency,
「ability」「conpetency」
capability
∼キャリアで残と「能力」「 capability」という三つの能力の特
「社会人基礎力」
「人間力」 徴相互関係について考える
∼
その際に、OECD のキーコンピテン
シー論や学習指導要領における「コン
ピテンシー(資質・能力)
」論、企業社
会における「コンピテンシー人事」に
ついても考える。
第 12 回の授業についての受講生の感
ability, conpetency,
想(A 4 1 枚程度)の発表とディス
capability
カッション、補足説明。
∼キャリアデザインと
「能力」「社会人基礎力」
「人間力」∼
(その2)
「学問」
「学習」と「知識」 三つの能力を獲得し、発揮する上で必
「文字記号・リテラシー」 要な、知識の習得と活用、文字記号の
習得と活用、イマジネーションの習得
「イマジネーション」
と活用と「PDCA サイクル」=「格物
致知窮理サイクル」とチェック機能を
含む「学」「習」
「問」の関係を考える
「学問」
「学習」と「知識」 第 14 回の授業についての受講生の感
「文字記号・リテラシー」 想(A 4 1 枚程度)の発表とディス
「イマジネーション」
カッション、補足説明。
(その2)
コンピテンスと知識の
「不足している能力を補足しつつ、学習
「個人化」「地域化」
、
成果としての個別能力を臨機応変に活
「キャリア発達」と「自己 かせる能力」としてのコンピテンスは、
教育能力」
①社会的には「記号などのツールを双
方向的に使う能力」
「異質なものを理解
知る能力」「自律的な行動を行うこと」
「キイ・コンピテンス」であるととも
に、②個人の次元では、リテラシー、
知識、イメージの「個人化」「地域化」
システムを内部に組み込む「コア・コ
ンピテンス」であること、このような
内的システムを普段に進化させること
ができる「自己教育能力」「相互教育
能力」システムが「キャリア発達」を
支えるものであることを、「社会人基
礎力」等を視野に入れて、理解する。
コンピテンスと知識の
第 16 回の授業についての受講生の感
「個人化」「地域化」
、
想(A 4 1 枚程度)の発表とディス
「キャリア発達」と「自己 カッション、補足説明。
教育能力」
(その2)
受験勉強、リテラシーの 社会における階層上昇の手段であり、
世界、OECD 国際学力テ ソーターの役割を果たしている「入学
試験」に対応する「受験勉強」とコン
スト
ピテンスとの溝を埋めるためには、①
個人の次元では、ペーパーテストでは
測れない能力を意識的に捕捉すること、
②社会の次元では、高校・大学入試問
題に可能な限りコンピテンスのチェッ
クができる問題を組み込むこと、
「問題
解決学習と基礎知識学習・リテラシー
学習との統合プログラム作り」を進め
ることが必要であること、それらにか
かわる世界の実践の到達点を、OECD
国際学力テストを視野に入れて考える
— 13 —
17/03/01 13:16
第 18 回の授業についての受講生の感
想(A 4 1 枚程度)の発表とディス
カッション、補足説明。
それまでの講義内容をを踏まえて、個
人の生涯にわたる発達・成熟・キャリ
ア形成をサポートする視点からの「生
涯学習」「生涯教育」と個人の発達等
を社会化し社会的文脈に位置付けるた
めの「社会教育」について世界と日本
での歴史的変遷とその背景、現在の到
達点を考える
第 21 回 「生涯学習」「生涯教育」 第 20 回の授業についての受講生の感
「社会教育」
想(A 4 1 枚程度)の発表とディス
(その2)
カッション、補足説明。
第 22 回 成人の学習と生涯教育の 「学習・発達は子供から」
「教育は大人
構造
から」という学習と教育の関係を踏ま
えて、生涯学習・キャリア形成を主導
する「成人の学習」の構造と、家庭、
地域、学校、職域にわたる生涯学習の
社会的な分担・協力について考える
第 23 回 成人の学習と生涯教育の 第 22 回の授業についての受講生の感
構造(その2)
想(A 4 1 枚程度)の発表とディス
カッション、補足説明。
第 24 回 自分史、課題解決学習=
生涯学習の基本的な技法と具体的な現
場における活用・実践例を検討し、さ
プロジェクト研究
まざまな場面における可能性を考える
(「PBL」)、生活空間学
習、キイワード学習
∼コンピテンスを豊かに
する生涯教育の技法∼
第 25 回 自分史、課題解決学習=
第 24 回の授業についての受講生の感
想(A 4 1 枚程度)の発表とディス
プロジェクト研究
(「PBL」)、生活空間学
カッション、補足説明。
習、キイワード学習
∼コンピテンスを豊かに
する生涯教育の技法
(その2)
第 26 回 「生涯教育実践」の構造と 学習者に直接的に働き掛ける「狭義の
社会的分業・協力
生涯教育実践」と教材作り、制度設
計、財政措置、人材育成等の「広義の
生涯教育実践」にわけながら、社会全
体での協力・分担を考える
第 27 回 「生涯教育実践」の構造と 第 26 回の授業についての受講生の感
社会的分業・協力(その 想(A 4 1 枚程度)の発表とディス
2)
カッション、補足説明。
第 28 回 キャリアデザインを支え キャリアデザインを支える社会的シス
る「生涯学習社会」の法・ テムとしての「生涯学習社会」の法、
政策、国際協力について考える
制度・政策、国際協力
第 29 回 キャリアデザインを支え 第 28 回の授業についての受講生の感
る「生涯学習社会」の
想(A 4 1 枚程度)の発表とディス
法・制度・政策、国際協 カッション、補足説明。
力(その2)
第 30 回 「キャリアデザイン研究」 講義、ディスカッションを含めた、こ
「キャリアデザイン学」に の授業全体を振り返りながら、キャリ
おける「生涯学習の視点」 アデザイン学・キャリアデザイン研究
と受講生の研究内容との にとっての生涯学習の視点について、
受講生の研究内容との関係で意見交換
かかわりについて
を行う。
第 19 回
受験勉強、リテラシーの
世界、OECD 国際学力テ
スト(その2)
第 20 回 「生涯学習」「生涯教育」
「社会教育」
<主要研究業績>
①「エゴイズムと自己表現∼生涯教育学とキャリアデザイン学との接点∼」
『資
格課程年報』第 6 号 法政大学資格課程 2016 年 3 月
②日本社会教育学会編『社会教育としての ESD』 東洋館出版社 2015 年 9
月
③笹川孝一『キャリアデザイン学のすすめ』 法政大学出版局 2014 年 3 月
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
・テキストを事前に読んでおくこと
・毎回の授業について、小レポートを書くこと
・参考文献として掲げた古典文献に親しむこと
【参考書】
OECD『キイ・コンピテンス』明石書店
宮原誠一『青年期の教育』岩波新書
福澤諭吉『学問のすすめ』岩波文庫
マックスウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫
フランクリン『フランクリン自伝』岩波文庫
『論語』岩波文庫
【成績評価の方法と基準】
・毎回の授業出席とディスカッションへの参加 50% ・折々の小レポート提出 30%
