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●町有林管理事業団の仕事のサイクル
町有林の管理
皆伐
春
春
間伐
整備(保育)
植林
秋
秋
下刈
夏
※年度によって作業の割合は変わってきます。樹木は何十年という時をかけて生育され
ます。なので、植林作業がない年度もあれば、間伐がない年度もあります。
※そのほか、下刈り作業とは違い、除伐作業という整備目的で雑木刈りを行う作業も
あります。
●町有林管理事業団の意義
森林の林には、国有林、県有林、町有林、私有林等と保有する組織体が分かれております。
加美町の森林は町有林に該当し、町有林管理事業団はその町有林を管理している団体です。
森林の割合が約 7 割もある加美町とって森林は貴重な町の資源であり、財産です。
その加美町の貴重な資源・財産を管理し、森林の価値を次世代につなげていくことが事業
団の存在意義です。
1
皆伐作業
・皆伐作業とは、ある程度まで育った杉の木をすべて伐採する作業のことを
呼びます。
Q.なぜ皆伐作業を行うのか?
・順調に育った杉の木は樹齢 90 年~100 年以上経過してしまうと二酸化
炭素の吸収機能がなくなり、樹木としての価値がなくなってしまいます。
・なので、価値を保ったままの状態で杉の木を伐採し、なおかつ次の世代の
価値ある杉の木を育てるべく、皆伐作業を行わなければなりません。
皆伐後の作業現場
・作業後は切り株や作業の過程で生じた杉の木の枝葉、作業の妨げになる
ため切り倒した雑木しか残りません。
2
植林作業
・植林作業とは、杉の木を皆伐した跡地に杉の木の苗を植える作業を
呼びます。
・植林作業のまえには、地拵えという作業をしなければなりません。
この地拵え作業とは、植林を春先等に行うときに、根付きがしやすく
なるように、皆伐の跡地の整備をすることを指します。これをしないと
植林した杉の木の苗の生育に悪影響(成長が遅くなる)をもたらします。
地拵え作業の様子
地拵えにより醸成された土地(畝が形成されています)
3
・地拵え作業の大まかな部分は重機を使用して行うことがほとんどです
が、細かい調整等はやはり機械ではできません。細かいところの調整作業
のひとつひとつを手作業で行うことにより、根付きがしやすい土地にする
ことができます。
・地拵え作業が整いしだい、植林をおこなっていきます。下記の写真は業者
から杉の木の苗が運ばれてきて、並べられた様子です。この時は山形から
運ばれてきました。
4
苗は一束で150本ほどになっており、それを小分けにして、植林してい
きます。
5
植林作業をする際には、隣の苗と1.8mずつ間隔を空けて植えていきます。
写真は斜面に3人が並んで下から上にむかって植林している様子です。
Q.なぜ植林作業を行うのか?
・皆伐した跡地をそのままの状態にしてしまえば、雑草等が繁殖してしまい
荒地状態になってしまいます。
・皆伐した土地を価値ある場所にするべく植林作業は必要となります。
6
下刈り作業
・下刈り作業とは、杉の木の苗を植林してから約5年間、杉の木の生育を
促すために、栄養分を吸い取ってしまう周辺の雑草を刈る作業のことを
呼びます。
雑草を刈った後には杉の木だけが残ります。
・毎年約5年間、夏の季節(7月~8月頃まで)にこの下刈り作業を
行います。
7
下刈り前
下刈り後
8
下刈り作業時には、写真のような刈払機を使って下草を刈っていきます。
Q.なぜ下刈り作業を行うのか?
・植林した杉の木の成長を促すために下刈り作業を行います。
・上記の写真でも散見できるように、杉の木よりも周辺の雑草のほうが
成長スピードが早いため、成長スピードが雑草よりも遅い杉の木が雑
草に埋もれてしまいます。
・このまま放置した状態にしてしまうと、土からの栄養が周辺の雑草に
奪われてしまい、杉の木の生育に悪影響を及ぼします。
・ですので、杉の木がある程度まで成長する約5年間は下刈り作業が必
要となります。
※また、下刈り作業を行うことは肥沃な土壌の形成にもつながります。
9
間伐作業
・間伐作業とは、ある程度生育が経過した杉の木の中で、成長具合が思わし
くなく細いままの杉の木を間引く作業のことを呼びます。
・細い杉の木を伐採し、生育の良い太い杉の木を残します
間伐前
間伐後
10
・場合によって、杉の木だけではなく、森林整備のためにナラの木等の
樹木も間伐することもあります。
間伐前(コナラの木)
間伐後(コナラの木)
11
間伐作業の様子です。間伐はチェーンソー等を扱う危険作業であるため、必
ず写真のような安全具(通称チャップス)を装着しておこなわないとなりま
せん。また、周囲20mほどに他の作業員が作業をしていないかも確認して
からおこなわないと重大な事故につながる危険があることも忘れてはなりま
せん。
Q.なぜ間伐作業を行うのか?
