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大学院進学ガイド(日本語版)

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大学院進学ガイド(日本語版)
Yo k o h a m a N a t i o n a l U n i v e r s i t y
G r a du ate S ch o o l G u i d e
横 浜 から日本を 変 える!
世界 を 変 える!
開国・開港から150 年を迎えた国際都市、横浜。その開放性と先取の気風の中で横浜国
立大学は常に時代に先駆けた挑戦で進化を続けてきました。
実践的学術の国際拠点として 70 の国や地域から集まった留学生。
キャンパスの中に広がるグローバルな世界、世界基準を視野に入れた教育・研究の成果を未
来に向けて発信していきます。
Contents
01
02
学長挨拶
15
環境情報学府
03
教育学研究科
19
都市イノベーション学府
07
国際社会科学府
23
横浜市の紹介
11
工学府
25
授業料・奨学金・お問い合わせ 等
Yokohama National University
Yo k o h a m a N a t i o n a l U n i v e r s i t y
G r a du ate S ch o o l G u i d e
文理融合の研究を実践し、
グローバル新時代にふさわしい人材を
育てる大学を目指します。
横浜国立大学は、その源流となる教員養成所の設置から142年、
神奈川・横浜を拠点とする国立大学として67年となります。この間、
天変地異の発生や時代の変遷のなか、社会で活躍できる実践的人
材の輩出を先導的に果たしてきました。研究の分野では日本の文化・
産業にとどまらず世界に通用する多くの成果を発信してきました。
本学は「人文科学」
「社会科学」
「自然科学」という 3 つの分野
の教育・研究ができる環境にあります。そして、それらの分野が融
合し、教育・研究を実践できるという強みがあります。これらを源
にして、経済成長の軸がアジアなど新興国へシフトしているという
グローバル新時代を解明するため、融合的な研究を進めるととも
に、それらの研究成果を実践的な成果として、地域や国全体の政
策に活かすべく努力しています。
国際交流の活発性も、本学の強みです。本学には多くの留学生が、アジアで初めて先進国入りを果た
した日本の経験、技術を学ぶべく、勉学、研究に励んでいます。学内には、多様な言語、文化、宗教が
存在し、海外における卒業生のネットワークも大変強固なものがあります。そのような環境の中、グロー
バルな視点だけでなく、地域に根差したローカルな視点を持ち合わせた人材育成をグローバル新時代に
向けて先進的に進めて行きます。
横浜国立大学は、
「実践性」
「先進性」
「開放性」
「国際性」を大学の憲章に掲げています。これら 4
つの精神の下、世界に向って活動し、地域社会に貢献する大学としてさらなる努力・研鑽を続けていきます。
2015 年 4 月
横浜国立大学 学長 長谷部勇一
Yokohama National University
02
Yo k o h a m a N a t i o n a l U n i v e r s i t y
G r a du ate S ch o o l G u i d e
教育学研究科
Graduate School of Education
【修士課程】
1.
2.
3.
複雑化する時代のニーズに対応
環境・福祉・人権などの諸課題に対応
高度な専門的知識の習得と
1専攻2コース16専門領域・専修
教科横断的な学習分野の教育・研究
実践的な指導能力の練磨
臨床的・実践的な能力を兼ね備えた教育者の養成
教育学研究科は教育系学部に基盤を置く大学院修士課程として、理論的見地と実践的見地の 2 つの立
場を共に重視しながら、教育に関する高度の専門性を有する教員の養成を目標としており、既にそうし
た教員を数多くの学校教育の現場に送り出している。修了者たちは、理論的、実践的な知見を生かして、
小学校、中学校などの現場で活躍することで、学校や地域の教育現場で教育研究の強力な推進者になる
ことが社会からも強く要請されている。
03
Yokohama National University
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G r a du ate S ch o o l G u i d e
教育デザインコース
◆臨床教育
教育関係者の実践的リカレント教育をその目的
に含みつつ,具体的には,カリキュラム・マネジ
メントや授業の具体を対象とした臨床的な研究,
教育の情報化に関わる実践的な研究や,学校教
育における不登校,いじめ,学級崩壊等の臨床
的な諸問題について,その要因の分析と対処法
書写書道教育学などの諸学問の成果の上に立ち,
現代の学校教育における言語文化の伝達と創造
を,どのように実践的に展開したらいいのかを明
らかにすることを目的とする。人間形成にどのよ
うに言語文化が関わるのかを研究する。
◆英語
に関わる実践的な研究を推 進し,その上で,臨
英語教育学,第二言語習得論,英語学,英米文
床教育の場面で有効に機能する具体的なシステ
学などの諸学問を融合させながら,今日の英語
ムを構築することのできる高度な実践的能力の
教育が直面する諸課題の解決や英語圏の言語文
形成を目指す。
化の研究に必要な知識や技能の修得を目指す。
◆教育学
◆社会
複雑化した現代社会の人間形成と学校教育の問
学校教育における社会系教科の教育課程と児童・
題を多面的かつ構造的に理解し,これからの教
生徒の社会認識の発達段階を踏まえて,社会の
育環境を総合的にデザインできる専門的力量を
変化に対応した社会認識の育成・深化を図り,社
養成する。理論的,臨床的研究を通じて獲得し
会参加能力の育成を促すうえで必要な学習内容
た教育デザインの力で,実際の教育場面におい
の在り方や学習指導過程,及びその基盤をなす
て活用できる理論と実践の力量を身につける。
社会科学や人文科学について研究し,高度な理
論的かつ実践的な力量の育成を目指す。
◆心理学
教授学習,認知,教育臨床,発達などの実証的
◆数学
研究に基づき,学校内外での学習・生活・実践の
算数・数学の教授学習論と基礎数学及び応用数
場面において心理学的支援を行い,児童・生徒・