・最終レポート提出 20%
【学生の意見等からの気づき】
具体的な学習プログラムに関係する部分を増やすことを心掛ける。
受講生である院生自身の研究テーマとの関連でのディスカッションを大切に
する。
キャリアデザイン学専攻
【テキスト(教科書)】
笹川孝一『キャリアデザイン学のすすめ』法政大学出版局 【学生が準備すべき機器他】
マイクロソフト Office
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
生涯教育学、社会教育学、キャリアデザイン学
<研究テーマ>
「仕事」論、リテラシー論、コンピテンシー論、自分史論 — 14 —
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 359
359
17/03/01 13:16
第 12 回 ダイバーシティ・マネ
ジメントとワークライ
フバランス②
キャリア開発論
浅野 浩美
第 13 回 正社員の多元化とキャ
リア開発①
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本授業は、経済社会や企業の雇用システムの構造変化の下で、個人のビ
ジネスキャリアがどのように開発・形成されているのかを考察していき
ます。個人のビジネスキャリア開発を社会構造、雇用システムとの関連
においてとらえることができるようになるとともに、キャリア開発にか
かわる理論的な枠組みを踏まえ、キャリア開発の現状や課題をとらえる
視点、方法論を学びます。
【到達目標】
授業の到達目標は以下のとおり。
・個人のビジネスキャリア開発が企業の人事管理はもとより社会の構造
と関連していることについての視点をもつ。
・ビジネスキャリア開発の背景にある社会構造について理解する。
・関連する文献、論文の講読を通じて、自身の問題意識を明確にし、そ
れを主張することができる。
・研究テーマに対してどのように研究を進めればよいのか、研究方法論
について一定の知識を得る。
【授業の進め方と方法】
授業は、下記の大テーマに関連して、理論等の概説や問題提起を中心とす
る講義、受講者による指定文献の報告・討論を組み合わせて実施します。
ただし、授業内容は、受講者の状況に応じて変更することがあります。
(1) キャリア開発に関する基礎
(2) キャリア開発の変化の動向
(3) 個人が進めるキャリア開発
(4) キャリア開発を支援する組織、社会
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
第 1 回 オリエンテーション、
キャリア開発概論① 第2回
第3回
オリエンテーション、
キャリア開発概論② キャリア開発にかかわ
る理論的な枠組み①
第4回
キャリア開発にかかわ
る理論的な枠組み②
第5回
キャリア開発を取り巻
く変化①
第6回
キャリア開発を取り巻
く変化②
第7回
キャリア開発に関する
施策①
第8回
キャリア開発に関する
施策②
第9回
キャリア開発をめぐる
新しい動き①
第 10 回 キャリア開発をめぐる
新しい動き②
第 11 回 ダイバーシティ・マネ
ジメントとワークライ
フバランス①
360
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 360
内容
授業について説明するとともに、
キャリア開発についての概論につい
ての講義などを行う。
受講者の問題意識についてのディス
カッションなどを行う。
キャリア開発をとらえる視点、理論
的な枠組、キャリア開発の主体につ
いて、講義を行う。
キャリア開発をとらえる視点、理論
的な枠組、キャリア開発の主体につ
いて、検討を行う。
社会構造の時系列的な変化の中で、
キャリア開発、キャリア形成のモデ
ルやそのあり方がどのように変化し
たのかについて、講義を行う。
社会構造の時系列的な変化の中で、
キャリア開発、キャリア形成のモデ
ルやそのあり方がどのように変化し
たのかについて、縦断的な視点から
検討を行う。
職業能力開発施策、就職支援施策な
どキャリア開発に関する施策につい
て、講義を行う。
職業能力開発施策、就職支援施策な
どキャリア開発に関する施策を俯
瞰・理解することを通して、今後の
課題について検討する。
キャリア開発をめぐる新しい動きで
ある政府の働き方改革について、現
状を把握するとともに、論点を整理
する。
キャリア開発をめぐる新しい動きで
ある政府の働き方改革について、取
り組むべき事項や考慮すべき事項に
ついて考察する。
ダイバーシティ経営、ワークライフ
バランスについて事例紹介を含め、
講義を行う。
第 14 回 正社員の多元化とキャ
リア開発②
第 15 回 女性のキャリア開発①
第 16 回 女性のキャリア開発②
第 17 回 育児・介護責任とキャ
リア開発①
第 18 回 育児・介護責任とキャ
リア開発②
第 19 回 高齢者のキャリア①
第 20 回 高齢者のキャリア②
第 21 回 転職・再就職とキャリ
ア①
第 22 回 転職・再就職とキャリ
ア②
第 23 回 非正規労働者のキャリ
ア開発①
第 24 回 非正規労働者のキャリ
ア開発②
第 25 回 問題のある働き方①
第 26 回 問題のある働き方②
第 27 回 企業が行うキャリア開
発①
第 28 回 企業が行うキャリア開
発②
第 29 回 総括①
第 30 回 総括②
ダイバーシティ経営、ワークライフ
バランスについて、報告してもらっ
たのち、講義及び報告をもとに検討
する。
正社員の働き方の現状、課題につい
て、講義を行うとともに、報告をし
てもらう。
正社員の働き方の現状、課題につい
て、講義及び報告をもとに、「多元
化」の切り口から考察する。
ジェンダーの視点から男女の雇用格
差の実態について、講義を行うとと
もに、報告をしてもらう。
男女の雇用格差の実態などについて
の講義及び報告をもとに、女性の
キャリア開発の課題を検討する。
育児・介護と仕事の両立、育児・介
護を抱える男女のキャリア開発につ
いて講義を行うとともに、報告をし
てもらう。
育児・介護と仕事の両立、育児・介
護を抱える男女のキャリア開発につ
いて、講義及び報告をもとに検討を
行う。
65 歳までの雇用確保措置に加え、
65 歳以上への定年引上げなどさら
なる雇用推進が求められるようにな
る中での高齢者のキャリア開発の現
状と課題について講義を行う。
高齢者のキャリア開発の現状と課題
について報告をしてもらったのち、
講義及び報告をもとに検討を行う。
キャリアを理解するうえで重要な転
職・再就職をめぐる現状と課題につ
いて講義を行う。
転職・再就職をめぐる現状と課題に
ついて、報告をしてもらったのち、
講義及び報告をもとに検討を行う。
パート、派遣などの非正規労働者の
キャリア開発の現状と課題について
講義を行うとともに、報告をしても
らう。
パート、派遣などの非正規労働者の
キャリア開発の現状と課題につい
て、講義及び報告をもとに検討を行
う。
違法な状況やハラスメントのほか、
何らかのコンフリクトがある状況に
関して講義を行うとともに、報告を
してもらう。
違法な状況やハラスメントのほか、
何らかのコンフリクトがある状況に
関して、講義及び報告をもとに検討
