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環境マネジメント専攻(夜間)

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環境マネジメント専攻(夜間)
環境マネジメント専攻(夜間)
分野
専門
基礎
授 業 科 目
担当教員名
単位 掲載ページ
備 考
2
439
公共「環境法基礎」と合同
金 藤 正 直
2
440
公共「環境経営論」と合同
花 田 正 明
4
441
公共「環境経営実践論/
環境経営実践演習」と合同
長谷川 直 哉
2
442
公共・連帯社会「CSR論」と合同
環境経営事例研究
平 田 耕 一
4
443
公共「環境プランニング概論/
環境プランニング事例研究」と合同
環境社会論
定 松 淳
2
444
公共「環境社会論」と合同
環境会計論
八 木 裕 之
2
445
公共「環境会計論」と合同
地域形成研究
石 神 隆
2
445
公共「地域環境計画研究」と合同
環境政策法務と条例
安 部 慶 三
2
446
公共「環境政策法務と条例」と合同
高 田 雅 之
2
447
公共「自然環境共生研究」と合同
宮 川 路 子
2
448
公共「公衆衛生研究」と合同
梶 裕 史
2
448
公共「地域環境文化研究」と合同
根 崎 光 男
2
449
公共「地域環境史研究」と合同
田中 勉・石神 隆・
西城戸誠
2
449
公共「地域環境フィールドスタディ」と
合同
ファシリテーション演習
三田地 真 実
2
450
公共「ファシリテーション演習」と合同
地域コンサルティング論
佐 谷 和 江
2
451
公共「地域コンサルティング論」と合同
開発経済論
絵 所 秀 紀
4
452
経済「開発経済論A/開発経済論B」、
公共「開発経済論概論/開発経済研究」
と合同
国際環境法
岡 松 暁 子
2
453
公共「国際環境法」と合同
国際協力論Ⅰ
武 貞 稔 彦
2
454
公共「国際協力論」と合同
地球環境科学
藤 倉 良
2
455
公共「地球環境学基礎」と合同
藤 倉 良
2
455
公共「環境工学の基礎」と合同
藤 倉 良
2
456
公共「国際環境協力論」と合同
中 村 玲 子
2
456
公共・連帯社会「国際NGO・NPO論」
と合同
社会開発事例研究
吉 田 秀 美
2
457
公共「社会開発論」と合同
社会起業家論
吉 田 秀 美
2
457
公共「社会起業家論」と合同
武貞稔彦・吉田秀美
2
458
公共「国際協力フィールドスタディ」と
合同
開発と文化の人類学
安 岡 宏 和
2
458
公共「文化人類学研究」と合同
地球環境政治論
横 田 匡 紀
2
425
公共「地球環境政治論」と合同
環境行政法
柳 憲一郎
2
459
公共「環境行政法」と合同
環境私法
永 野 秀 雄
2
460
公共「環境私法」と合同
北 川 徹 哉
2
460
公共「大気人間環境論」と合同
菊 地 昌 廣
2
461
公共「環境資源・エネルギー政策論」と
合同
環境経営論
CSR論
公衆衛生研究
地域環境文化研究
地域環境共生
自然環境共生研究
環境経営
環境経営実践論
地域環境史研究
地域環境事例演習Ⅱ
国際環境評価事例研究
国際NGO・NPO論
国際環境協力
環境工学の基礎
国際環境協力事例演習
環境資源・エネルギー政策論
共通
大気人間環境論
環境マネジメント専攻
永野秀雄・岡松暁子・
柳憲一郎
環境法概論
437
11環境マネジメント専攻2015.indd 437
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授 業 科 目
分野
担当教員名
単位 掲載ページ
備 考
芦 谷 典 子
2
462
公共「経済学基礎」、政策と合同
公共経済論B
菅 原 琢 磨
2
463
公共「公共経済論」と合同
相 原 博
2
464
公共「環境思想」と合同
数理モデル概論
松本倫明・渡邊 誠
2
465
公共「数理モデル概論」と合同
環境特殊研究4
中 里 妃沙子
2
466
公共「環境と知的財産権」と合同
西城戸 誠
2
467
公共「論文研究指導2」と合同
環境思想
研究
環境マネジメント演習Ⅱ
共通
公共経済論A
※修了要件については、『大学院要項』24 ページの修了要件を参照してください。
※主要研究業績については、最新のもののみ記載しています。
※講義概要が掲載されていないものは、開講時に発表します。
※法政大学大学院学則の授業科目一覧表に記載のある科目で、上記一覧表に記載のない科目は、2015 年度休講です。
※科目の主な分野については表のとおりとなります。
※履修者は研究したい内容により分野にこだわらず自由に履修することができます。
<履修上の注意>
1.「環境マネジメント演習Ⅰ・Ⅱ」について
本演習は、指導教員による修士論文の指導を目的としたものであり必修科目となっています。環境マネジメント演習
Ⅰ・Ⅱ(合計 4 単位)を修得しなければ、修了することができません。ただし、修了所要単位としては演習Ⅰ・Ⅱ合計
で 4 単位が上限で、これを超えての履修が必要な場合も修了所要単位には含めませんのでご注意ください。
・「環境マネジメント演習Ⅰ」は、修士課程 1 年次に履修してください。
・「環境マネジメント演習Ⅱ」は、修士課程 2 年次(2 年を超えて在学する学生も含む)に履修してください(修士論
文の指導のため、2 年を超える学生も必ず履修する必要があります)。
2.指導教員登録(『大学院要項』32 ページ指導教員登録の項参照)
指導教員の登録は、全員が毎年度(4 月末までに)、「指導教員承認届・変更届」にて、必ず提出をしてください。
もし年度途中で指導教員の変更を希望する場合は、秋学期の段階で一度申請することはできます。新旧教員の相談・
承諾のもとに秋学期履修科目登録修正期間までに、再度「指導教員承認届・変更届」を提出してください。研究科内で
審議し認められる場合があります。
3.論文発表会
以下の各種発表会は、修士論文の提出にあたり、必須のプロセスです。学生は、原則として、必ずこのプロセスを経て、
修士論文の提出を行ってください。
①論文テーマ提出(1年次)
②論文構想発表会(1年次)
③論文中間発表会(2年次 8 月上旬頃)
スケジュールは、適宜大学院棟 3 階環境マネジメント専攻掲示板に発表されます。
入学時に長期履修制度を申請をされた方へ
入学時に長期履修申請をされた方で、何らかの理由により履修計画を短くして修了を希望される場合は、修士論文予
備登録時に「長期履修計画変更申請書」を提出してください。その書類をもとに経理課より学費差額分追加徴収の納付
書が送付されますので、届き次第すぐに振込みをお願いいたします。
なお、申請書提出後は再度長期履修制度に戻ることはできません。履修計画の変更についてはよくご検討の上、決定
するようにしてください。
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西井正弘『地球環境条約』(有斐閣、2005 年)。
環境法概論
【成績評価の方法と基準】
配分:授業内での発表、議論への参加・貢献度 30 %、期末レポー
ト 70 %。
評価基準: 3 人の講師が、授業中に、それぞれ 2 つのテーマを提示
する。この合計 6 つのテーマの中からレポートを 1 つ作成し、担当
講師に提出する。選択したテーマにつき、判例や法律論文等を最低
5 つ以上参照して、レポートを書くこと。論点、構成、内容の理解
度から評価する。
岡松 暁子、永野 秀雄、柳 憲一郎
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
この授業では、これまで環境法を学んだことのない大学院生のた
めに、環境法の全体像と概略を示すことを目的としている。このた
め、環境問題を、民事法、行政法、国際法の 3 分野から概略的な説
明を行う。また、受講生が法律の素人であることを前提に、授業を
行う。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
環境法の知識のない学生にも、そのレベルに幅があるので、学生の
理解を確認しながら進めていきたい。
【到達目標】
環境法の知識のない学生が、その全体像を把握することが、到達
目標である。環境分野で仕事をする上で不可欠な知識を身につけて
欲しい。
【情報機器使用】
パソコンとパワーポイント、プロジェクター、ビデオ
【授業の進め方と方法】
まず、環境法がどのような法律分野から構成されており、環境問
題に対して、どのような機能を果たしているのかについて概観する。
また、基本的な文献リサー チ方法についても、説明する。次に、環
境私法について、私人間の環境紛争で、民法に規定された不法行為
という考え方がどのように機能するのかを学ぶ。そして、最後に、
実際に起こった公害事案をもとにしながら、その被害を引き起こし
た会社側と、住民側のチームに分かれてそれぞれの主張を展開して、
判例法の妥当性を検証する。
次に、環境行政法について、環境法政策の成り立ちを学んだあと、
個別法の環境基本法、環境型社会形成推進基本法の仕組みと公害に
端を発した公害規制法に焦点を当てる。これに続いて、公害健康被
害者を迅速に救済するシステム、環境アセスメント法と訴訟などを
学んでいく。
最後に、国際的な環境問題を検討するにあたり必要となる国際法
の基本理論を学ぶ。国際社会の基本単位である国家の役割、国際法
の特質を概観した後、国際社会における紛争解決の仕組み、国家責
任等について適宜判例を紹介しつつ検討し、国際環境問題への国際
法からのアプローチの仕方を習得する。
【授業計画】
春学期前半
回
テーマ
1
環境法の概観(1)
2
環境法の概観(2)
環境私法(1)
4
5
環境私法(2)
環境私法(3)
6
7
環境私法(4)
環境行政法(1)
8
9
環境行政法(2)
環境行政法(3)
10
11
12
環境行政法(4)
国際環境法(1)
国際環境法(2)
13
14
15
国際環境法(3)
国際環境法(4)
環境法基礎のまとめ
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
各講師より配布されたプリントを理解し、次回の授業までに復習
すること。また、わからない点等があれば、質問項目として準備し
てくること。
【テキスト(教科書)】
教科書は使用しない。プリントを適宜配布する。
【参考書】
畠山武道・ 北村喜宣・ 大塚直『環境法入門』
(日経文庫、2007 年)
。
。
黒川哲志・奥田進一編『環境法へのアプローチ』
(成文堂、2007 年)
柳憲一郎『コンパクト環境法政策』(清文社、2015 年)。
—1—
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環境マネジメント専攻
3
内容
環境問題と環境法
①環境法とは何か、②環境法の構
成
①環境私法とは何か、②不法行為
の基礎理論
損害賠償請求と差止請求
①環境訴訟における因果関係の立
証、②複合汚染と共同不法行為
公害事案に基づく議論
水俣病ビデオを利用して、公害の
現状に対する行政法的対応を探る
公害健康被害救済の法システム
①環境法政策の展開、②環境基本
法と個別規制法
環境アセスメント法と訴訟
国際法の基本原則と国際環境問題
国際環境問題における国家責任法
とその限界
国際紛争の平和的解決
判例研究
①全体のまとめ、②全体討論
【担当教員の専門分野等】
永野秀雄
<専門領域>日米比較法(特に、環境法、労働法、先端技術法)
<研究テーマ>「環境監査と法」、「軍事基地騒音問題」、
「インテリ
ジェンス法制」
<主要研究業績>(環境関連のもの)
(三和
①単著『電磁波訴訟の判例と理論―米国の現状と日本の展望』
書籍、2008 年)。
②「気候変動と企業統治」鈴木幸毅・所伸之編著『環境経営学の扉
―社会科学からのアプローチ』(文眞堂、2008 年) 171-184 頁。
③「米国における高レベル放射性廃棄物の処分と問題点」人間環境
論集 6 巻 2 号(2006 年)1-21 頁。
柳憲一郎
<専門領域>環境法政策、アセスメント法、国家賠償法
<研究テーマ>先進国・途上国の環境アセスメント、途上国の環境
法、EU 及び英国の環境法政策、環境社会配慮、参加原則の評価指標
<主要研究業績>
①『コンパクト環境法政策』(清文社、2015 年)。
。
②『環境アセスメント法に関する総合的研究』
(清文社、2011 年)
。
③『ロースクール環境法(改訂第二版)
』
(共著、成文堂、2010 年)
岡松暁子
<専門領域>国際法、国際環境法、国際原子力法
<研究テーマ>国際法の履行確保
<主要研究業績>
①「核管理体制の現状と将来」
『論究ジュリスト』2014 年秋号(2014
年)130 - 136 頁。
②「国際環境法における環境影響評価」
『環境管理』
『環境管理』Vol.
49(2013 年)44-48 頁。
③永野秀雄・岡松暁子編『環境と法−国際法と諸外国法制の論点−』
(三和書籍、2010 年)。
439
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【環境経営/CSR 経営】
・Schaltegger,S.,R.Burritt,and H.Peterson(2003),An Introduction to Corporate Environmental Management:Striving for
Sustainability,Greenleaf Publishing Limited.
・堀内行蔵・向井常雄(2006)
『実践 環境経営論-戦略論的アプロー
チ』東洋経済新報社。
・谷本寛二(2014)『日本企業のCSR経営』千倉書房。
【経営学/会計学】
・北中英明(2009)『プレステップ 経営学』弘文堂。
・中村竜哉(2009)『プレステップ 会計学』弘文堂。
【URL】
・経済産業省「環境報告書プラザ」
〈http://www.ecosearch.jp/ja/〉。
環境経営論
金藤 正直
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本講義では、日本企業の環境経営への取組みを経営学的視点および
会計学的視点に分類し、それぞれの内容を検討していくとともに、こ
れら 2 つの視点の関係を考慮に入れながら、特定企業の環境経営を
分析・評価していくことを目的とする。
【到達目標】
本講義では、特定企業による環境経営を、同業種や異業種の企業数
社と比較し、検討していくことから、企業間の取組みの差(違い)を
分析・評価することができ、また、その分析・評価結果を論理的に
報告し、説明することもできる。
【授業の進め方と方法】
前半(第 1 回から第 5 回)は、後半(第 6 回から第 8 回)で実施
する環境経営の分析・評価に必要な知識を習得していくために、環
境省等で公表された報告書やガイドライン等を利用して、環境経営、
環境会計、環境・CSR 報告に関する講義を行う。後半は、履修者に
関心のある企業を選択してもらい、選択した企業の環境報告書ある
いは CSR 報告書の内容を調査表を利用して、同業種あるいは異業
種の企業と比較検討しながら、その結果を報告してもらう。
【授業計画】
春学期後半
回
テーマ
1
環境経営の重要性
2
3
4
5
6
7
8
内容
本講義の進め方を説明するととも
に、環境経営の歴史、意義、全体
像について講義する。
環境経営の取組内容
環境経営の仕組みや現状について
講義する。
環境会計の仕組み
環境経営の取組みと関連させなが
ら、環境会計あるいは CSR 会計
の機能、構造、現状について講義
する。
環境報告の内容
環境経営の取組みと関連させなが
ら、環境報告あるいは CSR 報告
の機能、構造、現状について講義
する。
環境経営の分析・評価 環境経営を分析・評価していくた
の方法
めの調査表の内容と利用方法につ
いて説明する。
環境経営の分析・評
製造業による環境経営の分析・評
価−製造業編−
価結果に関する報告とともに、そ
れに対する討論を行う。
環境経営の分析・評
非製造業による環境経営の分析・
価−非製造業編−
評価結果に関する報告とともに、
それに対する討論を行う。
企業間の環境経営の比 製造業と非製造業の環境経営を分
較分析
析・評価した結果を比較分析する
とともに、その内容に関する討論
を行う。
【成績評価の方法と基準】
本講義の成績は次の 5 点に基づいて評価します。
・出席(30%)
・報告用配布レジュメの内容(10 %)
・報告内容(プレゼンテーション能力)(20 %)
・討論への参加(発言内容)(20 %)
・レポートの内容(報告内容に基づくレポート)(20 %)
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
毎年、意見や要望を考慮に入れ、講義内容を改善しています。
【情報機器使用】
パソコンとプロジェクターを使用します。
【その他の重要事項】
・前半の講義はパワーポイントを用いて進めていきますので、後半
の報告もパワーポイントを使用してください。
・質問等については電子メールで連絡ください。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
環境経営論、地域経営論
<研究テーマ>
持続可能な事業開発・実現のための経営・会計システムの研究
<主要研究業績>
「食料産業クラスターを対象としたバ
・金藤正直・岩田一哲(2013)
ランス・スコアカードの適用可能性」『企業会計』Vol.65 No.10。
「地域サプライチェーンとしての産業クラスター
・金藤正直(2014)
のマネジメント」二神恭一・高山貢・高橋賢 編著『地域再生のため
の経営と会計』中央経済社。
「食料産業クラスター事業の
・金藤正直・岩田一哲・高山貢(2014)
展開方法:青森県りんご産業を中心として」『地域デザイン学会誌』
第 4 号。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
講義内容の理解および環境経営の分析・評価の実施にあたっては、少
なくとも次の 3 点について行ってください。
・経営学および会計学の基礎知識を事前に学習し、身につけておく
こと
・毎回の講義内容を復習すること
・本講義に関連する新聞・雑誌記事やホームページ等の内容をチェッ
クすること
【テキスト(教科書)】
・前半の講義では、テキストは使用せず、レジュメ、資料、調査表を
配布します。
・後半の講義では、各自報告レジュメの作成および配布をお願いし
ます。
【参考書】
講義中にも著書・論文・雑誌・URL 等をいくつか紹介しますが、講
義外に自主学習を行う方のために次の著書をあげておきます。
440
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第5回
環境経営実践論
花田 正明
第6回
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
1.第1∼8回では、本年改正される予定の環境マネジメントシス
テム規格 ISO14001 が環境と経済の両立からさらに社会的側面にも
立脚したトリプルボトムラインと統合マネジメントの考え方に進化
することを理解する。これは、環境配慮型先進企業がすでに取り組
んでいる考え方であり、授業では企業事例を紹介し、持続可能な企
業経営の基本概念となる環境マネジメントの本質と、戦略的環境経
営企画・事業計画や環境経営評価等に実効性のある企業活動につな
がるコアーなマネジメントツール(ISO14000s)を理解することを
目的とする。
2.上記1.の授業を踏まえ、環境経営実践演習のグループワーキ
ングを通して考えるコンピタンシーマネジメントとリスクマネジメ
ントを理解することを目的とする。
第7回
第8回
第9回
【到達目標】
1.国際共通の環境マネジメントツールである ISO14000s 規格の
意図を理解し、PDCA サイクルに則った実践的な環境経営企画や事
業計画の立案・遂行の手続き、環境影響評価等を理解し説明するこ
とができる。
2.特定のニュース記事を題材として、人材・力量の育成と組織を
取り巻く環境リスクの観点から、新規事業に係る環境経営分析や環
境影響評価を行い、経営計画・事業計画案のたたき台を策定するこ
とができる。
第 10 回
第 11 回
【授業の進め方と方法】
1.第1∼8回において、環境マネジメントシステムを構成する基
本的経営ツール及び管理ツール、並びにその有機的なつながりを実
践的に学び、ゼロ成長時代における持続可能な環境経営の戦略的な
あり方を考える。そして、実社会において、ISO14000s の意図を汲
んで環境経営を分析し、環境影響評価によって本業の向上を図るこ
とが出来る基礎的コンピタンスを有した人材育成を図る授業とする。