学とを融合させながら,今日の算数・数学教育の
学生等の発達や教育の発展に寄与するために必
諸課題を解決するのに必要な知識や技能の修得
要とされる高度な知識と技能の修得を目指す。
を目指す。
◆日本語教育
日本語教育学,日本語学,日本事情などの諸学
問の成果の上に立ち,日本語を母語としない人々
や子どもたちにどのように日本語の力を付けるの
かを明らかにすることを目指す。
◆国語
国 語 教 育学,国 語 学,日本 文 学,中国 古典 学,
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G r a du ate S ch o o l G u i d e
教育デザインコース
◆理科
今日の理科教育が直面している諸課題を,理科
の教授学習論と物理学,化学,生命科学,地球
科学等の諸科学と融合させながら,解決するの
に必要な知識や技能の修得を目指す。
◆技術
技術と生活とのかかわりを視野に入れながら自
然の法則性を適用した合理的なものづくりの実
践力とともに,現代の生活に大きな影響を与える
テクノロジーについて,それを公正に評価するこ
とのできる能力を持った児童・生徒の育成を目指
して,理論的・実践的指導力を身に付ける。
◆家政
イメージが散乱する中,主体と世界との関係を捉
えなおさなければならない。教育の目的や今日
的課題に照らしたカリキュラム開発や実践的方法
論の展開を通してそれらに応えていくことを目的
とする。また,美術の現在や時代の急激な変化
に対応する電子メディアを取り入れたデザイン教
育なども重視する。
◆保健体育
児童・生徒の体力向上,青少年の積極的なスポー
ツ参加,成人と高齢者のアクティブライフ等の今
日的な課題を,保健体育や健康教育という広域
科学としての視点から分析・批判できるような学
生の能力を高めるとともに,彼らの課題固有の
問題を発見する能力と問題を解決する能力の育
家族,子どもや高齢者,衣生活,食生活,住生
成を図る。さらに,身体にかかわる教育の質的
活等に関する生活課題を総合的に追究すること
な意義を問い直すなかで,対症的解決の積み重
を通して,人間の生涯にわたる成長・発達の上で
ねではなく根本的な問題解決を策定し,実効性
重要な家庭生活の様相を多面的に把握するとと
のあるカリキュラム開発を可能とするような保健
もに,現代生活における問題解決や支援の方法
体育および健康教育の専門的指導者の養成に取
を探求し,多様化する生活を主体的に生きるため
り組む。
の実践力と指導力を身に付ける。
◆音楽
現代の学校や社会における教育的課題に対して,
音楽がどのような役割を担っているかが問われて
いる。音楽そのものの理解と研究,そしてそれ
に基づいた方法を探究しながら,教育の目的や
今日的課題に照らしたカリキュラム開発,および
実践論を研究することを目的とする。
◆美術
美術は,共同体であろうと個人であろうと,主体
と世界の関係を構造化し,それによって主体位置
05
規定を与えてきた。今日,主体との関係を欠いた
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特別支援教育・臨床心理学コース
◆特別支援教育専修
◆臨床心理学専修
特別支援教育専修では、現代の学校、家庭、地
平成 15 年度から財団法人日本臨床心理士資格
域社会における子どもの発達を踏まえ、多種多様
認定協会より臨床心理士大学院指定制度による
な障害児の障害の様相や発達の程度、さらには
第一種大学院の指定を受け,臨床心理士の養成
環境条件を含むその他の諸特性について正しく
を行っている。心の問題への対応に欠かせない
理解するための専門的知識と技能を養うと共に、
理論的理解を基礎として学び,病院や学校,教
それらに基づいて個々の障害児に適合した教育的
育センターなどでの学外実習や,学内の教育相
支援の理論と技法を開発し、学校現場で即応で
談・支援総合センター常盤台相談室での実習を
きる高度な実践的能力の形成を目指す。本専修
積み重ねることで,修了後に実践的に活躍するこ
では、現職教員をはじめとした教育活動に関わる
とのできる臨床心理士の育成を目的とする。
社会人のリカレント教育も行い、現代社会におけ
る子どもの発達を特別支援教育や社会福祉の視
点から研究、教育することを目的とする。
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国際社会科学府
Graduate School of International Social Sciences
【博士課程前期・後期】
1.
5年一貫教育の充実
2.
3.
専攻横断
教育プログラムの新設
英語による
教育プログラムの充実
世界をフィールドに横浜から未来を拓く
本学府は、博士課程前期・後期一貫型の経済学・経営学・国際経済法学の3専攻および法科大学院から
なる大学院である。国際性ある実践的教育により、グローバル新時代に求められる人材を養成する。
博士課程前期
07
◆経済学専攻
えている。経済学専攻博士課程前期では、国際社会
新興国が急速に発展し、東アジアから東南アジアでの
専攻を経済学専攻に統合、経済学の基礎となるコア
地域経済統合が広がる一方、先進国の深刻な財政赤
科目を必修とし、コースワークと研究指導が有機的に
字、国際資本移動の拡大・加速や為替レートの不安定
結びついた体系的な教育を実施する。経済・経営・法
化など、経済社会のグローバル化は新たな段階を迎
学を有する社会科学系総合大学院の特徴を生かした
Yokohama National University
科学研究科(国際社会科学府の前身)の国際経済学
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専攻横断型の学府共通科目群を新設し、幅広い専門
知識を身につけたジェネラリストを養成する。
◆国際経済法学専攻
憲 法、民法、刑法などを中心に、六 法分野から環 境
◆経営学専攻
法や通商法などの応用法までを着実に修得するために
日本企業の東アジア・東南アジア依存が高まるグロー
行う。法学・政治学研究に必要 不 可欠な法 解 釈の技
バル新時代の到来により、異なる商習慣に適応できる
法や判例の分析方法、現代政治過程の分析方法を身
人材や企業の国際競争力を高められる人材が求められ
につけるため、
「法律文献情報」と「法学原論」、もし
ている。本専攻では、グローバル・レベルで通用する
くは「政治学原論」の履修が求められる。憲法、民法、
