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アクティビティーノート アクティビティーノート〈第115

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アクティビティーノート アクティビティーノート〈第115
化学製品PL
化学製品PL相談
PL相談センター
相談センター
2006 年 9 月 8 日発行
アクティビティーノート〈
アクティビティーノート〈第 115 号〉
2006 年 8 月度における受付相談事例を中心に記載しています。
1.相談業務
1.1. 2006 年 8 月度 相談受付件数(P.1)
1.2. 受付相談事例および内容の紹介(P.2~15)
(P.16)
2.ちょっと注目「スプレー缶(エアゾール製品)の破裂・引火に注意!」
3.入手資料の紹介(P.17)
4.メディア情報から(P.17)
5.記念日の化学「石炭の日」
(P.18)
1.
相談業務
1.1. 相談受付件数
2006
2006 年 8 月度 相談受付件数
相談受付件数(
付件数 7/22~8/21 実働:21 日)
事故クレーム 品質クレーム クレーム関連
関連相談
関連相談
意見・報告等
一般相談等
意見・報告等
合計
構成比
消費者・
消費者団体
消費生活C・
行政
事業者・
事業者団体
メディア・
その他
9
1
0
9
0
19
39%
4
3
0
7
0
14
29%
2
1
0
8
0
11
22%
0
0
0
5
0
5
10%
合計
15
5
0
29
0
49
構成比
31%
10%
0%
59%
0%
相談内容別構成比(
相談内容別構成比 (8月度)
月度 )
100%
相談者別構成比(
相談者別構成比(8月度)
月度 )
意見・報告等
0%
メディア・
その他
10%
事故クレーム
関連相談
31%
一般相談等
59%
品質クレーム
関連相談
10%
事業者・
事業者団体
22%
消費者・
消費者団体
39%
消費生活C・
行政
29%
クレーム関連
意見・報告等
0%
相談内容区分(
相談内容区分(改訂 2003 年 8 月)
事故クレーム
事故クレーム関連相談
クレーム関連相談
製品の欠陥や誤使用などによって人的・物的な拡大被害が発生したもの
品質クレーム
品質クレーム関連相談
クレーム関連相談
拡大被害を伴わない、製品そのものの品質や性能に対する苦情
クレーム関連意見
クレーム関連意見・
関連意見・報告等
事故の報告や品質の苦情に関する意見・要望など、当センターからコメントを出さないもの
一般相談等
一般的な相談・問い合わせ等
意見・
意見・報告等
一般的な意見・報告・情報の提供を受けたもの
化学製品PL相談センター
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
1.2. 受付相談事例および
受付相談事例および内容
および内容の
内容の紹介
―クレーム関連事案は全て紹介しています。
事故クレーム
事故クレーム関連
クレーム関連相談
関連相談-
相談-15件
1. 当社のエアゾール式簡易消火具に関し、「車のダッシュボードに置いていたところ、缶が
破裂してフロントガラスなどが破損した」という苦情を受けている。検査は受けており、
使用上の注意も表示しているため、製造物責任法上の問題はないと考えている。とりあえず
事故現場を確認しに行くにあたってのポイントを教えてほしい。
〈事業者〉→まずは使用・
保管の状況や被害の内容等の事実関係を把握し、破裂の原因を調べる必要があるでしょう。
2. 20日くらい前、弟が車の中で殺虫スプレー(エアゾール缶)を使用したところ、引火して顔
や喉に重度の火傷を負った。警察・消防の鑑定の結果では、事故当時に車内で使用してい
た蚊取り線香の火が引火したものとのことであった。しかし本人は、数日前にようやく話
ができる状態になり、「スプレーのノズルに異常があったのではないか」と言って、調査を
希望している。殺虫スプレーのメーカーにそれを伝えたところ、○○という検査機関を紹
介されたが、メーカーの指定した検査機関では信頼性が疑われる。場合によっては別の検
査機関を紹介してほしい。
〈消費者〉→ご希望であれば経済産業省の「原因究明機関ネット
ワーク」に登録されている検査機関をいくつかご紹介しますが、○○もその一つであり、
またガス機器に関する専門性も高いと思われます。(なおエアゾール製品に使用されてい
る溶剤や噴射剤の多くは可燃性のため、火気を使用している狭い室内での使用は、引火・
爆発の恐れがあり、たいへん危険のともなう行為です)
3. 経営している美容室で、ブリーチ剤の自然発火による火災が起きて、消防隊も出動した。
火災保険会社のアドバイスに従って、ブリーチ剤の製造元に補償をしてもらうべく連絡を
したところ、「当該ブリーチ剤から自然発火する恐れがあることが分かり、現在回収して
いるところだ。販売代理店にも通達を出しているので、販売代理店も含めた三者で交渉し
たい」と言われた。しかし販売代理店とは付き合いが長く、今後のこともあるので関わら
せたくない。どうすればよいか。
〈事業者〉→出火原因がブリーチ剤であるという客観的
な証明(消防署の罹災証明書等)を踏まえて、損害賠償請求の交渉を進めることになるでし
ょう。製造元による回収の通達が出されていたにもかかわらず、販売代理店が速やかな対
応を怠っていたというのであれば、販売代理店にも責任の一端があるでしょう。どうして
も販売代理店と顔を合わせて交渉したくなければ、火災保険会社に間に立ってもらえない
か相談してみてはいかがですか。
化学製品PL相談センター
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
4. ホームセンターで、バーベキューコンロ、着火材(固形)、及びホームセンターが輸入元と
なっている炭を購入した。5日前の夜にそれらを使用してバーベキューをした際、着火材
に表示されていた通り、屋外でバーベキューコンロの網に着火材を置き、その上に炭を置
いてライターで着火したところ、バンと音がし青白い火の玉となって爆発した。近くにい
た妻は、毛髪の一部が焼けて眉間に軽い火傷を負った。美容院で焼けた毛髪を切り整え、
火傷は市販の薬で手当てしたが、本日これから医者に行く予定である。ホームセンターに
申し出たところ、「コンロの構造が悪いのではないか」と言って、コンロのメーカーに原因
調査を依頼するとともに、薬代と美容院の費用についてはホームセンターで負担すること
を提示された。しかし未使用の炭から油のような異臭もするし、いずれにしろ原因次第
では、製造物責任(PL)法に基づき慰謝料も請求したいので、ホームセンターと交渉し
てほしい。