を行う。
企業が行うキャリア開発支援策のう
ち、キャリア研修、キャリアコンサ
ルティングなどをめぐる最近の動向
についての講義するとともに、報告
をしてもらう。
企業が行うキャリア研修、キャリア
コンサルティングなどについて、引
き続き報告をしてもらったのち、講
義及び報告をもとに検討を行う。
講義のまとめ(講義形式でのまとめ
ののち、報告をしてもらう)
講義のまとめ(引き続き報告をして
もらったのち、ディスカッションを
行う)
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
毎回講読する文献を読んで授業に臨むことが受講の必須条件です。そう
しないとディスカッションに参加できなくなります。
また、レポート課題があります。
— 15 —
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【テキスト(教科書)】
武石恵美子『キャリア開発論−自律性と多様性に向き合う』(2016 年、
中央経済社)。
その他、テーマに応じて、資料を配付します。
文献講読の文献は授業で具体的に指定します。
【参考書】
適宜紹介します。
【成績評価の方法と基準】
○ 平常点 50 %:ディスカッションへの参加も含む
○ 報告 25 %:報告の内容、レジュメの準備、質問への対応などで評価
○ レポート 25 %:未提出や期限を過ぎての提出があれば不可とする。
【学生の意見等からの気づき】
修士論文の課題設定や執筆のための視点の提供をしていくとともに、受講
者からのプレゼンテーションや話題提供をベースにしたディスカッショ
ンを積極的に取り入れていきます。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>人的資源管理論、キャリア施策、就職支援、高齢者雇用、職
業能力開発
<研究テーマ>高齢者雇用、キャリア研修、採用選考
<主要研究業績>
①『65 歳超雇用推進マニュアル』高齢・障害・求職者雇用支援機構、2017.3
公表予定
②『65 歳超雇用推進マニュアル(全体版)』高齢・障害・求職者雇用支
援機構、2017.3 公表予定
③『人材育成ハンドブック』
「教育訓練施策と人材育成」
、
「キャリアコン
サルティング施策の現状と今後」人材育成学会編、2017.7 発刊予定.
④『キャリアデザイン研修の効果及び効果間の関係に関する考察− A 社
における調査結果から−』、国際戦略経営研究学会第 8 回年次大会・研
究発表大会報告要旨集 pp.153-156、2015 年
⑤『キャリアデザイン研修の効果に関する考察 − A 社の調査結果から
みた組織間キャリア効力と効果との関係−』国際戦略経営研究学会第 9
回年次大会・研究発表大会報告要旨集 pp.163-166、2016 年
⑥ Hiromi Asano,Koji Tanaka,Kazuhiko Tsuda : “Study of hiring
decisions by companies using text mining: Factors other than
experience", Artificial Intelligence Research, Vol. 6, No. 1, pp.
16-26, 2017
⑦ Hiromi Asano,Koji Tanaka,Kazuhiko Tsuda : “Study on
Extraction of Hiring Determinant from the Job Placement Offices’
Data using Text Mining”,2015 International Conference on
Business, Information, and Service Science (ICBIS2015), No.0053.
2015.
キャリアデザイン学専攻
— 16 —
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 361
361
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人的資源管理論
佐藤 厚
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
1 主題を日本企業の人事労務管理の現状と課題とします。
2 人的資源管理とは何かを理解します。
3 人事管理とキャリア形成との接点・インターフェイスに浮かび上がる重
要な論点について考察します。
【到達目標】
1 受講者が人的資源管理の基礎知識を習得し、さらに実務課題へ応用する
ことのできる力を身につけます。
2 人的資源管理論とキャリア論に関する文献読解及び討論を通じて、修士
論文作成に必要な文献を批判的に読解する力を養成します。
【授業の進め方と方法】
本講義の主題である人的資源管理の現状と課題を理解するには以下の三つ
の課題が必要と思います。第1に、人的資源管理とは何かの基礎を学ぶ必要が
あるでしょう(第1の課題)
。だが、企業を取り巻く需給両面での環境変化が
著しい。そうした状況下では、第2に需要サイドの変化、及び第3に供給サ
イドの変化の両面から、人的資源管理を捉え返す作業が必要となるでしょう。
このうち第2については、経営戦略や経営組織と人的資源管理作業との関連
把握が要となり、その際の鍵概念が「仕事管理」という概念です(第2の課
題)
。また第3については、就業ニーズの多様化をどう受け止めるかが要とな
ります。その際の鍵概念が「キャリアの多様化」であります(第3の課題)
。
なお、以下の授業計画はあくまで計画であり、若干の修正はありますので
ご了承下さい。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
第1回
オリエンテーション
講義の進め方・参考文献
紹介
第2回
講義の進め方・参考文献
についての討論
第3回
人的資源管理の目的と機
能
第4回
人的資源管理の目的と機
能に関する討論
第5回
第6回
第7回
第8回
経営戦略・組織と人的資
源管理
経営戦略・組織と人的資
源管理に関する討論
第 11 回
雇用管理(1)
雇用管理(1)に関する
討論
雇用管理(2)
雇用管理(2)に関する
討論
人事制度
第 12 回
人事制度についての討論
第 13 回
第 14 回
人事評価・賃金管理
人事評価・賃金管理に関
する討論
労働時間管理
労働時間管理に関する討
論
第9回
第 10 回
第 15 回
第 16 回
第 17 回
キャリア管理とその支援
(1)
第 18 回
キャリア管理とその支援
(1)に関する討論
第 19 回
キャリア管理とその支援
(2)
第 20 回
キャリア管理とその支援
(2)に関する討論
第 21 回
能力開発と教育訓練
362
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 362
内容
講義の進め方・授業で取り上げる参考
文献紹介、レポート作成要領などにつ
いての解説
講義の進め方・参考文献についての参
加者の経験を踏まえた意見交換
人的資源管理の概念と機能、人事部の
役割に関する解説
人的資源管理の概念と機能、人事部の