経営学とその関連領域に精通し、ビジネスシーンでの
刑法などの基 本分野のほか、租税法、社会保障法な
問題解決能力を有する、国際的に活躍できる実践的ス
どの応用分野、政治学、行政学や開発協力論などの
ペシャリストを養成する。
政治行政分野まで、体系的に修得できる充実したカリ
カリキュラムは、経営学、会計学、経営システム分野
キュラムとなっている。
の各専門的知識が体系的かつ効果的に習得できるよう
基本分野を中心に、応用分野を含む理論的でかつ実践
工夫されており、アジア地域等で国際展開する企業を
的な教育により、法学・政治学の高度な知識の修得とそ
対象とした国際経営特論、アジア諸国と日本の企業を
れに基づく深い思考力を養う。また、開発協力分野で
比較する比較経営特論などを含むグローバル新時代
は国際開発ガバナンス EP を設置し、躍進するアジアを
を意識したものとなっている。研究テーマは、各専門
中心に国際フィールドで通用する、高度専門家人材需要
分野のテーマのみならず、シミュレーションに基づく
にも応える。修了後は、本学府博士課程後期への進学
戦略論、金融派生商品会計、金融マーケティングなど
のほか、法律関連業務を担当する専門家、国および自
融合的なものも選ぶことができる。
治体の行政職、国際機関職員、国際取引に関わる企業
コア科目群を設置し、コースワークを重視した教育を
の法務担当者などに進路を求める人材を養成する。
博士課程後期
◆経済学専攻
◆経営学専攻
博士課程後期では、グローバル化した現代の経済社
経営学専攻は、グローバル化した現代企業や、それを
会を高度な手法の経済学によって分析する能力を身に
取り巻く環境等に関わる諸問題を、経営学および関連
つける専門教育を実施する。発展する東アジア・東南
諸科学によって分析する能力を養う教育を実践する。経
アジアなどのニーズに応え、途上国経済構造研究、環
営学・会計学・経営システム各分野で学界への貢献が可
境経済研究などの科目を増設し、ゼミナールを必修と
能な人材を育成するとともに、応用研究を実務にフィー
して少人数教育を強化するとともに、産官学共同研究
ドバックできる高度専門職業人の養成にも力を注ぐ。
や国際共同研究に院生を参画させるリサーチ・プラク
カリキュラムは、博士課程前期との一貫的教育により、
ティカム、ワークショップ等を通じて実践的研究力を
効率的な研究の継続・発展へと導くよう設計されてい
培う。
る。また、論文が優れた成果となるよう段階的に科目
経済学・経営学・国際経済法学の専攻横断型教育プロ
を配置するとともに、教員3名による充実した指導体
グラムである国際公共政策教育プログラムや、英語の
制をとっている。意欲の高い MBA コース修了者には、
みで博士学位が取得できる国際経済プログラムを実施
創造的で実現性の高い企業戦略を指向する 「グローバ
し、広く世界で活躍する人材の養成に力を注ぐ。経済
ル・ビジネスドクター EP(Education Program)」 や、
学に関する最先端で高度な専門的能力や、現代経済
研究の継続が可能な高度専門教育を提供している。ま
社会を分析できる能力を身につけた修了生は、国内外
た、英語のみで学位を取得できる「英語 EP(日本的経
の大学教員やシンクタンク、国際展開する企業の調査・
営)」を開設し、東アジア・東南アジアでの人材需要に
研究部門での活躍が期待される。
応える。
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◆国際経済法学専攻
グローバル化した現代の諸課題を法学・政治学の手法
によって分析するとともに、発展する東アジア・東南ア
ジアでの実地調査をも含めた教育研究も行う。本専攻
の 伝 統 である知的財産 法や 経 済法 の 教育 研究に加え
て、六法分野や法政策分野、開発協力分野についても
充実したカリキュラムと研究指導により、学生の需要に
応じた法学政治学教育を行い、世界の法学・政治学研
究の成果の上に新たな知見を開拓する専門的研究体制
を拡充している。
さらに、
「産官学共同研究」
「
、国際共同研究」
「
、海外フィー
ルドワーク調査」など各種プロジェクトを通じた国内外
での研究発表・国際研究交流などによって、学生の研
究の発展や多様なキャリアパスを実現。専攻横断型の
2 つの EP〈国際公共政策 EP、租税法・会計 EP〉や
英語 EP も設置し、修了後には国内外の研究職(大学
教員など)のほか、専門性を有する弁護士や税 理士
などの実務専門家、国および自治体の行政職や国際
機関、国際取引に関わる企業において、政策立案や高
度な問題発見・解決能力を発揮するグローバル人材を
育成する。
専攻横断教育プログラム
博士課程後期に開設される日本語による専攻横断型 EP
(Education Program)—「国際公共政策 EP」と「租
税法・会計 EP」—は、それぞれのプログラムが設置さ
れた専攻に所属する学生であれば受講可能である。
国際公共政策教育プログラム
[博士課程後期/経済学・経営学・国際経済法学]
貧困問題や持続可能な発展、各国住民のケイパビリティ
の拡大など、21 世紀のグローバル・イシューに対する
国際的な公共政策、政策協調について、比較制度研究・
歴史研究・実証分析を駆使した学際的・融合的アプロー
チにより研究する。経済学、経営学及び国際経済法学
の三 分 野 の 専 攻 所属 教 員 が 提 供する講 義と、行 政お
よび国際機関と協働で行うワークショップやフィールド
ワークなどの特別授業によって、グローバル・イシュー
の解決に向けた、理論と実務の統合を目指した教育を
行う。
租税法・会計教育プログラム
[博士課程後期/国際経済法学・経営学]
国内外で企業会計・税 務の実務経 験を積んだ公認会
計士、弁護士が実務家教員として参画し、理論と実務
の実質的な統合、実務の理論への貢献、成果の社会
還元につながる教育を行う。学生は会計学と租税法
学のいずれかに軸足を置きながら両者の関係につい
て理論と実務の双方からアプローチする。講義内容は、
租税法と企業会計の理論レベルでの相互関係、租税
法学の方法としての会計思考や、情報科学としての会
計学における租税法学的思考の研究、企業行動の実
需・実務と租税法理論・企業会計理論の緊張関係の分
析と成果の社会還元などである。
英語によるプログラム
2013 年 秋に、英語による大学院プログラムを新設した。
留学生に対して魅力的な教育サービスを提 供するために、