〈消費者〉→当センターは、当事者間による交渉のポイントを助言したり、両
当事者の了解のもとに双方の主張の調整を行ったりすることはできますが、一方当事者の
代理人として交渉にあたるということは行っておりません。なお製品の欠陥により生じた
損害賠償については、不法行為法の判例・実務に従い、精神的損害等も対象に含まれると
され、PL法に基づく慰謝料の請求が認められています。しかし今の段階では、爆発の原
因がコンロ、炭、着火材のいずれにあるのか、また製品の欠陥による事故なのか、あるい
は他に原因があったのか等の事実関係が分からないため、コンロのメーカーだけでなく炭の
製造元及び着火材のメーカーに対しても、ホームセンターを通じて調査を依頼してください。
5. 娘が○○という化粧品メーカーのカタログ販売をよく利用しており、自分も娘に頼んで一
緒に購入している。先日は初めてシャンプーを買ってみたのだが、使用後に首すじ等がか
ぶれ、医師の治療を受けた。もともと肌が弱いので、いつもは試供品で試してから購入す
ることにしているが、このシャンプーには試供品がなかった。使ってみて自分に合わない
と分かったので、1度だけ使ったシャンプーと未使用の詰め替え用シャンプーの各1点を
返品したいと思い、娘からメーカーのお客様相談室に連絡してもらった。回答を待ってい
たところ、いつも娘の注文を受けている担当者から個人名で、返品など論外であるという
旨の怒りの手紙が娘に届いた。どうすればよいか消費生活センターに相談したところ、化
学製品PL相談センターを紹介された。
〈消費者〉→メーカーのお客様相談室に連絡し、
営業担当者からの手紙の内容が会社としての回答なのかを確認する必要があるでしょう。
化粧品に関する相談を受け付けている日本化粧品工業連合会 PL相談室にも相談してみ
てください。(なお化粧品等は、品質には問題がなくても、使用する人の体質や体調など
によって皮膚トラブルが生じることがあり、その場合一概に製造物責任法が適用されると
化学製品PL相談センター
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
は限らず、治療費等の損害賠償が支払われないばかりか返品にも応じてもらえないことが
あります)
6. 親戚が、「シャンプーを2~3回使用した後に髪が抜けた」というので、自分が代理となっ
て販売元に申し出たところ、医師の診察を受けさせるよう指示された。自分で探した病院
と販売元の指定した病院の両方で、検査の結果からシャンプーが原因と診断され、販売元
の担当者から「後でまとめて治療費を負担する」と言われた。しかし数日前、「製品を検査
した結果、異常がなかったので、当社に責任はない。今後、連絡してこないでほしい。
異議があれば当社の代理人(弁護士)に申し立てるように」という旨の文書が届き、当惑し
ている。消費生活センターに相談したところ、化学製品PL相談センターを紹介された。
〈消費者〉→「責任はない」と販売元が主張するのであれば、シャンプーが原因との医師の
診断に対する販売元の見解を確認する必要があるでしょう。また販売元の担当者がいった
ん回答した以上は、会社としてその発言に責任を負うべきと思われます。しかし当センタ
ーでは弁護士等の法律の専門家による相談対応ができかねますので、地域の弁護士会等に
ご相談ください。
7. ソファが古くなったので、家具店を通じ家具製造業者に依頼してカバー(布製)と座面のク
ッションを交換してもらったところ、クッションの臭いが強く、目が痛くなるなどの体調
不調が生じている。家具店も臭いがすることを認め、対策を依頼したところ、家具製造
業者が市販の除菌消臭スプレーをかけるなどしたようだが、そのような方法で臭いはな
くなるのか。また臭いがしなくなっていたら、人体への影響もなくなったといえるのか。
〈消費者〉→クッションの材質や、使用した消臭スプレーの種類・機構等が不明なため、
消臭効果について確かなことは分かりかねます。また臭いの原因と体調不調の原因が必ず
しも同じであるとは限らず、低い濃度でも臭いを感知できる成分もあれば、高い濃度にな
らないと臭いを感知できない成分もあるため、臭いだけで人体に与える影響の有無につい
て一概に言及することはできません。家具店・製造元から、クッションの材質を踏まえて
詳しく説明してもらってください。
8. 「屋根の修理をしてもらった施工業者が、アフターサービスとして点検に来て、 『今は雨
漏りはしていないが、湿気がこもる部屋(和室)だから、早目に屋根裏の柱にクレオソート
油を塗布しておいた方がよい』 と言うので、施工してもらった。施工中、作業員がクレ
オソート油の缶を倒して屋根裏に大量にこぼしてしまった。天井や壁にまで流れて汚れて
しまったが、それについては施工業者が無償でクロスを張り替えてくれた。ちょうどその
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
頃、頭痛がして医者に行ったが、その時は肩こりが原因だと思っていた。現在は臭いは治
まってきており、症状もよくなってきたが、クレオソート油の安全性については不安が残
る。施工業者は『クレオソート油の安全性についてメーカーに確認した上で使用した』と
言っているが、本当に問題はないのか」という問い合わせを受けている。消費生活センタ
ー内の住宅関連の担当者から「クレオソート油は安全上の問題がある」と聞いたが、どうな
のか。
〈消費生活C〉→クレオソート油は目や皮膚に対する刺激性が強い上、高濃度の蒸
気を吸入すると、呼吸困難、吐き気、めまい、貧血、食欲不振等の症状を起こす恐れがあ
ります。また継続的に皮膚に接触した場合に発がんの恐れがあるベンゾ[a]ピレン等が含
まれていることから、クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤等については、「有
害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」で、それらの物質の含有量が規制されて
います。しかし、いったん木材に浸透したクレオソート油については、その成分が空気中
に大量に飛散し続けるとは考えにくいでしょう。ただしクレオソート油には独特の強い臭
いがあるため、人によってはその臭いで頭が痛くなったり気分が悪くなったりすることも
あります。臭いや化学物質に敏感な人は特に、居室の周辺への使用は避け、塗布作業中の
換気状態や風向きにも配慮する必要があるでしょう。屋根裏のクレオソート油については、
施工業者に責任を持って適切に処理してもらうよう、相談者にお伝えください。
9. 業者に依頼して家をリフォームしたところ、臭いが強く、気分がすぐれない状態が続いて
いる。病院で検査を受けたが、結果はまだ出ていない。フローリング張りに使用した床材