また、環境監査・審査における環境経営システムの妥当性評価の基
本的考え方、統合的システムの観点で関連マネジメント規格・手法
についても授業内容に取り入れる。
2.第9回以降の環境経営実践演習は、環境マネジメントシステ
ムの基本概念である Eco-balanced Management(Eco-efficiency
Management) をベースとし、コンピタンシーマネジメント、リ
スクマネジメントはもとより、事業機会の先手・先取り経営及び管
理、予防型環境保全、コンプライアンス、CSR, 透明性・公平性、コ
ミュニケーションマネジメント、ライフサイクルアセスメント、内
部監査等の環境経営基本ツールが経営上重要な位置づけにあると考
えて行う。演習では、特に、コンピタンシーマネジメント、リスク
マネジメント手法に重点をおいて、特定のニュース記事を題材とし
たグループ作業による演習を行う。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
第1回 オリエンテーション
環境経営システムの背
景と ISO14000s 規格
第3回
第4回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
毎日、新聞を読み、企業活動が広義の環境(国内外の自然・政治・
経済・社会・文化・科学技術など)にどのような影響を与えるのか、
逆に企業活動がどのような影響を受けるのかを考える習慣を身につ
けておくこと。これは改正 ISO 14001 の大きなポイントとなる。
【テキスト(教科書)】
毎回の授業テーマに沿った資料を配布する。教科書は使用しない。
【参考書】
・堀内行蔵・向井常雄『実践環境経営論』東洋経済新報社、2006 年
・プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK ガイド)第
4版
【成績評価の方法と基準】
レポート60%(仮想企業と実在企業を題材とした環境経営への提
言2題)
、平常点40%(質疑回答内容、問題意識提起、関連情報提
供、グループ討議・協調)
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
環境マネジメントシステム規格をはじめとして、多岐にわたる関連
支援規格・マネジメント手法を体系的かつ俯瞰的にまとめることに
よって環境経営への理解を深める。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>環境経営、環境マネジメントシステム
<研究テーマ>社会保障制度と環境政策、建設業労働安全衛生マネ
ジメントシステム、環境金融
<主要研究業績>大規模小売業の戦略的経営実現のために―環境経
営への取組と社会的責任・貢献へのあり方―
—3—
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 441
環境マネジメント専攻
第2回
内容
企業にとって環境とは何か、環境
経営は持続可能な経営にどうつな
がるのかを理解するために、
ISO14000s(環境経営システム)
の歴史的背景と全容を理解する。
ISO14001 の序文・適用範囲を読
国際共通の環境経営
んで規格の意図を理解し、企業事
ツールの意図−1
例に基づいてトリプルボトムライ
ンを考える。
ISO14001 の PDCA に係る要求
同上ー2
事項を読んで規格の継続的改善の
意図を理解し、先人の環境経営を
考える
環境側面の特定と定量 企業経営における環境側面特定の
化
妥当性評価とはどのようなもの
か、企業事例に基づいて考える。
第 12 回
有益・有害な環境影響 環境経営システム上、本来の業務
評価
の向上を確実にするため、有益・
有害な環境影響評価とはどのよう
なものかを戦略的視点で考える。
環境監査・審査
企業経営上、環境監査・審査の目
的・意義、手続き、環境経営シス
テムの妥当性評価とはなにかを倫
理と実践の視点で考える。
持続可能な環境経営を 環境経営実践上重要な環境ラベ
支援・補完するマネジ ル・コミュニケーション、社会的
メント規格
責任に係る規格、環境科学・技術
及び環境関連法規制に係る基本的
知識を習得する。
持続可能な環境経営を サプライチェーンマネジメントを
支援・補完する重要な ベースとして、ライフサイクルア
マネジメント手法
セスメント、環境適合設計、環境
会計について環境経営実践上の重
要性を考える。
環境経営を支える人材 環境経営を支える力量ある人材の
育成・活用に係るコンピタンシー
の力量(コンピタン
ス)と企業としてのコ マネジメント、企業事例に基づく
コア・コンピタンスを考える。
ア・コンピタンス
環境経営リスクマネジ リスクマネジメントの基本と環境
メント概論Ⅰ
経営に ± のインセンティブを与
える有害または有益なリスクを考
える。
環境経営リスクマネジ 事例を交えて改正 ISO14001 と
メント概論Ⅱ
リスクマネジメント規格を理解す
る。
環境とプロジェクトリ 事例に基き、資源開発のためのプ
スク
ロジェクト金融の側面で事業機会
リスクを考える。
リスクマネジメントに 事業機会リスク評価の考え方を理
係る演習
解し、実在企業を題材として組織
を取り巻く状況、環境上の機会と
脅威を考える。
リスク評価に係る演習 実在企業をもとに新規事業に係る
環境経営分析、経営資源分配に係
る重要課題のリスク評価及び事業
企画案のたたき台を作る。
リスク評価に係る討議 第 14 回に基づいて、リスク評価
と企画案を立案する。
リスク評価に係る発
第 15 回で立案した企画の成果を
表・全体討議とまとめ 発表し全体討議する。
441
15/03/03 20:34
【担当教員の専門分野等】
CSR論、環境金融論、経営倫理、経営史
CSR論
長谷川 直哉
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本講義では、企業の社会的責任(CSR : Corporate Social Responsibility)
と社会的責任投資(SRI : Socially responsible investment)について学び
ます。具体的には CSR など企業活動の非財務的要素と企業価値の関係につい
ての認識を深め、サステイナブル社会における企業価値の評価手法として期
待される SRI の特徴と限界について理解を深めることを目指します。
【到達目標】
社会的責任投資(SRI)における企業評価のフレームワークについての知識を
習得し、国内外で運用させれている SRI ファンドの内容および投資成果を読
み解く能力を涵養します。
【授業の進め方と方法】
以下のテーマを中心に教員による講義、受講者による報告等を交えながら行
います。
(1)ISO26000 が求める社会的責任(SR)
(2)CSR と SRI の関係
(3)SRI の基本概念
(4)欧米諸国の企業観と SRI の発展プロセス
(5)日本における SRI ファンドの実態
(6)非財務的要素と企業価値
【授業計画】
春学期前半
回
テーマ
第1回
企業価値と企業評価
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
内容
・企業価値とは何か
・企業価値の分析方法
・企業価値とCSRの関係
企業経営とCSR
・ISO 26000 の内容
・CSRの国際的潮流
・CSRコミュニケーション
SRI(社会的責任投資) ・SRIの基本構造
とは何か
・SRIの発展プロセス
SRI(社会的責任投資) ・欧米におけるSRI研究
に関する先行研究
・国内におけるSRI研究
CSR格付と投資収益率 ・CSR格付の実際
に関する実証分析(その ・CSR格付と株価の関係
・実証データに基づく検証
1)
CSR格付と投資収益率 ・CSR格付の実際
に関する実証分析(その ・CSR格付と株価の関係
・実証データに基づく検証
2)
CSR格付と企業評価モ ・企業価値とCSRの関係
デル
・CSR企業評価モデル
・CSR経営の意義
株式市場の機能とCSR ・投資家の企業評価
・投資家からみたCSR
・投資家の社会的責任
コーポーレートガバナン ・企業統治の実態
スとCSR
・企業倫理とCSRの関係
SRI(社会的責任投資) ・SRIのガバナンス機能
と機関投資家
・機関投資家の社会的責任
・株式市場のグリーン化
SRIファンドの実態と ・SRIファンドの分析
評価スキーム
・SRIファンドの評価
ゲストスピーカーによる CSR コミュニケーションの現状Ⅰ
講義①
ゲストスピーカーによる CSR コミュニケーションの現状Ⅱ
講義②
ゲストスピーカーによる イギリス在住の CSR 実務家による欧
講義③
州の CSR 政策の動向Ⅰ
ゲストスピーカーによる イギリス在住の CSR 実務家による欧
講話④−
州の CSR 政策の動向Ⅱ
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
金融機関のホームページを参照しながら、国内で運用されているSRIファ
ンドについて自己学習をしてください。
詳細については、初回授業において説明します。
【テキスト(教科書)】
毎回レジュメを配布します。
【参考書】
①環境格付プロジェクト編『環境格付の考え方』税務経理協会,2002 年
②鈴木幸毅・所伸之編『環境経営学の扉』文眞堂,2008 年
③谷本寛治『社会的責任投資入門』日本経済新聞社,2003 年
【成績評価の方法と基準】
期末レポート: 80 %
発表・討議: 20 %
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
複雑な数式等は使わず、証券投資に関する知識の無い方にも理解しやすい説
明を心掛けます。
442
【情報機器使用】
プロジェクター、パソコン
【担当教員の専門分野等】
CSR論、環境金融論、経営倫理、経営史
ocial Responsibility)
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 442
tment)について学び
—4—
15/03/03 20:34
環境経営事例研究
平田 耕一
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
企業や公的機関は環境リスクを管理し、持続可能な企業経営や地域づくりを
進めなければならない。そのために幅広い知識と問題解決能力をもった人材
の育成が必要となる。それは組織の内部にあって環境対策を立案し実行する
人材、組織の外部にあっては環境配慮活動の助言や監査を行える人材であろ
う。本授業のテーマは環境に関連する概念の構築と要素技術の知識習得を通
した人材育成にある。
【授業の進め方と方法】
持続可能な社会の構築という社会的要請に適合する人材を養成するための基
礎講座である。授業は各分野の第一線で活躍する専門家を中心に講義形式で
進め、1 回ずつ独立している。なお当該の〔環境マネジメント研究科環境経営
事例研究シラバス〕の記述について授業回数番号の奇数回は前半時限め、偶
数回は後半時限めとなる。よって下欄の【授業計画】の記載順序は前半部分
が前時限め、後半部分が後時限めとなる。
第3回
第5回
第7回
第9回
第 11 回
第 13 回
第 15 回
第 17 回
第 19 回
第 21 回
第 23 回
第 25 回
第 27 回
第4回
第6回
第8回
第 10 回
環境&CSR報告書事例
演習
第 16 回
バランス・スコアカード
分析演習
温暖化問題をめぐる国際
標準化事例研究
第 20 回
環境問題と金融事例研究
第 22 回
温室効果ガス規制の事業
影響∼リスクと機会∼マ
ネジメント事例研究
動静脈産業の SCM 連携
による循環利用事例研究
第 24 回
第 26 回
第 28 回
第 30 回
内容
授業の進め方。代表的な環境用語につ
いて解説する。
オリエンテーション
第 1 回と同様授業。重複履修は必要と
しない。
環境経営概論
企業に環境経営を要求する背景を経済
成長の変遷とあわせて解説。
DfE 環境配慮設計と環境 製造業における環境配慮設計と成し得
コミュニケーション概論 るための社内ダイアログと良好なコミュニケーシ
ョンを解説。
EMS&CSR マネジメン 組織スキーム構築の EMS をより強い社会
ト概論
連携とする手法を解説。
環境会計&MFCA 概論
説明責任を強化する定量的評価手法と
組織内外への効能を解説。
環境&CSR 報告書概論
企業の環境業績を説明する手段として
の報告とその要素についてトレンドを解
説。
中小企業から始める地域 BSC 分析を活用した中小企業の取り
活性と環境活動概観
組みと地域連携を概観する。
温暖化問題をめぐる国際 ポスト京都の規制や標準化を概観し、企
標準化概論
業の対応策を解説する。
環境問題と金融概観(時 企業の環境取り組みを後押しする金融
事問題解説)
政策について世界的トレンドを解説する。
温室効果ガス規制の事業 GHG を巡る税制度や排出量取引など
影響∼リスクと機会∼マ の市場メカニズムとビジネスへのプラスマイナスの
ネジメント概論
効能を概観する。
資源の閉鎖循環を目論む 循環利用の弊害となる物質の管理手法
有害忌避物規制概観
についてトレンドを解説する。
中小企業の EMS にみる 急成長する EA21 の活用方法とその
環境パフォーマンス概論 取得支援にむけたコンサルタント・ビジネスに
ついて概観する。
食料自給と漁業資源維持 食料資源はもはやエネルギー資源とならぶ
の視点でとらえる国際動 安全保障の重要項目。その課題につい
向とわが国の課題
て解説する。
期末試験
筆記(選択式小論文) 試験
環境プランニングと環境 資格制度と授業の関連について、また
プランナー資格制度につ 各業界で活躍するプランナーの活動を
紹介する。
いて
環境プランニング事例研 各業界で実践されている様々な切り口
究
の環境プランニング事例を紹介する。
環境経営企業事例研究
環境対応をコストセンタとしてとらえず利益
創出のベネフィットセンタとして位置づける良
好スパイラルな企業の事例を紹介する。
利害関係者との環境コ
EMSツール・エコアクション21を用例として
ミュニケーションツール ステークホルダーへの伝達手法や課題を討議
EA21事例研究
する。
BCP&BCPマネジメ 3.11 震災以降、注目される企業の事業
ント事例研究
継続計画について実施事例をもとに概
観する。
中小企業の EMS にみる
環境パフォーマンス事例
研究
事例からみる食糧自給と
漁業資源維持の手法事例
研究
期末試験
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
下記【テキスト欄】に記載のテキストを通読の事。
【参考書】については持参
購入必須ではない。参考書の効能は、より広い範囲の学習のためには(その
1)環境プランナー・ベーシック公式テキスト改訂版 環境プランニング学会
[監修]が有用。派生的に環境社会検定試験 eco 検定受験対策を行う場合には
(その 2)環境社会検定試験 eco 検定公式テキスト最新版[編著:東京商工会
議所]が有効。生物多様性について深く学ぶためには(その 3)エコリーダー
になろう公式テキスト[編:東京商工会議所][著:環境プランニング学会]
が有用。
【テキスト(教科書)
】
テキストは環境プランナー・スクーリング公式テキスト改訂版 環境プラン
ニング学会[監修]を利用する。同テキストは研修機関にても購入可能であ
るが、履修者には各回毎授業レジメとともにコピーテキストとして無償にて
配布する。
【参考書】
参考書は購入必須ではない。各々の理由において適宜利用されたい。
(その 1)
環境プランナー・ベーシック公式テキスト改訂版 環境プランニング学会[監
修]
、
(その 2)環境社会検定試験 eco 検定公式テキスト最新版[編著:東京商
《生物多様性》エコリーダーになろう公式テキスト[編
工会議所]
、
(その 3)
:東京商工会議所]
[著:環境プランニング学会]
【成績評価の方法と基準】
出席40%・期末筆記試験60%
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
授業は一回毎に独立しているが、環境リテラシーの獲得と整理整頓をベース
としているため、それぞれの連携性が高く、結果として過年度履修者の出席
率が全学平均より高い。教員兼任講師がテーマ毎に招聘するゲスト講師と全
体の流れのなかで当該授業がどの位置づけであるのかを事前調整しているた
め、履修者からは「授業目標が明示されている。
」
、「授業構成が適切。
」の評価
が全学平均より高い。また「専門知識、専門スキルが身についた。」との評価
が全学平均の五割増の高評価である。
「事前学習の程度」については全学平均
と比較すると短時間で済ませている履修修了者が多い様子。
【情報機器使用】
必須ではないが、毎授業について特別講師の経歴紹介、授業概要・要点など「
授業の予告編」を事前告知している。告知方法は � 授業支援システム � エ
チュード「お知らせ」の機能にて配信。また任意提出の補講レポートなども
同システムを活用するため、履修者は同システムから電子メールを受け取れ
る状態にあることが望ましい。また授業の際に配布したレジメ(モノクロ印
刷ホッチキス留め)は授業終了毎にカラー PDF データで教材提供を行う。
【その他の重要事項】
環境経営コースの 1 年生の受講を勧める。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
企業の3R施策ならびに廃棄物処理と再生スキーム構築/環境配慮設計など
環境負荷低減への取組み支援/リーガル・マインドを基礎とした法令遵守[例
:廃棄物処理法・化審法・化管法(日本)化学物質規制法(欧州)解説]/政
府中央環境審議会(廃棄物リサイクル部会専門委員)ならびに政府社会資本整
備審議会(建設リサイクル専門委員)/環境プランナー認定研修機関主幹講
師/環境分野コラムニスト及び環境問題コメンテーター(各種メディア)/
民間研修機関にて環境関連セミナー出講多数。最近では流通系ホールディン
グカンパニー CSR コンプライアンス部場の社外執行役として廃棄物 3R 推進
やコンプライアンスの向上取り組みに関与している。
—5—
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 443
第 14 回
環境会計の視点から課題企業の計画に
ついてビジョニングの想定と戦略の策定
を実践する。
先進の企業報告書事例として取り上げ
記載情報の要素整理とアカンタビリティ評価
を実践する。
サステイナブル・グロウス戦略を構築する一手
法としてBSC作成を実践する。
ISO/IEC/CDP/PAS2060/GHG プロトコ
ルスコープ 3/CFP など各種国際標準化団
体の動向について現状の課題と将来へ
の展望を討議する。
企業の環境取り組みを後押しする金融
政策の一手法として国内外の事例紹介
と DBJ 環境格付を紹介する。
東京都排出量取引制度などの先進事
例、温暖化対策に関する補助金など具
体的事例の紹介と討議をする。
適正廃棄か? 的確再生か? 企業が選
択する実例をもとに新時代を迎えたサフ
゚ライ・チェーン・マネジメントを解説しその効能
を討議する。
企業の EA21 の活用事例と未来年表・
未来新聞の手法を用いた戦略立案を実
践する。
資源維持の IQ 制度/MSC 認証制度を
解説し、利害関係者の視点からその効
率を討議する。
筆記(選択式小論文)試験
環境マネジメント専攻
第 29 回
第2回
SWOT分析&CSF抽
出演習
第 18 回
【到達目標】
履修完了者は次の 3 ステップを段階的到達目標とする。1) 持続可能な社会の
実現にむけて企業や公的機関が取り組むべき、環境配慮や生物多様性の保全に
関わる用語や概念を正確に理解し、その効能(効果と機能)を説明すること
ができる。2) バックキャスティング、トレード・オフを基礎としたヴィジョ
ニング思想を習得し活用できる。3) 対象となる環境活動に対して、有効なプ
ランニングを提案できる。また単位取得修了者には一般社団法人環境プラン
ニング学会認定資格「環境プランナー」の資格取得申請が可能となっている。
なお、履修登録者が 12 名に満たない場合はグループディスカッションが成り
立たない事由により、一部の授業スタイルを変更する場合がある。その場合、
付加的に 4) 環境社会検定試験(eco 検定)のテキスト講義を行い、同検定の
受験対策も達成目標となる。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
第1回
オリエンテーション
第 12 回
443
15/03/03 20:34