役割に関する文献読解、報告及び参加
者の経験を踏まえた討論
経営戦略ー組織構造ー人的資源管理の
関連についての解説
経営戦略ー組織構造ー人的資源管理の
関連に関する文献読解、報告及び参加
者の経験を踏まえた討論
採用と退職の管理に関する解説
採用と退職の管理に関する文献読解、
報告及び参加者の経験を踏まえた討論
異動と昇進の管理に関する解説
異動と昇進の管理に関する文献読解、
報告及び参加者の経験を踏まえた討論
社員区分、社員各付け、職能資格制度
についての解説
社員区分、社員各付け、職能資格制度
に関する文献読解、報告及び参加者の
経験を踏まえた討論
人事評価・賃金管理に関する解説
人事評価・賃金管理に関する文献読解、
報告及び参加者の経験を踏まえた討論
労働時間の概念、管理の在り方と課題
労働時間の概念、管理の在り方と課題
に関する文献読解、報告及び参加者の
経験を踏まえた討論
キャリアに関わる主要概念(キャリ
ア・アンカー、バウンダリーレスキャ
リア、心理的契約など)に関する解説
キャリアに関わる主要概念(キャリ
ア・アンカー、バウンダリーレスキャ
リア、心理的契約など)に関する文献
読解、報告及び参加者の経験を踏まえ
た討論
キャリア環境の変化と課題(伝統的
キャリアと新しいキャリア)に関する
解説
キャリア環境の変化と k 課題(伝統的
キャリアと新しいキャリア)に関する
文献読解、報告及び参加者の経験を踏
まえた討論
企業内教育訓練の体系、OJT と
Off-JT 及び自己啓発、長期の仕事経
験としてのキャリア、HRD(人材開
発)概念の解説
第 22 回
能力開発と教育訓練
第 23 回
非典型雇用及び外部人材
第 24 回
非典型雇用及び外部人材
に関する討論
第 25 回
労働組合と労使関係
第 26 回
労働組合と労使関係に関
する討論
第 27 回
人的資源管理のフロン
ティア
人的資源管理のフロン
ティアに関する討論
第 28 回
第 29 回
第 30 回
人的資源管理論全体のま
とめ
人的資源管理論全体のま
とめに関する討論
企業内教育訓練の体系、OJT と
Off-JT 及び自己啓発、長期の仕事経
験としてのキャリア、HRD(人材開
発)概念に関する文献読解、報告及び
参加者の経験を踏まえた討論
非典型雇用の概念と現状、活用に関わ
る課題の解説
非典型雇用の概念と現状、活用に関す
る文献読解、報告及び参加者の経験を
踏まえた討論
労働組合の組織と機能、労使関係の個
別化、未組織企業の組織化に関する解
説
労働組合の組織と機能、労使関係の個
別化、未組織企業の組織化に関する文
献読解、報告及び参加者の経験を踏ま
えた討論
仕事と生活の調和と人事管理の解説
仕事と生活の調和と人事管理に関する
文献読解、報告及び参加者の経験を踏
まえた討論
第 1 回∼第 28 回までの主要論点の整
理
第 1 回∼第 28 回までの主要論点に関
する参加者のレポート報告及び参加者
の経験を踏まえた意見交換
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
講義は講義者による講義をベースにしますが、その内容理解は、あくまで参
加者による主体的な論点の提起や討論によって初めて深めることが可能とな
ります。毎回の講義テーマに関わる資料、データ、事例などを適宜収集して
おくようにしてください。
【テキスト(教科書)
】
①テキスト:今野浩一郎・佐藤博樹『人事管理入門 (第 2 版)
』日本経済新聞社
②サブテキスト:佐藤 厚『キャリア社会学序説』泉文堂、2011 年,
佐藤 厚『組織のなかで人を育てる−−企業内人材育成とキャリア形成の方
法』有斐閣 2016 年を使用します。
【参考書】
①佐藤博樹・藤村博之・八代充史『マテリアル 新しい人事労務管理』有斐閣
②佐藤博樹・佐藤厚編『仕事の社会学』有斐閣
③中村圭介・石田光男編『ホワイトカラーの仕事と成果』東洋経済新報社
④佐藤厚編著『業績管理の変容と人事管理』ミネルヴァ書房(2007 年)
⑤『日本労働研究雑誌』のバックナンバー(授業時に指示します)
【成績評価の方法と基準】
授業への貢献を 50、文献もしくは課題レポートを 50 とします(あくまで
大まかな目安です)。
具体的には、①指定文献(授業主題に関連した研究論文や事例などです)の
報告と討論、および②課題レポート(頻度は 3 回程度)の提出と討論が重視
されます
【学生の意見等からの気づき】
1 受講者との意見交換や受講者間での討論時間を確保する。
2 毎回取り上げて読む文献読解の趣旨を明確にする。
3 演習問題等を例示して、授業到達目標を明確にする。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>産業社会学・人的資源管理論
<研究テーマ>ホワイトカラーの仕事管理・人事管理及びキャリア形成
<主要研究業績>
①佐藤 厚『ホワイトカラーの世界――仕事とキャリアのスペクトラム』日
本労働研究機構(現 独立行政法人 労働政策研究・研修機構),2001 年
②佐藤 厚「雇用政策と人的資源管理政策」同志社大学大学院総合政策科学
研究科編『総合政策科学入門』成文堂,2004 年
③佐藤博樹・佐藤厚編著『仕事の社会学』有斐閣,2004 年
④佐藤 厚・佐野嘉秀「
『成果主義』先進企業の変革――電機メーカー」中村
圭介・石田光男編『ホワイトカラーの仕事と管理』東洋経済新報社,2005 年
⑤佐藤 厚編著『業績管理の変容と人事管理』ミネルヴァ書房,2007 年
⑥佐藤 厚「仕事管理と労働時間――長労働時間発生のメカニズム」
『日本労
働研究雑誌』2008 年 6 月
⑦佐藤 厚「人的資源管理論とキャリア論」『生涯学習とキャリアデザイン
2008 年度法政大学キャリアデザイン学会紀要』Vol.6 2009 年
⑧佐藤 厚『キャリア社会学序説』泉文堂、2011 年
⑨佐藤 厚「企業における人材育成の現状と課題」社会政策学会編『社会政
策』2012 年第 3 巻第 3 号
『日本労働研究雑誌』
⑩佐藤 厚「中小機械・金属関連産業における能力開発」
2012 年 1 月
⑪佐藤 厚「マネージャーの仕事とキャリア」
『生涯学習とキャリアデザイン』
vol.12,2014 年
⑫佐藤 厚「人材育成とキャリア形成」『日本労務学会誌』第 15 巻第 1 号
2014 年
13 佐藤 厚「キャリアデザイン研究の成果と課題」日本キャリアデザイン学
会編『日本キャリアデザイン学会 10 周年記念誌』2014 年
14「企業コミュニティとキャリア形成、人材育成」
『生涯学習とキャリアデザ
イン』vol.14,2016 年
— 17 —
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第7回
経営組織マネジメント論
木村 琢磨
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本講義では、企業組織のマネジメントに関する基礎的な理論を学び、議
論することによって、人材のマネジメント、キャリア開発について企業
経営の視点から実証研究を行うための、基礎的な理論的知識・思考力を
養うことを目標とします。
「経営組織」は、人がビジネスキャリアを歩む場であり、組織の内部