や接着剤、また天井の塗装に使用した塗料等から、
“シックハウス”の原因となる可能性
のある物質が発生しているのではないかと思うが、施工業者は「臭わない」と言っており、
使用した建材についての十分な情報も持っていないとのことだ。床材や天井の一部をはが
してでも自分で調べたいので、検査機関を紹介してほしい。
〈消費者〉→ご希望であれば
経済産業省の「原因究明機関ネットワーク」に登録されている検査機関をご紹介しますが、
まずは保健所等に依頼して、室内の化学物質濃度を測定してみてはいかがですか。また施
工業者に対しては、各建材の製造元から情報を収集し責任をもって説明するよう要求して
ください。
10. 「カーワックスを使用中に、その成分を吸い込んで気分が悪くなった。成分を知りたい」と
いう相談を受けている。化学製品PL相談センターで成分が分かれば答えてほしい。分か
らなければ調べてもらえるか。
〈消費生活C〉→当センターは特定の商品の成分等につい
ての情報収集、また分析は行っていません。ご希望であれば経済産業省の「原因究明機関
ネットワーク」に登録されている検査機関をご紹介しますが、成分が不明のまま漠然と分
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
析するのは極めて困難と思われます。今のお話だけでは使用時の状況や被害の具体的な内
容、成分を調べる目的等が不明ですが、まずは商品についてはメーカーに、また体調不調
については医師に相談するのがよいでしょう。
11. 「家族が食卓の上に油性ペンで落書きしたので、台所用塩素系漂白剤(泡状)で拭き取った
ところ、食卓の表面が曇ってしまった。また臭いで頭が痛くなって、換気しているが、ま
だ臭う。表示によると食卓はアミノアルキド樹脂加工とのことだが、それが漂白剤の成分
と反応したのが臭いの原因か」という相談を受けている。
〈消費生活C〉→塩素系の漂白剤
等は、酸性タイプの洗浄剤等と混ざると有毒な塩素ガスを発生します。また塩素系漂白剤
そのものにも独特の塩素系の臭いがあり、一度に大量に使用したり、続けて長時間使用し
たり、狭い場所で使用したりすると、人によっては気分が悪くなるなど体調不調を起こす
ことがあります。しかし今のお話だけでは臭いや頭痛の原因について確かなことは分かり
かねます。まずはご使用になった漂白剤のメーカーに申し出るよう、また頭痛については
長引くようであれば早めに医師に相談するよう、相談者にお伝えください。[後日、消費
生活センターから、「メーカーによると『食卓の表面が曇ったのは、メラミン樹脂(アミノ
アルキド樹脂の一種)のアミノ基と塩素化合物との反応による変色と思われるが、臭いは
それによるものではなく塩素臭であろう。なお当該漂白剤には、メラミン樹脂製の食器等
に使用できない旨は表示している』とのことであった」との連絡あり]
12. 2~3ヵ月くらい前に大手ホームセンター△△で洗濯用酸素系漂白剤(詰め替え用)○○
(A)を購入し(レシートは残っていない)、新築の家の倉庫の作り付けの棚に置いていたと
ころ、1ヵ月前に液漏れして、棚や壁にシミができた。家の建築を施工した大工に依頼し
て棚の作り替えと壁の張り替えを行い、その費用は家の建築費と一緒にこれから請求され
ることになっているが、それとは別に取りあえず謝礼を払った。漂白剤のメーカーに液漏
れについて申し出たところ、「ロット番号からして4年前に製造・出荷した製品で、温度・
湿度・外的荷重などの環境的な要因によって、容器フィルムが経年劣化したものと思われ
る。当時としてはだいたい3年を目途に開発していたもので、それを過ぎた場合の品質に
ついてはメーカーとして保証できかねる。なお2年前に製品を○○(B)としてリニューア
ルした際、容器の耐久性について一層の向上を図った」とのことで、見舞金をくれるとい
うが、棚等の修繕費用を求めても応じてくれない。
〈消費者〉→薬事法では、通常の保管
条件化で3年以内に変質するものについてのみ使用期限の表示を義務づけています。つま
り使用期限が表示されていない製品でも3年以上経過した場合の品質については保証の
限りではありません。洗濯用漂白剤は薬事法の対象ではありませんが、一般の消耗品につ
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
いても薬事法と同様の考え方は応用できるものと思われます。したがって、4年前に製造・
出荷された漂白剤が2~3ヵ月前に販売されていたのであれば、販売店の商品管理に問題
がある可能性があります。当センターからメーカーに、販売店への事情確認を依頼します。
[その後、メーカー本社のお客様相談室を通じ、「申し出者がレシートを残しておらず購入
店舗も特定できなかったため、申し出者の居住地域に現在数店舗ある△△に事情を確認し
たところ、
『年2回の棚卸し時に商品チェックを行っており、リニューアル前の○○(A)
が店頭に並ぶことは考えにくい』とのことで、現在の店頭の商品も調べたが○○(A)はな
かった。なお申し出を受けて現状を確認するために訪問した際、既に棚は修繕されており、
その費用の一部を負担するつもりで見舞金を提示したものである」との報告。その旨を当
センターから申し出者に伝え、それについては一応の納得を得た。また当初の担当者の対
応姿勢についてはなお不満が残るとのことだが、当センターはそれを指導できる立場には
ないため、メーカー本社のお客様相談室を紹介し、直に伝えることを勧めた]
13. 賃貸住宅でトイレがつまり、家主が業者に依頼して修理してくれた。修理業者によると、
自分が使用していた芳香洗浄剤(タンクに入れるタイプ)がつまっていたとのことで、家主
から修理費用を請求されている。芳香洗浄剤のメーカーに補償してもらえるか。
〈消費者〉
→使用した芳香洗浄剤に製造・設計上の欠陥が認められたり、注意表示が不十分であった
りした場合には、メーカーの製造物責任を問うこともできるでしょう。まずはメーカーに
申し出て、修理業者の見解を踏まえてお話し合いください。
14. 「押入れの中で除湿剤(タンクタイプ)が倒れて内容液が床にこぼれていた。どうすればよい
か」という問い合わせを受けている。
〈消費生活C〉→除湿剤(タンクタイプ)にたまった液体
には塩化カルシウムが溶けています。こぼれるなどして床や棚などの木製品に染み込んでし
まった場合、塩化カルシウムが湿気を吸い続け、表面を拭いてもなかなか乾きません。濡ら
した布で水を浸すようにして染み込んだ塩化カルシウムの液を溶かし、次に乾いた布でそ
の水気をよく拭き取るという作業を根気よく繰り返し、染み込んだ塩化カルシウムを吸い
出す方法が最も効果的です。ただし塩化カルシウム水溶液は弱アルカリ性で、人によって