環境マネジメント研究科:標準レイアウト| 2015/2/26 – 16:7
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
返却したリアクションペーパーについては、推敲しながらワープロ
入力することを薦めます。
環境社会論
定松 淳
【テキスト(教科書)】
特に指定しません。
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
環境社会学は住民運動研究・社会運動研究を中心として発達してき
ました。水俣病、原発問題、自然保護などに対する運動を事例とす
授業コード:
る講義を受けたうえで、それを踏まえてディスカッションを行いま
X9006
す。またそれを踏まえて、環境社会学の基本的な考え方を学びます。
管 理 ID:
1509232
【到達目標】
環境問題は社会全体の問題といわれるようになりましたが、問題と
しては社会の一部への “しわよせ” として現れます。したがって、そ
れを問題化しようとする人々は、社会のなかでマイノリティーの位
置に置かれます。この点をある程度実感をもって理解できるように
なること、またその解決の難しさを理解できるようになることが到
達目標です。
【成績評価の方法と基準】
毎回のリアクションペーパー(40 %)、ディスカッションへの参加
などの平常点(40 %)、期末レポート(20 %)
*リアクションペーパーについては三段階評価して、毎回返却します。
【授業の進め方と方法】
初日は 1 コマのみを使ってガイダンスを行います。以降は 1 日 2
コマを使って、前半では事例について 60∼70 分程度の講義を行い、
20∼30 分程度でリアクションペーパーを作成してもらいます。休
憩をはさんで後半では、リアクションペーパーをシェアし、それに
基づいてディスカッションを行います。また適宜、環境社会学の理
論についても補足の講義を行います。
【授業計画】
春学期後半
回
テーマ
第 1 回 ガイダンス
第2回
水俣病①
第3回
水俣病①
第4回
水俣病②
第5回
水俣病②
第6回
水俣病③
第7回
水俣病③
第8回
原発①
第9回
原発①
第 10 回 原発②
第 11 回 原発②
第 12 回 原発③
第 13 回 原発③
第 14 回 自然保護
第 15 回 自然保護
444
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 444
内容
授業の進め方について説明しま
す。また参加者の問題意識につい
て確認します。
水俣病の公式 “発見” からいった
ん社会的に忘却されるまでの過程
について学びます。
第 2 回の講義を踏まえ、議論しま
す。また、「被害構造論」につい
て学びます。
水俣病が忘却された社会的背景に
ついて学びます。
第 4 回の講義を踏まえ、議論しま
す。また、「受益圏受苦圏」論に
ついて学びます。
公害が社会問題化し、第 1 次熊本
水俣病訴訟が勝訴するまでの過程
を学びます。
第 6 回の講義を踏まえ、議論しま
す。また、「公共圏の豊富化」に
ついて学びます。
福島県における原発立地反対運動
について学びます。
第 8 回の講義を踏まえ、議論しま
す。また、「住民運動の論理(成
長過程)」について学びます。
青森県における核燃料サイクル施
設立地反対運動について学びま
す。
第 10 回の講義を踏まえ、議論し
ます。また、住民運動と市民運動
の違いについて学びます。
新潟県巻町における住民投票運動
について学びます。
第 12 回の講義を踏まえ、議論し
ます。また、社会運動の「フレー
ムミング」について学びます。
青森県・秋田県県境の白神山地の
保護運動について学びます。
第 14 回の講義を踏まえ、議論し
ます。また、「社会的リンク論」
「生活環境主義」について学びま
す。
【参考書】
原田正純『水俣病』(岩波新書)
松原治郎・似田貝香門『住民運動の論理』(学陽書房)
舩橋晴俊・長谷川公一・飯島伸子『核燃料サイクル施設の社会学』
(有
斐閣)
中澤秀雄『住民投票運動とローカルレジーム』(ハーベスト社)
鬼頭秀一『自然保護を問いなおす』(ちくま新書)
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
講義の冒頭に、その日の講義内容を①∼、②∼、③∼、と示すのが
大変評判が良かったので、今後も継続したく思っています。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>社会学
<研究テーマ>環境問題、特にダイオキシン問題
<主要研究業績>
「所沢ダイオキシン公害調停運動におけるフレーム調整過程」『環境
社会学研究』第 16 号(2010)
「ダイオキシン論争の分析」
『公共社会学1』東京大学出版会(2012)
「高レベル放射性廃棄物をめぐる「公共圏の豊富化」の試みについて
の分析」『環境社会学研究』第 20 号(2014)
—1—
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環境会計論
地域形成研究
八木 裕之
石神 隆
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
環境会計の基本的仕組み・機能と企業実践を学ぶ。
【到達目標】
企業や自治体のの環境戦略・環境保全活動を会計の視点から分析する能力を
習得する。
【授業の進め方と方法】
本講義では、環境会計の仕組みと企業や自治体における導入の実態を明らかに
する。環境会計は企業や自治体が環境保全活動と経済活動を効率的に融合さ
せていくためのマネジメントツールであり、その計画や実績をステークホー
ルダーに開示・伝達するためのコミュニケーションツールである。環境会計
は環境財務会計、環境報告会計、自治体環境会計等の多様な領域と会計単位
で展開されていることから、ケーススタディを用いながら理論と実践の両面
から解説する。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
1
環境会計の系譜
2
環境会計の発展
3
環境省『環境会計ガイド
ライン』
4
環境報告会計の応用
5
6
環境報告会計ケーススタ
ディ
環境報告分析
7
資産除去債務
8
土壌汚染の会計
9
排出量取引の会計
10
財務報告制度と環境問題
資産除去債務
11
環境管理会計の展開
12
マテリアルフローコスト
会計
13
自治体環境会計
14
水資源と会計
15
森林資源と会計
内容
講義の進め方と環境会計の歴史的発展
の経緯を解説する。
サステナビリティ社会における環境会
計の役割について考える。
環境報告書で開示されている環境報告
会計の仕組みを環境会計ガイドライン
にしたがって解説する。
環境報告会計と環境マネジメントの関
係と今後の展開の可能性について考え
る。
環境報告会計先進企業の事例を用いた
ケーススタディを行なう。
SRI の観点から環境報告の企業比較を
行なう。
資産除去債務の仕組みを解説し、企業
での適用方法について考える。
日・米の環境財務会計の視点から土壌
汚染を把握するための財務会計につい
て考える。
排出量取引制度を解説し、排出権のた
めの財務会計について考える。
サステナビリティ問題のための財務報
告をめぐる国際的動向を解説し、今後
の方向性を考える。
環境戦略・環境マネジメントのための
会計について体系的に解説する。
規格化と普及が進むマテリアルフロー
コスト会計の仕組みを解説し、企業へ
の適用について考える。
自治体のための環境会計の仕組みと機
能について考える。
水資源管理のための会計について考え
る。
森林資源管理のための会計について考
える。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
テキストの予習復習
サステナビリティ報告書・環境報告書等に基づく企業・自治体の分析
【テキスト(教科書)】
八木他『サステナビリティ社会のための会計生態会計入門』森山書店,2013 年
【成績評価の方法と基準】
出席(20 %)・試験(50 %)・レポート(30 %)
講義回数の 3 分の 2 以上の出席が必要である。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
【到達目標】
環境を中心とした総合的な都市・地域計画の基本的な考え方や分析
手法の理解、ならびに、実際の事例について具体的な見方や分析ノ
ウハウの習得をめざす。
【授業の進め方と方法】
都市・地域の発展を、環境を主軸にして、経済・社会の側面を含め
て捉え、プランニングのあり方について総合的に議論していく。授
業では、基本的な考え方について学ぶとともに、国内外におけるい
くつかの実際のプロジェクトや計画のケーススタディを行うことに
より、都市・地域計画の具体的なイメージやプランニング手法を獲
得する。例えば、プランニングの経済的側面では、プロジェクトの
経済構造、損益分析、ファイナンスなども、実際に即して理解する。
ケーススタディに関しては、いくつかの用意された事例とともに、参
加者の関心ある事例をも積極的に取り上げ議論していくこととする。
【授業計画】
秋学期前半
回
テーマ
第 1 回 地域環境計画の基礎
(その1)
第 2 回 地域環境計画の基礎
(その2)
第 3 回 地域環境計画の実際
(その1)
第 4 回 地域環境計画の実際
(その2)
第 5 回 地域環境計画の事例
(その1)
第 6 回 地域環境計画の事例
(その2)
第 7 回 地域環境計画の事例
(その3)
第 8 回 まとめ
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
参加者提供事例の紹介と議論のため、それぞれの関心ある事例につ
いて自主的に資料を収集し分析しておく。
【テキスト(教科書)】
特に用いない。必要な資料は各回に配布する。
【参考書】
各種の参考書を適宜紹介する。
【成績評価の方法と基準】
議論への参加状況 30%、事例提供 30%、レポート 40%
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
参加者提供事例の紹介の時間を多く確保する
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>地域計画、地域プロジェクト評価
<研究テーマ>サステイナブルな地域形成への計画論
<主要研究業績>
『水都ブリストル』(法政大学出版局、2014)
『北ヨーロッパ港町研究』
(共著)
(法政大学エコ地域デザイン研究所、
2014)
「イギリスの都心部水辺再生」『法政大学人間環境論集』
(2013)
『フィールドから考える地域環境』
(部分著)
(ミネルヴァ書房、2012)
「中国黄土高原砂漠化防止のための沙棘開発」『法政大学人間環境論
集』(2008)
—7—
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 445
内容
地域環境とマクロなプランニング
概念およびツール
地域環境とミクロなプランニング
概念およびツール
マクロなプランニング概念および
ツールの応用
ミクロなプランニング概念および
ツールの応用
国内事例の分析(広域プロジェク
トおよび個別プロジェクト)
海外事例の分析(広域プロジェク
トおよび個別プロジェクト)
各種事例(参加者提供事例)の紹
介と議論
事例研究を踏まえての総括的議論
環境マネジメント専攻
【参考書】
環境省『環境報告ガイドライン 2012 年版』2012 年
環境省『環境会計ガイドライン 2005 年版』2005 年
河野正男『環境財務会計の国際的動向と展開』森山書店,2009 年
河野正男『環境会計の構築と国際的展開』森山書店,2006 年
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
「サステイナブルな都市・地域へのプランニング」をテーマに、都市・
地域プランナーの立場を前提として、環境時代における都市・地域
計画の考え方、および個別プロジェクト計画への実際的かつ多面的
な見方を養成する。
445
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【参考書】
・
『政策法務辞典』
(兼子仁・北村喜宣・出石稔/共編、2008 年 9 月、
ぎょうせい)
・『自治体環境行政法<第 6 版>』(北村喜宣/著、2012 年 10 月、
第一法規)
・『事例に学ぶ自治体環境行政の最前線』(宇都宮深志・田中充/編
著、2008 年 3 月、ぎょうせい)
環境政策法務と条例
安部 慶三
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
2000 年の地方分権一括法に基づく第一次地方分権改革の前後から
自治体では政策法務の重要性が指摘され、自治体の環境政策におい
ても立法課題は多い。また、多様な条例が制定されており、一定の
効果も発揮しているが、訴訟になったケースもあり、適切な政策法
務が求められている。そこで、この講義では、地方分権改革の動向
を踏まえつつ、自治体の環境政策を条例に関する政策法務から検討
する。
【到達目標】
・環境行政の分野においては、地方が国をリードしてきた背景・経
緯について理解する。
・地方分権改革による条例制定範囲の拡大と課題について考察する。
・法律と条例の関係について、判例の立場、学説等の変遷(特に分権
改革以後の動向)を理解する。
・環境条例が訴訟になったケースでは、条例制定に問題がなかった
かを考察する。
・環境条例について、最近の制定動向を踏まえつつ、今後の課題につ
いて考察する。
【授業の進め方と方法】
授業は教員の講義、教員が作成した教材に基づく討議を行う。具体
的な進め方は、先進的な条例を取り上げての「事例研究」を中心と
し、
「概論」等においてもできるだけ具体的な事例を取り上げて、検
討する。
【成績評価の方法と基準】
・出席点(20 %)
・平常点(50 %)
・レポート課題(30 %)
・70 %以上の出席
・討議への参加及び貢献度
・課題の設定及び内容
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
該当なし
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>環境行政・原子力規制行政、環境法
<研究テーマ>地球温暖化政策(国・地方)
<主要研究業績>
(2006.10、
①「憲法改正論議における環境権」
『環境法研究 第 31 号』
有斐閣)
② 「地球温暖化問題をめぐる最近の動向と今後の課題」『立法と調
査 No.288)』(2009.1)
③「温暖化対策主要3施策をめぐる動向と課題」
『立法と調査 No.312)』
(2011.1)
【授業計画】
秋学期後半
回
テーマ
第 1 回 政策法務の概要(概
論)
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
内容
①政策法務とは何か(イントロダ
クション)、環境条例の歴史
②地方分権改革と政策法務の課題
(概論) 法律と条例の関係
①法律と条例の関係(概論)
②環境アセスメント法と環境アセ
スメント条例の関係(事例研究)
法律と条例の関係
③廃棄物処理法と水道水源保護条
例の関係(判例研究)
④廃棄物処理法と産業廃棄物条例
の関係(事例研究) 法律と条例の関係
⑤自動車 NOx・PM 法とディー
ゼル車規制条例の関係(事例
研究)
⑥景観法と景観条例の関係(事例
研究) 環境条例の動向
①環境基本条例の動向 (1)(事例
研究)
②環境基本条例の動向 (2)(事例
研究) 環境条例の動向
③計画アセスメント条例の動向
(事例研究)
④産業廃棄物税条例の動向(事例
研究) 環境条例の動向
⑤地球温暖化対策条例の動向 (1)
(事例研究)
⑥地球温暖化対策条例の動向 (2)
(事例研究) 環境条例の課題と展望 ①まとめ
(まとめ)
②全体討議 【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
配布された資料を理解し、次回の授業までに復習すること。また、わ
からない点等があれば、質問項目として準備してくること。 【テキスト(教科書)】
教科書は使用しない。講義時に資料を配付する。
446
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—8—
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【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
人と自然との関わりや、自然環境政策、保全生態学などに関するメ
ディア、文献、事例に触れることにより自主的な研究を進めます。
自然環境共生研究
高田 雅之
【テキスト(教科書)】
特定のものは使用しません。講義において適宜資料を配布します。
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
自然環境と人間との調和・共生を実現するためには、自然環境を取
り巻く問題の本質を探り、科学的・社会的な視点から、社会の各主
体によって相乗的で多面的に取り組まれることが望まれます。本講
義では、生態系とそれをめぐる諸課題を理解し、それらに対してこ
れまで取り組まれてきた様々な手立てと、今後の共生実現に向けた
政策の可能性について考究することをテーマとします。
【参考書】
講義において随時紹介します。
【到達目標】
学生が以下の 3 点について知識と理解を深め、その要点及び自らの
考えを説明できることを目標とします。
①保全対象となる自然環境の特性と、人間活動によって引き起こさ
れた問題の現状と課題
②人間による影響を減じ、機能と恩恵を維持するために取り組まれ
てきた政策とその意義
③国際的視点に立って自然環境との共生に向けて取り組まれている
諸政策
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
知識の詰め込みとならないよう、具体的な事例や挿話を交えながら、
できる限り丁寧に説明し理解を促していきます。
【授業の進め方と方法】
「主な生態系の特徴とそれを取り巻く諸問題」
、
「日本における自然環
境保全のための基盤的な諸施策」、「諸外国における多面的な取り組
み事例」、
「国際的な枠組みによる保全」、「生物多様性保全・自然再
生・里山保全などの近年の重要課題」について学びます。国内外の
実例を交えたプレゼンテーションにより、知識と問題意識を積み重
ね、共生の実現に向けた自らの意見を養うことをとおして到達目標
に向かいます。
【授業計画】
秋学期後半
回
テーマ
第 1 回 ガイダンスと序論
第2回
生物の進化の歴史
第3回
森林をめぐる諸課題
第4回
陸水域をめぐる諸課題
第5回
湿地と草原をめぐる諸
課題
第6回
貴重種の保護
第7回
外来種問題
第8回
日本の自然環境保全施
策
環境影響評価
第9回
第 11 回 生物多様性
第 12 回 海外の自然環境共生事
例 (1)
第 13 回 海外の自然環境共生事
例 (2)
第 14 回 国際的な取り組み
第 15 回 生物多様性と経済
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
自然環境政策、湿地生態学、景観生態学、自然環境地理学、保全生
態学
<研究テーマ>
湿地における自然資源の持続的活用、生物多様性と生態系サービスの
評価、湿原生態系の構造と人為的影響の評価、生物多様性オフセット
<主要研究業績>
「湿地の博物誌」(北大出版会,2014)編者
「サロベツ湿原と稚咲内砂丘林帯湖沼群」
(北大出版会,2014)共著
「北海道の湿原」(北海道新聞社,2007)編者
(古
「自然環境解析のためのリモートセンシング・GIS ハンドブック」
今書院,2007)共著
釧路湿原大島川周辺におけるエゾシカ生息痕跡の分布特性と系列変
化および植生への影響.日本生態学会誌 62,2012 年.
Geographical assessment of factors for Sasa expansion in the
Sarobetsu Mire, Japan. Journal of Landscape Ecology 5(1),
2012.
Change in distribution of the vascular plant Sasa palmata
in Sarobetsu Mire between 1977 and 2003. Landscape and
Ecological Engineering 9, 2013.