の状況は、そこで働く人のビジネスキャリアに大きな影響を与えます。
そのため、人材を育成しようとする企業、および成長しようとする個人
にとっては、
「経営組織」がどのような場であるかを理解することが重要
です。
「経営組織」は、組織として定めた方針・戦略・計画や、職務権限・
指揮命令系統にしたがって人材を活用し、育成し、業務を遂行すると考
えられています。しかし、経営組織は感情を持つ人間の集団であるため
に、必ずしも公式の指示・命令や経済的合理性にしたがって動くとは限
らず、
「社内政治」
(organizational politics)と呼ばれるものに代表され
る、多くの非公式な活動によって動いているのが現実です。そこで本講
義では、組織マネジメントの理論の中でも特に、社内政治およびそれに
密接に関わる理論・概念に焦点を当てて議論します。
【到達目標】
・政治的パースペクティブに基づく組織マネジメントの理論について、古
典的研究から最近の研究までの、基礎的学説・理論を理解し、研究の流
れを説明することができる。
・政治的パースペクティブに基づいて書かれた論文を批判的に考察し、新
たな研究課題や実証研究の方法を提示することができる。
・政治的パースペクティブに基づいて組織および組織内の個人・集団に
関わる現象を分析・説明し、3,000 字程度の小論文にまとめることがで
きる。
【授業計画】
春学期
回
テーマ
第 1 回 ガイダンス
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
内容
本講義の概要と目的、到達目標、学
習方法について
学術研究の基礎
経営組織・組織行動に関する学術研
究を行うための基本的な考え方・方
法
関係性の理論(1)
組織内での関係性・関係形成に関す
る理論(LMX 理論、社会的資本理
論)
関係性の理論(2)
上記テーマに基づくグループディス
カッション
印象形成の理論(1) 自分自身や自分の考えに対する相手
の印象・認識の操作に関する理論
(印象マネジメント理論、正当性理
論)
印象形成の理論(2) 上記テーマに基づき、グループディ
スカッションを行う。
個人が仕事で利用可能な資源のマネ
ジメントに関する理論(資源保存理
論、JD-R モデル)
第 8 回 資源マネジメントの理 上記テーマに基づくグループディス
論(2)
カッション
第 9 回 組織の政治モデル(1) 社内政治に関する古典的研究(政治
的意思決定、戦略実行における政治
など)、社内政治の機能と発生理由
第 10 回 組織の政治モデル(2) 上記テーマに基づくグループディス
カッション
第 11 回 社内政治行動(1)
組織内で行われる政治行動・影響戦
術に関する理論と主な実証研究
上記テーマに基づくグループディス
第 12 回 社内政治行動(2)
カッション
第 13 回 社内政治の知覚モデル 社内政治の社会心理学的研究である
(1)
社内政治の知覚モデル・実証研究
第 14 回 社内政治の知覚モデル 上記テーマに基づくグループディス
(2)
カッション
第 15 回 ディスカッション(量 量的調査法を用いた論文の批判的検
的研究)
(1)
討
第 16 回 ディスカッション(量 量的研究の実施方法
的研究)
(2)
第 17 回 社内政治のスキル(1) キャリア・サクセスや組織改革のた
めに必要な社内政治のスキル
第 18 回 社内政治のスキル(2) 上記テーマに基づくグループディス
カッション
第 19 回 ディスカッション(質 質的調査法を用いた論文の批判的検
的研究)
(1)
討
第 20 回 ディスカッション(質 質的研究の実施方法
的研究)
(2)
第 21 回 受講者によるプレゼン 「組織の政治モデル」をテーマとし
テーション(組織の政 た、受講者によるプレゼンテーショ
ン
治モデル)
(1)
第 22 回 受講者によるプレゼン 「組織の政治モデル」をテーマとし
テーション(組織の政 たプレゼンテーションに基づく議論
治モデル)
(2)
第 23 回 受講者によるプレゼン 「政治行動」をテーマとした、受講
テーション(政治行動) 者によるプレゼンテーション
(1)
第 24 回 受講者によるプレゼン 「政治行動」をテーマとしたプレゼ
テーション(政治行動) ンテーションに基づく議論
(2)
第 25 回 受講者によるプレゼン 「社内政治の知覚モデル」をテーマ
テーション(社内政治 とした、受講者によるプレゼンテー
ション
の知覚モデル)
(1)
第 26 回 受講者によるプレゼン 「社内政治の知覚モデル」をテーマ
テーション(社内政治 とした受講者によるプレゼンテー
ションに基づく議論
の知覚モデル)
(2)
第 27 回 受講者によるプレゼン 「政治スキル」をテーマとした、受
テーション(政治スキ 講者によるプレゼンテーション
ル)
(1)
第 28 回 受講者によるプレゼン 「政治スキル」をテーマとしたプレ
テーション(政治スキ ゼンテーションに基づく議論
ル)
(2)
第 29 回 実証研究の基礎(1) 経営組織・組織行動に関する実証研
究の基本的な方法
第 30 回 実証研究の基礎(2) 講義内容に関連した実証論文を例と
して取り上げ、実証研究による修士
論文および査読制論文を執筆するう
えでの要点・課題について概説
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
・第1回∼14、17、18、29、30 回:授業支援システム上にアップロー
ドされた講義資料を各自印刷のうえ持参すること(教員からの当日配付
はしない。
・第 15、16、19、20 回:事前に提示した課題論文を精読し、要旨・疑
問点・批判点をまとめてくること
・第 21∼28 回:授業で取り扱ったテーマから1∼2つを選択し、短い
研究報告を行ってもらうため、講義内容を復習し、授業で紹介した参考
文献、および関連する文献を読み準備すること。
【テキスト(教科書)
】
使用しない
— 18 —
09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 363
キャリアデザイン学専攻
【授業の進め方と方法】
土曜日の1・2限で 15 週(計 30 回)にわたって行います。実施形態は
下記の通りです。
・講義(1限)+全体質疑・ディスカッション(2限):第1、2、29、
30 回
・講義(1限)+グループディスカッション(2限):第3∼14、17、
18 回
・全体ディスカッション(1・2限):第 15、16、19、20 回
・受講者によるプレゼンテーション(1・2限):第 21∼28 回
ディスカッションを行う回は、事前に課題論文その他の予習課題を出し
ます。
第 21∼28 週は、講義内容に関連したテーマを各自で設定し、プレゼン
テーションを行ってもらいます(※)。
最終課題として、自身で行ったプレゼンテーションを 3,000 字程度の小
論文にしたものを、レポートとして提出してもらいます。
※プレゼンテーションのテーマは、講義テーマから選ぶことが原則です
が、修士2年生は執筆中の修士論文、研究生は現在行っている調査研究
に基づいたものでも構いません。
※各回の実施内容は、受講者数に応じて変更することがあります。