は手荒れ等の原因となるほか、皮膚に接触したまま長時間放置すると「化学やけど」を起こ
す恐れがありますので、処置の際には炊事用手袋等のご使用をお勧めします。詳しくはご
使用になっていた除湿剤のメーカーに問い合わせるよう、相談者にお伝えください。
15. 通信販売(テレビショッピング)で購入したジュエリーボックスの臭いがひどく、またアクセ
サリー(銀製)を1週間入れておいたところ変色した。通信販売会社に申し出たところ、返品
化学製品PL相談センター
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
できるような話だったが、ジュエリーボックスを渡してしまうとアクセサリーの補償が難し
くなるのではないか。消費生活センターに相談したところ、「製造物責任(PL)に関する問
題なので、まずはPLセンターに相談してみるように」と言われた。必要であれば、返品す
る前にジュエリーボックスを検査してほしい。
〈消費者〉→製品の不具合を理由とする返品
の申し入れであること、またアクセサリーの補償等の要望について、通信販売会社に明確に
伝え、それに対する見解を確認してください。また変色の原因や回復の可能性等について、
銀製品の販売・修理店等で専門家の見解も確認しておくとよいでしょう。ジュエリーボック
スの検査については、当センターでは検査を行っていないため、ご希望であれば経済産業省
の「原因究明機関ネットワーク」に登録されている検査機関をご紹介しますが、その前に、消
費生活センターで検査ができないかを再度問い合わせてみるとよいでしょう。なお検査を実
施するまでは、ジュエリーボックスをポリ袋等で密閉しておくことをお勧めします。
品質クレーム
品質クレーム関連
クレーム関連相談
関連相談-
相談-5件
1. 「新品のカミソリを開封したところ、ベタベタした白い異物が付着していた。メーカーに
申し出たところ、
『通常そのようなことはない。異物は分析するが、拭き取れば使用に支
障はないだろう』と言われた。しかしメーカーの対応に不信を持っているので、第三者機
関に分析を依頼したい」という相談を受けている。
〈消費生活C〉→経済産業省の「原因究
明機関ネットワーク」に登録されている検査機関を紹介。
2. 「新品の紙おむつ(幼児用)を開封したところ、小さな虫(1匹)が混入していた。メーカー
に申し出たところ、
『代わりの品を送るので、現品を送ってほしい』と言われているが、
異物が混入した原因等についての説明がない。うやむやにされたくないので、第三者機関
で虫の混入経緯を調査してほしい」という相談を受けている。
〈消費生活C〉→製品への異
物混入に関しては、製造ラインやプロセスなど、メーカーでなければ分からない点もあり
ますので、まずはメーカーに原因調査とその結果の報告を要望してみるよう、相談者にお
伝えください。ただし実質的な損害は製品の品質上の不具合なので、法的には代品交換ま
たは返金によってメーカーの責任は果たされるものと思われます。
3. 2年半くらい前、ステンレス洗面台を設置したところ臭いがした。販売店からは「ホルム
アルデヒドは使用していない。臭いは次第に治まるだろう」と言われたが、その後も臭い
はなくならなかった。最近、洗面台の下の戸棚の内側に「ホルムアルデヒドを使用してい
る」と表示されていることに気付いた。戸棚の中の臭いが特に強いが、容易に換気できる
化学製品PL相談センター
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
場所ではないため、改善しないようであれば返品したい。販売店に申し出たところ、業者
が派遣されてきて「ホルムアルデヒド臭を消す製品がある」と言うので、それを塗ってもら
った。効果は1週間くらいで現れるとのことだが、この製品は安全なものか。
〈消費者〉
→当センターは特定の商品の安全性等についてお答えできる立場にはありません。最近、
そうした商品も開発されているようですが、安全性、機構、科学的根拠等について、業者
またはメーカーから詳しい説明を受けてください。
4. 「ペット用シャンプーで犬(4歳)の毛が傷んだ」という相談を受けて、メーカーに事実関係を
確認しているところである。法律上の規制は人用のシャンプーと同じか。また品質検査を行
う場合、どのような検査機関に依頼すればよいか。
〈消費生活C〉→人用のシャンプーは
薬事法の適用を受けますが、ペット用のシャンプーはこの法律の対象となりません(ただ
し動物用医薬部外品に該当する場合は別の定めがあります。詳しくは動物用医薬品等を所
管している農林水産省にお問い合わせください)。検査については、独立行政法人 製品評
価技術基盤機構のホームページで、経済産業省の「原因究明機関ネットワーク」に登録され
ている検査機関を検索することができます(http://www.jiko.nite.go.jp/index6.html)。
また独立行政法人 国民生活センターのホームページに、商品テストを実施する機関のリ
ストが掲載されています(http://www.kokusen.go.jp/test_list/index.html)。
5. 経営している賃貸マンションで、業者に依頼して外壁と天井の塗装を行ったところ、施工
後わずか半年ではがれてきた。業者は「修復する」と言っているが、業者の取る対策が本当
に適切なものか信用しきれないので、はがれの原因を調べるために塗膜等を分析したい。
使用された塗料のメーカーに相談したところ、化学製品PL相談センターを紹介された。
〈事業者〉→まずは、塗料に関する相談を受け付けている(社)日本塗料工業会 塗料PL
相談室に相談してみてください。
一般相談等
◆
コート(布製)の裾にジェル状の物質が出てくるようになり、拭いても拭いてもまた出てく
る。1年ほど前にクローゼットの中で除湿剤(タンクタイプ)の内容液をこぼし、その上に
コートを落としたことがある。すぐに拾って、そのままハンガーにかけておいたのだが、
落としたときに除湿剤がついていたとすれば、それが原因か。その場合、どうすれば取り
除けるか。
〈消費者〉→お話だけではジェル状の物質が何であるか確かなことは分かりか
ねますが、除湿剤(タンクタイプ)の内容液が染み込んでいるとすれば、主成分である塩化
化学製品PL相談センター
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
カルシウムが湿気を吸い続け、表面を拭いてもなかなか乾きません。水で洗える衣類等に
ついてはすぐに洗濯をすれば落とせますが、放置するとシミになることもあります。洗濯
で落ちない場合、また水洗いできない場合はクリーニング業者等に相談してみてください。
◆
「家の階段の近くで洋服に防水スプレー(シリコン系)をかけた際、階段にかかって滑りや