これらのプログラムでは、教育の過程を通して英語を利用す
る。出願から、講義、試験、研究指導、論文執筆、そして
最終審査に至るまで、日本語の知識は一切、要求されない。
横浜の国際性を反映し、これらのプログラムでは、アジア
をはじめ世界の国々から多くの留学生達が学んでいる。
09
Yokohama National University
経済学専攻[博士課程前期・後期]
国際経済プログラム
国際的な舞台で活躍できる研究者、専門家、プロフェッ
ショナルとして働くことを切望する、やる気に満ちた優
秀な世界中の学生のために、国際 社会科学府経済学
専攻は、世界最高標準の経済学の理論、実証のツール、
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G r a du ate S ch o o l G u i d e
政策的関連性のある学識を学生に提供するよう設計さ
れた、完全に英語で教育される 2 つの大学院プログラ
ム(博士前期・後期)を 2013 年に開設した。私たち
のプログラムには特色が 2 つある。第一に、国際経済
学と労働経済学に重点を置くアメリカ流の経済学プロ
グラムを提供する。第二に、比較経済制度とポリティ
カルエコノミーのアプローチを採用する政策志向型の
プログラムも提供する。
経営学専攻[博士課程後期]
日本的経営プログラム
世界経済のグローバル化と歩調を合わせ、日本企業も
世界中で経営活動を行っている。このような日本企業
の発展は世界中の注目を集め、
「日本的経営」として
知られている。日本企業の特徴は様々であり、それは
世界各国・地域と比較することで新たな知見を与えて
くれる。本プログラムでは、このような「日本的経営」
に興味を持ち、これに基づいて、各国・地域の企業経
営に関する研究を希望する学生を教育 対 象としてい
る。このような
「日本的経営」に関する研究実施により、
グローバルな経営の本質を理解した専門研究者および
高度な研究基盤を持つ実務家の養成を目指している。
国際経済法学専攻[博士課程後期]
トランスナショナル法政策
国際経済法学専攻では、授業及び論文指導をすべて
英語で行うトランスナショナル法政策プログラムを提
供する。このプログラムは、国際的な政 策 形成の場
で活躍する国際機関やトランスナショナル市民社会組
織(いわゆる国際 NGO)などで働くために必要な法
的知識や実践的な知の技法を身につけることを目的と
するもので、世界中から意欲ある人材を募集している。
このプログラムの修了者には、高度な研究能力を有す
る実務家又は実践的知識の豊かな研究者として、自ら
の研究成果を国際会議で発表したり、英語で専門論
文を投稿したりすることができるようになることを期
待している。
[ 英語による留学生特別プログラム ]
途上国の公務員を対象としたマスター・コース
本学府では、博士課程前期(修士課程)において英語
による特別プログラムとして、3 コースが設けられて
いる。設置年順に次の通り。(1)世界銀行と提携し
ている
「公共政策と租税 博士課程前期コース
(PPT)
」
プログラムで(96年開設)、院生は各国財務 省税 務
官僚が中心。プラティカムについては日本の国税庁税
務大学校と提携している。
(2)インドネシア企画庁と
提携している「インドネシア・リンケージ・プログラム」
(ILP)で、院生は企画庁職員。1年目はインドネシ
アの大学、2年目が本学府で、院生は両大学から2つ
の修士号を得る、全国的にもめずらしいダブル・ディ
グリー課程である。
(3)アフリカの学生のための人材
育成イニシアティブ(* AEBI)プログラムで、2014
年10月より受入れを開始した。これら以外に、過去
にはWCO(世界関税機構)、IDB(米州開発銀行)、
IMF(国際通貨基金)、JICA(国際協力機構)の奨
学生の受 入実績がある。これらを修了した院生は各
国政府へもどって様々なレベルで発展に寄与し、国税
長官も輩出している。人材育成を通じた発展途上国の
自立的発展に寄与している。国際的に高い教育水準を
維持しており、世界銀行や各国政府から高く評価され
ている。
* YNU 呼称
Yokohama National University
10
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工学府
Graduate School of Engineering
[博士課程前期・後期]
1.
2.
3.
学内外の共同研究、国際共同研究、
実務型技術者・研究者の育成をめざし、 分野融合型科学技術に対応
国家的研究プロジェクト等への参画
わが国初の新しい教育方法を導入
より広い範囲での深い教育
高度研究による学問のフロンティアを探求
本大学院教育では、自ら課題探求し、未知の問題に対して幅広い視野から総合的な判断を下すことがで
きるフロンティア精神に富んだ技術者・研究者を養成する。自らの専門分野のみならず、広く他分野の研
究と技術に目を向ける能力を開拓する教育を取り入れている。目標を①高度な専門教育、②分野融合型
科学技術に対応し得る広い視野からの教育と定め、これを実現するため3専攻を設置している。独創的
な科学と技術を創造・研究・開発し、新たな学問と産業を主体的に切り拓く創造性豊かな発展型開発技
術者・研究者を養成する。2007 年度より、分野融合型科学技術に対応できる広い視野を持ち、産業界
で即戦力となる「実務家型技術者・研究者」を養成する新しい大学院教育システム、スタジオ(工房)教
育システムを導入している。
11
Yokohama National University
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G r a du ate S ch o o l G u i d e
機能発現工学専攻
自然環境と調和し、資源・エネルギーを効率よく
利用するための材料・物質・プロセスの開発に関
する教育を行う。これらの専門家として、有機化
学、無機化学、化学工学、エネルギーなど広範
な分野の知識を修得し、幅広い視野と見識、国
際感覚を身につけ、総合的な判断力を持った人
材を育成する。
◆物質とエネルギーの創生工学コース
物質に関連する移動、反応、エネルギー変換等
の化学的、物理的事象を学問的に捉え、創エネ
ルギー(燃料電池・水素エネルギー等)
、バイオ
テクノロジー、未来型環境技術などの教育を行
い、先端科学技術を創生する高度な専門性を持