環境マネジメント専攻
第 10 回 里山の環境保全
内容
講義の進め方、自然環境保全と
は、人を動かす概念の進化
大絶滅と大進化、恐竜の誕生と絶
滅、哺乳類と人間の登場
森林の構造と機能、森林の管理、
物質循環、クマとブナの豊凶
河川・湖沼生態系の特性、水生生
物のすみ分け、富栄養化と水質問
題
成立過程と固有の生物相、脆弱
性、干潟の機能、半自然草原と高
山草原
レッドリストによるリスク評価、
希少動物・希少植物の取り組み事
例
様々な導入経路と影響、外来生物
対策、国内外の事例
自然公園と自然環境保全地域、鳥
獣保護制度、野生動物の保護管理
環境アセスメントの特徴と手続
き、制度構築経過、戦略的環境ア
セスメント
伝統的な人と自然の関係、資源の
循環、生物相の特徴、保全への課
題
生物多様性とは、生態系サービ
ス、劣化損失の危機と保全
フランスの地方自然公園とエコ
ミュゼ、ドイツのビオトープ
イギリスのトラスト活動、欧州農
業環境政策と環境支払い
ラムサール条約、世界遺産条約、
生物多様性条約、ワシントン条約
企業活動とリスク、生態系サービ
ス、認証制度、生物多様性オフ
セット
【成績評価の方法と基準】
平常点(50%):毎回提出する感想や自らの考えなどにおいて理解
度を評価します。
期末レポート(50%):最終回に示すレポート課題によって総合的
な理解度と考察力を評価します。
—9—
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447
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公衆衛生研究
地域環境文化研究
宮川 路子
梶 裕史
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
公衆衛生学は、疾病の治療を目的とする臨床医学とは異なり、疾病の予防を
目的とし、さらに健康増進を図る科学技術である。人々を病気から守り、肉
体的・精神的に健康な状態で社会生活を送れることを目的としている。これ
は人類が求める最も基本的かつ重要なサステイナビリティーである。現代社
会には、ありとあらゆる健康問題が山積している。私たちが 21 世紀を健康
に生き抜いていくためには、これらの健康問題について、適切な知識を持ち、
情報の取捨選択を行っていく必要がある。
本講義では、学生が健康意識を高め、よい生活習慣、予防のためのノウハウ
を学び、健康寿命の延長を目的として公衆衛生の立場から幅広い知識を身に
着けていく。
【到達目標】
本講義では,超高齢社会を生きる社会人にとって必要な健康知識と問題解決
能力の習得を目的としている。予防医学,疫学の基礎を学び,様々な領域の
専門家を招いて最先端の知識を得るとともにディスカッションを行ってさら
に学生が理解を深める。
疫学、統計学的、社会学的手法を用いた実態調査についても実例から方法論を
学び、実際の研究調査の質を判断することができるようになる。学生はメディ
アにおいて氾濫している誤った健康情報から適切な情報を得ることが可能とな
る。学生は、将来健康問題に直面した際に正しい道を選択できるようになる。
【授業の進め方と方法】
少子高齢社会において多様化する健康問題、医療費高騰、各種保健行動など
について議論するとともに、疫学、統計学的、社会学的手法を用いた実態調
査の例を論文より学び、対策を講じていく過程を学習する。また、疫学調査、
産業保健、などさまざまなテーマを取り上げて専門家を招き、最先端の知識
を得ると同時にディスカッションを行って、現代社会における健康、生命に
ついての問題点を浮き彫りにしていく。
【授業計画】
春学期前半
回
テーマ
第1回
ガイダンス
予防医学について
第2回
メンタルヘルスケア
第3回
ストレスと快適職場
第4回
第6回
外部講師講義(日本の医
療の問題点について)
外部講師講義(疫学につ
いて)
医療と倫理
第7回
疫学について
第8回
研究発表、まとめ
第5回
内容
講義を受講するための心構え。
現代社会において必要とされる予防医
学の基礎的知識を学ぶ。
産業保健の最重要課題であるメンタル
ヘルスケアについて学ぶ。
メンタルヘルスケアを目指すために重
要なストレスの理解と快適職場につい
て学ぶ。
個の医療から集団の医療へというテー
マで学ぶ。
疫学手法を用いた研究について実例紹
介により理解を深める
医療界に発生する様々な事件を参照
し、生命倫理の問題点について学ぶ。
疫学の基礎的知識を学び、事例検討を
行う。
受講者による健康に関わるテーマの研
究発表・ディスカッションを行う。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
与えられているテーマについて、事前に予習を行い、さらに授業後には復習
をしてレポートをまとめる。
最終回の研究発表に向けてテーマを選定し、各自調査をして発表資料、レポー
トを作成する。
【テキスト(教科書)】
資料は講義の際に配布する。
【成績評価の方法と基準】
出席、講義中の発言、参加態度。最終回の発表とレポートによる。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
教科書に基づく基本的な知識の習得範囲を広げるとともに、専門家の講義と
ディスカッションをさらに充実させていく。
【その他の重要事項】
外部講師の講義については、依頼する講師の都合により、変更することがある。
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【到達目標】
「文化的景観」が、従来の文化財の考え方とは一線を画する、
「環境」
の世紀にふさわしい新しい概念であることが理解できること。
【授業の進め方と方法】
講義では OHP(書画カメラ)や PPT を多用しますが「景観」は視
覚的なものに限らないので、写真や絵を見ることが授業の中心だと
思わないで下さい。また少人数を活かして、
「最終回」の受講生発表
以外にも、気軽に双方向の対話ができる授業としたいと思います。
【授業計画】
春学期前半
回
テーマ
内容
第 1 回 ユネスコの世界遺産事 世界遺産事業の概説、および文化
業と「文化的景観」
的景観という新登録基準が導入さ
れた経緯
第 2 回 文化的景観の定義と日 ユネスコの考え方とわが国文化財
本の対応
保護法における位置づけ
第 3 回 文化的景観保全の多面 自然環境、生物多様性保全につな
的効用
がる事例を通じて
第 4 回 文化的景観Ⅰ類保全の 農林水産業の持続可能な土地利用
具体例
の景観
第 5 回 文化的景観Ⅱ類保全の 宗教・信仰の聖地、古典文芸の名
具体例
所として守られてきた場所。「無
形」の価値
第 6 回 生きて変化する文化財 「五感」で体感される周期変化/
として
「伝統」の非固定性、新たな創造
第7回 階層的発想による活用 エコツーリズム、観光文化、五感
の可能性
尊重の環境教育等に活かす
第 8 回 受講者の研究発表
各自で「文化的景観」の具体例を
探し、考察の結果を小発表
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
前回の復習
【テキスト(教科書)】
必要に応じてプリントを配布します。
【参考書】
梶裕史「
『文化的景観』の特質と可能性」
(小島聡・西城戸誠編『フィー
ルドから考える地域環境』第5章、ミネルヴァ書房、2012)ほか授
業のなかで紹介します。
【成績評価の方法と基準】
出席 50 %、研究発表 50 %
【参考書】
国民衛生の動向
【担当教員の専門分野等】
公衆衛生学、産業保健
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
「文化的景観」の可能性の考察
地域の生活文化資産の価値を持続可能性の観点から掘りおこすもの
さしである「文化的景観」という概念をテーマとし、その特色と、環
境共生型の人間形成・地域形成に活かし得る可能性について、様々
な具体的事例の紹介を通じて考察します。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
前年度は少人数だったために、受講生の興味関心に応じて授業の材
料を選ぶ試みをしましたが、今後もそうした柔軟な対応が有効な場
合もあるだろうと思っています。
【情報機器使用】
OHP、PPT
【担当教員の専門分野等】
< 専門領域> 上代日本文学、民俗学、環境文化
< 研究テーマ> 地域固有の文化資産を活かした日本型エコツーリズ
ム、観光文化の可能性
< 主要研究業績>
・
「庭園宴遊と『自然』詠と―大伴家持『布勢水海遊覧』歌群の一考
察―」(『万葉古代学研究所年報』第5号、2007)
・
「
『文化的景観』の特質と可能性」
(小島聡・西城戸誠編『フィール
ドから考える地域環境』第5章、ミネルヴァ書房、2012)
— 10 —
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地域環境史研究
地域環境事例演習Ⅱ
根崎 光男
石神 隆、西城戸 誠、田中 勉
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
近世日本の人と環境とのかかわりを、歴史環境学の視点から環境の
教養を深めるとともに、歴史資料の読解・分析を通して歴史を創造
する。特に、自然環境史と都市環境史について、自然環境保護、動
物保護・駆除、都市化と都市問題、ゴミ問題、公害などをテーマに、
それらの環境問題と人々の暮らしとの相互作用の理解を深める。
【到達目標】
テーマごとの環境にかかわる歴史資料の読解・分析を通して、歴史
資料の読解力や分析力を身につけ、それらへの理解を深めるととも
に環境の歴史を組み立てる方法を学び、また先人の経験知を感得す
ることによって現代の環境問題解決に資する感覚を養う。
【授業の進め方と方法】
授業ごとに設定されたテーマの歴史の基礎を学んだあと、それにか
かわる歴史資料を読解・分析し、その事実関係を教員と受講者が共
有し、意見交換や質疑応答をしながらその理解を深めていく。ここ
では、単にテーマごとの歴史を学ぶだけでなく、その時代の社会背
景、文化と関連付けて考えていく。
【授業計画】
春学期前半
回
テーマ
第 1 回 ガイダンス
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
内容
受講者の問題関心の確認と地域環
境史研究の方法の説明
人と自然との関係史
人と自然との相互作用を歴史資料
を通して学ぶ
動物保護の環境史
人と動物とのかかわりを、保護と
いう視点から歴史資料を通して学
ぶ
動物駆除の環境史
人と動物とのかかわりを、駆除と
いう視点から歴史資料を通して学
ぶ
江戸の都市化とゴミ問 江戸の都市化とゴミ問題への対処
題
の仕方を、歴史資料を通して学ぶ
公害と地域社会
公害の発生による地域社会への影
響と補償のあり方を歴史資料を通
して学ぶ
歴史的環境の保全と課 歴史的環境の保全について、地域
題
事例を通して問題解決の糸口を探
る
環境史研究の発表と質 受講者各自の問題関心に沿った環
疑応答
境史研究の発表と質疑応答
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
設定されたテーマの予習を行い、配付文献を事前に読む。
また最終回の研究発表に向けて調査研究し、発表時にレジュメを作
成、そして研究レポートを提出する。
【テキスト(教科書)】
毎回プリントを配付します。
【成績評価の方法と基準】
平常点(50 %)
、研究発表(20 %)
、レポート課題(30 %)により
評価します。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
特になし。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>日本近世史、日本環境史、日本絵画史
<研究テーマ>近世日本における自然および都市の環境史研究
<主要研究業績>『日本近世環境史演習改訂版』(単著、同成社、
2011 年)
『江戸幕府放鷹制度の研究』(単著、吉川弘文館、2008 年)
【到達目標】
当該地域の地域社会、地域環境、フィールドスタディで設定されたテー
マへの理解を深めるとともに、フィールドで学ぶということ自体の感覚
を養う。
【授業の進め方と方法】
フィールドスタディ先の地域社会、フィールドスタディのテーマに関連
した事前学習(準備)を行った上で、現地学習に参加する(標準は 3 泊 4
日)。その後、各自で発表会を実施し、最終的にはレポートを執筆する。
【授業計画】
秋学期集中
春学期集中
回
テーマ
第 1 回 オリエンテーション
第 2 回 フィールドスタディー
の紹介
第 3 回 事前学習(1):地域社
会への理解を深める
第 4 回 事前学習(2):テーマ
への理解を深める
第5回
フィールドスタディー
(1 )
第 6 回 フィールドスタディー
(2 )
第 7 回 フィールドスタディー
(3 )
第 8 回 最終報告会
当該フィールドスタディーへの参加
当該フィールドスタディーへの参加
フィールドスタディの事後学習とし
て、報告会を実施する。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
フィールドスタディ先の地域社会、フィールドスタディのテーマに関し
て、各自で事前学習を行う。
【テキスト(教科書)】
随時指定する。
【参考書】
随時指定する。
【成績評価の方法と基準】
出席・レポートによって評価する。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
該当なし。
【その他の重要事項】
本講義は、人間環境学部で夏期休暇中に実施する「フィールドスタディー」
と連動して実施する。したがって、フィールドスタディの参加者が多数
の場合、学部学生を優先する場合もありえる。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域> 環境社会学 社会運動論 地域社会学
<研究テーマ> 社会運動のイベント分析、市民運動の事例研究(生活
クラブ生協、市民風車運動・事業など)
、水害の記憶と環境教育に関する
社会学的研究、再生可能エネルギーと内発的発展に関する社会学的研究
<主要研究業績>
『リスクと地域資源管理からみた再生可能エネルギー』(共編著、ミネル
ヴァ書房、印刷中)
『環境と社会』(共編著、人文書院、2012 年)
『フィールドから考える地域環境』
(共編著、ミネルヴァ書房、2012 年)
『用水のあるまち』(共編著、法政大学出版局、2010 年)
『抗いの条件−社会運動の文化的アプローチ』
(単著、人文書院、2008 年)
The rise of community wind power in Japan: enhanced acceptance
through social innovation" Energy Policy 35(2007 年・共著)
— 11 —
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 449
内容
講義参加者の問題関心の確認
担当教員が実施する、フィールドス
タディの紹介を行い、内容を深める。
フィールドスタディ先の地域社会に
関する理解を深める。
フィールドスタディのテーマに関連
した文献を講読し、テーマに対する
理解を深める。
当該フィールドスタディーへの参加
環境マネジメント専攻
【参考書】
必要に応じて随時紹介します。
いくつかの授業で参考になるものとして、根崎光男『生類憐みの世
、同『
「環境」都市の真実』
(講談
界』
(同成社、2006 年、2,500 円)
社+α新書、2008 年、838 円)がある。
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本講義は、担当教員が実施するフィールドスタディへの参加とそのため
の準備作業を通じて、当該地域の地域環境に対する理解と、地域へのか
かわりについて実践的に学ぶことを目的としている。
— 1449
—
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13~14
ファシリテーション演習
15~16
三田地 真実
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
① 本演習の背景:現在、環境、経営、国際、地域、さらには教育・医療・
福祉といった様々な領域で勃発している問題は極度に複雑化し、そこに
関わる多くのステークホルダー(利害関係者)間でいかに「意味ある話
し合いの場」を持ち、最適解を見出すための「合意形成」あるいは「機能
する連携」を図るということの必要性は広く認識されている。しかし、実
際には人がただ集まっただけではそれがなかなかうまくいかず、話し合
いが迷走する、あるいは対立構造を生み出してしまうとことが少なくな
い。このような話し合いでありがちな問題を解決し、人が集う「場」を
「本当に意味あるものにするためには」、そこで何が起きているのかを客
観的に見抜き、次にどうすれば良いのかを的確に判断して行動すること
のできる「ファシリテーター(促進者)」の育成が急務である。
②本授業の目的:そこで本演習では、人が何らかの目的で集う「場」
(ワー
クショップ、授業、会議、研修など様々な場面)を参加している人にとっ
て意味あるものにするために、「ファシリテーター」は具体的にどのよう
な考え方や技能を身に付けて実際に行動していけばよいのかの基礎につ
いて、「ファシリテーションの考え方とノウハウを学び、実際に「場づく
り」のポイント、代表的な技法について習得し、それぞれの領域に応用
できるようにすることを目的とする。
また本授業では、単なるファシリテーションのスキルを学修するのみ
ならず、ファシリテーターのプレゼンスを高めるためのトレーニングに
ついても演習を通して深めていく。
【到達目標】
本演習を受講した後に習得できる具体的な行動目標は以下の通り:
(1)「場づくり」のそもそもの意味を理解することができる (
「意味」
「意
義」を考える)
(2) コミュニケーションの基礎を体得できる(言語・非言語行動の両方
を含む。行動を理解するための基礎学問となる応用行動分析学(ABA、
Applied Bhavior Analysis の概論を含む)
(3) 場づくりの基本的な技法を実施することができる(準備、実施、フォ
ローアップの各段階における基本的な技法)
(4) 実際にワークショップを企画・実施できる(最後の演習発表)
【授業の進め方と方法】
授業の到達目標のところで既述したように、本授業では、様々な人が
集う場を実際に企画・マネジメントできる「ファシリテーター」として
の技と心得を体得することを狙いとしている。
そのために、講義と演習を毎回織り交ぜながら授業を進める。また、
最終ゴールとしては、それまでの演習を統合する形でのワークショップ
の企画・実施を受講生には行ってもらう予定である。
本授業で特に大事にしている点は、
「プロセスをしっかりと見ることの
できるファシリテーターの育成」である。毎回の授業のプロセスを自ら
の内面を含めて丁寧にふり返ることを通して、ファシリテーターとして
「ぶれない軸」とは何かを考えながら体得していくことを狙いとしている。
【授業計画】
春学期前半
回
テーマ
内容
1~2
授業オリエンテー
この授業の目的
ション
「意味ある場づくり」とは何か? 場づくりの意味を考え ファシリテーションの概要
る
ミニワークショップ体験
ふり返りの意味を考える
3~4
ワークショップ体験
ワークショップ・ファシリテーショ
ンはどのようなものかをまず演習で
体験する(プロセス観察を含む)
プログラムデザイン曼荼羅図紹介
5~6
場づくりの基礎
空間のデザイン
記録の大事さ
ライブレコーディング
7~8
プログラム・デザイン 時間のデザイン
の基礎
プログラム・デザイン曼荼羅図など
の企画ツールを応用する
9~10
コミュニケーションの 言語によらないコミュニケーション
基礎
(非言語行動)・応用行動分析学
(ABA) 概論
プログラムデザイン見直し
11~12
最終プレゼンテーショ 受講生がデザインしたワークショッ
ン(1)
プの実習
450
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最終プレゼンテーショ
ン(2)
授業全体のまとめとふ
り返り
受講生がデザインしたワークショッ
プの実習
ワークショップのふり返りと授業全
体のまとめ
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
第 1∼2 回:文献講読、プレゼンアイデア出し
第 3∼4 回:文献講読、プレゼン骨子決め
第 5∼10 回:文献講読、プレゼン準備(企画の大枠)
第 11∼最終回:文献講読、プレゼン準備(細部の作りこみ)
【テキスト(教科書)】
三田地真実『ファシリテーター行動指南書ー意味ある場づくりのためにー』
(2013、ナカニシヤ出版)
【参考書】
・Justice, T. “Facilitator’s Feiledbook”(2012, American Management
Association International)
・Hardman, D. "Judgment and Decision Making”(2009,BPS Blackwell)
・デヴィッド・ボーム(金井真弓訳)『ダイアローグー対立から共生へ、
議論から対話へ』(2007,英治出版)
・中野民夫『ファシリテーション革命』
(2003,岩波アクティブ新書)
・堀公俊『ファシリテーション入門』
(2004,日経文庫)
・若松征男『科学技術政策に市民の声をどう届けるか∼コンセンサス会
議、シナリオワークショップ、ディープダイアローグ』(2010,東京電
機大学出版局)
・亀田達也『合議の知を求めて∼グループの意思決定∼』(1997,共立
出版)
【成績評価の方法と基準】
<授業内参加度 約60%>
授業内で積極的に活動に参加し、自らの活動をどの程度ふり返り、次の
行動に具体的に活かせているかによる。
<最終プレゼン 約40%>
最終プレゼンの企画・実施、および他の受講生のプレゼンへのフィード
バックの質による
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
受講生よりは「実践的な学びができた」、
「ファシリテーションの基礎
知識に加え、実践の機会もあり学びが深まった」、
「いろいろな実践的な
ものを勉強しました。有意義だと思いました」
「仕事で役立つスキルが身
についた」、
「演習形式で大変でしたが、良い交流ができた」といった肯
定的な評価が得られているが、今後さらに場のデザイン、ファシリテー
ターとしての技術と心得を体得できるように、受講生のさらなる積極的
な参加を促すような授業内容に改善していきたい。
加えて、ファシリテーターのスキル的な面のみならず、精神的な側面
をどのようにトレーニングしていけるのかについても演習を通して体得
してもらえるようにしたいと考えている。
【その他の重要事項】
・2回分の授業(3時間)を8回実施するため、2回まとめた形で示し
てある。
・受講生が多数の場合には、
「初回」に抽選により受講の可否を決定する
場合がある(最大受講生 20 人程度)
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
ファシリテーション、応用行動分析学 (ABA)、コミュニケーション(言
語聴覚学)
<研究テーマ>
・教育・医療現場における連携づくりのための、ファシリテーション、及
び行動を理解し対処するための、応用行動分析学の活用
<主要研究業績>
・三田地真実(2014)
『ライフヒストリー曼荼羅ワークショップ』の理論
基盤構築に向けてー本ワークショップにおける「ライフヒストリー」の
意味とツールとしての『曼荼羅図』(研究ノート),
『共生科学研究』(星
槎大学紀要)第 9 巻,162-174.
『学生の特性を活かした” 互いの立場を真に理解し
・三田地真実(2010)
合う学びの場” の授業デザイン∼ファシリテーションを活用した” ファミ
リー中心アプローチ” の理解プロセス∼』共生科学研究(星槎大学紀要)
No.6、61-78.
『L-POV システムを「ワークショップ」の場として
・三田地真実(2010)
デザインする理由とその効用∼機能するシステム構築のために∼』(独)
大学評価・学位授与機構研究報告書.
・三田地真実共(2009)
『子育てに生かす ABA(応用行動分析学)ハン
ドブック』日本文化科学社.
・三田地真実(2007)『特別支援教育「連携づくり」ファシリテーション』
金子書房.