すくなってしまった。防水スプレーのメーカーに問い合わせたところ、
『付着した成分を
落とすものはあるが、そのように大量に付着した場合に落とすだけの量は分けられない』
と言われた」という相談を受けている。他に落とす方法はないか。
〈消費生活C〉→当セン
ターは特定の商品に関する問い合わせにお答えできる立場にはありません。「落とすもの
を分けられない」と言うなら他にどのような方法があるのかを再度メーカーに問い合わせ
るよう、相談者にお伝えください。
◆
シルバー人材センターから、「『友人(建具店か畳屋)から、湿気を防ぐには苛性ソーダが
よいと聞いた。薬局で粒状苛性ソーダ(450g)を買ってきたので、畳を上げて、その下に新
聞紙を敷いて苛性ソーダをまいてほしい』との依頼を請け負って実施した。その後、依頼
主から『作業の数日後から気分が悪くなって頭痛がした。医師の診察を受けたところ苛性
ソーダの影響ではないかと言われたので、畳を入れ替え、新聞紙と苛性ソーダを除去して
ほしい。また室内空気中の苛性ソーダ濃度を測定してほしい』との依頼を受けて、現在、
当センターの責任者が現場の状況を確認しに行っている。どのように測定すればよいのか」
という問い合わせを受けている。住宅紛争処理支援センターに問い合わせて教えてもらった
方法があるが、それでよいか。
〈消費生活C〉→お話だけでは現場の状況が不明なため、確か
なことは分かりかねますが、まずはその方法を試してみるよう、相談者にお伝えください。
◆
4年前に家を新築し入居した頃から、めまい・頭痛・手足のしびれ・耳鳴り等の症状がいろいろ
と現れては、その度に専門の科の医師から「そのうち治る」と言われるのだが、常に体のどこ
かが悪い状態が続いている。最近になって、それまで特に身体に異常がなかった妻が鬱病と
診断され、投薬治療を受けている。しかし自分は妻が鬱病との診断に疑いをもっている。い
ろいろ思い当たる原因の一つとして、
“シックハウス症候群”の可能性もあるのではないかと
思う。室内の化学物質濃度を手軽に調べる方法があれば教えてほしい。
〈消費者〉→おおよ
その値であれば、ホルムアルデヒドについては市販の検査キット等を使って自分で調べる
こともできます。また(財)住宅保証機構(http://www.ohw.or.jp/frame/formu.html)等が
ホルムアルデヒド簡易計測機器の貸出しサービスを行っているほか、地域によっては保健
所でもホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等の室内濃度測定を行っています。
化学製品PL相談センター
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
◆
エアーポットの揚水パイプを交換しようと思い、メーカーから取り寄せたところ、材質が
ステンレスからプラスチックに変わっていた。耐熱温度の表示がないが、ポットに熱湯を
入れて使用しても大丈夫なのか。
〈消費者〉→当センターは特定の商品に関するご質問に
はお答えしかねますので、メーカーにお問い合わせください。[その後、「メーカーに問い
合わせたところ、
『揚水パイプの耐熱温度は105℃で、熱湯に触れても問題はない』とのこ
とであった」との連絡あり]
◆
「外国製のマグカップを購入したところ、材質表示にメラミン樹脂と書かれていた。安全
性に問題はないか」という問い合わせを受けている。
〈消費生活C〉→プラスチック製の食
品容器具は、食品衛生法に基づく規格基準により、材質試験と溶出試験の両面から規制さ
れています。製品に表示された取り扱い上の注意を守れば安心して使用することができる
でしょう。詳しくはプラスチック製食器協議会にお問い合わせください。
◆
当社が製造した弁当について、「電子レンジで加熱した場合、プラスチック製のバラン(お
かずの仕切り等に使用するもの)から有害物質が出てくることはないか」という問い合わ
せを受けている。
〈事業者〉→製品により耐熱温度等が異なりますので、バランの仕入先
にお問い合わせください。
◆
「自転車用の空気入れを壁に立てかけておいたところ、ホース部の黒いゴムが壁に付いて
しまった。手で触れるものだけに、安全性が懸念される」という問い合わせを受けている。
空気入れのメーカーに問い合わせても明確な回答が得られなかったが、化学製品PL相談
センターで分かるか。
〈消費生活C〉→当センターは特定の商品の安全性等についてお答
えできる立場にはありません。材質を踏まえた安全性について、メーカーとして責任を持
って回答するよう要求してください。
◆
友人が通信販売で購入したという洗剤をくれた。表示によると用途は「台所、食器洗い乾
燥機、衣類、住居、家具、乳児用哺乳瓶などの洗浄」とのことで、換気扇の清掃に使用し
てみたところ、これまで使用していたものに比べ洗浄効果が高いので、かえって心配にな
った。安全性について教えてほしい。
〈消費者〉→当センターは特定の商品の安全性等に
ついてお答えできる立場にはありませんので、通信販売会社またはメーカーにお問い合わ
せください。(なお使用にあたっては、製品に表示されている使用上の注意をよく読んで
お使いください)
化学製品PL相談センター
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
◆
仕事の関係でいろいろな家を訪問するのだが、殺虫剤が置いてある家に行くと決まって、
頭痛・腹痛・吐き気などの症状が現れる。医師に相談したところ、「原因は分からないが、
仮に殺虫剤が原因だとすれば、できるだけ自分の生活の場から遠ざけた方がよいだろう」
と言われた。自分1人でも健康に害を及ぼすのであれば、殺虫剤は全て製造禁止にすべき
だと思い、消費生活センターや行政にも要望したが、取り合ってくれない。どうすればよ
いか。
〈消費者〉→重大な健康被害が多数生じた場合、また製品によっては一定の安全基
準に適合しない場合には、行政の監視や命令のもとに製造中止や製品回収等の措置がとら
れることがあります。しかし、化学物質による感受性には個人差があるため、1人の消費
者が製造禁止を要望しても、必ずしもそれが行われるものではありません。
◆
乳幼児に安心して使用できる液体蚊取り器や蚊取り線香を教えてほしい。
〈その他(保育所)〉
→当センターでは特定の商品の紹介はいたしかねます。蚊などの衛生害虫用殺虫剤は薬事法
上の「医薬部外品」に分類されていますので、販売している薬局の薬剤師にご相談ください。
◆
液体蚊取りを使用して頭痛を起こしたという事例はあるか。また化学物質ごとの製品事故
情報を収集したデータベースがあれば教えてほしい。
〈消費生活C〉→当センターには、
液体蚊取り等の殺虫剤をはじめとするさまざまな化学製品による体調不調をうったえる