つ技術者・研究者の養成をめざす。
◆先端物質化学コース
生体関連物質を含む広範な物質の分子・材料設
計を行い、その合成方法の確立、機能解析を行
うことにより、健康で快適かつ持続可能社会を
支える先端物質化学に関する体系的な教育を行
う。課題探求能力と課題解決能力を備えた高度
な技術者・研究者の育成をめざす。
システム統合工学専攻
機械工学、海洋宇宙工学、材料工学はミクロな
構成要素を組み合わせ、高度なシステムをつくり
あげる工学。そのため本専攻では、科学を基礎
におく要素技術、要素の機能を引き出す設計技
術、社会や環境との調和を図る生産技術を統合
して高度システムを構築する教育と研究を行い、
開発技術者・生産技術者・システム技術者として
活躍できる実践的な人材を育成する。
◆機械システム工学コース
機械加工、熱流体エネルギー、機械システムな
どの機械工学における基盤的領域ならびに環境
工学、宇宙工学、生体・福祉 工学 等 の学際・先
端的分野に関して、理工学部における機械工学
◆海洋宇宙システム工学コース
海洋、大気圏、宇宙空間を利用するための船舶
海洋工学と航 空宇宙工学 の専門的教育により、
課題探求能力と課題解決能力を兼ね備えた高度
な専門技術者・研究者の養成をめざす。
◆材料設計工学コース
金属材料、化合 物、セラミックス、半 導体およ
びエネルギー材料における電子・光学的性質や
機械的性質などの様々な特性の発現原理と制御
法、材料創製プロセス、加工プロセス、再利用
ならびに材料評価に関する体系的な教育を行い、
高度な技術者・研究者を養成する。
分野の教育をさらに発展させることにより高度な
技術者・研究者の養成をめざす。
Yokohama National University
12
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G r a du ate S ch o o l G u i d e
物理情報工学専攻
電気工学・電子工学・通信工学・計算機工学・現
象解析・シミュレーション、および、それを支え
る基礎となる物理工学を融合させることにより、
基礎から応用まで幅広い教育を行う。電気、電子、
情報、素材などの各分野で実践的な技術者、シ
ステム管理者として活躍できる創造的な人材を養
成する。
◆物理工学コース
20世紀に急速な発展を遂げた物理学の研究手
法とコンピュータ科学を組み合わせて、機械・素
材・電気・情報などの広範な工学諸分野で活躍す
ることのできる創造的な技術者・研究者を養成す
る教育を行う。
◆電気電子ネットワークコース
技術革新の著しい電気工学・電子工学・通信工学・
計算機工学の分野において、理工学部における
電子情報工学分野の教育・研究をさらに発展さ
せることにより、未来を切り拓く斬新な技術の開
発と、その高度な応用に関わることができる技
術者・研究者の養成を行う。
大学院教育の新しい形を提示
既成の枠組みと異なる画期的な取り組み
[TED・PED プログラム]
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課題に対応できる実務家型技術者・研究者を育
成するための本学独自の教育プログラム ( ヨコハ
高度研究による学問のフロンティアを探求
マ方式大学院教育 )。博士課程前期では特定の
新たに本学独自の教育プログラムを実施
研究室に所属せず、実習・演習・研修 ( 長期イン
「TED プログラム」は従来の大学院課程。高度
ターンシップを含む ) を通じたコースワークを履
産業社会で創造的な活躍ができる発展型の高度
修し、修士論文の代わりに学習とプロジェクトの
技術者・研究者の育成を目指す。そのため、特定
成果を集積した成果物 ( ポートフォリオ ) をもと
の分野を専門的に学び、博士課程前期は修士論
に修了審査が行われる。一方、博士課程後期では、
文を、博士課程後期は博士論文を課し、それら
これまで通り博士論文の作成が課されるが、「高
を中心に修了審 査が行われる。
「PED プログラ
度なものづくり」 をめざす実務家型研究者として
ム」 は、多様化・高度化した産業社会の現代的
の視点から論文審査される。
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G r a du ate S ch o o l G u i d e
[社会人教育]
年より社会人学生の入学を受け入れ、多くの修了生
を出している。また論文博士についても多数の実
横浜国立大学工学部においては、昭和24年に第
績を有している。さらに平成12年度からは、物質
二部機械工学科と応用化学科が設けられて以来、
工学専攻に正式に大学院社会人講座設置が認めら
高等学校卒業後に企業で働く勤労青年に学部レベ
れ、同専攻の従来の4分野に列して本格的な大学
ルの工学教育を行う社会人教育を行ってきた。設
院レベル社会人教育を実施しようとしている。
置以来1960年代後半の高度経済成長時代まで
は、勉学意欲が盛んな勤労青年が多数在籍し、卒
[留学生教育]
業後は指導的な技術者・研究者として活躍する人
材を多く送り出してきた。しかし、時代の推移とと
本学の留学生教育の現状は、大学院教育がその
もに、昼間に専門的な職を持った勤労学生の数が
中心になっているといえる。
減少し、現在では学生定員の1割強程度となって、
工学府では平成 27 年 4 月に、産業界からの要
本来の第二部の目的からかけ離れた学生の構成と
求に応え
「科学技術分野におけるグローバル人材」
なっている。一方、大学院レベルの社会人教育のニー
を育成するため、全ての講義を英語で行うことと
ズは前節で述べた如く次第に高まり、将来はさら
した。学生はまた、海外の企業、機関や大学で
に高まることが十分に予想される。実際、横浜国
国境を越えて成果をあげる能力を開拓するため
立大学工学研究科においては、大学院設置基準第
に、海外インターンシップを行うことを推奨され
14条特例を適用することによって、前期課程につ
る。先進国や発展途上国に関わらず、留学生の
いては平成元年より、後期課程については平成2
入学を歓迎している。
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環境情報学府
Graduate School of Environment and Information Sciences
[博士課程前・後期]
1.
2.
3.
