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とびだせ!市民レポーター
★レポーター5人が交代で甲府市の魅力やイベントなどを紹介します。 ★ ★ ★ ★ とびだせ!市民レポーター ! ★ ★ ★ ~村岡花子の世界を感じに県立文学館へ行こう!~ 「赤毛のアン」の翻訳者で甲府市出身の村岡花子さん。彼女については過去 の広報こうふでも紹介されていますが、ご覧になりましたか? 今月は文学という観点からみた「村岡花子」と県立文学館で開催される「村 岡花子展」を紹介したいと思います。 甲府市と関わりが深かった花子 花子は明治 26 年に甲府で生まれ、東京に移る 5歳までを甲府で過ごしました。また大正3~8 年までは、山梨英和女学校の教師として赴任し、 甲府で生活していました。赴任を終え東京へ帰っ た後も、たびたび甲府に来ていたそうです。 教師として山梨英和女学校で教えていたころの エピソードとしては、花 子自身の随筆の中で、 「生 徒の家に招かれて葡萄や ほうとうをごちそうにな ったこと」 「山梨の男性と お見合いを勧められて困 ったこと」などが書かれ、 出身地である甲府と関わ りが深いことがうかがえ ▲山梨英和女学校で教師を ます。 していた頃の村岡花子 ⓒ赤毛のアン記念館・村岡花子文庫 母としての花子 翻訳者・児童文学者として知られる花子ですが、 母としての一面もあります。 花子には長男・道雄がいましたが、その時猛威 を振るった疫痢にかかり、幼くしてこの世を去り ました。生活を支えるために、児童文学を書いて いたということもありますが、 やはり母であった花子は、「子 どもたちに児童文学を読ませた い」という強い思いもあって書 いていたのでしょう。 花子が翻訳した本の共通点 は、それまで日本ではまだあま り紹介されていなかった、子ど もも大人も楽しめる家庭文学だ ったといいます。翻訳の多くは ▲ 村 岡 花 子 に よ っ て 日 本 で 初 め て 翻 訳・ 刊 行 少年少女から大人までが楽しめ された『赤毛のアン』 1952 年5月三笠書房(山梨県立 る作品となっています。 文学館蔵) 県立文学館で開催! 「村岡花子展 ことばの虹を架ける~山梨からアンの世界へ~」 文学館では常設展示に「花子のコーナー」があり ます。1 つのケースの中に、花子の書いた原稿や 本などを入れ替えながら、解説文や写真を添え、 花子の仕事ぶりがわかるような展示になっている そうです。 加えて、今月からは企画展として「村岡花子展」 が行われます。企画展の内容や見どころについて 県立文学館学芸課の高室有 子さんに聞きました。 企画展の見どころは、「花 子の生涯は、明治から大正・ 昭和にかけて、日本の歴史 が大きく動いた時代でした。 関東大震災では夫の会社が 焼けてしまったり、長男を 幼くして亡くしたりと、大 きな苦難や悲しみに見舞わ れています。それでも前向 きに、積極的に仕事をして ▲村岡花子「赤毛のアン」 いた花子のことを知ってい (第三章冒頭)翻訳原稿 ⓒ赤毛のアン記念館・村岡花子文庫 ただければと思います。」と話していました。 ぜひ、皆さんもこの企画展を見に、文学館を訪 ねてみてください! 開催期間 4月 12 日㈯~6月 29 日㈰ 会場 県立文学館 内容 花子の生涯・若いころに詠んだ短歌・交 友関係などの紹介、原稿・手紙・愛用した着物・ 筆記用具などの展示、「赤毛のアン」の主人公・ アンの部屋をイメージして再現したコーナー ■編集後記 なかなか行く機会のなかった文学館ですが、花子の 企画展にはぜひ行ってみたいと思いました。 市民レポーターになり、1年が過ぎようとしていま す。今回のレポートが最後になります が、原稿作成にあたりご協力いただい た方々に、この場をお借りしてお礼を 言いたいと思います。ありがとうござ いました。 今月の担当レポーター/山岸由紀 ★市民レポーターとは… 市のイベントや地域の文化・福祉・観光など、甲府市の魅力を市民の目線 から広報誌とホームページ(ブログ)を通じてわかりやすくお伝えします。 25 平成26(2014)年/4月号