相談が寄せられていますが、因果関係は必ずしも定かではありません。データベースにつ
いては、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(http://www.jiko.nite.go.jp/)が消費生活
用製品による事故情報を収集しているほか、さまざまな機関による化学物質の有害性情報
に関するデータベースがありますが、化学物質ごとに製品事故情報を収集したデータベー
スは当センターで把握しておりません。
◆
エアコンのカタログを見ていたら、フィルターに○○という物質が使用されていると書か
れている。人体に対する安全性について試験データ等はあるのか。○○による体調不調の
相談が寄せられたことはあるか。
〈消費者〉→当センターでは受付事例がありません。安
全性については、当センターは特定の商品に関するご質問にお答えできる立場にはありま
せんので、エアコンメーカーにお問い合わせください。
◆
友人が、「廃食用油を再利用した軽油代替燃料「BDF」(バイオ・ディーゼル・フューエル)
をドラム缶で購入し、自分でディーゼル車に給油してから、走行に支障が生じている」と言
っている。同様の相談が寄せられたことはあるか。
〈消費者〉→当センターでは受付事例が
ありません。自動車に関する相談を受け付けている(財)自動車製造物責任相談センター
化学製品PL相談センター
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
(http://www.adr.or.jp/)、自動車または自動車燃料を所管する国土交通省および経済産
業省にも問い合わせてみてはいかがですか。
◆
美容業を営んでいる。「永久染毛剤」に使用されているジアミン系染料はアレルギーの原因
物質になることもあると聞くが、染毛剤によるかぶれについて、薬剤が直に触れていない
顔等がかぶれるという例はあるのか。
〈事業者〉→因果関係が定かではないものもありま
すが、染毛剤による皮膚かぶれ等に関する相談は当センターにもいろいろと寄せられてい
ます(『アクティビティーノート』
、
『年度活動報告書』等から関連情報を提供)。化粧品に
関する相談を受け付けている日本化粧品工業連合会 PL相談室や、美容業に関する業界
団体等にも問い合わせてみるとよいでしょう。
◆
経営している美容室で使用しているシャンプーの品質が落ちたような気がする。同業者か
らも同様に感じているとの話を聞いたが、販売会社、製造元ともに、「今までの製品と変
わりない」と言っている。品質が落ちる前のシャンプーが残っているので、現在のものと
の比較検査を行いたい。
〈事業者〉→独立行政法人 製品評価技術基盤機構のホームページ
で、経済産業省の「原因究明機関ネットワーク」に登録されている検査機関を検索すること
ができます(http://www.jiko.nite.go.jp/index6.html)。また独立行政法人 国民生活
センターのホームページに、商品テストを実施する機関のリストが掲載されています
(http://www.kokusen.go.jp/test_list/index.html)。
◆
昨日、子供(3歳)が玩具の中に含まれていた液体を誤飲した。すぐに病院に搬送し医師の
診察を受けたが、今のところ特に身体に異常はないようだ。搬送した病院の医師によると、
「成分表示からすると、その液体は誤飲しても人体に影響はない」とのことで、玩具メーカ
ーにも問い合わせたが「水を飲ませれば問題ない」と言われた。しかし、将来、何らかの身
体的影響が現れるかもしれないと不安なので、その液体を使って動物実験などをしてくれ
る施設があれば教えてほしい。
〈消費者〉→ご希望であれば、経済産業省の「原因究明機関
ネットワーク」に登録されている検査機関をご紹介しますが、動物実験の検査内容に関し
ては各機関に直接ご相談ください。またお子さんの将来の健康に影響を及ぼす可能性につ
いては、医師およびメーカーにお問い合わせください。
◆
農業用資材としてアルミ蒸着シートを販売するにあたり、警告表示に記載すべき内容等に
ついて教えてほしい。
〈事業者〉→製造物責任(PL)法では表示内容や表示様式について
具体的には定められていません。ただし製品表示が適切でない場合や、正確な情報が伝わ
化学製品PL相談センター
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
りにくい場合には、事故が起きた際に製造物責任を問われる可能性があります。社団法人
日本アルミニウム協会(http://www.aluminum.or.jp/)に関連情報について問い合わせて
みるとよいでしょう。
◆
「エンジンオイルやギアオイルを輸入販売するにあたり、警告表示に記載すべき内容等に
ついて知りたい」という問い合わせを受けている。
〈行政〉→製造物責任(PL)法では表示
内容や表示様式について具体的には定められていません。ただし製品表示が適切でない場
合や、正確な情報が伝わりにくい場合には、事故が起きた際に製造物責任を問われる可能
性があります。なお具体的な書き方については、当センターでは特定の企業・商品に関す
るコンサルタント業務は行っておりませんので、コンサルタント会社、損害保険会社等に
相談するようお伝えください。
◆
当社が製造した化学薬品(既存化学物質)を輸出するにあたり、ラベルに表示すべき内容に
ついて教えてほしい。
〈事業者〉→日本および輸出先における各種の法律を踏まえて検討
する必要があるでしょう。日本化学工業品輸出組合(http://www.jcta.or.jp/)、またはコ
ンサルタント等の専門知識を有する人に相談してみてください。
◆
化学製品のラベルを製作している。いろいろな警告図記号を電子媒体で入手したい。
〈事業者〉→それぞれの図記号を作成した機関にお問い合わせください。
◆
SDS(安全性データシート)やRoHS指令の最近の動向について知りたい。
〈事業者〉
→(社)日本化学工業協会 環境安全部を紹介。
◆
有害物質の業界団体があれば教えてほしい。
〈事業者〉→化学関係の業界団体はいろいろと
ありますが、「有害物質」に限定して活動している業界団体については把握しておりません。
◆
組合員の活動の一環としてつくったゴキブリ用殺虫剤(ホウ酸ダンゴ)や肥料(ボカシ肥
料)を無料で配布したり、子供たちと一緒に「廃油石けん」をつくったりすることについて、
法律的な問題はあるか。公的機関による許可等は必要か。
〈その他(農協)〉→肥料につい
ては肥料取締法が、ゴキブリ等の衛生害虫用殺虫剤並びに化粧石けん及び薬用石けんにつ
いては薬事法が適用され、業として生産・製造する場合は登録・承認等が必要です。また有