— 12 —
15/03/03 20:34
地域コンサルティング論
佐谷 和江
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
①本講義では地域コンサルティングの具体的なケースについて、発
意・背景、コンサルティングの過程、成果・課題を分析・評価して
提示する。
②また、コンサルティングに関する手法の演習を行う。
③さらに、地域自治やローカルガバナンスという新しい枠組みの中
で、実現のための体制やシステムのあり方、その中での地域コンサ
ルティングの位置づけなどについて、方向性を示す。
【到達目標】
①地域コンサルティングの理論や方法論を実践的に学び、それを踏
まえて、他事例について説明することができる。
②基礎的な地域コンサルティング能力を習得することができる。加
えて、コンサルティングという職種研究を通じてキャリアデザイン
の一助とすることができる。
③地域コンサルティングの位置づけやシステムのあり方について、
討論を重ねる。その結果、ローカルガバナンスについての自説を説
明することができる。
【授業の進め方と方法】
コンサルティングとは、専門性を活かして、企業や行政などに対し
て外部から客観的に現状を把握し、問題点を指摘し、対策案を提示
する業務を行うことである。 地域コンサルティングは、自治体や住
民に対して行うことが多い。ローカルガバナンスの主体である住民、
NPO、行政、企業とは異なり、意志決定に参画するものではない
が、それらに与える影響は小さくない。
本講義ではケーススタディや手法のスタディ・演習を行う中で、地
域コンサルティングに関する理論や方法論を実践的に学ぶ。
【授業計画】
春学期前半
回
テーマ
1
講義概論
2
3
4
5
7
8
【テキスト(教科書)】
教科書は使用しない。講義時に資料を配付する。
【参考書】
①都市のイメージ/ケヴィン・リンチ/ 1960、翻訳 1968、新版 2007
/岩波書店
②アメリカ大都市の死と生/ジェイン・ジェイコブス/ 1961、翻訳
2010 /鹿島出版会
③自由と経済開発/アマルティア・セン/ 2000 /日本経済新聞社
④まちづくりキーワード事典/三船康道+まちづくりコラボレーショ
ン/ 2009 /学芸出版
⑤人間都市クリチバー環境・交通・福祉・土地利用を統合したまち
づくり/服部圭郎/ 2004 /学芸出版社
【成績評価の方法と基準】
出席 30 %:地域コンサルティングに関する理論や方法論を積極的
に学んでいるか。
討論への参加 40 %:基礎的なコンサルティング能力の習得のため
の演習等に積極的に取り組んでいるか。
レポート・発表 30 %:地域コンサルティングの位置づけなどにつ
いて、具体的なケースを踏まえて方向性を検討し、発表してもらう
が、その際、適切なケースを把握し、十分に考察を行っているか。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
紹介する事例を更新するとともに、できるだけ各主体の関わり方を
わかりやすく説明する。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
都市計画、地域計画、コミュニティマネジメント
<研究テーマ>
自治体の都市政策、コミュニティのエンパワーメント、地区計画制度
<主要研究業績>
○ 60 プロジェクトによむ日本の都市づくり/ 2011 /朝倉書店
○まちづくりキーワード事典「市民まちづくり」/ 2009 /学芸出版
○逗子市まちづくり条例にみる四つの条例の意義/ 2005 /季刊ま
ちづくりNo.5/学芸出版
○市民参加と非営利市民組織∼NPOの発展は市民参加をどのよう
に促進しているのか∼/ 2003 /地域開発 Vol.471 /(財)日本地
域開発センター
○コミュニティをエンパワーメントするための制度設計の研究−新潟
県岩船地域ニューにいがた里創プラン事業をケースとして−/ 2001
/日本都市計画学会学術研究論文集/日本都市計画学会
— 13 —
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 451
環境マネジメント専攻
6
内容
授業の概要や地域コンサルティン
グにおいて重要なキーワードを紹
介する。手法としては「話し方」
を学ぶ。
全市レベルの計画作成 逗子市や練馬区をケースに全市レ
を支援するコンサル
ベルの計画作成を支援するコンサ
ティング
ルティングを学ぶ。手法としては
「ファシリテーション・グラ
フィックス」を学ぶ。
地域施設の計画作成を 川崎市鷺沼配水池をケースに地域
支援するコンサルティ 施設の計画作成を支援するコンサ
ング
ルティングを学ぶ。手法としては
「ミート・ザ・プレス」を学ぶ。
地域施設の運営組織形 新宿区落合三世代モデル事業を
成を支援するコンサル ケースに地域施設の運営組織形成
ティング
を支援するコンサルティングを学
ぶ。手法としては「ロールプレイ
ング」を学ぶ。
地縁型・テーマ型コ
横浜市まち普請事業や川崎市の区
ミュニティ組織のコン 民会議等をケースに地縁型・テー
サルティング
マ型コミュニティ組織のコンサル
ティングを学ぶ。
地域活性化(コミュニ 墨田区玉の井地区をケースに地域
ティビジネス)のコン 活性化のためのコミュニティビジ
サルティング
ネスについてコンサルティングを
学ぶ。手法としては「プロセス・
デザイン」を学ぶ。
社会貢献する人材育成 江戸川総合人生大学をケースに社
のコンサルティング
会貢献する人材育成のコンサル
ティングを学ぶ。手法としては
「ワークショップのプログラム作
成」を学ぶ。
多様なコンサルティン 多様なコンサルティング組織を紹
グの形態
介する。また、レポートを発表
し、ディスカッションする。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
各ケースのURLを下記に示すので、事前に概要を把握する。
・第2回:逗子市まちづくり基本計画策定支援/03 年度∼ 05 年度
http://www.city.zushi.kanagawa.jp/syokan/machi/
kihonkeikakuTop.html
:練馬区都市計画マスタープラン改定支援/12 ∼ 14 年度
http://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/machi/masterplan/
・第3回:川崎市鷺沼配水池の上部広場の基本構想・基本設計 03 年
度∼ 04 年度
http://www.city.kawasaki.jp/miyamae/page/0000026676.html
・第4回:新宿区落合三世代モデル事業/06 年度∼ 08 年度
http://www.3sedai.com/blog/
・第5回:横浜市まち普請事業 左近山地区/07 年度 川崎市区民
会議
http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/chiikimachi/
machibushin/
http://www.city.kawasaki.jp/250/page/0000017573.html
・第6回:墨田区玉の井地区/玉ノ井カフェ/08 ∼ 11 年度
http://ameblo.jp/tamanoicafe/
・第7回:江戸川総合人生大学/04 年度∼現在
http://www.sougou-jinsei-daigaku.net/
451
15/03/03 20:34
第 14 回 制度と経済成長 (1)
開発経済論
第 15 回 制度と経済成長 (2)
絵所 秀紀
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
経済学研究科の「開発経済論 A」
(X3025) および「開発経済論 B」
(X3026) を参照されたい。
【到達目標】
同上。
【授業の進め方と方法】
輪読する論文は、開発にかかわる学術誌に掲載されたものです。参
加者は、各自法政大学図書館から、輪読対象となっている論文を事
前にダウンロードしておいてください。
【授業計画】
春学期
回
テーマ
第1回 本講義の進めかたにつ
いて
第2回 経済成長と所得分配
(1)
第3回
経済成長と所得分配
(2)
第4回
経済成長と所得分配
(3)
第5回
経済成長と所得分配
(4)
第6回
経済成長と所得分配
(5)
第7回
経済成長と所得分配
(6)
第8回
経済成長と所得分配
(7)
第9回
経済成長と所得分配
(8)
第 10 回 政治と経済成長 (1)
第 11 回 政治と経済成長 (2)
第 12 回 政治と経済成長 (3)
第 13 回 援助と経済成長
452
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 452
内容
本講義の進めかたについて説明す
る
Simon Kuznets, "Economic
Growth and Income
Distribution," American
Economic Review, 1954.
David Dollar & Aart Kraay,
"Growth is good for the Poor,"
Journal of Economic Growth,
vol.7, 2002.
K. Deininger & Lyn Squire, "A
New Data Set measuring
Income Inequality," World
Bank Economic Review, 10-3,
1996.
N. Birdsall, D. Ross, & R.
Sabot, "Inequality and Growth
Reconsidered," World Bank
Economic Review, 9-3, 1995.
Martin Ravallion, "Growth,
Inequality and Poverty:
Looking beyond Average,"
World Development, 29-11,
2001.
B. Milanovic, "True Income
Distribution, 1988 and 1993,"
Economic Journal, Nov. 2002
F. Bourguignon & C.
Morrisson, "Inequality among
World Citizens," American
Economic Review, 92-4, 2002.
A. Banerjee & T. Piketty, "Top
Indian Incomes, 1922-2000,"
World Bank Economic Review,
19-1, 2005.
A.Przeworski & F. Limongi,
"Political Regimes and
Economic Growth," Journal of
Economic Perspectives, 7-2,
1993.
Robert Barro, "Democracy and
Growth," Journal of Economic
Growth, 1, 1996.
W. Easterley & R. Levine,
"Africa’s Growth Tragedy:
Politics and Ethnic Division,"
Quarterly Journal of
Economics, 112-4, 1997.
William Easterly, "Can Foreign
Aid buy Growth?" Journal of
Economic Perspectives, 17-3,
2003.
D. C. North, "Institutions,"
Journal of Economic
Perspectives, 5-1, 1991.
D. Acemogle, S. Johnson, & J.
Robinson, "Reversal of
Fortune," Quarterly Journal of
Economics, November 2002.
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
講義内で輪読する論文を理解するために、関連する主要考文献を読
んでおくこと。
【テキスト(教科書)】
なし。
【参考書】
トマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房)、ブランコ・ミラ
ノヴィッチ『不平等について』(みすず書房)、ダロン・アセモグル
&ジェイムズ・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか(上)(下)』
(早川書房)、ウイリアム・イースタリー『エコノミスト南の貧困と
闘う』
(東京経済新報社)
、ウイリアム・イースタリー『傲慢な援助』
(東洋経済新報社)、ダグラス・ノース『文明の経済学』
(春秋社)
【成績評価の方法と基準】
(1)講義内での報告(100%)。
(2)出席について。3回以上休んだ場合には、評価の対象とはなり
ません。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
とくになし。
【担当教員の専門分野等】
開発経済論
— 14 —
15/03/03 20:34
国際環境法
岡松 暁子
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
国際環境法は、国際環境問題の特質ゆえに、形成・発展、形態、内容、
履行確保において様々な特徴がある。本講義では、個別条約や判例を題
材として、国際環境諸条約に見られるそのような特徴を抽出し、検討し
ていく。
【到達目標】
国際環境問題に関する国際法の枠組みを理解する。
【授業の進め方と方法】
国際環境法の理論、判例についての講義を行う。各条約については、受
講者による発表と全体討論を行う。
【授業計画】
春学期前半
回
テーマ
1
国際環境法の対象と接
近方法、国際環境法の
形成と展開
2
3
4
国際環境法の性質、国
際環境法の制度化
国際環境法の手続的義
務、国際環境法上の義
務の履行確保
受講者による発表と討
論①
5
受講者による発表と討
論②
6
受講者による発表と討
論③
7
ゲストスピーカーによ
る講演
8
日本と国際環境問題
内容
国際環境法へのアプローチの仕方、
国際環境問題の特徴の変遷とそれに
対応した国際環境法の生成について
概観する。
国際環境法の性質とそれに対応した
定立形式、制度化について検討する。
国際環境法に特徴的に見られる手続
的義務と、国際環境法上の義務の履
行確保制度について考察する。
受講者の関心のある国際環境条約に
ついての報告と、それについての全
体での討論を行う。
受講者の関心のある国際環境条約に
ついての報告と、それについての全
体での討論を行う。
受講者の関心のある国際環境条約に
ついての報告と、それについての全
体での討論を行う。
国際環境法に関する今日的問題につ
いて、専門家による講演と、それに
ついての全体討論を行う。
日本に大きな影響のある国際環境問
題について検討する。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
事前に配布された資料は読んでくること。
【テキスト(教科書)】
西井正弘編『地球環境条約』有斐閣、2005 年。(但し、絶版のため、適
宜配布する。)
奥脇直也編『国際条約集』有斐閣。
【参考書】
小寺彰・森川幸一・西村弓編『国際法判例百選[新版]
』有斐閣、2011 年。
その他、適宜指示する。
【成績評価の方法と基準】
発表、討論への参加、レポートにより、総合的に評価する。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
履修登録期間中に、掲示板に昨年度のアンケート結果を掲示する。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>国際法
<研究テーマ>国際法の履行確保、国際環境法、国際原子力法
<主要研究業績>
①永野秀雄・岡松暁子編著『環境と法−国際法と諸外国法制の論点−』
(三和書籍、2010 年)
②「地球温暖化をめぐる法的紛争の現状と課題」
『国際政治経済学研究』第 17 号、2006 年、19-33 頁。
③「貿易規制による森林管理―国際法上の可能性と限界―」
『人間環境論集』第 6 巻第 1 号、2005 年、53-62 頁。
— 15 —
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 453
環境マネジメント専攻
【その他の重要事項】
受講者の人数により、授業の方法を変更することがある。
453
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【テキスト(教科書)】
特に指定しません。
国際協力論Ⅰ
武貞 稔彦
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本講義のテーマは貧困削減のための国際協力、開発援助のありよう
である。戦後国際社会の大きな課題の一つ-貧困-に立ち向かうため
に行われている営みである開発援助や国際協力は、どのような動機
や意図をもって行われ、どのような効果をこれまでもたらしてきた
かを検討し、将来の国際協力のあり方、さらには国際社会のあり方
についても議論する。
【到達目標】
授業の到達目標は、(1) 現代の国際社会の中で行なわれる様々な国際
協力や援助、特に、貧困、開発、環境をめぐる国際協力や援助の歴
史と制度について基礎的な知識を獲得すること、(2) 国際協力や援助
をめぐる現代の主要なトピックに関する基礎的な知識を獲得するこ
と、および、(3) 誰が何のためにどのような国際協力や援助を行なっ
ているのか、について批判的に見る目を養うことである。
【授業の進め方と方法】
各回の講義は、①教員による講義、②基本的な文献に関する学生の
報告、③ディスカッションで構成する。事前に予習が必要な文献に
は英語文献も含まれるため、予習に十分な時間を割くことが必要と
なる。ただし、講義の方法や内容については、受講者の数や関心な
どに応じて変更する可能性がある。
【授業計画】
秋学期前半
回
テーマ
第 1 回 オリエンテーション 国際協力はなぜ行なわ
れるのか
第2回
国際協力をめぐる歴史
と制度(1)経済成長
と国際協力
第3回
国際協力をめぐる歴史
と制度(2)経済成長
路線から人間開発路線
へ
国際協力をめぐる歴史
と制度(3)環境と持
続可能な開発
日本による国際協力
第4回
第5回
第 6 回 「開発」とは何か:開発
と文化、社会科学
第7回
アフリカ
第8回
開発と持続可能社会の
構想
内容
国際協力という取り組みが必要と
される理由や背景ー途上国の貧困
と先進国との格差ーについて概観
する。
第二次世界大戦後の国際社会秩序
形成と、その後 1970 年代までの
国際協力の取り組みを、国際社会
の政治/歴史の文脈に位置づけて
概観する。
1980 年代、90 年代の国際協力の
変遷をたどり、基本的な考え方/
取り組みの重点の変化を概観す
る。
2000 年代以降の国際協力の変遷
を国際社会における課題設定や変
動の中に位置づける。
日本による国際協力の歴史と制度
について概観する。そのうえで、
その成果および評価を検討する。
現在すすめられている開発の到達
目標(行き着く先)について文化
や社会科学の方法論の観点も含め
批判的に検討する。
国際協力における近年の「大きな
課題(問題)」であるアフリカに
ついて、何が「問題」となってい
るのか、その由来や対応を含めて
概観する。
人々が開発に「参加する」とはど
ういうことかあらためて考え持続
可能な社会の構想との関係を考え
る。
【参考書】
斎藤文彦『国際開発論』
(日本評論社)
、勝間靖他『テキスト国際開発
論:貧困をなくすミレニアム開発目標へのアプローチ』
(ミネルヴァ
書房)
、牧田東一他『国際協力のレッスン:地球市民の国際協力論入
門』
(学陽書房)
、外務省『日本の経済協力』
(ODA 白書)を基本書
とします。
他は適宜紹介します。
【成績評価の方法と基準】
成績評価は、期末レポート、各回の担当報告の内容、授業やディス
カッションへの貢献を総合的に判断して行う。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
授業における学生からの報告とそれを受けてのディスカッションが、
より一層活発なものとなるよう学生への働きかけをすすめることと
します。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域> 開発の自然環境・社会環境への影響、開発援助、開発
と倫理
<研究テーマ> 「望ましい(望ましくない)
「開発」とは何か」
「ダ
ム建設に伴う立ち退きと補償、生活再建」
<主要研究業績>
"Japanese Experience of Involuntary Resettlement: LongTerm Consequences of Resettlement for the Construction of
the Ikawa Dam," International Journal of Water Resources
Development, Routledge, Vol. 25, Issue 3, September 2009, pp.
