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3. 冬季の平均気温によるスクミリンゴガイの発生量の予測
水田作部門 平成 19 年度試験研究主要成果 3.冬季の平均気温によるスクミリンゴガイの発生量の予測(情報) [要約] 冬季(12∼2月)の平均気温によって、スクミリンゴガイの用水路における 発生密度や水稲の被害発生圃場率を予測することが可能である。 研究室名 病虫研究室 連絡先 086-955-0543 [背景・ねらい] 近年の暖冬傾向によってスクミリンゴガイの水稲被害が問題となる場合が多いが、そ の発生量を予測する方法は見いだされていない。そこで、本貝の越冬率に大きく影響す ると思われる冬季の平均気温と用水路における発生密度や水稲の被害発生圃場率との 関係を解析し、冬季の平均気温によって発生量の予測が可能かどうかを検討する。 [成果の概要・特徴] 1.冬季の平均気温(岡山市桑田町のアメダスデータ)と7月上旬の水稲の被害発生圃 場率(岡山市浦安地区)との間には有意で高い正の相関関係が認められる(図1) 。 2.冬季の平均気温と用水路における5月上旬の卵塊密度(越冬世代の貝が産んだ卵) 、 5月上旬の卵塊密度と6月下旬の卵塊密度(越冬世代及び第1世代の貝が産んだ卵)、 6月下旬の卵塊密度と7月上旬の水稲の被害発生圃場率との間にも、それぞれ有意な 正の相関関係が認められる(図2)。これらの結果は、図1の関係をよく裏付けてい る。 [成果の活用面・留意点] 1.本法は岡山市浦安地区を対象とした予測式であるが、他の地区においても当該年の 発生量予測の目安となる。 2.本予測式によって平年より発生量が多いと予測される年には、十分な防除対策が必 要である。 [具体的データ] 60 発 7 50 生月 圃 上 40 場 旬 30 率の 20 被 % 害 10 y =22.244x-109.353 (r= 0.924, p =0.001) ︵ ︶ 0 4.5 図1 5 月 上 旬 の 卵 塊 密 度 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 6.0 6.5 7.0 冬季の平均気温(℃) 7.5 8.0 y =0.499x -2.718 (r =0.822, p =0.012) 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 冬季の平均気温(℃) 7.5 8.0 1.2 1.4 1.2 1.4 y =0.926x +0.142 (r =0.912, p =0.002) 0.0 60 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 5月上旬の卵塊密度 y =29.020x +13.656 (r =0.743, p =0.035) 50 40 30 ︵ 20 ︶ 発7 生月 圃上 場旬 率の 被 %害 5.5 冬季の平均気温と7月上旬の水稲の被害発生圃場率との関係 4.5 6 月 下 旬 の 卵 塊 密 度 5.0 10 0 0.0 図2 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 6月下旬の卵塊密度 冬季の平均気温と用水路における5月上旬の卵塊密度(卵塊数/m2 )、5月下旬 の卵塊密度と6月下旬の卵塊密度、6月下旬の卵塊密度と7月上旬の水稲の被害 発生圃場率との関係 [その他] 試験研究課題・事業名: 冬季気温によるスクミリンゴガイの発生量の予測 予算区分:交付金(病害虫発生予察事業) 研究期間:平成 19 年度