償無償にかかわらず、業として製造したものについては製造物責任法も適用され、それら
の欠陥により事故が起きた場合には製造物責任を問われる可能性もあります。特に「廃油
石けん」は、材料に使用する苛性ソーダの量や廃油の劣化状態などによっては、皮膚への
化学製品PL相談センター
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
刺激性の強い石けんになる可能性があり、人によってはかぶれ等を起こすことも考えられ
ます。また苛性ソーダは「毒物及び劇物取締法」で劇物に指定されている薬品で、取り扱
いを誤ると、皮膚に触れた場合には「化学やけど」を起こしたり、目に入った場合には失明
したりする恐れがあります。「廃油石けん」づくりに参加した子供などに事故が起きた場合
には管理責任を問われる可能性もありますので、薬品の取り扱いについての知識や経験の
ある人の監督の下に、また十分な設備が整っている場所でない限り、安易に行うことはお
勧めできません。
◆
業者に依頼して外壁の塗装工事を行っている。塗装業者が組んだ足場によって、10年ほど
前に葺き替えた瓦が割れてしまった。塗装業者が瓦屋を呼んで来たが、今後の塗装及び屋
根の修理工事の進め方や、補償の問題について、塗装業者の説明がよく分からないので、
自分にも分かるように解説してほしい。
〈消費者〉→住宅等に関する相談を受け付けている
住宅紛争処理支援センター(http://www.chord.or.jp/shienc/)に相談してみてください。
・‥…・・★ 出前講師のご案内 ★・・…‥・
化学製品PL相談センターに寄せられた相談事例をもとに、化学製品による
事故を防ぐための生活上の注意点等についてお話しさせて頂きます。各地の
消費生活講座や、地域のサークルの勉強会などに、ぜひご活用ください。
日時・費用・その他の詳細につきましては、お気軽にご相談ください。
(TEL.03-3297-2602 担当:藤田)
化学製品PL相談センターニュースメールメンバー登録受付中!
『アクティビティーノート』の発行や、催し物、出版物のご紹介など、当センターの
最新情報を随時お知らせするインターネットメールサービスです。
・人数や資格の制限はありません。
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(インターネット通信費・接続費は各自でご負担ください)
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① ご氏名(フリガナ) ② お勤め先(フリガナ) ③ ご所属・お役職・ご担当など
④ ご連絡先(勤務先か自宅かを明記)の住所・TEL・FAX・E-mailアドレス
⑤ ホームページを開設している場合はURL ⑥ その他ご意見・ご要望など
※ ご連絡頂きました個人情報は、当センターのプライバシーポリシーに則り適正に管理いたします。
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
2.
ちょっと注目
ちょっと注目
―毎月の相談事例からテーマを選んで調べてみました。
スプレー缶
スプレー缶(エアゾール製品
エアゾール製品)
製品)の破裂・
破裂・引火に
引火に注意!
注意!
スプレー缶(エアゾール製品)に関して、「車のダッシュボードに置いていたエア
ゾール式簡易消火具が破裂して、フロントガラスなどが破損した」、また「車の中で
殺虫スプレー(エアゾール缶)を使用したところ、引火して顔や喉に重度の火傷を負
った。警察・消防の鑑定の結果では、事故当時に車内で使用していた蚊取り線香の
火が引火したものとのことであった」との相談が当センターに寄せられました。
スプレー式の容器は、殺虫剤・塗料・消臭剤などの家庭用品、ヘアスプレーや制汗剤などの人体用品、また
自動車用品等に広く使われています。霧吹きのように人の力を用いるポンプタイプのものもありますが、ガ
スの圧力を使って内容物を霧状や泡状に放出する製品は、特にエアゾール製品と呼ばれています。
エアゾール製品の容器の中には、
それぞれの製品の目的となる成分のほかに、それを溶かしている溶剤や、
噴射するための高圧ガスが入っています。ボタンを押すとバルブが開いて、容器内に詰め込まれている高圧
ガスが目的成分・溶剤とともに容器の外に飛び出し、急激に膨張することによって細かい霧や泡をつくると
いう仕組みです。
しかし、エアゾール製品を高温の場所に置くと、この高圧ガスが容器内で膨張して破裂する可能性があり
ます。「高圧ガス保安法」では、エアゾール製品の容器として使用する缶の安全性について、70~80℃以下で
は破裂しない程度の耐圧性を確保するよう定めていますが、直射日光の当たる場所や暖房器具の近辺は
70℃以上になることもあります。また炎天下の自動車内では、窓を閉めてエアコンを止めた場合、車室内の
気温は 60℃前後に、ダッシュボードの上など、場所や日当たりによっては 70~90℃まで上がる恐れがあり
ます。同法では、十分な安全性を考慮して、「温度が 40 度以上となるところに置かないこと」と表示するこ
とを義務づけています。エアゾール製品を車の中に保管することは、できるだけ避けたほうが無難で、どう
しても車内に置いておきたいという場合は、直射日光を避けるなど、置き場所に配慮して、十分注意して保
管する責任が消費者に生じると思われます。
また、高圧ガスや溶剤には可燃性のものが使われていることが多いため、火に近づけると引火して爆発す
る恐れがあります。小さな種火や火花、また火気を使用している室内で大量に使用することも危険です。
エアゾール製品を安全に取り扱うためには、さらにいくつかの注意が必要で、湿気の多いところに保管す
ると缶にサビが生じて劣化し、常温でも破裂する恐れがあります。また廃棄する際は、中身が残っていると
ゴミ収集処理の際に容器が破裂することがあるので、ボタンを押して中身が出ないことを確認してください。
自治体の指示によって缶に穴を開けるときは、火気のない風通しのよい屋外で行いましょう。どうしても使
い切れないときの処理方法は、メーカーや自治体にお問い合わせください。
エアゾール製品は適量を均一に放出することができて便利ですが、取り扱いによっては破裂や引火・爆発
の危険性があるということも理解して、使用・保管にあたっては十分に注意しましょう。また製品によって
は、同じ用途でも、エアゾール製品のほかにポンプ式、ジェル状、ワックス状、固形など、さまざまなタイ
プがあり、
それぞれに特徴を持っています。
商品を購入する際は、
保管場所や廃棄時のことも考慮した上で、
自分のニーズにふさわしいものを選択するとよいでしょう。
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
3.