※履修者が少数になった場合は輪読を中心とする可能性があります。
資源マネジメントの理
論(1)
363
17/03/01 13:16
【参考書】
・木村琢磨「組織内政治と企業内キャリア」
『生涯学習とキャリアデザイン
―法政大学キャリアデザイン学会紀要』Vol.8、pp.77-94、2011 年(http://
repo.lib.hosei.ac.jp/bitstream/10114/6786/1/cd-gak08_kimura.pdf)
・A Review of Political Skill: Current Research Trend and
Directions for Future Research.
International Journal of
Management Reviews, 17(3), 2015, pp.312-332.
【成績評価の方法と基準】
1.討議への参加・貢献(25 %)
・第一に、積極的に発言してください。そのうえで、以下のような発
言を歓迎します。
議論を活性化させる質問・問題提起 理論に基づいた現実の論理的考察・整理
それに基づいた施策の提言、新たな研究課題の提示
2.プレゼンテーション(25 %)
・形式はガイダンス時および開講後に指示します。
・単位認定のためには、1人1回は行うことを必須とします。
・理論に基づいた現実の考察・整理がなされていることを求めます。
・学問的研究・実践的研究に寄与するものを目指してください。
3.レポート(50 %)
・必ず提出すること。単位認定のためには提出を必須とします。
【学生の意見等からの気づき】
・受講者の受け身の傾向が強まってきたため、自ら問いを立て、調べ、ま
とめ、答えを出すということを促進していきます。
・受講者の関心が論文の書き方に集中してしまう傾向が強まってきたた
め、昨年度は論文作成の技術に関する説明を減らしましたが、状況が改
善しませんでした(アンケートでは「論文の書き方に関する説明が役に
立った」という回答が多数)
。そのため、今年度は理論・学説の説明の比
重を高めるとともに、テクニカルな部分に意識が集中しないよう授業を
進めます。
【学生が準備すべき機器他】
資料の配付は授業支援システム上で行う。
(授業中の教員によるホワイトボードまたはスクリーン上への板書は、必
要であれば受講者自身でメモをしてください。板書内容の電子ファイル
化・授業支援システム上での配付は行いません)
【その他の重要事項】
・オフィスアワー:
春学期:土(12:50∼14:20)
秋学期:水(20:10∼21:40)
・本授業は、学術研究として行われた理論的研究・実証研究に基づいて
行います。ケースメソッド形式・事例紹介の授業ではありませんので注
意してください。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
組織行動論(organizational behavior)、経営組織論(organization
management)
<研究テーマ>
・組織内政治(社内政治: organizational politics)
・倫理的リーダーシップ(ethical leadership)
・ダイバーシティ・マネジメント(diversity management)
<主要研究業績>
・Ethical Leadership and Its Cultural and Institutional Context: An
Empirical Study in Japan. Journal of Business Ethics, Online first,
1-18.
・A Review of Political Skill: Current Research Trend and
Directions for Future Research.
International Journal of
Management Reviews, 17(3), 2015, pp.312-332.
・"The Moderating Effects of Political Skill and Leader-Member
Exchange on the Relationship between Organizational Politics and
Affective Commitment", Journal of Business Ethics, 116(3), 2013,
pp.587-599.
・"Transformational leadership and job satisfaction: The mediating
effects of perceptions of politics and market orientation in the
Japanese context", International Journal of Business Science and
Applied Management, 7(1), 2012, pp.29-42.
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人事組織経済学
梅崎 修
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
経済学と言うと、市場の分析であると考える方も多いと思います。
もちろん、労働市場の分析はキャリア研究にとって重要なテーマで
すが、それ以外に組織や人事制度に対しても経済学理論は有効な分
析枠組みです。この授業では、インセンティブ設計、取引費用、情
報の非対称性、人的資本、ゲーム理論などの理論・概念を使いなが
ら、実際の人事制度と組織を事例分析します。参加者には、経済学
的思考が人材マネジメントにいかに有効であるかを実感してもらい
ながら、分析能力を身に付けてもらいます。人事と組織の具体的事
例を知るだけでなく、それらを分析できる思考方法を身に付けるこ
とを目標としています。経済学的思考方法は、修士論文作成はもち
ろんのこと、実際のビジネス意思決定にも役立つでしょう。
【到達目標】
経済学の理論と分析ツールを使いこなせること、具体的には、組織や
人事制度の解釈をインセンティブ理論によって説明可能になること
などを目標とする。修士論文作成のために必要な計量分析とヒアリ
ング分析の実証方法も、「分析結果を読める」ことはもちろんだが、
「自分で分析できる」までになる。
【授業の進め方と方法】
人 事 経 済 学(Personnel Economics)と 組 織 経 済 学(Economic
Approaches to Organizations)の理論と分析事例を解説します。
はじめに経済学理論と概念を解説した後に、具体的な企業事例を紹
介し、参加者と議論します。理論解説 → 分析事例の紹介 → 議論と
いう流れの中で、経済学思考方法を学びます。また、分析事例とし
てアンケート調査やヒアリング調査の分析結果を紹介しますが、そ
の際、データの扱い方・読み方についても説明をします。なお、授
業は 2 回連続で行い、半期で終了します。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
第 1 回 経済学的思考とは?