419- 430, 『開発介入と補償:ダム立ち退きをめぐる開発と正義論』勁草書房
2012 年,
"Participation and diluted stakes in river management in
Japan: the challenge of alternative constructions of resource
governance" in Sato, J. ed., Governance of Natural Resources:
Uncovering the social purpose of materials in nature. United
Nations University Press, pp.141-161, July 2013
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
各回ごと(最終回を除く)に必要なリーディングを指定しますの
で、受講者は授業支援システムから当該文献をダウンロードし、事
前に熟読して講義に臨むことが必要です。また報告担当者はレジュ
メを作成のうえ、配布し報告を行うこととします。
報告担当者は決めませんが、第 1 回目の講義にもリーディングは指
定されますので、受講希望者は授業支援システムに自己登録のうえ、
文献を入手、熟読したうえで 1 回目の講義に臨んで下さい。
454
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 454
— 16 —
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地球環境科学
環境工学の基礎
藤倉 良
藤倉 良
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
気候変動をはじめとする地球規模の資源環境問題の発生メカニズムと
対処方法。
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
大気汚染や水質汚濁など公害や廃棄物処理に関する基礎理論と対
策技術。
【到達目標】
地球環境及び資源問題に関する基礎的な科学知識を習得することを目
的とする。
【到達目標】
環境工学に関する基礎的知識を習得することを目的とする。
【授業の進め方と方法】
環境問題とは人間活動が自然生態系に及ぼす物理的、化学的、生物的
な作用とその反作用である。「何がおきているのか」を理解し、「どうす
ればよいのか」を考えるためには、科学知識が欠かせない。本講義では
気候変動を中心にしつつ、オゾン層保護、酸性雨など地球規模や国境を
超える環境問題や、エネルギーや淡水などの資源問題について、発生メ
カニズムと対処に関する科学の基礎を修得することを目指す。
【授業計画】
春学期後半
回
テーマ
第 1 回 序論
第 2 回 人口
内容
地球環境問題をとりまく諸状況
人口が増加する要因、都市の人口問
題
第 3 回 オゾン層①
オゾン層が破壊されるメカニズム、
オゾン層破壊物質
ウイーン条約、モントリオール議定
第 4 回 オゾン層②
書、国内対策
第 5 回 気候変動①
地球温暖化のメカニズム、将来予測
第 6 回 気候変動②
IPCCと国際社会、緩和策
適応策、国際協力
第 7 回 気候変動③
第 8 回 越境する大気汚染
酸性雨、光化学オキシダント
第 9 回 生物多様性
資源資源、生態系サービス
第 10 回 資源とは何か
「資源」の持つ意味、
「資源の呪い」
、
資源に関する楽観論と悲観論
世界の水資源、国際流域の課題
第 11 回 水資源
第 12 回 土壌資源、窒素とリン 土壌の成り立ち、機能、窒素とリン
の循環、リン資源
ベースメタル、レアメタル、リサイ
第 13 回 金属資源
クル
第 14 回 エネルギー資源
化石燃料、核燃料、新エネルギー
授業の総括
第 15 回 まとめ
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
講義時に指示するテキストの該当部分を読んで、授業に参加していた
だきたい。
【テキスト(教科書)】
藤倉良・藤倉まなみ 『文科系のための環境科学入門』 有斐閣
【授業の進め方と方法】
環境問題とは人間活動が自然生態系に及ぼす物理的、化学的、生
物的な作用とその反作用である。「何がおきているのか」を理解し、
「どうすればよいのか」を考えるためには科学知識が欠かせない。本
講義では大気汚染、水質汚濁、廃棄物、土壌汚染、騒音・悪臭、有
害物質など、ローカルな環境問題の発生メカニズムと対処に関する
工学的基礎を修得することを目指す。毎回、講義のレジュメを配布
し、授業支援システムにもアップする。
【授業計画】
春学期前半
回
テーマ
第 1 回 序論
第2回
大気汚染1
第3回
大気汚染2
第4回
上水道
第5回
下水道と浄化槽
第6回
第7回
水質汚濁
工場排水と土壌汚染
第8回
悪臭
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
騒音
廃棄物1
廃棄物2
リサイクル
有害物質とリスク
第 14 回 基準の決め方
第 15 回 まとめ
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
あらかじめ、テキストの関係部分を読んでおくこと。
【参考書】
講義中に指示する。
【テキスト(教科書)】
藤倉良・藤倉まなみ 『文科系のための環境科学入門』 有斐閣
【成績評価の方法と基準】
最終回に行う定期試験で評価する。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
中学校卒業程度の理科の知識があれば理解できるように心がけるが、
高校卒業程度の知識が必要な場合もある。
【参考書】
講義中に指示する。
【成績評価の方法と基準】
最終回に行う定期試験で評価する。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
中学校卒業程度の理科の知識があれば理解できるように心がける
が、高校卒業程度の知識が必要な場合もある。
【担当教員の専門分野等】
環境システム科学、国際環境協力
【担当教員の関連する業績 1】
Ryo Fujikura and Tomoyo Toyota (Editor) (2012) Climate Change
Mitigation and International Development Cooperation, (p.264)
Earthscan, London
【担当教員の関連する業績2】
Ryo Fujikura and Masato Kawanishi (Editor) (2010) Climate
Change Adaptation and International Development ‒ Making
Development Cooperation More Effective, Earthscan, London
【担当教員の専門分野等】
環境システム科学、国際環境協力
【担当教員の関連する業績】
Ryo Fujikura (Guest Editor) (2011) Environmental Policy in
Japan: From Pollution Control to Sustainable Environmental
Management, Special Issue, Environmental Policy and Governance, Vol. 21, No.5
— 17 —
環境マネジメント専攻
【情報機器使用】
プロジェクター
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 455
内容
環境問題とはどのようなものか、
環境科学の役割
大気汚染の歴史、ばいじん、硫黄
酸化物
窒素酸化物、自動車排ガス、アス
ベスト
浄水場のしくみ、水質の維持と費
用
下水道の構造、下水処理場のしく
み、浄化槽
水質の指標、有機汚濁、富栄養化
工場排水の処理、土壌汚染の特徴
と対策、地下水汚染
感覚公害、悪臭の測定法、悪臭対
策技術
音とは、騒音の評価法、騒音対策
廃棄物の定義、一般廃棄物
産業廃棄物
リサイクルの種類、関連法規
有害の意味、リスクとはなにか、
リスク認知
環境基準と排出基準
講義の総括
455
15/03/03 20:34
国際環境評価事例研究
国際NGO・NPO論
藤倉 良
中村 玲子
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
日本の公害経験とこれまでのODAの事例をベースに、国際環境
協力の効果を高めるための要因について考察する。
【到達目標】
国際環境協力をすすめる上での課題と留意点を理解する。
【授業の進め方と方法】
講義形式で進める。
【授業計画】
秋学期後半
回
テーマ
第 1 回 序論
第 2 回 環境配慮
内容
環境援助と環境配慮の違い
環境配慮ガイドライン、環境配慮
の責任の所在
第 3 回 環境配慮の事例研究1 ダム建設に伴う住民移転(総論)
第 4 回 環境配慮の事例研究2 ダム建設に伴う住民移転(各論)
戦前から1960年代まで
第 5 回 日本の公害経験1
1970年代以降
第 6 回 日本の公害経験2
地方公共団体における特徴的な公
第 7 回 日本の公害経験3
害対策
第 8 回 中国の資源と環境1
開発途上国の環境問題の事例とし
て
開発途上国の環境問題の事例とし
第 9 回 中国の資源と環境2
て
第 10 回 有償資金協力による環 上下水、公害対策、植林など
境援助
第 11 回 技術協力による環境援 公害モニタリング、廃棄物処理
助
第 12 回 気候変動対策の国際協 緩和と適応の意義。国際協力の必
力1
要性
第 13 回 気候変動対策の国際協 気候変動対策のために行われたプ
力2
ロジェクトの事例研究
第 14 回 民間の事例
NGOや企業が行う国際環境協力
今後、日本が果たしうる環境国際
第 15 回 まとめ
協力
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
NGO(非政府組織)
、NPO(非営利組織)は、GO(政府・行政)の
対極にあって、安定性、公平性、持続性などに基盤をおく GO の手の届
きにくいニッチ(社会のすきま)を、先取り的に発見・発信し、必要と
される対策をフットワークよく実現し、社会を変革していく役割を担う
重要な社会セクターである。
地球環境をはじめ政治、経済、気候変動、激甚災害など予測困難な不
安定要因が増加している現代において、よりよい社会を構築するという
「大目標」を GO セクターと共有しつつ、国境、言語、文化、宗教など
の「区別」にとらわれにくく、より横断的に活動できる NGO・NPO セ
クターの責任と役割はますます大きい。
講師自らが国際環境 NGO を創設・運営し、アジアの湿地を舞台に国際
フォーラムの形成や環境教育を実践してきた経験をもとに、国際 NGO・
NPO の役割と意義、そのマネジメントと参加の促進、今後の展望と可能
性を考察する。
【到達目標】
受講者が国際 NGO・NPO の実態と活動に理解を深め、近代∼現代社
会の形成に果たしてきた意義と、これから期待される役割に注目し、自
らが積極的にコミットしていく意識をもつ。
【授業の進め方と方法】
講義が中心だが、NGO・NPO の現場に即した事例研究や、映像資料の
活用をはかる。受講生間のディスカッション、小レポートの提出もある。
【授業計画】
秋学期後半
回
テーマ
第 1 回 オリエンテーション
NGO ・NPO とは
第2回
第3回
国際社会と NGO・
NPO
活動事例研究1
第4回
活動事例研究2
第5回
活動事例研究3
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
指示された資料を事前に読んでおくこと。
第6回
NGO の活動資金
【テキスト(教科書)】
井村秀文・松岡俊二・下村恭民編著 『環境と開発』 日本評論社
第7回
NGO を起業する
第8回
演習
【参考書】
講義中に指示する。
【成績評価の方法と基準】
講義終了後に提出されたレポートで評価する。
内容
授業のねらい、内容、進め方。歴
史、定義、意義、活動分野、ボラン
ティア。
役割分担、協力、協働、競合。国際
条約と NGO のかかわり。
国際 NGO(IUCN、WWF、WI な
ど)事例を基礎に講義と討論。
途上国の NGO(中国、インド、バ
ングラデシュなど)の事例を基礎に
講義と討論。
ラムサールセンターの組織、経営、
活動を事例を基礎に講義と討論。
地球環境基金、経団連自然保護基金
など。NGO と ODA。
NGO と企業の共通点と差異。限界
と可能性。
NGO のつくり方、経営など。レ
ポート課題の説明。
NGO の企画案の発表、討議、まと
め。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
授業の内容に応じて、次回までに小レポートを課す場合がある。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
なるべく多くの事例を紹介することとする。
【テキスト(教科書)
】
特になし
【情報機器使用】
プロジェクター
【担当教員の専門分野等】
環境システム科学、国際環境協力
【担当教員の関連する業績】
Ryo Fujikura and Mikiyasu Nakayama (Editor)(2015) Resettlement Policy in Large Development Projects, Routledge, in
press
【参考書】
「非営利組織の経営」 P.E. ドラッカー著 ダイヤモンド社
「中国の市民社会」李妍焱著 岩波新書
その他、授業内で適宜紹介する。
【成績評価の方法と基準】
、平常点: 40 % (授業内の
出席点: 30 %(授業への積極的な貢献)
ディスカッションへの参加、投入)
、レポート: 30 %(NGO 企画の内容)
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
事例を共有したうえでの、ディスカッションを重視したい
【担当教員の専門分野等】
<専門領域> ラムサール条約および湿地の保全と賢明な利用、住民参加
<研究テーマ> 日本とアジアにおける湿地 CEPA(Communication,
Education, Participation, Awareness)
<主要研究業績> 共著「Asian Wetland Symposium ‒ A Journey from Otsu to Wuxi」
ラムサールセンター 2012
456
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— 18 —
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社会開発事例研究
社会起業家論
吉田 秀美
吉田 秀美
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
近年、国際開発のキーワードとなっているミレニアム開発目標 (MDGs)、お
よび 2015 年度以降の国際目標である持続的開発目標(SDGs)について、各
課題と課題解決に向けたアプローチの事例を学ぶ。
【到達目標】
(1)社会開発が目的とする「貧困削減」に関して、貧困の多様な側面、貧困を
生み出す要因について理解する。
(2)貧困削減に向けた社会開発の取り組みを教育、保健、生計向上などの各セ
クターの事例を用いて理解する。
(3)社会開発に取り組む上で理解すべき重要な論点、すなわち多様なアクター
が存在し様々な関与の仕方があること、同じ課題であっても地域の特性(歴
史・社会・文化・経済)によってアプローチの仕方がことなること、単なる貧
困層へのサービスの提供だけでなく人々や機関の能力の育成が重要であるこ
となどを理解する。
(4) 国際機関等の英文資料に慣れる。
【授業の進め方と方法】
各回、テーマを設定し、授業の前半で各セクターの開発理論・課題を体系的に
把握するため講義形式で行う。後半は、国際機関等の資料や、関連するテー
マについて学生のプレゼンテーションとディスカッションを中心に進める。
【授業計画】
春学期前半
回
テーマ
第1回
社会開発の定義
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
社会開発で扱う分野と課
題、アクターについて
貧困の多様な側面
貧困に関連する諸指標と
ミレニアム開発目標
生計向上
マイクロファイナンスに
ついて
教育・ジェンダー
女子教育の現状と課題
保健分野の指標改善のた
めのアプローチ①プライ
マリーヘルスケア
地域に密着した包括的ア
プローチと国際機関の選
択的アプローチについて
保健分野の指標改善のた
めのアプローチ②感染症
問題の性質に応じた対処
策と各アクターの役割に
ついて
ゲストスピーカーによる
プロジェクト紹介
ゲストスピーカーの専門
分野について
まとめ
内容
国際協力の実践と研究の概要を把握し
たうえで、社会開発の位置づけを学ぶ
国際協力に携わる各アクターの特質に
ついて討議する
国際機関や研究者による貧困の定義を
学ぶ
定義に基づく指標について討議する
途上国の人々の暮らしについて把握す
る枠組みを学ぶ
生計向上の有用なアプローチについて
討議する
教育支援について考える枠組みを学ぶ
普遍的教育を達成するための課題と取
り組みについて討議する
保健分野の課題について理解する
保健分野指標改善のアプローチについ
て討議する
感染症について学ぶ
感染症抑制に向けた取り組みについて
討議する
参加者の関心に合わせてゲストスピー
カーを依頼する。
具体的事例をもとに特定分野の課題や
各アクターの強み弱みを討議する
普遍化できる理論と地域固有のコンテ
クストについて考える
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
事前に資料を指定するので、予習して授業中に積極的に討論に参加すること。
【テキスト(教科書)】
勝間靖編著『テキスト国際開発論――貧困をなくすミレニアム開発目標への
アプローチ』
(ミネルヴァ書房,2012 年)
【成績評価の方法と基準】
授業への積極的貢献と期末レポート
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
可能な限り、実務に携わるゲストスピーカーに話してもらう機会を設けます。
【情報機器使用】
資料配布、課題の提出には授業支援システムを活用します。
【担当教員の専門分野等】
企業の CSR や社会起業家による貧困削減、マイクロファイナンス
【到達目標】
(1) 国際協力における社会起業家とインクルーシブビジネスの役割
を理解したうえで、可能性や課題について討議し、各自の見解を深
める。
(2) 各回の事例を題材に受講者のバックグラウンドと国際協力との接
点について討議し、新たな国際協力の方法を提案できるようにする。
【授業の進め方と方法】
第1・2回で理論的背景を説明する。第3回目以降は、具体的な事
例を紹介し、受講者との討議を行う。
【授業計画】
春学期後半
回
テーマ
内容
第 1 回 社会起業家とは何か? 社会起業家に関する資料をもとに
概念を理解する
第 2 回 企業の戦略的 CSR と 企業の戦略的 CSR について、主
は何か
要論文を参考に議論する
グラミン銀行と BRAC(バングラ
第 3 回 社会起業家 (1)
デシュの NGO)についての講義
受講生による事例発表
第 4 回 社会起業家 (2)
インドの社会起業家によるソー
第 5 回 社会起業家 (3)
シャルビジネス(スラブインター
ナショナル、ドリシュティ)
受講生による事例発表
第 6 回 社会起業家 (4)
日本のソーシャルビジネス
第 7 回 社会起業家 (5)
事例について討論
第 8 回 社会起業家 (6)
第 9 回 企業の戦略的 CSR(1) 日本企業による保健分野のインク
ルーシブビジネスについて講義
第 10 回 企業の戦略的 CSR(2) 事例について討論
第 11 回 企業の戦略的 CSR(3) 日本企業による綿農家支援プログ
ラムについて講義
第 12 回 企業の戦略的 CSR(4) 事例について討論
第 13 回 企業の戦略的 CSR(5) 日本企業によるインクルーシブビ
ジネス(水分野か、エシカル消費)
第 14 回 企業の戦略的 CSR(6) 事例について討論
普遍化できる理論と地域固有のコ
第 15 回 まとめ
ンテクストについて考える
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
事前に資料を予習して、積極的に討論に参加すること。
【テキスト(教科書)】
国連開発計画編、吉田秀美訳 (2010) 『世界とつながるビジネス』英
治出版
マイケル E. ポーター (2011)「共通価値の戦略−経済価値と社会価値
『Diamond ハー
を同時実現する (原文 “Creating Shared Value”) 」
バード・ビジネス・レビュー』2011 年 6 月号
【参考書】
ムハンマド・ユヌス著、猪熊弘子訳(2008)『貧困のない世界を創
る』早川書房
イアン・スマイリー著、笠原清志監訳(2010)『貧困からの自由』
【成績評価の方法と基準】
授業への積極的な貢献と期末レポート
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
ゲストスピーカーによってシラバスと内容が変わる可能性があり
ます。
【情報機器使用】
資料配布、課題提出には授業支援システムを活用します。
— 19 —
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環境マネジメント専攻
【参考書】
必要に応じて授業中に紹介する。
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
この授業では、国際協力の分野で新たなアクターとして注目され
ている(1)社会起業家と、
(2)本業の延長で貧困削減や社会問題の
解決に取り組む民間企業(インクルーシブビジネス)について学ぶ。
これにより、既存の国際協力の枠組みを超えた視点や発想を身に
つけていくことをめざす。
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国際環境協力事例演習
開発と文化の人類学
武貞 稔彦、吉田 秀美
安岡 宏和
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
国際開発のプロジェクトを現地で学ぶ。事前学習で訪問先のプロ
ジェクトや訪問地域について理解を深め、現場を視察したうえで、報
告書をまとめる。
【到達目標】
開発プロジェクトの理論と現地調査の手法を学び、実践を通して
習得する。
報告書の作成を通じて、論文執筆の基礎となる文書作成能力を高
める。
【授業の進め方と方法】
文献講読と現地調査によって、開発援助プロジェクトのあり方を
討議する。事前学習では、教員による調査手法などの講義、受講者
による事前学習の発表、現地調査準備、報告書作成準備を行う。現
地調査では、開発途上国で日本政府や民間企業、NGOなどが行っ
ているプロジェクトの現場を訪問する。帰国後に受講者による報告
書を作成する。
2015 年度の訪問先は調整中 (ミャンマーかインドの可能性が高
い)。2014 年度以前の訪問先は、インド、ラオス、インドネシア、
ベトナムなど。
【授業計画】
秋学期後半
回
テーマ
第1回 序論
第2回
事前学習作業分担
第3回
現地調査:事例1
第4回
第5回
事例の討論1
調査対象国についての
事前学習1
調査対象国についての
事前学習2
学生の事前学習発表1
学生の事前学習発表2
現地調査準備1
現地調査準備2
事後報告書作成準備1
事後報告書作成準備2
現地調査
現地調査
現地調査
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
内容
授業の趣旨、現地調査先、スケ
ジュールの確認
各自で現地に関する事前学習テー
マを設定する
過去の演習で行ったインドの調査
報告
調査内容についての討議
調査対象国について専門家による
講義
調査対象国について専門家による
講義
受講生による事前学習成果報告
受講生による事前学習成果報告
質問票の作成
スケジュール確認
質問票の完成
報告書の分担
プロジェクト訪問
プロジェクト訪問
プロジェクト訪問、報告書執筆
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
現地事情の自主調査と発表、事後報告書の作成。
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
環境問題は、人間と環境の相互作用に生じた変化のうち人間にネガ
ティブな影響をおよぼすもの、と定義できる。本授業では、環境問
題を根源的に理解するために、とりわけ生態系の構成要素としての
人間の二つの特異性に着目する。二つの特異性とは、
(1)多種多様
な動植物との「共生」をとおして半人工的な生態系を構築している
点、
(2)モノのやりとり、すなわち「経済」をとおして疑似生態系
を構築している点である。
【到達目標】
「共生」と「経済」について考察するための道具となる人類学の基礎
を身につけること。
【授業の進め方と方法】
各回、前半は教員が講義をおこない、後半は講義内容にもとづいた
ディスカッションをする。
【授業計画】
秋学期後半
回
テーマ
内容
第 1 回 「共生」と「経済」の イントロダクション
人類学
第 2 回 アフリカ熱帯雨林の
森の民の生態誌
「共生」(1)
森の民の歴史生態学
第 3 回 アフリカ熱帯雨林の
「共生」(2)
森の民の政治生態学
第 4 回 アフリカ熱帯雨林の
「共生」(3)
狩猟と精霊
第 5 回 シェアリングという
「経済」(1)
第 6 回 シェアリングという 「経済」の基本構造
「経済」(2)
シェアリングの人類学的意味
第 7 回 シェアリングという
「経済」(3)
第 8 回 総合討論
これまでの内容についての総合討
論
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
文献講読
【テキスト(教科書)】
なし
【参考書】
授業中に提示
【成績評価の方法と基準】
ディスカッションへの参加度
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
とくになし
【テキスト(教科書)】
講義中に指示する。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域> 生態人類学
<研究テーマ> アフリカ熱帯雨林の資源利用
<主要研究業績> 『バカ・ピグミーの資源利用』
【参考書】
講義中に指示する。
【成績評価の方法と基準】
現地調査への参加状況と報告書の作成状況によって評価する。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
現地調査は例年2月か3月に1週間程度で行う。訪問先及び日程は
決定次第、公表する。
【その他の重要事項】
現地では英語でインタビューするので、それが実施可能なレベル
の英語力を必要とする。
【費用負担】
現地調査に必要な旅費(往復航空運賃、宿泊費、食事代等)は自
己負担となる。
ただし、大学院の海外における研究活動補助の制度を活用できる。
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【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
事前勉強、レポート作成などに役立ちそうな図書としては、全体を
俯瞰するのにはテキストを参照されたい。