入手資料の
入手資料の紹介
―2006 年 8 月度に化学製品PL相談センターで入手した資料をご紹介します。
あわせて、資料のなかで化学製品に関連すると思われる記事についても紹介しています。
1. 独立行政法人 国民生活センター『たしかな目』№242、September.2006
2.
独立行政法人 国民生活センター「今月の原因究明テスト実施状況(’06 年6 月分)」2006 年8 月4 日
3. 神奈川県県民部消費生活課「自動車におけるシックハウス予防調査報告書」平成18 年 5 月
4. ガス石油機器PLセンター『INFORMATION』2006.07
5. 家電製品PLセンター『インフォメーション(2006 年7 月度)』
6. 消費生活用製品PLセンター『PLセンターダイジェスト』№2006-2(平成 18 年8 月)
7. 触媒工業協会『触媒工業協会報』第 95 号、2006 年 7 月
8. (社)日本塗料工業会『日塗工月報』平成 18 年 8 月号
9. (株)国際情報センター『PLリポート』第 130 号、2006 年 8 月
10. (株)損保ジャパン・リスクマネジメント「国内製品リコール情報(2006 年 7 月分)」
11. (株)東京リーガルマインド『法律文化』Vol.266、2006 年 9 月
4.
メディア情報
メディア情報から
情報から
―新聞(首都版)などで報道されている、化学物質・化学製品、消費者問題等に関する記事を紹介する
コーナーです。
(記事の存在のみご紹介しています。記事そのものの提供は著作権法により禁じられていますので、
内容の詳細は各紙面でご確認ください)
* 視聴覚障害者向けとして、商品に点字ラベルを貼るサ-ビスが拡大へ(7/25 産経)
* 機器の不良に限らず、生活上にも潜む一酸化炭素中毒が多く“高止まり”の状況(7/27 産経)
* 「シックカー」化学物質で夏こそ車内換気が必要、自動車業界はVOC低減に取組み(7/28 産経)
* 経済産業省が過去情報を含め製品の事故情報をデータベース化する方針を決定(7/29 朝日)
* たばこの煙が細胞内でダイオキシンと似た作用、1本分で摂取基準の200倍(8/5 毎日)
* 急増するセルフ式ガソリンスタンドで、つぎ足しなどによる油漏れ目立ち、業界が対策(8/6 朝日)
* 太陽光が日用品に反射・屈折して集中し発火する「収れん火災」
、日差し強まる夏に用心を(8/7 毎日)
★アクティビティーノート
アクティビティーノートに
アクティビティーノートに関するご意見
するご意見・
意見・ご感想をお
感想をお待
をお待ちしております。
ちしております。
化学製品PL
化学製品PL相談
PL相談センター
相談センター
〒104-
104-0033 東京都中央区新川1
東京都中央区新川1-4-1 住友六甲ビル
住友六甲ビル
TEL:03
TEL:03-
03-3297-
3297-2602 FAX:03
FAX:03-
03-3297-
3297-2604
URL:http://www.nikkakyo.org/pl
URL:http://www.nikkakyo.org/plcenter/
http://www.nikkakyo.org/plcenter/
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
12
9
3
6
いろいろな記念日等にちなみ、身近なものなどにまつわる化学トピックを
紹介しています。
第6回 石炭の
石炭の日(9月5日)
9月5日は石炭の日「クリーン・コール・デー」です。これは「ク(9)リーン・コ(5)ール」の語呂
合わせによるもので、エネルギーとしての石炭の重要性等についての理解を促進する目的で、
1992 年に、当時の通商産業省(現・経済産業省)の呼びかけで、石炭関連団体で構成するクリ
ーン・コール・デー実行委員会により制定されました。
石炭は、数億年という遠い昔に植物が湖や沼の底に積み重なり、腐らずに地層の中に蓄えら
れ、いろいろな分解作用や地中の熱と圧力などによって変化してできたものです。石炭の利用
の歴史は古く、ギリシャでは紀元前 4000 年頃には鍛冶屋の燃料として用いられていました。
工業用に本格的に利用されるようになったのは 16 世紀頃からで、
製鉄業などの発展によっ
て木炭が不足したため、それに代わって石炭が用いられるようになりました。1765 年にジェ
ームズ・ワットによって、石炭を燃料とする蒸気機関が発明されると、紡績工場や織物工場の
ほか、蒸気機関車や汽船などの輸送機関でも使われるようになりました。また石炭から生成
するタールは、各種化学工業の原料として重要な役割を果たし、石炭化学工業の発展をもた
らしました。(現在ではテニスラケットやゴルフクラブ、タイヤやコピー機のトナー等のカー
ボン材として利用されています)
20 世紀になると、中東やアフリカで相次いで大油田が発見されたこともあって、液体で輸
送や貯蔵に便利な石油が、石炭に代わるエネルギーの主役となり、化学原料も石炭から石油
へと転換されました。しかし 1973 年と 1979 年の2度にわたる“オイルショック”によって、
石油という単一のエネルギーにあまりにも頼りすぎたことによる弊害も認識されるようにな
りました。
石油の資源枯渇が叫ばれるなか、埋蔵量が豊富で世界各地に広範囲に分布する石炭はエネ
ルギーの安定供給や経済性の点で、これから先、我が国のエネルギーベストミックスを構成
する重要な資源です。しかし石炭は石油や天然ガス
「クリーン・
クリーン・コール・
コール・デー」
デー」イメージキャラクター
メージキャラクター
に比べ、地球温暖化に寄与するといわれている炭酸
ガスを多く排出するため、環境に調和した高効率で
高度な石炭利用技術「クリーン・コール・テクノロジー」
コール君
コール君
の開発が進められています。
スミちゃん
スミちゃん
協力:(財)石炭エネルギーセンター(http://www.jcoal.or.jp/)
※
次号の『アクティビティーノート』は、10 月 10 日頃に発行の予定です。お楽しみに。
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アクティビティーノート第 115 号(2006 年 9 月)
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