第 2 回 論文の読み方、議論の
仕方。
第 3 回 労働市場分析
第 22 回 インセンティブ設計
(事例)
第 23 回 組織内競争
第 24 回 組織内競争(事例)
第 25 回 賃金制度
第 26 回 賃金制度(事例)
第 27 回 評価者負担と公平性
第 28 回 評価者負担と公平性
(事例)
第 29 回 労使関係
第 30 回 労使関係(事例)
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
授業の予習として、学部レベルの教科書(該当部分)と関連論文 1
本を読んでもらいます。学部レベル教科書の予習は理論の解説の事
前準備になりますし、関連論文の予習は受講生とのディスカッショ
ンの前提となります。
【テキスト(教科書)】
教科書を使わずに、レジュメを配布しながら解説します。ただし、講
義前に参考文献を読んでもらいます。
参考文献
小池和男(2005)『仕事の経済学』(東洋経済新報社)
松繁寿和(2008)『労働経済』(放送大学教育振興会)
ラジアー (2000)『人事と組織の経済学』(樋口・清家訳:日本経済
新聞社)(Lazear, E. “ Personnel Economics for Managers” John
Wiley & Sons Inc)
【参考書】
学部向け教科書ですが、以下の本はデータが豊富で役立ちます。
(有斐閣)
松繁寿和・阿部正浩編(2010)『キャリアのみかた』
【成績評価の方法と基準】
平常点(30 %)・・・議論への参加を評価します。
レポート課題(70 %)・・・議論を発展させたレポート課題を提出
してもらいます。
【学生の意見等からの気づき】
経済学理論の紹介に関しては、基礎的文献や教科書を紹介して理解
を深めるようにします。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
労働経済学、教育経済学、人事組織経済学
<研究テーマ>
人事マイクロデータを使った人材マネジメントの分析、キャリア教育
の効果測定、卒業生の回想データを使った初期キャリア形成の分析
<主要研究業績>
(1)
(共編著)
『人事の統計分析−人事マイクロデータを用いた人材
マネジメントの検証』(ミネルヴァ書房)(2013 年)
(2)
(共編著)
『大学生の学びとキャリア−入学前から卒業後までの
継続調査の分析』(法政大学出版会)(2013 年)
(3)
(共編著)
『教育効果の実証−キャリア形成における有効性』
(日
本評論社)(2013 年)
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ホワイトカラーの技能形成におけ
る実証研究を紹介し、議論する。
能力構築競争の理論を解説
能力構築競争の実証研究を紹介
し、議論する。
プリンシパル-エイジェントモデ
ルを解説。
プリンシパル-エイジェントモデ
ルの実証論文を紹介し、議論す
る。
インセンティブ設計としての競争
を解説。
キャリアツリー法などの分析を紹
介し、議論する。
インセンティブ設計としての賃金
制度を解説する。
能力給・成果給などの賃金制度の
分析事例を紹介し、議論する。
評者負担の理論を解説。評価分布
分析を紹介。
評価分布の分析事例を紹介し、議
論する。
労使関係の諸制度を解説。さらに
発言−退出モデルを解説。
労使関係の実証研究を紹介し、議
論する。
キャリアデザイン学専攻
内容
経済学の入門説明。
実証研究の読解ポイントを紹介す
る。
労働市場の需給分析フレームワー
クの解説。
第 4 回 労働市場分析(事例) 労働市場、失業研究などを紹介
し、議論する。
労働関係の各種統計を解説。
第 5 回 労働統計
労働統計を使った論文を紹介し、
第 6 回 労働統計(事例)
議論する。
情報の非対称性とシグナリング理
第 7 回 情報の経済学
論を解説。
第 8 回 情報の経済学(事例) 就職・転職などの実証研究を紹介
し、議論する。
第 9 回 内部労働市場
取引費用の発生と内部労働市場論
を解説。
第 10 回 内部労働市場(事例) 取引費用の発生と内部労働市場論
の実証研究を紹介し、議論する。
人的資本理論、企業特殊的熟練を
第 11 回 人的資本
解説。
人的資本理論、企業特殊的熟練に
第 12 回 人的資本(事例)
関する実証研究を紹介し、議論す
る。
人的資本理論を基にしながらに教
第 13 回 学校教育の効果
育の経済効果の解説。
教育の経済効果の実証研究を紹介
第 14 回 学校教育の効果(事
例)
し、議論する。
第 15 回 工場の技能形成
生産システム論と知的熟練論を解
説。
生産システム論と知的熟練論の実
第 16 回 工場の技能形成(事
例)
証研究を紹介し、議論する。
ホワイトカラーの技能形成を解
第 17 回 オフィスの技能形成
説。
第 18 回 オフィスの技能形成
(事例)
第 19 回 イノベーションと技能
第 20 回 イノベーションと技能
(事例)
第 21 回 インセンティブ設計
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第 23 回
職業キャリア政策論
第 24 回
松浦 民恵
第 25 回
第 26 回
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本授業では、
「職業」を軸として、キャリア形成の現状や課題、効果的な支援
のあり方について考えます。授業のテーマは、大きく①職業の位置づけや体
系と社会構造の関係、②職業能力開発支援のあり方、③職業の人材のマッチ
ングのあり方、から構成されます。途中で課題レポートを提出頂き、最終2
回では、課題レポートの発表・講評・ディスカッションを予定しています。
【到達目標】
以下を到達目標とします。
①職業の位置づけや体系を、社会構造と関連づけて理解することができる。
②日本における職業キャリア及び関連する政策に関して、複眼的な視点で考
察することができる。
③修士論文の作成に向けて、的確な課題設定・仮説提示や、説得的な論旨の
展開ができるようになる。
【授業の進め方と方法】
授業では、職業キャリアや職業キャリア政策を深く考察するうえで必要とな
るテーマを取り上げ、問題提起や概説を行ったうえで、事前に指定した文献・
論文について担当の受講者から報告頂き、全員でディスカッションを行いま
す。また、統一テーマ「企業における人材育成のあり方(仮)
」のなかで自分
なりの個別テーマを立てて執筆頂いたレポートを、ご報告頂く回も設ける予
定です。授業は 15 週(2限続きで合計 30 回)で実施します。