環境行政法
柳 憲一郎
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
環境行政法の各分野の主な制度を学び、それらの制度の基となる基
本原則と基本原則どおりに制度を構想することを難しくしている問
題の背景などを理解すること。持続可能な社会に寄与する環境法の
あり方とは何かをテーマとする。
【到達目標】
環境行政法および環境基本法に係る各部門法について講義する。授
業に際して、各部門ごとに、現在の制度の概要、当面する課題(事
実関係)
、法的論点と改善を要する課題、課題解決に向けた方法論等
について理解を深める。
【授業の進め方と方法】
第 1・2 回は環境行政法全体を歴史的に俯瞰する。環境に対する負荷
の態様が産業構造・都市構造・生活様式の変化とともに変化し、ま
た, その射程も健康・生活環境から地球環境までを対象に拡大してい
る。同時に、被害が発生するおそれから、発生する可能性にまで制
御範囲も拡がり、それに対応するための持続可能性などの基本原則
や手法もさまざまになっていく過程を講義する。
次に、第 3∼14 回まで各論として、開発を管理する環境影響評価
法の意義、個別環境規制法の仕組み(大気汚染、水質汚濁、騒音・
振動・地盤沈下)
、化学物質管理のリスク評価を誰が行うべきか、土
壌汚染の規制法の仕組み、廃棄物とリサイクルの統合法制のあり方、
アスベスト被害とその救済、地域性をとる自然公園制度の課題、被
害救済と費用負担制度を取り上げて説明し、質疑応答を行うことを
予定。最後に水俣の事例を取り上げ、環境被害の救済法のあり方を
中心に現在の問題状況を踏まえ、司法、立法、行政の課題について
討議してもらう。なお、可能な限りビデオを利用し、環境の現状と
課題の理解に努める。
【参考書】
演習ノート『環境法』法学書院 2010 年
大久保規子『要説・環境法第 3 版』有斐閣
大塚直『環境法第 3 版』有斐閣
北村喜宣『環境法第 3 版』弘文堂
【成績評価の方法と基準】
期末レポートと平常点で評価する。レポートの配分は 80 %、平常
点 20 %とする。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
小人数教育の特性を生かし,学生の学習の進捗状況に応じた個別面
接指導対応を行なう。学生の理解度や疑問には差異があるため,そ
の理解度や疑問に個別に対応しながら,環境行政法の体系を理解さ
せる。また,学習進捗状況の進行管理を可能とするように,日頃の
学習上の疑問についての理解が進んだかどうかをチェックするため
に,事前・事後に負担にならない程度に配分してレポートを提出さ
せ,確認するという方法も効果的と考えている。
【情報機器使用】
プロジェクター, ノートパソコン
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>環境法・法政策、アセスメント法、国家賠償法
<研究テーマ>環境アセスメント、途上国の環境法、EU 及び英国
の環境法政策
<主要研究業績>
①『コンパクト環境法政策』(清文社、2015 年)。
。
②『環境アセスメント法に関する総合的研究』
』
(清文社、2011 年)
。
③『ロースクール環境法(改訂第二版)
』
(共著、成文堂、2010 年)
— 21 —
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環境マネジメント専攻
【授業計画】
春学期
回
テーマ
内容
第 1 回 わが国の公害・環境法 イントロダクションとして公害・
の歴史
環境問題の歴史的変遷について鳥
瞰する
第 2 回 環境法の体系
環境法の体系と環境基本法の構造
開発に際しての環境配慮の法の仕
第 3 回 環境アセスメント
組みを検討する
第 4 回 戦略的環境アセスメン 政策・計画・プログラム段階の環
ト
境配慮の仕組みを検討する
第 5 回 循環型社会形成法とリ 社会の物質循環の考え方や個別リ
サイクル関係法
サイクル法の仕組みを検討する
環境規制の個別法の仕組みを大気
第 6 回 環境汚染排出規制法
(1)−大気汚染防止法 汚染について検討する
環境規制の個別法の仕組みを水質
第 7 回 環境汚染排出規制法
(2)−水質汚濁防止法 汚濁について検討する
第 8 回 環境汚染排出規制法
環境規制の個別法の仕組みを土壌
汚染について検討する
(3)−土壌汚染防止
環境規制の個別法の仕組みを温暖
第 9 回 環境汚染排出規制法
化対策について検討する
(4)−温暖化防止
環境規制の個別法の仕組みを騒
第 10 回 環境汚染排出規制法
(5)−騒音・振動・地 音・振動・地盤沈下について検討
盤沈下
する
第 11 回 アスベストと環境保全 アスベストに係わる法制度の全体
とその被害救済法を検討する
第 12 回 化学物質管理に関する リスク管理, 化学物質管理
法
法,PRTR 法, リスクコミュニケー
ションを検討する
第 13 回 自然環境の保全に関す 自然環境保全法, 自然公園法, 生
る法
物多様性基本法などの自然保全の
法の仕組みを検討する
第 14 回 行政上の被害救済法
公害紛争処理法や公害健康被害補
償法など行政上の救済の仕組みを
検討する
環境行政法の講義を具体的事例を
第 15 回 総括
踏まえて総括し, 総合討議を行う
【テキスト(教科書)】
柳憲一郎『コンパクト環境法政策』(清文社),2015 年
柳憲一郎『環境アセスメント法に関する総合的研究』(清文社),2011 年
459
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環境私法
大気人間環境論
永野 秀雄
北川 徹哉
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
この授業では、これまで環境法を学んだことのない大学院生のために、環
境私法を概説することを目的としている。この環境私法では、環境被害を受
けた人々が、国や企業などに損害賠償を求めたり、その環境被害のもととな
る汚染原因等を排出しないように求めたりする訴訟を扱う。具体的には、民
法に規定されている不法行為という考え方が、大気汚染訴訟、水質汚濁訴訟
といった様々な形の訴訟の中で、どのように機能するかを学んでいく。
【到達目標】
この授業の到達目標は、受講生の所属する組織または生活する地域が、環
境にかかわる紛争に直面したときに、どのような法的なルールが適用される
のかを理解することにある。言い換えれば、受講生が、法の専門家(弁護士
や企業法務部等)と協同してこのような問題に対処しえる知的枠組みを獲得
することを目指している。
【授業の進め方と方法】
まず、環境私法で最も基本となる民法に規定された「不法行為」という考
え方を学ぶ。そして、この不法行為に関する理論が、環境紛争にどのように
適用されるのかを概説する。
これに続いて、具体的な環境汚染原因ごとに、不法行為を中心とする法理
論が適用されるのかについて解説する。大気汚染、水質汚濁、騒音・振動、日
照、景観といった問題ごとに個別のルールが形成されているので、これを学
んでいくことにする。 最後に、総合的な問題を扱う環境監査において、どのような法的規制が必要
であり、今後どのように運営されるべきかを検討する。
【授業計画】
秋学期前半
回
テーマ
1
不法行為の基礎(1)
2
3
4
5
不法行為の基礎(2)
不法行為の基礎(3)
不法行為の基礎(4)
公害紛争処理制度等
6
大気汚染訴訟の基礎
7
8
9
大気汚染訴訟の展開
水質汚濁訴訟
悪臭訴訟、騒音・振動訴
訟
日照・通風・風害訴訟
眺望訴訟、景観訴訟
風評被害訴訟
嫌悪施設訴訟(1)
嫌悪施設訴訟(2)
新類型の環境民事訴訟、
環境監査と法
10
11
12
13
14
15
内容
①環境法とは何か、②環境紛争と環境
私法
不法行為法とは何か
共同不法行為とは何か
複合汚染と共同不法行為
①公害紛争処理制度、②協定による紛
争解決
①共同不法行為理論の適用、②大気汚
染訴訟の難しさ
大気汚染訴訟の展開と現状
水質汚濁訴訟の分析
①悪臭訴訟、②騒音・振動訴訟
日照・通風・風害訴訟の分析
①眺望訴訟、②景観訴訟
風評被害訴訟の分析
原子力関連の民事訴訟
廃棄物処理場関連の民事訴訟
①新類型の訴訟、②環境監査と法の関
係
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
第3回から第14回 配布されたプリントを理解し、次回の授業までに復
習すること。また、わからない点等があれば、質問項目として準備してくる
こと。
第15回 レポート課題・提出期限の確認。
【テキスト(教科書)】
教科書は使用しない。プリントを配布する。
【参考書】
淡路剛久・大塚直・北村喜宣『環境法判例百選(第2版)
』
(有斐閣、2011 年)
。
【成績評価の方法と基準】
授業内での発表、議論への参加・貢献度 30%、期末レポート 70 %。期末レ
ポートは、環境私法のテーマの中から 1 つを取り上げ、法律論文等を 3 つ以
上参照して、その問題に関するレポート(A4 で 10 頁程度)を作成すること。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
今後も、わかりやすい解説に努めたいと思います。
【情報機器使用】
プロジェクター。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>日米比較法(特に、環境法、労働法、先端技術法)
<研究テーマ>「環境監査と法」、
「軍事基地騒音問題」、「インテリジェンス
法制」
<主要研究業績>(近年の環境関連のもの)
①単著『電磁波訴訟の判例と理論―米国の現状と日本の展望』(三和書籍、
2008 年)。
②「米国の沿岸域における法制度の発展 ̶特にオバマ政権により導入された
沿岸海洋空間計画(CMSP)について」しま 228 号(2012 年 1 月)38-45
ページ。
③「米国の公開企業と気候変動リスク -米国連邦証券取引委員会「気候変動
に関する情報開示指針」の検討」人間環境論集 12 巻1号(2011 年)1-19 頁。
460
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 460
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
大気は人間生活圏を覆っており,人が呼吸し,生存するために必要なもの
である一方,時には脅威となる存在であり,またある時は心地良さやエ
ネルギーをもたらすものでもある.本講義においては,大気の動きと人
間生活,社会,都市,環境・エネルギーとの関係について多角的に学ぶ.
【到達目標】
1.大気運動の性質,ならびに大気と環境問題との関係を説明できる.
2.大気による災害の種類と,それらの人・社会・都市への影響を説明
できる.
3.大気の動きの人間生活への貢献について説明できる.
【授業の進め方と方法】
この授業は講義形式で行われる.また,質問は随時受けつける.
【授業計画】
秋学期後半
回
テーマ
内容
1
大気の構造,強風の種類 大気の大規模な構造と動き,台風,
竜巻,ダウンバースト,地形と気流
2
強風がもたらす社会・ 強風による社会・都市への被害と対
都市への被害,強風の 策,最大風速,再現期間
統計的性質
3
大気の動きと人間
市街地・郊外上空の大気の動き,ス
ペクトル,風の息と渦,風騒音の発
生源と対策例,気流と人間生活環境
4
都市の大気汚染
汚染物質の大気拡散,ストリート
キャニオン,ヒートアイランド,ク
リマアトラスと風の道
5
大気による粒子の輸送 飛砂,風紋,黄砂,ダストストー
ム,スギ花粉の飛散
6
住居,火災,交通と大気 住居環境と汚染物質,人の温冷感,
火災拡大,交通麻痺
7
農業と大気,大気が生 受粉・倒伏・塩害,災害損害保険,
むリスクとその回避
リスクヘッジ
8
風力エネルギー
風車の歴史,再生可能エネルギー,
風力発電の仕組みと動向
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
第1回:大気循環の準備学習,第2回:統計用語の準備学習,第3回:
周期的変動の用語の準備学習,第4回:大気汚染の準備学習,第5回:
粒子の飛翔に関する準備学習,第6回:住環境の準備学習,第7回:農
作物に関する準備学習,第8回:エネルギー用語の準備学習.
【テキスト(教科書)】
使用しない.資料を配布する.
【参考書】
必要に応じて紹介する.
【成績評価の方法と基準】
レポート(100 %):大気,人間生活,社会,都市に関するレポート課
題に対し,到達目標1∼3に要求される知識がレポートにおいて展開さ
れているか,また,適切かつ詳細な論述がなされているかを評価する.
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
予習をしたいので次の授業の内容を事前に知っておきたいとの要望があ
りました.シラバスの授業計画に目を通していただきたいと思います.
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
エネルギー,環境流体,振動,天候デリバティブ
<研究テーマ>
交通におけるエネルギー負荷の軽減,大気が社会環境に及ぼす影響
<主要研究業績>
① Numerical investigation on flow around circular cylinders in
tandem arrangement at a subcritical Reynolds number, Journal of
Fluids and Structures, Vol.24, No.5, 2008, pp.680-699.
② Flow-force relationship for two staggered circular cylinders with
low angle of incidence, Journal of Structural Engineering, Vol.54A,
2008, pp.411-419.
③自動車励起ガストエネルギーを利用した発電の試み,日本風工学会論
文集,Vol.32,No.2,2007,pp.87-92.
— 22 —
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環境資源・エネルギー政策論
第9回
再生可能エネルギーと省
エネルギー
第 10 回
環境・エネルギー税制
第 11 回
国際的なエネルギー需要
と供給の実態と将来展望
第 12 回
政策立案のメカニズムと
今後の方向性
第 13 回
我が国の電力供給問題
第 14 回
国際協議内容分析と
COP の議論
第 15 回
授業内容のレビューと政
策提言立案の演習
菊地 昌廣
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
気候・気象の不安定化に地球温暖化が大きな原因となると指摘されてから久
しく、原発事故などエネルギー安定供給体制が自然災害に脆弱であることな
ど、環境維持と経済・文明を支えるエネルギーの安定供給を図るための政策
立案に様々な論点が提起されており、環境の保持に親和性の高いエネルギー
選択政策の決定が急がれるところである。そこで、様々な要因を分析し、最
適なエネルギーミックスを考える上で基礎となる諸課題を理解するとともに、
エネルギー供給と相反関係にある環境保全を対比させて環境に親和性の高い
エネルギー政策提言能力を習得する。
【到達目標】
①地球ライフサイクルと社会科学の視点から大気汚染、地球温暖化等、環境
問題の捉え方を理解する。
②内外のエネルギー統計に基づき、豊かな社会生活を維持するために必要な
エネルギー使用現状を理解する。
③利用可能なエネルギー資源の特徴と安定供給確保のための政策立案のため
の考慮要因を理解する。
④エネルギー概念、エネルギー利用形態と利用効率等エネルギー利用管理上
の要素を理解する。
⑤省エネルギー方法と地球に親和性の高いエネルギー(再生可能エネルギー)
活用方法とを理解する。
⑥国際対応を含む政府の環境・エネルギー政策を分析し、将来に向けた提言
能力を習得する。
【授業の進め方と方法】
初期段階で環境問題を議論する時の視点を地球ライフサイクルと社会科学の 2
つの側面から整理し、地球規模のエネルギーバランス概念を持って示す。第 2
段階で議論の背景となる国際的エネルギー資源消費状況を理解するとともに、
安定供給確保のための要因を議論する。第 3 段階でエネルギーの利用形態や
利用効率等のエネルギー科学について理解するとともに、省エネルギーの概
念、再生可能エネルギー導入用検討について議論する。最終段階で、国際的
な視点で配慮しなければならないエネルギー価格変動要件を踏まえた国内外
のエネルギー政策について議論する。
特にテキストは採用せず、授業で使用する資料を毎回事前に配信し、予習を
求める。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
第1回
環境問題の捉え方
第2回
エネルギー資源における
ソースとシンクの関係
第3回
エネルギー資源消費の内
外の現状
第4回
エネルギー利用に付帯す
るリスクと地球温暖化と
気候変動
環境負荷への歴史的議論
と政策立案に至る手法
第6回
エネルギーの科学技術
第7回
エネルギー資源の特徴と
需給バランス
第8回
安定したエネルギー資源
確保のための要因とエネ
ルギーセキュリティ
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)
】
事前に配信する次回講義の資料内容の予習
【テキスト(教科書)
】
特に特定のテキストは採用しない。講義内容は事前に配信する。
【参考書】
①成長の限界、D.H. メドウズ他著、大来佐武郎監修、ダイアモンド社、昭和
47 年 9 月 20 日
②成長を超えて、D.H. メドウズ他著、茅 陽一監修、ダイアモンド社、1992
年 12 月 3 日
③成長の限界、人類の選択、D.H. メドウズ他著、枝廣淳子訳、ダイアモンド
社、2005 年 3 月 10 日
【成績評価の方法と基準】
「仮想国の環境保全と経済発展を考慮した長期的な環境・エネルギー政策」の
立案を求める試験問題を最終講義で説明し、その後 2 週間以内に論文(政策
立案)の提出を求める。その立案内容について評価し、授業内容の理解の到
達度を確認する。政策立案に必要な「仮想国」の国勢、国状は試験問題とし
て提示する。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
半期の授業であり、講義を効果的かつ効率的に進める必要があることから事
前配付資料の予習は必須。
【情報機器使用】
解説のためのパソコンとプロジェクタ
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
内外のエネルギー安全保障政策、エネルギー利用環境保全政策、核不拡散政策
<研究テーマ>
地球環境に親和性の高いエネルギー利用とエネルギーセキュリティの追求
環境保全と安定したエネルギー利用に対する政策提言
<主要研究業績>
菊地昌廣「京都議定書目標は達成し得るか」法政大学人間環境論文集第 8 巻
第1号
菊地昌廣 「核拡散問題と検証措置」浅田正彦、戸崎洋史 編、核軍縮と不拡
散の法と政治第14章(信山社、2008 年)
菊地昌廣 「大規模災害と科学技術」 科学技術と国際関係、共著第 9 章 (内外出版 2013 年)
— 23 —
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環境マネジメント専攻
第5回
内容
環境問題は、産業革命以来人類が構築
してきた高度な文明社会の負の遺産で
あり、エネルギー起源の環境問題を近
時間的な社会問題として捉えることを
解説する。
文明社会を維持するためには、エネル
ギー供給が不可欠であるとの視点に
立って、地球のソース(資源)を活用
し、利用価値を失った廃棄物をシンク
へ戻すというエネルギーバランスの実
態から、エネルギー資源利用の在り方
を議論する。
環境資源・エネルギー政策を論ずる背
景となるエネルギー資源消費と、資源
消費の傾向と将来予測を議論する。
大量の化石資源消費に起因する温室効
果ガスによる地球温暖化問題と地球規
模の気候変動メカニズムについて解説
するとともに、環境負荷問題の地域間、
世代間への広がりについて議論する。
1970 年代に行われたローマクラブの
議論及び引き続き行われた環境負荷に
対する議論を歴史的な変遷から整理す
ると共に、ここで提案された政策立案
に至る手法について議論する。
エネルギーとは何か、その種類、用途
とその特徴等の概念を解説し、熱、動
力、電気と形態を変えた利用されてい
るエネルギーの特徴とエネルギー利用
時の損失や回収方法について議論する。
消費可能な化石資源や、再生可能資源
等の特徴を解説するともに、自給率の
視点から化石燃料別に海外依存度とエ
ネルギー資源の需給バランスについて
議論する。
安定した資源供給のために不可欠な資
源確保対策としてのエネルギーセキュ
リティ政策について議論する。
再生可能エネルギーやその他の新エネ
ルギー技術や導入実績について紹介す
ると共に、エネルギー利用の効率化の
観点から、供給サイド及び需要サイド
の視点で実施されている省エネルギー
や節エネルギー等、経済基盤維持の視
点からの将来的な限界や課題について
議論する。
エネルギー政策を実現する上で必要と
なる資金確保のための石油・石炭税、
電源開発促進税等既存のエネルギーに
係る税制を解説すると共に、環境税
(炭素税)のあり方や用途について議
論する。
地球規模でのエネルギー需要増加状況
と資源価格の変動状況を踏まえて、地
球規模の資源配分の公平化の視点か
ら、我が国として取るべき国際対策の
在り方について議論する。
エネルギー政策基本法に基づくエネル
ギー基本計画策定のメカニズムの説明
と近い将来の我が国のエネルギー利用
計画について議論する。
公共財としての電気エネルギー供給と
の立場で、国民に安定した電力を供給
するための我が国の電力供給問題につ
いて議論する。
温暖化防止に関する気候変動枠組み条
約や京都議定書の規制内容と限界を解
説すると共に、締約国会議等における
協議内容の変遷や今後の課題について
議論する。
これまでの講義内容をレビューすると
共に、質疑応答を行う。また、国勢条
件を指定した仮想国を対象とした長期
的環境資源・エネルギー政策提言につ
いて演習を行う。
461
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第 15 回 現実の経済について考 担当者によるプレゼンテーション
える④
(現在の金融政策効果に係わる
テーマを予定)およびディスカッ
ション。
公共経済論A
芦谷 典子
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
この授業では、経済学的思考のために最低限必要な数学を使いなが
ら、ミクロ・マクロ経済学の基礎理論を学びます。数学を使います
が、常に問題を解きながら進めてゆきますので、初学者にも心配あ
りません。授業の最終目標は、学んだ理論を現実経済問題に適用す
る基礎力を養うことなので、ぜひ毎回の授業の終わりには、新たに
気づいたことは何か、あるいは身近な経済問題のどのようなところ
に学んだ知識を応用できるかを整理してみてください。皆さんの自
由な意見発信と授業を楽しむ姿勢を大いに歓迎します。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
まずは毎回休まず、授業中の課題・演習に取り組むようにしてくだ
さい。そのなかで、学んだ理論を現実問題と常に関連づけてゆける
ように、新聞を読み、経済の動きに敏感でいてください。復習は、皆
さんのプレゼンテーションにつなげる形で行ってください。
【テキスト(教科書)】
必要に応じて、指定します。
【参考書】
授業で扱うトピックに合わせ紹介しますが、入門的内容を網羅する
教科書としては、例えば塩澤修平著『経済学・入門(第3版)
』有斐
閣アルマ、2013 年などがあります。
【到達目標】
①ミクロ・マクロ経済学の基礎理論を理解・習得すること。
②学んだ知識を応用して、ディスカッションできるようになること。
③現実経済から関心事項を絞り込み、経済理論を使ってアプローチ
できるようになること。
【成績評価の方法と基準】
①平常点(小テストを含む): 50%
②プレゼンテーション(1 人1回、報告型のレポートと考えてくだ
さい): 50%
【授業の進め方と方法】
講義、問題演習、ディスカッションを組み合わせる形で進行します。
最終的には、各自、関心のある経済問題を選んで、その内容をプレ
ゼンテーションしてください。常に双方向となるように、進行およ
び方法について工夫したいと思います。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
本研究科での担当は初めてですが、これまでの経験では、社会人の
方には、ディスカッションを含めた進行が好評のようです。それを
踏まえて、本授業でも、皆さんの意見を自由に発信できるような雰
囲気づくりに努めたいと思っています。
【授業計画】
秋学期前半
回
テーマ
第 1 回 オリエンテーション
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
経済理論および経済統計
<研究テーマ>
不動産と国際経済(金融、貿易、開発、環境、補償)
<主要研究業績>
"Determinants of Potential Seller/Lessee Benefits in SaleLeaseback Transactions," International Real Estate Review,
forthcoming; "’Perfect’ Real Estate Liquidity and Adjustment
Paths to Long-run Equilibrium," Journal of International
Economic Studies, 27 (5), 2013; "The Robustness of Cartels Facilitated by Anti-dumping Regulations," Australian Economic
Papers, 43 (3), 2004 ほか。
第2回
経済学で使う関数
第3回
様々な等式
第4回
マクロ経済のモデル
第5回
第6回
変化と変化率、金融商
品の時系列
経済学で使う微分
第7回
最大値と最小値
第8回
微分の応用
第9回
偏微分
第 10 回 条件付き最大化・最小
化
第 11 回 線形計画法
第 12 回 現実の経済について考
える①
第 13 回 現実の経済について考
える②
第 14 回 現実の経済について考
える③
462
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 462
内容
科目の概要(経済学とは何か)、
評価方法の概要、プレゼンテー
ション日程の決定等。
なぜ、数学を使うのか。グラフの
描き方・使い方。収入・費用・利
潤について等。
経済学で使われる等式。簡単な需
給均衡について解く。限界費用と
限界収入、平均費用等。
マクロモデルの役割。マクロ経済
の均衡条件とは? IS-LM 分析等。
利子率、成長率、収益率、ロー
ン、年金等。
限界の概念、経済分析への応用
例、需要の価格弾力性の計算、マ
クロモデルを使った投資乗数の計
算等。
収入最大化、利潤最大化、費用最
小化、税収の最大化等。
更に必要になる微分のルールにつ
いて、最適な生産量と費用の関
係、限界収入と価格弾力性・収入
の関係等。
簡単な公式、乗数を求める、コ
ブ=ダグラス型生産関数の紹介
等。
効用最大化問題を解く、費用最小
化問題を解く等。
どのような経済問題を解く余地が
あるか?
