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米ぬかセラミックで工業製品へ開拓 米ぬか→セラミックス(炭化)
米ぬか→セラミックス(炭化) 米ぬかセラミックで工業製品へ開拓 1 事業の概要 天童市の三和油脂株式会社は、昭和 24 年創業以来、米ぬかを原料に搾油の他に畜産の飼料として利用していた。ところが、平成5年の米の不作により原料となる米ぬ かが入手できない事態が発生した。 そのため、もっと付加価値を高める方法がないかと山形大学工学部に相談し共同研究を進めた結果、フェノール樹脂を混ぜ加圧成型し窒素ガス中で炭化焼成してでき る新素材(セラミックス)を開発した。 2 バイオマスの回収と再利用システム(聞き取り時期:平成15年9月) ○製品ができるまでのフロー図 (1)原料バイオマスの収集方法 米ぬか油等 米ぬか 東北6県及び新潟県の米卸売業者や各県全農から、運送業者に委 託して収集している。 米油抽出処理 脱脂ぬか (2)製品(再生したバイオマス)の利用方法 この素材で作られた製品は摩擦係数が小さく鋼の千分の一しかす フェノール樹脂 混合処理 フェノール樹脂と混合 加圧成型機 成形体 り減らないうえ、水よりやや重い程度の軽さであるため、直動軸受け 成形処理 乾燥処理 乾燥成形体 やベアリング部品に使われている。 また、粉体にすると逆に摩擦が大きくなることを応用して紳士用・ 加圧成型処理 婦人用靴や安全靴のすべりにくい靴底の素材に使われている。 生ごみ処理のための菌床用に孔隙のある素材を作ってバクテリア RBセラミックス 焼成処理 窒素ガス中で炭 化焼成処理 等の増殖と発酵を促し、土に返すという自然に優しい素材でもある。 3 事業の効果や課題 従来の工業材料とは全く異なる植物系資源を用いた新素材として工業各社から注目され、生ごみの菌床製品も開発し多方面への応用が期待されている。 新素材の特性を活かして機械製品の応用開発を進める一方、米ぬかに含まれる食物繊維やビタミンE、ミネラル分などに着目した健康食品の開発に取り組んでいる。 また、大豆油の搾りかすや米そのものにも着目し、より地球にやさしい材料やリサイクル可能な材料の開発に取り組んでいきたいと考えている。