なお、受講の状況によっては、授業計画を一部変更する場合がありますので、
予めご了承ください。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
第1回
オリエンテーション
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
第 17 回
第 18 回
第 19 回
第 20 回
第 21 回
第 22 回
関心テーマに関するディ
スカッション
職業とは何か(1)
内容
授業の進め方の説明(文献・論文の指
定とレジュメ作成の分担、課題レポー
トのテーマ等)
受講者の問題意識の共有
職業の位置づけ、変遷や体系に関する
概説
職業とは何か(2)
職業に関する指定文献・論文の輪読と
ディスカッション
職業の倫理(1)
職業の倫理に関する概説
職業の倫理(2)
職業の倫理に関する指定文献・論文の
輪読とディスカッション
日本の労働者と仕事(1) 日本における職業観の形成に関する概
説
日本の労働者と仕事(2) 日本の労働者と仕事に関する指定文
献・論文の輪読とディスカッション
日本的雇用システムと職 日本的雇用システムと職業キャリアに
業キャリア(1)
関する概説
日本的雇用システムと職 日本的雇用システムに関する指定文
業キャリア(2)
献・論文の輪読とディスカッション
職業と処遇(1)
日本と欧米における職業と処遇の関係
性に関する概説
職業と処遇(2)
職業と処遇に関する指定文献・論文の
輪読とディスカッション
職業能力開発支援(1) 企業における職業能力開発支援の現状
企業における職業能力開 や課題に関する概説
発支援①
職業能力開発支援(1) 職業能力開発支援に関する指定文献・
企業における職業能力開 論文の輪読とディスカッション
発支援②
職業能力開発支援(2) 公共職業訓練と企業や個人に対する支
公共職業訓練と企業や個 援政策に関する概説
人に対する支援政策①
職業能力開発支援(2) 公共職業訓練等に関する指定文献・論
公共職業訓練と企業や個 文の輪読とディスカッション
人に対する支援政策②
職業能力開発支援(3) 職業資格・職業能力評価制度に関する
職業資格・職業能力評価 概説
制度①
職業能力開発支援(3) 職業資格・職業能力評価に関する指定
職業資格・職業能力評価 文献・論文の輪読とディスカッション
制度②
職業と人材のマッチング 労働市場における職業と人材のミス
(1)労働市場における職 マッチに関する概説
業と人材のミスマッチ①
職業と人材のマッチング マッチングに関する指定文献・論文の
(1)労働市場における職 輪読とディスカッション
業と人材のミスマッチ②
職業と人材のマッチング 職業紹介・求人広告の現状や課題、規
(2)職業紹介・求人広告 制のあり方に関する概説
①
職業と人材のマッチング 職業紹介に関する指定文献・論文の輪
(2)職業紹介・求人広告 読とディスカッション
②
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09キャリアデザイン学専攻_本編2017.indd 366
第 27 回
第 28 回
第 29 回
第 30 回
職業と人材のマッチング
(3)派遣①
職業と人材のマッチング
(3)派遣②
技術革新と職業の未来
(1)
技術革新と職業の未来
(2)
統一テーマ(仮)企業に
おける人材育成のあり方
(1)
統一テーマ(仮)企業に
おける人材育成のあり方
(2)
統一テーマ(仮)企業に
おける人材育成のあり方
(3)
統一テーマ(仮)企業に
おける人材育成のあり方
(4)
派遣規制の変遷、派遣の現状や課題に
関する概説
派遣に関する指定文献・論文の輪読と
ディスカッション
技術革新と職業の未来に関する概説
技術革新と職業に関する論文の輪読と
ディスカッション
課題レポートの報告と質疑
課題レポートの講評、ディスカッショ
ン
課題レポートの報告と質疑
課題レポートの講評、ディスカッショ
ン
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
指定した文献・論文については、受講者全員が事前に読んだ上でご出席下さ
い。また、指定した文献・論文のレジュメ作成を受講者で分担頂きます。これ
とは別に、課題レポートの提出が必要です。
【テキスト(教科書)
】
テキストは指定しませんが、テーマに応じて指定された文献・論文を輪読し
ます(分担してレジュメの作成、報告を頂きます)。
輪読する文献は、原則としてご自身で準備頂きます。輪読する論文について
は、こちらで準備し、事前にコピー・PDF等を配布します。
【参考書】
授業のなかで適宜紹介します。
【成績評価の方法と基準】
平常点(ディスカッションへの貢献等)
、レジュメの作成・報告(レジュメの
内容把握の的確さ、報告のわかりやすさ、質問への対応等)
、課題レポートの
執筆・報告(課題設定や仮説提示の的確さ、論旨展開における説得力等)で評
価します。平常点 30 %、レジュメ 30 %、レポート 40 %を原則とします。
レポート未提出(提出期限を過ぎてからの提出を含む)の場合、レポートの
評価点はゼロ(原則として不可)となりますので、ご注意ください。
【学生の意見等からの気づき】
昨年度は担当していなかったため、まだご意見は頂いていません。
【学生が準備すべき機器他】
パソコン等の情報機器。輪読する文献。
【その他の重要事項】
欠席や遅刻・早退の場合は事前にご連絡ください。報告担当の回は原則とし
て必ず出席してください(どうしても出席できない場合はお早めにご相談く
ださい)。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
人的資源管理論、雇用政策
<研究テーマ>
働き方改革、非正社員のキャリア形成、女性や高齢者の活躍推進、幹部候補
の人材育成など
<主要研究業績>
『営業職の人材マネジメント』
(中央経済社、2012 年)
「働き方改革のフロンティア」
『日本労働研究雑誌』第 679 号(2017 年)
「女性活躍推進の変遷と課題」
『日本労務学会誌』第 16 巻第 1 号(2015 年)
「人材育成における3つのジレンマ」
『ニッセイ基礎研所報』Vol.60(2016 年)
「第2章どうすれば時給が上がるのか」佐藤博樹・大木栄一編『人材サービス
産業の新しい役割』(有斐閣、2014 年)
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17/03/01 13:16
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