受講者によるプレゼンテーション
および関連事項についてのディス
カッション。
受講者によるプレゼンテーション
および関連事項についてのディス
カッション。
受講者によるプレゼンテーション
および関連事項についてのディス
カッション。
— 24 —
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公共経済論B
【テキスト(教科書)】
奥野信宏『公共経済学(第 3 版)』岩波書店、2008 年
菅原 琢磨
【参考書】
井堀利宏『ゼミナール公共経済学入門』日本経済新聞出版社、2005 年
林正義・小川光・別所俊一郎『公共経済学』有斐閣、2010 年
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
市場経済における公共部門の役割は市場機能の補完であるが、現代
の公共部門は経済社会の変化とともに多様な課題への対応を迫られ
ている。
本講義ではこのような社会環境の中で、現代の公共部門は「何を行
うべきか」、「どのように行うべきか」、「どのような結果がもたらさ
れるか」について検討する。
【到達目標】
公共部門の市場への介入の根拠、方法、成果について経済学的な視
点から体系的に理解できるようになることを目標とする。
【授業の進め方と方法】
参加者による教科書の輪読を行いつつ、適宜、討論や必要な解説を
行う。
【授業計画】
秋学期
回
テーマ
1
ガイダンス
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
13
14
15
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
特記事項なし。
【情報機器使用】
該当なし。
【その他の重要事項】
履修者の数や経歴、要望に応じて、適宜、授業計画を改善・変更す
る場合がある。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>社会政策・社会保障論・医療経済学
<研究テーマ>保健医療福祉分野の制度と政策
<主要研究業績>
Takuma Sugahara(2012)"Economic Background and Issues
of Regional Medical Coordination Policy in Japan" Journal of
the National Institute of Public Health, 62/1, 36-45.
Takuma Sugahara(2010)"Significance and Issues of Measuring the Benefit of Community Medical Service System by
Hedonic Price Method" Journal of the National Institute of
Public Health,59/1,31-42.
菅原琢磨(2009)
「地価情報を用いた地域医療システムの価値評価−
ヘドニック法による地域社会の「安心」の測定−」
『医療経済研究』,
21/2,115-135.
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
各回、報告者を決め、輪読をおこなう。報告者は報告準備をおこな
うことは勿論、その他の参加者も事前に内容についてテキストに目
を通しておくこと。
— 25 —
11環境マネジメント専攻_本編2015 2.indd 463
環境マネジメント専攻
12
内容
授業の進め方や,成績の評価方法
などを説明する。また,公共経済
学とは何かについても解説する。
日本経済と公共部門
日本の公共部門
公共部門の規模と効率性
政府活動と経済活力
公共サービスの供給
競争的市場の機能
外部効果の補整
公共財の最適供給
社会的決定
集団の意思決定
議会による決定
公共支出の評価
社会的便益
投資の優先順位
便益の測定
社会的割引率
税と公債
税の役割と原則
間接税、直接税
公債
自然独占の環境変動と 市場の失敗と規模の利益
規制改革
自然独占の環境変動
競争の特徴
自然独占の規制
公共料金
独立採算性
多様な料金制度と料金規制
公共投資と社会資本
社会資本と公共資本
公共投資の規模と配分
地域格差と公共投資
社会資本整備の課題
高齢社会の経済環境
所得再分配政策の必要性
(Ⅰ)
年金制度
医療保険
介護保険
高齢社会の経済環境
公共交通
(Ⅱ)
費用の負担者
効率的経営動機
地方都市の公共交通
地方分権
行財政における国と地方
地方分権の理論的可能性
文献読解(その1)
政策評価に関する文献の読解を行
い、その手法を吟味する。
文献読解(その2)
政策評価に関する文献の読解を行
い、その手法を吟味する。
総括
講義内容の総括をおこなう。
【成績評価の方法と基準】
平常点を評価する。特に報告内容、討議への参加意欲・討議への全
体的貢献を勘案して評価する。
463
15/03/03 20:34
国ドイツの哲学的フロンティア』現代書館、2010 年 9 月
学位論文
「カント『判断力批判』における「自然の解釈学」の意義」
、法政大学
大学院人文科学研究科哲学専攻博士後期課程学位論文、2013 年 9 月
環境思想
相原 博
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本授業の内容は環境倫理学の講義である。環境倫理学とは、環境問題の発生
とともに 20 世紀後半に成立した新しい学問である。本授業では、この環境倫
理学の諸理論の検討をとおして、有限な地球環境に相応しい生き方を学ぶこ
とが目的になる。
環境倫理学は、人間が環境に対してどのように関係すべきであるのか、この
「あるべき」関係について研究する学問である。従来この学問では、人間の利
益だけを考えて自然を支配する態度が環境問題を生み出したとして、人間を
中心に据える自然利用の在り方が批判されてきた。もっとも現在では、多種
多様な環境問題の発生とともに、環境倫理学にも新たな展開が見られる。環
境倫理学の現状を把握することで、地球環境の危機と今後の課題も明らかに
なるはずである。
【到達目標】
本授業の目標は、環境倫理学の基礎的思考を理解し、倫理学的な考察方法を
修得することにある。また環境倫理学の諸理論を理解し、環境問題にかんす
る新たな知識を獲得することも目標になる。
【授業の進め方と方法】
本授業は講義形式で進める。ただし受講生との議論や討論も重視する。また
各回ごとに、一定程度の記述を必要とするリアクションペーパーの提出を課
題とする。
【授業計画】
回
テーマ
第1回
授業の紹介
第2回
第3回
倫理学とは何か
環境倫理学とは何か
第4回
環境倫理学の歴史
第5回
第6回
環境倫理学と家畜、そし
て動物実験
環境倫理学と野生生物
第
第
第
第
環境倫理学と生態系
環境倫理学の多様性
近年の環境倫理学
ドイツの環境倫理学
7回
8回
9回
10 回
第 11 回
日本の環境倫理学
第 12 回
日本の環境思想
第 13 回
第 14 回
第 15 回
日本の環境問題
環境倫理学の再検討
総括
内容
授業の概要と方法、成績評価の基準な
どの説明
倫理学の基礎的思考
環境倫理学の概要、および環境問題と
宗教との関係など
保存と保全の区別、および環境倫理学
の諸類型
動物解放論および動物の権利論
生命への畏敬、および自然への畏敬の
念
土地倫理およびディープ・エコロジー
環境正義論およびエコフェミニズム
環境プラグマティズム
実践的自然哲学、および未来世代に対
する責任
里山の環境倫理、および社会的リンク
論
風景のなかの環境哲学、および無痛文
明論
公害と放射能汚染
人間の尊厳と環境
授業の総括と残された課題
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
環境倫理学を学ぶ上で、準備学習は必要不可欠である。各回の内容について、
参考書などを利用して予習しておくこと。
【テキスト(教科書)】
特に指定しない。適宜資料を配布する。
【参考書】
近年の代表的な入門書を挙げておく。
加藤尚武編『環境と倫理 新版』、有斐閣アルマ、2005 年
加藤尚武『環境倫理学のすすめ』、丸善ライブラリー、1991 年
加藤尚武『新・環境倫理学のすすめ』、丸善ライブラリー、2005 年
鬼頭秀一『自然保護を問いなおす』、ちくま新書、1996 年
その他の参考書は授業内で適宜紹介する。
【成績評価の方法と基準】
議論や質疑などの授業参加度 30 %、学期末レポート 70 %を総合的に考慮し
て評価する。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
前年度非開講のため該当しないが、初学者にも配慮し平易な説明を心がけた
い。また受講者には積極的な参加を期待する。
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>哲学および倫理学
<研究テーマ>カントを中心とする近現代のドイツ哲学、環境倫理学
<主要研究業績>
論文
「美感的判断と包摂の可能性−生態論的自然美学による批判に応え
て−」
『日本カント研究 11 カントと幸福論』(日本カント協会編)
、
理想社、2010 年 8 月、171-185 頁
「カントの崇高論− H・ベーメの解釈の検討−」、『法政哲学』
(法政
哲学会編)
、第 9 号、2013 年 2 月、1-13 頁
翻訳
(共訳)T・ロックモア『カントの航跡のなかで: 二十世紀の哲学』法
政大学出版局、2008 年 9 月
(共訳)K・オット、M・ゴルケ編著『越境する環境倫理学:環境先進
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数理モデル概論
松本 倫明、渡邊 誠
管 理 ID:
1509262
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
本科目では、コンピュータシミュレーションを用いた現状分析と将
来予測のためのモデル化の手法について研究することを目的とする。
授業コード:
X9036
【到達目標】
はじめに代表的なシミュレーション事例を概観し、シミュレーショ
ンがどのように自然科学あるいは社会科学に寄与しているかを理解
する。前半は、限りある資源(有限な資源)のもとで人間社会や生
態系の動向を、システムダイナミクスを用いて定量的にモデル化す
る。これを通して環境問題を考える上での基本的な概念を考察して
いく。後半は、カオス・フラクタルなどを含めた複雑系の問題を扱
う。基礎事項の修得と同時に、熱力学的法則から見た地球システム
と「人為」の特徴などについて考察していく。
【授業の進め方と方法】
本授業は、講義とコンピュータ実習を織り交ぜながら進める。コン
ピュータ実習によって、受講生は授業を深く理解することができる。
また高度な数学的知識は必要とはしない。前半は松本、後半は渡邊
が担当する予定である。
【授業計画】
秋学期後半
回
テーマ
第 1 回 システムダイナミクス
による環境モデル1
第2回 システムダイナミクス
による環境モデル2
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
内容
人口爆発と指数関数的成長の数理
モデル。
有限世界における成長の限界の数
理モデルを用いた人口爆発モデ
ル。
システムダイナミクス 有限世界における成長の限界と
による環境モデル3
フィードバックによる系の応答を
考慮した人口爆発モデル。生態系
モデルへの応用。
複雑系と環境(カオス 非線形力学系にもとづく数理モデ
理論入門)
ル(決定論カオスと初期値敏感
性、持続可能性の考察など)
複雑系と環境(フラク フラクタルにもとづく数理モデル
タル理論入門)
(自然界における自己相似構造、
都市の形成・成長とフラクタル次
元など)
複雑系と環境(熱力学 物質の循環と拡散、エネルギーの
的考察)
保存と拡散、エントロピーとその
増大則、
「人為」とは何か? の考
察など)
総合討論
授業のまとめとして、総合討論を
行う。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
授業中に指示をする。
【テキスト(教科書)】
特に使用しない。資料を授業時に配布する。
【参考書】
開講時に紹介する。
環境マネジメント専攻
【成績評価の方法と基準】
出席 30 %、討論への参加状況 30 %、実習課題 40 %とする。
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
なし。
【情報機器使用】
授業では情報実習室を使用する。
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環境特殊研究4
中里 妃沙子
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
知的財産権の基礎を押さえた後、知的財産権が、自然及び環境問題
とどのように関連しているか、全15回にわけて幅広く事例を挙げ
て講義する。
知的財産権についての基礎的知識の習得及び知的財産権が自然とど
のように関連しているかを習得する。
生物多様性条約が知的財産権についても関連の深い条約であること
を概説し、2010年のCOP10の内容を踏まえた講義する。
【到達目標】
同上
【授業の進め方と方法】
講師作成のパワーポイントレジュメを使用し、判例の紹介、その他
新聞記事などを適宜配布しながら、知的財産権の内容及び知的財産
権と自然との関係について概説する。
【授業計画】
春学期後半
回
テーマ
第 1 回 知的財産権が属地的権
利であることを確認し
たのち、グローバル化
した社会の中で、条約
などを通じて、どのよ
うに保護されていくか
を論じる。
第 2 回 第1回目と同じ
内容
・知的財産権とはどのような権利
の呼称か
・知的財産権の法的性質「(独占)」
について
・知的財産権の種類
・知的財産権の国際性(条約を中
心にして)
第 3 回 工業所有権の中心的権 ・特許法1:特許法についての概
利である特許権を概説 説及び特許権の具体的事例の説明
し、工業分野だけでな
く、自然及び環境との
関係でも、関連の深い
権利であることに触れ
る。
・特許法2:特許権に対する制限
第 4 回 第3回目と同じ
第 5 回 工業所有権のうち、実 ・実用新案法の解説及び実用新案
用新案権を解説。
権の具体的事例の説明
第 6 回 工業所有権のうち、意 ・意匠法の解説及び意匠権の具体
匠権を解説。
的事例を説明
第 7 回 農業分野で重要な権利 ・種苗法1:種苗法についての解
であり、自然と直接関 説
わりのある育成者権を
保護する種苗法を中心
に概説する。
第 8 回 種苗法についての概説 種苗法2
の続き。
第 9 回 著作権について概説す ・著作権法1:著作権法の概説
る。
・著作権法2:著作権に対する制
第 10 回 第9回目と同じ。
限
第 11 回 商標法について概説 ・商標法
し、特許権と同じく、
工業分野だけではな
く、農業分野など、自
然とも深くかかわって
くる権利であることに
触れる。
第 12 回 不正競争防止法につい ・不正競争防止法
て概説し、知的財産権
分野だけでなく、農業
分野など、自然とも深
く関わってくる権利で
あることに触れる。
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第 13 回 自然及び環境と知的財
産権の関わりについ
て、特許権を中心に論
ずる。特に、遺伝子特
許、生物特許について
も扱う。
また、特許権と育成
者権の二重保護につい
ても触れる。
第 14 回 農林水産分野における
知的財産権の保護につ
いてのこれまでの講義
の総まとめを行う。
第 15 回 生物多様性条約が、知
的財産権をも扱ってい
る点について解説し、
さらに今後の知的財産
権の方向性についても
概説する。
・自然と特許権
・特許権と育成者権との関係 (二
重保護)
・農林水産分野における知的財
産権
・地域団体商標
・生物多様性条約 (知的財産権に
関連して)
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
適宜指示
【テキスト(教科書)】
講師作成のパワーポイントレジュメ
【参考書】
適宜指示
【成績評価の方法と基準】
出席点 50%
レポート課題 50%
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
該当なし
【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
<研究テーマ>
<主要研究業績>
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環境マネジメント演習Ⅱ
西城戸 誠
【授業の概要と目的(何を学ぶか)】
実証的な研究論文作成のために、理論と実証をつなぐ方法論を学びながら、修
士論文を完成させる。
【到達目標】
修士論文を作成するにあたって、自らの問題関心や利用可能な方法論、研究
対象の実情などを踏まえた上で作り上げた「問い」を洗練させ、その問いに
対して的確な方法によって実証研究を実施し、修士論文を書き上げる。
【授業の進め方と方法】
修士論文を作成するための指導を行う。演習形式によって、演習参加者の状
況にあわせて指導する。
【授業計画】
通年
回
テーマ
内容
第1回
修士論文の作成作業(1) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、検討する。
第2回
修士論文の作成作業(2) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、検討する。
第3回
修士論文の作成作業(3) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、検討する。
第4回
修士論文の作成作業(4) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、検討する。
第5回
修士論文の作成作業(5) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、検討する。
第6回
修士論文の作成作業(6) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、検討する。
第7回
修士論文の作成作業(7) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、検討する。
第8回
修士論文の作成作業(8) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、検討する。
第9回
修士論文の作成作業(9) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、検討する。
第 10 回 修士論文の作成作業(10) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、検討する。
第 11 回 修士論文の作成作業(11) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、検討する。
第 12 回 修士論文の作成作業(12) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、最終的な
検討を行う。
第 13 回 修士論文の作成作業(13) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、最終的な
検討を行う。
第 14 回 修士論文の作成作業(14) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、最終的な
検討を行う。
第 15 回 修士論文の作成作業(15) 各自のテーマにあわせて、修士論文の
作成のための作業を実施し、最終的な
検討を行う。
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】
各自の修士論文の作業を継続的に実施する。
【テキスト(教科書)】
随時、指定する。
【参考書】
随時、指定する。
【成績評価の方法と基準】
出席(50 %)および日常点(50 %)
【学生の意見(授業改善アンケート等)からの気づき】
受講者数少数のためアンケートを実施していないため、該当なし。
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環境マネジメント専攻
【担当教員の専門分野等】
<専門領域> 環境社会学 社会運動論 地域社会学
<研究テーマ> 社会運動のイベント分析、市民運動の事例研究(生活クラ
ブ生協、市民風車運動・事業など)
、水害の記憶と環境教育に関する社会学的
研究、再生可能エネルギーと内発的発展に関する社会学的研究
<主要研究業績>
『環境と社会』(共編著、人文書院、2012 年)
『フィールドから考える地域環境』(共編著、ミネルヴァ書房、2012 年)
『用水のあるまち』(共編著、法政大学出版局、2010 年)
『抗いの条件−社会運動の文化的アプローチ』(単著、人文書院、2008 年)
The rise of community wind power in Japan: enhanced acceptance
through social innovation" Energy Policy 35(2007 年・共著)
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