環境と情報の融合理解のため必修の
主・副専攻制度で複数の専攻に
学位論文の作成は複数指導制で対応
科学技術リテラシー教育
またがる学際的領域の研究
指導教員グループと指導委員会が支援
持続的社会の実現に向けた文理融合型大学院
環境情報学府では、科学技術のリテラシー(教養)と現在直面している様々な地球環境問題の解決に貢
献できる専門的知識と技術を有し、しかも先端的情報システムを高度に活用できる複眼的洞察力を持っ
た研究者、高度専門実務家などの育成をめざして、①21世紀において人類が克服すべき最大の課題で
ある環境問題を多面的に捉え、その高度専門知識を修得する。②急速に革新と進化を遂げている情報科
学分野での高度な専門的知識と技法を修得する。③社会のダイナミックな変化に対応したビジネス創生
と政策の企画立案を担う十分な技術マネジメント能力を修得する。④専門的・実践的な観点から、実践
的問題解決能力を修得した人材を育成する。以上に掲げた4つの理念の下に、大学院における教育研究
を実施している。
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環境生命学専攻
授業、実験・実習を通して、生命科学、応用科学、
地球科学に関する課題探究能力を身につけた研
究者、実務現場で活躍できる技術者、管理者な
どの人材を育成する。このため、分子・細胞レベ
ルのミクロな系から、地球・生態系のようなマク
ロな系まで複雑かつ階層的な地球生命システム
◆生命環境コース
生命・生命システムおよび様々な化学物質が、生
命、生活、生態システムに与える影響を教育し、
環境および生命科学関連分野で広く活躍できる
人材を育成する。
を総体的に捉え、人類にとって将来あるべき地
球環境像の実現に向けた方策と技術の教育研究
を行う。
◆地球環境コース
地球上の自然環境自体を総合的なシステムとして
捉え、そのメカニズムを教育し、実務現場で即
戦力となる技術者や研究機関職員等の人材を育
成する。
環境システム学専攻
人工環境の創造に関わる領域の教育を行う。人
工物のライフサイクルを視野に入れ、環境に調和
した材料、構造、システムの設計・構築と環境マ
テリアル学を教育する。循環型社会の実現に寄
与するために、グローバルな問題に対応でき、し
かも、実践的・創造的で幅広い政策立案から細
◆システムデザインコース
人工環境空間・移動体に関する環境調和型シス
テムの形成・維持・管理技術、システムデザイン
手法を教育し、実践的な政策立案から細かなコ
ンサルティングまで対応できる人材を育成する。
かなコンサルティングにまで対応できる人材を育
成する。
◆マテリアルシステムコース
デバイス、機械、構造物を形成するマテリアルの
物質循環・環境負荷・自然確保について教育し、
材料分野において創造的な政策立案ができる人
材を育成する。
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情報メディア環境学専攻
環境から情報を取り込み、新しい情報環境を構築する
ためのソフトウエアや情報処理技術に加え、情報コン
テンツに着目した情報の分析、モデル化、デザイン技
法を総合的に教育。情報メディア技術の根幹を支える
システム開発技術者やインテグレーターはもちろん、
環境アナリストやメディアクリエーターなど環境情報と
◆環境数理解析学コース
自然 界の複雑なシステムを解明するための数理
分析、関数解析手法、それを用いたシステム開発
を教育し、数理的思考能力に基づいた新しいシ
ステムを開発していける人材を育成する。
環境メディアに係る広範な人材を育成する。
◆情報メディア学コース
環境を含む様々なメディア情報からの意味抽出、環境
体系化、モデル化、データベース・ネットワークにおけ
る問題解決手法等を総合的に教育し、情報メディアに
関する深い理解と技術を持った人材を育成する。
環境イノベーションマネジメント専攻
イノベーションについての基 本的な考え方と推 進
戦略、社会環境や人の認識の変化と社会的需要な
どの社会的要因についての基礎知識、および地球
環境上の課題等についての知識を身につけ、イノ
ベーションをマネジメントする方法を企画立案し、
実行できる人材を養成する。
環境リスクマネジメント専攻
現代社会のリスク構造と社会的要因についての基盤
知識、人や動植物等の生命環境リスクおよび産業や
都市での事故、災害リスクについての基本的な考え
と見識を持った人材を養成する。
◆セイフティマネジメントコース
方、国内外の実態、および評価と改善等に必要な知
企業および国や地方自治体と関連団体等におけ
識と技術を身につけ、環境リスクをマネジメントする
る産業安全管理、社会システム安全管理、都市
方法を企画立案し、実行できる人材を養成する。
防災計画等の分野において、中核的役割を担う
高い専門性と見識を持った人材を養成する。
◆生命環境マネジメントコース
国や地方自治体と関連団体および企業等における
自然生態系保全や有害化学物質の環境リスク管理
等の分野において、中核的役割を担う高い専門性
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[ 社会人教育 ]
また、演習、ワークショップ・実験についても、指
大学院環境情報学府では、社会人の継続研修及び
されることになっている。
導教員等に相談することにより、開講時間の配慮が
再教育の場を提供するとともに、それを橋渡しとし
て、大学と産業 界との交流を深め、新しい学問と
長期履修学生制度:長期履修学生とは、職業を有し
技術の発展に寄与することを目的として、その門戸
ている等の事情により、標準修業年限(前期課程2
を社会に向けて開放している。その一環として、入
年、後期課程3年)を超えて一定の期間にわたり計
学者選抜においては、筆記試験を免除し口述試験、
画的に教育課程を履修して課程を修了することが認
書類審査の社会人特別選抜を導入している。また、
められた者をいう。長 期履修学生に認定された者
社会人の勉学を容易にするための措置として、夜間
は、一般の学生とは異なり、修学年数に関係なく(前
の履修も可能とする「履修等の特例」及び仕事の都
期課程2年以上4年まで、後期課程3年以上6年ま
合等で長期履修を希望する社会人学生に授業の便
で)、標準修業年限(前期課程2年、後期課程3年)
宜を図る「長期履修学生制度」を設けている。
分の授業料で修学することができる。
履修の特例:各専攻又はコースごとに一部の講義科
目を夜間開講可能科目として夜間に開講している。
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都市イノベーション学府
Graduate School of Urban Innovation
[博士課程前期・後期]
1.
持続可能性と創造性を基本理念とした
都市イノベーションの展開をめざす
2.
スタジオ科目をはじめとする少人数制の
実習、演習、研修を教育の柱に据える
3.