・間伐の目的は植栽木の密度を減少させ、残った立木の競争を緩和し、肥大成
長を促進することがあります。
・間伐をしない密集した林では、木が細く倒れやすい樹木しか生育されません
(細いモヤシ状に育つ)。
・このようになった樹木は強風や冠雪に弱く倒れやすくなり、災害にもつなが
ります。
・また、間伐をしない土地の下層植生がなくなり、土地が痩せていき、森林の
公益的機能も失われます。
12
冬季期間の事業団の業務について
・2015年度より、冬季期間も町有林事業団の業務をおこなうこととなりまし
た。業務内容としては炭造り作業や薪造り作業等、山に行かなくともできる業務
をおこなっております。
薪造り作業
13
先ずは、加美町の町有林地から広葉樹のみを伐採します。伐採した広葉樹はトラ
ックの荷台に積んで薪割りをする作業場まで運んでいきます。写真は、桜の木を
伐採してトラックに積んでいる様子です。
現場で伐採した広葉樹を作業場に集積した様子です。
薪割り機械で薪になる丸太を半分に割ります。
14
薪割り機で半分にした広葉樹を今度は三等分ほどにして薪を作製します。ここ
の工程は斧を使用して手作業で割っていきます。
割った薪を積んでいる様子です。崩れてしまわないように、バランスを考えて積
んでいかないといけません。
15
薪を積み終えた様子です。風通しが良くなるように積んでいかないと上手に乾
燥がされません。少しの隙間をつくりながらまた、バランスを保ちながら積む技
術が必要となります。
Q.なぜ薪は広葉樹なのか?
・一般的に薪の原料となるのはナラの木やクリの木などの広葉樹となります。
・針葉樹に代表されるスギの木やマツの木が薪にならないわけではありません
が、針葉樹を薪にした場合、油分が多く、火持ちも悪いため薪ストーブ等に
使用するには向きません。
・なので、薪は広葉樹で製造するのが良いとされています。
16
炭造り作業
加美町小野田地区にある荒沢自然館の敷地に炭窯小屋があります。屋根部分は
トダン板で作りました。
炭窯小屋の中の様子です。窯自体は赤土と水を練りこんだ材料で作った土窯と
なります。
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製造した炭は手作業で炭窯の中から取り出します。
上質な炭が出来上がりました。ちなみに主に炭の原料となるのはナラの木にな
ります。
18
一度の炭造り作業で、20袋ほどの炭が製造できました。
完成した炭は15cmほどにノコギリでカットして袋詰めにします。
19
袋詰めをしたら炭造りの工程も完了となります。
Q.なぜ炭はナラの木で製造するのが最適なのか?
・炭の原材料にナラの木が使用されるのは、樹木の水分保有量や材質の堅さな
どの性質上、他の樹木よりも上質な炭が出来上がるからです。
・例えば、材質のやわらかい杉の木で炭を製造した場合、炭焼きの工程で炭の
形が保てず、消し炭になってしまいます。
・このことから、ナラの木が炭焼きには最適となっております。
※地域によっては藤の木で炭を製造しているところもあり、高級料亭では藤の
炭を使用している事例もあるようです。ちなみに試験的に事業団でも藤の炭
を製造してみましたが、木の肌もきれいに残った上質な炭が出来ました。
20
町有林管理事業団の作業員の方々
加美町の森林整備対策室管轄である町有林管理事業団の方7名
※中央の下段の作業員は加美町地域おこし協力隊の佐々木隊員です。
・町有林管理事業団は四季を通して、加美町の森林資源を管理、保全、
循環させる業務をおこなっております。
・事業団のみなさんは和気あいあいといった雰囲気です(笑)
・加美町では林業の地域おこし協力隊として一緒に仕事に携わってくれ
る方を募集しております!!
・あなたも町有林管理事業団と一緒に、加美町の大自然を相手に働いて
みませんか?事業団一同お待ちしております!!
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