創造性ある高度専門職業人やグローバルに
通用する複眼指向のリーダーの育成をめざす
グローバルに通用する複眼指向のリーダーの育成院
2011 年4月に開設された都市イノベーション学府は、先進諸国大都市での、経済活力の停滞、超高齢化や
少子化に伴う社会問題、地球温暖化に代表される環境問題などの諸問題の深刻化、中小規模都市での人口や
都市活動の流出と都市自体の縮退の懸念、さらには、新興国や開発途上国での、急激な経済成長や産業構
造変化に伴う大都市での社会基盤や生活基盤の量的そして質的な充足といった課題を背景に、都市に係る多
様なイノベーションを目指す創造性ある高度専門職業人(博士課程前期)と、都市イノベーション研究の世界
的な展開の土台を担う、グローバルに通用する複眼指向のリーダー(博士課程後期)の育成を目標としている。
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建築都市文化専攻〈博士課程前期〉
現代の都市をめぐる問題の所在について十全な
を有し、実践的な研究によって、その成果を都市の
知識を持ちながら、都市の将来を担いうる説得
イノベーションとして成立させ得る人材を養成する。
力ある空間を実 践的に提 案する人材、そして都
市で先進的な文化・芸術活動を持続的に支援す
る人材を養成する。日本を代表する都市であり、
「実験都市」の特徴を持つユニークな都市である
横浜を教育研究の中心的フィールドにすること、
スタジオ教育方式を通して実践力の強化をはか
ることも可能である。修士(工学)または修士(学
術)を取得できる。
◆建築都市文化コース
建築学分野と文化・芸術学分野の2教育研究分野
により、建築、都市、文化に関わる諸領域で、それ
ぞれの領域の先端的な研究についての十全な知識
◆建築都市デザインコース Y-GSA
徹 底したスタジオ教育方式によって先鋭的な都
市と建築の現在を学び、その多様なデザインや
可能性を身に着け、その成果を、都市における
新たな可能性を持った有効な空間として提案でき
る建築家を養成する。
◆横浜都市文化コース Y-GSC
文化芸術の力によって都市を再生する方法をスタ
ジオ教育方式によって身に着け、時代と空間に適
した芸術を提案することで、都市のイノベーショ
ンを持続的に実践しうる人材を養成する。
都市地域社会専攻〈博士課程前期〉
日本・横浜を含むグローバルな諸地域を対象に、
その発展や課題解決を、技術的ならびに社会的
な基盤を踏まえて分析、構想できる人材、新興・
途上国等の都市問題解決や地域社会発展に、中
央 政 府、地 方行政、国際協力組 織、民間企 業、
NGO といった組織で、指導的立場から貢献でき
る人材を養成する。取得学位は、修士(工学)ま
たは修士(学術)。
◆都市地域社会コース
土木工学分野と地域研究分野の2教育研究分野
によりグローバルな視点からの都市問題解決や
地域社会の発展のために、社会基盤工学の方法
や、地域社会の文化や歴史に関する知識をもって、
創造的かつ持続可能な社会ヴィジョンとともに、
実践へと開かれた人材を養成する。
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◆国際基盤学コース IGSI
スタジオ教育方式を大幅に採用することで、都
市基盤についての有効な知識を、主に新興・途
上国の都市における諸問題の解決のために実践
的に活用できる人材を養成する。なお、本コース
ではすべての講義とスタジオ教育、修士論文指
導を英語で行う。日本人のみを対象とするので
はなく、文部科学省国費留学生特別プログラム
の博士課程前期学生を含む留学生の教育を担う
コースとしても開設する。
都市イノベーション専攻 〈博士課程後期〉
世界の多様な都市・地域をめぐる諸問題について、
することのできる人材、そして諸都市・諸地域の
それぞれに必要とされる技術的・社会的・文化的・
学問・文化・芸術・社会活動を持続的・実践的に
歴史的な専門知識を持ちながら、諸都市・諸地
主導・支援することのできる人材を養成する。取
域の将来を担いうる説得力ある構想や空間、社
得学位は、博士(工学)または博士(学術)。
会基盤や文化 基盤を実践的に提 案・設計・構築
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その他プログラム、取り組みの紹介
[ スタジオ教育方式 ]
[ 英語による教育システム ]
スタジオという場で展開される少人数での
実践的な教育
すべての講義と研究指導、論文執筆を
英語のみで行える
建築都市文化専攻の建築都市デザインコース及び
博士課程前期の都市地域社会専攻での国際基盤
横浜都市文化コース、そして都市地域社会専攻の
学コース、及び博士課程後期の都市イノベーショ
国際基盤学コースは、スタジオ科目に重点をおい
ン専攻では、すべての教育を英語で受けることが
たスタジオ教育方式を採用している。実践的教育
できる。国際基盤学コースでは、英語で開講され
及び実務経験に明るい教員と少人数の学生が1学
る講義を受講し、英語で指導されるスタジオ科目
期間集中して、一緒にひとつの課題に取り組む中
を学び、修士論文を英語で執筆する。英語での研
で、密度の高い教育を実践するこの方式の科目は、
究指導を希望する留学生及び国際的な舞台での活
上記の3コースでは、必修となりかつ複数回の受
躍を望む日本人学生が参加できる。都市イノベー
講が求められている。なお、他の2コースでもス
ション専攻では、博士(工学)の学位をめざす場
タジオ科目あるいはインターンシップが必須科目
合に、英語での講義及び論文指導を受けることが
となっており、多くの学生がスタジオ科目に参加
できる。文部科学省国際基盤学特別プログラムに
している。
よる国費留学生がこれらの教育プログラムにおい
て学ぶ。本組織の前身母体であった工学府社会空
間システム学専攻建設システム工学コースで長年
実施されてきた旧国際基盤工学プログラムでの実
績を引き継ぎ、新しい大学院での文理融合型教育
のもとに受講可能科目などが拡大している。
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横 浜市の 紹 介
1853 年にペリー代将率いる黒船が来航したころ、横浜は小さな漁村に過ぎませんでした。しかし、1859 年に
開港場に決まると西洋文化の玄関口として一躍活況を呈し、日本初の日刊新聞の発行、鉄道開業、ガス灯の設置など、
日本近代文化発祥の地となりました。
かつて横浜は、1923 年の関東大震災、1945 年の横浜大空襲と、度重なる災禍により壊滅的な被害を受けま
したがそのたびに復興を果たし、今日では世界屈指の国際貿易都市へと成長を遂げています。東京・横浜沿岸部を
中心に広がる京浜工業地帯は、重化学工業、軽工業など日本を代表する多くの企業が拠点を置き、世界を牽引する
貿易港となった現在、世界経済の要衝、日本経済の担い手として大きな役割を果たしています。
また横浜は、年間約 3500 万人の観光客が世界から訪れる観光都市であり、2002 年の FIFA ワールドカップ日
韓大会では決勝戦の開催都市となるなど、スポーツ・文化活動の発展にも大きく貢献しています。
さらに近年では、ウォーターフロントエリア開発計画「横浜みなとみらい 21 地区」が注目を集め、21 世紀の貿
易と観光産業の新しいシンボルとして飛躍的な発展を続けています。
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年間恒例イベント
春節(1 月~ 2 月)
花火大会(8 月)
横浜マラソン(3 月)
タイフェア in 横浜
みなとみらい 21 さくらフェスタ(3 月下旬~ 4 月初旬) 三溪園 観月会(9 月)
アフリカンフェスティバルよこはま(4 月)
ディワリ・イン・ヨコハマ(インド祭)(10 月)
みなと祭 ザよこはまパレード 国際仮装行列(5 月)
よこはま国際フェスタ(10 月)
横浜開港祭(6 月)
「美食節」横浜中華街フードフェスティバル(11 月)
横浜フランス月間(6 月)
横浜山手西洋館 世界のクリスマス(12 月)
横浜国際マリンエンターテイメントショー(7 月)
姉妹都市/友好都市
サンディエゴ(アメリカ)、リヨン(フランス)、ムンバイ(インド)、バンクーバー(カナダ)、オデッサ(ウクライナ)、
マニラ(フィリピン)、上海(中国)、コンスタンツァ(ルーマニア)
姉妹港/友好港/貿易協力港
オークランド港(アメリカ)、バンクーバー港(カナダ)、上海港(中国)、大連港(中国)、ハンブルク港(ドイツ)、メル
ボルン港(オーストラリア)
日本初で横浜発
アイスクリーム(1869)、ビール(1869)、日刊新聞(1870)、鉄道(1872)、ガス灯(1872)、テニス(1878)等
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■授業料
2016 年度の授業料とその他の費用は次のとおりです。
(改定される場合があります。)
区分
検定料
入学料
授業料
大学院生
30,000 円
282,000 円
535,800 円/年
研究生
9,800 円
84,600 円
29,700 円/月
http://www.ynu.ac.jp/exam/procedure/payments.html
■授業料免除
経済的に授業料の支払いが困難であり、学業成績が優秀と認められる正規の学生に対して、授業料の全額免除
及び半額免除、授業料の徴収猶予の制度があります。なお、例年申請者は多数になりますので、申請すれば必
ず免除や徴収猶予になるものではありません。また非正規の学生には適用されませんので注意してください。
http://www.ynu.ac.jp/campus/expense/exempt.html
■奨学金
日本に留学する外国人学生に対しては次のような奨学金があります。
日本国政府(文部科学省)奨学金
大学院生に対しては月額、非正規生 146,000 円、修士課程は 147,000 円、博士課程は 148,000 円が支
給されます(2016 年度)。詳細については当該国の日本大使館等にお問い合わせください。
http://www.ynu.ac.jp/international/accept/jp_gov_scholarship.html
外国政府による奨学金
皆さんの国の政府が派遣する留学生のための奨学金です。
文部科学省外国人留学生学習奨励費給付予約制度
日本の大学院の正規生又は大学院レベルの研究活動を行う研究生に月額 48,000 円が支給されます。渡日前入学
許可により予約者として決定します。
http://www.jasso.go.jp/ryugaku/study-j/scholarships/shoureihi/tonichimaeyoyaku.html
その他の奨学金
外国人留学生に適用されるその他の奨学金もありますが、それらは割当数、金額ともに限られています。詳細
は本学入学後、奨学金担当窓口にお問い合わせください。
http://www.ynu.ac.jp/campus/expense/scholarship.html
■留学生宿舎
本学は次の宿舎を留学生に提供しています。ただし部屋数に限りがありますので、希望者全員が入居できると
は限りません。
(2016.3.31 現在)
名称
部屋数
入居期間
月額
大岡インターナショナルレジデンス
252
卒業(修了)までの標準修業期間
41,000 円
峰沢国際交流会館
110
1 年以内
10,500 円
留学生会館
128
1 年以内
14,800 円
羽沢インターナショナルレジデンス
171
卒業(修了)までの標準修業期間
42,000 円
http://www.ynu.ac.jp/campus/support/dormitory.html
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■日本語教育
横浜国立大学では外国人留学生に対して、国際教育センターが日本語と日本事情の教育を実施しています。
本学に在籍するすべての留学生が受講できる「全学講習日本語コース」は初級から上級まで6段階にわかれて
おり、会話、作文、漢字等の機技能別のクラス編成も取り入れているので、自分のレベルや学習目標に応じ
て選択できます。単位は認定されませんが、受講証明書は発行されます。
http://www.isc.ynu.ac.jp/course/
■問い合わせ先
大学院入試に関する質問や募集要項の入手方法等については以下の担当部署にお問い合わせください。なお、
電話受付時間は平日の9時から17時です。
大学院
連絡先
入試係(正規生)
教育学研究科
国際社会科学府
学務第二係(研究生)
電話番号・E-mail
+81-45-339-3261 [email protected]
+81-45-339-3260 [email protected]
経済学務係
+81-45-339-3656 [email protected]
経営学務係
+81-45-339-3684 [email protected]
法科大学院係(国際経済法学)
+81-45-339-3660 [email protected]
学務企画係(英語プログラム)
+81-45-339-3659 [email protected]
工学府
大学院工学府係
環境情報学府
大学院環境情報学府係
都市イノベーション学府
大学院都市イノベーション学府係
+81-45-339-3817 [email protected]
+81-45-339-4425 [email protected]
+81-45-339-3826 [email protected]
■その他 リンク
【各大学院の受験者・合格者数】http://www.ynu.ac.jp/exam/graduate/result.html
【学年暦】http://www.ynu.ac.jp/campus/schedule/year.html
【留学生入学案内】http://www.ynu.ac.jp/international/accept/pamphlet.html
【外国人留学生のための生活ガイドブック】http://www.ynu.ac.jp/international/accept/guidebook.html
【外国人留学生が入学するために必要な手続きについて】
http://www.ynu.ac.jp/international/accept/int_enroll_procedure.html
■各大学院ウェブサイト
教育学研究科
http://www.gsedu.ynu.ac.jp/
国際社会科学府
http://www.gsiss.ynu.ac.jp/
工学府
http://gakufu.eng.ynu.ac.jp/
環境情報学府
都市イノベーション学府
http://www.eis.ynu.ac.jp/
http://www.urban.ynu.ac.jp/
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